JP2014133008A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】大腸内視鏡検査において、定性的な視覚情報に加えて、鉄イオン濃度測定に基づく定量的な情報をリアルタイムに得られる内視鏡を提供する。
【解決手段】本発明の内視鏡は、観察対象の内部に少なくとも一部が導入され、前記観察対象の内部の被写体の撮像を行う内視鏡であって、鉄センサーを備えたことを特徴とする。本発明の内視鏡は、前記鉄センサーがイオン選択性電極を備えたことが好ましい。本発明の内視鏡は、カプセル型であることが好ましい。
【選択図】図10

Description

本発明は、内視鏡に関する。
内視鏡は、鉗子チャンネルに連通する鉗子口を有しており、鉗子などの内視鏡処置具が、該鉗子チャンネルに挿通されている。係る内視鏡は、内視鏡処置具を介して、観察対象の内部の腫瘍の採取や摘出をすることができる(例えば、特許文献1参照)。
このように、内視鏡は、観察対象の内部の視覚情報を取得するだけでなく、患者の処置や治療をする器具としての機能を有している。
特開2012−200415号公報
近年、内視鏡に多機能性が求められており、内視鏡検査から得られる情報を補完するための技術が必要とされている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、大腸内視鏡検査において、定性的な視覚情報に加えて、鉄イオン濃度測定に基づく定量的な情報をリアルタイムに得られる内視鏡を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、被験体由来の消化管洗浄液を分析する鉄センサーを備えた内視鏡により課題を解決できることを見出した。本発明の一実施態様は、下記(1)〜(5)を提供するものである。
(1)本発明の内視鏡は、観察対象の内部に少なくとも一部が導入され、前記観察対象の内部の被写体の撮像を行う内視鏡であって、鉄センサーを備えたことを特徴とする。
(2)本発明の内視鏡は、前記鉄センサーがイオン選択性電極を備えたことが好ましい。
(3)本発明の内視鏡は、吸液タンクを有し、該吸液タンク内に前記鉄センサーを備えたことが好ましい。
(4)本発明の内視鏡は、前記観察対象の内部に導入される先端部分に前記鉄センサーを備えたことが好ましい。
(5)本発明の内視鏡は、カプセル型であることが好ましい。
本発明によれば、定性的な視覚情報に加えて、鉄イオン濃度測定に基づく定量的な情報をリアルタイムに得られる。
イオン選択性電極を用いた鉄イオン濃度測定の説明図である。 大腸癌検出用鉄センサー1の要部を示した縦断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー1の横断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー1の縦断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー11の要部を示した縦断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー11の横断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー11の縦断面図である。 (a)は、内視鏡200の斜視図である。(b)は、内視鏡200の先端部分201の横断面図である。 内視鏡300の斜視図である。 内視鏡カプセル400の斜視図である。 実施例において作製した鉄イオン選択電極及び参照電極の写真である。 鉄イオン濃度(横軸)と電位差(縦軸)との関係を示したキャリブレーションプロットを示すグラフである。(a)は、0.1M KClに鉄イオンを加えたサンプルの測定結果を示し、(b)は、消化管洗浄液に鉄イオンを加えたサンプルの測定結果を示す。 実施例における様々な患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオン濃度測定結果である。
[大腸内視鏡検査]
本発明の内視鏡を説明するにあたり、先ず、本発明の内視鏡を用いた大腸内視鏡検査法について説明する。本発明の内視鏡を用いた大腸内視鏡検査法は、患者である被験者由来の消化管洗浄液を分析する工程を有する。
被験者由来の消化管洗浄液としては、消化管洗浄液を経口投与し、本発明の内視鏡を直腸から挿入して吸収採取した溶液、又は、被験者の体腔内に溜まった消化管洗浄液が挙げられる。消化管洗浄液としては、市販の大腸内視鏡検査用洗浄溶液が挙げられる。被験者由来の消化管洗浄液の採取方法としては、例えば、大腸内視鏡検査前日に、大腸癌検診を受ける者に2Lの大腸内視鏡検査用洗浄溶液を飲んでもらい、検査当日に採取する方法が挙げられる。
