JP2014134120A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる始動制御装置を提供する。
【解決手段】調整弁の開口面積を制御して、吸気量および吸気圧力を制御する。開口面積を吸気圧力が大気圧よりも小さいことになる第1面積とする負圧始動制御を行い、負圧始動制御が行われている場合において内燃機関の機関回転速度の変化率が所定の停滞判定範囲に属する状態が所定の停滞継続時間よりも長く続いたとき、開口面積を第1面積よりも大きい第2面積に変更する始動促進制御を行う。さらに、この装置は、始動促進制御が行われている場合において、内燃機関の機関回転速度の変化率が停滞判定範囲の最小値よりも小さい中止判定値以下となったとき、始動促進制御を中止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路の開口面積を調整可能な調整弁を備える内燃機関に適用される内燃機関の始動制御装置に関する。
従来から、内燃機関の始動(特に、冷間始動)を出来る限り確実に行うべく、吸気通路内の空気の圧力を大気圧よりも小さい圧力とした状態にて内燃機関を始動させる方法(以下、「負圧始動」とも称呼される。)が提案されている。この負圧始動によれば、吸気通路を通過して流れる空気の流速が高められること等に起因し、気筒内での混合気の流れおよび混合気中の燃料の微粒化が促進され、混合気が燃焼し易くなる。すなわち、内燃機関の始動がより確実に行われることになる。
例えば、従来の内燃機関の始動制御装置の一つ(以下、「従来装置」とも称呼される。)は、内燃機関が始動されるとき、吸気通路内の空気の圧力が内燃機関の冷却水の温度に基づいて定められた目標圧力に一致するように、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を調整するようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
以下、便宜上、内燃機関の始動の容易さの程度は、内燃機関の「始動性」とも称呼される。すなわち、内燃機関の始動性が高い場合、内燃機関が容易に始動し得ると言える。
特開2011−052567号公報
従来装置は、スロットル弁の開度と吸気通路内の空気の圧力との関係を実験等によって特定したマップ(テーブル)を有しており、このマップを参照してスロットル弁の開度を調整し、吸気通路内の空気の圧力を目標圧力に一致させるようになっている。
ところが、吸気通路およびスロットル弁などを構成する部材は、周知のように、製造上のばらつき(製造の際に生じ得る同一種の部品間における性能・寸法などの差)を有する場合がある。さらに、一般に、目標圧力を定めるためのパラメータを取得するセンサの製造上のばらつき、それら部材の取り付け位置のばらつき、大気圧の変動等の外的要因のばらつき、および、各部材の経年劣化に起因するばらつき等が存在する場合もある(以下、これらは、単に「ばらつき」と総称される。)。
上述したばらつきがそれほど大きくなければ(別の言い方をすると、あらかじめ想定されているばらつきの範囲内であれば)、上記マップに基づいてスロットル弁の開度が調整されても、内燃機関の始動性が高められ得ると考えられる。しかしながら、上記ばらつきが過度に大きいと(すなわち、あらかじめ想定されているばらつきの範囲を超えると)、上記マップに基づいてスロットル弁の開度が調整されても、実際の吸気通路内の空気の圧力は目標圧力に一致しないことになる場合があると考えられる。この場合、例えば、吸気通路内を実際に通過する空気の量が目標量よりも多く(または、少なく)なることに起因し、混合気の空燃比が目標空燃比よりもリーン(または、リッチ)となり、混合気が適切に燃焼しない可能性がある。すなわち、この場合、内燃機関の始動性が適切に高められない可能性があると考えられる。
さらに、上記理由によって混合気が適切に燃焼しないこととなった場合、単に上記マップに基づいてスロットル弁の開度を調整し続けるだけでは、内燃機関の始動性は改善されないと考えられる。
このように、種々のばらつきの大きさによっては、所定のマップに基づいてスロットル弁の開度を調整しても、必ずしも想定した程度に内燃機関の始動性が高められない可能性があると考えられる。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、内燃機関における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる始動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明による始動制御装置は、内燃機関の吸気通路の開口面積を調整可能な調整弁を備える内燃機関に適用される。
本発明による始動制御装置は、前記調整弁を介して前記吸気通路を通過する空気の量である吸気量、および、前記調整弁よりも下流側における前記吸気通路内の空気の圧力である吸気圧力、を前記調整弁を操作して前記開口面積を調整することによって制御する。
具体的には、本発明による始動制御装置は、
前記内燃機関の始動が開始されたとき、前記開口面積を「前記吸気圧力が大気圧よりも小さいことになる第1面積」とする負圧始動制御を行い、
前記負圧始動制御が行われている場合において、前記内燃機関の機関回転速度の変化率が所定の停滞判定範囲に属する状態が所定の停滞継続時間よりも長く続いたとき、前記開口面積を「前記第1面積よりも大きい第2面積」に変更する始動促進制御を行い、
