JP2014125497A - 蛍光体樹脂組成物及びその製造方法、該蛍光体樹脂組成物を成形してなる波長変換部材、並びに該波長変換部材を備える半導体発光装置 - Google Patents

蛍光体樹脂組成物及びその製造方法、該蛍光体樹脂組成物を成形してなる波長変換部材、並びに該波長変換部材を備える半導体発光装置 Download PDF

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高史 市原
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Abstract

【課題】波長変換部材における、製品毎の発光色度点のばらつきの問題、発光効率のばらつきの問題を解決し得る、蛍光体樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】2種類以上の無機蛍光体が蛍光体樹脂組成物中で二次粒子として存在し、該二次粒子は、2種類以上の無機蛍光体が予め分散媒中で分散され、その分散状態のまま乾燥されて二次粒子を形成することで、前記2種類以上の無機蛍光体が均一に分散されている、蛍光体樹脂組成物により、課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、白色光源用途などの半導体発光装置に使用する蛍光体を含有する樹脂組成物及びその製造方法に関する。
半導体発光装置として、半導体ボディーと波長変換材料を含む光学素子とが別個にされ、半導体ボディーと光学素子とが間隔をあけて配置された構成を有するものが知られている(例えば特許文献1)。
このような構成を有する半導体発光装置は、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂に蛍光体を混練した蛍光体含有樹脂組成物を、射出成形などの方法で成形して得られる波長変換機能をもった蛍光体含有樹脂成形体を備える。そして該成形体は半導体発光素子と組み合わせることで、半導体発光素子が発生する青色光の一部を波長変換することで照明用器具などに使用される白色半導体発光装置を構成することができる。
一般にリモートフォスファー技術と称される、このような半導体発光素子と成形体が離れて存在する半導体発光装置においては、励起源の青色光を発生する半導体発光素子と波長変換する蛍光体が空間的に離れて設置されることで、蛍光体の劣化を抑制することができる。特に出力が大きいパワーデバイスの場合には、励起源から発せられる励起光のエネルギーが高いため蛍光体の劣化が激しいことから、このような技術が好ましく適用される。
半導体発光装置の重要な性能としては発光効率と演色性があげられる。発光効率が高いほど一定の電気エネルギーからより多くの光エネルギーを得ることができ、省エネルギーで明るい照明用器具が得られる。また、演色性が高いほど、より太陽光に近い自然な色合いを再現することのできる照明器具が得られる。
発光効率と演色性を高水準で両立させるためには、蛍光体含有樹脂組成物中の蛍光体として複数種類の蛍光体を組み合わせて使用することが有効である。たとえば、発光効率が高い黄色の蛍光体としてよく知られるY3Al512:Ce蛍光体(以下、YAG蛍光体とも称する)を使用すると同時に、YAG蛍光体の発光スペクトルに不足している赤色成分を補うためにCaAlSiN3:Eu(以下、CASN蛍光体とも称する)、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu(以下、SCASN蛍光体とも称する)などの窒化物赤色蛍光体や、CaAlSi(ON)3:Eu(以下、CASON蛍光体とも称する)などの酸窒化物赤色蛍光体を混合使用することが有効である。また、さらに緑色成分を補うためにM1 32 512の化学式(式中、M1はY、Luからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素である。M2はAl、Gaからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素である。)であらわされるアルミン酸塩緑色蛍光体を併用することも有用である。
熱可塑性樹脂に蛍光体を混練した蛍光体樹脂組成物を製造する場合には、一般に蛍光体と熱可塑性樹脂の粉末をタンブラーミキサーなどの混合機により機械的に乾式混合した後、樹脂の軟化点温度以上に加熱して溶融させ、混練しながら押し出し機を通すことでコンパウンドペレットを製造する。コンパウンドペレットは射出成形などの方法で最終的に蛍光体含有樹脂成形体となり、波長変換部材として使用される。
特表2009−506557号公報
発光効率及び演色性を両立させるために、複数種類の蛍光体を組み合わせて使用する場合、蛍光体樹脂成形体における発光特性のばらつきが大きくなることが問題となる。発光特性がばらつく原因としては、蛍光体の種類によってかさ密度や形状が異なることが考えられる。このようなかさ密度や形状が異なる複数の蛍光体と熱可塑性樹脂をコンパウンドすると、樹脂組成物中で蛍光体の構成比の変動が大きくなり、そして、このような状態のコンパウンドペレットを用いて成形した蛍光体樹脂成形体を、波長変換部材として半導体発光装置に組み込むと、製品ごとに発光色度点のばらつきが生じたり、それにより、製品歩留まりが低下するなどといった問題が発生する。
本発明は、このような製品毎の発光色度点のばらつきの問題、発光効率のばらつきの問題を解決することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、まず、熱可塑性樹脂と複数種類の蛍光体の混合をより均一に行うべく、タンブラーミキサーなどの混合機による機械的な乾式混合を長時間、強度を上げて行うことを試みた。しかしながら、窒化物蛍光体や酸窒化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体はそれ自身非常に硬いために、長時間、強度を上げて混合を行うと、混合機内壁と摩擦し色がくすみ、発光効率の低下をまねくことがある。
そこで本発明者らは、製品毎の発光色度点のばらつきの問題、発光効率のばらつきの問題を解決し、かつ発光効率の低下を抑制する検討した結果、蛍光体樹脂組成物に複数種類の無機蛍光体が二次粒子として存在し、また、該二次粒子において複数種類の蛍光体が均一に分散されている蛍光体樹脂組成物により課題を解決できることを見出した。
本発明の第一の態様は以下のとおりである。
(1)2種類以上の無機蛍光体及び熱可塑性樹脂を含む蛍光体樹脂組成物であって、
蛍光体樹脂組成物中に含まれる前記2種類以上の無機蛍光体は二次粒子として存在し、
前記二次粒子は、2種類以上の無機蛍光体が予め分散媒中で分散され、その分散状態のまま乾燥されて二次粒子を形成することで、前記2種類以上の無機蛍光体が均一に分散されている、蛍光体樹脂組成物。
(2)前記無機蛍光体の二次粒子は、熱風乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥及び吸引乾燥からなる群より選ばれる一又は二以上の乾燥方法により形成される、(1)に記載の蛍光体樹脂組成物。
(3)前記無機蛍光体の二次粒子は、平均粒径が20μm以上200μm以下である、(1)または(2)に記載の蛍光体樹脂組成物。
(4)前記無機蛍光体は、発光ピーク波長が600nm以上670nm以下である赤色蛍光体を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(5)前記無機蛍光体は、発光ピーク波長が500nm以上560nm以下である緑色蛍光体及び/又は黄色蛍光体を含む(1)〜(4)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。(6)前記無機蛍光体は、平均一次粒径が5μm以上30μm以下である、(1)から(5)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物。
(7)前記無機蛍光体は、(MAlSi(O3x/21-x31-y(Si(3n+2)/4nO)y(式中、MはCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素である。xは0≦x≦0.4を満たし、yは0≦y≦0.45を満たし、nは0≦nを満たす整数であり、nとxは0≦(3n+2)x/4≦0.9を満たす。)で表される窒化物または酸窒化物を母結晶とした蛍光体を含む、(4)に記載の蛍光体樹脂組成物。
(8)前記無機蛍光体は、Ya(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)c Alde (a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)で表される酸化物を母結晶とした蛍光体を含む、(5)に記載の蛍光体樹脂
組成物。
また、本発明の第二の態様は、以下のとおりである。
(9)2種類以上の無機蛍光体及び熱可塑性樹脂を含む蛍光体樹脂組成物の製造方法であって、
2種類以上の無機蛍光体を分散媒中で分散させた後に、分散状態のまま乾燥させることで、2種類以上の無機蛍光体が均一に分散された無機蛍光体二次粒子を得る混合工程、及び
混合工程で得られた無機蛍光体二次粒子と熱可塑性樹脂とを、混練後の無機蛍光体が二次粒子として存在し得るように混練する混練工程、を有する、製造方法。
(10)前記混合工程において、噴霧乾燥により二次粒子が形成される、(9)に記載の製造方法。
(11)前記混合工程において、無機蛍光体を分散させる分散媒中にバインダーを実質的に含まない、(9)または(10)に記載の製造方法。
また、本発明の第三の態様は、以下のとおりである。
(12)(1)〜(8)のいずれかに記載の蛍光体樹脂組成物、または(9)〜(11)のいずれかに記載の方法により製造された蛍光体樹脂組成物、を成形してなる波長変換部材。
(13)押出成形、異型押出成形、真空成形、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、回転成形、及び発泡成形から選択される成形方法により成形されてなる(12)に記載の波長変換部材。
(14)2種類以上の無機蛍光体が波長変換部材中で二次粒子として存在し、該二次粒子は2種類以上の無機蛍光体が均一に分散されている、(12)または(13)に記載の波長変換部材。
また、本発明の第四の態様は、以下のとおりである。
