JP2014134466A - 大腸癌検出方法及び大腸癌検出キット - Google Patents

大腸癌検出方法及び大腸癌検出キット Download PDF

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剛 金子
Junji Fukuda
淳二 福田
Yasushi Matsui
裕史 松井
Hideo Suzuki
英雄 鈴木
Hiroaki Suzuki
博章 鈴木
Shohei Kimura
翔平 木村
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Abstract

【課題】偽陽性を減らし、簡便に大腸癌を検出できる、大腸癌検出方法及び該大腸癌検出方法を用いた大腸癌検出キットを提供する。
【解決手段】本発明の大腸癌検出方法は、被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程を有することを特徴とする。前記工程は、前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程であることが好ましい。前記工程は、イオン選択性電極を用いて前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程であることが好ましい。本発明の大腸癌検出キットは、被験体由来の消化管洗浄液を分析する分析部を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、大腸癌検出方法及び大腸癌検出キットに関する。
現在、大腸癌検診において、一次検査として便潜血検査が行われ、異常を認めた者を対象に、二次検査として大腸内視鏡検査が施行されている。この便潜血検査は、便中に含まれる血液を検査し、流血している腫瘍を間接的に検出するものである。しかし、腫瘍以外の原因による痔等の腸管出血があった場合には偽陽性となり、大腸内視鏡検査を施行した者の約90%が陰性と判断されるのが実情である。
従来の便潜血検査としては、ヘモグロビンの活性を利用して化学的に色素の変化で判定する方法であるグアヤック法やオルトトルイジン法等の化学的方法が用いられてきた。これら化学的方法は、肉や魚など食餌性のヘモグロビンの活性を検出してしまうことから偽陽性が多く、大腸癌検診を受ける者は、検査前の3日間、無味乾燥な食事をしなければならなかった。
これに対して、抗ヒトヘモグロビンに対する抗体を使用し、ヒトヘモグロビンそのものを免疫学的に検出する免疫化学的方法が提案されている。この免疫学的方法は、食事制限が不要で、偽陰性や偽陽性がなく、検出感度の高い検査法であるため、大腸癌のスクリーニング検査として広く用いられている。
免疫学的方法を用いた便潜血検査(以下、免疫化学的便潜血検査という。)は、大腸内視鏡検査と比較して腫瘍検出能は低いが、その検出能の低さは大腸内視鏡検査より受容性が高いことによりカバーしうることが示唆されている。そのため、大腸癌の平均的なリスクを持つ集団に対し、大腸癌死亡率低下に関して、2年に1回の免疫化学的便潜血検査が単回の大腸内視鏡検査に対して非劣性であるという仮説を立て、これを検証する無作為試験の解析結果が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
Quintero E, et. al., N. Engl. J. Med,(2012),366(8),pp. 697−706.
しかし、免疫化学的便潜血検査においても、痔等の腸管出血があった場合には血の混じった糞便を検査することになり、偽陽性を生じる問題点については何ら解消されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、偽陽性を減らし、簡便に大腸癌を検出できる、大腸癌検出方法及び該大腸癌検出方法を用いた大腸癌検出キットを提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、被験体由来の消化管洗浄液を分析することにより課題を解決できることを見出した。本発明の一実施態様は、下記(1)〜(4)を提供するものである。
(1)本発明の大腸癌検出方法は、被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程を有することを特徴とする。
(2)本発明の大腸癌検出方法において、前記工程は、前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程であることが好ましい。
(3)本発明の大腸癌検出方法において、前記工程は、イオン選択性電極を用いて前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程であることが好ましい。