前記始動促進制御が行われている場合において、前記内燃機関の機関回転速度の変化率が前記停滞判定範囲の最小値よりも小さい中止判定値以下となったとき、前記始動促進制御を中止する、
ように構成されている。
上記構成により、「負圧始動制御」によって内燃機関が十分に始動しない場合(すなわち、内燃機関の機関回転速度の変化率が停滞判定範囲に属する状態が停滞継続時間よりも長く続いた場合)、「始動促進制御」が行われ、吸気通路の開口面積が第1面積から第2面積に拡大されることになる。
本発明の発明者が行った種々の実験および考察によれば、内燃機関の始動時において機関回転速度の変化率が停滞判定範囲に属する状態(以下、「停滞状態」とも称呼される。)が継続するとき、混合気の空燃比は目標値として設定されている空燃比(目標空燃比)よりもリッチな空燃比であると判断できる。これは、例えば、以下の理由による。
一般に、内燃機関の出力は、空燃比が特定の値(例えば、約12.5)であるときに最大となり、空燃比がその特定の値から離れるにつれて徐々に低下する。すなわち、出力は、空燃比に対して上に凸であるように推移する。ここで、内燃機関の始動時には、一般に、目標空燃比がその特定の値よりもリッチな空燃比に設定される。そして、実際の空燃比がこの目標空燃比よりも更にリッチになると、空燃比が上記特定の値から更に離れることになるので、想定している出力よりも実際の出力が小さくなる。その結果、機関回転速度が十分に高まらない(すなわち、停滞状態が継続する)ことになる。
一方、上述した出力と空燃比との関係を考慮すると、実際の空燃比が目標空燃比よりもリーンな空燃比となることに起因して停滞状態が継続する可能性も、完全には否定されない。しかし、始動時の目標空燃比が上記特定の値よりもリッチな空燃比に設定されていることを踏まえると、実際の空燃比が目標空燃比よりも大幅にリーンとならなければ、停滞状態は生じないと考えられる。ばらつきに起因する程度の空燃比の変化ではそのような大幅な空燃比の変動は生じ難いため、空燃比がリーン側に変化して停滞状態が生じる可能性は、空燃比がリッチ側に変化して停滞状態が生じる可能性よりも遥かに小さいと考えられる。
以上が、停滞状態が継続すれば実際の空燃比が目標空燃比よりもリッチな空燃比であると判断できる理由である。
よって、上記始動促進制御によって吸気通路の開口面積が拡大されれば、吸気量が増大することによって混合気の空燃比が大きくなり(すなわち、リーン側に向かって変化することによって目標空燃比に近づき)、混合気が適切に燃焼することになる。
さらに、上記構成により、停滞状態が停滞継続時間よりも長く続いた場合に限って始動促進制御が行われるので、偶発的に機関回転速度の変化率が停滞判定範囲に属する値となったとしても、誤って始動促進制御が行われることが防がれる。すなわち、始動促進制御を行うか否かの判定が、より確実に行われることになる。
加えて、上記構成により、「始動促進制御」が過度に行われることによって内燃機関の始動性がかえって低下した場合(すなわち、機関回転速度の変化率が停滞判定範囲の最小値よりも小さい中止判定値以下となった場合)、始動促進制御が中止されることになる。
これにより、始動促進制御によって混合気の空燃比が大きくなり過ぎた場合(すなわち、目標空燃比よりも過度にリーンな空燃比となった場合)、混合気が適切に燃焼せず失火が生じること(または、一旦生じた失火を助長すること)が防がれることになる。
したがって、本発明の始動制御装置は、内燃機関における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる。別の言い方をすると、本発明によれば、ロバスト性に優れた内燃機関の始動制御装置を提供することができる。
ところで、本発明の「始動制御装置」は、調整弁を操作して吸気通路の開口面積を調整することによって吸気量および吸気圧力を制御し得る構成を備えていればよく、その具体的な構造などは特に制限されない。例えば、始動制御装置は、調整弁を操作する手段、吸気量および吸気圧力を決定する手段、その決定に必要な情報(大気圧などの種々の運転パラメータ)を取得する手段、および、決定した吸気量および吸気圧力を実現するように調整弁に指示を与える手段などから構成され得る。
さらに、始動制御装置は、例えば、内燃機関の始動が開始されたか否かを判定する手段、第1面積および第2面積を決定する手段、内燃機関の機関回転速度を取得する手段、機関回転速度の変化率が停滞判定範囲に属する状態が停滞継続時間よりも長く続いたか否かを判定する手段、機関回転速度の変化率が中止判定値以下となったか否かを判定する手段などからも構成され得る。なお、始動制御装置は、吸気量および吸気圧力に加え、他のパラメータ(例えば、燃料を噴射させるべく燃料に及ぼされる圧力の大きさ)を制御し得るように構成されてもよい。
上記「第1面積」は、内燃機関の始動を開始するべく定められる吸気通路の開口面積であればよく、その具体的な決定方法などは特に制限されない。例えば、第1面積として、実験などによって定められたマップに始動時における種々のパラメータ(例えば、内燃機関の冷却水の温度、燃料の種類、大気圧の大きさ、および、これまでの始動時の第1面積の履歴など)を適用して得られた値が、採用され得る。また、第1面積として、例えば、上記パラメータとは関わりなく設定された(例えば、工場出荷時等に設定された)値が、採用され得る。第1面積の具体的な態様は、後述される(態様4)。
