JP2014128221A - 食品用エアゾール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】摂食時の甘味性に優れ、さらには満腹感が得られやすい食品用エアゾール組成物を提供すること。
【解決手段】食品用原液およびハイドロフルオロオレフィンを含有する食品用エアゾール組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品用エアゾール組成物に関する。さらに詳しくは、ハイドロフルオロオレフィンを含有する食品用エアゾール組成物に関する。
従来、泡沫状食品として生クリーム(泡沫状クリーム)やホイップクリームなどがある。このような泡沫状食品はクリームなどのベースとなる食品を泡立器などで攪拌し、クリームに空気を混合することにより起泡させて製造されていたが、このような製造方法では、手間がかかる、泡立前のクリームに対する膨張率が低い、均一なフォームの形成が困難である、微生物混入による腐敗のおそれがあるなどの問題がある。
これらの問題を解決しうる泡沫状クリームの製造方法が提案されている。例えば、特許文献1には、亜酸化窒素を主成分とするガスを生クリーム中に溶解せしめたものを耐圧容器に充填し、これを常圧下に放出することで泡沫状クリームを得る製造方法が開示されている。亜酸化窒素が甘味を、炭酸ガスが酸味を感じさせることも開示されている。また、特許文献2には、液化亜酸化窒素ガスと液化炭酸ガスとを溶解共存せしめてなる食品押出し用加圧剤が開示されており、亜酸化窒素ガスが甘味を、炭酸ガスが酸味を感じさせることも開示されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載された製造方法および加圧剤は、亜酸化窒素や炭酸ガスなどの圧縮ガスを主成分とする噴射剤を用いるものに過ぎない。そのため、脂肪分を多く含み発泡性に優れた生クリームをベースとする泡沫状食品への適用は可能であるが、脂肪分を過剰に摂取しやすくなるという問題や、脂肪分が少ない食品をベースとする場合は発泡性に優れた泡沫状食品とすることは困難という問題がある。さらに、圧縮ガスのみを使用した製品は、容器内の残量が少なくなると容器内の圧力が低下して食品に溶解する圧縮ガスの量が少なくなるため泡質が悪くなる。また、圧縮ガスは気化熱による冷却効果を有さないため、冷たい吐出物を得るためには食品を冷蔵庫などの低温下で保存する必要がある。
一方、特許文献3および4には、ハイドロフルオロオレフィンなどの代替フロンを噴射剤として含有する害虫駆除用エアゾール組成物および殺虫用エアゾール組成物が開示されているが、ハイドロフルオロオレフィンを食品用エアゾール組成物に用いることは考慮されていない。
また、ダイエット食品に対するニーズは高く、従来、トレハロース、アスパルテームなど、蔗糖以外の甘味料を使用することで総カロリーを低減した飲食品や、低カロリーであるが満腹感が得られるよう工夫されたダイエット食品が多数、市場に出回っているが、更なるダイエット効果を有するものが要求されている。
特公昭42−15728号公報 特公昭57−50462号公報 特開2009−227662号公報 特開2010−77036号公報
本願発明は、上記の点に鑑みてなされた発明であり、摂食時の甘味性に優れ、さらには満腹感が得られやすい食品用エアゾール組成物を提供することを目的とする。
本発明の食品用エアゾール組成物は、食品用原液およびハイドロフルオロオレフィンを含有する食品用エアゾール組成物である。
ハイドロフルオロオレフィンをエアゾール組成物中に1質量%以上含有することが好ましい。
食品用原液が乳化剤または粘度調整剤を含有し、食品用原液中にハイドロフルオロオレフィンが乳化および/または分散している食品用エアゾール組成物であることが好ましい。
ハイドロフルオロオレフィンをエアゾール組成物中に5〜90質量%含有し、吐出物がフォームを形成する食品用エアゾール組成物であることが好ましい。
ハイドロフルオロオレフィンをエアゾール組成物中に1〜40質量%含有し、吐出物がミストを形成する食品用エアゾール組成物であることが好ましい。
本発明の食品用エアゾール組成物によれば、食品用原液およびハイドロフルオロオレフィンを含有することで、摂食時の甘味性および満腹感に優れた食品用エアゾール組成物を提供することができる。
本発明の食品用エアゾール組成物は、食品用原液およびハイドロフルオロオレフィンを含有することを特徴とする。