(4)本発明の大腸癌検出キットは、被験体由来の消化管洗浄液を分析する分析部を有することを特徴とする。
本発明によれば、より正確に、かつ、簡便に大腸癌を検出できる。
イオン選択性電極を用いた鉄イオン濃度測定の説明図である。 大腸癌検出用鉄センサー1の要部を示した縦断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー1の横断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー1の縦断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー11の要部を示した縦断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー11の横断面図である。 大腸癌検出用鉄センサー11の縦断面図である。 実施例において作製した鉄イオン選択電極及び参照電極の写真である。 鉄イオン濃度(横軸)と電位差(縦軸)との関係を示したキャリブレーションプロットを示すグラフである。(a)は、0.1M KClに鉄イオンを加えたサンプルの測定結果を示し、(b)は、消化管洗浄液に鉄イオンを加えたサンプルの測定結果を示す。 実施例における様々な患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオン濃度測定結果である。
本発明の大腸癌検出方法は、被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程を有する。被験体としては、ヒトを含む哺乳動物が好ましく、ヒトがより好ましい。
本発明において、被験体由来の消化管洗浄液としては、消化管洗浄液を経口投与し、排泄された溶液、又は、大腸内視鏡を直腸から挿入して吸収採取した溶液が挙げられる。消化管洗浄液としては、市販の大腸内視鏡検査用洗浄溶液が挙げられる。被験体由来の消化管洗浄液の採取方法としては、例えば、大腸内視鏡検査前日に、大腸癌検診を受ける者に2Lの大腸内視鏡検査用洗浄溶液を飲んでもらい、検査当日に採取する方法が挙げられる。
このように、被験体由来の消化管洗浄液は、大量の飲料によって得られるものであるため、消化管洗浄液の採取時に、硬質の糞便が排泄される可能性は低い。従って、消化管洗浄液中に、肛門からの出血が混入しないため、本発明の大腸癌検出方法は、便潜血検査と比較して、偽陽性を生じる可能性が低い。
便潜血検査により、陽性と判断された場合であっても、本発明の大腸癌検出方法により、陰性と判断された場合には、大腸内視鏡検査を受けずともよい。これにより、経肛門的に内視鏡を挿入することの身体的・心理的負担を軽減できるばかりか、診断に要する医療費が安くなり、コストカットに役立つ。また、大腸内視鏡検査を施行するとしても、消化管洗浄液の溜まりやすいS状結腸まで内視鏡を挿入すればよく、検診を受ける者の身体的負担が軽減される。
また、便潜血検査により、陽性と判断された場合で、本発明の大腸癌検出方法によっても陽性と判断された場合には、病変の存在が疑われ、引き続き施行される大腸内視鏡検査において、大腸内視鏡施行への注意喚起となり、大腸癌の見落としが少なくなる。
このように、本発明によれば精密な二次検査対象群を選別可能である。
本発明は、被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程を有する方法であれば、特に限定されず、消化管洗浄液に含まれる細胞から大腸癌に関連する分子を分析する工程を有する方法であってもよい。
近年、癌において遺伝子に変異を伴わない場合でも、発現に異常を認める、DNAメチル化やヒストン脱アセチル化等のエピジェネティックな異常が明らかになっており、大腸癌においても異常メチル化している遺伝子が種々同定されている。本発明の大腸癌検出方法は、消化管洗浄液に含まれる細胞から大腸癌に関連するDNAのメチル化を分析する工程を有する方法であってもよい。消化管洗浄液に含まれる夾雑物は糞便と比較して少ないため、本発明によれば、糞便中のメチル化DNAを測定する場合よりも高感度に測定が可能である。
被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程は、前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程であることが好ましい。係る工程においては、従来公知の被験体由来の消化管洗浄液であれば特別な処置を必要しないという簡便さを有する点で優れている。例えば、消化管洗浄液中にPEG(ポリエチレングリコール)が存在する場合には、これを用いた抗原抗体反応において反応効率の低減を考慮する必要があるが、係る工程においては、消化管洗浄液中にPEGが存在していても測定系に何ら影響を与えるおそれがない。