上記「停滞判定範囲」、「停滞継続時間」および「中止判定値」は、混合気が適切に燃焼して十分な出力が得られているか否かを判断し得る範囲、時間長さおよび値であればよく、その具体的な決定方法などは特に制限されない。例えば、停滞判定範囲および停滞継続時間として、エンジンストールを避ける観点から実験などによって定められた範囲および時間長さが採用され得る。また、中止判定値として、例えば、失火を避ける観点から実験などによって定められた値が採用され得る。
上記「第2面積」は、第1面積よりも大きい吸気通路の開口面積であればよく、第1面積と第2面積との間の変更量およびその具体的な決定方法などは特に制限されない。第2面積の具体的な態様は、後述される(態様2,3)。
なお、本発明の始動制御装置は、内燃機関の始動性が低下すると判断される場合(例えば、内燃機関の冷却水の温度が所定の閾値よりも低い場合)に限って負圧始動制御および始動促進制御を行うように構成されてもよい。
本発明の始動制御装置は、吸気通路内を流れる空気中に燃料を噴射する(いわゆるポート噴射を行う)内燃機関に適用され得る。また、本発明の始動制御装置は、燃焼室内に導入された空気中に燃料を噴射する(いわゆる筒内噴射を行う)内燃機関であって、燃焼室の全体に点火・燃焼に適した混合気を一様に形成する(いわゆる均質燃焼を行う)内燃機関にも適用され得る。
以上、本発明の始動制御装置の構成・効果について説明した。次いで、以下、本発明の始動制御装置のいくつかの態様(態様1〜態様4)について述べる。
・態様1
本発明の始動制御装置は、内燃機関の始動が完了するまで、始動促進制御における「吸気通路の開口面積の変更(増大)」を繰り返し行うように構成されてもよい。すなわち、吸気通路の開口面積を第2面積としたものの内燃機関が始動しない場合、開口面積を第2面積よりも更に大きい開口面積に変更してもよい。さらに、このような開口面積の変更(増大)を繰り返してもよい。
吸気通路の開口面積の変更(増大)が繰り返されるとき、変更1回あたりの変更量(増大の度合い。以下、「単位変更量」とも称呼される。)は、要求される始動性などを考慮して定められばよく、特に制限されない。例えば、単位変更量は、第2面積が吸気通路の開口面積の最大値(全開)に相当する面積に連続的に(徐々に)近づくとみなし得る程度に小さい値、に設定され得る。あるいは、単位変更量は、第2面積が同最大値に相当する面積に離散的に(ステップ状に)近づくとみなし得る程度に大きい値、に設定され得る。
すなわち、本発明による始動制御装置(態様1)は、
前記始動促進制御にて、前記内燃機関の始動が完了したと判定されるまで前記第2面積を徐々に大きくする、ように構成され得る。
上記構成(態様1)により、確実な始動を保証できる吸気通路の開口面積を事前に定められない場合であっても、吸気通路の開口面積の変更(増大)を繰り返すことにより、比較的簡便に有限の時間内に内燃機関を始動させることができる。
ところで、上記「内燃機関の始動が完了した」か否かを判定する具体的な基準・方法は、特に制限されない。例えば、この判定の基準・方法として、内燃機関の機関回転速度の変化率が上記停滞判定範囲の最大値よりも大きい始動判定値以上となること、内燃機関の機関回転速度が所定の目標値に到達すること、および、内燃機関の機関回転速度がその目標値の近傍の値である状態が所定の時間長さよりも長く継続すること、のうちの1つ又は複数が成立するとき、内燃機関の始動が完了したと判定する方法、が採用され得る。
・態様2
始動促進制御において第2面積が過度に大きくなると、上述したように、混合気の空燃比が過度にリーンな空燃比となることに起因して失火が生じる可能性がある。そこで、第2面積は、あらかじめそのような失火を避けるように定められ得る。
すなわち、本発明による始動制御装置(態様2)は、
前記始動促進制御にて、前記第2面積が所定の上限値を超えないように定められる、ように構成され得る。
上記構成(態様2)により、内燃機関の始動時に失火が生じることを出来る限り防ぐことができる。
ところで、第2面積の上記「上限値」は、例えば、あらかじめ行われた実験などに基づいて設定され得る。さらに、この上限値は、例えば、他の運転パラメータに関連させながら(例えば、内燃機関の機関回転速度ごとに)設定され得る。
・態様3
内燃機関の燃料として、一般に、ガソリンだけではなく、ガソリンにエタノール等のアルコールが混合された燃料(以下、「アルコール混合燃料」とも称呼する。)が用いられる場合もある。
生物由来の資源から生成されたアルコール(いわゆるバイオエタノール)が混合されたアルコール混合燃料は、ガソリン等の化石燃料のみからなる燃料に比べ、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量を低減することができるという利点があると考えられている。ところが、アルコール混合燃料に含まれるアルコールは、ガソリン等に比べ、特に低温環境下において微粒化し難いという特徴も有する。そのため、内燃機関の燃料としてアルコール混合燃料が採用されると、内燃機関の始動時(特に、冷間始動時)において、アルコール混合燃料に含まれるアルコールが十分に微粒化しないことに起因し、内燃機関の始動性が低下する場合がある。
そこで、アルコール混合燃料が用いられる内燃機関は、上述した負圧始動を行うように構成されることが好適である。そして、このように構成された内燃機関に本発明の始動制御装置が適用されれば、上記同様、内燃機関における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる。
