以下、本実施形態に係るマッサージ機(以下、「本マッサージ機」ということもある)について、図面を参照しながら説明する。本マッサージ機は、図1〜図4に示すように、座部11と、この座部11の後部に設けられた背もたれ部12とを具備しており、座した状態の被施療者に対するマッサージが実行可能な椅子型マッサージ機としている。
背もたれ部12は、座部11の後部に枢軸2を介してリクライニング自在に設けられており、その中央部には縦長孔12aが形成され、この縦長孔12aに揉み玉51,51が臨むようにして機械式マッサージユニット5を上下昇降自在に配設している。すなわち、縦長孔12aが機械式マッサージユニット5の移動領域を形成している。
また、本マッサージ機は、座部11の左右側に肘掛部13,13を設けるとともに、前側には所謂「オットマン」と呼ばれる脚載部14を上下回動自在に配設している。脚載部14には、被施療者の脚を収容できるようにそれぞれ半割円筒状に形成された左右一対の脚受部14a,14aが形成されている。
さらに、肘掛部13,13の上方位置には、背もたれ部12の高さ方向の略中央位置に体側施療部15,15を配設している。
そして、座部11や背もたれ部12をはじめとする各所に、以下に詳述する複数のエアバッグ3を配設して、座した状態の被施療者に対し、揉み玉51やエアバッグ3を用いた各種形態のマッサージを実行可能としている。
本マッサージ機が備えるエアバッグ3としては、以下に説明する複数のエアバッグ3がある。
背もたれ部12には、被施療者を背部側から押圧するエアバッグ3として、背もたれ部12の前側面に配設された第1のエアバッグ31を備えている。そして、この第1のエアバッグ31の上方位置には、被施療者の背部を押圧するエアバッグ3として、背部用エアバッグ30と第8のエアバッグ39とが設けられている。また、座部11に設けられたエアバッグ3としては、被施療者を左右側から押圧する第2のエアバッグ32と、被施療者の臀部を押圧する第3のエアバッグ33と、座した被施療者の大腿を押し上げる第4のエアバッグ34とが設けられている。また、その他のエアバッグ3として、脚載部14には、第5のエアバッグ35と第6のエアバッグ36とが設けられるとともに、体側施療部15,15には第7のエアバッグ38が設けられている。
図示するように、第1のエアバッグ31は、左右一対の第1エアバッグ31L,31Rとから構成され、本実施形態では、座部11に可及的に近接するように配置している。ところで、第1エアバッグ31L,31Rは、実質的には、これらの各一端が座部12に連結されている。すなわち、第1のエアバッグ31は、背もたれ部12側に配置されていながらも座部11側で支持されているのである。
また、背部用エアバッグ30は、それぞれ左右一対の背部用中段エアバッグ30aL,30aRと、背部用上段エアバッグ30bL,30bRとから構成している。
さらに、本実施形態に係るマッサージ機では、背もたれ部12の略中央位置に、縦長孔12aを横断するように背当て板16を架け渡し、この背当て板16に第8のエアバッグ39を配設している。この第8のエアバッグ39により、これまではエアバッグを当接させることもできなかった被施療者の背骨近傍を押圧してエアマッサージすることが可能となっている。
なお、第8のエアバッグを備えた構成としているため、本マッサージ機は、機械式マッサージユニット5の昇降範囲の最下点位置が第8のエアバッグ39の直上方位置となっている。
第2のエアバッグ32は、左右第2エアバッグ32L,32Rとから構成し、左右の肘掛部13,13の内側にそれぞれ配設している。また、本実施形態に係るマッサージ機では、左右第2エアバッグ32L,32Rは、一端を前記座部11側で支持する一方、他端を前記座部に設けられた肘掛部に当接させ、前記座部との間に間隙が形成されるように傾倒した状態で配置されている。
また、左右第2エアバッグ32L,32Rは、それぞれ、二重のエアバッグ構造としている。すなわち、左第2エアバッグ32Lは、左内側第2エアバッグ32Laと左外側第2エアバッグ32Lbとを重合させた構成であり、右第2エアバッグ32Rは、右内側第2エアバッグ32Raと右外側第2エアバッグ32Rbとを重合させた構成となっている。
第3のエアバッグ33は、被施療者の臀部を押圧するもので、被施療者の大腿部を押圧する第4のエアバッグ34よりも相対的に背もたれ部12側に位置している。ここでは、第3のエアバッグ33を、左右一対の左右第3エアバッグ33L,33Rとから構成している。また、第4のエアバッグ34は、左右第4エアバッグ34L,34Rから構成されている。
さらに、脚載部14の半割円筒状に形成された左右の脚受部14a,14aには、それぞれ、第5のエアバッグ35を被施療者のふくらはぎ側の後側面に設け、開口部側の左右側壁には第6のエアバッグ36,37を配設している。なお、第5のエアバッグ35は左右一対の左右第5エアバッグ35L,35Rから構成され、第6のエアバッグ36,37は、それぞれ第6内外エアバッグ36a,36b,37a,37bから構成されている。
また、背もたれ部12に設けた左右の体側施療部15,15には、それぞれ、第7のエアバッグ38が重ねられて配設され、被施療者の体側を必要十分に押圧可能となっており、優しく、かつ十分な体側マッサージが可能となっている。