(15)半導体発光素子、及び(12)〜(14)のいずれかに記載の波長変換部材を備える半導体発光装置。
(16)前記半導体発光素子と前記波長変換部材とが離れている、(15)に記載の半導体発光装置。
本発明によれば、蛍光体の発光効率を低下させることなく、かつ複数種類の蛍光体が均一に混合された蛍光体樹脂組成物が得られる。本発明により、半導体発光装置に組み込んだ際に発光効率および演色性が高く、また、製品ごとの特性ばらつきの少ない蛍光体樹脂成形体(波長変換部材)が安定的に得られる。
従来の方法により製造した蛍光体樹脂組成物を表す模式図である。 本発明の実施態様に係る蛍光体樹脂組成物を表す模式図である。 半導体発光装置の一構成例を示す模式図である。 半導体発光装置の一構成例を示す模式図である。
<1.蛍光体樹脂組成物>
本発明の第一の実施態様は、2種類以上の無機蛍光体及び熱可塑性樹脂を含む蛍光体樹脂組成物である。
<1−1.熱可塑性樹脂>
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物に含まれる樹脂は熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂の例としては、低、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ−3−メチルブテン−1樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ノルボルネン等を含む脂環式ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとメチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−の各アクリレートもしくはメタクリレートとの共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のアイオノマー樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリメタアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂等のポリエステル系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等のフッ素含有樹脂などが挙げられ、これらの1種または2種以上のブレンド品が挙げられる。
これらのうち、ポリカーボネート樹脂が、透明性、耐熱性、機械的特性、難燃性に優れる点で、最も好ましく使用できる。以下に、ポリカーボネート樹脂について詳細に説明する。
本実施態様に用いられるポリカーボネート樹脂は、下記の一般的な化学式(1)で表される、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。
化学式(1)中、X1は一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたX1を用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。なかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いてもよい。また、ポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;2,2'−ジヒドロキシ−1,1'−ビナフチル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;2,2'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)が好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4−テトラメチル−シクロブタン−1,3−ジオール等のシクロアルカンジオール類;2,2'−オキシジエタノール(即ち、エチレングリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4'−ビフェニルジメタノール、4,4'−ビフェニルジエタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;1,2−エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2−エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,3−エポキシノルボルナン、1,3−エポキシプロパン等の環状エーテル類が挙げられ、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が挙げられる。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲンや、ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適な、界面重合法及び溶融エステル交換法について具体的に説明する。
(界面重合法)
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限はないが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10重量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、ピリジン、グアニン、グアニジンの塩等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、メルカプタン、フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール、エポキシ基含有フェノール、o−オキシン安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
(溶融エステル交換法)
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率、エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばア
ルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常10,000以上、好ましくは16,000以上、より好ましくは18,000以上であり、また、通常40,000以下、好ましくは30,000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4Mv0.83から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記数式(1)により算出した値である。
ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが
、通常1,000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。これにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
ポリカーボネート樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)で用いてもよく、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマーまたはポリマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。他の熱可塑性樹脂と組み合わせて用いる場合は、樹脂成分中のポリカーボネート樹脂の割合が50重量%以上であることが好ましく、60重量%であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30重量%以下とすることが好ましい。
さらに、ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。前記の使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体;導光板;自動車窓ガラス、自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材;水ボトル等の容器;メガネレンズ;防音壁、ガラス窓、波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80重量%以下であることが好ましく、中でも50重量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本実施態様に用いられる熱可塑性樹脂の特性としては、結晶性熱可塑性樹脂の場合には、融点が通常80℃以上であり、120℃以上であることが好ましい。一方、通常350℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。非晶性熱可塑性樹脂の場合には、ガラス転移点が通常80℃以上であり、120℃以上であることが好ましい。一方、通常350℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。この範囲であることで、射出成形が好ましく実施される。
また、弾性率が室温で600MPa以上であることが好ましく、700MPa以上であることがより好ましく、800MPa以上であることが更に好ましい。この範囲であることで、照明器具等に使用した場合であっても、点灯による温度上昇により剛性が不足する事態が抑制される。
<1−2.無機蛍光体>
本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物は2種以上の無機蛍光体を含む。含まれる無機蛍光体の種類は、発光装置が発する光の種類や、励起光となる半導体発光素子の光の波長により適宜選択される。一例を挙げると、白色光を発する白色発光装置であれば、青色領域の光を発する青色半導体発光素子を励起源として用い、黄色蛍光体を波長変換部材に含ませることで、白色光を発することができる。また、黄色蛍光体に加えて赤色蛍光体を加えることも好ましい態様であり、緑色蛍光体と赤色蛍光体を含ませることも好ましい態様である。これら以外の蛍光体についても、適宜加えてもかまわない。
