JP2014133430A - 後輪操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】後輪の転舵角を中立位置に戻す際に、より迅速にロック部材の係合凸部を後輪転舵軸の係合凹部に係合させることのできる後輪操舵装置を提供する。
【解決手段】後輪転舵軸31の軸方向移動を規制可能なロック装置41は、後輪転舵軸31に形成された係合凹部55に係合可能な係合凸部54を有する可動鉄心53、可動鉄心53をストローク方向に往復動させて係合凸部54を係合凹部55に係脱させるソレノイド43、及び可動鉄心53のストローク位置に応じた荷重を出力する荷重センサ61を有する。そして、後輪転舵軸31は、該後輪転舵軸31における係合凹部55の軸方向一方側に設けられた第1当接面81に係合凸部54が当接したときの可動鉄心53のストローク位置と、係合凹部55の軸方向他方側に設けられた第2当接面82に係合凸部54が当接したときの可動鉄心53のストローク位置とが一致しないように形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、後輪操舵装置に関する。
従来、旋回性能の向上等を目的として、運転者のステアリング操作による前輪の転舵に対応して後輪を転舵する四輪操舵(4WS)車両が提案されている。こうした四輪操舵車両に搭載される後輪操舵装置としては、軸方向移動することにより後輪を転舵させる後輪転舵軸と、後輪転舵軸を軸方向移動させる転舵軸駆動装置とを備えたものが知られている。そして、後輪操舵装置には、後輪転舵軸の軸方向移動を後輪の転舵角の中立位置で規制するロック装置が設けられたものがあり、例えば中高速走行時において所謂尻振り現象の発生が防止されている。例えば特許文献1には、後輪転舵軸に対して接離する方向に移動(ストローク)可能なロックピンを備え、該ロックピンを後輪転舵軸に形成された係合穴に係合させることにより、該後輪転舵軸の軸方向移動を規制するロック装置が設けられた後輪操舵装置が開示されている。
特許文献1の後輪操舵装置では、後輪転舵軸における係合穴の軸方向両側に設けられたロックピンが当接する当接面が、それぞれ係合穴に近づくにつれて該係合穴の底面に徐々に近づくように傾斜して形成されている(同文献、第1図参照)。そして、後輪操舵装置の作動を制御する制御装置は、ロックピンのストローク位置を検出しており、後輪の転舵角を中立位置に戻す際には、後輪転舵軸を軸方向一方側に移動させ、ロックピンのストローク位置が係合穴の底面に近づいたら、そのまま後輪転舵軸を移動させてロックピンを係合穴に係合させる。一方、後輪転舵軸を軸方向一方側に移動させ、ロックピンのストローク位置が係合穴の底面から遠ざかったら、後輪転舵軸を反対の軸方向他端側に移動させてロックピンを係合穴に係合させる。これにより、舵角センサ等によって後輪の転舵角を検出しなくても、迅速に後輪の転舵角を中立位置に戻すことが可能となっている。
実開平4−62280号公報
ところで、上記特許文献1の構成では、後輪転舵軸を軸方向移動させたときのストローク位置の変化に基づいて、ロックピンが係合穴に近づいているか否か、すなわち後輪の転舵角が中立位置に近づいているか否かを判定している。そのため、後輪の転舵角を中立位置に戻す際に、一旦、該転舵角が中立位置から遠ざかるように後輪転舵軸を軸方向移動させてしまうことがあり、この点においてなお改善の余地があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、後輪の転舵角を中立位置に戻す際に、より迅速にロック部材の係合凸部を後輪転舵軸の係合凹部に係合させることのできる後輪操舵装置を提供することにある。
上記課題を解決する後輪操舵装置は、軸方向移動することにより後輪を転舵させる後輪転舵軸と、前記後輪転舵軸を軸方向移動させる転舵軸駆動装置と、前記後輪転舵軸の軸方向移動を規制可能なロック装置と、を備えたものにおいて、前記ロック装置は、前記後輪転舵軸に形成された係合凹部に係合可能な係合凸部を有するロック部材、前記ロック部材を往復動させて前記係合凸部を前記凹部に係脱させるロックアクチュエータ、及び前記ロック部材のストローク位置を検出するストロークセンサを有し、前記後輪転舵軸は、該後輪転舵軸における前記係合凹部の軸方向一方側に設けられた第1当接面に前記係合凸部が当接したときのストローク位置と、前記係合凹部の軸方向他方側に設けられた第2当接面に前記係合凸部が当接したときのストローク位置とが一致しないように形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、係合穴の軸方向一方側の第1当接面と軸方向他方向側の第2当接面とで、ロック部材が当接したときのストローク位置が一致しないため、ロック部材のストローク位置によって、該ロック部材が係合凹部に対して軸方向のどちら側に位置しているかを検出することが可能になる。これにより、後輪の転舵角を中立位置に戻す際に、ロック部材が係合凹部から遠ざかる方向に後輪転舵軸を軸方向移動させることなく、より迅速にロック部材の係合凸部を係合凹部に係合させることができる。
