JP2014131046A - 発光装置、波長変換部材、蛍光体組成物、及び蛍光体混合物 - Google Patents

発光装置、波長変換部材、蛍光体組成物、及び蛍光体混合物 Download PDF

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Abstract

【課題】励起波長のズレにより生じる色味の変化を抑制した、良好なビニング特性を有する発光装置を提供する。
【解決手段】半導体発光装置10は、その構成部材として、少なくとも青色半導体発光素子1と波長変換部材3を有する。青色半導体発光素子は、波長変換部材に含有される蛍光体を励起するための励起光を発する。青色半導体発光素子は、通常ピーク波長が425nm〜475nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が430nm〜465nmの励起光を発する。青色半導体発光素子の数は、装置が必要とする励起光の強さにより適宜設定することが可能である。青色半導体発光素子の代わりに、紫色半導体発光素子を用いることもできる。紫色半導体発光素子は、通常ピーク波長が390nm〜425nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が395〜415nmの励起光を発する。
【選択図】図2

Description

本発明は発光装置に関し、特に、青色半導体発光素子を備えた発光装置に関する。また、発光装置に備えられる波長変換部材に関する。
半導体発光素子を用いた発光装置は、省エネルギー発光装置としてその存在感が高まっている。一方、半導体発光素子を用いた発光装置の開発が進むにつれて、様々な課題が生じている。
例えば、特許文献1では、点灯時間が長くなってくると照明光の中に色ムラが生じてくるという課題が見出されている。該課題に対しては、同じ色の可視光を発生する2種類の蛍光体を備え、2種類の蛍光体の励起スペクトルの傾きが、半導体発光素子の発光ピーク波長において逆とすることで、対応することが提案されている(特許文献1参照)。
一方、特許文献2では、「LEDビニング」を課題として開示し、放出波長特性および輝度特性に依存するビニングクラスを有する複数のセル、並びにインピーダンス素子を有する多重セルLED回路が開示されている(特許文献2参照)。
また、特許文献3では、光のピーク波長、光のピーク強度、及び順電圧のうち、任意の観点からLEDをビニングすることについて開示され、特にLED励起波長の変動に応じて色度を自己調整することができる「スマート」蛍光体組成物が開示される(特許文献3参照)。
加えて、特許文献4では、半導体発光素子のピーク波長の変動に対して、色度変動が低減された半導体発光装置が提案され、具体的には、半導体発光素子のピーク波長近傍において、波長の増大とともに励起強度が増大する第1の蛍光体、及び波長の増大に対して励起強度が平坦又は減少する第2の蛍光体を有する半導体発光装置が提案されている(特許文献4参照)。
特開2005−228833号公報 特表2009−503831号公報 特表2010−500444号公報 特開2008−135725号公報
LEDのビニングに関しては、いくつかの文献において指摘されているものの、実用化に至るような具体的な提案はされていない。本発明者らが、上記文献に係る蛍光体の組合せを検討したところ、特許文献3では黄色蛍光体に橙色蛍光体を加えることで課題を解決する試みがされているものの、色度変化を抑えきれておらず、実用化には不十分である。また、特許文献4では、黄色蛍光体と橙色蛍光体を組み合わせることで色度変化を抑える試みがされているものの、演色性や発光効率が不十分となる。
本発明は、このような課題を解決するものであり、十分な演色性と発光効率を維持し、実用化に耐えうるビニング特性を有した発光装置を提供するものである。また、発光装置に適用した際に、実用化に耐えうるビニング特性を有する発光装置を提供することができる波長変換部材を形成し得る蛍光体組成物、及び該蛍光体組成物を成形してなる波長変換
部材に関するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、青色半導体発光素子を用いた発光装置において、黄色蛍光体と緑色蛍光体を含有する波長変換部材、または、黄色蛍光体を含有せず、特定の緑色蛍光体を含有する波長変換部材を用いることで、十分なビニング特性を有する発光装置を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の第一乃至第四の発明を含む。
本発明の第一の発明は、発光装置に係る発明であり、その第一の実施態様は以下のとおりである。
青色半導体発光素子と波長変換部材を備えた発光装置であって、
該波長変換部材は、
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含む、発光装置。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
なお、第二の実施態様として、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.25以下であることが好ましい。
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第三の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.23以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(G2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第四の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y3)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.
8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G3)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
なお、前記第三および第四の実施態様において、
下記算出式(Z)により合成された励起スペクトルの強度変化率が0.15以下であることが好ましい。
合成励起スペクトルは、各波長における励起スペクトル強度が、下記算出式(Z)で表される励起スペクトルで、
合成励起スペクトル強度=(蛍光体Yの励起スペクトル強度)×(蛍光体Yの重量分率)+(蛍光体Gの励起スペクトル強度)×(蛍光体Gの重量分率) ・・・(Z)
蛍光体Yの重量分率は、蛍光体Y/(蛍光体Y+蛍光体G)で表される。
蛍光体Gの励起スペクトル強度変化率及び重量分率も同様に表される。
各励起スペクトル強度変化率は、励起スペクトルの450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから470nmの範囲における合成励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した発光装置は、前記蛍光体Yが、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも小さく、前記蛍光体Gが、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも大きいことが好ましい。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した発光装置は、さらに、下記一般式(B1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体を含むことが好ましい。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(B1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した発光装置は、前記蛍光体Yと前記蛍光体Gの組成比が、10:90以上、90:10以下であることが好ましい。
また、第一の発明における第五の実施態様は以下のとおりである。
青色半導体発光素子と波長変換部材を備えた発光装置であって、
該波長変換部材は、
下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含み、
該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下である、発光装置。
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G4)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材
の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、前記第一乃至第五の実施態様に係る発光装置において、
前記青色半導体発光素子の発光波長を445nmから455nmに連続的に変化させたときに発光装置から放射される光の色度変化Δu'v 'が、Δu'v '≦0.004を満たすことが好ましい。
ただし、Δu'v 'は、445nmから455nmにおける任意の波長inmにおける色度(u',v ')と、445nmから455nmにおける色度の平均値(u'ave,v'ave)の距離を表すものとする。
また、前記第一乃至第五の実施態様において、
前記青色半導体発光素子の発光波長を435nmから470nmに連続的に変化させたときに発光装置から放射される光の色度変化Δu'v 'が、Δu'v '≦0.015を満たすことが好ましい。
ただし、Δu'v 'は、435nmから470nmにおける任意の波長inmにおける色度(u',v ')と、435nmから470nmにおける色度の平均値(u'ave,v'ave)の距離を表すものとする。
また、前記第一乃至第五の実施態様において、
さらに赤色蛍光体を含むことが好ましく、前記赤色蛍光体は、発光ピーク波長が600nm以上640nm未満、かつ半値幅が2nm以上120nm以下である赤色蛍光体を、赤色蛍光体全量に対する組成重量比で30%以上含むことが好ましい。
また、前記発光ピーク波長が600nm以上640nm未満、かつ半値幅が2nm以上120nm以下である赤色蛍光体が、(Sr,Ca)AlSiN:Eu又はCa1−xAl1−xSi1+x3−x:Euであることが好ましい。
また、赤色蛍光体として、発光ピーク波長が640nm以上670nm以下、かつ半値幅が2nm以上120nm以下である赤色蛍光体を含むことが好ましい。
また、発光装置から放射される光が、光色の黒体輻射軌跡からの偏差duvが−0.0200〜0.0200であり、かつ色温度が1800K以上、7000K以下であることが好ましく、色温度が2500以上、3500K以下であることがさらに好ましい。また、平均演色評価数Raが80以上であることが好ましい。
また、これら発光装置を備えた照明装置も好ましい発明である。
本発明の第二の発明は、波長変換部材に係る発明であり、その第一の実施態様は以下のとおりである。
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
透明材料と、を含む、波長変換部材。
なお、第二の実施態様として、
発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.25以下であることが好ましい。
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第三の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.23以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(G2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第四の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y3)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G3)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
なお、前記第三および第四の実施態様において、
下記算出式(Z)により合成された励起スペクトルの強度変化率が0.15以下であることが好ましい。
合成励起スペクトルは、各波長における励起スペクトル強度が、下記算出式(Z)で表される励起スペクトルで、
合成励起スペクトル強度=(蛍光体Yの励起スペクトル強度)×(蛍光体Yの重量分率)+(蛍光体Gの励起スペクトル強度)×(蛍光体Gの重量分率) ・・・(Z)
蛍光体Yの重量分率は、蛍光体Y/(蛍光体Y+蛍光体G)で表される。
蛍光体Gの励起スペクトル強度変化率及び重量分率も同様に表される。
各励起スペクトル強度変化率は、励起スペクトルの450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから470nmの範囲における合成励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した波長変換部材は、前記蛍光体Yは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強
度よりも小さく、前記蛍光体Gは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも大きいことが好ましい。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した波長変換部材は、さらに、下記一般式(B1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体を含むことが好ましい。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(B1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した波長変換部材は、前記蛍光体Yと前記蛍光体Gの組成比が、10:90以上、90:10以下であることが好ましい。
また、第二の発明における第五の実施態様は以下のとおりである。
下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
透明材料と、を含む、波長変換部材であって、
該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下である、波長変換部材。
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G4)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、前記第一乃至第五の実施態様に係る波長変換部材において、
励起波長を445nmから455nmに連続的に変化させたときに波長変換部材から放射される光の色度変化Δu'v 'が、Δu'v '≦0.004を満たすことが好ましい。
ただし、Δu'v 'は、445nmから455nmにおける任意の波長inmにおける色度(u',v ')と、445nmから455nmにおける色度の平均値(u'ave,v'ave)の距離を表すものとする。
また、前記第一乃至第五の実施態様において、
励起波長を435nmから470nmに連続的に変化させたときに波長変換部材から放射される光の色度変化Δu'v 'が、Δu'v '≦0.015を満たすことが好ましい。
ただし、Δu'v 'は、435nmから470nmにおける任意の波長inmにおける色度(u',v ')と、435nmから470nmにおける色度の平均値(u'ave,v'ave)の距離を表すものとする。
本発明の第三の発明は、蛍光体組成物に係る発明であり、その第一の実施態様は以下のとおりである。
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
透明材料と、を含む、蛍光体組成物。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
なお、第二の実施態様として、
前記蛍光体組成物を成形して波長変換部材とした際、該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.25以下であることが好ましい。