本発明の内視鏡を用いた大腸内視鏡検査においては、消化管洗浄液の溜まりやすいS状結腸まで内視鏡を挿入すればよいため、検診を受ける者の身体的負担が軽減される。
前記被験者由来の消化管洗浄液を分析する工程は、前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程であることが好ましい。係る工程においては、従来公知の被験者由来の消化管洗浄液であれば特別な処置を必要しないという簡便さを有する点で優れている。例えば、消化管洗浄液中にPEG(ポリエチレングリコール)が存在する場合には、これを用いた抗原抗体反応において反応効率の低減を考慮する必要があるが、係る工程においては、消化管洗浄液中にPEGが存在していても測定系に何ら影響を与えるおそれがない。
前記被験者由来の消化管洗浄液を分析する工程は、イオン選択性電極を用いて前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程である工程が好ましい。
本発明において、イオン選択性電極とは、特定のイオンと選択的に応答する電極を意味する。イオン選択性電極を用いた測定系の概略を図1に示す。イオン選択性電極を用いた測定系70は、測定試料中に含まれるイオンの濃度を測定するイオン選択性電極71と、外部参照電極72と、電位差計73を有する。
本発明においては、陽イオンA(鉄イオン)に応答するイオン選択性電極71を用いる。イオン選択性電極71は、内部参照電極71a、及び目的イオンA(鉄イオン)の活量(aintが一定の内部溶液71bおよび陽イオンのみを透過することのできるイオン選択膜71cから構成されている。
外部参照電極72は、内部参照電極72a、外部電極内部液72b、及び液絡部72cから構成されている。
図1のように、イオン選択性電極71と外部参照電極72を目的イオン(鉄イオン)の活量(asampleの試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)に浸す。このとき、2つの電極の電位差(起電力)をEとすると、これは次式(1−1)で表される。
ここで、Eref,int及びEref,extはそれぞれ内部参照電極71aおよび外部参照電極72の電極電位であり、Emembはイオン選択膜71cを介して内部溶液71bと試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)の間に発生する膜電位である。また、Eljは外部参照電極72と試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)の間に発生する液間電位差である。イオン選択膜71cが、A(鉄イオン)のみを透過させる理想的な場合、膜電位は次式(1−2)で表される。
ここで、zは目的イオンの電荷数、Rは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー定数である。
内部参照電極71aおよび外部参照電極72の電極電位は一定であり、液間電位差が無視できれば、(aintは一定であるので、式(1−1)は式(1−2)を用いて次式(1−3)となる。これはイオン選択性電極の基本式で、ネルンストの式と呼ばれる。
ここで、Eは電極の構成により決まる定数である。2.30RT/zFはネルンスト係数と呼ばれ、試料溶液中の目的イオンの活量が10倍変化したときの起電力の変化量であり、25℃では1価のイオンに対して59.16mV、2価のイオンに対して29.58mVである。測定された起電力Eより、式(1−3)を用いて試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)中の目的イオン(鉄イオン)の活量が決定できる。イオンの活量aと濃度Cにはa=fの関係があるので、Aイオンの活量係数fが分かれば濃度Cを求めることができる。
従って、本発明において、既知の鉄イオン濃度と得られた電位差との関係を表したスタンダードカーブを作成し、該スタンダードカーブから被験体由来の消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定することができる。
イオン選択性電極71は、内部参照電極71a、内部溶液71b、及びイオン選択膜71cから構成されている。