上述した構成のマッサージ機は、図5に示すように、複数のアクチュエータと、これらの動作を制御する制御部4とを備えている。
アクチュエータとしては、機械式マッサージユニット5を前後駆動させたり、揉み玉51を揺動させたりしてマッサージ駆動を実現するための機械式マッサージユニット用モータM1と、機械式マッサージユニット5を上下昇降させるための機械式マッサージユニット昇降用モータM2と、背もたれ部12をリクライニング動作させるためのリクライニング用モータM3と、エアバッグ3を膨縮動作させるためのエアポンプPなどがある。
また、制御部4は、図示するように、CPU40と、ROM41及びRAM42などの記憶装置とを備えたコンピュータが搭載されており、CPU40は、図示しないリモートコントローラなどからなる操作部からの指令信号にしたがって前述の各種アクチュエータを制御して、各種マッサージを実行可能としている。
また、本マッサージ機は、自動マッサージコースなどのコースマッサージも実行することができる。前記操作部からコースマッサージの指令信号が入力されると、CPU40は、ROM41に格納された各種マッサージ制御プログラムにしたがって、前述の各種アクチュエータを制御して、予め所定の順番で設定された各種マッサージを自動的に連続して実行することができる。
特に、本マッサージ機では、上述した被施療者を背部側から押圧する第1のエアバッグ31と、被施療者を左右側から押圧する第2のエアバッグ32とのそれぞれの膨縮動作を制御して、腰痛の緩和や防止の他、内臓のはたらきを整える効果も期待できる骨盤マッサージを実行可能としている。
そのために、第1のエアバッグ31は、図2に示すように、座部11に近接するように背もたれ部12の最下部に配置されており、第2のエアバッグ32は、その下端を座部11に連結するとともに、その上端が肘掛部13の内側面に当接するように傾倒させて配置し、第2のエアバッグ32(左右第2エアバッグ32L,32R)が、座部11との間にも、肘掛部13との間にも間隙Qが形成されるようしている。すなわち、図示するように、第2のエアバッグ32と座部11と肘掛部13との間に正面視略三角形の空間Qが形成される。
また、図示するように、本マッサージ機の第1のエアバッグ31は、その下端が、座部11に可及的に近接しており、第2のエアバッグ32は、その後端が背もたれ部12にやや近接しているため、被施療者の骨盤を押圧するのに適した配置となっている。
かかる構成とすれば、この種の椅子型マッサージ機において、被施療者は、座部11に自然な状態で腰掛けるだけで、図7及び図8に示すように、骨盤の位置と、第1エアバッグ31L,31R及び左右第2エアバッグ32L,32Rとをマッチングさせることができ、被施療者は座った楽な姿勢のまま、骨盤マッサージを効果的に行うことができる。
また、かかる構成において、制御部4は、骨盤マッサージの開始に先立って、背もたれ部12を起立させるようにしている(図4を参照)。すなわち、制御部4は、リクライニング用モータM3を制御して背もたれ部12のリクライニング動作を制御するとともに、エアポンプPを制御して第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作をそれぞれ制御して骨盤マッサージを実行するのである。
骨盤に対する施療は、先ず骨盤の位置を把握する必要がる。また、例えば、骨盤を締めるマッサージを行うときにマッサージ位置を誤ってしまうと逆効果になってしまう場合があるので、骨盤の正確な位置決めは極めて重要になる。そのため、骨盤マッサージを開始する場合、先ず、背もたれ部12を起立させることにより、背もたれ部12にもたれかかった状態で座部11に奥深く座している被施療者の骨盤位置が規定される。そして、かかる位置を押圧するのに適した位置に第1、第2のエアバッグ31,32は配置されているため、前述した有効な骨盤マッサージが実現できるのである。
なお、背もたれ部12の起立位置としては、可及的に垂直に近い方が望ましく、例えば、骨盤マッサージ専用の特別起立位置を設定しておくことが望ましい。つまり、通常のリクライニング操作で最大限起立させた背もたれ部12の通常起立位置は、垂直よりも若干後方へ倒伏しているのに対し、骨盤マッサージを行う場合、制御部4は、通常起立位置よりもより垂直に近い特別起立位置に背もたれ部12を位置させる制御を行うのである。
したがって、例えば、骨盤マッサージが含まれるコースマッサージなどを実行する場合、制御部4のCPU40は、コースマッサージのスタート時に「特別起立位置」に背もたれ部12を位置させたり、あるいは、コースマッサージ実行中、骨盤マッサージが実行される直前に背もたれ部12を「特別起立位置」に位置させたりするなどの制御を行う。
また、制御部4は、骨盤マッサージの開始に先立って、背もたれ部12を起立させる制御に加え、座部11の背もたれ部12側に配設した第3のエアバッグ33を膨張させることもできる。このように、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32に加え、さらに、第3のエアバッグ33の膨縮動作をそれぞれ制御することで、被施療者の体格に応じ、骨盤位置の上下方向における調整が可能となる。
