JP2014133196A - 下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法 - Google Patents

下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグから、効率よく遊離リン酸を回収するためのリン回収方法を提供すること。
【解決手段】下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと酸とを反応させ、リン成分を遊離リン酸として溶出させた後、溶出液を陽イオン交換樹脂に流通させることにより、溶出液から金属イオンを除去する。陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換樹脂塔を複数用意し、一定期間毎に溶出液を流通させる陽イオン交換樹脂塔を切り替えることにより、溶出液を流通させた陽イオン交換樹脂塔には再生用の鉱酸を流通させ、陽イオン交換樹脂を再生させることができるため、溶出液からの金属イオン除去を連続して安定的に行い得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水処理施設から排出される下水汚泥を焼却した残渣である下水汚泥焼却灰、又は製鉄所で発生する溶銑予備処理スラグ若しくは転炉スラグの製鋼スラグに含有されているリン成分を、効率よく遊離リン酸として回収する方法に関する。
下水処理場で大量に発生する下水汚泥は、これまでは焼却処分され、焼却後に発生する下水汚泥焼却灰を埋立処分することが一般的であった。しかし、埋立処分場の確保が困難になりつつあり、道路舗装材又は下層路盤材として有効利用すること試みがなされている。また、下水汚泥焼却灰にはP2O5換算で10〜35質量%前後のリンが含有されているため、これを抽出して回収し、リン資源として活用することも検討されている。
特許文献1は、下水汚泥焼却灰と苛性ソーダのようなアルカリ性反応液とを反応槽内で混合し、下水汚泥焼却灰に含有されているリンを液中に抽出したうえ、リン抽出液と処理灰とを固液分離し、処理灰を回収する一方、このリン抽出液にカルシウム成分を加えてリン酸カルシウム結晶を取り出す方法を開示している。特許文献1の方法によれば、下水汚泥焼却灰に含有される有害成分をアルカリ性反応液に溶出させて除去し、清浄な処理灰を得ることができ、またリンの回収も行うことができるとされる。
特許文献2は、下水汚泥焼却灰とアルカリ性反応液とを反応槽内で混合して下水汚泥焼却灰に含有されるリンを液中に抽出したうえ、リン抽出液と処理灰とに固液分離し、このリン抽出液にカルシウム成分を加えてリン酸カルシウム結晶を取り出す下水汚泥焼却灰からのリン回収方法において、反応槽内液のPアルカリ度を測定し、Pアルカリ度が所定範囲に維持されるようにアルカリ源の添加量を制御しつつリン抽出を行うことを特徴とする下水汚泥焼却灰からのリン回収方法を開示している。特許文献2の方法によれば、アルカリ源の添加量をアルミニウムが溶解しているアルカリ性反応液に対しても適切に管理し、過剰添加による費用の無駄、及び添加不足によるリン抽出不良を防止できるとされる。
一方、高炉で製造された溶銑又はスクラップから、靱性及び加工性のある鋼にするのが製鋼工程であり、製鋼炉には転炉及び電気炉がある。製銑工程では、鉄鉱石にコークス及び造滓剤を加えて高炉で加熱し、銑鉄を生産する。銑鉄は、溶銑予備処理として造滓剤を加えて加熱され、脱リン及び脱硫された後、さらに造滓剤を加えて転炉で加熱され、粗鋼へと変化する。
溶銑予備処理及び転炉からは、脱リン・脱硫スラグ及び転炉スラグが生成されるが、これらは製鋼スラグと呼ばれる。一般的には、粗鋼1t当たり約110kgの製鋼スラグが生成するといわれている。
製鋼スラグは、粗鋼の生産において大量に発生するため、その有効利用に注目されている。例えば、特許文献3は、製鋼スラグを冷却した後に、磁力により磁着物と非磁着物とに分離して回収し、次いで、該非磁着物に還元剤を混合し、混合した後に加熱処理して、非磁着物に含有されるリン酸化物を還元して気化除去し、リン酸化物を気化除去した後の非磁着物及び前記磁着物を、製銑工程又は製鋼工程にリサイクルする方法を開示している。
また、特許文献4は、低リン転炉スラグを脱リン炉において造滓剤として再利用するに当り、ホタル石の使用量及び遺失量の減少を図るために、転炉から排滓される転炉スラグを滓鍋で受滓する際、予め滓鍋中に少なくともホタル石等の副材を装入した状態で転炉スラグを受滓し、副材を転炉スラグ中に溶融・混合した後、脱リン炉又は取鍋における脱リン処理に供する方法を開示している。
特開2004−203641号公報 特開2008−230940号公報 特開2007−204782号公報 特開平5−156338号公報