内部参照電極71aとしては、金属/ハロゲン化金属電極が挙げられ、銀/塩化銀線が好ましい。内部溶液71bとしては、塩化カリウム水溶液、塩化銅水溶液などの金属塩水溶液、塩化カリウム水溶液、及び他の金属塩水溶液との混合溶液が挙げられ、硝酸鉄と塩化カリウムとの混合溶液が好ましい。
イオン選択膜71cとしては、特に限定されず、ポリ塩化ビニル、シリコンゴム、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、フォトレジスト、漆などの公知の高分子を膜材料とするものが挙げられる。高いイオン選択性を実現するという観点から、膜材料に、可塑剤を混合し、溶媒に溶解して成膜してなる液体膜が好ましい。このような液体膜には、目的イオン以外のイオン(対イオン)の膜中への取り込みを防ぐために、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム等の塩を添加してもよい。
外部参照電極72は、内部参照電極72a、外部電極内部液72b、及び液絡部72cから構成されている。内部参照電極72aとしては、金属/ハロゲン化金属電極が挙げられ、銀/塩化銀線が好ましい。外部電極内部液72bとしては、塩化カリウム水溶液、塩化銅水溶液などの金属塩水溶液が挙げられ、塩化カリウム水溶液が好ましい。塩化カリウム水溶液はゲル化していてもよい。塩化カリウム水溶液がゲル化していると参照電極の耐圧性を向上できる。
以上のとおりのイオン選択膜を有するイオン選択性電極を、外部参照電極とともに従来公知の方法に従い試料溶液(被験体由来の消化管洗浄液)に浸漬することにより両電極間の電位差が測定される。係る電位差から、試料溶液(被験体由来の消化管洗浄液)中のイオン濃度が算出される。
[大腸癌検出用鉄センサー]
≪第一実施形態≫
本発明の内視鏡は、上述した被験体由来の消化管洗浄液を分析する鉄センサーを備えている。以下に、大腸癌検出用鉄センサーの好ましい形態について説明する。
図2は、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー1の要部を示した縦断面図である。図に示すように、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー1は、円筒状に形成されたイオン選択性電極30及び外部参照用電極20を備えている。これらの電極には、それぞれリード線3が接続してあり、これらリード線3は電位差計を有する図示略のイオン濃度測定装置本体に接続されている。
そして、イオン選択性電極30と外部参照用電極20を、鉄イオン濃度を求めたい被験体由来の消化管洗浄液に浸漬又は接触させると、内部液と消化管洗浄液との間に鉄イオン濃度の差に応じた起電力が生じ、その起電力が、イオン選択性電極30と、外部参照用電極20との電位差となって表れる。図示略のイオン濃度測定装置本体は、その電位差をパラメータとして、被験体由来の消化管洗浄液の鉄イオン濃度を表示する。
図3は、大腸癌検出用鉄センサーの第一実施形態の横断面図であり、図4のA−A線方向の断面図である。図4は、大腸癌検出用鉄センサーの第一実施形態の縦断面図である。
図3及び図4に示されるように、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー1は、円筒状に形成された外筒体10と、外筒体10内に相互に離間して配置されたイオン選択性電極30及び外部参照用電極20と、これらの電極と外筒体10との間に充填された電極固定用組成物の硬化体40と、イオン選択性電極30及び外部参照用電極20側の端面50に、これら電極の端部22,32を覆うように固着された電解質結晶体60と、これら電極20,30、電極固定用組成物の硬化体40、及び電解質結晶体60の一端外周域を被覆する微孔膜80と、を備えている。
イオン選択性電極30及び外部参照用電極20としては、上述したものが挙げられる。
外筒体10としては、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の従来公知の可とう性樹脂から形成されてなるものが好ましい。
電極固定用組成物の硬化体40としては、消化管洗浄液に浸漬又は接触させても膨潤しない等の観点から、従来公知の(メタ)アクリル酸系モノマー類と重合開始剤を含有する電極固定用組成物の硬化体が好ましい。
電解質結晶体60としては、塩化カリウム結晶体が好ましい。
微孔膜80としては、鉄イオン透過性を有するものであれば特に限定されず、外筒体10を構成する材質と同じものから形成されてなるものが好ましい。
≪第二実施形態≫