すなわち、本発明による始動制御装置(態様3)は、
前記内燃機関の燃料としてガソリンとアルコールとが混合された燃料が用いられる内燃機関に適用され得る。
上記「アルコール」は、内燃機関の燃料として用いられ得るアルコールであればよく、特に制限されない。例えば、アルコールとして、エタノールが採用され得る。
・態様4
負圧始動制御における第1面積は、内燃機関の始動に特に影響を与え得るパラメータに基づいて設定されることが望ましい。
例えば、本発明による始動制御装置(態様4)は、
前記負圧始動制御にて、前記内燃機関の温度、大気圧の大きさ及び前記燃料に含まれるアルコールの割合の少なくとも1つに基づいて前記第1面積が定められる、ように構成され得る。
ところで、上記「内燃機関の温度」は、内燃機関の始動性に相関する温度であればよく、具体的な対象および測定方法などは特に制限されない。例えば、上記「内燃機関の温度」として、内燃機関の冷却水の温度が採用され得る。
以上にいくつかの態様とともに説明したように、本発明の始動制御装置は、内燃機関における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる。
本発明の実施形態に係る始動制御装置が適用される内燃機関の概略図である。 本発明の実施形態に係る始動制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る始動制御装置の作動の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明による内燃機関の始動制御装置の実施形態が、図面を参照しながら説明される。
・装置の概要
図1は、本発明の実施形態に係る始動制御装置(以下、「実施装置」とも称呼される。)が内燃機関10に適用されたシステムの概略構成を示している。
内燃機関10(以下、単に「機関10」とも称呼される。)は、吸気通路の開口面積を調整可能な調整弁(スロットル弁)を備えた4サイクル・ポート噴射方式・火花点火式・多気筒(4気筒)機関である。図1は、複数の気筒のうちの一の気筒の断面のみを示している。なお、他の気筒も、この一の気筒と同様の構成を備えている。機関10は、燃料としてガソリンとアルコール(具体的には、エタノール)とが混合された燃料(アルコール混合燃料)を用いるように構成されている。
この機関10は、シリンダブロック部20、シリンダブロック部20の上部に固定されるシリンダヘッド部30、シリンダブロック部20(後述される燃焼室25)に空気と燃料とが混合されたガス(混合気)を提供するための吸気系統40、シリンダブロック部20から排出されるガス(排ガス)を機関10の外部に放出するための排気系統50、アクセルペダル61、各種センサ71〜79、および、電子制御装置80、を備えている。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、および、クランクシャフト24、を有している。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランクシャフト24に伝達され、これにより同クランクシャフト24が回転するように構成されている。シリンダ21の内壁面、ピストン22の上面およびシリンダヘッド部30の下面は、燃焼室25を画成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフト33、燃料を吸気ポート31の上流側(後述される吸気通路内)に噴射するインジェクタ34、燃料タンク(図示省略)からインジェクタ34に燃料を送るための燃料パイプ34a、燃焼室25に連通した排気ポート35、排気ポート35を開閉する排気弁36、排気弁36を駆動するエキゾーストカムシャフト37、点火プラグ38、および、点火プラグ38に与える高電圧を発生するイグナイタ39を有している。
吸気系統40は、吸気ポート31を介してそれぞれの気筒に連通されたインテークマニホールド41、インテークマニホールド41の上流側の集合部に接続された吸気管42、吸気管42の端部に設けられたエアクリーナ43、吸気管42の開口面積を変更することができるスロットル弁44、および、指示信号に応じてスロットル弁44を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ44a、を有している。吸気ポート31、インテークマニホールド41および吸気管42は、吸気通路を構成している。
スロットル弁44は、電子制御装置80からの指示に応じた開度となるようにスロットル弁アクチュエータ44aによって操作され、吸気通路の開口面積を調整する。これにより、スロットル弁44を介して吸気通路を通過する空気の量(吸気量)、および、スロットル弁44よりも下流側における吸気通路内の空気の圧力(吸気圧力)が制御される。
排気系統50は、排気ポート35を介してそれぞれの気筒に連通されたエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51の下流側の集合部に接続された排気管52、および、排気管52に設けられた排ガス浄化用触媒53、を有している。排気ポート35、エキゾーストマニホールド51および排気管52は、排気通路を構成している。
機関10の外部には、機関10に加速要求および要求トルクなどを入力するためのアクセルペダル61が設けられている。アクセルペダル61は、機関10の操作者によって操作される。
