JP2014133529A - ハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステム - Google Patents

ハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステム Download PDF

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Abstract

【課題】回生可能な領域を拡大すること。
【解決手段】エンジン回転軸11の連結されるキャリアCとMG1回転軸12の連結されるサンギヤSとMG2回転軸13及び駆動輪Wの連結されるリングギヤRとを有する動力分配機構20と、エンジンENGとキャリアCとの間に介在させた摩擦クラッチ40と、この摩擦クラッチ40の第1係合要素41と第2係合要素42を半係合状態に制御して滑らせながら第1回転機MG1と第2回転機MG2とを回生駆動させるHVECUと、を備えること。
【選択図】図1

Description

本発明は、機関と回転機を動力源として用いるハイブリッド車両の動力伝達装置とハイブリッドシステムに関する。
従来、ハイブリッド車両の動力伝達装置としては、機関と2つの回転機とが接続される動力分配機構(遊星歯車機構)を備えたものが知られている。この種の動力伝達装置を有するハイブリッドシステムにおいては、動力分配機構の夫々の回転要素に、機関の回転軸と第1回転機の回転軸と第2回転機の回転軸と駆動輪とが接続される。下記の特許文献1には、エンジンと第1電動発電機と第2電動発電機及び駆動輪とが動力分配機構の夫々の回転要素に対して個別に接続されたものが開示されている。この特許文献1のハイブリッドシステムにおいては、エンジンと動力分配機構との間に摩擦クラッチとワンウェイクラッチを介在させている。
特開平08−295140号公報
ところで、その様な従来のハイブリッドシステムでは、駆動輪と同じ回転要素に連結される第2電動発電機と共に第1電動発電機も電動機として駆動させることで、その双方の動力を利用した走行を行うことができる。しかしながら、このハイブリッドシステムでは、エンジンと動力分配機構との間にワンウェイクラッチを介在させており、このワンウェイクラッチで第1電動発電機の出力トルクの反力を受けることになるので、回生トルクを発生させることができるのは第2電動発電機しかない。これが為、その回生トルクの大きさは、二次電池の充電可能な上限パワーにも依るが、その第2電動発電機の定格(つまり回転数に対する定格トルク)によって制限されてしまう。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、回生可能な領域を拡大することのできるハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置は、相互間での差動回転が可能な複数の回転要素を有し、該各回転要素が、機関の回転軸に連結される回転要素と第1回転機の回転軸に連結される回転要素と第2回転機及び駆動輪に連結される回転要素とを含む動力分配機構と、前記機関と当該機関の連結される前記回転要素との間に介在させた摩擦係合装置と、前記摩擦係合装置を半係合状態に制御して滑らせながら前記第1回転機と前記第2回転機とを回生駆動させる制御装置と、を備えることを特徴としている。
一方、上記目的を達成する為、本発明に係るハイブリッドシステムは、機関と、第1回転機と、第2回転機と、相互間での差動回転が可能な複数の回転要素を有し、該各回転要素が、前記機関の回転軸に連結される回転要素と前記第1回転機の回転軸に連結される回転要素と前記第2回転機及び駆動輪に連結される回転要素とを含む動力分配機構と、前記機関と当該機関の連結される前記回転要素との間に介在させた摩擦係合装置と、前記摩擦係合装置を半係合状態に制御して滑らせながら前記第1回転機と前記第2回転機とを回生駆動させる制御装置と、を備えることを特徴としている。
ここで、前記動力分配機構の出力軸における前記回生駆動中のトルクは、前記第2回転機における回生トルクと前記第1回転機における回生トルクと前記摩擦係合装置における半係合時トルクとの和とすることが望ましい。
また、前記制御装置は、二次電池のSOCが所定の閾値よりも小さい場合、前記第1回転機と前記第2回転機とによる前記回生駆動を行い、前記SOCが所定の閾値以上の場合、前記第2回転機のみを回生駆動させることが望ましい。
また、前記制御装置は、前記第2回転機のみの前記回生駆動を行う場合、前記第1回転機を力行駆動させることが望ましい。
本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムは、摩擦係合装置を半係合状態に制御することで、機関の回転軸と当該機関の連結される回転要素との間にブレーキが無くても第1回転機を回生駆動させることができるので、第1回転機と前記第2回転機とを同時に回生駆動させることができる。従って、この動力伝達装置及びハイブリッドシステムにおいては、回生可能な動作領域が拡大するので、電費を向上させることができる。
図1は、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの構成を示すスケルトン図である。 図2は、制御装置における入出力関係図である。 図3は、車両が制動動作を行ったときの回生制御について説明するフローチャートである。 図4は、クラッチ解放時のEV走行モードで走行しているときの動力伝達装置の共線図である。 図5は、クラッチ半係合制御によってMG1回転数を負回転側に操作したときの動力伝達装置の共線図である。 図6は、クラッチ半係合状態でMG1&2回生制御を行うときの動力伝達装置の共線図である。 図7は、クラッチ解放状態でMG1回転数を正回転側に操作したときの動力伝達装置の共線図である。 図8は、クラッチ半係合状態でMG2回生制御とMG1力行制御とを行うときの動力伝達装置の共線図である。 図9は、MG1&2回生制御を実行するときのタイムチャートの一例である。 図10は、第1回転機の損失マップである。 図11は、第2回転機の損失マップである。
