JP6865091B2 - 放射性セシウム揮発促進方法 - Google Patents

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本発明は、シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に塩化カルシウムを添加して該廃棄物に付着した放射性セシウムの揮発を促進する方法に関する。
2011年3月11日、太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の海溝型地震(東北地方太平洋沖地震)が発生した。この巨大地震とその後に襲った大津波がきっかけとなって、福島県の太平洋岸に建設されている原子力発電所において多数の設備が損傷し、大量の放射性物質が大気中に放出された。これにより、放射能に汚染された瓦礫等の放射性物質汚染廃棄物が大量に発生する事態に至った。
環境省が公表した「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」によれば、放射性物質に汚染されたおそれのある災害廃棄物であっても、安全に焼却処理を行うことが可能であり、焼却に伴って発生する主灰及び飛灰について安全な埋立処分が可能であるとされている。具体的には、放射性セシウム濃度(セシウム134とセシウム137の合計値)が8,000Bq/kg以下である主灰は一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)における埋立処分が可能であること、放射性セシウム濃度が8,000Bq/kgを超え100,000Bq/kg以下の主灰は、国によって処分の安全性が確認されるまでの間、一時保管とすることが適当であることとされている。また、放射性セシウム濃度が100,000Bq/kgを超える主灰は、適切に放射線を遮蔽できる施設で保管することが望ましいとされている。
飛灰については、放射性セシウム濃度が8,000Bq/kgを超える主灰と同様に、国によって処分の安全性が確認されるまでの間、一時保管とすることが適当であり、放射性セシウム濃度が100,000Bq/kgを超える飛灰は、適切に放射線を遮蔽できる施設で保管することが望ましいとされている。
このように、放射性物質汚染廃棄物の処理では保管場所の確保が重要となるが、保管場所に限りがあることから、主灰及び飛灰の減容化が必要となる。例えば、特許文献1では、土壌や焼却灰等の被処理物に含まれる放射性セシウムを効率的に分離濃縮して、大きく減容化することができる放射性セシウム分離濃縮方法及び放射性セシウム分離濃縮装置の技術が開示されている。特許文献1記載の技術では、被処理物に塩素系助剤及び融点降下剤(塩基度調整剤)を添加して還元雰囲気で溶融することにより、溶融スラグから放射性セシウムを揮散分離する。
特開2013−242194号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術において、スラグに残存する放射線量及び飛灰に含まれる放射線量が所定レベルを下回るようにするためには、被処理物に含まれる放射線量に基づいて溶融炉に投入される被処理物の単位時間当たりの投入量を調整しなければならない(特許文献1の段落[0077]参照)。即ち、特許文献1記載の技術では、被処理物の放射性セシウム濃度が高い場合、スラグの放射性セシウム濃度が所定レベルを下回るようにするため被処理物の投入量を減らさなければならず、被処理物の減容化処理を安定的に行うことが困難である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、被処理物の放射性セシウム濃度にかかわらず被処理物の減容化処理を安定的に行うため、被処理物に付着している放射性セシウムの揮発を促進する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に塩化カルシウムを添加して該廃棄物に付着した放射性セシウムの揮発を促進する方法であって、
前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量と、該廃棄物を前記シャフト炉式ガス化溶融炉で溶融処理した際に発生する飛灰に付着した放射性セシウムが水中へ溶出する放射性セシウム溶出率との関係を求める工程と、
飛灰洗浄処理における放射性セシウム溶出率を設定して、前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量を前記関係から算出する工程と、
