JP2014127920A - 振動子、電子デバイス、電子機器および移動体 - Google Patents

振動子、電子デバイス、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】小型、薄型であっても、スティッキングを生じさせないMEMS構造体を備え、更に安定した周波数特性を備えるMEMS振動子を得ることを目的とする。
【解決手段】基板と、前記基板の主面上に設けられた第1下部電極と、前記第1下部電極の外周に配設された第2下部電極と、前記第1下部電極および前記第2下部電極に前記主面の法線方向に離間して設けられ、前記主面の平面視において前記第1下部電極に重なる第1振動部と、前記第2下部電極に重なる第2振動部を備える上部電極と、前記上部電極を支持する複数の支持電極と、前記支持電極に接続され前記主面上に設けられた固定電極と、を備える振動電極と、を備え、前記第2振動部は切り欠き部が複数形成され、前記切り欠き部に前記支持部が接続される接続部を備え、前記主面上に前記第1下部電極から外部接続配線が延出されている振動子。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動子、電子デバイス、電子機器および移動体に関する。
微細加工技術を利用して形成されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスと呼ばれる機械的に可動な構造体を備えた電気機械系構造体として、例えば、振動子、フィルター、センサー、モーターなどが一般的に知られている。中でも、MEMS振動子は、これまで主に使用されてきた水晶や誘電体を使用した振動子、共振子と比較して、半導体回路を組み込んで製造することが容易であり、微細化、高機能化に対し有利であることから、その利用が活発になってきている。
従来のMEMS振動子の代表例としては、基板面と平行な方向に振動する櫛型振動子と、基板の厚さ方向に振動する梁型振動子とが知られている。梁型振動子は、基板上に形成された下部電極(固定電極)と、この下部電極の上方に間隙を介して配置された上部電極(可動電極)などからなる振動子で、上部電極の支持の仕方により、片持ち梁型(clamped―free beam)、両持ち梁型(clamped‐clamped beam)、両端自由梁型(free‐free beam)などが知られている。
両端自由梁型のMEMS振動子は、振動する上部電極の振動の節の部分が支持部材によって支持されるため、基板への振動洩れが少なく振動の効率が高い。特許文献1には、この支持部材の長さを振動の周波数に対して適切な長さとすることにより振動特性を改善する技術が提案されている。
米国特許第6930569号明細書
MEMS振動子では、小型化、薄型化、省電力化、そして高周波数帯への適用と様々なニーズがある。特許文献1に記載の両端自由梁型のMEMS振動子において、小型化、薄型化、省電力化、そして高周波数帯への適用を実現するためには、上部電極および上部電極を支持する支持部の剛性を小さくする、あるいは、上部電極と下部電極との間隙を小さくすることが有効であった。しかし、上部電極と下部電極との間隙を小さくすることによって、MEMS振動子の製造過程においてスティッキングと言われる現象が生じやすくなっていた。スティッキングとは、MEMS構造体を形成する際の犠牲層として形成された酸化膜をエッチング除去する際に、上部電極と下部電極が付着する現象等を指している。
そこで、小型、薄型であっても、スティッキングを生じさせないMEMS構造体を備え、更に安定した周波数特性を備えるMEMS振動子を得ることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の振動子は、基板と、前記基板の主面上に設けられた第1下部電極と、前記第1下部電極の外周に配設された第2下部電極と、前記第1下部電極および前記第2下部電極に前記主面の法線方向に離間して設けられ、前記主面の平面視において前記第1下部電極に重なる第1振動部と、前記第2下部電極に重なる第2振動部を備える上部電極と、前記上部電極を支持する支持電極と、前記支持電極に接続され前記主面上に設けられた固定電極と、を複数備える振動電極と、を備え、前記第2振動部は切り欠き部が複数形成され、前記切り欠き部に前記支持部が接続される接続部を備え、前記主面上に前記第1下部電極から外部接続配線が延出されていることを特徴とする。