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第三の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体組成物を成形して波長変換部材とした際、該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.23以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(G2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第四の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体組成物を成形して波長変換部材とした際、該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y3)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G3)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した蛍光体組成物は、前記蛍光体組成物を成形して波長変換部材とした際、該波長変換部材における前記蛍光体Yは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも小さく、該波長変換部材における前記蛍光体Gは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも大きいことが好ましい。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した蛍光体組成物は、さらに、下記一般式(B1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体を含むことが好ましい。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(B1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
上述した蛍光体組成物は、前記蛍光体Yと前記蛍光体Gの組成比が、10:90以上、90:10以下であることが好ましい。
また、第三の発明における第五の実施態様は以下のとおりである。
下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
透明材料と、を含む、蛍光体組成物であって、
該家抗体組成物を成形して波長変換部材とした際、該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下である、蛍光体組成物。
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G4)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
本発明の第四の発明は、蛍光体混合物に係る発明であり、その第一の実施態様は以下のとおりである。
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含む、蛍光体混合物。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
なお、第二の実施態様として、
発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.40以下であるであることが好ましい。
但し、該蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける蛍光体混合物の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第三の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.30以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(G2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
但し、該蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、第四の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.25以下であることが好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y3)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G3)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、該蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
前記蛍光体Yは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも小さく、前記蛍光体Yは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも大きいことが好ましい。
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
さらに、下記一般式(B1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体を含むことが好ましい。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(B1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
また、前記第一乃至第四の実施態様において、
前記蛍光体Yと前記蛍光体Gの組成比が、10:90以上、90:10以下であることが好ましい。
また、第四の発明における第五の実施態様は以下のとおりである。
下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含む、蛍光体混合物であって、
該蛍光体混合物の発光波長540nmでの励起スペクトル変化率が、0.25以下である、蛍光体混合物。
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G4)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
本発明の第一の発明における第一乃至第四の実施態様により、ビニング特性に優れ、高い発光効率と演色性を有した発光装置を提供することができる。特に、蛍光体Yと蛍光体Gとを組み合わせて用いることで、蛍光体Yの代表的な例であるYAG蛍光体、または蛍光体Gの代表的な例であるGYAG蛍光体を単独で用いた場合と比較して、高い全光束を達成することができる。そのため、発光装置において目標とする全光束を達成しようとする際に投入する電力量が低減され、より省エネルギーを達成できる。
また、第一の発明における第五の実施態様により、蛍光体Gの代表的な例であるLuAG蛍光体を単独で用いることで、蛍光体Yの代表的な例であるYAG蛍光体を単独で用いた場合と比較して、高い全光束を達成することができる。特に色温度4000K以上の高色温度領域においては、LuAG蛍光体は、YAG蛍光体を利用した場合と比較して高い全光束を維持したまま、高演色性を達成することができる。そのため、LuAG蛍光体以外の蛍光体の使用を控えることができる。
また、本発明の第二の発明により、上記のようなビニング特性に優れ、高い発光効率と演色性を有した発光装置を提供し得る波長変換部材を提供することができる。
また、本発明の第三、第四の発明により、上記のようなビニング特性に優れ、高い発光効率と演色性を有した発光装置を提供し得る蛍光体組成物、あるいは、蛍光体混合物を提供することができる。
第一の発明の一実施形態における例であり、YAG、GYAG、SCASN、CASNそれぞれの蛍光体について、励起波長を430nmから470nmまで変化させたときの、発光強度の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る発光装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る発光装置の断面模式図である。 蛍光体の種類による演色性と発光効率の関係を表わすシミュレーション結果をプロットした図である。 蛍光体の種類による演色性と発光効率の関係を表わすシミュレーション結果をプロットした図である。 一般式(m3)で表わされる蛍光体の一般式の組成と励起発光スペクトルの関係を表したグラフである。 一般式(m5)で表わされる蛍光体の一般式の組成と励起発光スペクトルの関係を表したグラフである。 YAG、LuAG1、LuAG2、SCASN、CASNそれぞれの蛍光体について、励起波長を430nmから465nmまで変化させたときの、発光強度の変化を示すグラフである。また、YAGとLuAG1とを1:1の加重平均で産出した合成励起スペクトル強度の変化を併せて示すグラフである。 GYAG1、LuAG1、GLuAG、YAGそれぞれの蛍光体について、励起波長を430nmから470nmまで変化させたときの、発光強度の変化を示すグラフである。 実験例1〜3において作製した試験片の、発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を表したグラフである。 実験例4〜8において作製した試験片の、発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を表したグラフである。 実験例9〜12において作製した試験片の、発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を表したグラフである。 実験例1〜3において作製した発光装置のビニング特性を表したグラフである。 実験例4〜8において作製した発光装置のビニング特性を表したグラフである。 実験例9〜12において作製した発光装置のビニング特性を表したグラフである。 実験例1〜3、9〜12において作製した発光装置のビニング特性を表したグラフである。 実験例4〜8において作製した発光装置のビニング特性を表したグラフである。 実験例13および14において作製した蛍光体混合物の、発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を表したグラフである。 実験例15〜20において作製した蛍光体混合物の、発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を表したグラフである。 実験例21および22において作製した蛍光体混合物の、発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を表したグラフである。
以下、本発明について実施態様を用いて説明するが、本発明は具体的な実施態様のみに限定されない。
以下、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。
第一の発明の第一乃至第五の実施態様に係る発光装置は、青色半導体発光素子と波長変換部材を備える。
青色半導体発光素子は、420nm以上475nm以下に発光ピークを有する光を放出する半導体発光素子である。青色半導体発光素子は、430nm以上465nm以下に発光ピークを有する光を放出することが好ましく、445nm以上455nm以下に発光ピークを有する光を放出することも好ましい。
また青色半導体発光素子は、半値幅が5nm以上30nm以下であることが、発光効率の点から好ましい。
青色半導体発光素子は、窒素ガリウム系、酸化亜鉛系または炭化ケイ素系の半導体で形成されたpn接合形の発光部を有する発光ダイオード素子であることが好ましい。
波長変換部材とは、入射光の少なくとも一部を波長変換して、前記入射光とは異なる波長の出射光を放出する波長変換部材であって、該波長変換部材は、前記入射光の少なくとも一部を波長変換して、前記入射光とは異なる波長の出射光を放出する蛍光体を含む。前記蛍光体は、樹脂等の可視光において吸収の少ない透明または半透明材料に分散等されていることが好ましい。また、該波長変換部材は、含有する透明材料等により自立した形状を保持している場合もある。さらに別の態様として、ガラス等の透明基板に蛍光体を必要に応じて樹脂等に混合して塗布したものであっても良い。
第一の発明における第一の実施態様に用いられる波長変換部材は、
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、を含む。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
蛍光体Yは、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下、すなわち黄色領域に発光波長スペクトルのピーク波長を有する黄色蛍光体である。
蛍光体Yの代表例としては、YAG蛍光体と称される以下の一般式(l)で表される蛍光体があげられるが、これらに限られるものではない。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(l)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
蛍光体Gは、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下、すなわち緑色領域に発光波長スペクトルのピーク波長を有する緑色蛍光体である。
蛍光体Gの代表例としては、GYAG蛍光体と称される以下の一般式(m1)で表される蛍光体や、LuAG蛍光体と称される以下の一般式(m2)で表される蛍光体があげられるが、これらに限られるものではない。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(m1)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(m2)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
第一の発明における第一の実施態様に係る発光装置は、上記要件を充足することで、実用化に耐え得る優れたビニング特性を有した発光装置となる。発光装置の光源となる青色半導体発光素子において、発光ピーク波長のばらつきは通常10nm程度であることが多い。第一の発明における第一の実施態様に係る発光装置は、このような光源となる青色半導体発光素子の発光ピーク波長のばらつきに対して、放射する光の色度変化が小さい、いわゆるビニング特性に優れた発光装置である。
このようなビニング特性に優れた発光装置は、上記一般式(Y1)で表わされる蛍光体Y及び上記一般式(G1)で表わされる蛍光体Gを併用することで達成することができる。
このことについて、蛍光体Yの代表例であるYAG蛍光体、および、蛍光体Gの代表例であるGYAG蛍光体を併用した場合について、図1を用いて説明する。
図1は、YAG、GYAG、SCASN、CASNそれぞれの蛍光体について、励起波長を430nmから470nmまで変化させたときの、励起発光スペクトルの変化を示すグラフである。
図1から理解できるように、一般式(Y1)で表わされるYAGは、445nmから455nmまでの励起波長においては、励起波長が増加すると共にその発光強度が大きくなっている。
一方、一般式(G1)で表わされるGYAGは、445nmから455nmまでの励起波長においては、励起波長が増加すると共にその発光強度が小さくなっている。
このことから、一般式(Y1)で表わされる蛍光体Yと一般式(G1)で表わされる蛍光体Gを併用することで、第一の発明における第一の実施態様に係る発光装置のビニング特性を優れたものとすることが可能となる。
第一の発明に係る発光装置は、第二の実施態様として、波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が、0.25以下であることが好ましい。
上記波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起
スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。なお、励起スペクトル強度変化率は、発光波長540nmでの強度を用いて算出される。
本発明者らは、どのような励起波長においてどの程度の強度の光を蛍光体が発するかを示す、蛍光体の励起スペクトル強度に着目し、特に、青色半導体発光素子が発する光の波長である450nmの光付近における励起スペクトル強度を詳細に検討した。その結果、波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が、0.25以下であることで、良好なビニング特性に加え、高い全光束を達成できることに想到した。