また、紫領域の光を発する紫色半導体発光素子を励起源として用いる場合、青色蛍光体、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を含有させることで、白色光を発することができる。これら以外の蛍光体についても、適宜加えてもかまわない。
黄色、赤色(橙色)、緑色、青色蛍光体については、代表的な蛍光体として下記のものが挙げられる。
<1−2−1.黄色蛍光体>
黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常は620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲である。
黄色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常80nm〜130nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような黄色蛍光体として、例えば、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。特に、RE3512:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)やMa3Mb2Mc312:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表す。)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE2MdO4:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mdは、Si、及び/又はGeを表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN3:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光体をCeで付活した蛍光体が挙げられる。
これらの中で、ガーネット系蛍光体は好ましく用いられるが、その中でも特にY3Al512:Ce(YAG蛍光体)が好ましく用いられる。
また、その他、黄色蛍光体としては、CaGa24:Eu、(Ca,Sr)Ga24:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al)24:Eu等の硫化物系蛍光体、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体、(M1-A-BEuAMnB2(BO31-P(PO4PX(但し、Mは、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、F、Cl、及びBrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。A、B、及びPは、各々、0.001≦A≦0.3、0≦B≦0.3、0≦P≦0.2を満たす数を表す。)等のEu付活又はEu,Mn共付活ハロゲン化ホウ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属元素を含有していても良い、La3Si611構造を有するCe付活窒化物系蛍光体等を用いることも可能である。なお、前述のCe付活窒化物系蛍光体は、その一部がCaやOで一部置換されていても良い。
<1−2−2.赤色蛍光体>
赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常565nm以上、好ましくは575nm以上、より好ましくは580nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
赤色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜120nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような赤色蛍光体として、例えば、例えば、特開2006−008721号公報に記載されているCaAlSiN3:Eu(CASN蛍光体)、特開2008−7751号公報に記載されている(Sr,Ca)AlSiN3:Eu(SCASN蛍光体)、特開2007−231245号公報に記載されているCa1-xAl1-xSi1+x3-xx:Eu(CASON蛍光体)等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体等や、特開2008―38081号公報(Sr,Ba,Ca)3SiO5:Eu(以下、「SBS蛍光体」と称することがある。)を用いることも可能である。
そのほか、赤色蛍光体としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si58:Eu等のEu付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、(La,Y)22S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、(Y,La,Gd,Lu)22S:Eu等のEu付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体、Y(V,P)O4:Eu、Y23:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Mg)2SiO4:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW28:Eu、LiW28:Eu,Sm、Eu229、Eu229:Nb、Eu229:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO3:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、Ca28(SiO462:Eu、LiY9(SiO462:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)3Al512:Ce、(Tb,Gd)3Al512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、Ba3MgSi28:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)3(Zn,Mg)Si28:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)23:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY24:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa24:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)2WO6:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1-x-yScxCey2(Ca,Mg)1-r(Mg,Zn)2+rSiz-qGeq12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることもできる。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、赤色蛍光体として、赤色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の赤色蛍光体(以下、「狭帯域赤色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができるし又は他の赤色蛍光体、特に赤色発光スペクトルの半値幅が50nm以上の赤色蛍光体、と混合して用いることができる。そのような赤色蛍光体としては、A2+xyMnzn(AはNaおよび/またはK;MはSiおよびAl;−1≦x≦1かつ0.9≦y+z≦1.1かつ0.001≦z≦0.4かつ5≦n≦7)で表されるKSF、KSNAF、及びKSFとKSNAFの固溶体、(k−x)MgO・xAF2・GeO2:yMn4+(ただし、式中、kは2.8〜5の実数であり、xは0.1〜0.7の実数であり、yは0.005〜0.015の実数であり、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、またはこれらの混合物である。)の化学式で示される、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のマンガン活性の深赤色(600nm〜670nm)ジャーマネート蛍光体、(La1-x-y,Eux,Lny22S(x及びyは、それぞれ0.02≦x≦0.50及び0≦y≦0.50を満たす数を表し、LnはY、Gd、Lu、Sc、Sm及びErの少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)の化学式で示されるLOS蛍光体等が挙げられる。
また、国際公開WO2008−096300号公報に記載されているSrAlSi47や、米国特許7524437号公報に記載されているSr2Al2Si9214:Euを用いることもできる。
以上の中でも、赤色蛍光体としては、CASN蛍光体、SCASN蛍光体、CASON蛍光体、SBS蛍光体が好ましい。
以上に例示した赤色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1−2−3.緑色蛍光体>
緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