上記後輪操舵装置において、前記第1及び第2当接面は、該各当接面における軸方向の任意の二位置に前記係合凸部が当接したときのストローク位置が一致しないようにそれぞれ形成されることが好ましい。
上記構成によれば、ロック部材のストローク位置と後輪転舵軸の軸方向位置とが一対一の関係で対応づけられるようになる。したがって、ロック部材のストローク位置に基づいて後輪の転舵角を検出することが可能になる。
本発明によれば、後輪の転舵角を中立位置に戻す際に、より迅速にロック部材の係合凸部を後輪転舵軸の係合凹部に係合させることができる。
四輪操舵車両の概略構成図。 一実施形態のロック装置近傍の断面図。 一実施形態の可動鉄心(ロック部材)のストローク位置を示す模式図。 別例のロック装置近傍の断面図。
以下、後輪操舵装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、前輪2Fを転舵する前輪操舵装置3と、後輪2Rを転舵する後輪操舵装置4とが搭載されている。すなわち、車両1は、運転者のステアリング操作による前輪2Fの転舵に対応して後輪2Rを転舵する四輪操舵(4WS)車両として構成されており、その旋回性能の向上等が図られている。
先ず、前輪操舵装置の機械的構成について説明する。
前輪操舵装置3は、ステアリングホイール11が固定されるステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12の回転に応じて軸方向移動することにより前輪2Fの転舵角を変更する前輪転舵軸(ラック軸)13とを備えている。なお、ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11側から順にコラム軸14、中間軸15、及びピニオン軸16を連結してなる。また、前輪操舵装置3は、前輪転舵軸13が往復動可能に挿通される略円筒状の前輪側ハウジング17を備えている。
詳しくは、前輪転舵軸13とピニオン軸16とは、前輪側ハウジング17内に所定の交叉角をもって配置されており、前輪転舵軸13に形成されたラック歯13aとピニオン軸16に形成されたピニオン歯16aとが噛合されることでラックアンドピニオン機構21が構成されている。また、前輪転舵軸13の両端には、その軸端部に設けられたボールジョイント22を介してタイロッド23がそれぞれ回動可能に連結されている。そして、タイロッド23の先端は、前輪2Fが組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、前輪操舵装置3では、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト12の回転がラックアンドピニオン機構21により前輪転舵軸13の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド23を介してナックルに伝達されることにより、前輪2Fの転舵角が変更される。また、ボールジョイント22が前輪側ハウジング17に当接することで、前輪転舵軸13の軸方向移動が規制されるようなっており、この前輪転舵軸13の移動が規制される位置での転舵角が前輪2Fの最大転舵角となる。
なお、前輪操舵装置3は、アシストモータ25を駆動源としてコラム軸14を回転駆動する所謂コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置として構成されている。具体的には、アシストモータ25は、ウォームアンドホイール等からなる減速機構26を介してコラム軸14に駆動連結されている。そして、アシストモータ25の回転を減速機構26により減速してコラム軸14に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力としてステアリングシャフト12に付与する構成になっている。
次に、後輪操舵装置の機械的構成について説明する。
後輪操舵装置4は、軸方向移動することにより後輪2Rの転舵角を変更する後輪転舵軸(ラック軸)31と、後輪転舵軸31を軸方向移動させる転舵軸駆動装置32とを備えている。また、後輪操舵装置4は、後輪転舵軸31が往復動可能に挿通される略円筒状の後輪側ハウジング33を備えている。
