JP2014127895A - 音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動子、および音叉型圧電振動片の製造方法 - Google Patents

音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動子、および音叉型圧電振動片の製造方法 Download PDF

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俊介 佐藤
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Abstract

【課題】電極の短絡が生じにくい小型化に適した音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動子、音叉型圧電振動片の製造方法を提供する。
【解決手段】音叉型圧電振動片2において、音叉型圧電振動片の母材が、振動部である脚部21,22と、前記脚部を突出して設けた基部25とから構成され、前記脚部は、前記基部の一端面から突出して並設しており、前記脚部の間で、前記基部の一端面には、叉部253が形成されており、前記基部の一端面に対向する他端面側には、外部に接合する接合部23が形成されており、前記脚部と前記基部の上面には、異電位の電極が延出されて、励振電極291、292と引出電極293、294と接続電極295、296とを構成しており、前記叉部には電極が形成されない破断痕240を形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器等に用いられる音叉型圧電振動片、それを用いた音叉型水晶振動子、および音叉型圧電振動片の製造方法に関する。
圧電振動子に代表される圧電振動デバイスは、携帯電話など移動体通信機等に広く用いられている。圧電振動子に用いられる圧電振動片の一つとして音叉型圧電振動片がある。音叉型圧電振動片は、例えば水晶などの圧電材料からなり、基部と、基部から一方向に伸びる一対の振動脚(以下、脚部と称する)とからなる音叉形状の圧電振動片であり、音叉型圧電振動片を使用した音叉型圧電振動子は、時計のクロック源として広く使用されている。このような音叉型圧電振動片は、前記一対の脚部と前記基部の上面には、振動を励起するための異電位の電極が延出され、励振電極と引出電極と接続電極などを構成している。
例えば、特許文献1に記載の音叉型圧電振動片では、さらに、外部に接合する接合部が、基部の2つの脚部を形成した一端面と対向する他端面から突出形成されている。これら基部の他端面から突出形成された接合部には、前記接続電極(端子電極)が形成され、図示しない引出電極を介して、必要な励振電極が形成され、音叉型圧電振動片を構成している。
特開2004−357178号公報
近年、音叉型圧電振動片の小型化がますます進んでいる中で、上記異電位の電極(励振電極や引出電極等)を音叉型圧電振動片の上面に近接して形成することも困難となってきている。特に音叉型圧電振動片の叉部では影となりやすい領域であるため、フォトリソ技術を適用すると正確に電極が形成しにくく、また回り込んだ電極を除去するのも難しいため、この部分で異電位の電極の短絡が生じることがあった。一般的に、真空蒸着法で電極形成すると、音叉型圧電振動片の主面以外の壁面部分では影になりやすく、この壁面部分にまで電極材料が形成されないことがある。これに対して、スパッタリング法で電極形成すると、音叉型圧電振動片の主面以外の壁面部分にも電極が回り込んで電極が形成される。このため、小型化された音叉型圧電振動片の場合、例えば真空蒸着法では、音叉型圧電振動片の叉部では短絡の問題を生じにくいものの、音叉型圧電振動片の脚部に溝や穴を形成したものでは、この内部にまで電極を形成しにくくなっている。これに対して、スパッタリング法では、音叉型圧電振動片の脚部に溝や穴を形成したものでも、この内部にまで電極を形成することができるものの、音叉型圧電振動片の叉部の壁面部分にまで電極が形成され、短絡の問題を生じやすい。なお、このように壁面に回り込んだ電極を除去するのは、音叉型圧電振動片の小型化とともに困難となっている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電極の短絡が生じにくい小型化に適した音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動子、音叉型圧電振動片の製造方法を提供することを目的とする。
音叉型圧電振動片において、音叉型圧電振動片の母材が、振動部である複数の脚部と、前記脚部を突出して設けた基部とから構成され、
