JP2014080467A - 蛍光体樹脂組成物、及びその製造方法、蛍光体樹脂成形体、及びその製造方法、並びに半導体発光装置 - Google Patents

蛍光体樹脂組成物、及びその製造方法、蛍光体樹脂成形体、及びその製造方法、並びに半導体発光装置 Download PDF

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宏之 伊村
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Masami Suzuki
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Abstract

【課題】発光効率の低減を抑制できる白色半導体発光装置を構成するための蛍光体樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】蛍光体樹脂組成物中の鉄元素含有量を極めて低減させることで課題を解決する。具体的には、樹脂及び蛍光体を少なくとも含み、鉄元素の含有量が0.01μg/g以上3.0μg/g以下である蛍光体樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、励起光を該励起光とは異なる波長の光に変換して、放出し得る波長変換部材を製造し得る蛍光体樹脂組成物、該組成物を成形した蛍光体樹脂成形体、及び該成形体を備えた半導体発光装置に関する。
半導体発光素子を用いた発光装置(以下、単にLED発光装置ともいう。)は、省エネルギー発光装置としてその存在感が高まっている。また、白色を発するLED発光装置についての開発が進み、青色LEDチップと、蛍光体含有樹脂成形体である波長変換部材を備えたLED発光装置が良く知られている(例えば特許文献1、または2参照)。
ここで、蛍光体を含む波長変換部材は、例えば蛍光体を樹脂等のマトリクス中に分散させた溶液または固体組成物を成形して製造される。
一方、無機物である蛍光体は硬度が高いため、波長変換部材製造過程において、以下の問題が報告されている。
特許文献3には、畜光性蛍光体含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法が開示され、畜光性蛍光体はそれ自身が非常に硬いため、機械的ブレンド時に各種ミキサー類の内部表面と摩擦して茶褐色から黒色にくすみ、製品の外観を悪化させるとの問題が報告されている。
また、特許文献4では、熱可塑性樹脂とアルミン酸塩マトリクスを有する発光顔料を含む樹脂組成物が開示され、アルミン酸塩粒子は極めて硬く、摩耗により、スクリュー加工で組成物が灰色になるとの問題が報告されている。
これら問題に対して、例えば特許文献2では、熱可塑性樹脂を可塑化あるいは加熱溶融させたのちに、蛍光体を導入、混合することで、着色やくすみの少ない樹脂組成物を得る製造方法が開示されており、特許文献3では、発光顔料の表面にシリコーンオイルをコートすることで、スクリュー加工による組成物の着色を低減する方法が開示されている。
特表2009−506557号公報 特表2010−520694号公報 特開平11−29642号公報 特許第4733977号公報
本発明者らは、蛍光体を含む波長変換部材製造において、特許文献2に開示された手段と同様に、シリコンコートを蛍光体に対して施した波長変化部材を作製した。しかしながら、依然として、製造時の着色やくすみを完全に除去できず、結果、発光装置の発光効率の低減が生じ、十分な発光効率を達成できなかった。
本発明は、このような発光効率の低減を抑制できる白色LED装置を構成するための蛍光体樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、発光効率の低下の原因が、従来開示の製造方法による製造時に蛍光体樹脂組成物に混入される鉄元素にあることを突き止めた。そして、蛍光体樹脂組成物に含まれる鉄元素の量を従来以上に、低減させ
ることに想到し、本発明を完成させた。
本発明は、以下に記載の蛍光体樹脂組成物を含む。
(1)樹脂及び蛍光体を少なくとも含み、鉄元素の含有量が0.01μg/g以上3.0μg/g以下である蛍光体樹脂組成物。
(2)鉄元素が、ニッケル及び/又はクロムとの合金として含有されている(1)に記載の蛍光体樹脂組成物。
(3)組成物中の蛍光体含有量が1.0重量%以上20重量%以下である(1)又は(2)に記載の蛍光体樹脂組成物。
(4)前記蛍光体は、ガーネット系蛍光体、酸窒化物蛍光体、及び窒化物蛍光体からなる群から選択される蛍光体を1種以上含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(5)前記蛍光体は、平均一次粒径が0.1μm以上30μm以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(6)前記蛍光体は、平均一次粒径が5μm以上20μm以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(7)前記蛍光体は、シランカップリング材、置換基を有するシロキサン、及びシリコーンからなる群から選ばれる1つでコーティングされている、(1)〜(6)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(8)更に拡散剤を0.01重量%以上10重量%以下含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(9)前記樹脂は熱可塑性樹脂である、(1)〜(8)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(10)前記鉄とニッケル及び/又はクロムとの合金の平均一次粒径が、0.005μm以上、50μm以下である、(2)〜(9)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(11)蛍光体が、蛍光体樹脂組成物中に均質に分散されている、(1)〜(10)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
また、本発明は、以下に記載の蛍光体樹脂成形体を含む。
(12)樹脂及び蛍光体を少なくとも含み、鉄元素の含有量が0.01μg/g以上3.0μg/g以下である蛍光体樹脂成形体。
(13)前記鉄元素がニッケル及び/又はクロムとの合金として含有され、その平均一次粒径が、0.005μm以上、50μm以下である、(12)に記載の蛍光体樹脂成形体。
(14)蛍光体が、蛍光体樹脂成形体中に均質に分散されている、(12)又は(13)に記載の蛍光体樹脂成形体。
また、本発明は、以下に記載の半導体発光装置を含む。
(15)上記(12)〜(14)のいずれかに記載の成形体と、半導体発光素子を備えた半導体発光装置。
(16)発光素子と波長変換部材とが離れていることを特徴とする(15)に記載の半導体発光装置。
(17)前記半導体発光素子から放射される光の平均演色評価数が75以上であることを特徴とする(15)または(16)に記載の半導体発光装置。
また、本発明は、以下に記載の蛍光体樹脂成組成物の製造方法、及び蛍光体樹脂成形体の製造方法を含む。
(18)樹脂及び蛍光体を混合する工程、を有する蛍光体樹脂組成物の製造方法であって、
前記工程において用いる混合容器が樹脂被覆されている、製造方法。
(19)樹脂及び蛍光体を混合する工程、及び混合物を成形する工程、を有する蛍光体樹脂成形体の製造方法であって、
前記混合工程において用いる混合容器及び/又は前記成形工程において用いる成形機が樹脂又はガラスで被覆されている、製造方法。
本発明により、発光効率の低減を抑制できるLED装置を構成するための蛍光体樹脂組成物を提供することが可能となる。
本発明の実施態様に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の実施態様に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。
<1.蛍光体樹脂組成物>
本発明の第一の実施態様は、蛍光体樹脂組成物である。
実施態様に係る蛍光体樹脂組成物は、樹脂及び蛍光体を少なくとも含み、鉄元素の含有量が0.01μg/g以上3.0μg/g以下であることを特徴とする。
本研究者らは発光効率の低減を抑制するため、発光効率の低減の要因を様々検討したところ、波長変換部材を構成する蛍光体樹脂組成物中の鉄元素の存在により、発光装置から発せられる光束量が低下することを見出した。
そして、蛍光体樹脂組成物中の鉄元素含有量を0.01μg/g以上3.0μg/g以下とすることで発光装置から発せられる光束量の低下を抑制することに想到した。
鉄元素の含有量は、2.5μg/g以下であることが好ましく、1.5μg/g以下であることがより好ましい。
鉄元素の含有量は、例えば(誘導結合プラズマ(ICP)質量分析)により測定することができる。
蛍光体樹脂組成物中に存在する鉄元素を3.0μg/g以下とすることは、蛍光体樹脂組成物の製造過程において、鉄やSUSなど鉄元素を含む素材との接触を低減すれば良い。その手法に特に制限はないが、例えば、蛍光体表面をコーティングすること、蛍光体と樹脂の混合を行う際の混合容器を樹脂またはガラス製のものとすること、蛍光体と樹脂の混合を行う際の混合容器を樹脂またはガラスによりコーティングすること、あるいはこれらの組合せにより、達成できる。
従来公知の製造方法において、鉄素材や、SUSなど鉄元素を含む素材との接触を低減する観点で、例えば、混合、混練時の時間を短縮すること、または、混合、混練をより緩和な条件で低せん断化することが行われている。しかしながら、蛍光体樹脂組成物中の鉄元素含有量は低減しうるがその低減量は十分ではなく、また得られる蛍光体樹脂組成物を成形しLED発光装置に備えた場合において、混合不十分によりLED発光装置に発光ムラが生じることが本発明者の検討により判明した。
蛍光体樹脂組成物中に存在しうる鉄元素を含む化合物としては、ニッケル及び/又はクロム合金が例示され、具体的にSUS合金などがあげられる。
従来より、平均1次粒径が50μm以上の粗大な鉄元素を含む化合物(一般的には異物ともいう)は、製造工程における公知の除去工程、例えばメッシュフィルター処理を施すことにより除去可能であることが知られている(例えば特開2005−334826号公報参照)。
本発明における蛍光体樹脂組成物は、従来公知の除去工程では低減困難な、平均一次粒
径が0.005〜50μmである鉄元素を含む化合物を、鉄元素の含有量が0.01〜3.0μg/gというごく微量の範囲で含む蛍光体樹脂組成物である。