以下に、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの実施例を図1から図11に基づいて説明する。
図1の符号1は、本実施例の動力伝達装置を示す。また、図1の符号100は、その動力伝達装置1を有するハイブリッドシステムを示す。
ハイブリッドシステム100は、エンジンENGと第1回転機MG1と第2回転機MG2とを動力源として備える。
エンジンENGは、エンジン回転軸(クランクシャフト)11から機械的な動力(出力トルク)を出力する内燃機関や外燃機関等の機関である。このエンジンENGは、その動作が図2に示す機関制御装置としての電子制御装置(以下、「ENGECU」と云う。)51によって制御される。そのENGECU51は、例えば、電子スロットル弁の開度制御、点火信号の出力による点火制御、燃料の噴射制御等を行って、エンジンENGの出力トルク(以下、「エンジントルク」と云う。)Teを制御する。
第1回転機MG1と第2回転機MG2は、力行駆動時の電動機(モータ)としての機能と、回生駆動時の発電機(ジェネレータ)としての機能と、を有する電動発電機(モータ/ジェネレータ)である。これら第1及び第2の回転機MG1,MG2は、その動作が図2に示す回転機制御装置としての電子制御装置(以下、「MGECU」と云う。)52によって制御される。第1及び第2の回転機MG1,MG2は、インバータ(図示略)を介して二次電池(図示略)に接続されており、夫々の回転軸(MG1回転軸12、MG2回転軸13)に入力された機械エネルギ(回転トルク)を電気エネルギに変換して、二次電池に蓄電させることができる。また、第1及び第2の回転機MG1,MG2は、二次電池から供給された電気エネルギ又は他方の回転機(第2及び第1の回転機MG2,MG1)が生成した電気エネルギを機械エネルギ(回転トルク)に変換し、夫々の回転軸(MG1回転軸12、MG2回転軸13)から機械的な動力(出力トルク)として出力することができる。MGECU52は、例えば、第1回転機MG1や第2回転機MG2に対して供給する電流値を調整し、第1回転機MG1の出力トルク(以下、「MG1トルク」と云う。)Tmg1や第2回転機MG2の出力トルク(以下、「MG2トルク」と云う。)Tmg2を制御する。
このハイブリッドシステム100は、エンジン回転軸11とMG1回転軸12とを同心に配置し、且つ、これらの回転軸に対して平行に間隔を空けてMG2回転軸13を配置した複軸式のものである。動力伝達装置1は、その各動力源の相互間における動力伝達を可能にし、且つ、夫々の動力源と駆動輪Wとの間での動力伝達も可能になるように構成する。この為、この動力伝達装置1は、エンジン回転軸11とMG1回転軸12とMG2回転軸13とが連結された動力分配機構20を備える。
動力分配機構20は、相互間で差動回転が可能な複数の回転要素を有する差動機構であり、その回転要素にエンジン回転軸11とMG1回転軸12とMG2回転軸13と駆動輪Wとが連結されている。ここで例示する動力分配機構20は、3つの回転要素を有し、その夫々にエンジン回転軸11とMG1回転軸12とMG2回転軸13及び駆動輪Wとが各々連結されるものである。具体的には、サンギヤSとピニオンギヤPとリングギヤRとキャリアCとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構である。サンギヤSには、MG1回転軸12を介して第1回転機MG1が連結される。リングギヤRには、後述する歯車31等を介して第2回転機MG2と駆動輪Wとが連結される。キャリアCには、後述する摩擦クラッチ40を介してエンジンENGが連結される。
ここで、リングギヤRは、動力分配機構20の出力要素であり、円筒状の部材の内周面に歯面を有する内歯歯車である。従って、その円筒状の部材は、動力分配機構20の出力軸として機能する。この円筒状の部材の外周面には、外歯歯車としての歯車31の歯面が形成されている。動力伝達装置1には、その歯車31と噛み合い状態にある歯車32と、この歯車32と一体になって回転する歯車33と、この歯車33と噛み合い状態にある歯車34と、この歯車34を有するケースを備えた差動装置35と、が設けられている。駆動輪Wは、その差動装置35に連結されている。更に、この動力伝達装置1は、歯車32と噛み合い状態にある歯車36を備えている。その歯車36は、MG2回転軸13に連結されており、このMG2回転軸13と一体になって回転する。
この動力伝達装置1は、更に摩擦クラッチ40を備える。その摩擦クラッチ40は、エンジンENGと当該エンジンENGの連結される回転要素(キャリアC)との間に介在させた摩擦係合装置である。この摩擦クラッチ40は、第1係合要素41と第2係合要素42とを備える。第1係合要素41は、エンジン回転軸11に連結され、このエンジン回転軸11と一体になって回転する。一方、第2係合要素42は、キャリアCに連結された回転軸(キャリア軸)21に接続されており、そのキャリアCと一体になって回転する。この摩擦クラッチ40は、その係合動作と解放動作が図2に示すクラッチ制御装置としての電子制御装置(以下、「クラッチECU」と云う。)53によって制御される。クラッチECU53は、第1係合要素41と第2係合要素42との間でのトルク伝達が可能な係合状態、又は、その間でのトルク伝達を行えない解放状態への制御を行う。ここで、係合状態については、完全係合状態と半係合状態とに分けられる。完全係合状態とは、第1係合要素41と第2係合要素42の回転が同期している状態のことである。半係合状態とは、第1係合要素41と第2係合要素42とが係合し始めてから、これらの回転が同期するまでの状態のことであり、第1係合要素41と第2係合要素42との間に回転数差(即ち滑り)が生じている状態のことである。