詳しくは、転舵軸駆動装置32は、その駆動源となる転舵モータ34と、転舵モータ34にウォームアンドホイール等の減速機構35を介して駆動連結されるピニオン軸36とを備えている。なお、本実施形態の転舵モータ34には、ブラシレスモータが採用されている。後輪転舵軸31とピニオン軸36とは、後輪側ハウジング33内に所定の交叉角をもって配置されており、後輪転舵軸31に形成されたラック歯31aとピニオン軸36に形成されたピニオン歯36aとが噛合されることでラックアンドピニオン機構37が構成されている。また、後輪転舵軸31の両端には、その軸端部に設けられたボールジョイント38を介してタイロッド39がそれぞれ回動可能に連結されている。そして、タイロッド39の先端は、後輪2Rが組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、後輪操舵装置4では、転舵軸駆動装置32の駆動に伴うピニオン軸36の回転がラックアンドピニオン機構37により後輪転舵軸31の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド39を介してナックルに伝達されることにより、後輪2Rの転舵角が変更される。また、ボールジョイント38が後輪側ハウジング33に当接することで、後輪転舵軸31の軸方向移動が規制されるようなっており、この後輪転舵軸31の移動が規制される位置での転舵角が後輪2Rの最大転舵角となる。
また、後輪操舵装置4は、後輪2Rの転舵角の中立位置(車両1が直進する転舵角)で後輪転舵軸31の軸方向移動を規制するロック装置41を備えている。
図2に示すように、ロック装置41は、後輪側ハウジング33に対して後輪転舵軸31の軸方向と直交する方向に突出する態様で固定されるロックハウジング42を備えている。ロックハウジング42は、ソレノイド43が収容される有底円筒状のソレノイド収容部44、及びソレノイド収容部44の底部から後輪転舵軸31と反対側に突出する有底円筒状の付勢部材収容部45を有している。一方、後輪側ハウジング33には、その内外周に貫通した貫通孔46が形成されている。そして、ロックハウジング42は、貫通孔46と同軸上に配置されるようにソレノイド収容部44の開口端が後輪側ハウジング33に固定されている。
ソレノイド43は、ソレノイド収容部44内に固定される円環状の固定鉄心51及びソレノイドコイル52と、これら固定鉄心51及びソレノイドコイル52の内周側に収容される円柱状の可動鉄心53とを備えている。可動鉄心53の後輪転舵軸31側の端部には、貫通孔46を介して後輪側ハウジング33内に挿入される円柱状の係合凸部54が形成されている。一方、後輪転舵軸31の外周面には、係合凸部54が挿入可能な係合凹部55が形成されている。そして、可動鉄心53は、係合凸部54が係合凹部55に係合するロック位置(図2中、実線で示す可動鉄心53の位置)と、係合凸部54が係合凹部55から離脱するアンロック位置(図2中、二点鎖線で示す可動鉄心53の位置)との間で、後輪転舵軸31の軸線と直交する方向、すなわち後輪転舵軸31に対して接離する方向(ストローク方向)に往復動(ストローク)可能となっている。なお、貫通孔46の内周面には、係合凸部54をストローク方向に往復動可能に支持するブッシュ(滑り軸受)56が設けられている。
可動鉄心53には、後輪転舵軸31と反対側に突出してその一部が付勢部材収容部45内に収容される円柱状の延出部57が形成されている。延出部57の先端には、フランジ部59を有する受け部材60が固定されている。付勢部材収容部45内には、その底部に配設されるロードセル等の荷重センサ61と、荷重センサ61と受け部材60との間で自然長から圧縮された状態で配置されるコイルバネ等の付勢部材62とが収容されている。荷重センサ61は、可動鉄心53のストローク位置に応じて変化する付勢部材62の付勢力を検出する。つまり、本実施形態は、荷重センサ61がストロークセンサとして機能する。
したがって、ロック装置41では、付勢部材62の付勢力によって可動鉄心53がロック位置に移動し、係合凸部54が係合凹部55に係合することで、後輪転舵軸31の軸方向移動が規制される。これに対し、ソレノイドコイル52への通電により可動鉄心53が固定鉄心51に吸引されてアンロック位置に移動し、係合凸部54が係合凹部55から離脱することで、後輪転舵軸31の軸方向移動の規制が解除される。つまり、本実施形態では、可動鉄心53がロック部材として機能し、ソレノイド43がロックアクチュエータとして機能する。
次に、後輪操舵装置の電気的構成について説明する。