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物中に含有される鉄元素を含む化合物は、上記のとおりその粒径が非常に小さい微粒子であることから、鉄元素を含む化合物は本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物中で、均質に分散される。蛍光体樹脂組成物を成形した成形体も同様に、鉄元素を含む化合物が均質に分散される。
<1−1.樹脂>
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物に用いる樹脂は、成形することで波長変換部材となり得るものであれば特に限定されず、熱可塑性樹脂を用いても、熱硬化性樹脂を用いても良い。
<1−1−1.熱硬化性樹脂>
熱硬化性樹脂としては、ラジカルまたはカチオン重合性のアクリレート、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが例示され、耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂が好ましい。
<1−1−2.熱可塑性樹脂>
熱可塑製樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂などの非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、セルロースアセテート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素含有樹脂などが例示され、好ましくはアクリル樹脂、スチレン樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素含有樹脂である。
以下、これらのうち、特に好適に使用される熱可塑性樹脂について説明する。
アクリル樹脂:
アクリル樹脂としては、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリル酸誘導体の単独重合体或いは共重合体が例示される。
アクリル酸誘導体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルナンメチル、メタクリル酸ノルボルネンメチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸フェニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−イロプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が例示される。
アクリル樹脂はこれらアクリル酸誘導体と、スチレン類(スチレン、4−クロロメチルスチレンなど)、不飽和ジカルボン酸誘導体(フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイミドなど)との共重合体であってもよい。
アクリル樹脂の製造方法に特に制限はなく、公知の塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合などの任意の重合法によるラジカル重合やイオン重合により製造することができる。
代表的なアクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸シクロヘキシル(PCHM)、ポリアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体などが例示され、これらは単独使用でも2種以上をポリマーブレンドとしての併用であってもよい。
光線透過率や機械的物性の観点から、PMMA樹脂が特に好ましい。
アクリル樹脂の分子量に特に制限はないが、例えばAldrich社の試薬カタログに記載されているPMMA樹脂の品質のように、40℃のクロロホルム溶媒によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(標準試料として単分子量分散ポリスチレンを使用)(以下、「GPC」と略記する。)で測定される重量平均分子量Mwが通常10,000〜1,000,000であることが好ましく、特に機械的物性と溶融流動性の観点から重量平均分子量Mwが20,000〜800,000であることが好ましい。
重合体又は共重合体の立体規則性は、ランダム、アイソタクチック、シンジオタクチック等が可能であるが特に制限はない。
スチレン樹脂:
スチレン樹脂としては、スチレン誘導体の単独重合体、及びスチレン誘導体を主成分としこれと共重合可能なビニル化合物との共重合体が例示される。
スチレン誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物が例示される。
これら芳香族ビニル化合物の重合の際に、ゴム成分を共存させてもよい。
代表的なスチレン樹脂としては、ポリスチレン(PS樹脂)、透明ハイインパクトポリスチレン(透明HIPS樹脂)、ポリ(α−メチルスチレン)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体などが例示され、これらは単独使用でも2種以上のポリマーブレンドとしての併用であってもよい。
スチレン樹脂の製造方法には特に制限は無く、例えば、公知の塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合などの任意の重合法によるラジカル重合により製造することができる。
スチレン樹脂の分子量に特に制限は無いが、GPCで測定される重量平均分子量Mwが通常10,000〜1,000,000であることが好ましく、特に機械的物性と溶融流動性の観点から重量平均分子量Mwが20,000〜800,000であることが好ましい。
重合体又は共重合体の立体規則性は、ランダム、アイソタクチック、シンジオタクチック等が可能であるが特に制限はない。
非晶質ポリオレフィン樹脂:
非晶質ポリオレフィン樹脂は、炭素−炭素多重結合を含有する炭化水素の配位重合、メタセシス重合、ラジカル重合などにより得られる樹脂である。
具体的には、水素添加ポリスチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリテトラシクロドデセン類、ノルボルネン類の開環メタセシス重合体の二重結合に水素添加して得られるシクロオレフィンポリマー類やエチレンとノルボルネン系炭化水素共重合体などのポリシクロオレフィン樹脂、及びこれらの構造を主体とする共重合体(例えば極性モノマーの共重合による親水性の制御された共重合体など)等が例示される。
市販品として入手可能な非晶質ポリオレフィン樹脂としては、JSR社製「アートン」
(登録商標)、ゼオン社製「ゼオネックス」(登録商標)及び「ゼオノア」(登録商標)、三井化学社製「アペル」(登録商標)等が例示され、中でもJSR社製「アートン」、ゼオン社製「ゼオネックス」及び「ゼオノア」等のポリシクロオレフィン樹脂が好ましい。
非晶質ポリオレフィン樹脂の分子量に特に制限は無いが、GPCで測定される重量平均分子量Mwが通常10,000〜1,000,000であることが好ましく、特に機械的物性と溶融流動性の観点から重量平均分子量Mwが15,000〜700,000であることが好ましい。
また、ポリシクロオレフィン樹脂は、残留二重結合が可及的に少ないことが耐光性や熱安定性の点で好ましい。
非晶質ポリオレフィン樹脂は単独使用でも2種以上のポリマーブレンドとしての併用であってもよい。
ポリカーボネート樹脂:
本実施態様に用いられるポリカーボネート樹脂は、下記の一般的な化学式(1)で表される、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。
Figure 2014080467

化学式(1)中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。なかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いてもよい。また、ポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)が好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4−テトラメチル−シクロブタン−1,3−ジオール等のシクロアルカンジオール類;2,2’−オキシジエタノール(即ち、エチレングリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4’−ビフェニルジメタノール、4,4’−ビフェニルジエタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;1,2−エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2−エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,3−エポキシノルボルナン、1,3−エポキシプロパン等の環状エーテル類が挙げられ、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が挙げられる。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲンや、ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用
できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適な、界面重合法及び溶融エステル交換法について具体的に説明する。
(界面重合法)
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限はないが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10重量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、ピリジン、グアニン、グアニジンの塩等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、メルカプタン、フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール、エポキシ基含有フェノール、o−オキシン安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