ところで、本マッサージ機では、第2のエアバッグ32が座部11側に支持されているにもかかわらず、被施療者を左右側から押圧することができ、しかも、この第2のエアバッグ32は、被施療者の体格差(例えば、臀部の大きさ)を吸収する構成を有している。すなわち、第2のエアバッグ32を、可撓性のあるシート材で形成し、下端を座部11側の肘掛部13寄りに固定する一方、上端を自由端として、その上端が肘掛部13の内側面側に当接するように傾倒した状態で配置して、図2及び図6に示すように、正面視で逆ハ字状となるように配置している。図2に示すように、本実施形態においては被施療者が座っていない状態で座部と第2のエアバッグ32の成す角度αは70度としているが、肘掛部13を壁として機能させるには、角度αは30度以上とするのが望ましい。
通常、座部11に連結支持した従来のエアバッグであれば、被施療者を下側からのみ押圧する構成となり、被施療者を左右側から押圧することが難しく、また、肘掛部13の内側にエアバッグを配設しただけでは、小柄な被施療者では当接しない場合があり、体格差を吸収することは難しくなる。そこで、本実施形態に係る第2のエアバッグ32は、当該第2のエアバッグ32と座部11と肘掛部13との間に空間Qが形成されるように、第2のエアバッグ32の上端が肘掛部13の内側面側に当接するように傾倒した状態の取付構造としている。したがって、第2のエアバッグ32と被施療者は体格差があってもそれぞれ当接しやすくなる。また、当接量は体格差によりそれぞれ異なるものの、第2のエアバッグ32は空間Q内でその体格差に応じしなやかに変形するので、被施療者は違和感の無い座り心地を得ることができる。そして、その状態で第2のエアバッグ32を膨張させると、肘掛部13の内側面が壁となるため、当該第2のエアバッグ32によって被施療者を左右からしっかりと押圧することができる(図6(a)(b)参照)。なお、体格差により当初の当接量が異なるため、左右からの押圧力に差異が生じるが、この差異はエアバッグ(第2のエアバッグ32)への給気量で調整出来る。
ところで、本実施形態に係る第2のエアバッグ32は、図6(c)(d)に示すように、左第2エアバッグ32Lを、左内側第2エアバッグ32Laと左外側第2エアバッグ32Lbとを重合させて構成し、右第2エアバッグ32Rを、右内側第2エアバッグ32Raと右外側第2エアバッグ32Rbとを重合させて構成している。
かかる構成であっても重合したエアバッグはしなやかに変形可能であり、この実施形態では左右外側第2エアバッグ32Lb,32Rbを左右内側第2エアバッグ32La,32Raとともに膨張させれば、左右方向からの押圧力が向上する。
このように、本マッサージ機によれば、被施療者自身の体格に応じた適切な位置で左右内側第2エアバッグ32La,32Raを膨張・収縮させるマッサージ動作を行えば、座り心地が良好なまま体格差を吸収して効果的な骨盤マッサージを行うことができる。
特に、どのような体格の被施療者であっても、例えば大柄な被施療者であって、左右第2エアバッグ32L,32Rが被施療者の臀部に押されても、当該左右第2エアバッグ32L,32Rは空間Q内で抵抗なく変形するため、被施療者は座り心地を損なうことがなく、第2のエアバッグ32をしっかりと骨盤の左右側にフィットさせることができる。そのため、第2のエアバッグ32を膨張させると、図7に示すように、骨盤を締めるマッサージに有効な部位とされる、所謂「大転子」と呼ばれる特定部位Mを効果的に押圧することができるようになる。なお、大転子の位置は座面近傍なので左右からの押圧位置は座面の近傍でなければ逆効果になるが、本発明の場合、座部に支持されているエアバッグにより骨盤を左右から押圧出来る構成なので座面が被施療者の体重により上下に移動してもエアバッグも追従するので確実に座面近傍を左右から押圧出来る。
ここで、第1のエアバッグ31と第2のエアバッグ32との構成について、図9及び図10を参照して説明する。
本マッサージ機は、少なくとも第1エアバッグ31L,31Rと左右第2エアバッグ32L,32Rとを、座部11側で支持する構成としている。ここでは、図9に示すように、第1のエアバッグ31と第2のエアバッグ32とを、第3のエアバッグ33と共に、座部11に集中配置可能な構成としている。
具体的には、図10に示すように、座部11の中央に配設する矩形プレート3aの周縁に点ファスナ3bを設けておくとともに、各エアバッグ3の周縁部にもそれぞれ互いに連結可能な位置に点ファスナ3bを設けておく。そして、第3のエアバッグ33を構成する左右第3エアバッグ33L,33Rを、互いに対向するように矩形プレート3aに連接している。
また、第1エアバッグ31L,31R及び左右第2エアバッグ32L,32Rの下縁部は、それぞれ屈曲自在の連接部3cとしており、この連接部3cにも点ファスナ3bを設けている。そして、連接部3cの点ファスナ3bを介して、第1エアバッグ31L,31Rを第3のエアバッグ33の後縁に、左右第2エアバッグ32L,32Rを第3のエアバッグ33の側縁に、それぞれ所定角度で起立状に連接している。すなわち、左右第2エアバッグ32L,32Rについては、下端部が第3のエアバッグ33の側縁を介して座部11側に固定され、上端が自由端となっているため、この上端が肘掛部13の内側面に当接して正面視で略逆ハ字状となるように配設することが可能となる(図2、図6及び図7参照)。