図5は、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー11の要部を示した縦断面図である。図に示すように、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー11は、外部参照用電極120が、イオン選択性電極130の側面を覆うように取り囲み、これらが一体となって円筒状に形成されたものを備えている(図6参照)。イオン選択性電極130及び外部参照用電極120には、それぞれリード線3が接続してあり、これらリード線3は電位差計を有する図示略のイオン濃度測定装置本体に接続されている。更に、イオン選択性電極130のイオン選択膜130aは、外部参照用電極120の液絡部120aを含む底面より突出しており、これらイオン選択膜130a及び液絡部120aが消化管洗浄液と接触できるように形成されている。
図6は、大腸癌検出用鉄センサーの第二実施形態の横断面図であり、図7のB−B線方向の断面図である。図7は、大腸癌検出用鉄センサーの第二実施形態の縦断面図である。
図6及び図7に示される大腸癌検出用鉄センサー11の構成は、イオン選択性電極130及び外部参照用電極120以外、大腸癌検出用鉄センサー1の構成と同じであるため、説明を省略する。
[内視鏡]
≪第一実施形態≫
本発明の内視鏡は、上述した被験体由来の消化管洗浄液を分析する鉄センサーを備えている。以下に、本発明の内視鏡の好ましい形態について説明する。
本実施形態の内視鏡200は、観察対象である被験者の内部である体腔内に挿入部202が導入され、被験者の内部の被写体の撮像を行う装置である。
図8(a)に示すように、内視鏡200は、管状で長尺に形成された可とう性を有する挿入部202と、挿入部202の先端側に設けられた湾曲部203を湾曲操作する操作部204と、撮像した体腔内の画像を表示する図示略のモニター部と連結するコネクター部207と、コネクター部207と操作部204を繋ぐユニバーサルコード部206と、を備えている。
図8(b)は、図8(a)における挿入部202の先端部分201の横断面図である。図8(b)に示すように、本実施形態の内視鏡200は、大腸癌検出用鉄センサー205を、観察対象の内部に導入される先端部分201に備えている。大腸癌検出用鉄センサーの好ましい実施形態については上述したとおりであり、イオン選択性電極を備えたものである。該大腸癌検出用鉄センサーは、先端部分201から図示略の外部イオン濃度測定装置本体まで、ケーブル接続され、該ケーブルは、挿入部202、操作部204、ユニバーサルコード部206、及びコネクター部207内を挿通している。
本実施形態の本実施形態の内視鏡200は、先端部分201に取り付けられた大腸癌検出用鉄センサー205により、S状結腸中の消化管洗浄液を分析できる。本実施形態によれば、消化管洗浄液の溜まりやすいS状結腸まで内視鏡を挿入すればよいため、検診を受ける者の身体的負担が軽減される。
さらに、本実施形態によれば、従来は視覚情報にのみに依存していた内視鏡検査法を、リアルタイムに得られる鉄イオンの濃度情報を含めたものに補完できる。即ち、本実施形態によれば、生理機能的検査に分析的手法を取り入れ、付加価値を持たせることができる。
≪第二実施形態≫
図9は、本実施形態の内視鏡300の斜視図である。本実施形態において、第一実施形態の内視鏡200と同じ構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、内視鏡300は、吸液タンク306を有し、吸液タンク306内に大腸癌検出用鉄センサー305を備えている。大腸癌検出用鉄センサーの好ましい実施形態については上述したとおりであり、イオン選択性電極を備えたものである。
本実施形態の内視鏡300は、図示略の吸引源により、該内視鏡300内に挿通している図示略の吸引管路を介して、吸引タンク306に、被験者のS状結腸中の消化管洗浄液を採取する。吸引タンク306には、大腸癌検出用鉄センサー305が備えられており、採取された消化管洗浄液の鉄イオンの濃度を測定する。
本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて、従来の吸液タンクに付属品として大腸癌検出用鉄センサーを設置すればよいため、より簡便に該内視鏡を製造することができる。
≪第三実施形態≫
図10は、本実施形態の内視鏡400の斜視図である。内視鏡400は、カプセル型内視鏡であり、観察対象である被験者の内部である体腔内に、全体が導入され、被験者の内部の被写体の撮像を行う。
図10に示すように、内視鏡400は、小型化された大腸癌検出用鉄センサー405を備えている。大腸癌検出用鉄センサーの好ましい実施形態については上述したとおりであり、イオン選択性電極を備えたものである。