緑色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜120nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0mμ以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような緑色蛍光体として、例えば、国際公開WO2007−091687号公報に記載されている(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Eu(以下、「BSS蛍光体」と称することがある。)で表されるEu付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、緑色蛍光体としては、例えば、特許第3921545号公報に記載されているSi6-zAlz8-zz:Eu(但し、0<z≦4.2である。以下、「β−SiAlON蛍光体」と称することがある。)等のEu付活酸窒化物蛍光体や、国際公開WO2007−088966号公報に記載されているM3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表す。以下、「BSON蛍光体」と称することがある。)等のEu付活酸窒化物蛍光体や、特開2008−274254号公報に記載されているBaMgAl1017:Eu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体(以下、「GBAM蛍光体」と称することがある。)を用いることも可能である。
その他の緑色蛍光体としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Eu等のEu付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、Sr4Al1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu、(Ba,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)9(Sc,Y,Lu,Gd)2(Si,Ge)624:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Y2SiO5:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr227−Sr225:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38−2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、Zn2SiO4:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、Y3Al512:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca28(SiO462:Tb、La3Ga5SiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga24:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、Ca3Sc2Si312:Ce、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc24:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、SrAl24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)22S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO4:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO3:Ce,Tb、Na2Gd227:Ce,Tb、(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、M3Si694:Eu等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることもできる。
また、国際公開WO2009−072043号公報に記載されているSr5Al5Si21235:Euや、国際公開WO2007−105631号公報に記載されているSr3Si13Al3212:Euを用いることもできる。
以上の中でも、緑色蛍光体としては、BSS蛍光体、β−SiAlON蛍光体、BSON蛍光体が好ましい。
以上に例示した緑色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、緑色蛍光体として、緑色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の緑色蛍光体(以下、「狭帯域緑色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができる。
<1−2−4.青色蛍光体>
青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常は500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460nm以下の波長範囲である。
青色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常10nm〜100nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような青色蛍光体として、例えば、(Ca,Sr,Ba)5(PO43Cl:Euで表されるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、(Ca,Sr,Ba)259Cl:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al24:Euまたは(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr227:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、Sr4Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaAl813:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa24:Ce、CaGa24:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu、(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu,Tb,Sm付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAl2Si28:Eu、(Sr,Ba)3MgSi28:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr227:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、Y2SiO5:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO4等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO46・nB23:Eu、2SrO・0.84P25・0.16B23:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38・2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
このうち、(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2:Eu2+、BaMgAl1017:Euを好ましく用いることができる。また、(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2:Eu2+で示される蛍光体のうち、SraBabEux(PO4cCld(c、d及びxは、2.7≦c≦3.3、0.9≦d≦1.1、0.3≦x≦1.2を満足する数であり、xは好ましくは0.3≦x≦1.0である。さらに、a及びbは、a+b=5−xかつ0.05≦b/(a+b)≦0.6の条件を満足するものであり、b/(a+b)は好ましくは0.1≦b/(a+b)≦0.6である。)で示される蛍光体を好ましく用いることができる。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、青色蛍光体として、青色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の青色蛍光体(以下、「狭帯域青色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができる。
本実施態様では、波長変換部材中の蛍光体含有量は0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
蛍光体は、上記樹脂と混合され混練したものを成形することで、本実施態様に係る波長変換部材となる。また、樹脂を溶融し、蛍光体を加えて混練した後、成形することでも本
実施態様に係る波長変換部材となる。
<1−3.その他>
本実施形態における蛍光体樹脂組成物は、拡散剤を含有することが好ましい。拡散剤を含有することで、波長変換部材とした際に光拡散性を付与することが可能である。
拡散剤は、無機系光拡散剤、有機系光拡散剤、又は気泡が挙げられる。
無機系光拡散剤としては、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びバリウム等の元素を含有する無機系光拡散剤を用いることが可能であり、また、珪素、アルミニウム、チタン、及びジルコニウムからなる群の少なくとも1つの元素を含む無機系光拡散剤を用いることが好ましい。有機系光拡散剤材としては、アクリル系、スチレン系、ポリアミド系若しくは元素として珪素もしくはフッ素を含む有機系光拡散剤を用いることが可能であり、中でも、アクリル系光拡散剤、又は元素として珪素を含む有機系光拡散剤を用いることが好ましい。
無機系光拡散剤の具体例としては、二酸化ケイ素(シリカ)、ホワイトカーボン、溶融シリカ、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸アルミ化ナトリウム、珪酸亜鉛、硫化亜鉛、ガラス粒子、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、ワラストナイト、ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、カオリン、チタン酸カリウム等の材料が挙げられる。