かかる構成により、図9に示すように、少なくとも骨盤マッサージに主として用いられる第1のエアバッグ31と第2のエアバッグ32とを、座部11側に支持させることが可能となる。したがって、エアバッグ3とエアポンプPとを接続するエアホース(図示せず)などの取り回しなども簡単な構成となるため、製造工程が簡素化されて製造効率が向上する。また、本マッサージ機では、特に、第1のエアバッグ31と第2のエアバッグ32とを第3のエアバッグ33に接続した構成としているため、骨盤マッサージに使用される6つのエアバッグを略同時に組み付けることができ、上記効果をより高めることができる。
なお、第1エアバッグ31L,31Rと左右第2エアバッグ32L,32Rとを座部11側で支持する構成としては、例えば、これらに支持片をそれぞれ設け、この支持片を介して座部11に直接取り付ける構成としても構わない。
なお、図示した例では、左第2エアバッグ32Lを構成する左内外側第2エアバッグ32La,32Lb及び右第2エアバッグ32Rを構成する右内外第2エアバッグ32Ra,32Rbは、全く分離独立した2つのエアバッグを重合した構成としているが、膨張するバッグ本体部分のみが分離し、連接部3cは共通とした一体成形品としてもよい。
以下、本実施形態に係るマッサージ機を用いて実際に骨盤マッサージを行う場合について、骨盤マッサージの一形態を示す図11〜図18を参照しながら具体的に説明する。
以下に説明する骨盤マッサージにおけるエアバッグ3の給気排気については、前記した制御部4によって制御されるものであり、制御部4は、骨盤マッサージを実行する際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32に加え、さらに、第3のエアバッグ33と第4のエアバッグ34との膨縮動作をそれぞれ制御している。
なお、本マッサージ機で行う骨盤マッサージは、大きくは、骨盤をほぐすマッサージと骨盤を締めるマッサージとに分かれている。図11〜図14に示した例は、骨盤をほぐすマッサージの中でも骨盤を前傾させる動作と後傾させる動作に関するものである。
骨盤の前傾は、本マッサージ機では、図11に示すように、第8のエアバッグ39を膨張させ、これで被施療者の背骨中央部分を押圧して強制的に身体を反らすような姿勢をとらせるようにしている。被施療者の上体にかかる姿勢をとらせことにより、骨盤は前傾姿勢となる。このように、これまではエアバッグを当接させることもできなかった被施療者の背中の中心となる背骨近傍を、第8のエアバッグ39によるエア圧によって優しく押すことができるため、被施療者に負担をかけることなく骨盤の前傾動作を行わせることができる。
このように、本マッサージ機の制御部4は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作を行わない時に、第8のエアバッグ39の膨縮動作を行うように制御することができる。
また、第8のエアバッグ39を備えていない構成のマッサージ機であれば、図12に示すように、機械式マッサージユニット5を中央の高さ位置に移動させて被施療者の背中を押圧し、やはり強制的に身体を反らすような姿勢をとらせるとよい。すなわち、本マッサージ機の制御部4は、骨盤マッサージを実行する際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作を行わない時に、機械式マッサージユニット5を第1のエアバッグ31より上方へ移動させ、当該機械式マッサージユニット5の揉み玉51により背中を押圧させるように制御することができる。なお、このときに、背部用エアバッグ30の背部用中段エアバッグ30bL,30bRを膨張させて、これと協働して背中を押圧してもよい。
また、骨盤を前傾させる動作では、体側施療部15,15の第7のエアバッグ38を膨張させて身体の肩部分を保持することにより、より効果的に身体を反らす姿勢をとらせることができる。
一方、骨盤の後傾は、図13に示すように、背部用上段エアバッグ30aL,30aRを膨張させ、これで被施療者の背中の肩甲骨近傍を押圧し、背中を強制的に丸めるような姿勢をとらせるようにしている。このとい、腰が落ちた状態になって、骨盤は後傾姿勢となる。
また、前述したように、制御部4は、骨盤マッサージを実行する際に、機械式マッサージユニット5を制御することができるため、図14に示すように、機械式マッサージユニット5を所定高さ位置(例えば、肩甲骨近傍)に移動させて被施療者の背中を押圧してもよい。
なお、骨盤を後傾させる動作を実行する場合、例えば、第4のエアバッグ34を膨張させて、被施療者の大腿部を下方から押し上げてアシストすることにより、腰を落とさせやすくすることができる。すなわち、制御部4は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32に加え、さらに、この第4のエアバッグ34の膨縮動作をそれぞれ制御することができる。
また、制御部4は、骨盤を後傾させる動作を実行する際に、背もたれ部12を前方へ所定角度だけ回動させて、背中を丸めるような姿勢をとらせるアシストを行わせることもできる。
次に、骨盤をほぐすマッサージの中で、左右横揺らし動作について説明する。なお、図15〜図18においては、理解を容易にするために、第1エアバッグ31RはNO.1、第1エアバッグ31LはNO.2、右第2エアバッグ32RはNO.3、左第2エアバッグ32LはNO.4、右第3エアバッグ33RはNO.5、左第3エアバッグ33LはNO.6と番号を付し、作動順などはその番号で表わす。