下水汚泥焼却灰には、汚泥凝集剤に由来するアルミニウム(Al)又は鉄(Fe)をはじめとして、金属が高濃度で含有されており、製鋼スラグには鉄(Fe)又はカルシウム(Ca)をはじめとする金属が高濃度で含有されている。すなわち、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグは、遊離リン酸以外に、リン酸アルミニウム又はリン酸鉄のようなリン酸塩としてリンを含有している。このため、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグから有機溶媒を使用して遊離酸を抽出及び回収する場合、リン酸塩は有機溶媒によって抽出されないために、リン含有量全体に対する遊離リン酸のリン回収量は低くなってしまう。
本発明は、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグという金属を高濃度に含有する固形物から、効率よく遊離リン酸を回収するためのリン回収方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと鉱酸とを反応させ、リン成分を遊離リン酸として溶出させた後、溶出液(酸溶液)を陽イオン交換樹脂に流通(通水)させることにより、溶出液から金属イオンを効率よく除去し得ることを見出した。
さらに、本発明者等は、陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換樹脂塔を複数用意し、一定期間毎に溶出液を流通させる陽イオン交換樹脂塔を切り替えることにより、溶出液を流通させた陽イオン交換樹脂塔には再生用の鉱酸を流通させ、陽イオン交換樹脂を再生させることができるため、溶出液からの金属イオン除去を連続して安定的に行い得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本願第一発明は、
下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグに含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、4つのイオン交換部から構成される回転式陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
を有する下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法であって、
前記イオン交換工程においては、回転式陽イオン交換樹脂塔の各イオン交換部について、
(A)溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を流通させる工程、
(B)工程A後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
(C)再生用の酸を流通させて塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させる工程、及び
(D)工程C後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
を順に繰り返して行う、方法に関する。
また、本願第二発明は、
下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグに含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
を有する下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法であって、
前記イオン交換工程においては、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔を複数組用意し、ある組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に、溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液が流通している間、他の組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔は再生用の鉱酸を流通させて、塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させる、方法に関する。
下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと酸とを反応させると、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグに含有されるリン成分が遊離リン酸として溶出され、金属イオンも同時に溶出される。陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換樹脂塔に溶出液を流通させれば、溶出液中の金属イオンが陽イオン交換樹脂に吸着され、金属イオンと遊離リン酸とを分離することが可能である。しかし、それだけでは、陽イオン交換樹脂塔のイオン交換容量がすぐに飽和してしまう。