前記ハイドロフルオロオレフィンは、耐圧容器内では蒸気圧を有する液体であり、噴射剤として作用するとともにその一部が食品用原液に溶解、乳化および/または分散しているため、耐圧容器から外部に吐出すると気化して容積が膨張し、食品用原液を発泡させたり、微細化させたり、気化熱により食品用原液を冷却することができる。また、ハイドロフルオロオレフィンを含有することで吐出物に甘味性を付与することができる。
ハイドロフルオロオレフィンが食品用原液に飽和溶解し、さらに食品用原液と乳化した状態および/または食品原液中に分散した状態で吐出することで、食品用原液に溶解したハイドロフルオロオレフィンだけではなく、食品用原液と乳化したハイドロフルオロオレフィンおよび/または食品原液中に分散したハイドロフルオロオレフィンが吐出物中に保持されるため、ハイドロフルオロオレフィンを多く含んだ状態で摂食することができる。これにより、摂食時にハイドロフルオロオレフィンが舌と接触しやすく甘味性をさらに感じやすくなるため、食品の甘味を損なわずに糖類の含有量を減らすことができる。また、食品用原液と共に摂取したハイドロフルオロオレフィンは、液体状態で摂取しても体内の温度により気化して体外に自然に排出されるため体内にほとんど吸収されない。つまり、ハイドロフルオロオレフィンに由来するカロリー摂取はほとんどない。さらに、吐出状態をフォーム状にした場合は、満腹感が得られやすく摂取量を少なくすることができる。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えばHFO−1234ze(1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン)、HFO−1234yf(2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン)、およびこれらの混合物などが挙げられる。特に甘味性に優れるという点からHFO−1234zeとすることが好ましい。
ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、エアゾール組成物中1質量%以上が好ましく、1〜90質量%がより好ましい。ハイドロフルオロオレフィンを1質量%以上含有することで、水分を含む食品用原液への飽和溶解量を上回り、食品用原液に溶け切らないハイドロフルオロオレフィンが蒸気圧を有する液体となって分離する。食品用原液に溶解したハイドロフルオロオレフィンにより甘味性を感じやすくなり、分離した液体のハイドロフルオロオレフィンは後述する乳化剤や粘度調整剤により食品用原液中に乳化または分散され、この状態で吐出することでさらに甘味性が感じられやすくなる。また、90質量%を超える場合は吐出物が飛び散りやすくなり、摂食しにくくなる傾向がある。
当該ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、吐出物に発泡するフォームを形成させる場合は5〜90質量%が好ましく、満腹感が得られやすいキメの細かい立体的なフォームを形成させる場合は5〜40質量%がより好ましい。口の中に入れると冷却感が得られる冷たいフォームを形成させる場合は50〜90質量%がより好ましく、ハイドロフルオロオレフィンの気化熱により吐出物の少なくとも一部が凍結したフォームを形成させる場合は60〜90質量%がさらに好ましい。食品用原液に粘度調整剤を含有させてぷるるんとしたフォームを形成させる場合は5〜60質量%が好ましい。
また、食品用エアゾール組成物を断面積が0.05〜2.0mm2の小さな吐出孔から吐出して吐出物のほぼ全体を凍結させた凍結物を形成させる場合は60〜90質量%が好ましい。同様に吐出し、吐出物にミストを形成させる場合は1〜40質量%がより好ましく、吐出物(ミスト)の平均粒子径が50〜100μmと粗くなり甘味を感じやすい点から3〜30質量%がさらに好ましい。食品用原液に多糖類を含有させて吐出物がシュワシュワと泡が弾けるローションを形成させる場合は5〜40質量%が好ましい。なお、吐出物の平均粒子径はエアゾール製品を25℃の恒温水槽に30分間保持し、東日コンピューターアプリケーションズ(株)製の粒度分布測定装置(LDSA−3400A)により、吐出孔から15cmの距離における吐出粒子の平均粒子径を測定したものである。このように、吐出形態(各種フォーム、凍結状態、ミスト、ローション)は、ハイドロフルオロオレフィンおよび食品用原液の含有量や食品用原液の組成、吐出方法等により調整することができる。