励起スペクトル強度が大きく変化することで、励起波長が変化した場合に当該蛍光体が発する蛍光強度が大きく変化し、発光装置が出射する光の色度にズレが生じる。本実施態様においては、波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を0.25以下とすることで、波長変換部材から放出される光の色度のズレを抑制した。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.24以下とすることが好ましく、0.23以下とすることがより好ましい。
また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。励起スペクトル強度変化率が0.03以下であると、励起波長が変化した場合の発光スペクトル強度は同一となるが、明所視感度が異なるため実質的には、輝度や色度が変化する場合がある。
第一の発明における第三の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.23以下であることも好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(G2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.21以下とすることが好ましく、0.20以下とすることがより好ましい。
また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。
また、蛍光体がYAG蛍光体である場合、半値幅が100nm以上130nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。また、蛍光体GがGYAG蛍光体である場合、半値幅が105nm以上120nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。
第一の発明における第四の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下であることも好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y3)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G3)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.30以下とすることが好ましく、0.28以下とすることがより好ましい。
また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。
また、蛍光体がYAG蛍光体である場合、半値幅が100nm以上130nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。また、蛍光体GがLuAG蛍光体である場合、半値幅が30nm以上120nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。
また、第一の発明における第三および第四の実施態様において、
下記算出式(Z)により合成された励起スペクトルの強度変化率が0.15以下であることが好ましい。
合成励起スペクトルは、各波長における励起スペクトル強度が、下記算出式(Z)で表される励起スペクトルで、
合成励起スペクトル強度=(蛍光体Yの励起スペクトル強度)×(蛍光体Yの重量分率)+(蛍光体Gの励起スペクトル強度)×(蛍光体Gの重量分率) ・・・(Z)
蛍光体Yの重量分率は、蛍光体Y/(蛍光体Y+蛍光体G)で表される。
蛍光体Gの励起スペクトル強度変化率及び重量分率も同様に表される。
各励起スペクトル強度変化率は、励起スペクトルの450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから470nmの範囲における合成励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
本発明者らは、上記同様に、どのような励起波長においてどの程度の強度の光を蛍光体が発するかを示す、蛍光体の励起スペクトル強度に着目し、特に、青色半導体発光素子が発する光の波長である450nmの光付近における励起スペクトル強度を詳細に検討した。蛍光体YとGの合成励起スペクトル強度変化率を、第三および第四の実施態様のいずれにおいても0.15以下とすることで、蛍光体YとGが発する蛍光強度変化をトータルとして抑え、色度のズレを抑制した。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率を、上記第三および第四の実施態様において、それぞれ0.23、0.33以下とするためには、上記一般式(Z)で示される合成励起スペクトル強度変化率を、いずれの実施態様においても0.15以下とすればよく、これには、蛍光体Y及び蛍光体Gの種類、含有量を適宜調整すれば良い。
用いる蛍光体Yおよび/または蛍光体Gは、上記いずれの実施態様においても、合成励起スペクトル強度が0.15以下であれば、それぞれ単独の励起スペクトル強度変化率に制限はなく、蛍光体Yおよび/または蛍光体Gの合成励起スペクトル強度が単独で0.15以下であっても良い。
また、式(Z)で表される合成励起スペクトル強度変化率は、いずれの実施態様においても、0.14以下であることがより好ましく、0.12であることが更に好ましい。
また、励起スペクトル強度変化率は0.02以上であることが好ましく、0.04以上であることがより好ましい。
また、第一の発明における第一乃至第四の実施態様において、
前記蛍光体Yは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおけ
る励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも小さく、
前記蛍光体Gは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも大きいことが好ましい。
この条件を満たすことによって、励起波長が430nmから470nmへと変化した際に、励起波長以外の発光スペクトルが、蛍光体Gの寄与度が高い発光色から蛍光体Yの寄与度が高い発光色へと変化し、励起波長を含む実質的な発光色が励起波長に依存することなく常に一定とすることができる。
さらに、第一の発明における第一乃至第四の実施態様において、
下記一般式(B1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体を含むことが好ましい。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(B1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
上記450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体としては、例えば、下記一般式(B2)で示されるような、LuAG蛍光体のAlの一部をGaで置換することにより発光波長を500nm以上520nm以下へと調整した青緑色蛍光体が挙げられる(以下GLuAGと記載する場合がある)。
LuCeGaAl ・・・(B2)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦4.0、10.8≦j≦13.4)
該青緑色蛍光体を含むことによって、蛍光体Gと蛍光体Yでは再現できない500〜520nmの波長領域の発光強度を、励起波長変化に応じて調整可能となり、より良好なビニング特性が達成できる。
第一の発明における第一乃至第四の実施態様において、
蛍光体Yと蛍光体Gの組成比は、通常10:90以上、90:10以下であり、好ましくは12:88以上、88:12以下であり、さらに好ましくは15:85以上、85:15以下である。
この条件を満たすことによって、励起波長が変化した際の、励起光以外の発光スペクトルにおいて有意に形状を調整できる。上記範囲外だと調整可能な発光スペクトル形状が限定的で、ビニング特性が向上しない場合があり好ましくない。
第一の発明における第五の実施態様に用いられる波長変換部材は、
下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含み、
該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下である。
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G4)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
また、波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.30以下とすることが好ましく、0.28以下とすることがより好ましい。
また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。
第一乃至第五の実施態様に係る発光装置は、波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率上記の値以下、好ましくは式(Z)で表される合成励起スペクトル強度変化率を上記の値以下とすることで、おおよそ430nmから465nmの範囲において、良好なビニング効果を奏する。実用的な観点からは、青色半導体発光素子の発光波長を445nmから455nmに連続的に変化させたときに発光装置から放射される光の色度変化Δu’v ’が、Δu’v ’≦0.004を満たすことが好ましい。また、Δu’v ’≦0.0035を満たすことがより好ましい。
ただし、Δu’v ’は、445nmから455nmにおける任意の波長inmにおける色度(u’,v ’)と、445nmから455nmにおける色度の平均値(u’ave,v ’ave)の距離を表すものとする。
また、青色半導体発光素子の発光波長を435nmから470nmに連続的に変化させたときに発光装置から放射される光の色度変化Δu’v ’が、Δu’v ’≦0.015を満たすことが好ましい。また、Δu’v ’≦0.012を満たすことがより好ましい。
ただし、Δu’v ’は、435nmから470nmおける任意の波長inmにおける色度(u’,v ’)と、435nmから470nmにおける色度の平均値(u’ave,v ’ave)の距離を表すものとする。
発光装置の光源となる青色半導体発光素子において、発光ピーク波長のばらつきは通常±5nm程度であることが多い。また、もっともばらつきが大きい青色半導体発光素子であっても、±20nm程度である。第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る発光装置は、上記要件を充足することで、光源となる青色半導体発光素子の発光ピーク波長のばらつきに対して、放射する光の色度変化が小さい、いわゆるビニング特性に優れた発光装置となり、好ましい。
上記任意の波長inmにおいて発光装置が発する光の色度(u’,v’)、および特定領域の波長において発光装置が発する光の色度の平均値(u’ave,v’ave)は、CIE 1976UCS色度図に基づき算出される。具体的にはラブスフェア社製20inch積分球(LMS−200)及びCarl Zeiss社製分光器(Solid Lambda UV−Vis)を用いて発光装置が発する光のスペクトルを得、そのスペクトルを元に色度(u’,v’)を算出する。そして、算出された色度(u’,v’)をu’ v ’色度図上にプロットし、以下の数式により平均値(u’ave,v’ave)との距離を求め、色度変化Δu’v ’とする。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る発光装置においては、励起波長を少なくとも5nmごと、好ましくは3nmごと、より好ましくは2nmごと、更に好ましくは1nmごとに変化させて、発光装置が発する任意の波長inmにおける色度(u’,v’)を測定し、その平均値(u’ave,v’ave)を算出する。そして、波長inmにおける色度(u’,v’)と(u’ave,v ’ave)の距離を求める。
なお、発光装置が発する光の色度の平均値を測定する際に、波長を変化させる間隔は、一定であってもランダムであっても良い。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様において用いられる蛍光体の粒径は、通常
体積基準のメディアン径D50vが0.1μm以上のものが好ましく、1μm以上のものがより好ましく使用できる。また、30μm以下のものが好ましく、20μm以下のものがより好ましく使用できる。ここで体積基準のメディアン径D50vとは、レーザー回折・散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置を用いて、試料を測定し、粒度分布(累積分布)を求めたときの体積基準の相対粒子量が50%になる粒子径と定義される。測定方法としては例えば、超純水中に蛍光体を入れ、超音波分散器((株)カイジョ製)を用いて周波数を19KHz、超音波の強さを5Wとし、25秒間試料を超音波で分散させた後に、フローセルを用いて透過率88%から92%の範囲に調整し、凝集していないことを確認した上で、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所 LA−300)により、粒径範囲0.1μm〜600μmにて測定する方法が挙げられる。また、上述の方法では蛍光体粒子が凝集してしまう場合には、分散剤をもちいてもよく、例としてはタモール(BASF社製)などを0.0003重量%含む水溶液中に蛍光体を入れ、上述の方法と同様に超音波で分散させた上で測定してもよい。
粒子径の分布の度合いを示す指標としては、蛍光体の体積基準の平均粒子径Dと個数基準の平均粒子径Dの比(D/D)がある。本願発明においては、D/Dが1.0以上であることが好ましく、1.2以上がより好ましく、1.4以上がさらに好ましい。一方で、D/Dが25以下であることが好ましく、10以下がさらに好ましく、5以下が特に好ましい。D/Dが大きすぎる場合には重量が大きく異なる蛍光体粒子が存在することになり、蛍光体層中において蛍光体粒子の分散が不均一となる傾向がある。
また、蛍光体としては、その表面を第三成分により予めコーティングしたものを用いることも可能である。コーティングに用いる第三成分の種類、コーティングの手法は特に限定されず、公知の任意の第三成分及び手法を用いればよい。
第三成分としては、例えば、有機酸、無機酸、シラン処理剤、シリコーンオイル、流動パラフィン等が挙げられる。その中でもシランカップリング材(モノアルキルトリシラノール、ジアルキルジシラノール、トリアルキルシラノール、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシラン)、置換基を有するシロキサン、シリコーンなどが好ましい。これらの第三成分を用いて、蛍光体を表面処理、被覆することにより、樹脂等の波長変換部材への親和性、分散性、熱安定性、蛍光発色性等が改善される傾向にある。表面処理、被覆量としては、通常、100重量部の蛍光体あたり0.01〜10重量部であり、0.01重量部より少ないと親和性、分散性、熱安定性、蛍光発色性等の改善効果が得難く、10重量部より多くても熱安定性、機械的特性、蛍光発色性が低下するなどの不具合を生じやすくなる。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様において、波長変換部材中の蛍光体の含有量は、後述する光拡散材、樹脂の種類にもよるが、例えば、樹脂がポリカーボネート樹脂の場合、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、また、通常50重量部以下、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。蛍光体の含有量が少なすぎると蛍光体の波長変換効果が得難くなる傾向にあり、多すぎると機械的特性が低下する場合があり好ましくない。
また、例えば、樹脂がシリコーン樹脂の場合、シリコーン樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、また、通常80重量部以下、好ましくは60重量部以下、より好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは40重量部以下である。蛍光体の含有量が少なすぎると蛍光体の波長変換効果が得難くなる傾向にあり、多すぎると機械的特性が低下する場合があり好ましく