従来の、特許文献1に示された両端自由梁型振動子の場合には、振動板の側面に位置する振動の節部分に支持部を連接させるため、支持部の数は、側面における振動の節の数より多くすることができなかった。また、支持部は、振動板の側面から離れる方向に延在させる必要があったため、支持部を含めた振動子としての占有面積は、振動板より大きくならざるを得なかった。
しかし、本適用例の振動子によれば、振動体である上部電極は、第2振動部の切り欠き部に支持電極が連接される接続部を備えていることで、上部電極の周縁部と中央部(接続部より中央寄りの部分)とが振動の腹として振動する振動子を構成することができる。従って、本適用例の構成によれば、支持電極や固定電極を切り欠きによって空いた領域に設けることで、支持電極を第2振動部の外側、すなわち上部電極の外側に延在させることなく振動子を構成することができ、更には、支持電極の延在させる長さを短くすることができるため、振動子をより小型にすることができる。
また、振動体としての上部電極の内部に位置する振動の節に対して、上部電極の周縁部に設けた切り欠きに支持電極が連接される接続部を形成することで、支持電極の配置位置、およびその数が限定されることが無い。その結果、上部電極を支える剛性が増し、例えば、基板の主面上に離間させて上部電極を形成する製造工程において、エッチング液や洗浄液の表面張力などが働いた場合であっても、上部電極が基板の主面上に付着してしまうスティッキングが起こりにくくなる。その結果、スティッキングによる歩留まり低下を抑制することができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記第1下部電極および前記第1振動部は円形外形を有し、前記主面の平面視において、前記第1下部電極の円形外形中心と前記第1振動部の円形外形中心と、は略一致するように配置され、前記第1下部電極の外形は、前記第1振動部の外形より小さいことを特徴とする。
上述の適用例によれば、振動体としての上部電極の第1振動部は、第1振動部の円形外形の中心部に振動の腹を有することができる。従って、振動子の振動の腹および節の位置を決定することが容易になり、所望の振動特性を備える振動子の設計、製造を容易にすることができる。
なお、上述の適用例における「略一致」とは、厳密に一致する状態を示すものではなく、例えば製造上のばらつきの範囲において、僅かに中心が一致しない状態は「略一致」とされる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記外部接続配線が1本である、ことを特徴とする。
上述の適用例によれば、上部電極の外部接続配線に対向する領域に、振動子の製造過程で生じる変形部の領域が1ヵ所となる。上部電極に生じる変形は、第1振動部に対して振動を妨げるリブ構造、すなわち補強構造となり第1振動部の剛性を高めてしまう。従って、変形部が最も少なくなるよう、外部接続配線を1本とすることで、容易に所望の振動特性である共振周波数を備えるMEMS振動子を得ることができる。
また、本来第1振動部は2次の振動モードで励起されるものが、変形部が存在することにより高次の振動モード、いわゆるスプリアスが出現しやすくなる。従って、変形部が最も少なくなるよう、外部接続配線を1本とすることで、スプリアスの出現が抑制されたMEMS振動子を得ることができる。
〔適用例4〕上述に適用例において、前記第1下部電極の円形外径をa、前記第1振動部の円形外径をb、とした場合、
0.67≦a/b≦0.7
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、前記第1下部電極と前記第1振動部の円形外径の接触、すなわちスティッキング現象が抑制され、かつ最大の信号振幅が得られるMEMS振動子を得る事が出来る。
〔適用例5〕本適用例の電子デバイスは、上述の振動子と、前記振動子を駆動する回路を含む制御回路と、を備えることを特徴とする。
本適用例の電子デバイスによれば、所望の共振周波数を安定して取り出すことができ、更にスプリアスの発生が抑制された振動子を備えることにより、所望の振動特性を備えることができる。
〔適用例6〕本適用例に電子機器は、上述の振動子または、上述の電子デバイスを備えることを特徴とする。
本適用例の電子機器によれば、所望の共振周波数を安定して取り出すことができ、更にスプリアスの発生が抑制されたMEMS素子を備えることにより、所望の振動特性を備えることができる電子デバイスを備え、安定した電子機器の動作を得ることができる。