内視鏡400は、一般的にはプラスチック材料を形成してなり、その表面と同一平面をなすように、大腸癌検出用鉄センサー405を備えている。図10には、一つの大腸癌検出用鉄センサー405を示しているが、内視鏡400は、複数の大腸癌検出用鉄センサー405を備えていてもよい。また、内視鏡カプセル400は、その表面に一部突出するように、大腸癌検出用鉄センサー405を備えていてもよい。
内視鏡400は、撮像部401、並びに、図示略の電源部、制御部、照明部、及び無線部等が、カプセル型筐体416内に配設されることにより構成されている。カプセル型筐体416は、半球ドーム状の先端カバー筐体416aと、円筒状の胴部筐体416bとからなる。
そして、大腸癌検出用鉄センサー405は、小型化されたイオン濃度測定装置本体を備えている。大腸癌検出用鉄センサー405が体腔内の消化管洗浄液と接触した際に、内視鏡400内でイオン選択性電極及び外部参照電極間の電位差測定が行われる。大腸癌検出用鉄センサー405及び撮像部401は、外部と無線通信を行う図示略の無線部と接続されており、電位差及び体腔内の撮像情報が、無線部を通じて、身体外部の図示略の内視鏡ユニットに送信され、内視鏡ユニットは、撮像された画像及び鉄イオン濃度の表示、記録等を行う。当該記録においては、各画像および電位差情報に時刻情報を付加して記録を行う。これにより、事後的にデータ解析する際に、電位差データが変動した時点における画像がどれかを判別することができる。なお、内視鏡400に記憶部を備えることにより、随時データを送信するのではなく、自己の記憶部に記憶させるものであってもよい。当該自己の記憶部への記録時においても、各画像および電位差情報に時刻情報を付加して記録を行う。また、内視鏡400自身で電位差情報をモニタしつつ、これが所定の閾値を超えた際(若しくは上昇傾向と判断された場合等)に、撮像頻度を増加させる制御を行うものであってもよい(大腸癌検出用鉄センサー405から得られる情報を制御部によって判別し、所定の閾値を超える若しくは値が増加傾向となった場合に、撮像部401に対して撮像頻度を増加させる制御を行う)。これにより病変部位の疑いがある個所付近で集中して撮像を行うことができる。
従来のカプセル型内視鏡は、約10時間体腔内を移動しながら、約7万2000枚の画像を撮像し続ける。内視鏡施行医は、これらすべての撮像画像を確認しなければならない。
本実施形態によれば、内視鏡400が体腔内を移動する際、撮像情報に加えて、鉄イオン濃度の情報を得られるため、病変部位をリアルタイムに簡便に認識することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)鉄イオン選択性電極及び参照電極の作製
鉄イオン選択性電極及び外部参照電極の内部参照電極を次のようにして作製した。
先ず、銀線(直径500μm、長さ5cm、ニラコ製)に参照電極用銀/塩化銀インク(ビー・エー・エス製)を塗布した。その後、室温で自然乾燥させることで銀/塩化銀線からなる内部参照電極を得た。
次にイオン選択膜を以下の手順で作製した。
5,10,15,20−Tetrakis(pentafluorophenil)porphyrin(ALDRICH製)、Benzyl acetate(ALDRICH製)、Oleic acid(SIGMA−ALDRICH製)、Poly(vinyl chloride)(Fluka製)をそれぞれ5.0wt%、55.0wt%、10.0wt%、30.0wt%で混合し、Tetrahydrofuran(和光純薬工業製)を適切な量加えて溶解させた。この溶液をPVCチューブ(外径2mm、内径1mm、長さ3cm、三商製)の一方の穴に少量塗布し、室温で24時間放置することで乾燥させた。
このPVCチューブに、内部電解液として1mM Fe(NO・9HO(和光純薬工業製)と0.1M KClを含んだ溶液を注入し、上述のようにして作製した内部参照電極を挿入した。最後に、シーリング用シリコンゴム(信越シリコーン製)をPVCチューブの他方の穴に塗布し乾燥させ、図11に示す鉄イオン選択性電極を得た。
また、外部参照電極を作製するため、PVA−SbQ(東洋合成工業製)と0.2MKCl溶液を1:1で混合した溶液をPVCチューブの一方の穴に塗布した。さらに、紫外線を5分間照射することで電解質ゲルを作製した。次に、内部電解液として0.1MKCl溶液を注入し、上述の内部参照電極を挿入した後に、他方の穴をシーリングした。このようにして、図11に示す外部参照電極を得た。
(2)キャリブレーションプロットの作成