図15に示すように、右第2エアバッグ32RであるNO.3を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させ、その後、1秒排気し(図15(a))、次に、同じように左第2エアバッグ32LであるNO.4を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させ、その後、1秒排気する(図15(b))。そして、このサイクルを繰り返して身体を横揺らしする。つまり、NO.3給気(5秒)→NO.3排気(1秒)→NO.4給気(5秒)→NO.4排気(1秒)と繰り返すのである。このサイクルを繰り返すことで、腰を横に押し出しつつ肩を腰の押し出し方向と逆に傾ける身体の横揺らし動作が所定回数繰り返されることになる。勿論ではあるが、NO.4から先に膨張・収縮させても構わない。
また、NO.3及びNO.4を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させるときに、同時に右第3エアバッグ33RであるNO.5及び左第3エアバッグ33LであるNO.6を同じ時間膨張させ、その後両者を収縮させるようにしてもよい。つまり、NO.3及びNO.5給気(5秒)→NO.3及びNO.5排気(1秒)→NO.4及びNO.6給気(5秒)→NO.4及びNO.6排気(1秒)と繰り返すのである。この場合、被施療者の左右への揺れの度合いを大きくすることができる。
あるいは、NO.5を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させ、その後、1秒排気し、次に、同じようにNO.6を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させ、その後、1秒排気し、このサイクルを繰り返してもよい。つまり、NO.5給気(5秒)→NO.5排気(1秒)→NO.6給気(5秒)→NO.6排気(1秒)と繰り返してもよい。すなわち、お尻を片方ずつ持ち上げることでも左右横揺らし動作が実現できる。
さらに、NO.3を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させた後、NO.5を1秒給気して膨張させ、その後、両者を1秒排気し、次いで、NO.4を所定時間(例えば5秒)給気して膨張させた後、NO.6を1秒給気して膨張させ、その後、両者を1秒排気する動作を繰り返してもよい。つまり、NO.3給気(5秒)→NO.5給気(1秒)→NO.3及びNO.5排気(1秒)→NO.4給気(5秒)→NO.6給気(1秒)→NO.4及びNO.6排気(1秒)と繰り返すのである。また、その逆に、NO.5給気(5秒)→NO.3給気(1秒)→NO.5及びNO.3排気(1秒)→NO.6給気(5秒)→NO.4給気(1秒)→NO.6及びNO.4排気(1秒)と繰り返すこともできる。これらの場合も、被施療者の左右への揺れの度合いを大きくすることができる。
次に、骨盤をほぐすマッサージの中でも、身体の回転動作について説明する。図16に示すように、先ず、右第2エアバッグ32RであるNO.3に給気し(図16(a))、骨盤部分を左方向に押しつつ、その1秒後に右側の第1エアバッグ31RであるNO.1に給気して、身体の右側を前方に押し(図16(b))、さらに、1秒後に左側の第1エアバッグ31LであるNO.2に給気して身体の左側を前方に押す(図16(c))。さらに、その1秒後に左第2エアバッグ32LであるNO.4に給気すると同時にNO.3は排気する(図16(d))。
そして、その1秒後にNO.1を排気して身体の右側前方への押圧を解除し(図16(e))、さらに1秒後にNO.2を排気して身体全体の前方への押圧を解除し(図16(f))、次いで、1秒後にNO.4を排気して初期状態に戻る(図16(g))。このサイクルを繰り返すことで、身体の右回転がなされる。
すなわち、NO.3給気→NO.1給気→NO.2給気→NO.4給気(NO.3排気)→NO.1排気→NO.2排気→NO.4排気のサイクルが1秒間隔で繰り返されるのである。
また、図示しないが、第2のエアバッグ32(NO.3及びNO.4)に代えて第3のエアバッグ33(NO.5及びNO.6)を用いることもできる。すなわち、右第3エアバッグ33RであるNO.5給気→NO.1給気→NO.2給気→NO.6給気(NO.5排気)→NO.1排気→NO.2排気→NO.6排気のサイクルを1秒間隔で繰り返すのである。
また、身体の回転動作としては、これも図示しないが、第2のエアバッグ32(NO.3及びNO.4)と第3のエアバッグ33(NO.5及びNO.6)とを協働させることもできる。すなわち、NO.5及びNO.3給気→NO.1給気→NO.2給気→NO.6給気(NO.5及びNO.3排気)→NO.4給気(NO.1排気)→NO.2排気→NO.6及びNO.4排気のサイクルを1秒間隔で繰り返すのである。
また、このとき、第2のエアバッグ32(NO.3及びNO.4)と第3のエアバッグ33(NO.5及びNO.6)との給・排タイミングを入れ替えてもよい。つまり、NO.3及びNO.5給気→NO.1給気→NO.2給気→NO.4給気(NO.5及びNO.3排気)→NO.6給気(NO.1排気)→NO.2排気→NO.6及びNO.4排気のサイクルを1秒間隔で繰り返すのである。