(溶融エステル交換法)
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率、エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助
的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常10,000以上、好ましくは16,000以上、より好ましくは18,000以上であり、また、通常40,000以下、好ましくは30,000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4Mv0.83から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記数式(1)により算出した値である。
Figure 2014080467

ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常1,000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。これにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
ポリカーボネート樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)で用いてもよく、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマーまたはポリマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。他の熱可塑性樹脂と組み合わせて用いる場合は、樹脂成分中のポリカーボネート樹脂の割合が50重量%以上であることが好ましく、60重量%であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30重量%以下とすることが好ましい。
さらに、ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。前記の使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体;導光板;自動車窓ガラス、自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材;水ボトル等の容器;メガネレンズ;防音壁、ガラス窓、波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80重量%以下であることが好ましく、中でも50重量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移点Tgは通常120〜190℃、耐熱性と溶融流動性の観点から好ましくは130〜180℃、より好ましくは140〜180℃である。
ポリアリレート樹脂:
ポリアリレート樹脂とは、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸など)又はその誘導体(例えばジメチルテレフタレートやジメチルイソフタレート等の芳香族ジカルボン酸ジエステル類)と前記ビスフェノール類とを原料とする全芳香族ポリエステルから成る樹脂であり、必要に応じて多価フェノール類(例示は前記ポリカーボネート樹脂における3価フェノール類など)を共重合してもよい。好ましいポリアリレート樹脂は、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とビスフェノールAとが重縮合(前記ポリカーボネート樹脂の製造方法と同様の重合形式が可能である)したポリエステルである。
市販品として入手可能なポリアリレート樹脂としては、ユニチカ社製Uポリマー(登録商標)が例示される。
ポリアリレート樹脂は単独で使用しても複数種の併用であってもよい。特に、ポリアリレート樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂や後述するポリエステル樹脂と優れた相溶性を有し、又はエステル交換反応による相溶化も可能なので、これら樹脂とのブレンドも可能である。
ポリアリレート樹脂の分子量には特に制限はないが、GPCで測定される重量平均分子量Mwが通常8,000〜200,000であることが好ましく、特に機械的物性と溶融流動性の観点から好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは15,000〜80,000である。
ポリエステル樹脂:
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(例えばジカルボン酸のジメチルエステルなど)とジオールとの縮合反応により得られる芳香族環を繰返し単位の化学構造中に有する芳香族ポリエステル類と、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とジオールとの縮合反応により得られる芳香族環を分子鎖中に有さない脂肪族ポリエステル類とに分けられる。
芳香族ポリエステル類としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリ1,3−プロピレンテレフタレート樹脂などが例示される。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリ4−ヒドロキシブチレート、ヒドロキシブタン酸とヒドロキシ吉草酸の共重合体、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンアジペート、アジピン酸とテレフタル酸の混合ジカルボン酸と1,4−ジヒドロキシブタンとの共重合ポリエステル、ポリカプロラクトン等の生分解性脂肪族ポリエステル類、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸の重縮合体(PCCD)などの脂環式ポリエステル類等が例示される。
ジオールとしてポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリトリメチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテルジオール類を共重合してポリエステル樹脂に柔軟性を付与することも可能である。
前記ポリエステル樹脂は、芳香族ポリエステル類又は脂肪族ポリエステル類であるかを問わず、単独で使用しても複数種のポリマーブレンドとしての併用であってもよい。また、ポリエステル樹脂との相溶性に優れる前記ポリカーボネート樹脂とのブレンドも可能である。例えば、市販品として入手可能であるポリエステル樹脂ブレンド材料としては、前記PCCDとビスフェノールAポリカーボネートの相溶ポリマーブレンド材料であり、ガラス転移点が例えば100℃程度である日本ジーイープラスチックス社製の「ザイレック
ス(Xylex)」(登録商標)が例示される。PCCDとビスフェノールAポリカーボネートの相溶ポリマーブレンド系は、屈折率が1.51〜1.59の範囲で可変の透明樹脂材料として有用である。
ポリエステル樹脂の分子量には特に制限は無いが、フェノールとテトラクロロエタンとの重量比1:1の混合溶媒を使用し、濃度1g/dLとしたポリエステル溶液の30℃で測定した極限粘度[η]が、通常0.5〜3.0dL/gである。極限粘度がこの範囲よりも小さい場合には、靭性が極端に低下し、逆にこの範囲よりも大きい場合には、溶融粘度が大きすぎて熱可塑成形に支障を来すことがある。
また、ポリエステル樹脂は、ASTM規格D648に準じた荷重455kPa(4.6kgf/cm)における荷重たわみ温度が50〜130℃であることが好ましい。前記例示の全てのポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂ブレンド材料を含む)は、上記荷重たわみ温度を満足する。
本発明においてポリエステル樹脂のポリマーブレンド材料を使用する場合、脂肪族ポリエステル類の割合が大きければ大きいほど耐光性の点で優れる場合がある。これは紫外線を吸収するベンゼン環などの芳香環の含有量が減少するためである。同じ理由で脂肪族ポリエステル類は耐光性の点で芳香族ポリエステル類よりも優れる場合がある。
フッ素含有樹脂:
フッ素含有樹脂の具体例としては、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)が挙げられ、これらの中でも耐久性と成形性の観点からETFE、FEP、PFAが好ましく、ETFEが最も好ましい。
これらの結晶性を有する熱可塑性樹脂を1種のみ使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
<1−2.蛍光体>
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物は蛍光体を含む。含まれる蛍光体の種類は適宜選択されるが、無機蛍光体である事が好ましい。特にガーネット系蛍光体、酸窒化物蛍光体、及び窒化物蛍光体からなる群から選択される蛍光体を1種以上含むことが好ましい。赤色(橙色)、緑色、青色、黄色蛍光体については、代表的な蛍光体として下記のものが挙げられる。
<1−2−1.赤色蛍光体>
赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常565nm以上、好ましくは575nm以上、より好ましくは580nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
赤色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜120nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような赤色蛍光体として、例えば、例えば、特開2006−008721号公報に記載されているCaAlSiN:Eu(本願明細書で「CASN」と記載することもある。)、特開2008−7751号公報に記載されている(Sr,Ca)AlSiN:Eu、特開2007−231245号公報に記載されているCa1−xAl1−xSi1+x3−x:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体等や、特開20