本発明のエアゾール組成物は、圧力の調整や発泡性の調整のために、ハイドロフルオロオレフィン以外の噴射剤として、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、およびこれらの混合物である液化石油ガス、ジメチルエーテルなどの液化ガス;亜酸化窒素ガス、炭酸ガス、窒素ガス、圧縮空気、酸素ガスなどの圧縮ガス;などを含有しても良い。
前記液化ガスは噴射剤としての作用(吐出物の発泡性または冷感)においては優れるものの、含有量によっては摂食時に強い油臭さを示し、呈味性において劣る傾向がある。
前記液化ガスを含有する場合の含有量は、ハイドロフルオロオレフィンを含む噴射剤中に10質量%未満が好ましく、5質量%未満がより好ましく、呈味性に悪影響を及ぼさない点からは含有しないことがさらに好ましい。
前記圧縮ガスは、ミスト状に吐出するときの拡がりや勢いを調整する、甘味や酸味を付与するなどの目的で含有しても良い。特に亜酸化窒素ガスはハイドロフルオロオレフィンと併用することで、摂食時に甘味がさらに感じられるようになり、糖類などの甘味成分の含有量をより少なくすることができる。また、炭酸ガスはハイドロフルオロオレフィンと併用することで摂食時に甘味を感じながら、酸味やシュワシュワ感も得られる。
前記圧縮ガスを含有する場合は、25℃での耐圧容器内の圧力が0.40〜0.70MPaとなるように充填することが好ましく、0.45〜0.65MPaとなるように充填することがより好ましい。該圧力が0.40MPaより低い場合は圧縮ガスを配合する効果が得られ難い傾向がある。また、0.70MPaよりも高い場合は35℃における圧力が0.80MPaを超えやすく、高温での圧力上昇が大きくなり、長期間保管されると安全性が低下しやすい傾向がある。
前記食品用原液は目的とする食品成分を主成分としており、ハイドロフルオロオレフィンと共に耐圧容器内に充填され、外部に吐出されたときにフォームや、少なくとも一部が凍結した凍結物、ミスト、ローションなど、所望の状態で吐出される。
前記食品成分としては、例えば、水、茶類、コーヒー飲料、乳性飲料、清涼飲料水、果汁100%飲料、栄養飲料、ビールテイスト飲料、アルコール飲料、口中清涼剤、甘味料などの飲料;生クリーム、ホイップクリーム、ヨーグルト、チーズ、バターなどの乳製品;ジャム、チョコレートクリーム、ピーナッツバターなどの各種ペースト状の食品;味噌汁、コーンスープなどのスープ類;醤油、味噌、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシングなどの調味料;ホットケーキ、パンケーキ、クッキー、お好み焼きなどの吐出後に焼くなどの加工を加える加工食品;などの食品が挙げられる。
食品用原液は、食品成分に加えて、乳化剤、粘度調整剤、着色料、香料などを適宜含有することができる。
前記乳化剤は、食品用原液とハイドロフルオロオレフィンを乳化させて吐出物の吐出状態を調整する、吐出物中にハイドロフルオロオレフィンを保持させて摂食しやすくする、甘味を感じやすくする、などの目的で用いられる。
乳化剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、クエン酸モノグリセリル、酒石酸モノグリセリドなどのグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸グリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノラウレート、POEソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル;などが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
乳化剤を含有する場合の含有量は、食品原液中に0.05〜20質量%が好ましく、0.10〜10質量%がより好ましい。乳化剤の含有量が0.05質量%未満の場合は食品用原液とハイドロフルオロオレフィンとの乳化状態が悪くなり、安定した吐出状態が得られにくく、前述の効果が得られ難い傾向がある。また、20質量%を超える場合は、吐出物を摂食した際に食感が悪くなりやすい傾向がある。
前記粘度調整剤は、食品用原液の粘度を高くして吐出物の液膜を強くし内部にハイドロフルオロオレフィンを保持しやすくする、吐出物の保形性や弾力性などの食感を調整する、などの目的で用いられる。