算出した前記塩素量から塩化カルシウムの添加量を算出する工程とを備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に塩化カルシウムを添加して該廃棄物に付着した放射性セシウムの揮発を促進する方法であって、
前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量と、該廃棄物を前記シャフト炉式ガス化溶融炉で溶融処理した際に発生する飛灰に付着した放射性セシウムの濃度との関係を求める工程と、
放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素の増分量に対する飛灰の放射性セシウム濃度の増加量を前記関係から求め、飛灰の放射性セシウム濃度の前記増加量に対応するスラグの放射性セシウム濃度の低減量を算出する工程と、
前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入される放射性物質汚染廃棄物の放射性セシウム濃度から溶融処理後のスラグの放射性セシウム濃度を推定する工程と、
スラグの放射性セシウム濃度の前記推定値と目標値との差をスラグの放射性セシウム濃度の前記低減量で除して、前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量を算出する工程と、
算出した前記塩素量から塩化カルシウムの添加量を算出する工程とを備えることを特徴としている。
本発明者らは、シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物(以下では、単に「被処理物」と呼ぶことがある。)に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム溶出率との間に正の相関関係があり、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム濃度との間に比例関係があることを見出した。
本発明では、シャフト炉式ガス化溶融炉の高温且つ還元雰囲気下で放射性物質汚染廃棄物を溶融処理することにより、被処理物に付着している放射性セシウムの揮発を促進する。その際、第1の発明では、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム溶出率との間に正の相関関係があることを利用し、飛灰洗浄処理として望ましい放射性セシウム溶出率となるように、被処理物に添加する塩化カルシウムの添加量を調整する。また、第2の発明では、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム濃度との間に比例関係があることを利用し、スラグの放射性セシウム濃度が目標値となるように、被処理物に添加する塩化カルシウムの添加量を調整する。
また、第1及び第2の発明に係る放射性セシウム揮発促進方法では、前記飛灰を洗浄槽に収容し、該飛灰を洗浄水により前記洗浄槽内で洗浄する工程と、前記飛灰の洗浄に使用した洗浄廃水に吸着剤を添加して該洗浄廃水中の放射性セシウムを回収する工程とを備えることを好適とする。
当該構成では、洗浄廃水中の放射性セシウムを吸着剤で吸着して、放射性セシウム濃度が数百万Bq/kgとなるまで濃縮して放射性セシウムを含む廃棄体を最小化する。一方、洗浄後の飛灰は、指定廃棄物(放射性セシウム濃度が8,000Bq/kg超)から除外することができる。
本発明では、シャフト炉式ガス化溶融炉の高温且つ還元雰囲気下で放射性物質汚染廃棄物を溶融処理することにより、被処理物に付着している放射性セシウムの揮発を促進する。その際、飛灰洗浄処理として望ましい放射性セシウム溶出率となるように、あるいは、スラグの放射性セシウム濃度が目標値となるように、被処理物に添加する塩化カルシウムの添加量を調整するので、被処理物の放射性セシウム濃度にかかわらず、被処理物の投入量を減らす必要がなく、減容化処理を安定的に行うことができる。
本発明の第1及び第2の実施の形態に係る放射性セシウム揮発促進方法を実施する溶融処理設備のフロー図である。 飛灰洗浄処理のフロー図である。 被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム溶出率との関係を示したグラフである。 被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム濃度との関係を示したグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第1及び第2の実施の形態に係る放射性セシウム揮発促進方法を実施する溶融処理設備を図1に示す。