図1に示すように、後輪操舵装置4は、転舵軸駆動装置32及びロック装置41の作動を制御するECU71を備えている。ECU71には、車両1の車速SPDを検出する車速センサ72、及びステアリングホイール11の操舵角θsを検出するステアリングセンサ73が接続されている。また、ECU71には、ロック装置41の荷重センサ61が接続されており、荷重センサ61によって検出された付勢部材62の荷重Wが入力される。ECU71は、荷重Wに基づいて可動鉄心53のストローク位置をロック位置とアンロック位置との間で連続的に検出する。そして、ECU71は、これらの状態量に基づいて転舵軸駆動装置32及びロック装置41の作動を制御する。
詳述すると、ECU71は、車速SPDが所定車速未満の低速走行時(例えば、車庫入れ時等)には前輪2Fの転舵に対応して後輪2Rを転舵し、車速SPDが所定車速以上の中高速走行時には後輪2Rの転舵角を中立位置で保持する。
具体的には、ECU71は、車速SPDが所定車速未満であり、かつ荷重Wに基づいて可動鉄心53がアンロック位置にあると判定した場合には、操舵角θsに応じて後輪2Rの目標転舵角を演算し、後輪2Rの実際の転舵角が目標転舵角となるように転舵モータ34の作動を制御する。なお、本実施形態のECU71は、後述するように可動鉄心53のストローク位置に基づいて後輪2Rの実際の転舵角を検出している。また、ECU71は、荷重Wに基づいて可動鉄心53がロック位置にあると判定した場合には、可動鉄心53がアンロック位置に移動するようにソレノイド43の作動を制御し、ロック装置41による後輪転舵軸31の軸方向移動の規制を解除してから転舵モータ34を駆動する。
一方、ECU71は、車速SPDが所定車速以上であり、後輪2Rの転舵角が中立位置にない場合には、後輪2Rの転舵角が中立位置となるように転舵モータ34の作動を制御する。そして、ECU71は後輪2Rの転舵角が中立位置になったと判定すると、可動鉄心53がロック位置に移動するようにソレノイド43の作動を制御し、ロック装置41によって後輪転舵軸31の軸方向移動を規制して後輪2Rの転舵角を中立位置に保持する。
次に、可動鉄心のストローク位置に基づく後輪の転舵角の検出について説明する。
図2及び図3に示すように、後輪転舵軸31の軸方向において、係合凹部55の一方側(図2中、左側)に設けられた第1当接面81に係合凸部54が当接したときの可動鉄心53のストローク位置の範囲と、係合凹部55の他方側(図2中、右側)に設けられた第2当接面82に係合凸部54が当接したときのストローク位置の範囲とが重複しないように形成されている。換言すると、第1及び第2当接面81,82は、各当接面81,82の全域に亘って、可動鉄心53のストローク方向において重複しないように形成されている。そして、第1当接面81は、該第1当接面81における軸方向の任意の二位置に係合凸部54が当接したときの可動鉄心53のストローク位置が一致しないように形成されている。また、第2当接面82は、該第2当接面82における軸方向の任意の二位置に係合凸部54が当接したときの可動鉄心53のストローク位置が一致しないように形成されている。
具体的には、係合凹部55は、後輪転舵軸31の軸線と平行な平面である底面55aを有するように凹設されている。そして、係合凹部55における軸方向一方側の第1側面55bの底面55aからの高さは、係合凹部55における軸方向他方向側の第2側面55cの底面55aからの高さよりも低く形成されている。
第1当接面81は、第1側面55bの上端から連続して軸方向一方側に延びており、後輪転舵軸31が中立位置から軸方向一方側に移動可能な範囲と略等しい範囲に亘って傾斜して形成されている。なお、本実施形態の第1当接面81は、係合凹部55から離間するにつれて底面55aからの可動鉄心53のストローク方向に沿った高さが一定割合で徐々に高くなるように形成されている。そして、第1当接面81の軸方向一方側の端部での高さは、第2側面55cの高さよりも僅かに低くなるように形成されている。
第2当接面82は、第2側面55cの上端から連続して軸方向他方側に延びており、後輪転舵軸31が中立位置から軸方向他方側に移動可能な範囲と略等しい範囲に亘って傾斜して形成されている。なお、本実施形態の第2当接面82は、係合凹部55から離間するにつれて底面55aからの高さが一定割合で徐々に高くなるように形成されている。