そこで、本願第一発明では、陽イオン交換樹脂塔として、4つのイオン交換部から構成される回転式陽イオン交換樹脂塔を使用する。このような回転式陽イオン交換樹脂塔を使用することにより、溶出液からの金属イオン除去と、陽イオン交換樹脂の再生を平行して行うことが可能である。
一方、本願第二発明では、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔を複数組使用する。このような複数組の陽イオン交換樹脂塔を使用することによっても、溶出液からの金属イオン除去と、陽イオン交換樹脂の再生を平行して行うことが可能である。
前記酸は、リン酸、硫酸、塩酸、蓚酸又はクエン酸あることが好ましい。
前記有機溶媒は、一級又は二級の脂肪族アルコールであることが好ましい。
前記脂肪族アルコールは、メタノール又はエタノールであることが好ましい。
本発明で使用する有機溶媒は、遊離リン酸を溶解させやすく、蒸発させることによって溶解させた遊離リン酸を容易に分離できるものであることが理想的である。このような有機溶媒としては、一級又は二級の脂肪族アルコールが好ましく、特に、メタノール又はエタノールが好ましい。
さらに本願第三発明は、
下水汚泥焼却灰と酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰に含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、4つのイオン交換部から構成される回転式陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
を有する下水汚泥焼却灰からのリン酸回収方法であって、
前記イオン交換工程においては、回転式陽イオン交換樹脂塔の各イオン交換部について、
(A)溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を流通させる工程、
(B)工程A後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
(C)再生用の酸を流通させて塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させる工程、及び
(D)工程C後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
を順に繰り返して行い、
前記工程(C)で陽イオン交換樹脂から溶出させた金属イオンのうち、鉄イオン又はアルミニウムイオンを回収し、下水汚泥の凝集剤として再利用する下水汚泥焼却灰からのリン酸回収方法に関する。
さらに本願第四発明は、
下水汚泥焼却灰と酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰に含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
を有する下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法であって、
前記イオン交換工程においては、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔を複数組用意し、ある組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に、溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液が流通している間、他の組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔は再生用の鉱酸を流通させて、塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させ、
陽イオン交換樹脂から溶出させた金属イオンのうち、鉄イオン又はアルミニウムイオンを回収し、下水汚泥の凝集剤として再利用する下水汚泥焼却灰からのリン酸回収方法に関する。
本願第三発明及び本願第四発明は、それぞれ本願第一発明及び本願第二発明の応用発明である。下水汚泥焼却汚泥には、下水汚泥処理施設において下水汚泥に添加された鉄又はアルミニウム系の凝集剤が残存している。このため、陽イオン交換樹脂塔に鉱酸を流通させることによって溶出された金属イオンには、鉄イオン又はアルミニウムイオンが含有されている。溶出された鉄イオン又はアルミニウムイオンを回収すれば、下水汚泥処理施設において下水汚泥凝集剤として再利用し得る。
本願第一発明及び本願第二発明の下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン回収方法は、鉱酸及び陽イオン交換樹脂を用いてリン成分をリン酸塩として回収する従来技術とは異なり、金属を高濃度に含有する固形物から、リン成分を遊離リン酸として回収することが可能である。さらに、本願第三発明及び本願第四発明の下水汚泥焼却灰からのリン回収方法は、遊離リン酸以外に、下水汚泥凝集剤も回収し、再利用することが可能である。