08―38081号公報(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu(以下、「SBS蛍光体」と略称することがある。)を用いることも可能である。
そのほか、赤色蛍光体としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Eu等のEu付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、(La,Y)S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、(Y,La,Gd,Lu)S:Eu等のEu付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体、Y(V,P)O:Eu、Y:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Mg)SiO:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW:Eu、LiW:Eu,Sm、Eu、Eu:Nb、Eu:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Eu、LiY(SiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)Al12:Ce、(Tb,Gd)Al12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、BaMgSi:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO2:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化蛍光体、(Gd,Y,Lu,La):Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn):Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)WO:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1−x−yScCe(Ca,Mg)1−r(Mg,Zn)2+rSiz−qGe12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることもできる。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、赤色蛍光体として、赤色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の赤色蛍光体(以下、「狭帯域赤色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができるし又は他の赤色蛍光体、特に赤色発光スペクトルの半値幅が50nm以上の赤色蛍光体、と混合して用いることができる。そのような赤色蛍光体としては、A2+xMn(AはNaおよび/またはK;MはSiおよびAl;−1≦x≦1かつ0.9≦y+z≦1.1かつ0.001≦z≦0.4かつ5≦n≦7)で表されるKSF、KSNAF、及びKSFとKSNAFの固溶体、(k−x)MgO・xAF・GeO:yMn4+(ただし、式中、kは2.8〜5の実数であり、xは0.1〜0.7の実数であり、yは0.005〜0.015の実数であり、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、またはこれらの混合物である。)の化学式で示される、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のマンガン活性の深赤色(600nm〜670nm)ジャーマネート蛍光体、(La1−x−y,Eu,LnS(x及びyは、それぞれ0.02≦x≦0.50及び0≦y≦0.50を満たす数を表し、LnはY、Gd、Lu、Sc、Sm及びErの少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)の化学式で示されるLOS蛍光体等が挙げられる。
また、国際公開WO2008−096300号公報に記載されているSrAlSiや、米国特許7524437号公報に記載されているSrAlSi14:Euを用いることもできる。
以上の中でも、赤色蛍光体としては、CASN蛍光体、SCASN蛍光体、CASON蛍光体、SBS蛍光体が好ましい。
以上に例示した赤色蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1−2−2.緑色蛍光体>
緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
緑色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜80nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0mμ以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような緑色蛍光体として、例えば、国際公開WO2007−091687号公報に記載されている(Ba,Ca,Sr,Mg)SiO:Eu(以下、「BSS蛍光体」と略称することがある。)で表されるEu付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、緑色蛍光体としては、例えば、特許第3921545号公報に記載されているSi6−zAl8−z:Eu(但し、0<z≦4.2である。以下、「β−SiAlON蛍光体」と略称することがある。)等のEu付活酸窒化物蛍光体や、国際公開WO2007−088966号公報に記載されているMSi12:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表す。以下、「BSON蛍光体」と略称することがある。)等のEu付活酸窒化物蛍光体や、特開2008−274254号公報に記載されているBaMgAl1017:Eu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体(以下、「GBAM蛍光体」と略称することがある。)を用いることも可能である。
その他の緑色蛍光体としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Eu等のEu付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、SrAl1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)AlSi:Eu、(Ba,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)(Sc,Y,Lu,Gd)(Si,Ge)24:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、YSiO:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr−Sr:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi−2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、ZnSiO:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、YAl12:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Tb、LaGaSiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y(Al,Ga)12:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)(Al,Ga)12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、SrAl:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(
La,Gd,Y)S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO:Ce,Tb、NaGd:Ce,Tb、(Ba,Sr)(Ca,Mg,Zn)B:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、CaMg(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)(Mg,Zn)(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、MSi:Eu等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることもできる。
また、国際公開WO2009−072043号公報に記載されているSrAlSi2135:Euや、国際公開WO2007−105631号公報に記載されているSrSi13Al21:Euを用いることもできる。
以上の中でも、緑色蛍光体としては、BSS蛍光体、β−SiAlON蛍光体、BSON蛍光体が好ましい。
以上に例示した緑色蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、緑色蛍光体として、緑色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の緑色蛍光体(以下、「狭帯域緑色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができる。
<1−2−3.青色蛍光体>
青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常は500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460以下の波長範囲である。