このハイブリッドシステム100においては、図2に示すように、ENGECU51とMGECU52とクラッチECU53を統括制御すると共にシステムの統合制御を行う統合ECU(以下、「HVECU」と云う。)50が設けられており、これらによって本システムの制御装置が構成される。HVECU50は、ENGECU51を介してエンジンENGを制御し、MGECU52を介して第1回転機MG1と第2回転機MG2を制御し、クラッチECU53を介して摩擦クラッチ40を制御する。
HVECU50には、車速センサ61、ブレーキセンサ62、電流センサ63が接続されている。このHVECU50は、その各種センサによって、車速、車両の制動動作(例えば、運転者の制動操作、自動ブレーキ制御中であれば本制御における制動動作)の有無、二次電池のSOC(State of Charge)を取得する。また、このHVECU50には、クランク角センサ64、MG1回転数センサ65、MG2回転数センサ66、出力軸回転数センサ67、第1クラッチ回転数センサ68、第2クラッチ回転数センサ69等の各種センサも接続されている。このHVECU50は、その各種センサによって、エンジンENGの回転数(以下、「エンジン回転数」と云う。)Ne、第1回転機MG1の回転数(以下、「MG1回転数」と云う。)Nmg1、第2回転機MG2の回転数(以下、「MG2回転数」と云う。)Nmg2、動力伝達装置1の出力軸(例えば動力分配機構20の出力軸であるリングギヤRと歯車31の回転軸)の回転数、摩擦クラッチ40の第1係合要素41の回転数(以下、「第1クラッチ回転数」と云う。)Ncl1、摩擦クラッチ40の第2係合要素42の回転数(以下、「第2クラッチ回転数」と云う。)Ncl2等を取得する。尚、第1クラッチ回転数Ncl1は、エンジン回転数Neと同じ値を示す。これが為、第1クラッチ回転数センサ68は、クランク角センサ64で代用してもよい。また、第2クラッチ回転数Ncl2は、キャリアCの回転数(以下、「キャリア回転数」と云う。)Ncと同じ値を示す。これが為、第2クラッチ回転数センサ69は、既にキャリア回転数Ncを計測するセンサが設けられているのであれば、このセンサで代用してもよい。
HVECU50は、取得した情報に基づいて、ハイブリッド車両に対する要求駆動力、要求パワー、要求トルク等を算出する。このHVECU50は、例えば、算出した要求車両駆動力に基づいて、要求エンジントルク、要求MG1トルク及び要求MG2トルクを算出する。HVECU50は、その要求エンジントルクをエンジンECU51に送信してエンジンENGに出力させると共に、要求MG1トルク及び要求MG2トルクをMGECU52に送信して第1回転機MG1及び第2回転機MG2に出力させる。
また、このHVECU50は、後述する走行モード等に基づいて摩擦クラッチ40の制御を行う。その際、摩擦クラッチ40が例えば油圧駆動によるクラッチであるならば、摩擦クラッチ40に対する供給油圧の指令値を油圧調整装置(図示略)に出力する。その油圧調整装置とは、その指令値に応じた供給油圧を出力する装置であり、第1係合要素41と第2係合要素42との間隔、つまり摩擦クラッチ40の解放状態又は係合状態を制御するものである。
ここで、このハイブリッドシステム100においては、電気自動車(EV)走行モードとハイブリッド(HV)走行モードとが設定されており、その何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させることができる。
EV走行モードとは、第2回転機MG2の動力のみを駆動輪Wに伝える走行モードのことである。HV走行モードとは、エンジンENGの動力のみを駆動輪Wに伝える走行と、エンジンENGの動力に加えて第2回転機MG2の動力も駆動輪Wに伝える走行と、を行うことができる走行モードのことである。このハイブリッドシステム100においては、例えば、低負荷運転時にEV走行モードが選択され、これよりも高負荷運転が要求されるとHV走行モードが選択される。
[EV走行モード]
EV走行モードにおいては、摩擦クラッチ40を完全係合させた状態での走行と、摩擦クラッチ40を解放させた状態での走行と、を行うことができる。例えば、クラッチ完全係合時のEV走行モードは、二次電池のSOCが第1所定値よりも大きくなっており、過充電となる虞のあるときに選択する。また、クラッチ解放時のEV走行モードは、二次電池のSOCが第1所定値以下であり、この二次電池の充電が可能なとき、又は、二次電池のSOCが第2所定値以下(<第1所定値)であり、この二次電池の充電が必要なときに選択する。
SOCに基づき二次電池の充電が不要な場合、HVECU50は、エンジンENGを連れ回し状態とし、エンジンブレーキによる電力消費を図るべく、摩擦クラッチ40を完全係合させる。この場合、HVECU50は、第2回転機MG2に正回転で且つ要求車両駆動力とエンジンブレーキによる損失分に応じた正のMG2トルクTmg2を出力させることで、車両に前進方向の車両駆動力を発生させる。この例示の構成では、その際に第1回転機MG1を停止させている(Nmg1=0、Tmg1=0)。第2回転機MG2の正回転とは、EV走行モードにおける前進時の回転方向のことである。
一方、SOCに基づき二次電池の充電が可能又は必要な場合、HVECU50は、必ずしもエンジンブレーキによる電力消費を必要としないので、摩擦クラッチ40に対して解放制御を行って解放させる。この場合、HVECU50は、第2回転機MG2に正回転で要求車両駆動力に応じた正のMG2トルクTmg2を出力させることで、ハイブリッド車両に前進方向の車両駆動力を発生させる。その際、HVECU50は、エンジンENGに対して停止制御を行って停止させる(Ne=0、Te=0)。また、この例示の構成では、その際に第1回転機MG1を停止させている(Nmg1=0、Tmg1=0)。