溶融処理される放射性物質汚染廃棄物は、放射性セシウム濃度が数百〜10万Bq/kgの災害廃棄物10aや除染廃棄物10b等であり、密閉された受入ヤード10内に保管されている。災害廃棄物10aは受入ヤード10に搬入される前に80cm以下のサイズに裁断され、シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入される。除染廃棄物10bはフレキシブルコンテナバッグに詰められたままシャフト炉式ガス化溶融炉11に装入される。
シャフト炉式ガス化溶融炉11には、放射性物質汚染廃棄物と共に、コークス、石灰石、塩化カルシウムが添加される。コークスの添加量は該廃棄物装入量1ton当たり150〜250kg、石灰石の添加量は該廃棄物装入量1ton当たり150〜400kgである。塩化カルシウムの添加量については後述する。
放射性物質汚染廃棄物は、シャフト炉式ガス化溶融炉11の高温(溶融帯温度:1700〜1800℃)且つ還元雰囲気下で完全に溶融され、該廃棄物に付着している放射性セシウムの揮発が促進される。
溶融物は、石灰石の塩基度調整作用により十分に流動性を高めた状態で出湯口11aから排出され、樋を介して水砕装置19に投入される。水砕装置19は、シャフト炉式ガス化溶融炉11から排出された溶融物を冷却して凝固させる冷却水を貯留するケーシング19aと、シャフト炉式ガス化溶融炉11から排出された溶融物に水を噴射して溶融物を細かく分散させる噴射ノズル(図示省略)と、ケーシング19a内に設置されたスクレーパ式のコンベア(図示省略)とを備えている。噴射水によって細かく分散された溶融物は、ケーシング19a内で冷却凝固して溶融スラグ等となり、コンベアによりケーシング19aから搬出される。無害化された溶融スラグ等はフレキシブルコンテナバッグ20に収納された後、保管される。
シャフト炉式ガス化溶融炉11内で発生した飛灰は排ガスと共に排出口11bから排出され、燃焼室12へ導入される。燃焼室12では、850℃以上の高温で可燃性ガスを完全に燃焼させる。燃焼室12から排出された高温の飛灰及び排ガスはガス冷却塔13で冷却された後、減温塔14でさらに減温される。
減温塔14の後段には、第1の集塵装置15と第2の集塵装置16が連設されている。第1の集塵装置15には活性炭が注入される。第1の集塵装置15内で、排ガス中の飛灰が活性炭に吸着し捕集される。また、第2の集塵装置16には消石灰が注入される。第2の集塵装置16内で、排ガスは消石灰によって中和され、中和反応により生成した塩類は第2の集塵装置16に捕集される。
第2の集塵装置16によって清浄化された排気は誘引ファン17によって煙突18から大気中に放出される。
燃焼室12、ガス冷却塔13、減温塔14、第1の集塵装置15、第2の集塵装置16において捕集された飛灰は洗浄処理される。
飛灰に付着した放射性セシウムが水に溶けやすい性質を利用し、飛灰を水洗して放射性セシウムを水に溶け出させ、飛灰から放射性セシウムを分離する。
飛灰洗浄処理について図2のフロー図を用いて説明する。
(1)洗浄工程
飛灰を洗浄槽21に収容し、飛灰を洗浄水により洗浄槽21内で洗浄する。
(2)脱水工程
飛灰溶解水を脱水機22を用いて固液分離することにより、放射性セシウムが溶解した洗浄廃水24(ろ液)と洗浄飛灰23(脱水ケーキ)に分離する。ここで得られる洗浄飛灰23は放射性セシウム濃度が大幅に低下すると共に溶出性も低下しているため、既存の管理型処分場に搬送される。
(3)吸着工程
分離された洗浄廃水24には吸着装置25を用いた吸着処理が施される。吸着処理によって、洗浄廃水24中の放射性セシウムが吸着剤に吸着して回収され、放射性セシウムが除去された処理水26が得られる。放射性セシウム濃縮物は中間貯蔵施設に保管され、処理水26には最終処分場の浸出水と同様の後処理等が行われる。
なお、吸着剤としては、例えば、ゼオライト等の無機吸着剤、陽イオンを吸着するイオン交換樹脂、あるいは、フェロシアン化コバルト、フェロシアン化銅、若しくはフェロシアン化第二鉄などのフェロシアン化金属化合物などを使用することができる。
次に、シャフト炉式ガス化溶融炉11に添加する塩化カルシウムの添加量を決定する方法について説明する。
[第1の実施の形態に係る放射性セシウム揮発促進方法]
(STEP−1)シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量と、該廃棄物をシャフト炉式ガス化溶融炉11で溶融処理した際に発生する飛灰に付着した放射性セシウムが水中へ溶出する放射性セシウム溶出率との関係を求める。