被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程としては、イオン選択性電極を用いて前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程が好ましい。
本発明において、イオン選択性電極とは、特定のイオンと選択的に応答する電極を意味する。イオン選択性電極を用いた測定系の概略を図1に示す。イオン選択性電極を用いた測定系70は、測定試料中に含まれるイオンの濃度を測定するイオン選択性電極71と、外部参照電極72と、電位差計73を有する。
本発明においては、陽イオンA(鉄イオン)に応答するイオン選択性電極71を用いる。イオン選択性電極71は、内部参照電極71a、及び目的イオンA(鉄イオン)の活量(aintが一定の内部溶液71bおよび陽イオンのみを透過することのできるイオン選択膜71cから構成されている。
外部参照電極72は、内部参照電極72a、外部電極内部液72b、及び液絡部72cから構成されている。
図1のように、イオン選択性電極71と外部参照電極72を目的イオン(鉄イオン)の活量(asampleの試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)に浸す。このとき、2つの電極の電位差(起電力)をEとすると、これは次式(1−1)で表される。
ここで、Eref,int及びEref,extはそれぞれ内部参照電極71aおよび外部参照電極72の電極電位であり、Emembはイオン選択膜71cを介して内部溶液71bと試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)の間に発生する膜電位である。また、Eljは外部参照電極72と試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)の間に発生する液間電位差である。イオン選択膜71cが、A(鉄イオン)のみを透過させる理想的な場合、膜電位は次式(1−2)で表される。
ここで、zは目的イオンの電荷数、Rは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー定数である。
内部参照電極71aおよび外部参照電極72の電極電位は一定であり、液間電位差が無視できれば、(aintは一定であるので、式(1−1)は式(1−2)を用いて次式(1−3)となる。これはイオン選択性電極の基本式で、ネルンストの式と呼ばれる。
ここで、Eは電極の構成により決まる定数である。2.30RT/zFはネルンスト係数と呼ばれ、試料溶液中の目的イオンの活量が10倍変化したときの起電力の変化量であり、25℃では1価のイオンに対して59.16mV、2価のイオンに対して29.58mVである。測定された起電力Eより、式(1−3)を用いて試料溶液74(被験体由来の消化管洗浄液)中の目的イオン(鉄イオン)の活量が決定できる。イオンの活量aと濃度Cにはa=fの関係があるので、Aイオンの活量係数fが分かれば濃度Cを求めることができる。
従って、本発明において、既知の鉄イオン濃度と得られた電位差との関係を表したスタンダードカーブを作成し、該スタンダードカーブから被験体由来の消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定することができる。
イオン選択性電極71は、内部参照電極71a、内部溶液71b、及びイオン選択膜71cから構成されている。
内部参照電極71aとしては、金属/ハロゲン化金属電極が挙げられ、銀/塩化銀線が好ましい。内部溶液71bとしては、塩化カリウム水溶液、塩化銅水溶液などの金属塩水溶液、塩化カリウム水溶液、及び他の金属塩水溶液との混合溶液が挙げられ、硝酸鉄と塩化カリウムとの混合溶液が好ましい。
イオン選択膜71cとしては、特に限定されず、ポリ塩化ビニル、シリコンゴム、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、フォトレジスト、漆などの公知の高分子を膜材料とするものが挙げられる。高いイオン選択性を実現するという観点から、膜材料に、可塑剤を混合し、溶媒に溶解して成膜してなる液体膜が好ましい。このような液体膜には、目的イオン以外のイオン(対イオン)の膜中への取り込みを防ぐために、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム等の塩を添加してもよい。
外部参照電極72は、内部参照電極72a、外部電極内部液72b、及び液絡部72cから構成されている。内部参照電極72aとしては、金属/ハロゲン化金属電極が挙げられ、銀/塩化銀線が好ましい。外部電極内部液72bとしては、塩化カリウム水溶液、塩化銅水溶液などの金属塩水溶液が挙げられ、塩化カリウム水溶液が好ましい。塩化カリウム水溶液はゲル化していてもよい。塩化カリウム水溶液がゲル化していると参照電極の耐圧性を向上できる。