実施形態1において使用される回転式陽イオン交換樹脂塔の一例を示す。(a)は上面図、(b)は側面図である。 図1(a)に示される状態から時計方向に90度回転させた状態を示す。 図2に示される状態から時計方向に90度回転させた状態を示す。 図3に示される状態から時計方向に90度回転させた状態を示す。 実施形態2において使用される多段式の陽イオン交換樹脂塔の一例を示す。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の記載に限定されない。
<実施形態1>
製鋼スラグは、まず、ジョークラッシャー又はボールミルのような機械によって、最大粒子径が10〜100μm程度の大きさに粉砕される。一方、下水汚泥焼却灰の場合には、通常、粒子径が10μm〜200μm(平均粒子径は約50μm)程度であるため、粉砕は不要である。以下、製鋼スラグから遊離リン酸を回収する場合について説明するが、下水汚泥焼却灰から遊離リン酸を回収する場合も、基本的な手順は同じである。
(溶出工程)
次に、粉砕された製鋼スラグに酸を加えて混合する。このとき、酸の混合は、混合状態におけるpHが1〜2となるように調整されることが好ましい。酸としては、リン酸、硫酸、塩酸、蓚酸又はクエン酸が好ましい。
粉砕された製鋼スラグと強酸である酸とを反応させることにより、製鋼スラグに含有されるリン酸塩が溶解し、弱酸であるリン酸(遊離リン酸)として溶出する。この溶出液(鉱酸)は、製鋼スラグと固液分離によって分離され、一定量貯留された後、イオン交換工程へと供される。
(イオン交換工程)
図1は、実施形態1において使用される回転式陽イオン交換樹脂塔の一例を示す。図1(a)は上面図であり、図1(b)は側面図である。溶出液は、必要に応じて懸濁物質をフイルターによって除去された後、図1に示される回転式陽イオン交換樹脂塔1へと供給される。
回転式陽イオン交換樹脂塔1は、4つの独立したイオン交換部2a〜2dを備えており、各イオン交換部には陽イオン交換樹脂が充填されている。ここでは、イオン交換部2aに遊離リン酸を含有する溶出液が流通しており、イオン交換部2cに再生用の鉱酸が供給されている。溶出液は、経路3から回転式陽イオン交換樹脂塔1に供給され、イオン交換部2a上部に位置する散布管4に設けられたノズル4a〜4cから散布される。溶出液は、イオン交換部2a内の陽イオン交換樹脂と接触し、金属イオンが除去された後、イオン交換部2aの下部に貯まる。1回の接触では金属イオンの除去が不十分な場合、この溶出液5を、ポンプP1及び経路5aによって再度散布管4に設けられたノズル4a〜4cへと供給し、イオン交換部2a内を循環させる。
このとき、イオン交換部2aに対向する位置にあるイオン交換部2cは、溶出液を流出させ、水によって洗浄済みの状態である。イオン交換部2cへは、経路7から陽イオン交換樹脂の再生用の鉱酸が供給され、イオン交換部2c上部に位置する散布管8に設けられたノズル8a〜8cから散布される。再生用の鉱酸は、イオン交換部2c内の陽イオン交換樹脂と接触し、金属イオンを溶出させた後、イオン交換部2cの下部に貯まる。1回の接触でイオン交換樹脂の再生が不十分な場合は、この再生用の鉱酸9を、ポンプP2及び経路5bによって再度散布管8に設けられたノズル8a〜8cへと供給し、イオン交換部2c内を循環させる。
一定期間、溶出液5を循環させると、イオン交換部2a内の陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が飽和状態となり、金属イオンを吸着することができなくなる。また、一定期間、再生用の鉱酸9を循環させると、イオン交換部2c内の陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が回復する。そのため、一定期間経過後、回転式陽イオン交換樹脂塔を時計方向に90度回転させ、図2に示される状態とする。
図2においては、イオン交換部2a及び2cは、散水管10の下部に位置する。散水管10には、ノズル(図示せず)が設けられており、イオン交換部2a及び2cの上部から洗浄水が散布される。その結果、イオン交換部2a内の陽イオン交換樹脂が洗浄され、付着している溶出液が除去される。同様に、イオン交換部2c内の再生用の陽イオン交換樹脂が洗浄され、付着している再生用の鉱酸が除去される。
このとき、イオン交換部2bでは、回転前のイオン交換部2aと同じ操作が行われる。同様に、イオン交換部2dでは、回転前のイオン交換部2cと同じ操作が行われる。一定期間経過後、回転式陽イオン交換樹脂塔を時計方向に90度回転させ、図3に示される状態とする。
図3においては、イオン交換部2aは散布管8の下部に位置し、イオン交換部2cは散布管4の下部に位置する。このとき、イオン交換部2cでは、最初の回転前のイオン交換部2aと同じ操作が行われる。同様に、イオン交換部2aでは、最初の回転前のイオン交換部2cと同じ操作が行われる。イオン交換部2b及び2dでは、陽イオン交換樹脂が洗浄水によって洗浄される。一定期間経過後、回転式陽イオン交換樹脂塔を時計方向に90度回転させ、図4に示される状態とする。