先ず、作製した鉄イオン選択性電極を5mM Fe(NO溶液に24時間浸漬させ、コンディショニングを行った。その後純水ですすぎ、電極外部を洗浄した。
サンプル溶液として、異なる濃度のFe(NOを含む0.1M KCl溶液、消化管洗浄液をそれぞれ用意した。容積20mLのビーカーに10mLのサンプル溶液を入れ、図11の鉄イオン選択性電極と外部参照電極を浸漬させた。
また、電位差測定のために、電気化学測定装置(AUTLAB EN 55022、Eco Chemie製)を使用した。この電気化学測定装置に、鉄イオン選択性電極と外部参照電極を電気的に接続した。
鉄イオン選択性電極と外部参照電極間の電位差をモニタリングし、電位が安定した後の電位差を鉄イオン濃度の常用対数に対してプロットした。それぞれのサンプルで、5回の独立した測定を行った。
図12(a)に、鉄イオン濃度と得られた電位差との関係を表したキャリブレーションプロットを示す。図12(a)に示すように、鉄イオン濃度と電位差の間には明らかな直線関係が観察された。
一方、0.1M KClに鉄イオンを加えたサンプルと、消化管洗浄液に鉄イオンを加えたサンプルでは、電位差と傾きに大きな違いは見られなかった。そこで、消化管洗浄液を用いた場合、100pMから1mMの間で直線関係を得ることができた(図12(b)参照。)。これは、患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオンを測定するために十分な感度だと考えられる。
(3)患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオン濃度の測定
14人の様々な疾患をもった患者から採取した消化管洗浄液をサンプルとして、鉄イオン濃度を測定した。上記と同様に、サンプルに浸漬させた鉄イオン選択性電極と外部参照電極間の電位差を測定し、上述のキャリブレーションプロットを用いて鉄イオン濃度を決定した。それぞれのサンプルで、3回の独立した測定を行った。
図13に、14サンプルの鉄イオン測定結果を示す。さらに、それぞれの患者の診断結果と測定した鉄イオン濃度を表1に示す。結果として、所見の認められなかった患者から採取した消化管洗浄剤中の鉄イオン濃度は低濃度であった。一方ポリープなどの病変を有する患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオン濃度はそれに比較して高く、特に進行大腸癌患者から採取したサンプルが最も高い鉄イオン濃度を示した。これらの結果は病変からの出血に伴い鉄イオンが消化管洗浄液中に混入することが原因だと考えられた。大腸病変の大きさと鉄イオン濃度に相関関係があることが示唆された。
尚、作製した鉄イオン選択性電極を用いて測定した鉄イオン濃度の結果は、市販の鉄イオン測定キット(フナコシ製)を用いて測定した結果と対応していることを確認している。
以上の結果から、本発明の内視鏡によれば、定性的な視覚情報に加えて、鉄イオン濃度測定に基づく定量的な情報をリアルタイムに得られることが明らかである。
1,11,205,405…大腸癌検出用鉄センサー、10…外筒体、20,120…外部参照用電極、20a,72c,120a…液絡部、22,32…端部、30,71,130…イオン選択性電極、30a,71c,130a…イオン選択膜、40…電極固定用組成物の硬化体、50…端面、60…電解質結晶体、70…測定系、71a,72a…内部参照電極、71b…内部溶液、72…外部参照電極、72b…外部電極内部液、73…電位差計、74…試料溶液、80…微孔膜、200,300,400…内視鏡、201…先端部分、202…挿入部、203…湾曲部、204…操作部、206…ユニバーサルコード部、207…コネクター部、306…吸引タンク、401…撮像部、416…カプセル型筐体、416a…先端カバー筐体、416b…胴部筐体。

Claims (5)

  1. 観察対象の内部に少なくとも一部が導入され、前記観察対象の内部の被写体の撮像を行う内視鏡であって、
    鉄センサーを備えたことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記鉄センサーはイオン選択性電極を備えた請求項1に記載の内視鏡。
  3. 吸液タンクを有し、該吸液タンク内に前記鉄センサーを備えた請求項1又は2に記載の内視鏡。
  4. 前記観察対象の内部に導入される先端部分に前記鉄センサーを備えた請求項1又は2に記載の内視鏡。
  5. カプセル型である請求項1又は2に記載の内視鏡。
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