〔適用例7〕本適用例の移動体は、上述の適用例による振動子、または電子デバイス、または電子機器を備えることを特徴とする。
本適用例の移動体によれば、所望の共振周波数を安定して取り出すことができ、更に、スプリアスの発生が抑制される電子デバイス、電子機器を備え、安定した動作を得ることができる。
第1実施形態に係るMEMS振動子を示す、蓋部および被覆層を除いた状態での平面図。 第1実施形態に係るMEMS振動子を示す、(a)は図1に示すO−A部の断面図、(b)は図1に示すO−B部の断面図、(c)は図1に示すO−C部の断面図。 第1実施形態に係るMEMS振動子に備えるMEMS共振子の動作を説明する、(a)は部分平面図、(b)は断面図。 第1実施形態に係るMEMS振動子を示し、(a)は図1に示すD−D´部の拡大断面図、(b)は図1に示すE−E´部の拡大断面図。 第1実施形態に係るMEMS共振子の製造方法を示す断面図。 第2実施形態に係る電子デバイスを示す断面図。 第3実施形態に係る電子機器としてのスマートフォンを示す外観図。 第3実施形態に係る電子機器としてのデジタルスチルカメラを示す外観図。 第4実施形態に係る移動体としての自動車を示す外観図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る振動子を、図1および図2に示す。図1は、本実施形態に係る振動子としてのMEMS振動子100の、後述する被覆層および蓋部を除いた状態での平面図であり、図2は、(a)に図1に示すO−A部断面図を示し、(b)に図1に示すO−B部断面図を示し、(c)に図1に示すO−C部断面図を示す。図2(a)〜(c)に示すように、本実施形態に係るMEMS振動子100は、ウエハー基板11と、ウエハー基板11の一方の面11aに形成された第1酸化膜12と、第1酸化膜12上に形成された窒化膜13と、により構成される基板10を備えている。ウエハー基板11は、シリコン基板であり、半導体製造装置および半導体製造方法を用いて、MEMS振動子100は製造される。
基板10の主面10a、すなわち窒化膜13の表面13aに、固定電極としての下部電極20が形成されている。下部電極20は、第1下部電極21と第2下部電極22と、により構成されている。図1に示すように、第1下部電極21は、円形状の平面形状を有する固定電極であり、第2下部電極は第1下部電極21の外側に離間部20aを備えて円環状に形成されている。第1下部電極21からは、1本の図示しない外部配線と接続する外部接続配線としての第1外部接続配線20bが延設されている。第2下部電極22は、図1に示すように、第1外部接続配線20bを配設するための離間部20cが形成されている。
また、第1下部電極21と、第2下部電極22と、は離間して、第1振動部31および第2振動部32を備える上部電極30が形成されている。第1振動部31は、第1下部電極21に重なるように、円形状に形成されている。そして、第1振動部31の円形外径の中心と、第1下部電極21の円形状の中心と、は、主面10aの平面視、すなわち図2(a)に示す矢印Q方向矢視において略一致させる、いわゆる同心状に配置される。第2振動部32は、第1振動部31の外周より外側に、本実施形態では3方向に延設され、円形の外形を備える、いわゆる扇形を有している。換言すると、第2振動部32は、円形状の外形から複数の第1振動部31にまで至る切り欠き部30aを形成することで構成されている。
上部電極30は、第2振動部32の切り欠き部30aにおける第1振動部31の外縁の接続部30dにおいて接続し、延設される支持電極30cによって支持され、支持電極30cは、他端が第2下部電極22を介して主面10a上に形成された固定電極30bに接続されている。この様に固定電極30bに接続された支持電極30cに上部電極30を支持固定することにより、第1下部電極21と第1振動部31との間、および第2下部電極22と第2振動部32との間、に間隙Gが構成され、第1下部電極21と第1振動部31、および第2下部電極22と第2振動部32、によってMEMS振動子100のMEMS共振子100aが形成される。
