JP2014132249A - セシウム抽出法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 土壌からのセシウム除去率を高く保持しながら、処理費用も大幅に低減できるセシウム抽出法を提供する。
【解決手段】 ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物を除染対象土壌と混和する工程と、前記ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の溶融塩形成範囲の温度に、前記除染対象土壌と前記ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物との混和物を加熱することにより、セシウムを前記除染対象土壌から溶融塩に抽出して分離する工程と、前記分離された土壌と抽出したセシウムを含む溶融塩を冷却する工程と、この冷却された溶融塩を水で溶解して、セシウムを水溶液として回収する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所の事故等により広範囲の地域が放射性セシウムに汚染された場合に用いて好適な、大量の土壌や瓦礫等におけるセシウム抽出法に関する。
原子力発電所の事故等により広範囲に放射性物質に汚染された場合、大量の土壌や瓦礫等の処理が必要になる。放射性汚染物質にはいろいろな種類があるが、例えば、セシウム137とストロンチウム90は現在、チェルノブイリ原子力発電所事故の周囲の地域で発生している放射能の発生源の大部分を占めている。セシウム137は、半減期が30年と長く、体内に入ると血液の流れに乗って腸や肝臓にベータ線とガンマ線を放射し、カリウムと置き換わって筋肉に蓄積したのち、腎臓を経て体外に排出される。セシウム137は、体内に取り込まれてから体外に排出されるまでの100日から200日にわたってベータ線とガンマ線を放射し体内被曝の原因となる。そこで、汚染土壌から放射性セシウムを効率的に除染することは強く求められている。
しかし、汚染された土壌等は大量であるため、体積、重量を減らすことが重要である。そこで、汚染された土壌に含まれる放射性セシウムを分離し回収する必要がある。しかし、セシウムは土壌と強く結合することが知られており、これを安価な費用で効果的に分離することは現状では困難である。
例えば、特許文献1には、セシウムの抽出方法が提案されている。しかし、特許文献1は、経済的に重要なセシウム源の鉱物であるポルサイト(Cs(AlSi))からルビジウムを分離する技術に関するものである。現在におけるセシウムの世界鉱山からの採掘量は年間5から10トンであり、可採年数は数千年にもなるため、わざわざ放射能汚染された土壌からセシウムを分離しても、鉱業として商業的な成功は見込めない。
他方、放射能汚染された土壌の改善も、特許文献2、3で提案されている。しかし、特許文献2、3の処理対象とする放射性物質はプルトニウムやウランのような重金属を対象としており、セシウムのようなアルカリ金属を対象とするものではない。
そこで、非特許文献1では、セシウムを含む土壌の原位置加熱による分離方法が検討されている。しかし、セシウムを土壌から分離する場合に、下記(a)、(b)の性質があるため、顕著な効果は得られなかった。
(a)水に溶けたセシウムは,土壌中で1価の陽イオンとして振る舞い,負に帯電している土壌粒子表面の粘土層である薄い層状構造の間に取り込まれて,きわめて強く「固定」され,他の陽イオンによって簡単に置き換えることができない。
(b)セシウムを吸着した土壌をセシウムの沸点である685℃や、セシウムの化合物の融点や沸点を考慮した1300℃程度に加熱しても,セシウムの顕著な揮発挙動は見られない。
他方、非特許文献2では、除染対象物が土壌、手法が熱処理で、高性能反応促進剤を特徴とする除染実証技術が開示されている。福島原子力発電所付近の除染対象地域での実証試験の結果によると、当該除染実証技術の除染率は99.9%と湿式分級と比較して格段に高いが、処理費用も20万円/トンと10倍以上の費用がかかる問題点がある。
さらに、非特許文献3では土壌に塩化ナトリウムを添加して加熱し、土壌中のセシウム137を蒸発させて、土壌を浄化することが開示されている。そして、セシウム137含有土壌と石灰石を重量比で7:3添加することで、処理温度が800℃で蒸発を開始して、1000℃で90%程度が蒸発するとの実験例が開示されている。しかし、セシウム137の処理温度としては、1000℃程度が好ましいため、処理炉に耐熱材料を使用する必要があると共に、土壌を加熱するために多量のエネルギーが必要になるという課題がある。