前記複数の脚部は、前記基部の一端面から突出して並設しており、
前記複数の脚部の間で、前記基部の一端面には、叉部が形成されており、
前記基部の一端面に対向する他端面側には、外部に接合する接合部が形成されており、
前記複数の脚部と前記基部の上面には、異電位の電極が延出されて、励振電極と引出電極と接続電極とを構成しており、
前記叉部には電極が形成されない破断痕を形成したことを特徴とする音叉型圧電振動片。
本発明によれば、音叉型圧電振動片の叉部で異電位の電極が近接配置されても、この領域における音叉型圧電振動片の母材の一部が破断されることで、電極材料が付着していない破断痕が前記叉部に形成されることで、当該叉部には破断痕からなる確実な絶縁領域が確保される。このため、音叉型圧電振動片の叉部で異電位の電極が近接配置されても、お互いに短絡することがない。特に、小型化され、異電位の電極の近接配置が難しい音叉型圧電振動片の電極構成には望ましい構成とすることができる。
また、前記破断痕には、中央部に一つ以上の肉厚の角を形成してもよい。この構成により、上述の作用効果に加えて、前記肉厚の角により電極が拡がって形成されるのを抑制することができ、異電位の電極同士のより確実な短絡を防止することができる。
また、前記破断痕が前記叉部に形成された音叉型圧電振動片の母材からなる突出片を折り取ることで形成してもよい。この構成により、上述の作用効果に加えて、音叉型圧電振動片の叉部で異電位の電極が近接配置した際に、突出片に電極が形成されたとしても、音叉型圧電振動片の叉部から突出片を折り取ることで、電極が形成されない破断痕を容易に形成することができる。
また、前記音叉型圧電振動片の脚部には、上面に励振電極が形成された有底溝あるいは貫通溝が形成してもよい。この構成により、上述の作用効果に加えて、励振電極に電圧を印加した時に、脚部の内側(有底溝あるいは貫通溝)と脚部の外側(両側面)との間に、十分な電界を発生させることができ、電気的な励振の強度を十分に確保できる。CI値(直列共振抵抗)の改善に有効な構成とできる。
また、前記音叉型圧電振動片が、当該音叉型圧電振動子の筺体内部に設けられ気密封止されたことを特徴とする。本発明によれば、上記した本発明の音叉型圧電振動片による作用効果を有する。
また、音叉型圧電振動片の製造方法であって、水晶ウェハをエッチングすることで、複数の脚部と、叉部に形成された突出片と、基部とを有する音叉型圧電振動片を形成する第1の工程と、前記音叉型圧電振動片の複数の脚部と、突出片を含む叉部と、基部とに異電位の電極を形成する第2の工程と、前記叉部の突出片を折り取ることで、前記叉部に電極が形成されない破断痕を形成してなる第3の工程とを有することを特徴とする。本発明によれば、音叉型圧電振動片の叉部で異電位の電極が近接配置されても、この領域における音叉型圧電振動片の母材の一部が破断されることで、電極材料が付着していない破断痕が前記叉部に形成されることで、当該叉部には破断痕からなる確実な絶縁領域が確保される。このため、音叉型圧電振動片の叉部で異電位の電極が近接配置されても、お互いに短絡することがない。特に、小型化され、異電位の電極の近接配置が難しい音叉型圧電振動片の電極構成であっても、短絡を防止するための複雑な工程を別途実施することなく、電極形成する際のパターンの精度向上が実現できる。
以上のように、本発明によれば、電極の短絡が生じにくい小型化に適した音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動子、音叉型圧電振動片の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態を示す音叉型水晶振動子の構成を示した模式的な断面図である。 図2は、本発明の実施形態を示す音叉型水晶振動片の一主面側の平面図である。 図3は、図2の矢印方向から見た拡大図である。 図4は、本発明の実施形態を示し、突出片折り取り前の音叉型水晶振動片の一主面側の平面図である。 図5は、本発明の実施形態を示す音叉型水晶振動片の製造工程を示す図である。 図6は、本発明の他の実施形態を示し、突出片折り取り前の音叉型水晶振動片の叉部の拡大図である。 図7は、本発明の他の実施形態を示す音叉型水晶振動片の叉部の拡大図である。
以下、音叉型水晶振動子を例に挙げて図面とともに説明する。本実施形態で使用される音叉型水晶振動子1は、図1に示すように、ベース3と図示しない蓋とが封止部材Hを介して接合されて筐体が構成される。具体的には、上部が開口したベース3の電極パッド32上に音叉型水晶振動片2がメッキバンプなどの金属膜M1を介して接合され、封止部材Hを介してベース3に蓋を接合し、収納部を気密封止した構成となっている(下記参照)。ここで、本実施形態では音叉型水晶振動子1の公称周波数は32.768kHzとなっている。なお、この公称周波数は一例であり、他の周波数にも適用可能である。