ない。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様において波長変換部材は、更に赤色蛍光体(第一の赤色蛍光体ともいう。)を含むことが好ましい。第一の赤色蛍光体を含むことで、発光装置が放出する光の演色性を向上させることが可能であり、また、発光装置の比較的低色温度での調整が容易となる。
第一の赤色蛍光体としては、その励起光波長が445nmから455nmに変化したときの励起スペクトルの強度変化が、455nmの励起光による励起スペクトルの5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。このような赤色蛍光体を用いることで、発光装置が有するビニング特性を十分なものとした上で、さらに演色性を向上させることが可能となる。なお、下限値は特段限定されず、0%以上である。
このような要件を満たす赤色蛍光体としては、(Sr,Ca)AlSiN:Eu、Ca1−xAl1−xSi1+x3−x:Eu、KSiF:Mn4+、Eu(Sr,Ca,Ba)1−y:Al1+xSi4−x7−x(但し、0≦x<4、0≦y<0.2)などが挙げられ、(Sr,Ca)AlSiN:Eu又はCa1−xAl1−xSi1+x3−x:Euであることが好ましい。
また、第一の赤色蛍光体として、発光ピーク波長が600nm以上640nm未満、かつ半値幅が2nm以上120nm以下である赤色蛍光体であることが好ましい。このような要件を満たす赤色蛍光体としては、(Sr,Ca)AlSiN:Eu、Ca1−xAl1−xSi1+x3−x:Eu、Eu(Sr,Ca,Ba)1−y:Al1+xSi4−x7−x(但し、0≦x<4、0≦y<0.2)、KSiF:Mn4+などが挙げられ、(Sr,Ca)AlSiN:Eu又はCa1−xAl1−xSi1+x3−x:Euであることが好ましい。
また、発光ピーク波長が600nm以上640nm未満、かつ半値幅が2nm以上120nm以下である第一の赤色蛍光体は、赤色蛍光体全量に対する組成重量比で30%以上含むことが好ましく、40%以上含むことがさらに好ましく、50%以上含むことが特に好ましい。また、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがさらに好ましく、85%以下であることが特に好ましい。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様では、上述の第一の赤色蛍光体に加えて、または第一の赤色蛍光体に換えて、赤色蛍光体(以下第二の赤色蛍光体ともいう。)を含むことが好ましい。2種類の赤色蛍光体を含むことがより好ましい。
第一の赤色蛍光体に加えて第二の赤色蛍光体を更に含むことで、蛍光体Xおよび蛍光体Yと合わせて、少なくとも4種類の蛍光体を含むこととなる。このように4種類の蛍光体を含む発光装置は、赤色蛍光体の添加による良好な演色性に加えて、高い変換効率を達成できる発光装置となるために選択し得る蛍光体の種類・量についての自由度が増加する。このことは、後述するシミュレーションの結果により説明される。
第二の赤色蛍光体としては、その励起光波長が445nmから455nmに変化したときの励起スペクトルの強度変化が、455nmの励起光による励起スペクトルの5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。
また、発光ピーク波長が640nm以上670nm以下、かつ半値幅が2nm以上120nm以下である赤色蛍光体が好ましい。このような蛍光体としては、CaAlSiN:Eu蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+蛍光体などが挙げられ、CaAlSiN:Eu蛍光体であることが好ましい。
第二の赤色蛍光体を含有させる場合には、本発明の効果を阻害しない限りその含有量は特段限定されないが、赤色蛍光体の総量に対しする組成重量比で0.0%以上、50.0
%以下であることが好ましい。
また、第二の赤色蛍光体を含有させる場合には、第一の赤色蛍光体と混合した場合に、その励起光波長が445nmから455nmに変化したときのその赤色蛍光体混合物の励起スペクトルの強度変化が、455nmの励起光による励起スペクトルの5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様では、波長変換部材に、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の既知の蛍光体を加えることもでき、そのような態様についても本発明の範囲に含まれる。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る波長変換部材は、透明材料を含む。透明材料としては、実質的に光を吸収することなく透過することができ、蛍光体を分散させる際に用いるものであれば特段限定されないが、1.3以上1.7以下の屈折率を有していることが好ましい。なお、透明材料の屈折率の測定方法は、以下の通りである。測定温度は20℃であり、プリズムカプラー法にて測定する。測定波長は450nmである。
以下の表1に、透明材料として一般的に用いられる樹脂の屈折率を記載する。なお、表1における各樹脂の屈折率は一般的な参考値であり、各樹脂の屈折率が必ずしも表1における値に限定されるわけではない。
上述した透明材料として用いられるこれらの樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの樹脂の共重合体であってもよい。
透明材料としては、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の樹脂、ガラス等を用途に応じて使用することができるが、ポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂が、透明性、耐熱性、機械的特性、難燃性に優れる点で、好ましく使用でき、汎用性の観点からポリカーボネート樹脂がより好ましく、耐熱性の観点からはシリコーン樹脂が好ましい。
以下に、ポリカーボネート樹脂について詳細に説明する。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様に用いられるポリカーボネート樹脂は、下記の一般的な化学式(1)で表される、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。
化学式(1)中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。なかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いてもよい。また、ポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;2,2'−ジヒドロキシ−1,1'−ビナフチル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;2,2'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)が好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4−テトラメチル−シクロブタン−1,3−ジオール等のシクロアルカンジオール類;2,2'−オキシジエタノール(即ち、エチレングリコール)、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4'−ビフェニルジメタノール、4,4'−ビフェニルジエタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;1,2−エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2−エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,3−エポキシノルボルナン、1,3−エポキシプロパン等の環状エーテル類が挙げられ、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が挙げられる。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲンや、ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適な、界面重合法及び溶融エステル交換法について具体的に説明する。
(界面重合法)
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限はないが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10重量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、ピリジン、グアニン、グアニジンの塩等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、メルカプタン、フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール、エポキシ基含有フェノール、o−オキシン安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
(溶融エステル交換法)
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率、エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常10,000以上、好ましくは16,000以上、より好ましくは18,000以上であり、また、通常40,000以下、好ましくは30,000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4Mv0.83から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記数式(1)により算出した値である。
ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常1,000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。これにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
ポリカーボネート樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)で用いてもよく、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラ
キノン構造を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマーまたはポリマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。他の熱可塑性樹脂と組み合わせて用いる場合は、樹脂成分中のポリカーボネート樹脂の割合が50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30重量%以下とすることが好ましい。
さらに、ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。前記の使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体;導光板;自動車窓ガラス、自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材;水ボトル等の容器;メガネレンズ;防音壁、ガラス窓、波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80重量%以下であることが好ましく、中でも50重量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
上述した透明材料には、本発明の特性を損なわない範囲において必要に応じて公知の各種添加剤を含有させることができる。例えば、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、滑剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、熱伝導性改良剤、導電性改良剤、着色剤、耐衝撃性改良剤、抗菌剤、耐薬品性改良剤、強化剤、レーザーマーキング改良剤、屈折率調整剤などが挙げられる。これらの添加剤の具体的な種類や量は、透明材料に対して公知の好適なものを選択することができる。
ここで、ポリカーボネート樹脂に配合する好ましい添加剤について例示する。
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。
なかでも、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチル
モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の有機ホスファイトが好ましい。
熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、通常0.0001重量部以上、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上であり、また、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下、さらに好ましくは0.1重量部以下である。熱安定剤が少なすぎると熱安定性改良効果が得難く、多すぎると逆に熱安定性が低下する場合がある。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上であり、また、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下である。酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、
テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族又は脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上であり、また、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系、リン系、有機酸金属塩系、シリコーン系、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、窒素化合物等の有機難燃剤及び無機難燃剤、難燃助剤としては、フッ素樹脂系難燃助剤が挙げられる。
難燃剤及び難燃助剤は併用することも可能であり、また、複数を組み合わせて使用することもできる。中でも好ましいのは、リン系難燃剤、有機酸金属塩系難燃剤、フッ素樹脂系
難燃助剤である。
リン系難燃剤としては芳香族リン酸エステルやリン原子と窒素原子の結合を主鎖に有するフェノキシホスファゼン、アミノホスファゼン等のホスファゼン化合物が挙げられる。
前記芳香族リン酸エステル系難燃剤の具体例としては、トリフェニルホスフェ−ト、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、4,4'−ビフェノールビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、ビスフェノールAビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェ−ト)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェ−ト)、4,4'−ビフェノールビス(ジフェニルホスフェ−ト)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェ−ト)等が挙げられる。難燃剤の含有量は、樹脂100重量部に対し、通常0.01〜30重量部である。
有機酸金属塩系難燃剤としては、有機スルホン酸金属塩が好ましく含フッ素の有機スルホン酸金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等を例示できる。
有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。窒素系化合物としては、例えば、メラミン、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等が挙げられる。無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