特開平5−005134号公報 特開平6−051096号公報 特表平10−505903号公報
日本原子力研究開発機構 JAEA−Research 2011−026 福島第一原子力発電所事故に係る避難区域等における除染実証業務報告書 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 平成24年6月 Brian P. SPALDING, Environ. Sci. Technol. (1994) No. 28, 1116-1123
本発明は上記課題を解決するもので、土壌からのセシウム除去率を高く保持しながら、処理費用も大幅に低減できると共に、除染されたセシウムを簡便に回収できるセシウム抽出法を提供することを目的とする。
本発明のセシウム抽出法は、例えば図1に示すように、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物の何れか1種類を、除染対象土壌と混和する工程(S102)と、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の何れか1種類の溶融塩形成範囲の温度に、前記除染対象土壌と、前記ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の何れか1種類との混和物を加熱して(S104)、セシウムを前記除染対象土壌から溶融塩に抽出して分離する工程(S106)と、分離された土壌と抽出したセシウムを含む溶融塩を冷却する工程(S108)と、この冷却された溶融塩を水で溶解して(S110)、セシウムを水溶液として回収する工程(S112)とを有することを特徴とする。
ここで、ハロゲン化アルカリ金属は、ハロゲン元素とアルカリ金属元素の化合物である。ハロゲン元素としてフッ素F、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素Iがある。アスタチンAtもハロゲン元素であるが、安定同位体は存在せず半減期も短いため、実用的でない。アルカリ金属としてリチウムLi、ナトリウムNa、カリウムK、ルビジウムRb、セシウムCsがある。フランシウムFrもアルカリ金属であるが、安定同位体が存在せず、最も半減期が長いフランシウム223でも22分しかないため、実用的でない。
アルカリ土類金属はカルシウムCa・ストロンチウムSr・バリウムBa・ラジウムRaをいい、ベリリウムBeとマグネシウムMgは第2族元素であるものの、共有結合性を強く反映するためアルカリ土類金属に含めない。
本発明のセシウム抽出法において、好ましくは、除染対象土壌とハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の何れか1種類との混和物は、除染対象土壌の土壌粒子表面を溶融塩が覆う状態で分離が行われるとよい。
本発明のセシウム抽出法において、好ましくは、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物の何れか1種類と前記除染対象土壌との混和比は、除染対象土壌に対して重量比で0.025倍以上であるとよい。重量比で0.025倍であれば、一回の処理での除染対象土壌からのセシウム除染率が33%となり、数回の処理を繰り返すことで所望の除染率が得られる。また、塩の重量比は高いほど効果が良いが、3倍程度でも土壌から95%のセシウムを水溶液中に抽出することができる。
望ましくは、除染対象土壌に対するセシウム除染用の塩の重量比は0.025倍以上で高いほどよいが、3倍程度でも十分であり、0.6倍から3倍が好ましく、さらに好ましくは0.6倍以上1倍以下である。
本発明のセシウム抽出法において、好ましくは、ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物は、前記ハロゲン化アルカリ金属が塩化ナトリウムであり、前記ハロゲン化アルカリ土類金属は塩化カルシウムであって、溶融塩形成温度を低くできるものが好ましい。より好ましくは、両者の混合物全体に対する塩化ナトリウムのモル比で、0.35〜0.60である。
本発明での第2のセシウム抽出法は、例えば図11に示すように、除染対象物にセシウム揮発促進剤を添加する工程(S202)と、除染対象物と前記セシウム揮発促進剤との添加混合物を、セシウムの蒸気圧が所定圧力となる温度に加熱する工程(S204)と、加熱工程で生成する揮発セシウムを溶融塩に触れさせて、溶融塩中にセシウムを抽出する工程(S206)と、冷却された前記溶融塩を水に溶解して、当該水溶液中にセシウムを抽出する工程(S208)とを有することを特徴とする。