ベース3は、例えばセラミック材料やガラス材料、樹脂材料などからなる絶縁体の容器体で構成されている。ベース3は、周囲に堤部30を有し、かつ、上部が開口した断面視凹形状で成形され、ベース3の内部(収納部)には音叉型水晶振動片2を搭載するための段差部31が形成されている。そして、段差部31の上面には、音叉型水晶振動片2を搭載する一対の電極パッド32(図1では一方のみを示す)が形成されている。一対の電極パッド32はベース3の内部に形成された図示しない配線パターンを介してベース3の底面(裏面)に形成されている2つ以上の端子電極33に電気的に接続されている。ベース3の堤部30の天面(周囲)には金属膜層34(封止部材Hの一部を構成)が、天面に沿って周状に形成されている。例えば、ベース3にセラミック材料を用いた場合には、電極パッド32や端子電極33、金属膜層34は、例えば3層の積層体で構成されており、下からタングステン、ニッケル、金の順で積層されている。タングステンはメタライズ技術により、セラミック焼成時に一体的に形成され、ニッケル、金の各層はメッキ技術により形成される。なお、タングステンの層にモリブデンを使用してもよい。
図示しない蓋は、例えば金属材料やセラミック材料、ガラス材料などからなり、平面視矩形状の一枚板に成形されている。この蓋の下面には封止材(封止部材Hの一部を構成)が形成されている。この蓋はシーム溶接やビーム溶接、加熱溶融接合などの手法により封止材Hを介してベース3に接合されて、蓋とベース3とによる音叉型水晶振動子1の筐体が構成される。
音叉型水晶振動片2は、圧電振動素板であり、異方性材料の水晶Z板からなる1枚の水晶ウェハから多数個の音叉型水晶振動片2が一括成形される。この音叉型水晶振動片2の外形成形に関して、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストまたは金属膜を水晶ウェハに形成し、水晶ウェハに形成したレジストまたは金属膜をマスクとして用いて例えばウェットエッチングによって音叉型水晶振動片2が外形成形されている。
つまり、図5(a)に示すように、水晶ウェハWをエッチングすることで、脚部21,22と、叉部に形成された突出片24と、基部25とを有する音叉型水晶振動片2を形成するともに(第1の工程)、図5(b)に示すように、音叉型水晶振動片2の脚部21,22の一主面と他主面には、有低の溝部27がそれぞれ形成されている。
その後、図5(c)に示すように、音叉型水晶振動片2の前記脚部21,22と、突出片24を含む叉部253と、基部25とに一対の異電位の電極E1と電極E2を形成する(第2の工程)。
その後、図5(d)に示すように、叉部253の突出片24を折り取ることで、叉部253に電極E1と電極E2が形成されない破断痕240を形成する(第3の工程)。より詳しくは、図4に示すように、同じ音叉型水晶振動片の母材からなる突出片24が叉部253に形成された音叉型水晶振動片2に対して突出片24を折り取ることで、図2、図3に示すように、音叉型水晶振動片の叉部253に電極の形成されない破断痕240を構成している。
この際、突出片24の厚み寸法を叉部253の厚み寸法とほぼ同一とすることで、図3に示すように、音叉型水晶振動片の叉部253の厚み方向のほぼ全体を横断する無電極の破断痕240を構成することができ、後述する異電位の引出電極293と引出電極294とが近接して形成されたとしても、異電位の電極間に確実な絶縁領域を確保することができる。
また、図4に示すように、本形態では突出片24と叉部253の間には、突出片の一部が幅狭になる幅狭部241,241または突出片の一部が薄肉となる薄肉部242のうちの少なくとも一方が形成されている。前記幅狭部または前記薄肉部を構成することで、突出片24の折り取りを容易とし必要以上に破断痕240の領域が広がらないように制御することができる。つまり音叉型水晶振動片の叉部253の形状のばらつきを減じて製造の安定性を高めることができる。また前記幅狭部または前記薄肉部などによる境界の部分で折り取られた破断痕240により叉部253の無電極領域を容易に形成することができる。
以下、上述のような方法により構成された本発明の音叉型水晶振動片2の詳細について説明する。