したがって、第1及び第2当接面81,82に当接したときの可動鉄心53のストローク位置は、一致することがなく、かつ係合凹部55からの軸方向距離の増大に応じてそれぞれ連続的に底面55aから遠ざかる。つまり、可動鉄心53のストローク位置と後輪転舵軸31の軸方向位置とが一対一の関係で対応づけられるようになる。そして、ECU71は、このように可動鉄心53のストローク位置と後輪転舵軸31の軸方向位置とが一対一の関係で対応づけられることを踏まえ、該ストローク位置に基づいて後輪2Rの転舵角を検出する。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)ECU71は、可動鉄心53のストローク位置に基づいて後輪2Rの転舵角を検出するため、後輪2Rの転舵角を中立位置に戻す際に、可動鉄心53が係合凹部55から遠ざかる方向に後輪転舵軸31を軸方向移動させることなく、より迅速に係合凸部54を係合凹部55に係合させることができる。また、可動鉄心53のストローク位置に基づいて転舵モータ34の作動を制御して後輪2Rを転舵させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、第1及び第2当接面81,82を係合凹部55から離間するにつれて底面55aからの高さが一定割合で徐々に高くなるように形成したが、これに限らず、例えば係合凹部55に近いほど高さの変化が急峻となるように形成してもよい。また、第1及び第2当接面81,82を係合凹部55に近接するにつれて底面55aからの高さが徐々に高くなるように形成してもよい。
・上記実施形態では、第1及び第2当接面81,82を係合凹部55から離間するにつれて底面55aからの高さが徐々に高くなるように形成したが、これに限らず、次のように形成してもよい。図4に示す例では、第1当接面81は、底面55aからの高さがその全範囲に亘って一定となるように形成され、第2当接面82は、底面55aからの高さが第1当接面81よりも高い位置で全範囲に亘って一定となるように形成されている。このように構成しても、可動鉄心53の係合凸部54が第1当接面81に当接したときのストローク位置と、第2当接面82に当接したときのストローク位置とが一致しないため、可動鉄心53のストローク位置に基づいて可動鉄心53が係合凹部55の軸方向のどちら側に位置するかが検出可能となる。これにより、後輪2Rの転舵角を中立位置に戻す際に、後輪2Rの転舵角を検出しなくても、より迅速に係合凸部54を係合凹部55に係合させることができる。
・上記実施形態では、可動鉄心53のストローク位置を荷重センサ61により検出される荷重Wに基づいて検出したが、これに限らず、例えば可変抵抗器を用いて可動鉄心53のストローク位置を検出してもよい。
・上記実施形態では、可動鉄心53のストローク位置に基づいて後輪2Rの転舵角を推定したが、これに限らず、例えば転舵モータ34の回転角や、左右の後輪2Rの車輪速差に基づいて後輪2Rの転舵角を推定してもよい。また、舵角センサ等によって後輪2Rの転舵角を直接検出してもよい。
・上記実施形態では、車速SPDが所定車速以上の場合に後輪2Rの転舵角を中立位置で保持するようにしたが、これ以外の条件が成立した場合に中立位置で保持するようにしてもよい。また、車速SPDが所定車速未満の場合において、例えば操舵トルクに基づいて後輪2Rの転舵角を制御する等、後輪操舵装置4の制御態様は適宜変更可能である。
1…車両、2F…前輪、2R…後輪、3…前輪操舵装置、4…後輪操舵装置、31…後輪転舵軸、32…転舵軸駆動装置、41…ロック装置、43…ソレノイド、51…固定鉄心、52…ソレノイドコイル、53…可動鉄心、54…係合凸部、55…係合凹部、55a…底面、55b…第1側面、55c…第2側面、61…荷重センサ、71…ECU、81…第1当接面、82…第2当接面。

Claims (2)

  1. 軸方向移動することにより後輪を転舵させる後輪転舵軸と、前記後輪転舵軸を軸方向移動させる転舵軸駆動装置と、前記後輪転舵軸の軸方向移動を規制可能なロック装置と、を備えた後輪操舵装置において、
    前記ロック装置は、前記後輪転舵軸に形成された係合凹部に係合可能な係合凸部を有するロック部材、前記ロック部材を往復動させて前記係合凸部を前記凹部に係脱させるロックアクチュエータ、及び前記ロック部材のストローク位置を検出するストロークセンサを有し、
    前記後輪転舵軸は、該後輪転舵軸における前記係合凹部の軸方向一方側に設けられた第1当接面に前記係合凸部が当接したときのストローク位置と、前記係合凹部の軸方向他方側に設けられた第2当接面に前記係合凸部が当接したときのストローク位置とが一致しないように形成されたことを特徴とする後輪操舵装置。
  2. 請求項1に記載の後輪操舵装置において、
    前記第1及び第2当接面は、該各当接面における軸方向の任意の二位置に前記係合凸部が当接したときのストローク位置が一致しないようにそれぞれ形成されたことを特徴とする後輪操舵装置。
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