本発明のセシウム抽出法において、好ましくは、セシウム揮発促進剤は、塩化ナトリウムであることを特徴とする。セシウム揮発促進剤を添加することで、セシウムを揮発させて除染対象物の除染が行えると共に、揮発性セシウムは別途気相状態で分離固定することで、周囲環境へのセシウム飛散が防止される。
本発明のセシウム抽出法において、好ましくは、塩化ナトリウムは、除染対象物に対する重量比で0.06から0.3の範囲であるとよい。この重量比の範囲では、セシウム揮発率として最大値領域となるため、溶融塩中へのセシウム抽出が効率的に行える。
本発明のセシウム抽出法では、ハロゲン化アルカリ金属やハロゲン化アルカリ土類金属という安価で大量に存在する物質を溶融塩の状態にして用いることにより、土壌からのセシウム除去率を高く保持し、かつ、従来よりも処理費用も大幅に低減できる。
本発明の一実施例を示す除染対象土壌からのセシウム抽出方法を説明する流れ図である。 700℃、3時間処理での、溶融塩抽出処理の塩添加量と土壌量の比の依存性を示すグラフである。 土壌量に対する塩添加量の下限値を説明するグラフである。 溶融塩抽出処理の温度依存性を示すグラフである。 CaCl−NaClの溶融塩形成条件を説明する状態図である。 セシウムの酸化物と塩化物ナトリウムの各温度における自由エネルギー変化の説明図である。 酸化セシウムと塩化ナトリウムの各温度における自由エネルギー変化の説明図である。 本発明の一実施例を示す回分処理方式システムの原理説明図である。 本発明の一実施例を示す連続溶融塩浸漬方式の原理説明図である。 本発明の一実施例を示す揮発セシウム溶融塩捕獲方式の原理説明図である。 本発明の一実施例を示す除染対象物からのセシウム抽出方法を説明する流れ図である。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は本発明の一実施例を示す除染対象土壌からのセシウム抽出方法(S10)を説明する流れ図である。
図において、まず除染対象土壌を篩分けして(S100)、除染対象土壌中に含まれる岩石等の粗大物を取り除く。除染対象土壌は、セシウム137を含有する除染対象の土壌で、ここでは0.5−1gの場合を示していると共に、放射能の量は、後述する表1の『当初の土壌』に示すような値となっている。ここで、1ベクレル(1Bq)は1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量を示している。
次に、アルカリ塩混合物を除染対象土壌と混和する(S102)。アルカリ塩混合物は、ここでは、ハロゲン化アルカリ金属が塩化ナトリウムであり、ハロゲン化アルカリ土類金属は塩化カルシウムである。図5に示すように、塩化ナトリウムと塩化カルシウムの混合物全体値に対する塩化ナトリウムのモル比は、0.35〜0.60の範囲内であれば、溶融塩形成温度が600℃以下となり、好ましくは、特に塩化カルシウムのモル比で0.479の場合に、最低の溶融塩形成温度として504℃が得られる。最低の溶融塩形成温度となる場合に、塩化ナトリウムと塩化カルシウムの重量比は、1:1.91となる。アルカリ塩混合物の重量は、全体で0.03−3gである。
アルカリ塩混合物を除染対象土壌と混和する際には、溶媒としての水を用いると均質な混和が行われてよい。水の量は、上記の除染対象土壌が0.5−1gで、アルカリ塩混合物が0.03−3gの場合に、5−20gに定める。そして、アルカリ塩混合物を水に溶かして、次に除染対象土壌と混和する。
次に、除染対象土壌とアルカリ塩混合物の混和物を、アルカリ塩混合物の溶融塩形成範囲の温度に加熱する(S104)。例えば、溶かした溶液を坩堝に入れて、恒温槽で高温乾燥する。恒温槽は、例えば電気炉であって、温度制御用の電子制御機器としてのプログラマブルが設けられており、温度制御シーケンスはプログラム制御によって行われる。ここでは、昇温過程としては20℃/分で昇温して、溶融塩処理温度400−900℃に3時間保持する。この溶融塩処理温度に保持することで、セシウムを除染対象土壌から溶融塩に抽出して分離する(S106)。
次に、分離された土壌と抽出したセシウムを含む溶融塩を冷却する(S108)。冷却過程としては10℃/分で冷却して室温に戻す。坩堝の中には、乾燥した溶融塩処理後の土壌とアルカリ塩混合物の混和物が残る。この溶融塩処理後の土壌とアルカリ塩混合物の混和物について、放射能の量は表1の『処理後の土壌』に示すような値となっている。
続いて、この冷却された溶融塩を水で溶解して(S110)、セシウムを水溶液として回収する(S112)。例えば、上記混和物をフラスコと濾紙のような固液分離装置で液体と残さ物とに分離する。液体としてフラスコの内部に塩溶解水が蓄えられ、残さ土壌が濾紙に残る。この塩溶解水と残さ土壌の放射能の量は表1の『抽出水』と『濾紙残留土壌』に示すような値となっている。