音叉型水晶振動片2は、図2に示すように、振動部である一対の第1脚部21および第2脚部22と、外部(本実施形態ではベース3の電極パッド32)と接合する接合部23と、これら第1脚部21,第2脚部22,接合部23を突出して設けた基部25とから構成されている。また、一対の第1脚部21および第2脚部22の間であって、基部25の一端面251の幅方向における中間位置に叉部253が形成されている。なお、脚部については、仕様などに応じて3つ以上のものに転用することも可能である。
音叉型水晶振動片2の表裏両主面(一主面261と他主面262)には、少なくとも一対の励振電極291,292と、一対の励振電極291,292からそれぞれ引き出された引出電極293,294とが形成されている。音叉型水晶振動片2の一主面261には、引出電極293,294の導出端部であり、外部に接合される接合部23に形成された接続電極295,296が形成されている。引出電極293,294の一部は、叉部253(叉部253の近傍を含む)に引き出されている。叉部253にはこれら引出電極293,294の形成されない破断痕240を構成している。
基部25は、平面視左右対称形状とされ、図2に示すように、振動部(第1脚部21(特に基端部212),第2脚部22(特に基端部222)参照)より幅広に形成されている。また、基部25の他端面252付近が、一端面251から他端面252にかけて幅狭になるように漸次段差形成されている。このため、振動部である第1脚部21および第2脚部22の振動により発生した漏れ振動を他端面252により減衰させることができ、接合部23へ漏れ振動が伝わるのを抑制することができ、音響リーク(振動漏れ)をさらに低減するのに好ましい。なおここでいう漸次幅狭になる構成としては、基部25の平面視全体形状を基準として、基部25の幅寸法が大きい一端面251付近に対して、基部25の幅が狭い、および狭くなる部分のことをいい(以下、この部分を、括れ部255とする)、なお、この括れ部255において基部25の幅が一番狭くなる部分が一端となり、この括れ部255の一端は、基部25の他端面252と接合部23との境界(境界点)である。また、括れ部255は、図2に示す段差形状に限らずテーパ状や、曲面状としてもよく、またこれらの形状の組み合わせであってもよい。
一対の第1脚部21および第2脚部22は、図2に示すように、基部25の一端面251から突出して叉部253を介して並設されている。なお、ここでいう叉部253は、一端面251の幅方向の中間位置(中央領域)に設けられている。これら第1脚部21および第2脚部22の先端部211,221および基端部212,222は、第1脚部21および第2脚部22の他の部位と比べて突出方向に対して直交する方向に幅広に成形されている。このうち、第1脚部21および第2脚部22の先端部211,221の幅広領域を、第1脚部21および第2脚部22の幅広領域という。また、第1脚部21および第2脚部22の先端部211,221それぞれの隅部は曲面形成されている。このように先端部211,221を幅広に成形することで、先端部211,221(先端領域)を有効に利用することができ、音叉型水晶振動片2の小型化に有用であり、低周波数化にも有用である。また、それぞれ先端部211,221の隅部を曲面形成することで、外力を受けた時などに堤部などに接触するのを防止することができる。なお、ここでいう先端部211,221の隅部は、曲面に限らずテーパ状でもよく、曲面とテーパ状の隅部を組み合わせた形状であってもよい。
また、一対の第1脚部21および第2脚部22の一主面261と他主面262には、音叉型水晶振動片2の小型化により劣化するCI値(直列共振抵抗)を改善させるために、有低の溝部27がそれぞれ形成されている。また、音叉型水晶振動片2の外形のうち側面28の一部は一主面261と他主面262に対して傾斜して成形されている。これは、音叉型水晶振動片2を湿式でエッチング成形する際に基板材料の結晶方向(X,Y方向)へのエッチングスピードが異なることに起因している。なお、溝部27については、仕様などに応じて貫通させたものとして構成してもよい。
接合部23は、図2に示すように、下記する引出電極293,294を外部電極(本発明でいう外部であり、本実施形態ではベース3の電極パッド32,32)と電気機械的に接合するためのものである。具体的に、接合部23は、一対の第1脚部21および第2脚部22が突出した基部25の一端面251と対向する他端面252の幅方向の中間位置(中央領域)から突出形成されている。すなわち、一対の第1脚部21と第2脚部22との間に配された叉部253と正対向する位置に、接合部23が突出形成されている。