図4においては、イオン交換部2a及び2cは、散水管10の下部に位置し、陽イオン交換樹脂が洗浄水によって洗浄される。イオン交換部2dでは、最初の回転前のイオン交換部2aと同じ操作が行われる。同様に、イオン交換部2bでは、回転前のイオン交換部2cと同じ操作が行われる。一定期間経過後、回転式陽イオン交換樹脂塔を時計方向に90度回転させ、図1(a)に示される状態に戻す。以下、この操作が繰り返される。
このように、実施形態1においては、回転式陽イオン交換樹脂塔1を一定期間毎に回転させることにより、イオン交換部2a〜2dが、吸着工程(A)→洗浄工程(B)→脱離工程(C)→洗浄工程(D)を順次繰り返す。このような操作を行うことによって、溶出液を新鮮な陽イオン交換樹脂に流通させ、溶出液から効率よく連続して金属イオンを除去することが可能となる。
再生用の鉱酸は、溶出工程で使用される鉱酸と同じであってもよく、異なっていてもよい。再生用の鉱酸としては、塩酸又は硫酸が好ましい。
脱離工程(C)において、陽イオン交換樹脂から再生用の鉱酸へと金属イオンが溶出するが、再生用の鉱酸として塩酸を用いた場合には塩化アルミニウム又は塩化鉄、硫酸を用いた場合には硫酸アルミニウム又は硫酸鉄が多く含有される再生排水が得られる。これら鉄イオン又はアルミニウムイオンを含有する金属塩は、製鉄所の廃水処理施設の凝集沈殿操作における凝集剤、又は凝集沈殿操作によって得られる沈殿物の脱水操作における凝集助剤として利用ことが可能である。再生用の鉱酸として塩酸を用いた場合、製鋼スラグからは塩化カルシウムも回収されるが、これも製鉄所の廃水処理施設の凝集沈殿操作における凝集剤、又は凝集沈殿操作によって得られる沈殿物の脱水操作における凝集助剤として利用ことが可能である。
(抽出工程)
次に、イオン交換工程後の溶出液と有機溶媒とを混合することにより、遊離リン酸を有機溶媒へと溶解させて抽出する。有機溶媒として好ましい具体例は、メタノール、エタノール又は1-ブタノールのような一級アルコールである。なお、後述する回収工程で蒸発分離(減圧蒸発を含む)を行う際のエネルギーを低くする観点から、蒸発させる際の熱量の小さい有機溶媒であることが好ましい。このため、一級アルコールの中でも、メタノール又はエタノールが最も実用的である。
本発明では、水ではなく有機溶媒を用いて遊離リン酸を溶解させるため、遊離リン酸がリン酸塩となりにくい。また、鉱酸として硫酸を使用する場合、硫酸と有機溶媒とを混合した際に発生する水和熱も小さく、安全性が高い。遊離リン酸を充分に有機溶媒へ溶解させるためには、撹拌操作を行うことが好ましい。
有機溶媒に遊離リン酸を溶解させた後、ろ過操作又は沈殿操作によって固液分離し、固形分は脱リンスラグとして回収される。遊離リン酸を溶解させた有機溶媒は、回収工程に付される。
(回収工程)
次に、遊離リン酸を溶解させた有機溶媒から、有機溶媒だけを蒸発させる。有機溶媒の蒸発は、蒸留装置を用いて蒸留することによって行い得るが、減圧蒸留としてもよい。蒸発させた有機溶媒は、凝縮させることによって回収され、再利用される。有機溶媒が蒸発することにより、遊離リン酸だけを回収することができる。回収された遊離リン酸は、必要に応じて公知の手段によって精製することが可能である。
本発明では、有機溶媒を使用して遊離リン酸の抽出を行うため、水を用いて遊離リン酸の抽出を行う場合と比較すると、溶媒蒸発に要するエネルギーが少ない。また、有機溶媒中では、水中と異なり遊離リン酸は電離しないため、リン酸塩が形成されにくく、純度の高い遊離リン酸を得ることが可能である。
<実施形態2>
本発明の実施形態1は、イオン交換工程において使用する陽イオン交換樹脂塔の構成が異なるだけであるため、その相違点についてのみ説明する。なお、ここでは、下水汚泥焼却灰から遊離リン酸を回収する場合について説明するが、製鋼スラグから遊離リン酸を回収する場合も同様である。
図5は、実施形態2において使用される多段式の陽イオン交換樹脂塔を示す。鉱酸と下水汚泥焼却灰は、撹拌槽11へ供給され、撹拌装置12によって撹拌され、溶出工程が行われる。溶出液と下水汚泥焼却灰は、適宜固液分離され、溶出液のみ経路13から経路14aを経て陽イオン交換樹脂塔15aへと供給される。陽イオン交換樹脂塔15a(後述する15b、19a及び19bについても同様)には、陽イオン交換樹脂が充填されている。経路13から経路14bへは、溶出液は供給されていない。
溶出液を陽イオン交換樹脂塔15aに流通させることにより、溶出液から金属イオンを除去される。陽イオン交換樹脂塔15aを流通した溶出液は、経路16aから経路17及び経路18aを経て、陽イオン交換樹脂塔19aへと供給される。経路17から経路18bへは、溶出液は供給されていない。陽イオン交換樹脂塔19aを流通した溶出液は、経路20a及び経路21を経て取り出され、回収工程へと供される。