図1に示すように、下部電極20は、第1振動部31に対向するように主面10aに形成された第1下部電極21と、第1下部電極21の外周に形成された第2下部電極22と、で構成されている。第1下部電極21は円形外形を有し、第2下部電極22は、第1下部電極21と同心の円環状、いわゆるドーナッツ形状を有している。第1下部電極21からは、図示しない外部配線と接続される第1外部接続配線20bが延設され、第2下部電極22と電気的に短絡させないための離間部20cが形成されている。この離間部20cは、第2下部電極22の切り欠き部ともなっている。第1下部電極21から延設される第1外部接続配線20bは、MEMS振動子100では1本(1ヵ所)形成され、その配置場所には限定はない。
第2下部電極22も、第2下部電極22の外周より延設され、図示しない外部配線と接続される第2外部接続配線20dが形成されている。第2外部接続配線22dは、本実施形態では1本(1ヵ所)形成されているが、これに限定されず複数本が形成されてもよく、また配置場所にも限定は無い。
MEMS共振子100aは、図2に示すように、基板10の主面10a、すなわち窒化膜13の表面13a上に形成された空間部Sに、収容されるように形成されている。空間部Sは、次のように形成される。下部電極20が形成された後、第2酸化膜50を形成する。第2酸化膜50には、下部電極20の形成と同時に、ポリシリコンによる、後述する空間壁部40の最下層43と接続されるように最下層43が露出される穴が形成され、第1配線層41がフォトリソグラフィーによるパターニングにより形成される。
更に、第3酸化膜60が第2酸化膜50上に形成される。第3酸化膜60には、第1配線層41が露出する穴が形成され、第2配線層42がフォトリソグラフィーによるパターニングにより形成される。第2配線層42は、後述する空間壁部40の最上層を構成する壁部42aと、MEMS共振子100aを収納する空間Sを構成する蓋部42bと、を備えている。更に、第2配線層42の蓋部42bは、空間Sを形成するために製造過程で形成された空間Sの領域にある第2酸化膜50および第3酸化膜60をリリースエッチングするための開口42cを備えている。
次に、第2配線層42の開口42cを露出させるように保護膜70が形成され、開口42cより第2酸化膜50および第3酸化膜60をエッチングするエッチング液が導入され、リリースエッチングにより空間Sが形成される。空間Sは、最下層43と、第1配線層41と、第2配線層42と、によって形成される空間壁部40に囲まれた領域である。
MEMS共振子100aに設けられている間隙部Gは、上述した空間Sの形成時におけるリリースエッチングにより形成される。すなわち、下部電極20が形成された後、下部電極20上に図示しない第4酸化膜が形成され、第4酸化膜上に第1振動部31および第2振動部32が形成される。そして、第4酸化膜がリリースエッチングによって、第2酸化膜50および第3酸化膜60とともに除去され、間隙部Gが形成される。なお、上述したリリースエッチングによって除去される空間Sに相当する領域の第2酸化膜50および第3酸化膜60、そして第4酸化膜は、犠牲層と呼ばれている。
リリースエッチングが終了し、空間Sが形成されると被覆層80が形成され、保護膜70に覆われていない第2配線層42の蓋部42bを覆い、開口42cが封止される。これにより空間Sは密閉される。
このように形成されるMEMS共振子100aの上部電極30の第1振動部31および第2振動部32の動作について、図3を用いて概要を説明する。図3(a)は、MEMS共振子100aの主面10aの平面視における部分平面を示し、図3(b)は、図1におけるO−A部におけるMEMS共振子100aの断面を示す。図3に示すように、MEMS共振子100aは、第1下部電極21と第1振動部31とに交流の電荷を付加し、静電力によって第1下部電極21に第1振動部31が引き寄せられて、図示するF1方向の振動が励起される。
第2振動部32には第2下部電極22より固定電極30bを介して給電されるため、第2振動部32と第2下部電極22とは同相の電荷が付加され、第2振動部32は第2下部電極に離間する方向に静電力が働き図示するF2方向の振動が励起される。従って、振動F1と振動F2とは逆相の振動が励起される。このとき、上部電極30の振動による変位の無い部位、すなわち振動の節は第1振動部31の外周位置、すなわち支持電極30cと第1振動部31との接続部30d位置である、図3に示す位置P1(以下、振動の節P1という)となる。よって、MEMS共振子100aでは、第1振動部31の中心O位置もしくは第2振動部32の外周位置P2で、振動の変位が最大となり、振動の節P1位置での振動の変位が最小となる。