フッ素系難燃助剤としては、フルオロオレフィン樹脂が好ましく、フィブリル構造を有するテトラフルオロエチレン樹脂が例示できる。フッ素系難燃助剤はパウダー状でもディスパージョン状でも、フッ素樹脂を別の樹脂で被覆したパウダー状でも何れの形態であってもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらのうち、有機紫外線吸収剤が好ましく、中でもベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる傾向にある。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製(商品名、以下同じ)「シーソーブ701」、「シーソーブ702」、「シーソーブ703」、「シーソーブ704」、「シーソーブ705」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、アデカ社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
紫外線吸収剤の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、また、5重量部以下、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、耐候性の改良効果が不十分となる可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
次に、シリコーン樹脂について詳細に説明する。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様に用いられるシリコーン樹脂としては、特に制限はないが、可視光において吸収が少なければ少ないほど光の損失が少なくなり好ましい。また、液状シリコーン樹脂などが蛍光体との混合および波長変換部材への加工性という点で好ましい。特に液状シリコーン樹脂においては、ヒドロシリル化反応によって硬化する付加硬化タイプを用いることが、硬化時に副生成物が発生せず、金型内の圧力が異常に高くなることがないなどの問題がなく、成形品にヒケや気泡が生じにくい、さらには、硬化速度が速いため、成形サイクルを短くすることができるという点から特に好ましい。
付加硬化タイプの液状シリコーン樹脂は、ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(第1成分)、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(第2成分)および硬化触媒を含有する。
第1成分の典型例は分子内に2個以上のヒドロシリル基を有するポリジオルガノシロキサンであり、具体的には、両末端にヒドロシリル基を有するポリジオルガノシロキサン、両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリメチルヒドロシロキサン、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体等である。第2成分としては、1分子中にケイ素原子に結合したビニル基を少なくとも2個有するものが好ましく用いられる。第1成分と第2成分を兼用するオルガノポリシロキサン、すなわち、1分子中にヒドロシリル基とアルケニル基の両者を有するオルガノポリシロキサンが使用されることもある。また、第1成分および第2成分を単独で用いても良く2種以上の第1成分および/または第2成分を併用してもよい。
硬化触媒は、第1成分中のヒドロシリル基と第2成分中のアルケニル基との付加反応を促進するための触媒であり、その例としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。硬化触媒は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
さらに、シリコーン樹脂には、原料組成物にチキソトロピー性を付与する目的でフュー
ムドシリカを添加することができる。
フュームドシリカは50m/g以上という大きな比表面積を有する超微粒子であり、市販されているものとしては、日本アエロジル(株)のアエロジル(登録商標)、旭化成ワッカーシリコーン(株)のWACKER HDK(登録商標)などが挙げられる。チキソトロピー性の付与は、蛍光体の沈降により原料組成物の組成が不均一化するのを防止するうえで有効である。
特に、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、ジメチルシリコーン鎖などで表面修飾した疎水性フュームドシリカを用いると、過度な増粘を引き起こすことなく、原料組成物にチキシトロピー性を付与できる。換言すれば、射出成形に適した高い流動性と、蛍光体の沈降防止効果の両方を備えた原料組成物を得ることができる。
フュームドシリカの添加量に特に制限はないが、シリコーン樹脂100重量部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは0.5重量部以上、特に好ましくは1重量部以上であり、通常20重量部以下、好ましく18重量部以下、特に好ましくは15重量部以下である。0.1重量部より少ないと、射出成形に適した高い流動性と、蛍光体の沈降防止効果を十分に得られず、好ましくなく、20重量部より多いと、粘度高く射出成形時に十分な流動性が得られず好ましくない。
その他、原料組成物には必要に応じて、硬化速度制御剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定性改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、離型剤などの添加物を加えることができる。
第一の発明における第一乃至第五の実施態様の波長変換部材は、拡散材を含有してもよい。拡散材を含有することで、波長変換部材に光拡散性を発現させることが可能である。
拡散材を含有する場合は、無機系光拡散材、有機系光拡散材又は気泡を含有することが好ましい。
無機系光拡散材の具体例としては、二酸化ケイ素(シリカ)、ホワイトカーボン、溶融シリカ、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸アルミ化ナトリウム、珪酸亜鉛、硫化亜鉛、ガラス粒子、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、ワラストナイト、ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、カオリン、チタン酸カリウム等の材料が挙げられる。
これらの無機系光拡散材は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、メチルハイドロジェンポリシロキサン、脂肪酸含有炭化水素化合物等の各種表面処理剤で処理されたものであっても良く、表面を不活性な無機化合物で被覆されたものでもよい。
有機系光拡散材としては、スチレン系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、シロキサン系(共)重合体、ポリアミド系(共)重合体等の材料が挙げられる。これら、有機系拡散材の分子の一部又は全部は、架橋していても架橋していなくてもよい。ここで、「(共)重合体」とは「重合体」及び「共重合体」の双方を意味する。
拡散材としては、シリカ、ガラス、炭酸カルシウム、マイカ、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共)重合体粒子からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、さらに平均粒子径が1μm以上であることが好ましく、30μm以下であることが好ましい。なお、平均粒子径は、積算重量百分率、粒度分布計等により測定した粒子径である。
また、拡散材としては、モース硬度が8未満であることが好ましく、7未満であることが更に好ましい。このような硬度の拡散材を用いることで、成形体の変色が抑えられ、また、容器を傷つけることなく不純物が混じらない。
また、拡散材としては、その長径Lと短径Dとの比L/Dが200以下であることが好ましい。このような範囲の拡散材を用いることで、成形体の変色が抑えられ、また、容器を傷つけることなく不純物が混じらない。L/Dは50以下であることがより好ましい。
また拡散材により波長変換部材の透過率を調整する際には、例えば、平均粒子径が小さい拡散材を添加する、透明材料との屈折率差が大きい拡散材を添加する、あるいは、拡散材の添加量を増やすことにより波長変換部材の透過率を下げることによる調整ができる。拡散材の平均粒子径は通常100μm以下で、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは0.1〜15μm、更に好ましくは1〜5μmである。
上述した材料のうち、少量で光拡散効果を大きくするためには、透明材料の屈折率と選択した拡散材の屈折率との差が大きい材料を選ぶことが好ましい。また、発光効率を大きく低下させないためには、高い透明性を有している材料を選ぶことが好ましい。
例えば、透明材料がポリカーボネート樹脂の場合、拡散材としては架橋アクリル系(共)重合体粒子、アクリル系化合物とスチレン系化合物の共重合体の架橋粒子、シロキサン系(共)重合体粒子、アクリル系化合物とケイ素原子を含む化合物のハイブリッド型架橋粒子を用いることが好ましく、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共)重合体粒子を用いることがより好ましい。
架橋アクリル系(共)重合体粒子としては、非架橋性アクリルモノマーと架橋性モノマーからなる重合体粒子がより好ましく、メチルメタクリレートとトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが架橋した重合体粒子がさらに好ましい。シロキサン系(共)重合体としては、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子がより好ましく、ポリメチルシルセキスキオキサン粒子がさらに好ましい。
本発明においては、とりわけポリメチルシルセスキオキサン粒子が、熱安定性に優れる点で好ましい。
波長変換部材中での拡散材の分散形状は、略球状、板状、針状、不定形の何れでもよいが、光散乱効果に異方性がない点で、略球状であることが好ましい。拡散材の平均的な寸法は、通常100μm以下であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、また、通常0.01μm以上であり、好ましくは0.1μm以上である。拡散材の平均的な寸法が上記範囲から外れる場合は、拡散材の微妙な含有量の差異や粒子径の差異によって光拡散性が大きく変動しやすくなり、光拡散性を安定的にコントロールすることが難しくなり、本発明で必要とされる十分な光拡散性を発揮することが困難となる場合がある。また、これにより、結果的に波長変換効率を好ましい範囲で安定制御することが難しくなる可能性が生じる。ここで、拡散材の平均的な寸法とは、体積基準による50%平均寸法であり、レーザー又は回折散乱法によって測定される体積基準粒度分布のメジアン径(D50)の値である。
また、拡散材の粒径分布は、単分散系でも、幾つかのピークトップを有する多分散系であってもよく、また、1つのピークトップであって、その粒径分布が狭くても広くてもよいが、好ましくは粒径分布が狭くほぼ単一の粒径であること(単分散又は単分散に近い粒径分布)が好ましい。
拡散材の粒子径の分布の度合いを示す指標としては、拡散材の体積基準の平均粒子径Dと個数基準の平均粒子径Dの比(D/D)がある。本願発明においては、D
が1.0以上であることが好ましい。一方で、D/Dが5以下であることが好ましい。D/Dが大きすぎる場合には重量が大きく異なる拡散材が存在することになり、波長変換部材中において拡散材の分散が不均一となる傾向がある。
上述した拡散材として用いられる無機系光拡散材、有機系光拡散材、及び気泡は、1種類を単独で用いてもよく、材質や寸法の異なるものを2種類以上組み合わせて用いてもよい。2種類以上を組み合わせて用いる場合に、拡散材の屈折率は、複数の拡散材の体積平均によって算出される。
拡散材の屈折率は、1.0以上1.9以下であることが好ましい。また、拡散材は、透明性が高く、光透過性に優れることが好ましく、例えば、消衰係数が10−2以下であってもよく、好ましくは10−3以下であり、更に好ましくは10−4以下であり、特に好ましくは10−6以下である。なお、拡散材の屈折率は、YOSHIYAMAらの液浸法(エアロゾル研究 Vol.9, No.1 Spring pp.44-50 (1994))によって測定することができる。測定温度は20℃、測定波長は450nmである。
以下の表2に、拡散材として一般的に用いられる材料の屈折率を記載する。なお、表2における各材料の屈折率は一般的な参考値であり、各材料の屈折率が必ずしも表2における値に限定されるわけではない。
波長変換部材中の拡散材の含有量は、透明材料の種類にもよるが、例えば、透明材料がポリカーボネート樹脂で、拡散材がポリメチルシルセスキオキサン粒子である場合、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは0.3重量
部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、また、通常10.0重量部以下、好ましくは7.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下である。拡散材の含有量が少なすぎると拡散効果が不十分となり、多すぎると機械的特定が低下する場合があり好ましくない。
本発明の第二の発明は、波長変換部材に係る発明であり、その第一の実施態様は、
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
透明材料と、を含む、波長変換部材である。
第二の発明おける第一乃至第五の実施態様に係る波長変換部材は、励起光を一部または全部吸収し、他の波長へと変換することができる部材である。波長変換部材の構成については、それぞれ、第一の発明における第一乃至第五の実施態様の説明が適用される。
波長変換部材の製造方法は特に限定されず、公知の手法を用いればよい。例えば、透明材料がポリカーボネート樹脂の場合の一般的な製造方法は次の通りである。
ポリカーボネート樹脂に蛍光体、及び必要に応じて配合される拡散材などのその他の成分を加え、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機で混合する。混合は全原料一括混合でも、幾つかの原料を分割して混合してもよい。その後に、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練して樹脂組成物ペレットを得る。
透明材料がポリカーボネート樹脂の場合で、気泡以外の拡散材を含有させる場合について、さらに詳しく好ましい条件を例示する。
ポリカーボネート樹脂と蛍光体、拡散材、その他添加剤をタンブラーミキサーで混合後、単軸或いは二軸押出機を用いて溶融混練する。溶融混練条件としては、剪段力を加え過ぎない様に、スクリューとして順送りのフライトスクリューエレメントを中心に構成されたスクリューを使用する。逆送りのフライトスクリュー、ニーディングスクリューエレメントなどの剪段力を強く負荷するスクリューエレメントの多用は、樹脂の変色を招き好ましくない。また、蛍光体が固い場合、スクリュー、シリンダーの材質として、削れ難い耐摩処理の施された材質のものを用いることが好ましい。
また、混練温度は230〜340℃の範囲が好ましい。実測樹脂温度として340℃を超えると変色しやすくなるため好ましくなく、樹脂温度が230℃未満ではポリカーボネート樹脂の溶融粘度が高過ぎて押出機への機械的負荷が大きくなり好ましくない。特に好ましい混練温度は240〜300℃の範囲である。
スクリュー回転数、吐出量は生産速度、押出機への負荷、樹脂ペレットの状態を鑑みて適宜選択すればよい。また、押出機には原料と共に巻き込んだ空気、加熱により発生したガスを押出機系外に放出するベント構造を1カ所以上設置することが好ましい。
以上により得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットを用いて、波長変換部材を成形する。
波長変形部材の成形方法は特段限定されず、要求される仕様に従い、公知の方法により成形すれば良い。例えば、シート・フィルムなどの押出成形、異型押出成形、真空成形、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、回転成形、発泡成形などが挙げられる。中でも、射出成形法を採用することが好ましい。さらに、必要に応じてその成形体を更に溶着、接着、切削など加工することもできる。また、拡散材が気泡の場合は、発泡剤配合、窒素ガス注入、超臨界ガス注入などの手法により部材内に気泡を構成させればよい。