特に、本実施形態では、接合部23は、基部25の他端面252に対して平面視垂直方向に突出した他端面252よりも幅狭な短辺部231と、短辺部231の先端部と連なり短辺部231の先端部において平面視直角に折曲されて基部25の幅方向に延出する長辺部232とから構成され、接合部23の先端部233は基部25の幅方向に向いている。すなわち、接合部23は、平面視L字状に成形され、平面視L字状に成形された折曲箇所である折曲部234が短辺部231の先端部に対応する。このように基部25の他端面252よりも短辺部231が幅狭な状態で形成されているので、振動漏れのさらなる抑制の効果が高まる。
また、接合部23の一主面261には、外部に接合する第1の接合部235と第2の接合部236とを有しており、第1の接合部235は基部25の幅方向の中心線の延長線上(接合部23の短辺部231の幅方向における中間位置)で平面視L字状に成形された接合部23の折曲部234の一領域に形成され、第2の接合部236が平面視L字状に成形された接合部23の先端部233にあたる長辺部232の先端部の一領域に形成されている。そして第1の接合部235には、後述する第2励振電極292から引出電極294を介して短辺部231の端部(一端部へ)引き出された接続電極296(引出電極294の導出端部)が形成され、第2の接合部236には、後述する第1励振電極291から引出電極293を介して長辺部232の端部(先端部233)へ引き出された接続電極295(引出電極293の導出端部)が形成されている。
このように構成することで、接合部23の長さを拡大することなく振動漏れ(音響リーク)をより効率的に抑えることが可能となる。特に、接合部23における外部に接合する第1の接合部235は、音響リークをより効率的に押さえられた折曲部234で一方の極として電気的機械的に接合することができ、接合部23における外部に接合する第2の接合部236は、音響リークの影響や応力や外力の影響を受けない先端部233で他方の異電位として電気的機械的に接合することができる。
また、これら接続電極295,296の上面には、接続電極295,296より表面粗さが粗く平面積が小さなメッキバンプとしての金属膜M1(M11,M12)が形成されている。金属膜M1(M11,M12)は、その厚みが例えば5〜20μm程度、直径が50μm程度で平面積が約1962.5μm2の平面視円形状で形成されている。なお、超音波接合後(FCB後)には少なくとも金属膜M1(M11,M12)は面方向に拡がって潰れた状態となり、約半分程度の厚みになる。金属膜M1(M11,M12)の厚みが5μmより小さい場合、音叉型水晶振動片2の接続電極295,296とベース3の電極パッド32,32との隙間が小さくなり、音叉型水晶振動子1の電気的特性に悪影響を生じやすくなる。金属膜M1(M11,M12)の厚みが20μmより大きい場合、音叉型水晶振動片2の傾きや位置ずれの影響が生じやすくなり、接合強度としてもばらつきが生じやすくなる。なお、メッキバンプとしての金属膜M1(M11,M12)の平面視形状は、接続電極などの平面視形状に応じて円形や楕円形などの円形状のものや、長方形や正方形を含む多角形状のものなど自由に構成することができる。
接合部23への金属膜M1(M11,M12)の形成に関しては、接合部23の第1の接合部235と第2の接合部236に図示しない金属膜の形成部(接続電極295,296より平面積の小さい窓部を有するマスク)をフォトリソグラフィ法により所望の形状(本実施形態では矩形状の窓部)に形成して、金属膜M1(M11,M12)の形成部に金属膜M1(M11,M12)を電解メッキ法などの手法によりメッキ形成する。その後、アニール処理を行ってもよい。
また、本実施形態にかかる音叉型水晶振動片2には、異電位で構成された一対の第1励振電極291および第2励振電極292と、これら第1励振電極291および第2励振電極292を電極パッド32,32に電気的に接続させるためにこれら第1励振電極291および第2励振電極292から引き出された引出電極293,294と、その先端部に金属膜M1が形成される接続電極295,296とが一体的に同時形成されている。なお、本実施形態でいう引出電極293,294は、これら一対の第1励振電極291および第2励振電極292から引き出された電極パターンのことをいう。接続電極295,296は、引出電極293,294の先端部分(導出端部)のうち、ベース3との接合部位となる箇所に形成されたものを示している。
また、一対の第1励振電極291および第2励振電極292の一部は、溝部27の内部に形成されている。このため、音叉型水晶振動片2を小型化しても第1脚部21および第2脚部22の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができる。