表1は、図1を参照して説明したセシウム抽出方法を用いた実験例1〜5及び比較例1、2で得られたデータをまとめたものである。表1では、処理温度を700℃で一定とし、処理時間を3時間と一定にして、主に塩化ナトリウムと塩化カルシウムの共晶点相当の混合物と、除染対象土壌との混和割合を重量比で比較した場合のセシウム除染状態を示している。なお、表1と表2ではBq表示の有効桁数は2桁程度である。揮発率と残存率の表示については、表1と表2では有効数字2桁の小数点表示であるが、明細書での記載では%表示としている。また、除染率は次式で表される。
[除染率]=1−[残存率] (1)
また、放射性セシウムを含む土壌は、福島県にて平成24年5月に採取したものである。
比較例1は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:1:0となっている。塩化ナトリウム単体の融点は771℃なので、処理温度が700℃では溶融塩形成温度に到達せず、塩化ナトリウムは固体になっている。除染対象土壌は0.5gで、濾紙上には0.302g回収された。
比較例1での放射能は、当初は除染対象土壌に4150Bq、処理は2900Bq、水は160Bq、濾紙に2750Bqである。セシウムの揮発率は約30%、土中残存率は66%、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は5.5%である。
なお、比較例1では、塩化ナトリウム単体がセシウム揮発促進剤として有用であることを示している。比較例1の処理条件で、除染対象土壌のセシウムは30%揮発していることが確認された。
比較例2は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0:0となっている。塩化ナトリウムと塩化カルシウムが含まれないため、溶融塩形成温度は存在しない。除染対象土壌は0.5gで、濾紙上には0.108g回収された。
比較例2での放射能は、当初は除染対象土壌に6900Bq、処理は7600Bq、水は98Bq、濾紙に6080Bqである。セシウムの揮発率は0%、土中残存率は88%、水中溶解分が12%である。水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は1.6%である。
実験1は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0.01:0.02となっている。そこで、土壌に対する塩類の重量比は0.06となっている。塩化ナトリウムと塩化カルシウムの重量比は、共晶点温度である504℃を実現するモル比に相当している。除染対象土壌は0.5gで、濾紙上の回収量は未測定である。
実験1での放射能は、当初は除染対象土壌に7500Bq、処理は3400Bq、水は850Bq、濾紙に3440Bqである。セシウムの揮発率は54%、土中残存率は約46%である。水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は19.9%である。
実験2は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0.1:0.2となる。そこで、土壌に対する塩類の重量比は0.3となっている。除染対象土壌は0.5gで、濾紙上の回収量は0.141gである。
実験2での放射能は、当初は除染対象土壌に12300Bq、処理は5400Bq、水は3980Bq、濾紙に1120Bqである。セシウムの揮発率は56%、土中残存率は9%で、残りは大部分が水中に溶解し、または塩類に吸収されている。水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は約78%である。
実験3は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0.2:0.4となっている。そこで、土壌に対する塩類の重量比は0.6となる。除染対象土壌は0.5gで、濾紙上の回収量は未計測である。
実験3での放射能は、当初は除染対象土壌に12600Bq、処理は7600Bq、水は5700Bq、濾紙に980Bqである。セシウムの揮発率は39%、土中残存率は7.8%、水中溶解分は約53%である。水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は約85%である。
実験4は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0.5:1となっている。そこで、土壌に対する塩類の重量比は1.5となる。除染対象土壌は0.5gで、濾紙上の回収量は0.189gである。