以上のとおりのイオン選択膜を有するイオン選択性電極を、外部参照電極とともに従来公知の方法に従い試料溶液(被験体由来の消化管洗浄液)に浸漬することにより両電極間の電位差が測定される。係る電位差から、試料溶液(被験体由来の消化管洗浄液)中のイオン濃度が算出される。
また、消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程としては、吸光光度法により鉄イオンの定量分析を行う工程も挙げられる。具体的な工程としては、先ず、被験体由来の消化管洗浄液に対し、所定の発色剤を添加する。発色剤としては、二価の鉄イオンと反応して発色するものであれば特に限定されず、1,10−フェナントロリン及びその水和物、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンジスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、3−(2−ピリジル)−5,6−ビス(4−スルフォフェニル)−1,2,4−トリアジン及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
次いで、発色剤が添加された消化管洗浄液について、発色剤による発色の吸光度を測定し、その測定結果から消化管洗浄液中に含まれる二価の鉄イオン量を定量する。詳細には、発色波長の吸光度と試料中の二価の鉄イオン量との関係を予め調べてスタンダードカーブを作成しておき、測定した吸光度から当該スタンダードカーブに基づいて消化管洗浄液中に含まれる二価の鉄イオン量を判定する。
(大腸癌検出用鉄センサー)
≪第一実施形態≫
本発明の大腸癌検出方法を用いて、被験体由来の消化管洗浄液を分析するにあたり、大腸癌検出用鉄センサーを用いることが好ましい。以下に、大腸癌検出用鉄センサーの好ましい形態について説明する。
図2は、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー1の要部を示した縦断面図である。図に示すように、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー1は、円筒状に形成されたイオン選択性電極30及び外部参照用電極20を備えている。これらの電極には、それぞれリード線3が接続してあり、これらリード線3は電位差計を有する図示略のイオン濃度測定装置本体に接続されている。
そして、イオン選択性電極30と外部参照用電極20を、鉄イオン濃度を求めたい被験体由来の消化管洗浄液に浸漬又は接触させると、内部液と消化管洗浄液との間に鉄イオン濃度の差に応じた起電力が生じ、その起電力が、イオン選択性電極30と、外部参照用電極20との電位差となって表れる。図示略のイオン濃度測定装置本体は、その電位差をパラメータとして、被験体由来の消化管洗浄液の鉄イオン濃度を表示する。
図3は、大腸癌検出用鉄センサーの第一実施形態の横断面図であり、図4のA−A線方向の断面図である。図4は、大腸癌検出用鉄センサーの第一実施形態の縦断面図である。
図3及び図4に示されるように、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー1は、円筒状に形成された外筒体10と、外筒体10内に相互に離間して配置されたイオン選択性電極30及び外部参照用電極20と、これらの電極と外筒体10との間に充填された電極固定用組成物の硬化体40と、イオン選択性電極30及び外部参照用電極20側の端面50に、これら電極の端部22,32を覆うように固着された電解質結晶体60と、これら電極20,30、電極固定用組成物の硬化体40、及び電解質結晶体60の一端外周域を被覆する微孔膜80と、を備えている。
イオン選択性電極30及び外部参照用電極20としては、上述したものが挙げられる。
外筒体10としては、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の従来公知の可とう性樹脂から形成されてなるものが好ましい。
電極固定用組成物の硬化体40としては、消化管洗浄液に浸漬又は接触させても膨潤しない等の観点から、従来公知の(メタ)アクリル酸系モノマー類と重合開始剤を含有する電極固定用組成物の硬化体が好ましい。
電解質結晶体60としては、塩化カリウム結晶体が好ましい。
微孔膜80としては、鉄イオン透過性を有するものであれば特に限定されず、外筒体10を構成する材質と同じものから形成されてなるものが好ましい。
大腸癌検出用鉄センサー1は、排泄された被験体由来の消化管洗浄液の分析に用いてもよく、大腸内視鏡の吸液タンクに取り付けられて、該大腸内視鏡を直腸から挿入して吸収採取した被験体由来の消化管洗浄液の分析に用いてもよく、大腸内視鏡の先端に取り付けられて、S状結腸中の消化管洗浄液の分析に用いてもよい。