これらの無機系光拡散剤は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、メチルハイドロジェンポリシロキサン、脂肪酸含有炭化水素化合物等の各種表面処理剤で処理されたものであっても良く、表面を不活性な無機化合物で被覆されたものでもよい。
有機系光拡散剤としては、スチレン系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、シロキサン系(共)重合体、ポリアミド系(共)重合体等の材料が挙げられる。これら、有機系拡散剤の分子の一部又は全部は、架橋していても架橋していなくてもよい。ここで、「(共)重合体」とは「重合体」及び「共重合体」の双方を意味する。
拡散剤としては、シリカ、ガラス、炭酸カルシウム、マイカ、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共)重合体粒子からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、さらに平均粒子径が1μm以上であることが好ましく、30μm以下であることが好ましい。なお、平均粒子径は、積算重量百分率、粒度分布計等により測定した粒子径である。
本実施態様において拡散剤を用いる場合、波長変換部材中に、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上含有する。また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有する。
拡散剤は、波長変換部材を成形する前の蛍光体樹脂組成物に対しては、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上含有する。また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有する。
その他の添加剤として本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物中には、樹脂に通常使用可能な添加剤を有効量使用することができる。具体的には、他の熱可塑性樹脂、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑剤、難燃剤、架橋剤、分散助剤や各種界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤、中和剤、強化材、熱伝導材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジファスファイト等のリン系酸化防止剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとキシレンの反応生成物等のラクトン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
酸化防止剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.01重量部以上、5重量部以下である。この範囲の下限を下回ると酸化防止剤の効果が小さくなるおそれがあり、上限を上回ると、酸化防止剤がブリードアウトしたり、かえって着色を起こすおそれがある。
結晶核剤の具体例としては、無機系核剤としては、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。また、これらの無機系核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
一方、有機系核剤としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩;ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸等のポリマー;エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー);ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩;および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム;ポリエチレンワックスなどを挙げることができる。
核剤の平均粒径は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意である。通常50μm以下、好ましくは10μm以下であることが望ましい。核剤の好ましい配合量は、熱可塑性樹脂を100重量部として、通常0.01重量部以上、5重量部以下である。
光安定剤としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドトキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。
光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
更に、光安定剤の使用量は熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上、5重量部以下である。
紫外線吸収剤としては、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物などの有機紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中で、ベンゾトリアゾール化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2'−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステルの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。また、その他のベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール〕[メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
また、紫外線吸収剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、通常0.01重量部以上、5重量部以下である。
難燃剤としては、ハロゲン系、リン系、有機酸金属塩系、シリコーン系、アンチモン化合物、窒素化合物及び無機化合物の難燃剤、難燃助剤としては、フッ素樹脂系難燃助剤が挙げられる。難燃剤及び難燃助剤は併用することも可能であり、また、複数を組み合わせて使用することもできる。中でも好ましいのは、リン系難燃剤、有機酸金属塩系難燃剤、フッ素樹脂系難燃助剤である。
ハロゲン系難燃剤としては、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート等が挙げられる。
リン系難燃剤としては芳香族リン酸エステルやポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リンやホスファゼン化合物等が挙げられる。
アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。
有機酸金属塩系難燃剤としては、有機スルホン酸金属塩が好ましく含フッ素の有機スルホン酸金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等を例示できる。
窒素化合物としては、例えば、メラミン、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等が挙げられる。
無機化合物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ素化合物等が挙げられる。
フッ素系難燃助剤としては、フルオロオレフィン樹脂が好ましく、フィブリル構造を有するテトラフルオロエチレン樹脂が例示できる。フッ素系難燃助剤はパウダー状でもディスパージョン状でも、フッ素樹脂を別の樹脂で被覆したパウダー状でも何れの形態であってもよい。
これらの難燃剤、難燃助剤の配合比率は所望の難燃レベルを達成するために必要な量を配合すればよいが、通常は熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.01〜30重量部である。上記範囲で難燃剤、難燃助剤を1種類もしくは2種類以上を使用することができる。この範囲より少ないと難燃性の改良効果が出難くなり、これより多いと熱安定性、機械的特性が低下する傾向にあり好ましくない。
<1−4.無機蛍光体二次粒子>
本実施態様では、2種類以上の無機蛍光体は二次粒子として蛍光体樹脂組成物中に含まれる。本実施態様において二次粒子は、2種類以上の無機蛍光体を予め分散媒中で分散させ、凝集させることなくその分散状態のまま乾燥させることで、二次粒子を形成することを特徴とする。このような方法で二次粒子を形成することで、2種類以上の無機蛍光体が均一に分散された二次粒子を得ることができる。そのため、蛍光体樹脂組成物中においても、2種類以上の蛍光体が均一に分散し、成形体とした後に半導体発光装置に組み込んだ
際の、製品毎の発光色度点のばらつきの問題、発光効率のばらつきの問題を解消することが可能となる。特に噴霧乾燥により得られる二次粒子は、粒子径を噴霧条件や乾燥条件によって容易に制御することが可能である。例えば粒子径は、液滴の大きさをコントロールすることで制御することが可能である。より具体的には、液滴の大きさはスラリーの固形分濃度や粘度、噴射ノズルの形状や吐出圧力・速度で制御することが可能であり、また、回転ディスクによる液滴化の場合にはディスク回転速度等により制御可能である。加えて、比較的均一な粒度分布を持つことが特徴であるため、本発明の解決しようとする課題に対してより有効である。
分散媒は、無機蛍光体が分散可能であればよく、有機酸、シラン系表面処理剤、水系溶剤、有機系溶剤など、いずれを用いることもできる。水系の溶剤としては、水が挙げられ、有機系の溶剤としてはメタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ヘキサン、パラフィンなどの炭化水素類、などが挙げられる。取り扱いが容易である水やアルコール類、これらの混合物を用いることが好ましい。