波長変換部材は、蛍光体組成物のみから成形される波長変換部材の態様でもよく、ガラスやアクリル板などの透明基板上に蛍光体組成物を塗布することで成形し、波長変換部材としても良い。
なお、上記ポリカーボネート樹脂組成物ペレットは、本発明の第三の発明である蛍光体組成物の一例である。
本発明の第三の発明は、蛍光体組成物に係る発明であり、第三の発明における第一の実施態様は、
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
透明材料と、を含む蛍光体組成物である。
蛍光体組成物は、ペレット状のものに限られないが、流通性や取扱いの容易性からペレット状が好ましい。第三の発明における第一乃至第五の実施態様に係る蛍光体組成物を波長変換部材に成形する方法は、上記それぞれ第二の発明における第一乃至第五の実施態様の説明が適用され、また、蛍光体組成物の構成については、それぞれ第一の発明における第一乃至第五の実施態様の説明が適用される。
また、本発明の第四の発明は、蛍光体混合物に係る発明であり、その第一の実施態様は、
下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含む蛍光体混合物である。
(Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
(x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
また、第二の実施態様として、
蛍光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が、0.40以下であることが好ましい。
上記蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける蛍光体混合物の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。なお、励起スペクトル強度変化率は、発光波長540nmでの強度を用いて算出される。
なお、励起スペクトル強度変化率は、蛍光体混合物の励起スペクトルを、室温(25℃)において、日立製作所製蛍光分光光度計F−4500を用いて測定することにより求めることができる。より具体的には、540nmの発光ピークをモニターして、430nm以上470nm以下の波長範囲内の励起スペクトルを得、さらに、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、励起波長を430nmから470nmまで変化させたときの、励起スペクトルの強度変化を算出することにより得られる。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.36以下とすることが好ましく、0.33以下とすることがより好ましい。この範囲とすることにより励起波長変化に応じた発光スペクトルの急激な変化が抑えられ、良好なビニング特性が得られる。また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。励起スペクトルが0.03以下だと、励起波長が変化した場合の発光スペクトル強度は同一となるが、明所視感度が異なるため実質的には、輝度や色度が変化する場合があり好ましくない。
また、第三の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.30以下であることも好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(G2)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
上記蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。なお、励起スペクトル強度変化率は、発光波長540nmでの強度を用いて算出される。
なお、励起スペクトル強度変化率は、上記同様に測定することができる。より具体的には、540nmの発光ピークをモニターして、435nm以上470nm以下の波長範囲内の励起スペクトルを得、さらに、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、励起波長を435nmから470nmまで変化させたときの、励起スペクトルの強度変化を算出することにより得られる。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.28以下とすることが好ましく、0.25以下とすることがより好ましい。この範囲とすることにより励起波長変化に応じた発光スペクトルの急激な変化が抑えられ、良好なビニング特性が得られる。
また、励起スペクトル強度は0.03以上であることが望ましく、0.05以上であることがより好ましい。
また、蛍光体がYAG蛍光体である場合、半値幅が100nm以上130nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。また、蛍光体GがGYAG蛍光体である場合、半値幅が105nm以上120nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。
また、第四の実施態様として、
前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.25以下であることも好ましい。
(Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc)Al ・・・(Y3)
(a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G3)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
上記蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。なお、励起スペクトル強度変化率は、発光波長540nmでの強度を用いて算出される。
なお、励起スペクトル強度変化率は、上記同様に測定することができる。より具体的には、540nmの発光ピークをモニターして、435nm以上465nm以下の波長範囲内の励起スペクトルを得、さらに、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、励起波長を435nmから465nmまで変化させたときの、励起スペクトルの強度変化を算出することにより得られる。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.23以下とすることが好ましく、0.20以下とすることがより好ましい。この範囲とすることにより励起波長変化に応じた発光スペクトルの急激な変化が抑えられ、良好なビニング特性が得られる。
また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。
また、蛍光体がYAG蛍光体である場合、半値幅が100nm以上130nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。また、蛍光体GがLuAG蛍光体である場合、半値幅が30nm以上120nm以下であることが、演色性の観点から好ましい。
また、第五の実施態様は、
下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gを含む、蛍光体混合物であって、
該蛍光体混合物の発光波長540nmでの励起スペクトル変化率が0.25以下である、蛍光体混合物である。
Lu(Ce,Tb,Y)(Ga,Sc)Al ・・・(G4)
(f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
なお、励起スペクトル強度変化率は、蛍光体混合物の励起スペクトルを、室温(25℃)において、日立製作所製蛍光分光光度計F−4500を用いて測定することにより求めることができる。より具体的には、540nmの発光ピークをモニターして、435nm以上465nm以下の波長範囲内の励起スペクトルを得、さらに、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、励起波長を435nmから465nmまで変化させたときの、励起スペクトルの強度変化を算出することにより得られる。
波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率は、0.23以下とすることが好ましく、0.20以下とすることがより好ましい。この範囲とすることにより励起波長変化に応じた発光スペクトルの急激な変化が抑えられ、良好なビニング特性が得られる。
また、励起スペクトル強度変化率は0.03以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。
第四の発明における第一乃至第五の実施態様に係る蛍光体混合物のその他の構成については、第一の発明における第一乃至第五の実施態様の説明が適用される。また、蛍光体混合物を、シリコーン樹脂、またはポリカーボネート樹脂と混練、成形して波長変換部材とする方法は、上記それぞれ第二の発明における第一乃至第五の実施態様の説明が適用される。具体的には、実施例に記載の方法によることもできる。
以下、本発明の第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る発光装置について、その構成について、図を用いて説明する。
図2は、第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る、波長変換部材を備えた発光装置の一例を示す模式図である。
半導体発光装置10は、その構成部材として、少なくとも青色半導体発光素子1と波長変換部材3を有する。青色半導体発光素子1は、波長変換部材3に含有される蛍光体を励起するための励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、通常ピーク波長が425nm〜475nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が430nm〜465nmの励起光を発する。青色半導体発光素子1の数は、装置が必要とする励起光の強さにより適宜設定することが可能である。
青色半導体発光素子1の代わりに、紫色半導体発光素子を用いることもできる。紫色半導体発光素子は、通常ピーク波長が390nm〜425nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が395〜415nmの励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、配線基板2のチップ実装面2aに実装される。配線基板2には、これら青色半導体発光素子1に電極を供給するための配線パターン(図示せず)が形成され、電気回路を構成する。図2中、配線基板2に波長変換部材3が載っているように表示されているがこの限りではなく、配線基板2と波長変換部材3が他の部材を介して配置されていても良い。
例えば図3では、配線基板2と波長変換部材3が、枠体4を介して配置される。枠体4は、光に指向性を持たせるために、テーパ状になっていてもよい。また、枠体4は反射材であってもよい。
配線基板2は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有し、かつ、反射率が高いことが好ましいが、配線基板2のチップ実装面上で青色半導体発光素子1の存在しない面上、もしくは配線基板2と波長変換部材3を接続する他の部材の内面の少なくとも一部に反射率の高い反射板を設ける事もできる。このような配線基板もしくは反射板の反射率としては、80%以上であることが好ましい。このような配線基板としては、アルミナ系セラミック、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などを用いることができる。また、配線基板2のチップ実装面2a上に設置する反射板としては、アルミナ粉末、シリカ粉末、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの白色顔料を含む樹脂を用いることができる。好ましい樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂等をあげることができる。
波長変換部材3は、青色半導体発光素子1が発する入射光の一部を波長変換し、入射光
とは異なる波長の出射光を放射する。波長変換部材3は、透明材料、及び蛍光体Gを含有し、好ましくは更に蛍光体Yを含有する。蛍光体が分散される樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
また、波長変換部材3中には、蛍光体とともに、少量の拡散材を含有させることが好ましい。拡散材としては、無機系光拡散材、有機系光拡散材又は気泡が挙げられる。拡散材としては、シリカ、ガラス、炭酸カルシウム、マイカ、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共)重合体粒子からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
また、波長変換部材3は、青色半導体発光素子1との間に距離を有する。すなわち波長変換部材3と青色半導体発光素子1とは離れて存在する。波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間は、空隙であってもよく、充填剤で充填されていても良い。このように、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間に距離を有する態様により、青色半導体発光素子1が発する熱によって波長変換部材3及び波長変換部材に含まれる蛍光体の劣化を抑制することができる。青色半導体発光素子1と波長変換部材3との間の距離は、10μm以上が好ましく、100μm以上がさらに好ましく、1.0mm以上が特に好ましい、一方、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との距離が大きくなりすぎると、波長変換部材の発光面積が拡大し、蛍光体使用量が増大してしまうため、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との距離は、1.0m以下が好ましく、500mm以下がさらに好ましく、100mm以下が特に好ましい。
発光装置10は、一般照明に用いる発光装置として好適に適用できる。
発光装置10は、一般照明装置に備えられ、白色光を発光する一般照明装置として用いられることが好ましい。このような用途に適用される場合、発光装置10は、発光装置から放射される光が、光色の黒体輻射軌跡からの偏差duvが−0.0200〜0.0200であり、かつ色温度が1800K以上、7000K以下であることが好ましく、5000K以下であることがより好ましい。
特に、色温度が2500K以上、3500K以下の温白色を発する発光装置において、優れたビニング特性を発揮する。
また、第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る発光装置は、高い演色性を有する光を出射する。第一の発明における第一乃至第五の実施態様の発光装置は、平均演色評価数Raが80以上であることが好ましく、82以上であることがより好ましく、85以上であることが更に好ましい。
また、発光装置10は、画像表示装置に備えられ、白色光を発光する画像表示装置として用いられることができる。このような用途に適用される場合、発光装置10は、発光装置から放射される光が、光色の黒体輻射軌跡からの偏差duvが−0.0200〜0.0200であり、かつ色温度が5000K以上、20000K以下であることが好ましく、15000K以下であることがより好ましい。
以下、実施例及びシミュレーションにより、本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様にのみ限られないことはいうまでもない。
<1.第一の実施態様>
<1−1−1.演色性と発光効率のシミュレーション1>
図4、表3は、本発明者らが行った一般式(m1)で示される蛍光体を用いた場合のシミュレーション結果であり、蛍光体の種類によって、発光装置が出射する光の演色性と発光効率がどのように変化するかを表している。
シミュレーションでは、ピーク波長453nmのチップを励起源として用い、YAG、GYAG、SCASN、CASN(それぞれ、後述する実験例で使用する蛍光体の発光スペクトル等の実測データを使用した。)の4種類の蛍光体のうち、3種類の蛍光体を用いて波長変換部材を構成した。そして、各蛍光体の含有比率を、波長変換部材からの発光色が2700Kとなるように調整することで、演色性と発光効率の関係がどのように変化するかをシミュレートした。