≪第二実施形態≫
図5は、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー11の要部を示した縦断面図である。図に示すように、本実施形態の大腸癌検出用鉄センサー11は、外部参照用電極120が、イオン選択性電極130の側面を覆うように取り囲み、これらが一体となって円筒状に形成されたものを備えている(図6参照)。イオン選択性電極130及び外部参照用電極120には、それぞれリード線3が接続してあり、これらリード線3は電位差計を有する図示略のイオン濃度測定装置本体に接続されている。更に、イオン選択性電極130のイオン選択膜130aは、外部参照用電極120の液絡部120aを含む底面より突出しており、これらイオン選択膜130a及び液絡部120aが消化管洗浄液と接触できるように形成されている。
図6は、大腸癌検出用鉄センサーの第二実施形態の横断面図であり、図7のB−B線方向の断面図である。図7は、大腸癌検出用鉄センサーの第二実施形態の縦断面図である。
図6及び図7に示される大腸癌検出用鉄センサー11の構成は、イオン選択性電極130及び外部参照用電極120以外、大腸癌検出用鉄センサー1の構成と同じであるため、説明を省略する。
大腸癌検出用鉄センサー11も、大腸癌検出用鉄センサー1と同様に、排泄された被験体由来の消化管洗浄液の分析に用いてもよく、大腸内視鏡の吸液タンクに取り付けられて、該大腸内視鏡を直腸から挿入して吸収採取した被験体由来の消化管洗浄液の分析に用いてもよく、大腸内視鏡の先端に取り付けられて、S状結腸中の消化管洗浄液の分析に用いてもよい。
(大腸癌検出キット)
本発明の大腸癌検出キットは、被験体由来の消化管洗浄液を分析する分析部を有する。係る分析部は、特に限定されず、イオン選択性電極を用いた測定系を有するものであっても、吸光光度法により鉄イオンの定量分析を行うための試薬を有するものであってもよい。イオン選択性電極及び吸光光度法により鉄イオンの定量分析を行うための試薬については、上述したとおりである。
消化管洗浄液を内服した者は、排便時に、本発明の大腸癌検出キットを用いて自己測定することができ、結果が陽性であれば医療機関で精密検査を受けるという判断が得られる。
このように、本発明の大腸癌検出方法に必要な試薬等をキット化することにより、より簡便にかつ短時間で大腸癌の検出をすることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)鉄イオン選択性電極及び参照電極の作製
鉄イオン選択性電極及び外部参照電極の内部参照電極を次のようにして作製した。
先ず、銀線(直径500μm、長さ5cm、ニラコ製)に参照電極用銀/塩化銀インク(ビー・エー・エス製)を塗布した。その後、室温で自然乾燥させることで銀/塩化銀線からなる内部参照電極を得た。
次にイオン選択膜を以下の手順で作製した。
5,10,15,20−Tetrakis(pentafluorophenil)porphyrin(ALDRICH製)、Benzyl acetate(ALDRICH製)、Oleic acid(SIGMA−ALDRICH製)、Poly(vinyl chloride)(Fluka製)をそれぞれ5.0wt%、55.0wt%、10.0wt%、30.0wt%で混合し、Tetrahydrofuran(和光純薬工業製)を適切な量加えて溶解させた。この溶液をPVCチューブ(外径2mm、内径1mm、長さ3cm、三商製)の一方の穴に少量塗布し、室温で24時間放置することで乾燥させた。
このPVCチューブに、内部電解液として1mM Fe(NO・9HO(和光純薬工業製)と0.1M KClを含んだ溶液を注入し、上述のようにして作製した内部参照電極を挿入した。最後に、シーリング用シリコンゴム(信越シリコーン製)をPVCチューブの他方の穴に塗布し乾燥させ、図8に示す鉄イオン選択性電極を得た。
また、外部参照電極を作製するため、PVA−SbQ(東洋合成工業製)と0.2MKCl溶液を1:1で混合した溶液をPVCチューブの一方の穴に塗布した。さらに、紫外線を5分間照射することで電解質ゲルを作製した。次に、内部電解液として0.1MKCl溶液を注入し、上述の内部参照電極を挿入した後に、他方の穴をシーリングした。このようにして、図8に示す外部参照電極を得た。
(2)キャリブレーションプロットの作成
先ず、作製した鉄イオン選択性電極を5mM Fe(NO溶液に24時間浸漬させ、コンディショニングを行った。その後純水ですすぎ、電極外部を洗浄した。
サンプル溶液として、異なる濃度のFe(NOを含む0.1M KCl溶液、消化管洗浄液をそれぞれ用意した。容積20mLのビーカーに10mLのサンプル溶液を入れ、図8の鉄イオン選択性電極と外部参照電極を浸漬させた。