さらに、各種センサ71〜79として、実施装置は、吸入空気量センサ71、スロットル弁開度センサ72、アルコール濃度センサ73、大気圧センサ74、クランクポジションセンサ75、水温センサ76、空燃比センサ77,78、および、アクセル開度センサ79、を備えている。
吸入空気量センサ71は、吸気通路(吸気管42)に設けられ、吸気管42を通じて機関10に吸入される空気の質量に応じた信号を出力するように構成されている。
スロットル弁開度センサ72は、スロットル弁44の近傍に設けられ、スロットル弁44の開度に応じた信号を出力するように構成されている。この信号に基づき、スロットル弁の開度Othが取得される。
アルコール濃度センサ73は、燃料パイプ34aに設けられ、燃料パイプ34aを流れる燃料のアルコール濃度(機関10においては、エタノール濃度Cetha)に応じた信号を出力するようになっている。この信号に基づき、燃料のエタノール濃度Cethaが取得される。なお、アルコール濃度センサ73として、例えば、周知の静電容量型のセンサ(一対の電極を用いて測定対象の比誘電率を測定可能なセンサ。例えば、特開平6−27073号公報を参照。)が採用され得る。
大気圧センサ74は、機関10の外部に設けられ、大気圧に応じた信号を出力するように構成されている。この信号に基づき、大気圧の大きさPatmが取得される。
クランクポジションセンサ75は、クランクシャフト24の近傍に設けられ、クランクシャフトの回転に応じた信号を出力するように構成されている。この信号に基づき、クランクシャフト24の単位時間あたりの回転数(以下、「機関回転速度NE」とも称呼される。)が取得される。
水温センサ76は、シリンダ21内を流れる冷却水の通路に設けられ、冷却水の温度に応じた信号を出力するように構成されている。この信号に基づき、冷却水の温度THWが取得される。
空燃比センサ77,78は、触媒53の上流側および下流側の排気通路に設けられ、触媒53に導入される排ガスおよび触媒53から排出される排ガスの空燃比に応じた信号を出力するように構成されている。
アクセル開度センサ79は、アクセルペダル61に設けられ、アクセルペダル61の開度に応じた信号を出力するように構成されている。
電子制御装置80は、CPU81、CPU81が実行するプログラム、テーブル(マップ)および定数などをあらかじめ記憶したROM82、CPU81が必要に応じて一時的にデータを格納するRAM83、電源が投入された状態でデータを格納すると共に格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM84、ならびに、インターフェース85を有する。CPU81、ROM82、RAM83、RAM84およびインターフェース85は、互いにバスで接続されている。
インターフェース85は、上記各種センサと接続され、CPU81にそれらセンサから出力される信号を伝えるように構成されている。さらに、インターフェース85は、インジェクタ34、イグナイタ39およびスロットル弁アクチュエータ44aなどと接続され、CPU81の指示に応じてそれらに指示信号を送るように構成されている。
例えば、CPU81は、スロットル弁44の開度に関する指示信号をインターフェース85を介してスロットル弁アクチュエータ44a(または、スロットル弁アクチュエータ44aの作動を制御する制御装置)に送るように構成されている。
以上が、実施装置が機関10に適用されたシステムの概要である。
・装置の作動
以下、実施装置の作動が、図2および図3を参照しながら説明される。
実施装置において、CPU81は、図2に示した「始動制御ルーチン」を実行し、機関10の始動時におけるスロットル弁44の開度Othを決定するとともに、決定された開度Othに一致するようにスロットル弁44(具体的には、スロットル弁アクチュエータ44a)を作動させる。
具体的に述べると、まず、CPU81は、所定のタイミングにて図2のステップ200から処理を開始してステップ205に進み、機関10の始動が開始されたか否か(例えば、図示しないイグニッション・キー・スイッチが始動位置へ向かって回転されたか否か)を判定する。
現時点にて機関10の始動が開始された場合、CPU81は、ステップ205にて「Yes」と判定し、ステップ210に進む。CPU81は、ステップ210にて、スロットル弁44の開度Oth1を決定する。この開度Oth1は、あらかじめ定められたマップに現時点における運転パラメータ(冷却水の温度THW、大気圧の大きさPatmおよび燃料のエタノール濃度Cetha)を適用することによって決定される。開度Oth1は、冷却水の温度THWが高いほど大きく、大気圧の大きさPatmが大きいほど小さく、燃料のエタノール濃度Cethaが高いほど小さく、設定される。さらに、開度Oth1は、吸気圧力が大気圧よりも小さい圧力となるように決定される。
次いで、CPU81は、ステップ215に進む。CPU81は、ステップ215にて、機関10のクランキングを開始する。
次いで、CPU81は、ステップ220に進む。CPU81は、ステップ220にて、スロットル弁44の開度を開度Oth1に調整するように、スロットル弁アクチュエータ44aに指示を与える。これにより、機関10を始動させるための「負圧始動制御」が行われる。
次いで、CPU81は、ステップ225に進む。CPU81は、ステップ225にて、インジェクタ34からの燃料噴射を開始させる。なお、噴射される燃料の量は、現時点における所定の運転パラメータ(例えば、冷却水の温度THWおよび機関回転速度NE)に基づいて決定される。