[HV走行モード]
HV走行モードにおいては、エンジントルクTeのみ又はエンジントルクTeとMG2トルクTmg2とを動力分配機構20の出力軸(リングギヤRと歯車31の回転軸)に伝えて走行する。これが為、このHV走行モードにおいては、摩擦クラッチ40を完全係合状態に制御し、エンジントルクTeがキャリアCに入力されるようにする。この場合、HVECU50は、要求車両駆動力に応じたエンジントルクTeと正のMG2トルクTmg2とを演算し、その夫々の出力指令をENGECU51とMGECU52に対して送ることで、ハイブリッド車両に前進方向の車両駆動力を発生させる。その際、HVECU50は、SOCに基づき二次電池の充電が可能又は必要な場合、例えば正回転の第1回転機MG1に負のMG1トルクTmg1を出力させ、この第1回転機MG1で発電させてもよい。
ところで、このハイブリッドシステム100においては、車両の制動動作時に回生制動力を発生させることができる。例えば、このハイブリッドシステム100では、何れの走行モードであっても第2回転機MG2のみによる回生制御(以下、「MG2回生制御」と云う。)を実行することができる。しかしながら、その第2回転機MG2が出力可能な回生トルクは、二次電池の充電可能な上限パワーにも依るが、第2回転機MG2の定格によって制限されてしまう。従って、MG2回生制御だけで回生制動力を発生させる場合には、回生電力量の減少や回生効率の低下を引き起こしてしまう可能性がある。
そこで、本実施例の動力伝達装置1とハイブリッドシステム100においては、回生電力量の増加や回生効率の向上を図るべく、第1回転機MG1と第2回転機MG2とによる回生制御(以下、「MG1&2回生制御」と云う。)を実行させる。
そのMG1&2回生制御は、二次電池の充電が可能又は必要なクラッチ解放時のEV走行モードでの制動動作中と、二次電池の充電が可能又は必要なクラッチ係合時のHV走行モードでの制動動作中と、に実行する。一方、二次電池において充電可能な量が少ない場合には、MG1&2回生制御を行うと、MG2回生制御よりも回生電力量が増えるので、第2回転機MG2の回生駆動による二次電池の充電もできなくなる可能性がある。これが為、この場合には、MG1&2回生制御を実施しない方が好ましい。尚、二次電池の充電が不要な場合には、車両の制動動作時の回生制御を必要としない。
この動力伝達装置1とハイブリッドシステム100では、MG1&2回生制御を行う為に、摩擦クラッチ40を半係合状態に制御して、MG1回転数Nmg1を負回転に制御する。例えば、クラッチ解放時のEV走行モードにおいては、車両の制動動作中に解放状態の摩擦クラッチ40を半係合状態に制御すればよい。一方、クラッチ係合時のHV走行モードにおいては、車両の制動動作中に完全係合状態の摩擦クラッチ40を半係合状態に制御すればよい。
以下に、車両が制動動作を行ったときの回生制御について図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、MG1&2回生制御が実行される場合を例に上げて説明する。また、ここでは、クラッチ解放時のEV走行中とクラッチ係合時のHV走行中との間において、摩擦クラッチ40を解放状態から半係合状態に制御するのか完全係合状態から半係合状態に制御するのかの違いはあるが、この違いを除いて同じ様に回生制御を行うことができるので、クラッチ解放時のEV走行中を例に上げて説明する。
HVECU50は、クラッチ解放時のEV走行モードで走行しているのか否かを判定する(ステップST1)。HVECU50は、この走行モードでの走行でなければ、この演算処理を一旦終わらせる。図4は、クラッチ解放時のEV走行モードで走行しているときの動力伝達装置1の共線図を表している。
HVECU50は、クラッチ解放時のEV走行モードで走行している場合、回生制御の実行が必要であるのか否かを判定する(ステップST2)。この判定は、例えば、車両が制動動作に入ったのか否か(例えば運転者のブレーキ操作の有無)を観て行う。ここでは、運転者のブレーキ操作があった場合に回生制御の実行が必要と判定し、運転者のブレーキ操作が無い場合に回生制御の実行が不要と判定する。HVECU50は、回生制御の実行が不要と判定した場合、この演算処理を一旦終わらせる。
HVECU50は、回生制御の実行が必要と判定した場合、必要回生トルクTkの絶対値が所定の閾値(以下、「第1回生トルク閾値」と云う。)Tkt1を超えているのか否かを判定する(ステップST3)。その必要回生トルクTkとは、車両の制動動作時に回生制御で発生させる回生トルクのことであり、例えば車両における要求制動力等に基づき決めればよい。ここでは、制動動作時に動力分配機構20の出力軸(リングギヤRと歯車31の回転軸)で必要とされる負トルクを必要回生トルクTkとする。このステップST3の判定は、その必要回生トルクTkを第2回転機MG2の回生トルク(以下、「MG2回生トルク」と云う。)だけで発生させることができるのか否かを判別するものである。従って、その第1回生トルク閾値Tkt1は、例えば、第2回転機MG2が出力可能な最大MG2回生トルクに基づいて決めればよい。具体的には、その最大MG2回生トルクの出力に伴い動力分配機構20の出力軸で発生する最大回生トルクの絶対値を第1回生トルク閾値Tkt1にすればよい。
HVECU50は、必要回生トルクTkの絶対値が第1回生トルク閾値Tkt1以下の場合、MG2回生制御で必要回生トルクTkを発生させることができるので、後述するステップST16に進んで、摩擦クラッチ40を解放させた状態でMG2回生制御を実行させる。
一方、必要回生トルクTkの絶対値が第1回生トルク閾値Tkt1を超えている場合には、MG2回生制御だけで必要回生トルクTkを発生させることが難しい。これが為、HVECU50は、摩擦クラッチ40を半係合状態にしたMG1&2回生制御の実行が可能であるのか否かを判断する。