青色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常10nm〜100nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような青色蛍光体として、例えば、(Ca,Sr,Ba)(POCl:Euで表されるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al24:Euまたは(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、SrAl1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaAl13:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa:Ce、CaGa:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu、(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu,Tb,Sm付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAlSi:Eu、(Sr,Ba)MgSi:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、YSiO:Ce等のCe
付活珪酸塩蛍光体、CaWO等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO・nB:Eu、2SrO・0.84P・0.16B:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi・2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
このうち、(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Eu2+、BaMgAl1017:Euを好ましく用いることができる。また、(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Eu2+で示される蛍光体のうち、SrBaEu(POCl(c、d及びxは、2.7≦c≦3.3、0.9≦d≦1.1、0.3≦x≦1.2を満足する数であり、xは好ましくは0.3≦x≦1.0である。さらに、a及びbは、a+b=5−xかつ0.05≦b/(a+b)≦0.6の条件を満足するものであり、b/(a+b)は好ましくは0.1≦b/(a+b)≦0.6である。)で示される蛍光体を好ましく用いることができる。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、青色蛍光体として、青色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の青色蛍光体(以下、「狭帯域青色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができる。
<1−2−4.黄色蛍光体>
黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常は620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲である。
黄色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常80nm〜130nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、特に好ましくは10μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような黄色蛍光体として、例えば、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)やMaMbMc12:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表す。)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AEMdO:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mdは、Si、及び/又はGeを表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体をCeで付活した蛍光体が挙げられる。
これらの中で、ガーネット系蛍光体は好ましく用いられるが、その中でも特にYAl12:Ce(本願明細書で「YAG」と記載することもある。)が好ましく用いられる。
また、その他、黄色蛍光体としては、CaGa:Eu、(Ca,Sr)Ga:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al):Eu等の硫化物系蛍光体、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体、(M1−A−BEuMn(BO1−P(PO
X(但し、Mは、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、F、Cl、及びBrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。A、B、及びPは、各々、0.001≦A≦0.3、0≦B≦0.3、0≦P≦0.2を満たす数を表す。)等のEu付活又はEu,Mn共付活ハロゲン化ホウ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属元素を含有していても良い、LaSi11構造を有するCe付活窒化物系蛍光体等を用いることも可能である。なお、前述のCe付活窒化物系蛍光体は、その一部がCaやOで一部置換されていても良い。
<1−2−5.蛍光体混合物>
蛍光体は1種または2種以上の混合物であっても良く、平均一次粒径(平均重量メディアン径)は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、特に好ましくは10μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。0.1μm以下だと蛍光体自体の発光効率が低く、LED発光装置としての発光効率が低下するため好ましくなく、30μm以上だと、鉄元素含有量を低減するのが困難で、また樹脂マトリクス中で沈降等を起こしやすいため均質な蛍光体樹脂組成物が得られないため好ましくない。
平均重量メディアン径は、用いられる1種以上の蛍光体混合物の重量メディアン径であり、2種以上の蛍光体の場合は、あらかじめ蛍光体を混合した後に、重量メディアン径を測定する。
本実施態様では、成形体中の蛍光体含有量1.0重量%以上が好ましく、2.0重量%以上がより好ましく、2.5%重量以上がさらに好ましい。一方20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下であることがより好ましい。
蛍光体含有量が1重量%未満だと、蛍光体の量が少なく、LED発光装置としての十分な光量が得がたく好ましくなく、20重量%より多いと、鉄元素含有量低減が困難となり、結果、LED発光装置としての発光効率が低下し好ましくない。
蛍光体は、上記熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と混合され、混練したものを成形することで、本実施態様に係る成形体となる。また、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を溶融し、蛍光体を加えて混練した後、成形することでも本実施態様に係る成形体となる。
蛍光体含有量は、蛍光体樹脂組成物中においても1.0重量%以上が好ましく、2.0重量%以上がより好ましく、2.5重量%以上がさらに好ましい。一方20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下であることがより好ましい。
また、本実施態様に係る蛍光体は、組成物中の鉄元素含有量を低減させる目的で、表面がコーティングされていることが好ましい。蛍光体表面をコーティングすることで、蛍光体からの鉄元素の流入を防ぐことができる。コーティング剤やその方法は公知のものを用いればよく、その中でもシランカップリング材(モノアルキルトリシラノール、ジアルキルジシラノール、トリアルキルシラノール、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシラン)、置換基を有するシロキサン、シリコーンなどでコーティングされていることが好ましい。
<1−3.拡散剤>
本実施形態における蛍光体樹脂組成物は、拡散剤を含有することが好ましい。拡散剤を含有することで、上記蛍光体樹脂組成物を成形した成形体に光拡散性を発現させることが可能である。
拡散剤は、無機系光拡散剤、有機系光拡散剤、又は気泡が挙げられる。
無機系光拡散剤としては、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びバリウム等の元素を含有する無機系光拡散剤を用いるこ
とが可能であり、また、珪素、アルミニウム、チタン、及びジルコニウムからなる群の少なくとも1つの元素を含む無機系光拡散剤を用いることが好ましい。有機系光拡散剤材としては、アクリル系、スチレン系、ポリアミド系若しくは元素として珪素もしくはフッ素を含む有機系光拡散剤を用いることが可能であり、中でも、アクリル系光拡散剤、又は元素として珪素を含む有機系光拡散剤を用いることが好ましい。
無機系光拡散剤の具体例としては、二酸化ケイ素(シリカ)、ホワイトカーボン、溶融シリカ、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸アルミ化ナトリウム、珪酸亜鉛、硫化亜鉛、ガラス粒子、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、ワラストナイト、ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、カオリン、チタン酸カリウム等の材料が挙げられる。
これらの無機拡散剤は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、メチルハイドロジェンポリシロキサン、脂肪酸含有炭化水素化合物等の各種表面処理剤で処理されたものであっても良く、表面を不活性な無機化合物で被覆されたものでもよい。