次いで、CPU81は、ステップ230に進む。CPU81は、ステップ230にて、現時点における機関回転速度の変化率ΔNEが所定の停滞判定範囲(Rl≦ΔNE≦Ru)に属するか否かを判定する。停滞判定範囲の最小値Rlおよび最大値Ruは、あらかじめ行われた実験により、機関回転速度の変化率ΔNEがこの範囲に属する状態が所定の時間長さ(後述される停滞継続時間Rt)よりも長く継続したときに機関10がエンジンストールを起こす値として、設定されている。
現時点における機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲に属する場合、CPU81は、ステップ230にて「Yes」と判定し、ステップ235に進む。CPU81は、ステップ235にて、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲に属する状態(以下、「停滞状態」とも称呼される。)が現時点にて停滞継続時間Rtよりも長く続いているか否かを判定する。この停滞継続時間Rtは、上述したように、停滞状態がこの時間長さよりも長く継続したときに機関10がエンジンストールを起こす値として、設定されている。
現時点では未だ停滞継続時間Rtよりも長く停滞状態が続いていない場合、CPU81は、ステップ235にて「No」と判定し、ステップ230に戻る。その後、CPU81は、再び、ステップ230およびステップ235の処理を行う。すなわち、CPU81は、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲を脱するか(例えば、停滞状態が終了するか)、または、停滞状態が停滞継続時間Rtよりも長く続くまで、ステップ230およびステップ235の処理を繰り返す。
停滞状態が停滞継続時間Rtよりも長く続いた場合、CPU81は、ステップ235にて「Yes」と判定し、ステップ240に進む。CPU81は、ステップ240にて、スロットル弁44の開度Oth2を決定する。この開度Oth2は、開度Oth1よりも大きい開度(本例においては、開度Oth2は、開度Oth1から所定の開度差ΔOthだけ大きい開度)であって、所定の上限値Othlimを超えない開度であるように定められる。この上限値Othlimは、あらかじめ行われた実験により、スロットル弁44の開度がこの値よりも大きくなったときに失火が生じる可能性がある値として、設定されている。
次いで、CPU81は、ステップ245に進む。CPU81は、ステップ245にて、スロットル弁44の開度を開度Oth2に調整するように、スロットル弁アクチュエータ44aに指示を与える。これにより、機関10の始動を促進するための「始動促進制御」が行われる。
次いで、CPU81は、ステップ250に進む。CPU81は、ステップ250にて開度Oth2の値を開度Oth1に格納する。そして、CPU81は、ステップ230に戻り、再びステップ230〜ステップ245の処理を行う。すなわち、CPU81は、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲を脱するまで(例えば、停滞状態が終了するまで)、ステップ230〜ステップ245の処理を繰り返し、開度Oth2を徐々に大きくする。
始動促進制御が行われることにより、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲を脱した場合、CPU81は、ステップ230にて「Yes」と判定し、ステップ255に進む。CPU81は、ステップ255にて機関10の始動が完了したか否かを判定する。本例においては、CPU81は、ステップ255にて、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲の最大値Ruよりも大きい所定の判定値Res以上となった場合に機関10の始動が完了したと判定し、機関回転速度の変化率ΔNEが判定値Resよりも小さい場合に機関10の始動が完了していないと判定する。
現時点にて機関10の始動が完了したと判定された場合、CPU81は、ステップ255にて「Yes」と判定し、ステップ260に進む。CPU81は、ステップ260にて、スロットル弁44の開度を通常運転時の開度(例えば、あらかじめ定められたマップに種々の運転パラメータを適用することによって定められ得る。)に調整するように、スロットル弁アクチュエータ44aに指示を与える。これにより、上記「始動促進制御」が終了するとともに、機関10の通常運転が開始される。
その後、CPU81は、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、現時点にて機関10の始動が完了したと判定されない場合、CPU81は、ステップ255にて「No」と判定し、ステップ265に進む。CPU81は、ステップ265にて、機関回転速度の変化率ΔNEが中止判定値Rst以下であるか否かを判定する。中止判定値Rstは停滞判定範囲の最小値Rlよりも小さい値であり、あらかじめ行われた実験により、機関回転速度の変化率ΔNEがこの値以下であるときに近い将来の時点にて失火が生じる値として、設定されている。
現時点における機関回転速度の変化率ΔNEが中止判定値Rst以下である場合、CPU81は、ステップ265にて「Yes」と判定し、接続指標Aを介してステップ220に進む。そして、CPU81は、ステップ220にて、スロットル弁44の開度を再び開度Oth1に調整する。すなわち、機関回転速度の変化率ΔNEが中止判定値Rst以下である場合、スロットル弁44の開度の増加分がゼロに再設定される。