さらに、身体の回転動作としては、これも図示しないが、先ず、右第2エアバッグ32RであるNO.3に給気し、骨盤部分を左方向に押しつつ、その0.5秒後に右第3エアバッグ33RであるNO.5に給気して身体の右側を持ち上げ、その1.5秒後に右側の第1エアバッグ31RであるNO.1に給気して、身体の右側を前方に押し、さらに、1秒後に左側の第1エアバッグ31LであるNO.2に給気して身体の左側を前方に押す。さらに、その1秒後に左第2エアバッグ32LであるNO.4に給気すると同時にNO.3は排気する。次いで、0.5秒後に、左第3エアバッグ33LであるNO.6に給気して身体の左側を持ち上げ、臀部が左右とも持ち上げられたその0.5秒後にNO.5を排気して右側を下げる。そして、その1秒後にNO.1を排気して身体の右側前方への押圧を解除し、さらに0.5秒後にNO.2を排気して身体全体の前方への押圧を解除し、次いで、1秒後にNO.4及びNO.6を排気して初期状態に戻るというサイクルを繰り返すのである。
この場合、NO.3給気→0.5秒後NO.5給気→1.5秒後NO.1給気→1秒後NO.2給気→1秒後NO.4給気(NO.3排気)→0.5秒後NO.6給気→0.5秒後NO.5排気→1秒後NO.1排気→0.5秒後NO.2排気→1秒後NO.4及びNO.6排気のサイクルを繰り返すことになる。
また、NO.3とNO.5との間と、NO.4とNO.6との間の0.5秒の時間差を無くし、NO.3及びNO.5給気→1.5秒後NO.1給気→1秒後NO.2給気→1秒後NO.4及びNO.6給気(NO.3及びNO.5排気)→1秒後NO.1排気→0.5秒後NO.2排気→1秒後NO.4及びNO.6排気のサイクルとすることもできる。
なお、上述してきた身体の回転動作は右回りとして説明したが、当然ながら左回りを実行することもでき、右回りと左回りとを組み合わせて複数回実行することができる。
次に、骨盤をほぐすマッサージの中で、八の字動作と呼ばれるマッサージについて、図17を参照しながら説明する。なお、この八の字動作も右回転を例に説明するが、左回転も可能で、左右の回転を組み合わせることができる。
図示するように、先ず、制御部4は、右側の第1エアバッグ31RであるNO.1と、左側の第1エアバッグ31LであるNO.2とに給気し、被施療者の身体全体を前方に押す(図17(a))。そして、その1秒後に左第2エアバッグ32LであるNO.4に給気すると同時にNO.1を排気して、身体を右側に捻じるように押し込む(図17(b))。次いで、制御部4は、その0.5秒後に左第3エアバッグ33LであるNO.6に給気して身体の左側を持ち上げる(図17(c))。
そして、その1.5秒後に、制御部4は再度NO.1に給気して背中の右側を押圧する(図17(d))。そして、制御部4は、その1.0秒後に、右第2エアバッグ32RであるNO.3に給気すると同時に、NO.2、NO.4及びNO.6を排気して、身体を一気に左方向へ押す(図17(e))。次いで、0.5秒後に右第3エアバッグ33RであるNO.5に給気して身体の右側を持ち上げ(図17(f))、次いで、1.5秒後にNO.2に給気して身体の左側も前方へ押し(図17(g))、その1.0秒後にはNO.4に給気すると同時にNO.1、NO.3及びNO.5を排気し(図17(h))、その0.5秒後にはNO.6に給気して身体の左側を持ち上げる(図16(i))。その後、制御部4は、図17(d)〜図17(i)までの動作を繰り返し、あたかも8の字を描くような骨盤マッサージを実現することができる。
すなわち、制御部4は、NO.1及びNO.2給気→1秒後NO.4給気(NO.1排気)→0.5秒後NO.6給気の後、1,5秒後NO.1給気→1.0秒後NO.3給気(NO.2,O.4,NO.6排気)→0.5秒後NO.5給気→1.5秒後NO.2給気→1.0秒後NO.4給気(NO.1,NO.3,NO.5排気)→0.5秒後NO.6給気のサイクルを繰り返すのである。
次に、骨盤を締める動作について、図18を参照しながら説明する。図示するように、制御部4は、先ず、第3のエアバッグ33、すなわち、NO.5及びNO.6に給気して膨張させる(図18(a))。そして、骨盤の高さを適正な位置にした後、第2のエアバッグ32、すなわち、NO.3とNO.4に給気して膨張させる(図18(b))。ここで、第3のエアバッグ33へ給気を開始して膨張させる時間は7秒間としている。次いで、NO.3、NO.4,NO.5及びNO.6の全てを排気する(図18(c))。そして、かかる工程を繰り返して骨盤を締めるのである。なお、この例では、先ず、NO.5及びNO.6をわずかに先行させて給気したが、NO.3、NO.4,NO.5及びNO.6の全てを同時給気してもよい。また、骨盤位置の高さ調整などが不要でる場合は、NO.5、NO.6には給気せず、NO.3とNO.4のみを使用してもよい。
また、骨盤を締める動作の他の例としては、図示しないが、第1のエアバッグ31(第1エアバッグ31L,31R)を併用してもよい。すなわち、NO.1〜NO.4に例えば7秒間給気して膨張させ、すべてを同時に排気する行程を繰り返すのである。あるいは、NO.1〜NO.6に例えば7秒間給気して膨張させ、すべてを同時に排気する行程を繰り返してもよい。