第1励振電極291は、第1脚部21の両主面(一主面261と他主面)と第2脚部22の両側面28に形成されている。同様に、第2励振電極292は、第2脚部22の両主面(一主面261と他主面)と第1脚部21の両側面28に形成されている。
これらの電極のうち、励振電極291と引出電極293と接続電極295とが同極の第1電極(図5の電極E1に相当)を構成し、励振電極292と引出電極294と接続電極296とが同極の第2電極(図5の電極E2に相当)を構成しているとともに、これらの第1電極と第2電極E2とは異電位の電極として構成されている。これら第1電極と第2電極とはお互いに短絡しない状態で音叉型水晶振動片2に形成されている。
上記した音叉型水晶振動片2の第1励振電極291および第2励振電極292や引出電極293,294、接続電極295,296は、金属蒸着によって各第1脚部21および第2脚部22上にクロム(Cr)層が形成され、このクロム層上に金(Au)層が形成されて構成される薄膜である。この薄膜は、真空蒸着法やスパッタリング法などの手法により基板全面に形成された後、フォトリソグラフィ法によりメタルエッチングして所望の形状に形成されることで、一体的に同時形成される。なお、第1励振電極291,第2励振電極292および引出電極293,294は、クロム(Cr),金(Au)の順に積層して形成されているが、例えば、クロム(Cr),銀(Ag)の順や,クロム(Cr),金(Au),クロム(Cr)の順や,クロム(Cr),銀(Ag),クロム(Cr)の順などであってもよい。
また、各第1脚部21,第2脚部22の先端部211,221の一主面261と他主面262とには、上記した第1脚部21,第2脚部22の幅広領域に対してほぼ全面に引出電極293,294がそれぞれ形成されている。これら一主面261の第1脚部21,第2脚部22の幅広領域に形成された引出電極293,294の上面には、レーザービームなどのビーム照射やイオンミーリングなどのイオンエッチングによって金属膜の質量削減を行うことで音叉型水晶振動片2の周波数を調整してなる調整用金属膜(周波数調整用錘)M3が、引出電極293,294に対して若干小さな面積で一体形成されている。
上記の調整用金属膜M3は、例えば、各領域(幅広領域)の引出電極293,294に調整用金属膜M3の形成部をフォトリソグラフィ法により所望の形状に形成して、調整用金属膜M3の形成部に調整用金属膜M3を電解メッキ法などの手法によりメッキ形成する。その後、アニール処理を行ってもよい。これらの金属膜(調整用金属膜M3)をメッキ形成する際には、上記した金属膜M1(M11,M12)と同じ工程で同時に構成すると実用上より望ましい。
以上のように構成された音叉型水晶振動片2は、圧電振動素板を多数個形成するウェハの状態の際に、各々の音叉型水晶振動片2の周波数を計測した後、各々の音叉型水晶振動片2の調整用金属膜M3をビーム照射などで減少させたり、パーシャル蒸着により増加させたりすることで、周波数の粗調整している。
周波数粗調整が施されてウェハから取り出された個片の音叉型水晶振動片2(圧電振動素板)は、その一主面261側の接続電極295,296の上面に形成された金属膜M1(M11,M12)とベース3の電極パッド32,32とがFCB法により超音波接合され、ベース3に搭載される。
ベース3に搭載された音叉型水晶振動片2は、周波数を再計測した後、音叉型水晶振動片2の調整用金属膜M3をビーム照射やイオンエッチングなどで減少させることで、周波数の微調整する最終の周波数調整を行っている。
その後、最終の周波数調整が行われた音叉型水晶振動片2が搭載されたベース3に対して、図示しない蓋を加熱溶融接合などの手法により封止部材Hを介して接合し、音叉型水晶振動片2をベース3と図示しない蓋とで構成された筐体の内部に気密封止する。なお上述の気密封止の手法として、シーム溶接、ビーム溶接、雰囲気加熱などの手法をあげることができる。
以上のような構成により、音叉型水晶振動片の叉部253で異電位の引出電極293と引出電極294が近接配置されても、この領域における音叉型水晶振動片の母材の一部が破断されることで、電極材料が付着していない破断痕240が叉部253に形成されることで、叉部253には破断痕240からなる確実な絶縁領域が確保され、異電位の引出電極293と引出電極294がお互いに短絡することが一切なくなる。特に音叉型水晶振動片の叉部253で異電位の引出電極293と引出電極294が近接配置した際に、突出片24にこれらの電極が形成されたとしても、音叉型水晶振動片の叉部253から突出片24を折り取ることで、電極が形成されない破断痕240を容易に形成することができる。つまり、電極の短絡が生じにくい小型化に適した音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動子、音叉型圧電振動片の製造方法を提供することができる。