これに対し、現時点における機関回転速度の変化率ΔNEが中止判定値Rst以下でない場合、CPU81は、ステップ265にて「No」と判定し、接続指標Bを介してステップ230に進む。そして、CPU81は再び、ステップ230〜ステップ265の処理を行う。このとき、ステップ240にてスロットル弁44の開度が現在の開度よりも大きい値に設定され(開度をΔOthだけ大きくすることが再び行われ)、ステップ255にて機関10の始動が完了したか否かが再び判定される。これにより、始動促進制御にて、機関10の始動が完了したと判定されるまで、スロットル弁44の開度(Oth2)が徐々に大きくなることになる。
そして、スロットル弁44の開度が徐々に大きくなることにより、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲を脱し(ステップ230にて「Yes」と判定され)、機関10の始動が完了すれば(ステップ255にて「Yes」と判定されれば)、始動促進制御が終了するとともに、機関10の通常運転が開始される(ステップ260)。
なお、通常運転が行われているときに図2のルーチンが実行されると、CPU81は、ステップ205にて「No」と判定してステップ260に進み、機関10の通常運転を継続する。
・実施装置による制御の例
実施装置による始動制御が行われる際の機関回転速度NEおよびスロットル弁44の開度Othの推移の一例が、図3を参照しながら説明される。図3は、機関10の始動が開始されてから始動が完了するまでの制御の例を示すタイムチャートである。なお、図3においては、理解が容易になるように、実際の各値の波形が模式化された波形が示されている。
時刻taにおいて、機関10の始動が開始される。よって、時刻taよりも前の時点において(機関10は停止しているので)、機関回転速度はゼロである。また、時刻taよりも前の時点において、スロットル弁44の開度はゼロに設定されている。
時刻taにおいて機関10の始動が開始されると、クランキングが行われ、機関回転速度NEはクランキング機関回転速度NEclに増大する。そして、クランキングが行われながら、時刻tbにおいて、スロットル弁44の開度が開度Oth1に調整される。
スロットル弁44の開度が開度Oth1である状態にて、インジェクタ34から燃料が噴射され、「負圧始動制御」による機関10の始動が試みられる。この負圧始動制御により、時刻tcにおいて混合気の燃焼が始まり、時刻tdにおいて機関回転速度NEが機関回転速度NErにまで上昇する。
本例においては、負圧始動制御によっては混合気が十分に燃焼せず、機関回転速度がアイドリング回転数NEidにまでは上昇せず、アイドリング回転数NEidよりも小さい機関回転速度NErの近傍にて機関回転速度が停滞したと仮定する。さらに、時刻tdにおいて、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲(Rl≦NE≦Ru)に属することになったと仮定する。
機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲に属する状態が停滞継続時間Rtだけ続くと、時刻teにおいて、スロットル弁44の開度が開度Oth1からΔOthだけ増大された「始動促進制御」用の開度Oth2に変更される。なお、本例においては、停滞継続時間Rtは、4気筒の全てにおいて燃焼工程が行われる時間長さ(1サイクル)に相当するように定められている。
スロットル弁44の開度をΔOthだけ増大させることは、機関10の始動が完了したと判定されるまで、停滞継続時間Rtごとに繰り返される。そのため、時刻te以降において、スロットル弁44の開度Oth2は徐々に増大する。具体的には、スロットル弁44の開度Oth2は、時刻teにおいてΔOthだけ増大し、時刻tfにおいて更にΔOthだけ増大する。
そして、時刻tgにおいて燃料が適切に燃焼して機関回転速度が上昇し(機関回転速度の変化率ΔNEも停滞判定範囲を脱し)、時刻thにおいて機関回転速度がアイドリング回転数NEidに到達する。本例においては、機関回転速度NEがアイドリング回転数NEidに到達した場合、機関10の始動が完了したと判定され、スロットル弁44の開度が通常運転時の開度(アイドリング開度Othid)に設定される。
以上、説明したように、実施装置は、機関10の始動時において、吸気圧力を負圧(大気圧よりも小さい圧力)とする負圧始動制御がなされたとき、機関回転速度の変化率ΔNEが停滞判定範囲に属する状態が停滞継続時間Rtよりも長く続くと、スロットル弁44の開度を増大する(開度Oth1から開度Oth2に変更する)始動促進制御を行う。実施装置は、機関10の始動が完了したと判定されるまで、スロットル弁44の開度を増大させることを繰り返す。これにより、実施装置は、機関10における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる。
以上が、本発明の実施形態についての説明である。
<実施形態の総括>
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る始動制御装置(実施装置)は、内燃機関10の吸気通路の開口面積を調整可能な調整弁44を備える内燃機関10に適用される。
実施装置は、前記調整弁44を介して前記吸気通路を通過する空気の量である吸気量、および、前記調整弁44よりも下流側における前記吸気通路内の空気の圧力である吸気圧力、を前記調整弁44を操作して前記開口面積(開度)を調整することによって制御する始動制御装置であって、