分散媒中には、バインダー樹脂を加えても良い。バインダー樹脂としてはシリコーン系、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、水溶性樹脂などが例示される。本実施態様においてバインダー樹脂とは、無機蛍光体と共に分散媒中において混合されることで、無機蛍光体同士を結合させる樹脂をいう。バインダー樹脂は熱可塑性樹脂の軟化点温度以下では分解や軟化、変色などの変化がないものが好ましい。
しかしながら、バインダー樹脂を加える場合、半導体発光素子と蛍光体樹脂成形体(波長変換部材)が離れている、いわゆるリモートフォスファー態様において、光取出し効率の低下や、波長変換部材の劣化が生じる恐れがある。そのため、蛍光体樹脂組成物中にバインダー樹脂を実質的に含有しない態様も好ましい。
なお、実質的に含有しないとは、バインダー樹脂を含有する態様を全て排除する意味ではなく、光取り出し効率の低下や波長変換部材の劣化が生じない範囲において、バインダー樹脂を含有する態様を含む。なお、バインダー樹脂を全く含有しない実施態様も好ましい。
具体的には、バインダー樹脂の含有量は、無機蛍光体100重量部に対し、0.01重量部以下であることが好ましく、0.005重量部以下であることがより好ましい。
分散媒中の撹拌は、複数種類の無機蛍光体が十分に均一になる程度撹拌すればよく、例えば撹拌機を用いて10分〜60分程度撹拌すれば良い。
撹拌後のスラリーは、乾燥されて二次粒子となる。乾燥の方法は、分散媒を蒸発などにより除去できれば特段限定されず、例えば、乾燥後に無機蛍光体が二次粒子を形成するように乾燥すればよい。乾燥方法としては、熱風乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、吸引乾燥等、公知の乾燥方法を用いることができる。噴霧乾燥(スプレードライ)によることが、粒子径を噴霧条件や乾燥条件によって容易に制御することが可能であり、また比較的均一な粒度分布が容易に得られるため好ましい。噴霧乾燥に用いる乾燥機としては、例えば大川原化工機製L-12型スプレードライヤなどが挙げられる。
本実施態様において、無機蛍光体の二次粒子は、平均粒径が20μm以上200μ以下であることが好ましく40μm以上150μm以下であることが好ましい。二次粒子の平均粒径を上記範囲とすることで、ひとつの二次粒子の中に複数種類の蛍光体粒子が複数個ずつ存在する状態となり、二次粒子ごとの組成比の差が小さく、全体としてより均一な状態となる。蛍光体樹脂組成物内部において均一な分散度で二次粒子が分散している状態が好ましいため、二次粒子の大きさは150μm以下が好適となる。また、二次粒子の総粒子数の60%以上が、その構成粒子として前記2種以上の無機蛍光体の全てを1粒子以上含有することが好ましい。なお、無機蛍光体二次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡観察およびその画像解析により測定した値である。
無機蛍光体二次粒子を形成する無機蛍光体の平均一次粒子径は5μm以上30μm以下であることが好ましく、7μ以上20μm以下であることがより好ましい。一次粒子径が上記範囲の無機蛍光体を用いることで、ひとつの二次粒子の中に複数種類の蛍光体粒子が複数個ずつ存在する状態となり、二次粒子ごとの組成比の差が小さく、全体としてより均一な状態となる。無機蛍光体の平均一次粒子径は、レーザー回折式粒度分析計(例えば、CILAS社製 1064)により測定した値である。
無機蛍光体二次粒子を形成する無機蛍光体は、発光ピーク波長が600nm以上670nm以下である赤色蛍光体を含むことが好ましい。発光ピーク波長が600nm以上670nm以下である赤色蛍光体のうち好ましいものとしては、一般式(MAlSi(O3x/21-x31-y(Si(3n+2)/4nO)y(式中、MはCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素である。xは0≦x≦0.4を満たし、yは0≦y≦0.45を満たし、nは0≦nを満たす整数であり、nとxは0≦(3n+2)x/4≦0.9を満たす。)で表される窒化物または酸窒化物を母結晶とした蛍光体が挙げられる。
また、無機蛍光体二次粒子を形成する無機蛍光体は、発光ピーク波長が500nm以上560nm以下である緑色蛍光体及び/又は黄色蛍光体を含むことが好ましい。発光ピーク波長が500nm以上560nm以下である緑色蛍光体及び黄色蛍光体としては、一般式Ya(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)c Ald e (a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)で表される酸化物を母結晶とした蛍光体が挙げられる。
<2.蛍光体樹脂組成物の製造方法>
本発明の実施態様に係る蛍光体樹脂組成物の製造方法について説明する。蛍光体樹脂組成物の製造方法は、本発明の第二の実施態様である。
本発明の実施態様に係る蛍光体樹脂組成物の製造方法は、2種以上の無機蛍光体を分散媒中で分散させた後に乾燥させることで、2種類以上の無機蛍光体が均一に分散された無機蛍光体二次粒子を得る混合工程、及び、混合工程で得られた無機蛍光体二次粒子と熱可塑性樹脂とを、混練後の無機蛍光体が二次粒子として存在し得るように混練する混練工程、を有する。
<2−1.混合工程>
混合工程は、2種類以上の無機蛍光体が均一に分散された無機蛍光体二次粒子を得る工程である。
無機蛍光体二次粒子は、2種類以上の無機蛍光体を予め分散媒中で分散させ、その後乾燥させることで得られる。このような方法で二次粒子を形成することで、2種類以上の無機蛍光体が均一に分散された二次粒子となる。
分散媒、無機蛍光体、及び乾燥については、上記<1−2.無機蛍光体>、<1−4.無機蛍光体二次粒子>における説明が適用される。
<2−2.混練工程>
混練工程では、上記混合工程で得られた無機蛍光体二次粒子と熱可塑性樹脂とを、混錬後の無機蛍光体が二次粒子として存在し得るように混錬する。当該混練工程を経ることで、本発明の第一の実施態様に係る蛍光体樹脂組成物が得られる。
混練工程は、公知の混練方法を用いて行うことができる。混練方法としては、例えば、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混
練機で溶融混練することがあげられる。
溶融混練では、剪段力を加え過ぎない様に、スクリューとして順送りのフライトスクリューエレメントを中心に構成されたスクリューを使用することが好ましい。
混練温度は、通常230℃以上340℃以下で行い、240℃以上300℃以下の範囲で行うことが好ましい。混練時間は通常5秒間〜1時間の範囲で行い30秒間〜15分間で行うことが好ましい。
実測樹脂温度として340℃を超えると変色しやすくなるため好ましくなく、樹脂温度が230℃未満では熱可塑性樹脂の種類によっては溶融粘度が高過ぎて押出機への機械的負荷が大きくなり好ましくない。
スクリュー回転数、吐出量は生産速度、押出機への負荷、樹脂ペレットの状態を鑑みて適宜選択すればよい。また、押出機には原料と共に巻き込んだ空気、加熱により発生したガスを押出機系外に放出するベント構造を1カ所以上設置することが好ましい。
本実施態様においては、混練工程をマイルドな条件により行うことで、混練後、無機蛍光体が二次粒子として存在し得るようになる。マイルドな条件とは、蛍光体樹脂組成物に、剪段力を加え過ぎないようにする条件である。このような条件となるように混合機及び混練機を選択したり、乃至は混合機及び混練機の動作条件を調整すればよい。
従来、色度点のばらつきの問題や発光効率のばらつきの問題解決のために、機械的混合・混練を十分に行うことが行われていた。しかしながらこのような方法では、特に硬度が高い無機蛍光体を用いる場合には、混合機・混練機との間の機械的摩擦により、蛍光体表面や機械表面が削れ、蛍光体が着色して発光特性を低下させるという問題があった。
本実施態様においては、混練工程をマイルドな条件により行うことで、このような発光特性の低下を抑制できる。
このような工程により製造された本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物は、樹脂組成物中の無機蛍光体のうち、少なくとも一部は二次粒子として存在するが、樹脂組成物中における蛍光体二次粒子の分散状態は均一ではない場合もある。これは、上記混練工程においてマイルドな条件で混練することで、無機蛍光体二次粒子が剪段力により凝集状態が過度に解消されることなく、混練後の無機蛍光体が二次粒子として存在する。一方、二次粒子同士は十分に混練されないために、蛍光体二次粒子の分散状態は均一とはならない。
一方で、蛍光体樹脂組成物中において、複数種類の無機蛍光体は二次粒子中で均一に分布し、また多少凝集状態が解消した一次粒子も、それぞれの種類が偏ることなく分布している。これは、上記混合工程において、予め無機蛍光体を分散媒中で分散して二次粒子を形成したことによるものである。
本実施態様における蛍光体樹脂組成物と、従来方法で製造した蛍光体樹脂組成物の具体的な態様について、模式図を用いて説明する。
図1は、従来方法で製造した蛍光体樹脂組成物を示す模式図であり、図2は、本実施態様における蛍光体樹脂組成物を示す模式図である。
図1では、各種無機蛍光体による二次粒子形成を行うことなく、蛍光体樹脂組成物を製造する方法を示す。
ポリカーボネート樹脂11、YAG蛍光体12a、CASN蛍光体12b、及びSCASN蛍光体12cを混合機(図示せず)で混合した後、混練機13に導入し、ポリカーボネート樹脂中に各蛍光体が十分に分散するように、十分な時間溶融混練を行い、ペレットを得る。
このような方法により得られた蛍光体樹脂組成物14は、樹脂組成物中における蛍光体の分散は良好であるが、蛍光体の種類による偏りがある。そのため、このような方法で製造した蛍光体樹脂組成物ペレットを成形して得られた成形体は、成形体毎に各蛍光体の構成比が大きく異なる。そのため、発光色度点のばらつきが生じ、また、発光効率のばらつきも生じる。
一方、図2は、無機蛍光体を予め分散媒中で分散させ、二次粒子形成を行った後、蛍光体樹脂組成物を製造する方法を示す。
YAG蛍光体12a、CASN蛍光体12b、及びSCASN蛍光体12cは、まず分散媒である水15中に添加され、撹拌されることで、水中で均一に分散し、スラリーとなる。該スラリーは例えば噴霧乾燥による乾燥工程を経て、複数種類の無機蛍光体が均一に集合した蛍光体二次粒子12dを形成する。