図4において、左側に位置する直線は、蛍光体としてYAG、GYAG及びCASNの
3種類を用いてシミュレートした場合を示し、発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係がトレードオフの関係となることを示す。右側に位置する直線は、蛍光体としてYAG、GYAG及びSCASNの3種類を用いた場合、上側に位置する直線は、蛍光体としてGYAG、SCASN及びCASNの3種類を用いた場合、下側に位置する直線は、蛍光体としてYAG、SCASN、CASNの3種類を用いた場合について、それぞれシミュレートした結果を示しており、いずれも発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係が、トレードオフの関係となる。
一方、左側の直線及び右側の直線は、YAG及びGYAGを含む本実施態様に係る発光装置が発する光の演色性及び光束を表わしているが、上側の直線及び下側の直線と比較して、直線の傾きが大きいことが理解できる。すなわち、発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係がトレードオフの関係となるものの、演色性の向上に伴う光束の低減が抑えられた発光装置であることが解る。
このように、YAG及びGYAGを含む本実施態様に係る発光装置は、良好なビニング特性に加え、高い演色性と変換効率を両立させることができる発光装置であることが理解できる。
加えて、本実施態様の好ましい実施態様に係る発光装置である、4種類の蛍光体を用いた発光装置の場合には、これらの4つの直線で囲まれた範囲内において、発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係を任意に設定することが可能となる。そのため、本実施態様の好ましい実施態様においては、ビニング特性を有し、かつ演色性と変換効率を両立させた発光装置を作製するための蛍光体選択の自由度が向上する。
<1−1−2.演色性と発光効率のシミュレーション2>
図5、表4は、本発明者らが行った一般式(m2)で示される蛍光体を用いた場合のシミュレーション結果であり、蛍光体の種類によって、発光装置が出射する光の演色性と発光効率がどのように変化するかを表している。
シミュレーションでは、ピーク波長453nmのチップを励起源として用い、YAG、LuAG、SCASN、CASN(それぞれ、後述する実験例で使用する蛍光体の発光スペクトル等の実測データを使用した。)の4種類の蛍光体を用いて波長変換部材を構成した。そして、各蛍光体の含有比率を、波長変換部材からの発光色が2700Kとなるように調整することで、演色性と発光効率の関係がどのように変化するかをシミュレートした。
図5において、左側に位置する直線は、蛍光体としてLuAG、SCASN及びCASNの3種類を用いてシミュレートした場合を示し、発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係がトレードオフの関係となることを示す。右側に位置する直線は、蛍光体としてYAG、CASN及びSCASNの3種類を用いた場合、上側に位置する直線は、蛍光体としてLuAG、YAG及びCASNの3種類を用いた場合、下側に位置する直線は、蛍光体としてLuAG、YAG及びSCASNの3種類を用いた場合について、それぞれシミュレートした結果を示しており、いずれも発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係が、トレードオフの関係となる。
一方、左側の直線及び右側の直線は、CASN及びSCASNを含む本発明の実施態様に係る発光装置が発する光の演色性及び光束を表わしているが、上側の直線及び下側の直線と比較して、直線の傾きが大きいことが理解できる。すなわち、発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係がトレードオフの関係となるものの、演色性の向上に伴う光束の低減が抑えられた発光装置であることが解る。
このように、YAG及びLuAGを含む本発明の実施態様に係る発光装置は、良好なビニング特性に加え、高い演色性と変換効率を両立させることができる発光装置であること
が理解できる。
加えて、本発明の好ましい実施態様に係る発光装置である、4種類の蛍光体を用いた発光装置の場合には、これらの4つの直線で囲まれた範囲内において、発光装置が発する光の演色性(CRI)と光の光束(Lumen)の関係を任意に設定することが可能となる。そのため、本発明の好ましい実施態様においては、ビニング特性を有し、かつ演色性と変換効率を両立させた発光装置を作製するための蛍光体選択の自由度が向上する。
<1−2.蛍光体の合成>
<1−2−1.蛍光体GYAG1〜4の合成>
次に、一般式(m1)で表される蛍光体のうち、YCeGaAl・・・(m3)で表わされる蛍光体について、cの値を変化させることで励起スペクトルがどのように変化するかを測定するために、後述する表6−1に示す5種類の蛍光体(YAG、GYAG1、GYAG2、GYAG3、GYAG4)を合成した。なお、a=2.94、b=0.06、c+d=5、e=12である。合成法は、Huhらの方法(Bull. Korean Chem. Soc. 2002, Vol.23, No.1, p.1435-1438)に従った。
<1−2−2.蛍光体LuAG1の合成>
蛍光体の各原料の仕込み組成が、Lu2.91Ce0.09Al5.012となるように、Luを409.57g、Alを180.33g、CeOを10.96g及びフラックスであるBaFを27.6gそれぞれ秤量し十分に攪拌混合を行った後、アルミナ坩堝に密充填した。これを温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、水素含有窒素雰囲気下で1500℃まで加熱した後、室温まで放冷し、篩処理、塩酸洗処理により上記蛍光体LuAG1(平均粒径12μm)を得た。
<1−2−3.蛍光体LuAG2の合成>
蛍光体の各原料の仕込み組成が、Lu2.85Ce0.15Al5.012となるように、Luを401.12g、Alを180.33g、CeOを18.27g及びフラックスであるBaFを27.6gそれぞれ秤量し十分に攪拌混合を行った後、アルミナ坩堝に密充填した。これを温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、水素含有窒素雰囲気下で1500℃まで加熱した後、室温まで放冷し、篩処理、塩酸洗処理により上記蛍光体LuAG2(平均粒径9μm)を得た。
<1−2−4.YAG蛍光体、GLuAG蛍光体、SCASN蛍光体、CASN蛍光体の合成>
特開2006−265542に記載されている製法で、YAG蛍光体およびGLuAG蛍光体を、特開2008−7751号公報に記載されている製法で、SCASN蛍光体を、特開2006−008721号公報に記載されている製法で、CASN蛍光体を得た。
<1−2−5.蛍光体の粒径および発光ピーク波長>
上記方法により合成した蛍光体の粒径および発光ピーク波長を表5に示す。なお、GYAG蛍光体についてはGYAG1のみ、LuAG蛍光体についてはLuAG1のみを示す。
<1−3−1.励起スペクトル強度の測定1>
上記の通り合成されたYAG蛍光体およびGYAG1〜4蛍光体の5種類の蛍光体について、発光スペクトルのピーク波長及び色度座標を測定した。その結果を表6−1に示す。
次に、蛍光体YAGおよび蛍光体GYAG1〜GYAG4について、励起スペクトルを、室温(25℃)において、日立製作所製蛍光分光光度計F−4500を用いて測定した。より具体的には、540nmの発光ピークをモニターして、430nm以上470nm以下の波長範囲内の励起スペクトルを得た。さらに、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、励起波長を430nmから470nmまで変化させたときの、励起スペクトルの強度変化を算出した。各蛍光体における励起強度変化曲線を図6−1に示す。
図6−1に示すように、一般式(m3)で表わされるGYAG蛍光体については、c=1.0の場合のように、cの値が小さい場合には、励起波長の長波長化に伴った規格化励起スペクトルの低下がほとんどなく、一般式(l)で表わされるYAG蛍光体の規格化励起スペクトルの増大に対応できない。一方、c=1.6の場合、2の場合、2.5の場合では、一般式(l)で表されるYAG蛍光体の規格化励起スペクトルの増大に対応している。
そのため、本発明の一般式(m3)で表わされるGYAGは、cの値が1.2以上2.6以下の場合に、優れたビニング特性を有する発光装置を提供することが可能となる。また、好ましくはcの値が2.4以下、さらに好ましくは1.8以下である。
次に、一般式(m1)で表される蛍光体のうち、Y(Ce,Tb,Lu)GaScAl・・・(m5)で表わされる蛍光体についてiの値を変化させることで励起スペクトルがどのように変化するかを測定するために、以下の表6−2に示す5種類の蛍光体(SC−1、SC−2、SC−3、SC−4、SC−5)を合成した。なお、f=2.88、g=0.12、h=0、k=12として、組成式Y2.88Ce0.09Tb0.03ScAl12で示される蛍光体を、原料にScを用い、Huhらの方法に従って合成した。
上記の通り合成された5種類の蛍光体について、発光スペクトルのピーク波長及び色度座標を測定した(表6−2)。また、励起光を440nmから460nmに変化させた際の蛍光体の規格化励起スペクトルを測定・算出した。なお、各蛍光体の450nmの励起光にて励起した際の規格化励起スペクトルの強度を1として、相対強度を求めた。結果を図6−2に示す。
<1−3−2.励起スペクトル強度の測定2>
次に、蛍光体YAGおよびLuAG1〜2について、波長範囲を430nmから465nmとしたこと以外は上記と同様にして、励起スペクトルの強度変化を算出した。各蛍光体における励起強度変化曲線を図7に示す。さらに図7には、YAG、及びLuAG1の各波長における励起スペクトル強度を50:50加重平均で算出した合成励起スペクトル強度変化を示す。
ここで、各蛍光体の、430nmから465nmの範囲におけるスペクトル強度変化率を求め、表7−1にまとめた。スペクトル強度変化率は、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、430nmから465nmの範囲におけるスペクトル強度の最大値−最小値で算出した。
図7および表7−1から理解できるように、一般式(l)で表わされるYAGは、430nmから465nmまでの励起波長においては、励起波長が増加すると共にその発光強度が大きくなっており、励起スペクトル強度変化率は15.4%である。
一方、一般式(m2)で表わされるLuAG1及びLuAG2は、450nm付近にピ
ークがあり、山型の励起スペクトル強度を示す。また、それぞれの励起スペクトル強度変化率は、10.2%、及び8.6%である。
さらに、一般式(l)で表わされるYAGと一般式(m2)で表わされるLuAG1の50:50加重平均で算出した合成励起スペクトルのスペクトル強度変化率は、11.1%である。
このように、一般式(X)で表わされる緑色蛍光体を含有することで、あるいは一般式(X)で表される黄色蛍光体と緑色蛍光体とをある所望の割合で併用することで、合成励起スペクトル強度変化率を12%以下に調整することができる。
合成励起スペクトル強度変化率を12%以下に調製するためには、例えば、励起スペクトル強度変化率が12%以下である蛍光体Gを用いることでよい。
更に蛍光体Yを含有させる場合には、励起スペクトル強度変化率が共に12%以下である蛍光体Y及び蛍光体Gを使用することが好ましい。乃至は、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値が450nm以上にある蛍光体Yと、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最小値が450nm以上にある蛍光体Gとを用いることが好ましい。
<1−3−3.励起スペクトル強度の測定3>
次に、蛍光体YAG、GYAG1およびLuAG1について、波長範囲を430nmから470nmとしたこと以外は上記と同様にして、励起スペクトルの強度変化を算出した。各蛍光体における励起強度変化曲線を図8に示す。
ここで、各蛍光体の、430nmから470nmの範囲におけるスペクトル強度変化率を求め、表7−2にまとめた。スペクトル強度変化率は、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、430nmから470nmの範囲におけるスペクトル強度の最大値−最小値で算出した。
さらに、表8には、一般式(l)で表されるYAG、一般式(m1)で表されるGYAG1、一般式(m2)で表されるLuAG1の各重量分率における合成励起スペクトルのスペクトル強度変化率を示した。
ここで、スペクトル強度変化率は、励起波長450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とし、430nmから470nmの範囲におけるスペクトル強度の最大値−最小値で算出した。
このように、一般式(m1)で表わされるGYAG蛍光体を含有することで、あるいは一般式(l)で表される蛍光体Yと該蛍光体GYAGとをある所望の割合で併用することで、合成励起スペクトル強度変化率を15%以下に調整することができる。
合成励起スペクトル強度変化率を15%以下に調整するためには、例えば、励起スペクトル強度変化率が15%以下である蛍光体Gを用いることでよい。
更に蛍光体Yを含有させる場合には、励起スペクトル強度変化率が共に15%以下である蛍光体Y及び蛍光体Gを使用することが好ましい。乃至は、430nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値が450nm以上にある蛍光体Yと、430nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最小値が450nm以上にある蛍光体Gとを用いることが好ましい。
<1−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>
表9に示す蛍光体混合例1〜11に記載した重量比で、各蛍光体を総量10gとなるように秤量して混合した。
樹脂Aを用いている実験例1〜3、9〜12については、表10に示す重量比で、各材
料を総重量10gとなるように秤量し、EME社製真空脱泡混練機V-mini300を用いて室温下、1200rpmで3分間脱泡混練し、蛍光体含有シリコーン樹脂組成物を得た。
樹脂Bを用いている実験例4〜8については、表10に示す重量比で、各材料を総重量50gとなるように秤量し、東洋精機社製ラボプラストミル10C100、ミキサータイプ(R60)を用いて260℃、100rpmで5分間溶融混練し、それぞれ蛍光体含有ポリカーボネート樹脂組成物を得た。
上記蛍光体GYAG1について、組成分析を実施したところ、表11に示すとおりであった。また、表11で得られた分析結果からモル比を計算した。結果を表12に、仕込時のモル比と共に示す。
次に、実験例1〜3、9〜12に係る蛍光体含有シリコーン樹脂組成物を62mmΦ厚み1mmとなるよう注型し、150℃5分、続いて200℃20分加熱硬化することで成形し、光学特性用試験片を得、実験例4〜8に係る蛍光体含有ポリカーボネート樹脂組成物を120℃で2時間真空乾燥後、熱プレス成型機(例えば井元製作所社製)を用いて260℃、4MPa、2分溶融プレスし、続いて水冷プレス機(例えば井元製作所社製)を用いて20℃、1MPaで5分間冷却し、厚さ1.2mmのシートを作製する。得られたシートから15mmφの円板形状で試験片を打ち抜いた。
得られた厚み円板試験片に対して、日立分光蛍光光度計F−4500を用いて発光波長540nmでの励起スペクトル強度測定を430nmから470nmの範囲で行い、励起スペクトル強度変化率を算出した。得られた励起スペクトル強度を図9−1〜9−3及び表13に示した。また表14〜16には、各実験例において、該スペクトルより算出した435nmから465nmの範囲、435nmから470nmの範囲、および430nmから465nmの範囲における、励起スペクトル強度変化率をそれぞれ示した。
<1−5.発光特性>
さらに、得られた円板試験片に対して、LEDチップ(ピーク波長450nm)から発光させた青色光を照射することで白色光を得ることができる発光装置を作製した。その装置から発光スペクトルをSphereOptics社製20inch積分球およびOceanOptics社製分光器USB2000を用いて観測し、色度、光束(lumen)、Raを計測した。測定結果を表17に示す。
<1−6.Δu’v ’の測定>