有機系光拡散剤としては、スチレン系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、シロキサン系(共)重合体、ポリアミド系(共)重合体等の材料が挙げられる。これら、有機系拡散剤の分子の一部又は全部は、架橋していても架橋していなくてもよい。ここで、「(共)重合体」とは「重合体」及び「共重合体」の双方を意味する。
拡散剤としては、シリカ、ガラス、炭酸カルシウム、マイカ、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共)重合体粒子からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、さらに平均粒子径が1μm以上であることが好ましく、30μm以下であることが好ましい。なお、平均粒子径は、積算重量百分率、粒度分布計等により測定した粒子径である。
また、拡散剤としては、モース硬度が8未満であることが好ましく、7未満であることが更に好ましい。このような硬度の拡散剤を用いることで、成形体の変色が抑えられ、また、容器を傷つけることなく不純物が混じらない。
また、拡散剤としては、その長径Lと短径Dとの比L/Dが200以下であることが好ましい。このような範囲の拡散剤を用いることで、成形体の変色が抑えられ、また、容器を傷つけることなく不純物が混じらない。L/Dは50以下であることがより好ましい。
また拡散剤により成形体の透過率を調整する際には、例えば、平均粒子径が小さい拡散剤を添加する、成形体との屈折率差が大きい拡散剤を添加する、あるいは、拡散剤の添加量を増やすことにより成形体の透過率を下げることにより調整ができる。拡散剤の平均粒子径は通常100μm以下で、好ましくは0.1μm以上30μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上15μm以下、更に好ましくは1μm以上5μm以下である。
本実施態様において拡散剤を用いる場合、成形体中に、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上含有する。また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下含有する。
拡散剤は、成形する前の蛍光体樹脂組成物に対しては、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上含有する。また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下含有する。
<1−4.その他成分>
その他の添加剤として本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物には、樹脂に通常使用可能な添加剤を有効量使用することができる。具体的には、他の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑剤、難燃剤、架橋剤、分散助剤や各種界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤、中和剤、強化材、熱伝導材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジファスファイト等のリン系酸化防止剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとキシレンの反応生成物等のラクトン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
酸化防止剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、樹脂に対して、通常100重量ppm以上、50000重量ppm以下である。この範囲の下限を下回ると酸化防止剤の効果が小さくなるおそれがあり、上限を上回ると、酸化防止剤がブリードアウトしたり、かえって着色を起こすおそれがある。
結晶核剤の具体例としては、無機系核剤としては、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。また、これらの無機系核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
一方、有機系核剤としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩;ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸等のポリマー;エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー);ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩;および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム;ポリエチレンワックスなどを挙げることができる。
核剤の平均粒径は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意である。通常50μm以下、好ましくは10μm以下であることが望ましい。核剤の好ましい配合量は、樹脂を100質量部として、通常0.01質量部以上、5質量部以下である。
光安定剤としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドトキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。
光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
更に、光安定剤の使用量は樹脂100質量部に対して、通常0.1質量部以上、5質量部以下である。
紫外線吸収剤としては、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物などの有機紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中で、ベンゾトリアゾール化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステルの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。また、その他のベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール〕[メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
また、紫外線吸収剤の使用量は、通常100ppm以上、5質量%以下である。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系、リン系、有機酸金属塩系、シリコーン系、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、窒素化合物等の有機難燃剤及び無機難燃剤、難燃助剤としては、フッ素樹脂系難燃助剤が挙げられる。難燃剤及び難燃助剤は併用することも可能であり、また、複数を組み合わせて使用することもできる。中でも好ましいのは、リン系難燃剤、有機酸金属塩系難燃剤、フッ素樹脂系難燃助剤である。
リン系難燃剤としては芳香族リン酸エステルやリン原子と窒素原子の結合を主鎖に有するフェノキシホスファゼン、アミノホスファゼン等のホスファゼン化合物が挙げられる。
前記芳香族リン酸エステル系難燃剤の具体例としては、トリフェニルホスフェ−ト、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、4,4’−ビフェノールビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、ビスフェノールAビス(ジキシレニルホスフェ−ト)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェ−ト)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェ−ト)、4,4’−ビフェノールビス(ジフェニルホスフェ−ト)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェ−ト)等が挙げられる。
有機酸金属塩系難燃剤としては、有機スルホン酸金属塩が好ましく含フッ素の有機スルホン酸金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等を例示できる。
有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。窒素系化合物としては、例えば、メラミン、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等が挙げられる。無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
フッ素系難燃助剤としては、フルオロオレフィン樹脂が好ましく、フィブリル構造を有するテトラフルオロエチレン樹脂が例示できる。フッ素系難燃助剤はパウダー状でもディスパージョン状でも、フッ素樹脂を別の樹脂で被覆したパウダー状でも何れの形態であってもよい。
難燃剤の含有量は、樹脂100重量部に対し、通常0.01〜30重量部である。
<2.製造方法>
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物の製造方法は、SUSなどの鉄元素を含む化合物素材との接触を低減すれば、その手法に特に制限はなく、常法に従い蛍光体樹脂組成物を製造できる。SUSなどの鉄元素を含む化合物素材との接触を低減する方法としては、例え
ば、蛍光体表面のコーティング、蛍光体と樹脂の混合を行う際の混合容器を樹脂またはガラス製のものとすること、蛍光体と樹脂の混合を行う際の混合容器を樹脂またはガラスによりコーティングすること、あるいはこれらの組合せを用いて、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機で混合する。
すなわち、本発明の好ましい実施態様としては、樹脂及び蛍光体を混合する工程、を有する蛍光体樹脂組成物の製造方法であって、前記工程において用いる混合容器が樹脂又はガラスで被覆されている、製造方法である。