形成された蛍光体二次粒子12dは、ポリカーボネート樹脂11と共に混練機13に導入されて、マイルドな条件で混練される。形成された蛍光体二次粒子は、バインダー樹脂を用いることなく、水のみにより分散された後集合している。そのため、各蛍光体同士の結合力は弱い。そうして得られた本実施態様に係る蛍光体樹脂組成物14は、樹脂組成物中における蛍光体の分散状態は、混練がマイルドな条件で行われるため良好とはいえないが、蛍光体の種類による偏りは存在しない。このような方法で製造した蛍光体樹脂組成物ペレットを成形して得られた成形体(波長変換部材)は、成形体毎に各蛍光体の構成比がほぼ同一である。そのため、発光色度点のばらつきがなく、また、発光効率のばらつきもない。
<3.波長変換部材>
本発明の第三の実施態様は、上記蛍光体樹脂組成物を成形してなる波長変換部材である。
成形方法は特段限定されず、従来公知の方法を用いればよい。例えば、シート・フィルムなどの押出成形、異型押出成形、真空成形、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、回転成形、発泡成形などが挙げられる。このうち射出成形法を採用することが好ましい。
射出成形により成形を行う場合、その方法は既知の方法を用いれば良く、熱可塑性樹脂と無機蛍光体二次粒子、好ましくは拡散剤及び必要に応じて配合される他の添加剤を配合した蛍光体樹脂組成物を製造する。
該樹脂組成物を加温することで溶融させ、溶融した樹脂組成物を金型に射出することで成形する。また、組成物の配合の異なる2種類以上のペレットを任意の比率でドライブレンドして供給し、射出成形機内で溶融混合して成形することも可能である。溶融する場合の温度は、非晶性樹脂の場合はガラス転移点以上の温度であることが好ましく、結晶性樹脂の場合は融点以上の温度であることが好ましく、例えば150℃以上、好ましくは170℃以上である。成形温度は、高すぎる場合には成形体が着色する場合があることから、170℃以上320℃以下の温度で成形することが好ましい。
なお、射出成形は、ホットランナー付きの射出成形装置を用いると、スプルーランナーのロスを低減することができるため好ましい。
成形体は、白色LED発光装置中の発光面となり得る形状であればどの様な形状であっても良い。一般的には厚さ0.3mm〜5mmである。また、本発明の成形体は、単層構造であっても、2層以上の多層積層構造であっても良い。また、表面は、鏡面であってもシボ等の微細構造があっていても良く、外表面にハードコート、印刷等を施す事もできる。
<4.半導体発光装置>
本発明の第四の実施態様は、半導体発光素子と上記成形体(波長変換部材)とを備える発光装置である。
半導体発光素子と波長変換部材とは密着していても、間に空間があっても、導光板等の光伝達部材があっても良いが、発光素子と波長変換部材とが離れている(間に空間を有する)構造であることが好ましい。以下、その構成を図3及び図4を用いて説明する。
図3は、本実施態様に係る波長変換部材を備えた発光装置の模式図である。
発光装置10は、その構成部材として、少なくとも青色半導体発光素子1と波長変換部材3を有する。青色半導体発光素子1は、波長変換部材3に含有される蛍光体を励起するための励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、通常ピーク波長が425nm〜475nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が430nm〜470nmの励起光を発する。青色半導体発光素子1の数は、装置が必要とする励起光の強さにより適宜設定することが可能である。
青色半導体発光素子1の代わりに、紫色半導体発光素子を用いることもできる。紫色半導体発光素子は、通常ピーク波長が390nm〜425nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が395〜415nmの励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、配線基板2のチップ実装面2aに実装される。配線基板2には、これら青色半導体発光素子1に電極を供給するための配線パターン(図示せず)が形成され、電気回路を構成する。図3中、配線基板2に波長変換部材3が載っているように表示されているがこの限りではなく、配線基板2と波長変換部材3が他の部材を介して配置されていても良い。
例えば図4では、配線基板2と波長変換部材3が、枠体4を介して配置される。枠体4は、光に指向性を持たせるために、テーパ状になっていてもよい。また、枠体4は反射材であってもよい。
配線基板2は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有し、かつ、反射率が高いことが好ましいが、配線基板2のチップ実装面上で青色半導体発光素子1の存在しない面上、もしくは配線基板2と波長変換部材3を接続する他の部材の内面の少なくとも一部に反射率の高い反射板を設ける事もできる。このような配線基板もしくは反射板の反射率としては、80%以上であることが好ましい。このような配線基板としては、アルミナ系セラミック、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などを用いることができる。また、配線基板2のチップ実装面2a上に設置する反射板としては、アルミナ粉末、シリカ粉末、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの白色顔料を含む樹脂を用いることができる。好ましい樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂等をあげることができる。
波長変換部材3は、青色半導体発光素子1が発する入射光の一部を波長変換し、入射光とは異なる波長の出射光を放射する。波長変換部材3は、結晶性を有する熱可塑性樹脂と蛍光体を含有する。蛍光体(図示せず)の種類は特段限定されず、発光装置が白色発光装置であれば、半導体発光素子の励起光の種類に合わせて、白色光を発するように蛍光体の種類を適宜調整すればよい。
半導体発光素子が青色半導体発光素子である場合、例えば、黄色蛍光体を用いるか、黄色蛍光体及び赤色蛍光体(又は橙色蛍光体)を用いるか、緑色蛍光体及び赤色蛍光体(又は橙色蛍光体)を用いることで、白色光を発する発光装置とすることができる。
半導体発光素子が紫色半導体発光素子である場合、例えば、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を用いることで、白色光を発する発光装置とすることができる。
また、波長変換部材3中には、蛍光体とともに、少量の拡散材を含有させることが好ましい。拡散材としては、無機系光拡散材、有機系光拡散材又は気泡が挙げられる。拡散剤としては、シリカ、ガラス、炭酸カルシウム、マイカ、架橋アクリル系(共)重合体粒子、シロキサン系(共)重合体粒子からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
また、波長変換部材3は、青色半導体発光素子1との間に距離を有する。波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間は、空隙であってもよく、充填剤で充填されていても良い。このように、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間に距離を有する態様により、青色半導体発光素子1が発する熱によって波長変換部材3及び波長変換部材に含まれる蛍光体の劣化を抑制することができる。青色半導体発光素子1と波長変換部材3との間の距離は、10μm以上が好ましく、100μm以上がさらに好ましく、1.0mm以上が特に好ましい、一方1.0m以下が好ましく、500mm以下がさらに好ましく、100mm以下が特に好ましい。
発光装置は、白色光を放射する発光装置であることが好ましい。白色光を放射する発光装置は、発光装置から放射される光が、光色の黒体輻射軌跡からの偏差duvが−0.0200〜0.0200であり、かつ色温度が2500K以上、6500K以下であることが好ましい。
このように白色光を出射する発光装置は、照明装置に好適に備えられる。
以下、具体的な実験例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明が以下の具体的態様のみに限定されないことは言うまでもない。
<実験例1>
一般演色評価数(Ra)80以上、転換効率170(lm/W)以上の半導体発光装置を構成し得る蛍光体樹脂成形体を得るため、黄色発光の蛍光体としてYAG蛍光体(例えば三菱化学社製、平均一次粒径17μm)、赤色発光の蛍光体としてCASN蛍光体(例えば三菱化学社製、平均一次粒径8.5μm)、及びSCASN蛍光体(例えば三菱化学社製、平均一次粒径9μm)を混合使用することができる。
また、以下に例示する拡散剤を添加することで、波長変換部材に光拡散性を付与することができる。これらの拡散剤の物性を表1に示す。
拡散剤1:電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20D
拡散剤2:電気化学工業(株)製 球状シリカ FB5D
拡散剤3:日本電気硝子(株)製 チョップドストランド T480H
拡散剤4:日本板硝子株製 ガラスフレーク REF160
拡散剤5:日本板硝子株製 ガラスフレーク REF015
拡散剤6:日本板硝子株製 ガラスフレーク RCF160
拡散剤7:コープケミカル(株) 合成マイカ ミクロマイカMK300
拡散剤8:丸尾カルシウム(株)製 炭酸カルシウム N35
拡散剤9:丸尾カルシウム(株)製 炭酸カルシウム カルファイン200
拡散剤10:第一稀土元素化学工業(株) EP酸化ジルコニウム
拡散剤11:ガンツ化成(株) ガンツパール SI−020
拡散剤12:宇部マテリアル(株)製 珪酸カルシウムウイスカ ゾノハイジ
具体的には、YAG蛍光体1.6kg、CASN蛍光体0.26kg、SCASN蛍光体0.14kgを蒸留水10Lに分散させ、攪拌機で30分間撹拌し水・蛍光体スラリーとする。十分に均一混合されたスラリーは、回転ディスク式の微粒化装置を備えた噴霧乾燥機により噴霧乾燥を行う。ディスク回転数は15000rpm、給液速度は0.05L/minとする。乾燥装置温度は入り口温度220℃、出口温度100℃とする。得られる混合蛍光体乾燥物は粒径20μm〜200μmの範囲の、球状の顆粒(二次粒子)であり、各顆粒一粒一粒は、それぞれ複数のYAG蛍光体、CASN蛍光体、SCASN蛍光体の蛍光体粒子を含んでおり、それらは二次粒子中で均一に分散されている。