ここで、摩擦クラッチ40が半係合の状態でMG1&2回生制御を実行しているときは、キャリア回転数Ncを所定の閾値(以下、「キャリア回転数閾値」と云う。)Nct以上に保つことが望ましい。これが為、HVECU50には、キャリア回転数Ncがキャリア回転数閾値Nct以上であるのか否かを判定させる(ステップST4)。そのキャリア回転数Ncの制限は、摩擦クラッチ40を介してキャリアCに連結されているエンジンENGの逆回転を回避する為に行うものである。また、この制限は、キャリアCに連結されているオイルポンプ71の逆回転を回避する為にも行う。そのオイルポンプ71は、動力伝達装置1の作動油を供給する為のものであり、キャリア軸21の回転に連動して駆動する。従って、キャリア回転数閾値Nctとしては、エンジンENGとオイルポンプ71を逆回転させないキャリア回転数Ncの最小値を設定しておけばよい。このことから、キャリア回転数Ncがキャリア回転数閾値Nctを下回っている場合には、摩擦クラッチ40を半係合状態に制御したMG1&2回生制御を実行させずに、後述するステップST16に進んで、摩擦クラッチ40を解放させたMG2回生制御を実行させることで、エンジンENGとオイルポンプ71の逆回転を回避させる。
また、摩擦クラッチ40が半係合の状態でMG1&2回生制御を実行しているときは、MG1回転数Nmg1の絶対値を所定の閾値(以下、「第1MG1回転数閾値」と云う。)Nmg1a以下に保つことが望ましい。これが為、HVECU50には、MG1回転数Nmg1の絶対値が第1MG1回転数閾値Nmg1a以下であるのか否かを判定させる(ステップST5)。そのMG1回転数Nmg1の制限は、第1回転機MG1の過回転を回避する為に行うものである。従って、第1MG1回転数閾値Nmg1aには、過回転ではないMG1回転数Nmg1の最大値の絶対値を設定しておけばよい。このことから、MG1回転数Nmg1の絶対値が第1MG1回転数閾値Nmg1aを上回った場合には、摩擦クラッチ40を半係合状態に制御したMG1&2回生制御を実行させずに、後述するステップST16に進んで、摩擦クラッチ40を解放させたMG2回生制御を実行させることで、第1回転機MG1の過回転を回避させる。
また、摩擦クラッチ40が半係合の状態でMG1&2回生制御を実行しているときは、MG1回転数Nmg1の絶対値を所定の閾値(以下、「第2MG1回転数閾値」と云う。)Nmg1b(<Nmg1a)以上に保つことが望ましい。これが為、HVECU50には、MG1回転数Nmg1の絶対値が第2MG1回転数閾値Nmg1b以上であるのか否かを判定させる(ステップST6)。そのMG1回転数Nmg1の制限は、第1回転機MG1の0回転付近での停滞により3相の内の1相のみに電流が流れてしまうことを回避する為のものであり、これを回避することで第1回転機MG1の発熱を抑える。従って、第2MG1回転数閾値Nmg1bには、1相のみの通電を回避可能なMG1回転数Nmg1の最小値の絶対値を設定しておけばよい。このことから、MG1回転数Nmg1の絶対値が第2MG1回転数閾値Nmg1bを下回った場合には、摩擦クラッチ40を半係合状態に制御したMG1&2回生制御を実行させずに、後述するステップST16に進んで、摩擦クラッチ40を解放させたMG2回生制御を実行させることで、第1回転機MG1の0回転付近での停滞を回避し、第1回転機MG1における1相のみの通電を回避する。
HVECU50は、そのステップST4〜ST6の全ての判定で肯定判定された場合、二次電池のSOCが所定の閾値(以下、「SOC閾値」と云う。)よりも小さいのか否かを判定する(ステップST7)。この判定は、二次電池を充電してもよいのか否かを判別するものである。換言するならば、この判定は、MG1&2回生制御を実行しても良いのか否かを判別するものである。そのSOC閾値は、例えば、充電よりも放電させた方が良い状態のときの二次電池のSOCとする。
HVECU50は、SOCがSOC閾値よりも小さい場合、二次電池が充電可能な状態なので、MG1&2回生制御を実行するべく、先ず、図5に示す様に、MG2回生制御を実行すると共に、摩擦クラッチ40を半係合状態へと制御することによってMG1回転数Nmg1を負回転に制御する(ステップST8)。その際には、未だ回生制御(MG2回生制御又はMG1&2回生制御)が実施されていなければ、解放状態の摩擦クラッチ40を半係合状態に制御する。一方、既に回生制御が実施されている場合には、摩擦クラッチ40を半係合状態のまま保持する。そして、HVECU50は、図6に示す様に、摩擦クラッチ40を半係合状態に保ったまま正のMG1トルクTmg1を出力させることで(ステップST9)、MG1&2回生制御を行う(ステップST10)。
このMG1&2回生制御においては、図6に示す様に、第1回転機MG1の回生トルク(以下、「MG1回生トルク」と云う。)がサンギヤSに入力され、動力分配機構20の出力軸(リングギヤRと歯車31の回転軸)に作用する。また、MG2回生トルクは、歯車31等を介して動力分配機構20の出力軸に作用する。また、第2係合要素42における負のクラッチ半係合時トルク(半係合時の摩擦クラッチ40におけるクラッチトルク)は、キャリアCに入力され、動力分配機構20の出力軸に作用する。従って、その出力軸には、MG2回生トルクによる回生トルクと、MG1回生トルクによる回生トルクと、クラッチ半係合時トルクによるトルクと、が作用することになる。HVECU50は、これらの出力軸におけるトルクの和が必要回生トルクTkとなるように、第1回転機MG1と第2回転機MG2と摩擦クラッチ40の係合圧(供給油圧)の内の少なくとも1つを制御する。