上述の通り、MEMS共振子100aは図3(b)に示すように、第1振動部31は、中心Oに最大の変位位置となる球状の変形をし、振動が励起される。すなわち、第1振動部31は、図1あるいは図3(a)にも示されているように、外形が円形に形成されていることで、第1振動部31の中心Oを最大変位部とする球状の変形となる。
ところで、第1振動部31には製造過程で図4に示す変形部が発生する。図4(a)は、図1に示すD−D´部の拡大断面図、図4(b)は図1に示すE−E´部の拡大断面図、図4(c)は図1に示す第1外部接続配線20b近傍の概略外観斜視図である。
図4(a),(b)に示すように、第1振動部31の下部電極20における離間部20a,20cに対向する部位には、微小な凹み部31a,31bが形成される。凹み部31a,31bは図5に示す製造過程において形成される。上述したが、MEMS共振子100aの製造工程において、図1および図4(a),(b)に示す上部電極30と下部電極20との間の間隙部Gは、次のように形成される。
図5は、図1に示すD−D´部の断面である図4(a)を代表例として、上部電極30の製造工程の一部を説明する概略断面図である。先ず、図5(a)に示すように、パターニングによって下部電極20が形成された基板10の主面10a上に第4酸化膜90が成膜される。この時の第4酸化膜90は、下部電極20の上面に間隙部Gに相当する厚さで成膜される。従って、第1外部接続配線20bと第2下部電極22との間に形成される離間部20cの領域では、第4酸化膜90の表面には凹み部90aが生じる。
次に図5(b)に示すように、凹み部90aが生じた第4酸化膜90の表面にポリシリコンをフォトリソグラフィーによるパターニングすることによって上部電極30が形成される。上部電極30は均一膜厚の電極膜として形成されるため、第4酸化膜90に生じた凹み部90aに倣って、第1振動部31の表面には電極凹み31aが形成される。
そして、図5(c)に示すように、上部電極30上に第3酸化膜60が成膜され、更に図示しない蓋部42bを備える第2配線層42が形成される(図2参照)。第2配線層42の蓋部42bには開口42cが形成されており、開口42cより酸化膜を除去するためのエッチング液が導入され、空間S内の酸化膜を除去するリリースエッチングが行われ、図5(d)に示すように、上部電極30と下部電極20との間に間隙Gが形成される。そして、上部電極30の第1振動部31には、凹み部31aと、第4酸化膜90の凹み部90aに相当する部位に凸部31cが形成される。
上述したようにMEMS共振子100aの製造工程において、図4(a)に示す凹み部31aと、上部電極30における凹み部31aの反対面側には凸部31cと、が形成される。また、図4(b)に示す凹み部31bと、上部電極30における凹み部31bの反対面側には凸部31dと、が形成される。
第1振動部31は、上述したように円形形状を有しているが、図3(b)に示すF1方向の振動に対して、図4に示す凹み部31a,31bおよび凸部31c,31dが第1振動部31に存在することにより、円板形状で得ることができる所望の振動特性である共振周波数が、得にくくなるという影響が出てしまう。なお、凹み部31bは、図示されるように円形形状に出現するものであることから、振動特性に対する影響は少ないと判断でき、一方、凹み部31aは第1振動部31の中心方向に向かうように延在し、振動時の球状変形が妨げられ、振動特性に大きな影響を与えている。
そこで、本実施形態に係るMEMS共振子100aでは、凹み部31aを出現させる第2下部電極22と第1外部接続配線20bとの離間部20cを、第1外部接続配線20b1本(1ヵ所)とすることで、第1振動部31の振動特性への影響が抑制される。更に、凹み部31aの第1振動部31の中心方向の延在長さを次のように形成することが好ましい。
図3(a)に示すMEMS共振子100aにおいて、円形状の第1振動部31の半径をRt、円形状の第1下部電極21の半径をRbとした場合、
0.67≦Rb/Rt≦0.7 (式1)
であることが好ましい。このように第1振動部31と第1下部電極21を構成することにより、前記第1下部電極21と第1振動部31の円形外径の接触、すなわちスティッキング現象が抑制され、かつ最大の信号振幅が得られるMEMS振動子を得る事が出来る。なお、
Rt>Rb
とすることで、凹み部31aは形成されないが、第2振動部32に第1振動部31と同相の振動を励起させてしまい、所望の振動特性である共振周波数を得ることが困難となる。