こうして得られる蛍光体二次粒子2kgとポリカーボネート粉末23kg、必要に応じて拡散剤をタンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機で混合する。その後に、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練して蛍光体樹脂組成物ペレットを得る。溶融混練条件としては、剪段力を加え過ぎない様に、スクリューとして順送りのフライトスクリューエレメントを中心に構成されたスクリューを使用する。混練温度は、240℃〜300℃の範囲で行い、混練時間は5秒間〜1時間の範囲で行う。
このようにして得られた蛍光体樹脂組成物ペレットは、マイルドな条件で混練を行うため、噴霧乾燥によって得られた蛍光体混合乾燥物を由来とする比較的蛍光体濃度の高い部分と、それ以外の比較的樹脂濃度の高い部分が共存する不均一構造をとる。蛍光体濃度の高い部分は噴霧乾燥により得られた顆粒の形骸部分であるので3種類の蛍光体は均一に混合されている。それ以外の部分にも樹脂粉末との混合やペレット化のための溶融混練の際に、噴霧乾燥により得られた顆粒が破壊されて樹脂中に蛍光体が分散して存在する。しかしながら、もともと3種類の蛍光体が均一に混合された顆粒が破壊されたことを由来としているので、これらの部分でも3種類の蛍光体は互いに均一に混合されている。そのため、ある一つの種類の蛍光体だけ濃度が極端に高い部分は存在しない。つまりペレット全体にわたって、ある一つの種類の蛍光体だけ濃度が極端に高い部分は存在しない。
このように、ある一つの種類の蛍光体の濃度だけが極端に高い部分が存在しない蛍光体樹脂組成物ペレットを用いて、射出成形により蛍光体樹脂成形体を成形する。
こうして得られる蛍光体樹脂成形体(波長変換部材)は、3種類の蛍光体の濃度が均一な蛍光体樹脂組成物から作製されているため、数多くの成形体を成形した場合にも、それぞれの成形体ごとの、3種類の蛍光体の相互濃度比率や樹脂中における蛍光体濃度のばらつきが小さい。よって、それぞれの成形体ごとの発光特性分布幅の狭い、すなわち成形体毎にばらつきの小さい波長変換部材となる。
得られた波長変換部材を図4に示すように半導体発光素子と組み合わせることで、半導体発光装置を構成することができる。
このような方法で作製した半導体発光装置は、発光特性分布幅の狭い波長変換部材を利用するため、色度点や変換効率、演色性などの重要な特性のばらつきを小さくすることができる。
<実験例2>
一般演色評価数(Ra)90以上、転換効率140(lm/W)以上の半導体発光装置を構成し得る蛍光体樹脂成形体を得るため、緑色発光の蛍光体としてLuAG蛍光体(YAGのYがLuに置換された蛍光体。例えば三菱化学社製、平均一次粒径8μm)、黄色発光の蛍光体としてYAG蛍光体(例えば三菱化学社製、平均一次粒径17μm)、赤色発光の蛍光体としてCASN蛍光体(例えば三菱化学社製、平均一次粒径8.5μm)、を混合使用することができる。
具体的には、LuAG蛍光体0.38kg、YAG蛍光体1.14kg、CASN蛍光体0.48kgを蒸留水100Lに分散させた以外は実験例1と同様にして、半導体発光装置を構成する。
このような方法で作製した半導体発光装置は、発光特性分布幅の狭い波長変換部材を利用するため、色度点や変換効率、演色性などの重要な特性のばらつきを小さくすることができる。
<比較実験例1>
これに対して、本発明によらない従来の一般的な方法により、たとえば一般演色評価数(Ra)80以上、転換効率170(lm/W)以上の半導体発光装置を構成し得る蛍光体樹脂成形体を得るため、実験例1と同様に蛍光体材料を準備する。
具体的には、YAG蛍光体1.6kg、CASN蛍光体0.26kg、SCASN蛍光体0.14kgをポリカーボネート粉末23kgとをタンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機で混合する。その後に、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練して蛍光体樹脂組成物ペレットを得る。
このようにして得られた蛍光体樹脂組成物ペレットでは、乾式混合と溶融混練による混合により複数蛍光体間の混合が行われるだけであり、3種類の蛍光体を互いに十分均一に混合していない。そのため樹脂中には、ある1種類の蛍光体だけ濃度が極端に高い部分が存在する箇所が生じ、すなわちペレット全体の中で、ある1種類の蛍光体だけ濃度が極端に高い部分が存在することを避けられない。
このようにある1種類の蛍光体の濃度だけが極端に高い部分が存在する蛍光体樹脂組成物ペレットを用いて成形された比較実験例1に係る波長変換部材は、3種類の蛍光体の濃度が不均一である蛍光体樹脂組成物から作製されているため、数多くの成形体を作製した場合には、それぞれの成形体ごとに、3種類の蛍光体の相互濃度比率や樹脂中での蛍光体濃度のばらつきが大きく、それぞれの成形体ごとの特性分布幅が広い波長変換部材となる。
このような波長変換部材と半導体発光素子とを組み合わせて構成した半導体発光装置は、特性分布幅の広い波長変換部材を使用していることが原因で、色度点や変換効率、演色性などの重要な特性の分布幅が大きくならざるを得ない。
10 発光装置
1 青色半導体発光素子
2 配線基板
2a チップ実装面
3 波長変換部材
4 枠体
11 ポリカーボネート樹脂
12a YAG蛍光体
12b CASN蛍光体
12c SCASN蛍光体
12d 蛍光体二次粒子
13 混練機
14 蛍光体樹脂組成物
15 水

Claims (16)

  1. 2種類以上の無機蛍光体及び熱可塑性樹脂を含む蛍光体樹脂組成物であって、
    蛍光体樹脂組成物中に含まれる前記2種類以上の無機蛍光体は二次粒子として存在し、
    前記二次粒子は、2種類以上の無機蛍光体が予め分散媒中で分散され、その分散状態のまま乾燥されて二次粒子を形成することで、前記2種類以上の無機蛍光体が均一に分散されている、蛍光体樹脂組成物。
  2. 前記無機蛍光体の二次粒子は、熱風乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、及び吸引乾燥からなる群より選ばれる一又は二以上の乾燥方法により形成される、請求項1に記載の蛍光体樹脂組成物。
  3. 前記無機蛍光体の二次粒子は、平均粒径が20μm以上200μm以下である、請求項1または2に記載の蛍光体樹脂組成物。
  4. 前記無機蛍光体は、発光ピーク波長が600nm以上670nm以下である赤色蛍光体を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  5. 前記無機蛍光体は、発光ピーク波長が500nm以上560nm以下である緑色蛍光体及び/又は黄色蛍光体を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  6. 前記無機蛍光体は、平均一次粒径が5μm以上30μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物。
  7. 前記無機蛍光体は、(MAlSi(O3x/21-x31-y(Si(3n+2)/4nO)y(式中、MはCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素である。xは0≦x≦0.4を満たし、yは0≦y≦0.45を満たし、nは0≦nを満たす整数であり、nとxは0≦(3n+2)x/4≦0.9を満たす。)で表される窒化物または酸窒化物を母結晶とした蛍光体を含む、請求項4に記載の蛍光体樹脂組成物。
  8. 前記無機蛍光体は、Ya(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)c Ald e (a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦0.2、10.8≦e≦13.4)で表される酸化物を母結晶とした蛍光体を含む、請求項5に記載の蛍光体樹脂組成物。
  9. 2種類以上の無機蛍光体及び熱可塑性樹脂を含む蛍光体樹脂組成物の製造方法であって、
    2種類以上の無機蛍光体を分散媒中で分散させた後に、分散状態のまま乾燥させることで、2種類以上の無機蛍光体が均一に分散された無機蛍光体二次粒子を得る混合工程、及び
    混合工程で得られた無機蛍光体二次粒子と熱可塑性樹脂とを、混練後の無機蛍光体が二次粒子として存在し得るように混練する混練工程、を有する、製造方法。
  10. 前記混合工程において、熱風乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、及び吸引乾燥からなる群より選ばれる一又は二以上の乾燥方法により二次粒子が形成される、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記混合工程において、無機蛍光体を分散させる分散媒中にバインダーを実質的に含まない、請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光体樹脂組成物、または請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法により製造された蛍光体樹脂組成物、を成形してなる波長変換部材。
  13. 押出成形、異型押出成形、真空成形、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、回転成形、及び発泡成形から選択される成形方法により成形されてなる、請求項12に記載の波長変換部材。
  14. 2種類以上の無機蛍光体が波長変換部材中で二次粒子として存在し、該二次粒子は2種類以上の無機蛍光体が均一に分散されている、請求項12または13に記載の波長変換部材。
  15. 半導体発光素子、及び請求項12〜14のいずれか1項に記載の波長変換部材を備える半導体発光装置。
  16. 前記半導体発光素子と前記波長変換部材とが離れている、請求項15に記載の半導体発光装置。
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