本発明者らは、前述した溶融処理設備を用いて塩化カルシウム添加試験を実施した。
塩化カルシウム添加試験により得られた、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム溶出率との関係を図3に示す。飛灰の放射性セシウム溶出率は環境省告示第46号に準じた溶出試験に拠った。
飛灰の放射性セシウム溶出率の定義は以下の通りである。
飛灰の放射性セシウム溶出率[%]=飛灰の放射性セシウム溶出量[Bq/L]×液固比[L/kg]/飛灰の放射性セシウム濃度[Bq/kg]×100
なお、放射性セシウム溶出量はGe半導体検出器を用いたγ線スペクトロメトリーにより求めた。また、液固比は10L/kgとした。
(STEP−2)図3に示したように、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム溶出率との間には正の相関関係がある。そこで、飛灰洗浄処理における放射性セシウム溶出率を設定して、シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量を前記関係から算出する。例えば、飛灰洗浄処理における放射性セシウム溶出率を70%以上とすると、シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量は、図3より3質量%以上となる。
(STEP−3)算出した塩素量から塩化カルシウムの添加量を算出する。
[第2の実施の形態に係る放射性セシウム揮発促進方法]
(STEP−1)シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量と、該廃棄物をシャフト炉式ガス化溶融炉11で溶融処理した際に発生する飛灰に付着した放射性セシウムの濃度との関係を求める。
塩化カルシウム添加試験により得られた、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム濃度との関係を図4に示す。ここで、飛灰の放射性セシウム濃度はICP質量分析法(ICP−MS)により求めた。
(STEP−2)被処理物に添加する塩素の増分量に対する飛灰の放射性セシウム濃度の増加量を前記関係から求める。
図4に示すように、被処理物に添加する塩素量と飛灰の放射性セシウム濃度との間には正比例の関係がある。例えば、塩素添加量が1質量%増加するごとに、飛灰の放射性セシウム濃度は約5,000Bq/kgずつ増加する。
(STEP−3)飛灰の放射性セシウム濃度の増加量に対応するスラグの放射性セシウム濃度の低減量を算出する。
飛灰の放射性セシウム濃度が増加したということは、スラグの放射性セシウム濃度が同量分低減したということである。例えば、スラグと飛灰の発生比率が3:1である場合、塩素添加量が1質量%増加につき、スラグの放射性セシウム濃度は、5,000Bq/kg÷3=1,667Bq/kg低減する。
(STEP−4)シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入される放射性物質汚染廃棄物の放射性セシウム濃度から溶融処理後のスラグの放射性セシウム濃度を推定する。
スラグと飛灰の各放射性セシウム濃度は次式で算出される。
スラグの放射性セシウム濃度=被処理物の放射性セシウム濃度×スラグへの移行率÷スラグ発生比 (1)
飛灰の放射性セシウム濃度=被処理物の放射性セシウム濃度×飛灰への移行率÷飛灰発生比 (2)
ここで、
スラグへの移行率[%]=100%−放射性セシウムの揮発率[%]
飛灰への移行率[%]=放射性セシウムの揮発率[%]
また、スラグ発生比は被処理物1,000kgを溶融処理した際に発生するスラグ量[kg]、飛灰発生比は被処理物1,000kgを溶融処理した際に発生する飛灰量[kg]である。
なお、被処理物の放射性セシウム濃度は、表面線量率(μSv/h)から推定することができる。また、NaIシンチレーション検出器又はGe半導体検出器を用いて測定して確認することもできる。
(1)式及び(2)式より、被処理物の放射性セシウム濃度から算出したスラグ及び飛灰の各放射性セシウム濃度の推定値を一覧を表1に示す。ただし、スラグ発生比は300kg/被処理物1,000kg、飛灰発生比は100kg/被処理物1,000kgとしている。
Figure 0006865091
(STEP−5)スラグの放射性セシウム濃度の推定値と目標値との差をスラグの放射性セシウム濃度の低減量で除して、シャフト炉式ガス化溶融炉11に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量を算出する。