実験4での放射能は、当初は除染対象土壌に8500Bq、処理は7160Bq、水は3680Bq、濾紙に319Bqである。セシウムの揮発率は16%、土中残存率は3.8%、水中溶解分は約80%である。水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は約92%である。
実験5は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:1:2となっている。そこで、土壌に対する塩類の重量比は3となる。除染対象土壌は1.0gで、濾紙上の回収量は未計測である。
実験5での放射能は、当初は除染対象土壌に7950Bq、処理は7500Bq、水は5570Bq、濾紙に309Bqである。セシウムの揮発率は5.8%、土中残存率は3.9%、水中溶解分は約90%である。水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は約95%である。
図2は処理温度が700℃、処理時間が3時間での、溶融塩抽出処理の塩添加量と土壌量の比の依存性を示すグラフである。図2では、横軸にセシウム揮発促進剤としての塩添加量と土壌量の重量比、縦軸にセシウムの揮発率を菱形で示し、残存率を黒塗り四角形、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率を三角形で示し、塩化ナトリウムのみの揮発率を×で示している。
除染対象土壌へのセシウム残存率は、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウム=1:0.1:0.2(実験2参照)で10%を切っており、従って除染率は90%超となる。他方、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は78%であるから、土壌と溶融塩の混和物洗浄水に大部分のセシウムが抽出される。
図3は土壌量に対する塩添加量の下限値を説明するグラフで、図2と同様に、縦軸に揮発率、残存率、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率を示し、横軸には塩添加量と土壌量の重量比を示してある。表1に示すデータに対する実験式は、次式で表される。
y=0.9xe−12.02x (2)
ここで、yは一回の処理での残存率、xは塩添加量と土壌量の重量比である。2.5%の塩の添加で土壌中のセシウムの1/3が回収でき、繰返し処理を行うに足る除去率となるから、塩添加量の下限値を2.5質量%とする。
表2は、図1を参照して説明したセシウム抽出方法を用いた実験例6〜8及び比較例3,4で得られたデータをまとめたものである。表2では、実験例8を除いて、塩化ナトリウムと塩化カルシウムの共晶点相当の混合物と、除染対象土壌との混和割合を一定として、処理温度で比較した場合のセシウム除染状態を示している。表2の場合には、実験例8を除いて、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0.1:0.2となっている。
比較例3は、処理温度が450℃、処理時間が3時間、除染対象土壌:塩化ナトリウム:塩化カルシウムは、重量比で1:0.1:0.2となっている。塩化ナトリウムと塩化カルシウムの重量比は、共晶点温度である504℃を実現するモル比に相当しているので、処理温度が450℃では溶融塩形成温度に到達せず固体になっている。除染対象土壌は0.5gである。
比較例3での放射能は、当初は除染対象土壌に17600Bq、処理は測定値なし、水は2200Bq、濾紙に14700Bqである。セシウムの揮発率は未測定、土中残存率は84%、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は13%である。
比較例4は、比較例3の試料について、更に処理温度が450℃で、処理時間を3時間追加したもので、結局処理時間は6時間となる。
比較例4での放射能は、当初は除染対象土壌に17600Bq、処理は14700Bq、水は3900Bq、濾紙に12900Bqである。セシウムの揮発率は16%、土中残存率は74%、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は23%である。
実験6は、処理温度が600℃、処理時間が3時間である。実験6での放射能は、当初は除染対象土壌に16000Bq、処理は17600Bq、水は14300Bq、濾紙に2270Bqである。セシウムの揮発率は−10%、土中残存率は14%、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は86%である。