一定期間、イオン交換工程を継続すると、陽イオン交換樹脂塔15a及び陽イオン交換樹脂塔19a内の陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が飽和状態となり、金属イオンを吸着することができなくなる。このため、一定期間経過後、経路14aを閉じて経路14bを開き、経路13及び経路14bを経て溶出液を陽イオン交換樹脂塔15bへと供給する。また、陽イオン交換樹脂塔15bを流通した溶出液は、経路16bから経路17及び経路18bを経て、陽イオン交換樹脂塔19bへと供給される。このとき、経路17から経路18aへは、溶出液は供給されていない。陽イオン交換樹脂塔19bを流通した溶出液は、経路20b及び経路21を経て取り出され、回収工程へと供される。
一方、陽イオン交換樹脂塔15a及び19aには、経路22から経路23a及び23cを経て、陽イオン交換樹脂再生用の鉱酸が供給される。このとき、経路23b及び経路23dは閉じられている。再生用の鉱酸を流通させることにより、陽イオン交換樹脂塔15a及び19aに充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンが脱離し、陽イオン交換樹脂が再生される。金属イオンを溶解した鉱酸は、経路24a及び経路24cから経路25へと排出される。なお、実施形態1と同様、再生用の鉱酸を供給する前に、洗浄水を供給する。
陽イオン交換樹脂塔15a及び19aの再生が終了すれば、経路22から経路23a及び23cを経て、洗浄水を供給する。その後、陽イオン交換樹脂塔15b及び19bに充填されている陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が飽和状態となれば、経路14b及び経路19bを閉じ、経路14a及び経路19aを開き、陽イオン交換樹脂塔15a及び19aへと溶出液を供給する。
そして、陽イオン交換樹脂塔15b及び19bには、経路22から経路23b及び23dを経て、陽イオン交換樹脂再生用の鉱酸が供給される。このとき、経路23a及び経路23cは閉じられている。再生用の鉱酸を流通させることにより、陽イオン交換樹脂塔15b及び19bに充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンが脱離し、陽イオン交換樹脂が再生される。金属イオンを溶解した鉱酸は、経路24a及び経路24cから経路25へと排出される。再生用の鉱酸を供給する前に、洗浄水を供給する。
陽イオン交換樹脂塔19aのイオン交換容量は、陽イオン交換樹脂塔15aと同じであってもよく、小さくてもよい。同様に、陽イオン交換樹脂塔19bのイオン交換容量は、陽イオン交換樹脂塔15bと同じであってもよく、小さくてもよい。
本実施形態では、陽イオン交換樹脂塔15a及び19aを同時に使用及び再生し、陽イオン交換樹脂塔15b及び19bを同時に使用及び再生した、溶出液を一次処理する陽イオン交換樹脂塔15a及び15bは、これらを流通した溶出液を二次処理する陽イオン交換樹脂塔15b及び19bよりも、イオン交換樹脂のイオン交換容量が減少しやすい。このため、例えば、一次側(上流側)の陽イオン交換樹脂塔15aを15bに切り替え、二次側(下流側)は陽イオン交換樹脂塔19aの使用を継続し、再生用の鉱酸による陽イオン交換樹脂の再生処理のタイミングを一次側と二次側で変えてもよい。すなわち、一次側の陽イオン交換樹脂塔15a及び19aの再生処理回数を、二次側の陽イオン交換樹脂塔15b及び19bの再生処理回数よりも増やしてもよい。
<実施形態3>
通常、下水汚泥焼却施設は下水処理施設に隣接して設けられるため、本実施形態では、下水焼却施設で得られる焼却灰からリンを回収した際に、副産物として得られる鉄塩又はアルミニウム塩を下水処理施設で再利用する場合について説明する。
下水処理場では活性汚泥法によって原水が処理される。具体的には、原水は最初沈殿池へ導かれ、初沈汚泥が分離される。初沈汚泥分離後の上澄水は、好気条件で活性汚泥法により生物的処理が行われる。生物的処理水は、必要に応じて凝集剤が添加された後、最終沈殿池へ送られる。そこで、汚泥(余剰汚泥)が分離され、上澄水はそのまま、又は必要な処理が施された後、放流される。最終沈殿地で分離された汚泥の一部は、活性汚泥処理槽へ返送される。残りの汚泥は、余剰汚泥として、単独又は初沈汚泥と共に濃縮処理及び脱水処理が施された後、脱水ケーキとして搬出され、焼却施設へと送られる。
なお、濃縮処理としては、例えば、ベルト濃縮機を用いた濃縮処理が挙げられる。脱水処理としては、例えば、フィルタープレスを用いた脱水処理が挙げられる。
このとき、生物的処理水に対して必要に応じて凝集剤が添加されるだけでなく、余剰汚泥の濃縮処理又は脱水処理においても、脱水性を高めるために、余剰汚泥に凝集剤が添加される。ここで、これらの処理の際に添加される凝集剤としては、鉄系又はアルミニウム系の凝集剤を利用することが好ましい。鉄系又はアルミニウム系の凝集剤を利用することで、遊離リン酸回収工程で得られる副産物(再生排液)から、鉄又はアルミニウムを含む塩を回収することができ、これらの塩を凝集剤として再利用できるためである。