粘度調整剤としては、たとえば、ゼラチンなどのタンパク質加水分解物;グルカン、ペクチン、サポニン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、ウェランガム、ジェランガム、トラガントガムなどの多糖類;酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン類;アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩やアルギン酸;カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、などが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、ゼラチンを用いる場合はぷるるんとしたフォームを形成することができ、また、グルカンやペクチンなどの多糖類を用いる場合はシュワシュワと弾けるローション状になり、甘味性だけでなく食感も楽しむことができる。
粘度調整剤の含有量は、食品用原液中に0.05〜5質量%が好ましく、0.10〜3質量%がより好ましい。粘度調整剤の含有量が0.05質量%未満の場合は粘度調整剤を含有する効果が得られ難い傾向がある。また、5質量%を超える場合は、食品用原液の粘度が高くなりすぎ、取り扱い難くなる傾向がある。
前記着色料は吐出物の対象物や味を連想させる色に着色して食べやすくするなどの目的で用いられ、例えば、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、ブドウ果皮色素、ココア色素、ウコン色素、ストロベリー色素、カラメルなどが挙げられる。
前記香料は吐出物の対象物や味を連想させる匂いに着香して食べやすくするなどの目的で用いられ、例えば、アップルエッセンス、バナナオイル、バニリン、フルーツケトン、l−メントール、d−リモネンなどの食品添加物用の香料が挙げられる。また、グレープフルーツオイル、バニラ香料、ピーチ香料、ローズ香料などの空腹感を緩和する香料を用いても良い。
前記食品用原液はミストや液状に吐出する場合や、食品成分中に乳化剤や粘度調整剤が含まれている場合は食品成分のみでもよいが、必要に応じて食品用原液に前記の乳化剤や粘度調整剤などを添加して混合し、溶解または分散させることにより調製することができる。
前記食品用原液の含有量は、エアゾール組成物中に10〜99質量%が好ましい。吐出物をフォーム状にする場合は10〜95質量%が好ましく、キメの細かい立体的なフォームを形成させる場合は60〜95質量%がより好ましい。口の中に入れると冷却感が得られる冷たいフォームを形成させる場合は10〜50質量%が好ましく、ハイドロフルオロオレフィンの気化熱により少なくとも一部が凍結したフォームを形成させる場合は10〜40質量%がより好ましい。食品用原液に粘度調整剤を含有させてぷるるんとしたフォームを形成しやすい点から40〜95質量%が好ましい。
また、食品用エアゾール組成物を断面積が0.05〜2.0mm2の小さな吐出孔から吐出して吐出物のほぼ全体を凍結させた凍結物を形成させる場合は10〜40質量%が好ましい。同様に吐出し、吐出物にミストを形成させる場合は60〜99質量%が好ましく、平均粒子径が50〜100μmと粗くなり甘味を感じやすい点から70〜97質量%がより好ましい。食品用原液中に多糖類を含有して吐出物がシュワシュワと泡が弾けるローションを形成させる場合は60〜95質量%が好ましい。なお、吐出物の平均粒子径の測定方法は前述の通りである。
本発明の食品用エアゾール組成物は、例えば、耐圧容器に食品用原液を充填し、次いでハイドロフルオロオレフィンをアンダーカップ充填などで充填し、さらに耐圧容器の開口部にバルブを固着して密閉し、食品用原液とハイドロフルオロオレフィンを混合することにより調製することができる。また、耐圧容器に食品用原液を充填し、耐圧容器の開口部にバルブを固着して密閉し、バルブからハイドロフルオロオレフィンを充填し、食品用原液とハイドロフルオロオレフィンを混合してもよい。なお、吐出の勢いや拡がりなど、吐出状態を調整するなどの目的で、圧縮ガスをさらに充填して耐圧容器内の圧力を調整してもよい。
前記耐圧容器としては、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂製耐圧容器、ガラス製耐圧容器、アルミ、ブリキなどの金属製耐圧容器を使用することができる。
本発明の食品用エアゾール組成物は、食品用原液とハイドロフルオロオレフィンの含有比率、単位時間あたりの吐出量、吐出孔の大きさなどを調整することで吐出物を、フォーム、凍結物、ミスト、ローション、ゲルなどに適宜調整することができる。なかでも、フォーム状に吐出するとフォーム外表面の液膜中にハイドロフルオロオレフィンを保持しやすくなるため摂食時に甘味をより感じやすく、また嵩が大きいためより満腹感が得られることから好ましい。