実験7は、処理温度が800℃、処理時間が3時間である。実験7での放射能は、当初は除染対象土壌に12600Bq、処理は10300Bq、水は8700Bq、濾紙に290Bqである。セシウムの揮発率は18%、土中残存率は2.3%、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は96%である。
実験8は、処理温度が800℃、処理時間が3時間である。実験8では、塩化ナトリウムと塩化カルシウムの共晶点混合物に代えて、塩化カリウムを用いている。塩化カリウムの融点は、776℃であるため、処理温度が800℃の場合、溶融塩を形成する。
実験8での放射能は、当初は除染対象土壌に9450Bq、処理は未測定、水は3900Bq、濾紙に6200Bqである。セシウムの揮発率は未測定、土中残存率は65%、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率は39%である。
図4は溶融塩抽出処理の温度依存性を示すグラフで、横軸には溶解塩抽出処理の温度を示し、縦軸にはセシウムの揮発率を菱形で示し、残存率を黒塗り四角形、水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率を三角形で示し、塩化ナトリウムのみの揮発率を×で示し、塩化ナトリウムのみの水と土壌の合計に対する水のセシウム配分比率を星で示している。溶融塩状態とすることで、除染対象土壌のセシウムが、除染対象土壌に抽出されて、除染対象土壌の除染が行われる。
図5はCaCl−NaClの溶融塩形成条件を説明する状態図で、横軸にはNaCl/(CaCl+NaCl)のモル比を示し、縦軸には温度を示している。塩化ナトリウムの融点は801℃であり、塩化カルシウムの融点は771℃である。特に塩化ナトリウムのモル比で0.479の場合に、最低の溶融塩形成温度として504℃が得られる。最低の溶融塩形成温度となる場合に、塩化ナトリウムと塩化カルシウムの重量比は、大略1:2となる。また、塩化ナトリウムのモル比で0.797の場合に、504℃にて固溶体とNaCl(固体)の境界点が現れる。
図6はセシウムの酸化物と塩化物ナトリウムの各温度における自由エネルギー変化の説明図で、横軸には絶対温度(K)を示し、縦軸にはギプスの自由エネルギーを示している。次の反応式の自由エネルギー変化から、セシウムが気体の酸化物として揮発しやすく、塩化物が安定であることが了解される。
Cs+(1/2)O=(1/2)・CsO(g) (3)
Cs+(1/2)Cl=CsCl (4)
図7は酸化セシウムと塩化ナトリウムの各温度における自由エネルギー変化の説明図で、横軸には絶対温度(K)を示し、縦軸にはギプスの自由エネルギーを示している。常温から1000℃程度の温度領域において、塩化ナトリウムの存在下では、セシウムは次式の反応で塩化されて安定化する。
(1/2)CsO+NaCl+(1/4)O=CsCl+(1/2)Na (5)
上記の原理に基づく除染対象土壌の除染処理方式システムを次に説明する。
図8は本発明の一実施例を示す回分処理方式システムの原理説明図である。
回分処理方式では、除染対象土壌10とアルカリ塩混合物20を混和物容器12に投入する。そして、混和物容器12を用いて混和物を溶融温度加熱槽42に投入し、アルカリ塩混合物20を溶融塩状態とし、所定の処理時間の間、溶融温度(例えば600℃〜800℃)に保持する。混和物容器12は、溶融温度加熱槽42に混和物を運搬するための容器であり、高温に曝されることがないから、耐熱性材料である必要はなく、鋼製やプラスチック製で差支えない。
次に、溶融塩処理済みの混和物52を溶融温度加熱槽42から取出し、水洗装置61で水洗して、溶融塩を水に溶解する。洗浄水は濾過装置62で濾過されて、固液分離される。濾過装置62の固形分は除染土壌82とし、濾過水はセシウムを水溶液に含むため、セシウムの吸着材90でセシウムを分離回収する。濾過・吸着済みの水分は、乾燥させて、残余の固形分をアルカリ塩混合物20として混和物容器12に戻す。
続いて、本発明の一実施例を示すボックス方式の原理を説明する。
ボックス方式では、除染対象土壌とアルカリ塩混合物を混和物容器に投入する。混和物容器は、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、アルミナ等の高温耐食性に優れた材料よりなるもので、閉鎖することが可能な形状をしている。混和物容器は、例えば、蓋と箱とよりなるものである。