次に、実験例1〜12で作製した発光装置について、励起光源をキセノン分光光源に変更し、励起波長を445nm〜455nmまで変化させた際の、色度の変化Δu’v ’
を測定した。分光光源はスペクトラコープ社製を用い、ラブスフェア社製20inch積分球(LMS−200)及びCarl Zeiss社製分光器(Solid LambdaUV−Vis)によって色度の変化を観測した。励起波長が445nm、448nm、450nm、452nm、454nm、455nmの場合における色度をそれぞれ測定し、その平均値(u’ave,v’ave)を計算し、平均値との距離を測定した。
結果を表18および図10−1〜10−3に示す。
また、実験例1〜12で作製した半導体発光装置について、励起光源をキセノン分光光源に変更し、励起波長を425nm〜475nmまで変化させた際の、色度の変化Δu’v ’を測定した。分光光源はスペクトラコープ社製を用い、ラブスフェア社製20inch積分球(LMS−200)及びCarl Zeiss社製分光器(Solid Lambda UV−Vis)によって色度の変化を観測した。励起波長が430nm、440nm、450nm、460nm、470nmの場合、又は、425nm、435nm、445nm、455nm、465nm、475nmの場合における色度をそれぞれ測定し、その平均値(u’ave,v ’ave)を計算し、平均値との距離を測定した。
結果を表19、20、および図11−1〜11−2に示す。
以上より、第一の発明における第一乃至第五の実施態様に係る発光装置は、高い演色性を維持しつつ、高い全光束(発光効率)を達成できることが理解される。また、図10−1〜10−3及び図11−1〜11−2から、本発明の発光装置は、良好なビニング特性を奏することが理解される。
<1−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>
実験例13〜22として、蛍光体混合例1〜7および9〜11に記載した重量比で、各蛍光体を総量1gとなるように秤量して混合した。得られた混合粉(蛍光体のみからなる混合物であって、透明材料を含まない。)をそれぞれ日立分光蛍光光度計F−4500を用いて発光波長540nmでの励起スペクトル強度測定を430nmから470nmの範囲で行い、励起スペクトル強度変化率を算出した。得られた励起スペクトル強度を図12−1〜12−3及び表21に示した。また表22には、各実験例において、該スペクトルより算出した430nmから470nmの範囲、435nmから470nmの範囲、及び、435nmから465nmの範囲における、励起スペクトル強度変化率をそれぞれ示した。
<2.第二の実施態様>
本実施態様における実施例は、上述した第一の実施態様における実施例の説明が適用される。
<3.第三の実施態様>
<3−1.演色性と発光効率のシミュレーション>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−1−1.演色性と発光効率のシミュレーション1>の説明が適用される。
<3−2.蛍光体の合成>
本実施態様における蛍光体の合成については、上述した第一の実施態様における<1−2−1.蛍光体GYAG1〜4の合成>、<1−2−4.YAG蛍光体、GLuAG蛍光体、SCASN蛍光体、CASN蛍光体の合成>の説明が適用される。
また、蛍光体の粒径および発光ピーク波長については、上述した第一の実施態様における<1−2−5.蛍光体の粒径および発光ピーク波長>に記載したGYAG1、GLuAG、YAG、SCASN、CASNの説明が適用される。
<3−3.励起スペクトル強度の測定>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−3−1.励起スペクトル強度の測定1>および<1−3−3.励起スペクトル強度の測定3>に記載したGYAG1およびYAGの説明が適用される。
<3−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>に記載した蛍光体混合例3〜11および実験例4〜9の説明が適用される。
<3−5.発光特性>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−5.発光特性>に記載した実験例4〜8の説明が適用される。
<3−6.Δu’v ’の測定>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−6.Δu’v ’の測定>に記載した実験例4〜8の説明が適用される。
<3−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>に記載した実験例15〜20の説明が適用される。
<4.第四の実施態様>
<4−1.演色性と発光効率のシミュレーション>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−1−2.演色性と発光効率のシミュレーション2>の説明が適用される。
<4−2.蛍光体の合成>
本実施態様における蛍光体の合成については、上述した第一の実施態様における<1−2−2.蛍光体LuAG1の合成>、<1−2−3.蛍光体LuAG2の合成>、<1−2−4.YAG蛍光体、GLuAG蛍光体、SCASN蛍光体、CASN蛍光体の合成>の説明が適用される。
また、蛍光体の粒径および発光ピーク波長については、上述した第一の実施態様における<1−2−5.蛍光体の粒径および発光ピーク波長>に記載したLuAG1、GLuAG、YAG、SCASN、CASN説明が適用される。
<4−3.励起スペクトル強度の測定>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−3−2.励起スペクトル強度の測定2>および<1−3−3.励起スペクトル強度の測定3>に記載したLuAG1およびYAGの説明が適用される。
<4−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>に記載した蛍光体混合例1、2、8〜10および実験例1〜3の説明が適用される。
<4−5.発光特性>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−5.発光特性>に記載した実験例1〜3の説明が適用される。
<4−6.Δu’v ’の測定>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−6.Δu’v ’の測定>に記載した実験例1〜3の説明が適用される。
<4−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>に記載した実験例13、14、20の説明が適用される。
<5.第五の実施態様>
<5−1.演色性と発光効率のシミュレーション>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−1−2.演色性と発光効率のシミュレーション2>の説明が適用される。
<5−2.蛍光体の合成>
本実施態様における蛍光体の合成については、上述した第一の実施態様における<1−2−2.蛍光体LuAG1の合成>、<1−2−3.蛍光体LuAG2の合成>、<1−2−4.YAG蛍光体、GLuAG蛍光体、SCASN蛍光体、CASN蛍光体の合成>の説明が適用される。
また、蛍光体の粒径および発光ピーク波長については、上述した第一の実施態様における<1−2−5.蛍光体の粒径および発光ピーク波長>に記載したLuAG1、YAG、SCASN、CASNの説明が適用される。
<5−3.励起スペクトル強度の測定>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−3−2.励起スペクトル強度の測定2>および<1−3−3.励起スペクトル強度の測定3>に記載したLuAG1およびYAGの説明が適用される。
<5−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−4.波長変換部材、及び発光装置の製造>に記載した蛍光体混合例1、2、8、9および実験例1〜3の説明が適用される。
<5−5.発光特性>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−5.発光特性>に記載した実験例1〜3の説明が適用される。
<5−6.Δu’v ’の測定>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−6.Δu’v ’の測定>に記載した実験例1〜3の説明が適用される。
<5−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>
本実施態様においては、上述した第一の実施態様における<1−7.蛍光体混合物の励起スペクトル強度変化率>に記載した実験例13、14、20の説明が適用される。
10 発光装置
1 青色半導体発光素子
2 配線基板
2a チップ実装面
3 波長変換部材
4 枠体

Claims (12)

  1. 下記一般式(Y1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が540nm以上570nm以下である蛍光体Yと、
    (Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(Y1)
    (x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
    下記一般式(G1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
    (Y,Ce,Tb,Lu)(Ga,Sc,Al) ・・・(G1)
    (x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
    透明材料と、を含む、波長変換部材であって、
    発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.25以下であり、かつ、波長変換部材の光放出部全体にわたり前記蛍光体Yと前記蛍光体Gは互いに混合された状態で存在する、波長変換部材。 但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
  2. 前記蛍光体Yが、下記一般式(Y2)で示される蛍光体であり、
    前記蛍光体Gが、下記一般式(G2)で示される蛍光体であり、
    前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.23以下である、請求項1に記載の波長変換部材。
    a(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)cAlde ・・・(Y2)
    (a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
    a(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)cAlde ・・・(G2)
    (a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、1.2≦c≦2.6、10.8≦e≦13.4)
    但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、435nmから470nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
  3. 前記蛍光体Yが、下記一般式(Y3)で示される蛍光体であり、
    前記蛍光体Gが、下記一般式(G3)で示される蛍光体であり、
    前記波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下である、請求項1に記載の波長変換部材。
    a(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)cAlde ・・・(Y3)
    (a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)
    Luf(Ce,Tb,Y)g(Ga,Sc)hAlij ・・・(G3)
    (f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
    但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
  4. 前記蛍光体Yは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも小さく、
    前記蛍光体Gは、発光波長540nmでの励起スペクトルにおいて、430nmにおける励起スペクトル強度が470nmにおける励起スペクトル強度よりも大きい、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  5. さらに、下記一般式(B1)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が500nm以上520nm以下である青緑色蛍光体を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の波長変換部材。
    (Y,Ce,Tb,Lu)x(Ga,Sc,Al)yz ・・・(B1)
    (x=3、4.5≦y≦5.5、10.8≦z≦13.4)
  6. 前記蛍光体Yと前記蛍光体Gの組成比が、10:90以上、90:10以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  7. 下記算出式(Z)により合成された励起スペクトルの強度変化率が0.15以下である、請求項2または3に記載の波長変換部材。
    合成励起スペクトルは、各波長における励起スペクトル強度が、下記算出式(Z)で表される励起スペクトルで、
    合成励起スペクトル強度=(蛍光体Yの励起スペクトル強度)×(蛍光体Yの重量分率)+(蛍光体Gの励起スペクトル強度)×(蛍光体Gの重量分率) ・・・(Z)
    蛍光体Yの重量分率は、蛍光体Y/(蛍光体Y+蛍光体G)で表される。
    蛍光体Gの励起スペクトル強度変化率及び重量分率も同様に表される。
    各励起スペクトル強度変化率は、励起スペクトルの450nmにおける励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから470nmの範囲における合成励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
  8. 下記一般式(G4)で示され、450nmで励起した時の発光波長スペクトルのピーク波長が520nm以上540nm以下である蛍光体Gと、
    透明材料と、を含む、波長変換部材であって、
    該波長変換部材の発光波長540nmでの励起スペクトル強度変化率が0.33以下である、波長変換部材。
    Luf(Ce,Tb,Y)g(Ga,Sc)hAlij ・・・(G4)
    (f+g=3、0≦g≦0.2、4.5≦h+i≦5.5、0≦i≦0.2、10.8≦j≦13.4)
    但し、波長変換部材の励起スペクトル強度変化率は、450nmにおける波長変換部材の励起スペクトル強度を1.0とした際の、430nmから465nmの範囲における励起スペクトル強度の最大値と最小値との差で表される。
  9. 励起波長を445nmから455nmに連続的に変化させたときに波長変換部材から放射される光の色度変化Δu'v 'が、Δu'v '≦0.004を満たす、請求項1から8のいずれか1項に記載の波長変換部材。
    ただし、Δu'v 'は、445nmから455nmにおける任意の波長inmにおける色度(u'i,v ' i)と、445nmから455nmにおける色度の平均値(u'ave,v' ave)の距離を表すものとする。
  10. 励起波長を435nmから470nmに連続的に変化させたときに波長変換部材から放射される光の色度変化Δu'v 'が、Δu'v '≦0.015を満たす、請求項1から9のいずれか1項に記載の波長変換部材。
    ただし、Δu'v 'は、435nmから470nmにおける任意の波長inmにおける色度(u'i,v ' i)と、435nmから470nmにおける色度の平均値(u'ave,v' ave)の距離を表すものとする。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の波長変換部材を備えた発光装置。
  12. 請求項11に記載の発光装置を備えた照明装置。
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