また、電位差測定のために、電気化学測定装置(AUTLAB EN 55022、Eco Chemie製)を使用した。この電気化学測定装置に、鉄イオン選択性電極と外部参照電極を電気的に接続した。
鉄イオン選択性電極と外部参照電極間の電位差をモニタリングし、電位が安定した後の電位差を鉄イオン濃度の常用対数に対してプロットした。それぞれのサンプルで、5回の独立した測定を行った。
図9(a)に、鉄イオン濃度と得られた電位差との関係を表したキャリブレーションプロットを示す。図9(a)に示すように、鉄イオン濃度と電位差の間には明らかな直線関係が観察された。
一方、0.1M KClに鉄イオンを加えたサンプルと、消化管洗浄液に鉄イオンを加えたサンプルでは、電位差と傾きに大きな違いは見られなかった。そこで、消化管洗浄液を用いた場合、100pMから1mMの間で直線関係を得ることができた(図9(b)参照。)。これは、患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオンを測定するために十分な感度だと考えられる。
(3)患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオン濃度の測定
14人の様々な疾患をもった患者から採取した消化管洗浄液をサンプルとして、鉄イオン濃度を測定した。上記と同様に、サンプルに浸漬させた鉄イオン選択性電極と外部参照電極間の電位差を測定し、上述のキャリブレーションプロットを用いて鉄イオン濃度を決定した。それぞれのサンプルで、3回の独立した測定を行った。
図10に、14サンプルの鉄イオン測定結果を示す。さらに、それぞれの患者の診断結果と測定した鉄イオン濃度を表1に示す。結果として、所見の認められなかった患者から採取した消化管洗浄剤中の鉄イオン濃度は低濃度であった。一方ポリープなどの病変を有する患者から採取した消化管洗浄液中の鉄イオン濃度はそれに比較して高く、特に進行大腸癌患者から採取したサンプルが最も高い鉄イオン濃度を示した。これらの結果は病変からの出血に伴い鉄イオンが消化管洗浄液中に混入することが原因だと考えられた。大腸病変の大きさと鉄イオン濃度に相関関係があることが示唆された。
尚、作製した鉄イオン選択性電極を用いて測定した鉄イオン濃度の結果は、市販の鉄イオン測定キット(フナコシ製)を用いて測定した結果と対応していることを確認している。
以上の結果から、本発明によれば、より正確に、かつ、簡便に大腸癌を検出できることが明らかである。
1,11…大腸癌検出用鉄センサー、10…外筒体、20,120…外部参照用電極、20a,72c,120a…液絡部、22,32…端部、30,71,130…イオン選択性電極、30a,71c,130a…イオン選択膜、40…電極固定用組成物の硬化体、50…端面、60…電解質結晶体、70…測定系、71a,72a…内部参照電極、71b…内部溶液、72…外部参照電極、72b…外部電極内部液、73…電位差計、74…試料溶液、80…微孔膜。

Claims (4)

  1. 被験体由来の消化管洗浄液を分析する工程を有することを特徴とする大腸癌検出方法。
  2. 前記工程は、前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程である請求項1に記載の大腸癌検出方法。
  3. 前記工程は、イオン選択性電極を用いて前記消化管洗浄液中の鉄イオンの濃度を測定する工程である請求項2に記載の大腸癌検出方法。
  4. 被験体由来の消化管洗浄液を分析する分析部を有することを特徴とする大腸癌検出キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016001080A1 (de) 2015-02-09 2016-08-11 Stefan Liebelt Verfahren und Diagnosegerät zur Bestimmung von Krebs im menschlichen Körper aufgrund der höheren Eisenkonzentration von malignen Zellen
CN112519931A (zh) * 2020-11-23 2021-03-19 陈宗智 一种供共享单车使用的新型车筐

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DE102016001080A1 (de) 2015-02-09 2016-08-11 Stefan Liebelt Verfahren und Diagnosegerät zur Bestimmung von Krebs im menschlichen Körper aufgrund der höheren Eisenkonzentration von malignen Zellen
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