そして、混和物容器を溶融温度加熱炉に搬入して、アルカリ塩混合物20を溶融塩状態とし、所定の処理時間の間、溶融温度(例えば600℃〜800℃)に保持する。次に、溶融塩処理済みの混和物を収容している混和物容器を溶融温度加熱炉から取出す。続いて、混和物容器の内容物を水洗装置で水洗して、溶融塩を水に溶解する。洗浄水は濾過装置62で濾過されて、固液分離される。濾過装置の固形分は除染土壌とし、濾過水はセシウムを水溶液に含むため、セシウムの吸着材等でセシウムを分離回収する。
図9は本発明の一実施例を示す連続溶融塩浸漬方式の原理説明図である。
連続溶融塩浸漬方式では、まず除染対象土壌10を篩分けして、除染対象土壌10を供給用筒体14に投入し、アルカリ塩混合物20を溶融温度加熱槽44に投入する。供給用筒体14は、溶融温度加熱槽44に除染対象土壌10を徐々に供給するための筒体である。
そして、溶融温度加熱槽44のアルカリ塩混合物20を溶融塩状態とし、供給用筒体14から除染対象土壌10を連続的に供給する。溶融温度加熱槽44の構造は、溶融塩と供給された除染対象土壌の混和物を、所定の処理時間の間、溶融温度(例えば600℃〜800℃)に保持するようなものとする。混和物容器14は、溶融温度に曝されるが1000℃以上の高温には曝されないことから、高温耐食性に優れた材料が好ましいが、耐熱性はボックス方式と比較して低くて良い。
溶融温度加熱槽44の排出口45から溶融塩処理済みの除染対象土壌の混和物から排出されるので、この排出された混和物を水洗装置65で水洗して、洗浄水を濾過装置66で濾過して、固液分離する。濾過装置66の固形分は除染土壌82とし、濾過水はセシウムの吸着材90等でセシウムを分離回収する。濾過・吸着済みの水分は、乾燥させて、残余の固形分をアルカリ塩混合物92として回収する。
図10は本発明の一実施例を示す揮発セシウム溶融塩捕獲方式の原理説明図である。図11は本発明の一実施例を示す除染対象物からのセシウム抽出方法(S20)を説明する流れ図である。
揮発セシウム溶融塩捕獲方式では、まず除染対象土壌10を篩分けして(S200)、除染対象土壌10中に含まれる岩石等の粗大物を取り除く。次に、除染対象土壌10とアルカリ塩混合物20を焼却炉38に投入して、除染対象物にセシウム揮発促進剤を添加する(S202)。なお、除染対象土壌10にはセシウムを含有する樹木や草本を含む廃棄物を含んでも良い。アルカリ塩混合物20は、除染対象物に対するセシウム揮発促進剤として作用する。
焼却炉38で除染対象物とセシウム揮発促進剤との添加混合物を焼却することで、廃棄物の減容処理と揮発性セシウムを含有する燃焼排ガスの生成処理が行われる。焼却炉38では、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物処理基準及び産業廃棄物処理基準における廃棄物を焼却する焼却設備の構造に準拠しているものがよく、例えばダイオキシン類発生量を少なくするため、800℃以上の高温での保持時間を長くし完全燃焼させる構造とする。焼却炉38での添加混合物の焼却により、セシウムの蒸気圧が除染対象物からセシウム除去を行うのに十分な圧力となるまで、加熱される(S204)。
次に、焼却炉38の燃焼排ガスを供給用筒体16に供給すると共に、溶融温度加熱槽46ではアルカリ塩混合物20が溶融状態となっている。排気ガスには、除染対象土壌10に含まれる揮発性セシウムが含まれる。そこで、除染対象物の加熱工程で生成する揮発セシウムが溶融塩と接触する(S206)。すると、溶融塩中にセシウムが移る。セシウムを含む溶融塩は、溶融温度加熱槽46の内部で冷却され、若しくは溶融温度加熱槽46から排出されて外部で冷却される。そこで、冷却された溶融塩を水溶解し、水溶液中にセシウムを抽出する(S208)。これにより、焼却炉に投入された除染対象物からのセシウム抽出が終了する。
溶融温度加熱槽46の構造は、溶融塩と供給された除染対象土壌の混和物を、所定の処理時間の間、溶融温度(例えば600℃〜800℃)に保持するようなものとする。供給用筒体16は、溶融温度に曝されるが1000℃以上の高温には曝されないことから、高温耐食性に優れた材料が好ましいが、耐熱性はボックス方式と比較して低くて良い。
溶融温度加熱槽46の排出口47からは、揮発性セシウムが除去された排ガスが排出される。好ましくは、焼却炉38ではダイオキシンが生成する可能性があるので、通常の燃焼炉の排ガス処理設備を付帯するとよい。
次に、セシウム揮発促進剤と除染対象土壌との関係を説明する。前出の図2と図3では、横軸にセシウム揮発促進剤としての塩添加量と土壌量の重量比、縦軸にセシウムの揮発率を菱形で示している。