これに対して、HVECU50は、SOCがSOC閾値以上の場合、MG2回生制御による回生制動力を車両に発生させるべく、先ず、図7に示す様に、MG2回生制御を実行すると共に、正のMG1トルクTmg1を出力させることでMG1回転数Nmg1を正回転に制御する(ステップST11)。その際、摩擦クラッチ40は、解放状態に制御する。そして、HVECU50は、図8に示す様に、摩擦クラッチ40を半係合状態に制御して、正のMG1トルクTmg1を出力させることで(ステップST12)、MG2回生制御と第1回転機MG1の力行制御(MG1力行制御)とを行う(ステップST13)。つまり、この場合には、MG2回生制御と共にエンジンブレーキを併用する。この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、そのMG1力行制御で二次電池を放電させることによって、二次電池のSOCの制限(二次電池の充電量が少ない状態又は充電できない状態と云う制限)でMG2回生制御の実行が制限される又は不可能になることが抑制される。
その第1回転機MG1の力行トルク(以下、「MG1力行トルク」と云う。)は、サンギヤSに入力され、動力分配機構20の出力軸(リングギヤRと歯車31の回転軸)に作用する。また、MG2回生トルクは、歯車31等を介して動力分配機構20の出力軸に作用する。ここで、その図8は、摩擦クラッチ40が半係合状態のMG2回生制御の共線図である。これが為、その出力軸には、MG2回生トルクによる回生トルクとMG1力行トルクによるトルクと負のクラッチ半係合時トルクによるトルクとが作用することになる。HVECU50は、これらの出力軸におけるトルクの和が必要回生トルクTkとなるように、第1回転機MG1と第2回転機MG2の内の少なくとも1つを制御する。
この様にしてMG1&2回生制御又はMG1力行制御併用のMG2回生制御を実行した後、HVECU50は、必要回生トルクTkの絶対値が所定の閾値(以下、「第2回生トルク閾値」と云う。)Tkt2以下であるのか否かを判定する(ステップST14)。この判定は、MG1&2回生制御又はMG1力行制御併用のMG2回生制御を止めて、MG1力行制御の併用の無いMG2回生制御に切り替えるのか否かを判断する為のものである。これが為、その第2回生トルク閾値Tkt2には、上述した第1回生トルク閾値Tkt1を用いてもよい。
HVECU50は、必要回生トルクTkの絶対値が第2回生トルク閾値Tkt2を超えている場合、ステップST4に戻り、上記と同様の演算処理を繰り返す。
一方、HVECU50は、必要回生トルクTkの絶対値が第2回生トルク閾値Tkt2以下である場合、MG1力行制御の併用の無いMG2回生制御に切り替えるべく、半係合状態の摩擦クラッチ40を解放制御すると共に、MG1トルクTmg1を0に制御して(ステップST15)、MG1力行制御の併用の無いMG2回生制御を実行する(ステップST16)。そのMG2回生制御においては、必要回生トルクTkを発生させるようにMG2回生トルクを制御する。その際、第2回転機MG2は、例えば正回転で負トルクを出力するように制御される。但し、MG2回生トルクによって必要回生トルクTkを発生させることができない場合、このMG2回生制御においては、例えば第2回転機MG2に最大MG2回生トルクを出力させる。
HVECU50は、摩擦クラッチ40を解放させた状態でのMG2回生制御を実行しているときに、回生制御を終了させるのか否かを判定する(ステップST17)。この判定は、例えば、運転者のアクセル操作によって車両の制動動作が終了したのか否か、車両の停止により制動動作が終了したのか否か等によって判断する。この例では、車両の制動動作が終了していれば、回生制御を終了させるとの判定を行う。
HVECU50は、回生制御を終了させないと判定した場合、ステップST3に戻り、上記と同様の演算処理を繰り返す。これに対して、HVECU50は、回生制御を終了させると判定した場合、回生制御を終了させ(ステップST18)、この演算処理を一旦終わらせる。
ここで、このハイブリッドシステム100から摩擦クラッチ40を除いた従来のシステムでは、アイドル回転数等の様なエンジン回転数Neの低い領域においてキャリア軸21が共振する虞があり、第1回転機MG1の回生トルクを動力分配機構20の出力軸(リングギヤRと歯車31の回転軸)上に出力させる為の支点としてのトルク(以下、「支点トルク」と云う。)をキャリアCに発生させることが難しい。また、この従来のシステムでは、直結状態にあるエンジン回転軸11とキャリアCのロックが可能な例えばブレーキ等を備えていたとしても、高車速域の場合、動力分配機構の差回転数によってキャリアCをロックさせることができず、支点トルクをキャリアCに出力させることが難しい。この様に、従来のシステムでは、支点トルクをキャリアCに出力させようとしても、キャリア回転数Ncに制約があるので、MG1&2回生制御の実現が難しい。しかしながら、本実施例の動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、摩擦クラッチ40を半係合制御している状態で支点トルクをキャリアCに発生させることができるので、キャリア回転数Ncの制約を緩和することができる。これが為、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100では、摩擦クラッチ40を半係合状態に制御することで、エンジン回転軸11とキャリア軸21との間にブレーキが無くても第1回転機MG1を回生駆動させることができるので、MG1&2回生制御の実施が可能になる。従って、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100では、回生制御としてMG2回生制御しか実施できない構成と比較して、回生可能な動作領域を拡大することができ、電費を向上させることができる。