なお、上記実施例に限らず、図6に示すような突出片24とし、その突出片を折り取ることで得られる図7に示すような破断痕240を構成してもよい。つまり、図6に示すように、前記突出片24と前記叉部253との接合部のうち幅方向の中央部に、叉部253(基部25)の厚み寸法と同一の1つ以上のブリッジ部243を設ける。また、前記突出片24と前記叉部253との接合部のうち幅方向の両端部に、叉部253の厚み寸法より薄肉の薄肉部242,242を設ける。このような突出片24を音叉型水晶振動片2の叉部253から折り取ることで、図7に示すように、前記叉部253の中央部に肉厚の角244が形成された破断痕240が形成される。なお、このブリッジ部243は、中央に限らず一方の端部にずらしてもよい。
このように構成することで、前記突出片24と前記叉部253との接合部のうちの前記両端部の薄肉部242,242により、前記突出片24を音叉型水晶振動片2の叉部253から折り取る際に、音叉型水晶振動子2の基部側にえぐられた状態で破断することを防止し、折り取りを容易なものとすることができる。また、前記突出片24と前記叉部253との接合部のうちの前記中央部の叉部253(基部25)の厚み寸法と同一のブリッジ243により、前記薄肉部242,242の段差部に電極が形成されたとしても、その拡がりを1つ以上のブリッジ部で確実に断つことができる。結果として異電位の引出電極293と引出電極294とのより確実な短絡を防止することができる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、音叉型水晶振動子などの圧電振動デバイスに適用できる。
1 音叉型水晶振動子
2 音叉型水晶振動片
21 第1脚部
211 先端部
212 基端部
22 第2脚部
221 先端部
222 基端部
23 接合部
231 短辺部
232 長辺部
233 先端部
234 折曲部
235 第1の接合部
236 第2の接合部
25 基部
251 一端面
252 他端面
253 叉部
254 側面
255 括れ部
261 一主面
262 他主面
27 溝部
28 側面
291,292 励振電極
293,294 引出電極
295,296 接続電極
3 ベース
30 堤部
31 段差部
32 電極パッド
33 端子電極
34 金属膜層
H 封止部材
M1(M11,M12) 金属膜
M3 調整用金属膜

Claims (5)

  1. 音叉型圧電振動片において、
    音叉型圧電振動片の母材が、振動部である複数の脚部と、前記脚部を突出して設けた基部とから構成され、
    前記複数の脚部は、前記基部の一端面から突出して並設しており、
    前記複数の脚部の間で、前記基部の一端面には、叉部が形成されており、
    前記基部の一端面に対向する他端面側には、外部に接合する接合部が形成されており、
    前記複数の脚部と前記基部の上面には、異電位の電極が延出されて、励振電極と引出電極と接続電極とを構成しており、
    前記叉部には電極が形成されない破断痕を形成したことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  2. 前記破断痕には、中央部に一つ以上の肉厚の角が形成されたことを特徴とする特許請求項1記載の音叉型圧電振動片。
  3. 前記破断痕が前記叉部に形成された音叉型圧電振動片の母材からなる突出片を折り取ることで形成されたことを特徴とする特許請求項1、または特許請求項2記載の音叉型圧電振動片。
  4. 音叉型圧電振動子において、
    特許請求項1乃至3のいずれか1項記載の音叉型圧電振動片が、当該音叉型圧電振動子の筺体内部に設けられ気密封止されたことを特徴とする音叉型圧電振動子。
  5. 音叉型圧電振動片の製造方法であって、
    水晶ウェハをエッチングすることで、複数の脚部と、叉部に形成された突出片と、基部とを有する音叉型圧電振動片を形成する第1の工程と、
    前記音叉型圧電振動片の複数の脚部と、突出片を含む叉部と、基部とに異電位の電極を形成する第2の工程と、
    前記叉部の突出片を折り取ることで、前記叉部に電極が形成されない破断痕を形成してなる第3の工程とを有することを特徴とする音叉型圧電振動片の製造方法。
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