さらに、骨盤を締める動作の他の例として、これも図示しないが、上述したNO.1〜O.4あるいはNO.5及びNO.6までを含めたエアバッグ膨縮制御に、図11〜図14で示した骨盤の前傾動作や後傾動作とを組み合わせてもよい。
さらに、骨盤を締める動作としては、様々な制御方法が考えられる。例えば、骨盤を締めた状態で身体(尻)を持ち上げることができる。この場合は、NO.3及びNO.4を7秒同時給気し、2秒後にNO.5及びNO.6を同時給気し、4秒かけてNO.3〜NO.6を全て同時に排気するサイクルが考えられる。
また、骨盤を締めた状態で、腰を同時に押圧することもできる。この場合は、NO.3及びNO.4を7秒同時給気し、2秒後に第1のエアバッグ31であるNO.1及びNO.2を同時に急速給気してパルス動作させ、その後、4秒かけてNO.1〜NO.4を全て同時に排気するサイクルが考えられる。
また、骨盤締めた状態で腰を交互に押すこともできる。この場合は、NO.3及びNO.4を7秒同時給気し、2秒後にNO.1とNO.2とに交互に急速給気してパルス動作させ、その後、4秒かけてNO.1〜NO.4を全て同時に排気するサイクルが考えられる。
また、骨盤締めた状態で尻を同時に押すこともできる。この場合は、NO.3及びNO.4を7秒同時給気し、2秒後に第3のエアバッグ33であるNO.5及びNO.6を同時に急速給気してパルス動作させ、その後、4秒かけてNO.3〜NO.6を全て同時に排気するサイクルが考えられる。
さらに、骨盤締めた状態で尻を交互に押すこともできる。この場合は、NO.3及びNO.4を7秒同時給気し、2秒後にNO.5とNO.6とに交互に急速給気してパルス動作させ、その後、4秒かけてNO.3〜NO.6を全て同時に排気するサイクルが考えられる。
上述してきた骨盤を締める動作については、NO.3、すなわち、第2のエアバッグ32を膨張・収縮させることになるが、前述したように、第2のエアバッグ32は下端が座部11側に固定されて座部11に配置されるとともに、上端が自由端となって肘掛部13の内側面側に当接するように傾倒した状態に配置されているため(図7参照)、骨盤を締める位置として最も適切とされる被施療者の所謂「大転子」(特定部位M)を効果的に押圧することが可能となっている。
なお、図15〜図18を用いて説明した骨盤のほぐしや骨盤を締める動作を実行する際には、体側施療部15,15の第7のエアバッグ38を膨張させて身体の肩部分を保持するようにしてもよい。
上述してきた実施形態から、以下のマッサージ機が実現する。
(1)座部11と、この座部11の後部に設けられた背もたれ部12とを具備し、座した状態の被施療者に対するマッサージが実行可能であり、前記被施療者を背部側から押圧する第1のエアバッグ31と、前記被施療者を左右側から押圧する第2のエアバッグ32と、を備え、第1のエアバッグ31を座部11に近接するように配置し、第2のエアバッグ32を座部11に配置したマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32との配置を、骨盤マッサージに極めて有効な位置とすることができ、被施療者に負担のかからない座った姿勢のまま有効な骨盤マッサージができる。
(2)上記構成において、第1のエアバッグ31を座部11側で支持したマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、被施療者を背部側から押圧する第1のエアバッグ31も座部11側で支持できるため、座部11に配設される他のエアバッグとともに複数のエアバッグを集中配置することができ、製造工程が簡素化されて製造効率を向上させることができる。
(3)上記構成において、第2のエアバッグ32は、一端を座部11側で支持する一方、他端を座部11に設けられた肘掛部13に当接させ、座部11との間に空間Q(間隙)が形成されるように傾倒した状態で配置されているマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、体格がそれぞれ異なる被施療者が座した場合、臀部に押される第2のエアバッグ32は空間Q内で抵抗なく変形するため、被施療者は座り心地を損なうことがない。しかも、肘掛部13の内側面が壁となるため、当該第2のエアバッグ32が膨張したときには被施療者を左右からしっかりと押圧することが可能となり、座り心地が良好なまま体格差を吸収して効果的な骨盤マッサージを行うことができる。
(4)上記構成において、背もたれ部12を、座部11の後部に枢軸2を介してリクライニング自在に設けるとともに、当該背もたれ部12のリクライニング動作と第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作をそれぞれ制御して骨盤マッサージを実行させる制御部4(制御手段)を備え、この制御部4は、骨盤マッサージを実行させる際に、背もたれ部12を起立させた状態で第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作を制御するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、被施療者の骨盤位置を容易かつ正確に規定でき、骨盤を適正な場所に位置させた状態でエアマッサージが行える。したがって、骨盤の正確な位置決めが重要とされる骨盤マッサージを極めて有効なものとすることができる。