前記フォームの比重が0.01〜0.15g/ml、さらには0.02〜0.12g/mlである場合は立体的でしっかりとしたフォームになり、摂食するまでフォームの状態を維持でき、フォーム内にハイドロフルオロオレフィンを保持しやすく、摂食時に甘味を感じやすく、満腹感が得られやすい。
本発明の食品用エアゾール組成物は吐出物中にハイドロフルオロオレフィンを保持することにより、糖類などの甘味料の含有量を少量または含有せずとも充分な甘味を感じることができる。さらに、摂食後、ハイドロフルオロオレフィンは体外に自然に排出されるため、摂取するカロリーを低く抑えることができる。特に、吐出形態をフォーム状にすることにより、ハイドロフルオロオレフィンによる甘味を感じやすくなるため食品用原液中の糖類を少なくすることができ、さらに、フォームは容積に対して質量が小さいため、見た目や咀嚼時に容積を多く感じ、少ない摂取量(質量)で満腹感が得られる。例えば、食品用原液として生クリームを使用する場合、通常の生クリームに比べて乳脂肪や砂糖の含有量が少なくても、ハイドロフルオロオレフィンを含有する食品用エアゾール組成物とすることで、通常の生クリームを泡立器で空気を含有させて発泡させたものや、耐圧容器内で生クリームに亜酸化窒素ガスを溶解させて得られるものと比べて、手間がかからず、発泡性も良く、さらに甘味性において遜色がないにもかかわらず、カロリーの低い泡沫状クリームとすることができる。
本発明の食品用エアゾール組成物は摂食時の甘味性および満腹感に優れるため、ダイエット食品などとして好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜36および比較例1〜9
表1に示す各原液(食品成分として水を含有)を表2〜10に示す処方で満注量100mlのアルミニウム製耐圧容器に充填し、エアゾールバルブを固着した。次いで表2〜10に示す噴射剤を充填し、各試験用エアゾール製品を調製した。なお、炭酸ガス、亜酸化窒素ガスおよび窒素ガスはエアゾール容器内の圧力が表中に示す圧力となるように充填した。また、表6および7には試験用エアゾール製品のエアゾールバルブの吐出孔の断面積を示す。得られた試験用エアゾール製品について下記の評価を行った。評価結果を表2〜10に示す。
1)吐出状態
試験用エアゾール製品を25℃の恒温水層中に1時間保持し、内容物を吐出して吐出物の状態を評価した。
○1:キメの細かいフォームを形成した。
○2:ぷるるんとしたフォームを形成した。
○3:少なくとも一部が凍結したフォームを形成した。
○4:吐出物のほぼ全体が凍結した凍結物を形成した。
○5:平均粒子径が50〜100μmのミストを形成した。
○6:シュワシュワと泡が弾けるローションを形成した。
△ :吐出時に一部が飛び散った。
×1:フォームを形成するが、持続性がなく、摂取時には液状になった。
×2:吐出操作終了後も吐出孔から吐出物が流出し、吐出孔付近に付着した。(カビが発生しやすく不衛生)
2)甘味性
試験用エアゾール製品を25℃の恒温水層中に1時間保持し、内容物を吐出して1gの吐出物を食したときの甘味性の評価を、10人をモニターとする官能評価により行った。
○ :7人以上が「甘味を感じる」と回答した。
△ :1〜6人が「甘味を感じる」と回答した。
×1:全員が「甘みを感じずに油臭さを感じた」と回答した。
×2:全員が「甘みを感じずに酸味を感じた」と回答した。
3)満腹感
試験用エアゾール製品を25℃の恒温水層中に1時間保持し、内容物を吐出して10gの吐出物を食したときの満腹感の評価を、10人をモニターとする官能評価により行った。なお、満腹感の評価は吐出物がフォームを形成したもののみを対象に行なった。
○:7人以上が「満腹感が得られる」と回答した。
△:3〜6が「満腹感が得られる」と回答した。
×:2人以下が「満腹感が得られる」と回答した。
4)泡比重
試験用エアゾール製品を25℃の恒温水槽中に1時間保持し、容積25mlのカップ状のガラス容器に吐出して吐出物をすりきり、その質量を測定し算出した。なお、泡比重の評価は吐出物がフォームを形成したもの(吐出状態の評価が○1、○2、○3、×1)のみを対象に行なった。
5)冷感
試験用エアゾール製品を25℃の恒温水層中に1時間保持し、内容物を吐出して1gの吐出物を食したときの冷感の評価を、10人をモニターとする官能評価により行った。なお、冷感の評価は表6および7の試験用エアゾール製品を対象に行った。