上記混合工程においては、全原料一括混合でも、幾つかの原料を分割して混合してもよく、その後に、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練して本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物ペレットを得ることができる。なお、蛍光体樹脂組成物はペレットには限られず、常温で流動を有する液体組成物でもよいが、取扱いの容易さから、ペレット状であることが好ましい。
<3.成形体>
本発明の別の実施態様は、本発明の実施態様に係る蛍光体樹脂組成物を成形してなる蛍光体樹脂成形体である。
本実施態様に係る成形体は、LED発光装置の波長変換部材として使用しうる限りその形状、大きさ等は特に限定はない。
一般的には成形体の厚さは0.3mm〜5mmが一般的である。また、本実施態様に係る成形体は、単層構造であっても、2層以上の多層積層構造であっても良い。また、表面は、鏡面であってもシボ等の微細構造があっていても良く、外表面にハードコート、印刷等を施す事もできる。
<4.成形方法>
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物の成形方法は、SUSなど鉄元素を含む素材との接触を低減すれば、その手法に特に制限はなく、常法に従い成形できる。SUSなどの鉄元素を含む化合物素材との抵触を低減する方法としては、例えば、蛍光体表面のコーティング、成形時の投入口、ミキサースクリュー、金型の表面を樹脂またはガラスによりコーティングすること、あるいはこれらの組合せを用いて、要求される仕様に従い、公知の方法により成形すれば良い。
すなわち、本発明の好ましい実施態様としては、樹脂及び蛍光体を混合する工程、及び混合物を成形する工程、を有する蛍光体樹脂組成物成形体の製造方法であって、前記工程において用いる混合容器、及び/又は前記成形工程において用いられる成形機が樹脂又はガラスで被覆されている、製造方法である。
例えば、シート・フィルムなどの押出成形、異型押出成形、真空成形、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、回転成形、発泡成形などが挙げられる。中でも、射出成形法を採用することが好ましい。さらに、必要に応じてその成形体を更に溶着、接着、切削など加工することもできる。また、拡散剤が気泡の場合は、発泡剤配合、窒素ガス注入、超臨界ガス注入などの手法により部材内に気泡を構成させればよい。
形成した成形体を波長変換部材として用いる場合は、蛍光体樹脂組成物の成形体のみからなる波長変換部材の態様でもよく、ガラスやアクリル板などの透明基板上に蛍光体樹脂組成物を塗布することで成形し、波長変換部材としても良い。
<5.半導体発光装置>
本発明の更に別の実施態様は、半導体発光素子と上記蛍光体樹脂成形体を波長変換部材として備えた半導体発光装置である。半導体発光素子と本実施態様に係る蛍光体樹脂成形体(以下、単に波長変換部材ともいう。)とは密着していても、間に空間があっても、導光板等の光伝達部材があっても良いが、発光素子と波長変換部材との間に空間を有する構
造、すなわち発光措置と波長変換部材とが離れている態様(直接接触していない)であることが好ましい。以下、その構成を図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施態様に係る、波長変換部材を備えた半導体発光装置の一例を示す模式図である。
半導体発光装置10は、その構成部材として、少なくとも青色半導体発光素子1と波長変換部材3を有する。青色半導体発光素子1は、波長変換部材3に含有される蛍光体を励起するための励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、通常ピーク波長が425nm〜475nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が430nm〜470nmの励起光を発する。青色半導体発光素子1の数は、装置が必要とする励起光の強さにより適宜設定することが可能である。
青色半導体発光素子1の代わりに、紫色半導体発光素子を用いることもできる。紫色半導体発光素子は、通常ピーク波長が390nm〜425nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が395〜415nmの励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、配線基板2のチップ実装面2aに実装される。配線基板2には、これら青色半導体発光素子1に電極を供給するための配線パターン(図示せず)が形成され、電気回路を構成する。図1中、配線基板2に波長変換部材3が載っているように表示されているがこの限りではなく、配線基板2と波長変換部材3が他の部材を介して配置されていても良い。
例えば図2では、配線基板2と波長変換部材3が、枠体4を介して配置される。枠体4は、光に指向性を持たせるために、テーパ状になっていてもよい。また、枠体4は反射材であってもよい。
配線基板2は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有し、かつ、反射率が高いことが好ましいが、配線基板2のチップ実装面上で青色半導体発光素子1の存在しない面上、もしくは配線基板2と波長変換部材3を接続する他の部材の内面の少なくとも一部に反射率の高い反射板を設ける事もできる。このような配線基板もしくは反射板の反射率としては、80%以上であることが好ましい。このような配線基板としては、アルミナ系セラミック、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などを用いることができる。また、配線基板2のチップ実装面2a上に設置する反射板としては、アルミナ粉末、シリカ粉末、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの白色顔料を含む樹脂を用いることができる。好ましい樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂等をあげることができる。
波長変換部材3は、青色半導体発光素子1が発する入射光の一部を波長変換し、入射光とは異なる波長の出射光を放射する。波長変換部材3は、結晶性を有する熱可塑性樹脂と蛍光体を含有する。蛍光体(図示せず)の種類は特段限定されず、発光装置が白色発光装置であれば、半導体発光素子の励起光の種類に合わせて、白色光を発するように蛍光体の種類を適宜調整すればよい。
半導体発光素子が青色半導体発光素子である場合、例えば、黄色蛍光体を用いるか、黄色蛍光体及び赤色蛍光体(又は橙色蛍光体)を用いるか、緑色蛍光体及び赤色蛍光体(又は橙色蛍光体)を用いることで、白色光を発する発光装置とすることができる。
半導体発光素子が紫色半導体発光素子である場合、例えば、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を用いることで、白色光を発する発光装置とすることができる。
また、波長変換部材3中には、蛍光体とともに、少量の拡散剤を含有させることが好ましい。拡散剤としては、無機系光拡散剤、有機系光拡散剤又は気泡が挙げられ、シリカ、ガラス、炭酸カルシウム、マイカ、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共
)重合体粒子からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
また、波長変換部材3は、青色半導体発光素子1との間に距離を有する。すなわち波長変換部材3と青色半導体発光素子1とは離れて存在する。波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間は、空隙であってもよく、充填材で充填されていても良い。このように、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間に距離を有する態様により、青色半導体発光素子1が発する熱によって波長変換部材3及び波長変換部材に含まれる蛍光体の劣化を抑制することができる。青色半導体発光素子1と波長変換部材3との間の距離は、10μm以上が好ましく、100μm以上がさらに好ましく、1.0mm以上が特に好ましい、一方、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との距離が大きくなりすぎると、波長変換部材の発光面積が拡大し、蛍光体使用量が増大してしまうため、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との距離は、1.0m以下が好ましく、500mm以下がさらに好ましく、100mm以下が特に好ましい。
このように、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間が離れている場合には、発光素子と波長変換部材の距離が大きくなるほど蛍光体樹脂成形体の発光面積が大きくなる。そのため、鉄元素が含有されることによる発光効率低下の影響が大きい。
本実施態様に係る鉄元素の含有量が低減された蛍光体樹脂成形体は、波長変換部材と発光素子との間が離れている、いわゆるリモートフォスファー形態の発光装置において用いる波長変換部材に好適である。
発光装置は、白色光を放射する発光装置であることが好ましい。白色光を放射する発光装置は、発光装置から放射される光が、光色の黒体輻射軌跡からの偏差duvが−0.0200〜0.0200であり、かつ色温度が2500K以上、6500K以下であることが好ましい。
また、発光装置から出射される光の平均演色評価数が75以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましい。
このように白色光を出射する発光装置は、照明装置に好適に備えられる。
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物を成形してなる成形体を備えた半導体発光装置は、出射する光にばらつきがなく、色度差が小さい。すなわち、同一の蛍光体樹脂組成物から製造され、かつ、同形状である蛍光体樹脂成形体を備えた複数の半導体発光装置間において、前記半導体発光装置から出射する光の色度のCIE−xおよびCIE−yの変動幅の最大値の絶対値が、0.005以下であることが好ましい。なお、色度はCIE1976UCS色度図に基づいて評価することができる。
以下、具体的な実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明が以下の実施例の態様にのみ限定されないことはいうまでもない。