図2、図3に示すように、セシウム揮発促進剤としての塩化ナトリウムの添加割合は、土壌量との重量比で0.06から0.3の場合に、セシウム揮発率として最大値領域となる55%程度が得られている。他方で、塩化ナトリウムの添加割合が増えると低下し、土壌量との重量比で0.6の場合に、40%のセシウム揮発性となるが、土壌量との重量比で1.0の場合に30%、土壌量との重量比で1.5の場合に17%、土壌量との重量比で3.0の場合に約7%となる。そこで、セシウム揮発促進剤としての塩化ナトリウムの添加割合は、土壌量との重量比で0.06から0.3の範囲が好ましい。
なお、上記の実施例では、ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物として、塩化ナトリウムと塩化カルシウムの重量比が1:2の場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハロゲン化アルカリ金属やハロゲン化アルカリ土類金属に含まれるものであれば、単体でもよく、また両者を混和したものでもよい。
本願発明のセシウム抽出法を使用することにより、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物という安価で比較的毒性の少ない物質を用いることで、土壌からのセシウム除去率を高く保持しながら、従来よりも処理費用も大幅に低減できる。
10 除染対象土壌
12 混和物容器
14、16 供給用筒体
20 アルカリ塩混合物
42、44、46 溶融温度加熱槽
52 溶融塩処理済みの混和物
61、65 水洗装置
62、66 濾過装置
82 除染土壌
90 吸着材

Claims (7)

  1. ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物の何れか1種類を、除染対象土壌と混和する工程と、
    前記ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の何れか1種類の溶融塩形成範囲の温度に、前記除染対象土壌と、前記ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の何れか1種類との混和物を加熱することにより、セシウムを前記除染対象土壌から溶融塩に抽出して分離する工程と、
    前記分離された土壌と抽出したセシウムを含む溶融塩を冷却する工程と、
    この冷却された溶融塩を水で溶解して、セシウムを水溶液として回収する工程と、
    を有することを特徴とするセシウム抽出法。
  2. 前記除染対象土壌と、前記ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属の混合物の何れか1種類との混和物は、前記除染対象土壌の土壌粒子表面を前記溶融塩が覆う状態で前記分離が行われることを特徴とする請求項1に記載のセシウム抽出法。
  3. 前記ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、又はハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物の何れか1種類と前記除染対象土壌との混和比は、前記除染対象土壌に対して重量比で0.025倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセシウム抽出法。
  4. 前記ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属のアルカリ塩混合物は、前記ハロゲン化アルカリ金属が塩化ナトリウムであり、前記ハロゲン化アルカリ土類金属は塩化カルシウムであって、両者の混合物全体に対する塩化ナトリウムのモル比で、0.35〜0.60であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のセシウム抽出法。
  5. 除染対象物にセシウム揮発促進剤を添加する工程と、
    前記除染対象物と前記セシウム揮発促進剤との添加混合物を、前記セシウムの蒸気圧が所定圧力となる温度に加熱する工程と、
    前記加熱工程で生成する揮発セシウムを溶融塩に触れさせて前記溶融塩中にセシウムを抽出する工程と、
    冷却された前記溶融塩を水に溶解して、当該水溶液中にセシウムを抽出する工程と、
    を有することを特徴とするセシウム抽出法。
  6. 前記セシウム揮発促進剤は、塩化ナトリウムであることを特徴とする請求項5に記載のセシウム抽出法。
  7. 前記塩化ナトリウムは、前記除染対象物に対する重量比で、0.06から0.3の範囲であることを特徴とする請求項6に記載のセシウム抽出法。
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