○:全員が「冷感が得られる」と回答した。
△:5〜9人が「冷感が得られる」と回答した。
×:4人以上が「冷感が得られない」と回答した。
Figure 2014128221
*1:Decaglyn1−L(商品名)日光ケミカルズ株式会社製
*2:Hexaglyn1−M(商品名)日光ケミカルズ株式会社製
*3:サンファクトSE−16(商品名)太陽化学株式会社製
*4:FGL−200TS(商品名)新田ゼラチン株式会社製
*5:GLUCARE S(商品名)日光ケミカルズ株式会社製
*6:GENU PECTIN LM−100AS HP(商品名)三晶株式会社製
フォーム
Figure 2014128221
*7:25℃での蒸気圧が0.40MPa、ブタンおよびプロパンの混合物
実施例2を食した人のうち7〜9人が甘さのほかにシュワシュワ感を感じたと回答した。また、実施例3を食した全員が実施例1より僅かに甘味を強く感じたと回答した。
フォーム
Figure 2014128221
ぷるるんフォーム
Figure 2014128221
冷感フォーム
Figure 2014128221
シャーベット
Figure 2014128221
シャーベット
Figure 2014128221
ミスト
Figure 2014128221
ミスト
Figure 2014128221
弾けるローション
Figure 2014128221
処方例1 生クリーム(泡沫状クリーム)
表11に示す原液を表12に示す処方でポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器に充填し、エアゾールバルブを固着した。次いで表12に示す噴射剤を充填し、試験用エアゾール製品を調製した。得られた試験用エアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表12に示す。
処方例2 イチゴジャム
表11に示す原液を表12に示す処方でポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器に充填し、エアゾールバルブを固着した。次いで表12に示す噴射剤を充填し、試験用エアゾール製品を調製した。得られた試験用エアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表12に示す。
処方例3 チョコレートクリーム
表11に示す原液を表12に示す処方でポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器に充填し、エアゾールバルブを固着した。次いで表12に示す噴射剤を充填し、試験用エアゾール製品を調製した。得られた試験用エアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表12に示す。
処方例4 味噌
表11に示す原液を表12に示す処方でポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器に充填し、エアゾールバルブを固着した。次いで表12に示す噴射剤を充填し、試験用エアゾール製品を調製した。得られた試験用エアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表12に示す。
Figure 2014128221
Figure 2014128221

Claims (5)

  1. 食品用原液およびハイドロフルオロオレフィンを含有する食品用エアゾール組成物。
  2. ハイドロフルオロオレフィンをエアゾール組成物中に1質量%以上含有する請求項1記載の食品用エアゾール組成物。
  3. 食品用原液が乳化剤または粘度調整剤を含有し、
    食品用原液中にハイドロフルオロオレフィンが乳化および/または分散している請求項1または2記載の食品用エアゾール組成物。
  4. ハイドロフルオロオレフィンをエアゾール組成物中に5〜90質量%含有し、吐出物がフォームを形成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品用エアゾール組成物。
  5. ハイドロフルオロオレフィンをエアゾール組成物中に1〜40質量%含有し、吐出物がミストを形成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品用エアゾール組成物。
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