<蛍光体樹脂組成物製造方法>
実施例1
YAG蛍光体(三菱化学社製BY−102、平均粒径17μm)8.0g、CASN蛍光体(三菱化学社製BR−101、平均粒径8.6μm)1.0g、SCASN蛍光体(三菱化学社製BR−102、平均粒径8.6μm)1.0gを秤量し、ポリプロピレン製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて5分間混合攪拌し、蛍光体混合物を得た(蛍光体混合物の平均一次粒径は15μm)。得られた蛍光体混合物4.0gとポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS3000)45.5g、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 トスパール120 0.5gをポリプロピレン製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて1分間混合攪拌したのち、ガラス容器中にて300℃で加熱溶融し、10rpmで10分間強制攪拌することで蛍光体樹脂組成物を得た。
得られた蛍光体樹脂組成物中の鉄元素の含有量を、ICP質量分析により測定したところ、0.53μg/gであった。
実施例2
YAG蛍光体(三菱化学社製BY−102、平均粒径17μm)8.0g、CASN蛍光体(三菱化学社製BR−101、平均粒径8.6μm)1.0g、SCASN蛍光体(三菱化学社製BR−102、平均粒径8.6μm)1.0gを秤量し、SUS製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて5分間混合攪拌し、蛍光体混合物を得た(蛍光体混合物の平均一次粒径は15μm)。得られた蛍光体混合物4.0gとポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS3000)45.5g、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 トスパール120 0.5gをポリプロピレン製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて1分間混合攪拌したのち、ガラス容器中にて、300℃で加熱溶融し、10rpmで10分間強制攪拌することで蛍光体樹脂組成物を得た。
得られた蛍光体樹脂組成物中の鉄元素の含有量を、ICP質量分析により測定したところ、1.3μg/gであった。
物を得た。
実施例3
YAG蛍光体(三菱化学社製BY−102、平均粒径17μm)8.0g、CASN蛍光体(三菱化学社製BR−101、平均粒径8.6μm)1.0g、SCASN蛍光体(三菱化学社製BR−102、平均粒径8.6μm)1.0gを秤量し、SUS製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて30分間混合攪拌し、蛍光体混合物を得た(蛍光体混合物の平均一次粒径は15μm)。得られた蛍光体混合物4.0gとポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS3000)45.5g、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 トスパール120 0.5gをポリプロピレン製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて1分間混合攪拌したのち、ガラス容器中にて、300℃で加熱溶融し、10rpmで10分間強制攪拌することで蛍光体樹脂組成物を得た。
得られた蛍光体樹脂組成物中の鉄元素の含有量を、ICP質量分析により測定したところ、2.3μg/gであった。
比較例1
YAG蛍光体(三菱化学社製BY−102、平均粒径17μm)8.0g、CASN蛍光体(三菱化学社製BR−101、平均粒径8.6μm)1.0g、SCASN蛍光体(三菱化学社製BR−102、平均粒径8.6μm)1.0gを秤量し、SUS製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて30分間混合攪拌し、蛍光体混合物を得た(蛍光体混合物の平均一次粒径15μm)。得られた蛍光体混合物4.0gとポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS3000)45.5g、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 トスパール120 0.5gをポリプロピレン製容器中でテフロン製攪拌棒を用いて1分間混合攪拌したのち、東洋精機社製ラボプラストミル10C100、ミキサータイプR60を用いて260℃、100rpmで5分間溶融混練し、蛍光体樹脂組成物を得た。
得られた蛍光体樹脂組成物中の鉄元素の含有量を、ICP質量分析により測定したところ、9.1μg/gであった。
<試験片製造方法>
実施例1〜3、比較例1で得られた蛍光体樹脂組成物を120℃で2時間真空乾燥後、熱プレス成形機(井元製作所社製)を用いて260℃、4MPa、2分溶融プレスし、続いて水冷プレス機(井元製作所社製)を用いて20℃、4MPaで5分間冷却し、厚さ1.2mmのシートを作製した。得られたシートから15mmφの円板形状で試験片をn数3で打ち抜いた。
<発光特性>
得られた厚み1.2mm、15mmφの円板試験片に対して、LEDチップ(ピーク波
長450nm)から発光させた青色光を照射することで白色光を得ることができる発光装置を作製した。その装置から発光スペクトルをSphereOptics社製20inch積分球およびOceanOptics社製分光器USB2000を用いて観測し、色度、光束(lumen)、Raを計測した。測定結果を表1に示す。なお、該発光装置において、LEDチップと試験片との距離は30mmであった。
<発光ムラの評価>
得られたn数3の厚み1.2mm、15mmφの円板試験片の色度の変動幅の最大値がCIE−x、CIE−yそれぞれ±5/1000以内であれば○、それ以上であれば×とした。なお、色度はCIE 1976UCS色度図に基づいて評価した。
Figure 2014080467
表1から、本発明における蛍光体樹脂組成物を用いて成形した成形体を備えるLED発光装置は、発光ムラなく均質な光を放出し、かつ、従来より発光効率が高い発光装置となる。
また、実施例1〜3及び比較例1で製造した蛍光体樹脂組成物中に含まれる鉄及び鉄元素を含む化合物について、(デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-500F)により観察したところ、鉄及び鉄元素を含む化合物の平均一次粒径は、0.005μm以上50μm以下の範囲の粒子であった。
10 発光装置
1 半導体発光素子
2 配線基板
2a チップ実装面
3 波長変換部材
4 枠体

Claims (19)

  1. 樹脂及び蛍光体を少なくとも含み、鉄元素の含有量が0.01μg/g以上3.0μg/g以下である蛍光体樹脂組成物。
  2. 鉄元素が、ニッケル及び/又はクロムとの合金として含有されている、請求項1に記載の蛍光体樹脂組成物。
  3. 組成物中の蛍光体含有量が1.0重量%以上20重量%以下である、請求項1又は2に記載の蛍光体樹脂組成物。
  4. 前記蛍光体は、ガーネット系蛍光体、酸窒化物蛍光体、及び窒化物蛍光体からなる群から選択される蛍光体を1種以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  5. 前記蛍光体は、平均一次粒径が0.1μm以上30μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  6. 前記蛍光体は、平均一次粒径が5μm以上20μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  7. 前記蛍光体は、シランカップリング材、置換基を有するシロキサン、及びシリコーンからなる群から選ばれる1つでコーティングされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  8. 更に拡散剤を0.01重量%以上10重量%以下含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  9. 前記樹脂は熱可塑性樹脂である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  10. 前記鉄とニッケル及び/又はクロムとの合金の平均一次粒径が、0.005μm以上、50μm以下である、請求項2〜9のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  11. 蛍光体が、蛍光体樹脂組成物中に均質に分散されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  12. 樹脂及び蛍光体を少なくとも含み、鉄元素の含有量が0.01μg/g以上3.0μg/g以下である蛍光体樹脂成形体。
  13. 前記鉄元素がニッケル及び/又はクロムとの合金として含有され、その平均一次粒径が、0.005μm以上、50μm以下である、請求項12に記載の蛍光体樹脂成形体。
  14. 蛍光体が、蛍光体樹脂成形体中に均質に分散されている、請求項12又は13に記載の蛍光体樹脂成形体。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の成形体と、半導体発光素子を備えた半導体発光装置。
  16. 発光素子と波長変換部材とが離れている(直接接触していない)ことを特徴とする請求
    項15に記載の半導体発光装置。
  17. 半導体発光装置から放射される光の平均演色評価数が75以上であることを特徴とする請求項15または16に記載の半導体発光装置。
  18. 樹脂及び蛍光体を混合する工程、を有する蛍光体樹脂組成物の製造方法であって、
    前記工程において用いる混合容器が樹脂被覆されている、製造方法。
  19. 樹脂及び蛍光体を混合する工程、及び混合物を成形する工程、を有する蛍光体樹脂成形体の製造方法であって、
    前記混合工程において用いる混合容器及び/又は前記成形工程において用いる成形機が樹脂又はガラスで被覆されている、製造方法。
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