(5)上記構成において、座部11に、座した被施療者の臀部を押圧する第3のエアバッグ33を配設し、制御部4(制御手段)は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32に加え、さらに、第3のエアバッグ33の膨縮動作をそれぞれ制御するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、骨盤の高さ方向の位置決めをより正確に行えるため、上記(4)の効果をさらに高めることができる。
(6)上記構成において、座部11に、座した被施療者の大腿を押し上げる第4のエアバッグ34を配設し、制御部4(制御手段)は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32に加え、さらに、第4のエアバッグ34の膨縮動作をそれぞれ制御するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、骨盤のほぐしなどを、より効果的に実現することができる。
(7)上記構成において、第1のエアバッグ31の上方に被施療者の背部を押圧する背部用エアバッグ30を配設し、制御部4(制御手段)は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作を行わない時に、背部用エアバッグ30の膨縮動作を行うように制御するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、骨盤の前傾や後傾などの骨盤ほぐしを、より効果的に実現することができる。
(8)上記構成において、背もたれ部12に制御部4(制御手段)により背もたれ部12に沿って移動する機械式マッサージユニット5を配設し、制御部4は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作を行わない時に、機械式マッサージユニット5を第1のエアバッグ31より上方へ移動させ、当該機械式マッサージユニット5の揉み玉51により背中を押圧させるように制御するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、骨盤の前傾や後傾などの骨盤ほぐしを、より効果的に実現することができる。
(9)上記構成において、機械式マッサージユニット5の移動領域を形成する縦長孔12aの略中央位置に、当該縦長孔12aを横断する背当て板16を設けるとともに、当該背当て板16に第8のエアバッグ39を配設し、制御部4(制御手段)は、骨盤マッサージを実行させる際に、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨縮動作を行わない時に、第8のエアバッグ39の膨縮動作を行うように制御するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、骨盤の前傾動作による骨盤ほぐしを効果的に実現することができる。特に、これまではエアバッグを当接させることもできなかった被施療者の背中の中心となる背骨近傍をエア圧により優しく押すことにより、被施療者に負担をかけることなく骨盤の前傾動作を行わせることができる。
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、説明してきたように、本マッサージ機によれば、骨盤のほぐしや骨盤の締めなどを、より効果的に実現することができる。しかし、上述してきた実施形態はあくまでも例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
例えば、第2のエアバッグ32や第7のエアバッグ38のように、複数のエアバッグを重畳して配設した構成は、他のエアバッグ3についても適用することができる。勿論、その逆に、第2のエアバッグ32や第7のエアバッグ38についても一重の構成としても構わない。
また、上述してきた実施形態では、背もたれ部12の略中央位置に第8のエアバッグ39を配設した構成としていた。そのため、機械式マッサージユニット5の昇降範囲の最下点位置が第8のエアバッグ39の直上方位置に規制されていたが、例えば、機械式マッサージユニット5を、第8のエアバッグ39を取付た背当て板16を後方に潜てって跨いで昇降できるような構成として、機械式マッサージユニット5の昇降範囲を可及的に広くすることもできる。あるいは、背当て板16を挟んで、その上下に機械式マッサージユニット5をそれぞれ昇降自在に配置する構成としてもよい。
また、骨盤マッサージを行う際に、制御部4は、第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の他、第3のエアバッグ33、第4のエアバッグ34、さらには第8のエアバッグ39までも動作させていたが、少なくとも、背もたれ部12を起立させた状態で第1のエアバッグ31及び第2のエアバッグ32の膨張・収縮を制御できるものであればよい。
また、左右第2エアバッグ32L,32Rについては、これらを正面視で逆ハ字状となるように配置して、各第2エアバッグ32と座部11と肘掛部13との間に空間Qを形成するようにしたが、必ずしも空間Qはそのままの状態でなくてもよく、例えば、変形自在な柔軟性のある材料で空間Qを充填しても構わない。