図5に示す本実施形態に係るMEMS振動子100のMEMS共振子100aの製造工程において、図5(d)に示すリリースエッチングの工程では、第1振動部31および第2振動部32を含む上部電極30は、主面10aに形成された第2下部電極22を介して固定電極30bに接続される複数の支持電極30cによって支持される。従って、上部電極30の支持剛性が高く、極めて狭く設定される間隙部Gであっても上部電極30が下部電極20に部分的に付着する、いわゆるスティッキングの発生を抑制することができる。
また、本来第1振動部31を含む上部電極30球面状の振動モード、すなわち3次モードの振動が励起されるが、第1振動部31に形成された凹み部31aあるいは凸部31cは、リブ構造部、いわゆる補強構造部として機能することにより、4次以上の振動モードであるスプリアスが出現する。このスプリアスの出現によって正確なMEMS共振子100aの共振周波数を得ることが困難となる。しかし、第1下部電極21から外部電極へ接続するための第1外部接続配線20bは必ず形成される配線であることから、スプリアスの出現を除去することは困難ではあるが、第1外部接続配線20bを1本とし、上述の式1の条件を満足させることによりスプリアスの影響を抑制し、所望の共振周波数を得ることができる。
(第2実施形態)
図6に第2実施形態に係る電子デバイスとして、第1実施形態に係るMEMS振動子100と、半導体装置と、を1チップに構成した形態を示す。図6に示す電子デバイスとしての発振器1000は、第1実施形態に係るMEMS振動子100と、発信回路あるいは制御回路を含む電子回路が構成された半導体装置200(以下、IC200という)と、が一体的に形成されている。
MEMS振動子100は、半導体製造装置を用い、半導体製造方法によって製造することができる微細装置であることから、IC200をMEMS振動子100と同一のウエハー基板11に容易に形成することができる。IC200には、MEMS振動子100を駆動する発信回路、およびMEMS振動子100の周波数変動に対する駆動あるは外部への出力信号の制御を行う制御回路、などを備えている。このように、IC200を、MEMS振動子100と1チップに形成することにより、小型の発振器1000を得ることができる。
また、MEMS振動子100に備えるMEMS共振子100aは、慣性力によって共振周波数が変化する、いわゆるジャイロ共振子として用いることができる。従って、IC200に、MEMS共振子100aの振動から加速度を演算する演算回路を含ませることにより、小型のジャイロセンサー2000を容易に得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る電子機器として、第2実施形態に係る発振器1000もしくはジャイロセンサー2000を備えるスマートフォンおよびデジタルスチルカメラについて説明する。
図7はスマートフォン3000を示す外観図である。スマートフォン3000には基準クロックの発信源としての図示しない発振器1000と、スマートフォン3000の姿勢を検出するジャイロセンサー2000と、が組み込まれている。ジャイロセンサー2000が組み込まれることにより、いわゆるモーションセンシングが実施され、スマートフォン3000の姿勢を検出することができる。ジャイロセンサー2000の検出信号は、例えばマイクロコンピューターチップ3100(以下、MPU3100という)に供給され、MPU3100はモーションセンシングに応じてさまざまな処理を実行することができる。その他、モーションセンシングは、携帯電話機、携帯型ゲーム機、ゲームコントローラー、カーナビゲーションシステム、ポインティングシステム、ヘッドマウンティングディスプレイ、タブレットパソコン等の電子機器でジャイロセンサー2000を組み込むことにより、利用することができる。
図8はデジタルスチルカメラ4000(以下、カメラ4000という)を示す外観図である。カメラ4000には基準クロックの発信源としての図示しない発振器1000と、カメラ4000の姿勢を検出するジャイロセンサー2000と、が組み込まれている。組み込まれたジャイロセンサー2000の検出信号は手ぶれ補正装置4100に供給される。手ぶれ補正装置4100はジャイロセンサー2000の検出信号に応じて、例えばレンズセット4200内の特定のレンズを移動させ、手ぶれによる画像不良を抑制することができる。また、デジタルビデオカメラへジャイロセンサー2000および手ぶれ補正装置4100を組み込むことによりカメラ4000と同様に手ぶれの補正をすることができる。