また、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、キャリア軸21(第2係合要素42)のエンジン回転軸11(第1係合要素41)に対する差回転数を摩擦クラッチ40の半係合制御によって縮める際に、キャリアCに発生する支点トルクを用いるので、エンジン回転軸11の回転を止めるブレーキ等が存在していなくても、MG1&2回生制御を実施することができる。更に、摩擦クラッチ40は、エンジン回転軸11をキャリアCから切り離す機能及び効果と共に、動力分配機構20の差回転数が0になるまでの一時的ではあるが、エンジン回転軸11の回転を止めるブレーキと同等の機能及び効果を生じさせることができる。従って、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100では、その様なブレーキを設けずとも、MG1&2回生制御の実現とブレーキによる効果とを原価の増加を抑えつつ実現することができる。
また、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、二次電池のSOCがSOC閾値よりも小さければ、MG1&2回生制御を実行し、SOCがSOC閾値以上であれば、MG1力行制御併用のMG2回生制御を実行する。MG1&2回生制御を実行している場合には、二次電池を充電しつつ車両に回生制動力を発生させることができる。一方、MG1力行制御併用のMG2回生制御を実行している場合には、MG1力行制御で二次電池を放電させながらMG2回生制御を実行できるので、そのMG2回生制御による回生制動力を車両に発生させることができる。この様に、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100では、SOCに応じて回生制御を使い分けるので、SOCの制限に伴う制動動作中の制動力不足を抑制することができる。
また、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100に依れば、上述したキャリア回転数NcやMG1回転数Nmg1の制限によって、エンジンENGやオイルポンプ71、第1回転機MG1の耐久性の低下を抑えることができる。従って、そのキャリア回転数NcやMG1回転数Nmg1の制限は、動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100の耐久性低下の抑制に寄与するものとなり、MG1&2回生制御を実施しているときの信頼性を向上させる。
更に、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100に依れば、キャリアCとエンジンENGとの間に回転数差が生じていても、摩擦クラッチ40の係合動作によってキャリアCに任意のトルクを負荷として発生させることができるので、キャリア回転数Ncの自由度が増し、任意のMG1回転数Nmg1やMG1トルクTmg1の選択が可能になる。従って、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、第1回転機MG1を回生駆動又は力行駆動させる際に、この第1回転機MG1を高効率な動作点で駆動させることができる。
ここで、この例示では、回生制御が必要と判断しても、SOC判定が行われるまでは回生制御を実施していない。しかし、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、回生制御が必要と判断した場合、MG1力行制御の併用の無いMG2回生制御を開始させ、その後、上記のステップST3以降の演算処理を実施してもよい。図9には、このときのタイムチャートの一例を示している。
クラッチ解放時のEV走行モードにおいては、第2回転機MG2が正回転で正のMG2トルクTmg2を出力している。このEV走行モードにおいて、第1回転機MG1は、MG1回転数Nmg1とMG1トルクTmg1が共に0になっている。また、摩擦クラッチ40は、解放状態になっているので、エンジンENG側の第1係合要素41の第1クラッチ回転数Ncl1が0回転で、キャリアC側の第2係合要素42が回転している。このEV走行モードでは、第2係合要素42が正回転の第2クラッチ回転数Ncl2で回っている。
このクラッチ解放時のEV走行モードで車両が制動動作に入った場合(ブレーキオン、t1)、HVECU50は、MG2トルクTmg2を負トルクへと制御すると共にMG2回転数Nmg2を正回転のまま減少させることで、MG2回生制御を開始する。そのMG2回転数Nmg2は、車両が停止するまで徐々に低下させていく。
HVECU50は、MG2回生制御だけで必要回生トルクTkを賄いきれず、且つ、二次電池のSOCがSOC閾値よりも小さい場合(t2)、解放状態の摩擦クラッチ40を半係合状態へと制御することによって、0回転のMG1回転数Nmg1を負回転側に制御する。この摩擦クラッチ40においては、その半係合制御の実施と共に、第1クラッチ回転数Ncl1が上昇し、且つ、第2クラッチ回転数Ncl2が低下する。また、この摩擦クラッチ40においては、その半係合の状態に応じたクラッチ半係合時トルクが第1係合要素41と第2係合要素42とで発生する。ここでは、第1係合要素41のクラッチ半係合時トルクが正トルクとなり、第2係合要素42のクラッチ半係合時トルクが負トルクとなる。その夫々のクラッチ半係合時トルクの絶対値は、同じ大きさである。
HVECU50は、摩擦クラッチ40のクラッチトルク容量(つまりクラッチ半係合時トルクの絶対値)が所定の大きさにまで増加すると(t3)、第1回転機MG1に正トルクを出力させ、摩擦クラッチ40が半係合状態のMG1&2回生制御を実行する。そのMG1&2回生制御においては、摩擦クラッチ40の係合圧を徐々に高めていくので、摩擦クラッチ40の差回転数が徐々に小さくなっていく。ここでは、摩擦クラッチ40が完全係合するまで係合圧を高くしていく。このMG1&2回生制御の実行中には、摩擦クラッチ40が完全係合するまで、MG1トルクTmg1とMG1回転数Nmg1が徐々に低下するように第1回転機MG1の制御を行うので、第1係合要素41と第2係合要素42の夫々のクラッチ半係合時トルクの絶対値が徐々に減少していく。