例えば、被処理物の放射性セシウム濃度が10,000Bq/kgの場合、スラグへの移行率を4.0%とすると、スラグの放射性セシウム濃度の推定値は表1より1,333Bq/kgとなる。スラグの放射性セシウム濃度を目標値を100Bq/kgとすると、被処理物に添加する塩素量は以下のようになる。
(1,333−100)÷1,667=0.74[質量%]
また、被処理物の放射性セシウム濃度が50,000Bq/kgの場合、スラグへの移行率を4.0%とすると、スラグの放射性セシウム濃度の推定値は表1より6,667Bq/kgとなる。スラグの放射性セシウム濃度を目標値を100Bq/kgとすると、被処理物に添加する塩素量は以下のようになる。
(6,667−100)÷1,667=3.9[質量%]
(STEP−6)算出した塩素量から塩化カルシウムの添加量を算出する。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、第1の実施の形態と第2の実施の形態を併用してもよく、その場合は、塩化カルシウムの添加量が高いほうを採用すれば良い。
10:受入ヤード、10a:災害廃棄物、10b:除染廃棄物、11:シャフト炉式ガス化溶融炉、11a:出湯口、11b:排出口、12:燃焼室、13:ガス冷却塔、14:減温塔、15:第1の集塵装置、16:第2の集塵装置、17:誘引ファン、18:煙突、19水砕装置、19aケーシング、20:フレキシブルコンテナバッグ、21:洗浄槽、22:脱水機、23:洗浄飛灰、24:洗浄廃水、25:吸着装置、26:処理水

Claims (3)

  1. シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に塩化カルシウムを添加して該廃棄物に付着した放射性セシウムの揮発を促進する方法であって、
    前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量と、該廃棄物を前記シャフト炉式ガス化溶融炉で溶融処理した際に発生する飛灰に付着した放射性セシウムが水中へ溶出する放射性セシウム溶出率との関係を求める工程と、
    飛灰洗浄処理における放射性セシウム溶出率を設定して、前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量を前記関係から算出する工程と、
    算出した前記塩素量から塩化カルシウムの添加量を算出する工程とを備えることを特徴とする放射性セシウム揮発促進方法。
  2. シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に塩化カルシウムを添加して該廃棄物に付着した放射性セシウムの揮発を促進する方法であって、
    前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量と、該廃棄物を前記シャフト炉式ガス化溶融炉で溶融処理した際に発生する飛灰に付着した放射性セシウムの濃度との関係を求める工程と、
    放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素の増分量に対する飛灰の放射性セシウム濃度の増加量を前記関係から求め、飛灰の放射性セシウム濃度の前記増加量に対応するスラグの放射性セシウム濃度の低減量を算出する工程と、
    前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入される放射性物質汚染廃棄物の放射性セシウム濃度から溶融処理後のスラグの放射性セシウム濃度を推定する工程と、
    スラグの放射性セシウム濃度の前記推定値と目標値との差をスラグの放射性セシウム濃度の前記低減量で除して、前記シャフト炉式ガス化溶融炉に装入した放射性物質汚染廃棄物に添加する塩素量を算出する工程と、
    算出した前記塩素量から塩化カルシウムの添加量を算出する工程とを備えることを特徴とする放射性セシウム揮発促進方法。
  3. 請求項1又は2記載の放射性セシウム揮発促進方法において、前記飛灰を洗浄槽に収容し、該飛灰を洗浄水により前記洗浄槽内で洗浄する工程と、前記飛灰の洗浄に使用した洗浄廃水に吸着剤を添加して該洗浄廃水中の放射性セシウムを回収する工程とを備えることを特徴とする放射性セシウム揮発促進方法。
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