(第4実施形態)
第2実施形態に係る発振器1000、もしくはジャイロセンサー2000を備える第4実施形態としての移動体の具体例として、自動車について説明する。図9は、第4実施形態に係る自動車5000の外観図である。図9に示すように、自動車5000にはジャイロセンサー2000が組み込まれている。ジャイロセンサー2000は車体5100の姿勢を検出する。ジャイロセンサー2000の検出信号は車体姿勢制御装置5200に供給される。車体姿勢制御装置5200は供給された信号に基づき車体5100の姿勢状態を演算し、例えば車体5100の姿勢の応じた緩衝装置(いわゆるサスペンション)の硬軟を制御したり、個々の車輪5300の制動力を制御したりすることができる。このようなジャイロセンサー2000を用いた姿勢制御は、二足歩行ロボット、航空機、あるいはラジコンヘリコプターなどの玩具に利用することができる。
また図9の自動車5000は、搭載されている図示しない各種電子制御式装置(例えば、電子制御式燃料噴射装置、電子制御式ABS装置、電子制御式一定速度走行装置など)の基準クロックを発生するタイミングデバイスとして、第1実施形態に係るMEMS振動子100を用いている。また、第2実施形態に係る発振器1000を備える移動体としては、上記自動車5000に限らず、自走式ロボット、自走式搬送機器、列車、船舶、飛行機、人口衛星などを含む移動体のタイミングデバイスとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記実施形態で説明した効果が反映された移動体を提供することができる。
10a…主面、20…下部電極、30…上部電極、40…空間壁部、100…MEMS振動子。

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板の主面上に設けられた第1下部電極と、前記第1下部電極の外周に配設された第2下部電極と、
    前記第1下部電極および前記第2下部電極に前記主面の法線方向に離間して設けられ、前記主面の平面視において前記第1下部電極に重なる第1振動部と、
    前記第2下部電極に重なる第2振動部を備える上部電極と、
    前記上部電極を支持する支持電極と、前記支持電極に接続され前記主面上に設けられた固定電極と、を複数備える振動電極と、を備え、
    前記第2振動部は切り欠き部が複数形成され、前記切り欠き部に前記支持部が接続される接続部を備え、
    前記主面上に前記第1下部電極から外部接続配線が延出されている、
    ことを特徴とする振動子。
  2. 前記第1下部電極および前記第1振動部は円形外形を有し、
    前記主面の平面視において、前記第1下部電極の円形外形中心と前記第1振動部の円形外形中心と、は略一致するように配置され、
    前記第1下部電極の外形は、前記第1振動部の外形より小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動子。
  3. 前記外部接続配線が1本である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の振動子。
  4. 前記第1下部電極の円形外径をa、前記第1振動部の円形外径をb、とした場合、
    0.67≦a/b≦0.7
    であることを特徴とする請求項2または3に記載の振動子。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の振動子と、
    前記振動子を駆動する回路を含む制御回路と、を備える、
    ことを特徴とする電子デバイス。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の振動子、または請求項5に記載の電子デバイスを備える、
    ことを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の振動子、または請求項5に記載の電子デバイス、または請求項6に記載の電子機器を備える、
    ことを特徴とする移動体。
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