下水処理場から搬出された下水汚泥は焼却処理され、焼却灰が得られる。この下水汚泥焼却灰から、上記実施形態1又は実施形態2に記載された方法によって遊離リン酸を回収する。ここで、イオン交換樹脂を再生する際に、鉱酸をイオン交換樹脂に流通させることにより、イオン交換樹脂に吸着されていた金属イオンが脱離する。再生廃液中へと溶出した金属イオンは、金属塩として回収することが可能である。
金属塩(例えば、硫酸鉄)が含有される再生排液は、金属塩の濃度が低いことがあるため、再生廃液をそのまま凝集剤として再利用することは効率的ではない。そのため、再生排液を凝集剤として再利用する場合、濃縮処理した後に凝集剤として再利用することが好ましい。
濃縮処理としては、例えば、汚泥焼却の際に発生する熱を利用して、水分を蒸発させることによって再生廃液を濃縮する、蒸発濃縮を採用することができる。
濃縮された再生廃液を、上述した隣接する下水処理設備に搬出すれば、凝集剤として再利用することができる。なお、再利用するにあたり、必要に応じて不要な金属塩を抽出したり、pH調整のために別途酸又はアルカリを添加したりしてもよい。
このように、下水焼却灰からリンを回収する際に得られる金属塩を、下水処理場における凝集剤として利用することによって、系外から持ち込まれる凝集剤の添加量を低減することが可能となる。
本発明の下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法は、下水処理分野、製鉄分野又は化学工業分野において、付加価値の高い遊離リン酸を回収する方法として有用である。
1:回転式陽イオン交換樹脂塔
2a〜2d:イオン交換部
3,6:経路
4:散布管
4a〜4c:ノズル
5:溶出液
6a,6b:経路
7:経路
8:散布管
8a〜8c:ノズル
9:再生用の鉱酸
10:散水管
11:撹拌槽
12:撹拌装置
13:経路
14a,14b:経路
15a,15b:陽イオン交換樹脂塔(一次側)
16a,16b:経路
17:経路
18a,18b:経路
19a,19b:陽イオン交換樹脂塔(二次側)
20a,20b:経路
21,22:経路
23a〜23d:経路
24a〜24d:経路
25:経路

Claims (7)

  1. 下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグに含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
    溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、4つのイオン交換部から構成される回転式陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
    金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
    有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
    を有する下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法であって、
    前記イオン交換工程においては、回転式陽イオン交換樹脂塔の各イオン交換部について、
    (A)溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を流通させる工程、
    (B)工程A後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
    (C)再生用の酸を流通させて塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させる工程、及び
    (D)工程C後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
    を順に繰り返して行う、方法。
  2. 下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグと酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグに含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
    溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
    金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
    有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