尚、ここでは、摩擦クラッチ40が完全係合した際に(t4)、この摩擦クラッチ40を解放させると共に、MG1&2回生制御を終わらせて、MG2回生制御を開始している。これが為、第1回転機MG1は、摩擦クラッチ40が完全係合したときに0になるよう減少させる。一方、MG1回転数Nmg1は、摩擦クラッチ40が完全係合したときに、第1係合要素41と第2係合要素42とが一体になって正回転で回転しているので、負回転で回っている。この第1回転機MG1は、摩擦クラッチ40の解放制御が始まり、この摩擦クラッチ40が半係合状態を経て解放状態になると、回転が止まる。この例示では、車両停止(t5)と共に、全ての回生制御を終了させる。従って、HVECU50は、摩擦クラッチ40の解放制御の開始と共にMG2トルクTmg2を減少させる。
ところで、このMG1&2回生制御においては、第1回転機MG1と第2回転機MG2の夫々の回生制御時の動作点について、第1回転機MG1と第2回転機MG2における夫々の発電損失が最小となるように制御を行うことで、回生効率の拡大を図ることが望ましい。図10と図11には、夫々に第1回転機MG1と第2回転機MG2の損失マップを示している。夫々の図において、丸印はクラッチ解放状態でのMG2回生制御時の損失を示し、星印はクラッチ半係合状態でのMG1&2回生制御時の損失を示している。例えば、クラッチ解放時のEV走行モードでMG1&2回生制御を開始する場合、第1回転機MG1においては、MG1回転数Nmg1とMG1トルクTmg1が共に0の状態、つまり損失無しの状態(図10の丸印部分)から発電損失の増えた状態(図10の星印部分)に動作点を移行させる。その発電損失の増加は、停止中の第1回転機MG1を回生駆動させる以上免れない。これが為、HVECU50は、その発電損失の増加を抑えつつ発電損失が最小となるように第1回転機MG1の動作点を制御する。この様に第1回転機MG1だけを観ると回生効率が悪化しているように思えるが、HVECU50は、発電損失を減少させて最小となるように第2回転機MG2の動作点を制御する(図11の星印部分)。例えば、MG1力行制御の併用の無いMG2回生制御からMG1&2回生制御へと移行させる場合には、MG2回転数Nmg2を一定に保ったまま負のMG2トルクTmg2を減少させることで、発電損失を減少させる(図11の丸印部分→星印部分)。従って、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、MG2回生制御からMG1&2回生制御へと移行させた場合、回生効率が拡大し、電費を向上させることができる。
また、この動力伝達装置1及びハイブリッドシステム100においては、MG2回生制御からMG1&2回生制御へと移行させることによって、MG2回生制御で制限されていた回生トルクを増加させることができるので、回生電力量が増大し、電費を向上させることができる。
1 動力伝達装置
11 エンジン回転軸
12 MG1回転軸
13 MG2回転軸
20 動力分配機構
21 キャリア軸
40 摩擦クラッチ
41 第1係合要素
42 第2係合要素
50 HVECU(統合ECU)
51 ENGECU
52 MGECU
53 クラッチECU
71 オイルポンプ
100 ハイブリッドシステム
C キャリア
ENG エンジン(機関)
MG1 第1回転機
MG2 第2回転機
P ピニオンギヤ
R リングギヤ
S サンギヤ
W 駆動輪

Claims (5)

  1. 相互間での差動回転が可能な複数の回転要素を有し、該各回転要素が、機関の回転軸に連結される回転要素と第1回転機の回転軸に連結される回転要素と第2回転機及び駆動輪に連結される回転要素とを含む動力分配機構と、
    前記機関と当該機関の連結される前記回転要素との間に介在させた摩擦係合装置と、
    前記摩擦係合装置を半係合状態に制御して滑らせながら前記第1回転機と前記第2回転機とを回生駆動させる制御装置と、
    を備えることを特徴としたハイブリッド車両の動力伝達装置。
  2. 前記動力分配機構の出力軸における前記回生駆動中のトルクは、前記第2回転機における回生トルクと前記第1回転機における回生トルクと前記摩擦係合装置における半係合時トルクとの和とすることを特徴とした請求項1記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  3. 前記制御装置は、二次電池のSOCが所定の閾値よりも小さい場合、前記第1回転機と前記第2回転機とによる前記回生駆動を行い、前記SOCが所定の閾値以上の場合、前記第2回転機のみを回生駆動させることを特徴とした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  4. 前記制御装置は、前記第2回転機のみの前記回生駆動を行う場合、前記第1回転機を力行駆動させることを特徴とした請求項3記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  5. 機関と、
    第1回転機と、
    第2回転機と、
    相互間での差動回転が可能な複数の回転要素を有し、該各回転要素が、前記機関の回転軸に連結される回転要素と前記第1回転機の回転軸に連結される回転要素と前記第2回転機及び駆動輪に連結される回転要素とを含む動力分配機構と、
    前記機関と当該機関の連結される前記回転要素との間に介在させた摩擦係合装置と、
    前記摩擦係合装置を半係合状態に制御して滑らせながら前記第1回転機と前記第2回転機とを回生駆動させる制御装置と、
    を備えることを特徴としたハイブリッドシステム。
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