前記内燃機関10の始動が開始されたとき(例えば、図3の時刻ta)、前記開口面積を前記吸気圧力が大気圧よりも小さいことになる第1面積Oth1とする負圧始動制御を行い、
前記負圧始動制御が行われている場合において、前記内燃機関10の機関回転速度の変化率ΔNEが所定の停滞判定範囲に属する状態が所定の停滞継続時間Rtよりも長く続いたとき(図3の時刻te)、前記開口面積を前記第1面積Oth1よりも大きい第2面積Oth2に変更する始動促進制御を行うとともに、
前記始動促進制御が行われている場合において、前記内燃機関10の機関回転速度の変化率ΔNEが前記停滞判定範囲の最小値よりも小さい中止判定値Rst以下となったとき、前記始動促進制御を中止する(図2のステップ265にて「Yes」と判定されたとき、スロットル弁44の開度をOth1にリセットする)、
ように構成されている。
さらに、実施装置は、前記始動促進制御にて、前記内燃機関10の始動が完了したと判定されるまで前記第2面積Oth2を徐々に大きくする、ように構成されている。
さらに、実施装置は、前記始動促進制御にて、前記第2面積Oth2が所定の上限値Othlimを超えないように定められる、ように構成されている。
さらに、実施装置は、前記内燃機関10の燃料としてガソリンとアルコール(エタノール)とが混合された燃料が用いられる内燃機関10に適用されている。
さらに、実施装置は、前記負圧始動制御にて、前記内燃機関10の温度THW、大気圧の大きさPatm及び前記燃料に含まれるアルコールの割合Cethaの少なくとも1つに基づいて前記第1面積Oth1が定められる(図2のステップ210)、ように構成されている。
<その他の態様>
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、実施装置においては、始動促進制御が行われる際のスロットル弁44の開度の変更量(ΔOth)の具体的な値について言及していない。実施装置は、例えば、この変更量を機関10に要求される始動性に応じた値に設定するように構成され得る。
さらに、実施装置においては、機関10が始動されるとき、常に負圧始動制御(および、必要に応じて始動促進制御)が行われるようになっている。しかし、実施装置は、機関10の始動性が低下すると判断される場合(例えば、冷却水の温度THWが所定の閾値よりも低い場合、および、アルコール濃度Cethaが所定の閾値よりも高い場合、または、これら双方が満たされる場合)に限り、上述した負圧始動制御を行うように構成されてもよい。
本発明は、内燃機関における種々のばらつきが大きい場合であっても出来る限り確実に内燃機関を始動させることができる始動制御装置として利用することができる。
10…内燃機関、34…インジェクタ(ポート噴射)、41…吸気管(吸気通路)、44…スロットル弁、73…アルコール濃度センサ、74…大気圧センサ、75…クランクポジションセンサ、76…水温センサ、80…電子制御装置

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気通路の開口面積を調整可能な調整弁を備える内燃機関に適用され、
    前記調整弁を介して前記吸気通路を通過する空気の量である吸気量、および、前記調整弁よりも下流側における前記吸気通路内の空気の圧力である吸気圧力、を前記調整弁を操作して前記開口面積を調整することによって制御する始動制御装置であって、
    前記内燃機関の始動が開始されたとき、前記開口面積を前記吸気圧力が大気圧よりも小さいことになる第1面積とする負圧始動制御を行い、
    前記負圧始動制御が行われている場合において、前記内燃機関の機関回転速度の変化率が所定の停滞判定範囲に属する状態が所定の停滞継続時間よりも長く続いたとき、前記開口面積を前記第1面積よりも大きい第2面積に変更する始動促進制御を行うとともに、
    前記始動促進制御が行われている場合において、前記内燃機関の機関回転速度の変化率が前記停滞判定範囲の最小値よりも小さい中止判定値以下となったとき、前記始動促進制御を中止する、
    ように構成された内燃機関の始動制御装置。
  2. 請求項1に記載の始動制御装置において、
    前記始動促進制御にて、前記内燃機関の始動が完了したと判定されるまで前記第2面積を徐々に大きくする、ように構成された始動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の始動制御装置において、
    前記始動促進制御にて、前記第2面積が所定の上限値を超えないように定められる、ように構成された始動制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の始動制御装置であって、
    前記内燃機関の燃料としてガソリンとアルコールとが混合された燃料が用いられる内燃機関に適用される、始動制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の始動制御装置において、
    前記負圧始動制御にて、前記内燃機関の温度、大気圧の大きさ及び前記燃料に含まれるアルコールの割合の少なくとも1つに基づいて前記第1面積が定められる、ように構成された始動制御装置。


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