    を有する下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法であって、
    前記イオン交換工程においては、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔を複数組用意し、ある組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に、溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液が流通している間、他の組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔は再生用の鉱酸を流通させて、塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させる、方法。
  3. 前記酸がリン酸、硫酸、塩酸、蓚酸又はクエン酸である、請求項1又は2に記載の下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法。
  4. 前記有機溶媒が一級又は二級の脂肪族アルコールである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法。
  5. 前記脂肪族アルコールがメタノール又はエタノールである、請求項4に記載の下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法。
  6. 下水汚泥焼却灰と酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰に含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
    溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、4つのイオン交換部から構成される回転式陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
    金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
    有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
    を有する下水汚泥焼却灰からのリン酸回収方法であって、
    前記イオン交換工程においては、回転式陽イオン交換樹脂塔の各イオン交換部について、
    (A)溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を流通させる工程、
    (B)工程A後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
    (C)再生用の酸を流通させて塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させる工程、及び
    (D)工程C後、陽イオン交換樹脂を水によって洗浄する工程、
    を順に繰り返して行い、
    前記工程(C)で陽イオン交換樹脂から溶出させた金属イオンのうち、鉄イオン又はアルミニウムイオンを回収し、下水汚泥の凝集剤として再利用する下水汚泥焼却灰からのリン酸回収方法。
  7. 下水汚泥焼却灰と酸とを反応させ、下水汚泥焼却灰に含有されるリン成分を遊離リン酸として溶出させる溶出工程と、
    溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液を、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に流通させ、溶出液から金属イオンを除去するイオン交換工程と、
    金属イオンを除去された溶出液から、有機溶媒を用いて遊離リン酸を抽出する抽出工程と、
    有機溶媒を蒸発させ、遊離リン酸を回収する遊離リン酸回収工程と、
    を有する下水汚泥焼却灰又は製鋼スラグからのリン酸回収方法であって、
    前記イオン交換工程においては、直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔を複数組用意し、ある組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔に、溶出工程後の遊離リン酸を含有する溶出液が流通している間、他の組の直列に接続された複数の陽イオン交換樹脂塔は再生用の鉱酸を流通させて、塔内に充填されている陽イオン交換樹脂から金属イオンを溶出させ、
    陽イオン交換樹脂から溶出させた金属イオンのうち、鉄イオン又はアルミニウムイオンを回収し、下水汚泥の凝集剤として再利用する下水汚泥焼却灰からのリン酸回収方法。
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