JP2014126298A - 排ガス中のso3含有量計測装置、重質燃料焚ボイラシステム及びその運転方法 - Google Patents

排ガス中のso3含有量計測装置、重質燃料焚ボイラシステム及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガス中のSO3含有量計測装置、重質燃料焚ボイラシステム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】SO3を含有する排ガス11を、煙道12から導入する第1の開閉弁13Aを備えた第1のガス導入ライン14Aと、第1のガス導入ラインに接続され、ガス状のSO3を計測するSO3測定器20と、第1のガス導入ラインに介装され、導入した排ガス11a中のダストを捕捉すると共に、ガス状のSO3及びミスト状のSO3を選択的に通過する第1のフィルタ手段15Aと、第1のガス導入ラインから第1の開閉弁までの第1の加熱領域L1を、煙道内の排ガスのガス温度と同等の温度に加熱し、ガス温度を煙道内のガス温度と同等の温度に保持する第1の加熱手段16Aと、第1のガス導入ラインの第1の開閉弁からSO3測定器の入口までの第2の加熱領域L2を、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持する温度に加熱し、保持する第2の加熱手段16Bと、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス中のSO3含有量計測装置、重質燃料焚ボイラシステム及びその運転方法に関するものである。
例えば石炭や重油、重油を深絞りした後の重質残渣等を燃料とした火力発電ボイラプラントにおいては、ボイラ排ガス中の硫黄酸化物を除去する必要がある。
従来は、排ガス中のSO3ガスの連続分析技術が確立されていなかったので、その都度分析要員が間欠的に計測する化学分析に留まっていた(特許文献1)。
よって、排ガス煙道からの排ガスのサンプリング及び諸作業に1〜3時間/ケースかかり、分析に数日/ケース(持帰り分析含む)かかる場合もあり、測定結果がでるまでに多大な時間を要していた。又このようにSO3含有量の測定に手間が掛かる為、運転状態の変動幅が把握しにくいという問題もあった。
これまでは上記の様に機器分析装置による連続計測技術がなかったので、プラント建設後の試運転調整時や営業運転過程で必要に応じて化学分析で計測し、このデータを用いて運転管理を行っていた。このように従来は多大な労力を払って計測を行っていたが、近年、FT−IRやレーザー法等の赤外分光法を用いた連続計測機器による火力発電プラントでのSO3計測事例等が報告され始めている。
ところで、SO3ガスは、酸露点を下回る温度域においては、微細なミスト状のSO3(硫酸ヒューム)となり、プラント煙道内部で腐食・灰付着性が増大する為、この濃度を把握し管理することが極めて重要である。
排ガス中のSO3除去対策として、例えば重油や重質残渣燃料等を用いた油焚き火力プラントにおいては、空気予熱器(AH)の後流の煙道内に、アンモニアガスを噴霧し、排ガス中のSO3と中和反応させ、硫酸アンモニウムダストを生成させ、例えば電気集塵機(EP)で捕捉するシステムが提案されている(特許文献2)。
特開平8−210954号公報 特開2003−126648号公報
しかしながら、実機対応のプラント操業においては、排ガス中へのアンモニア注入量は、最大SO3流通に対応する量を供給することで、安全率を見込んで注入せざるを得なかった。
このため、排ガス中のSO3量の変動に対応できずに、過不足が生じる原因となっていた。
また、燃料性状変化によりSO3濃度が低下した時も過大なアンモニア注入が継続され、不経済であった。また、逆に燃料の硫黄(S)分や燃料組成中のバナジウム等触媒効果のある成分の増加,火炉の経時的な汚れ状態,脱硝触媒性能の経時変化等に起因してSO3転換率が高まった場合等に、アンモニアの注入量が不足するおそれも予測される。
他方、化学分析にてSO3含有量の測定を行う場合に、サンプリングライン内でSO3が凝縮しないように、当該サンプリングラインをヒータで加熱し保温しながらサンプリング対象となるSO3ガスをガス化して分析装置内に導く必要がある。このときの加熱温度は酸露点を十分に上回る温度にすればよく、当該酸露点は例えば電力中央研究所の大塚の式等で簡便に計算される。
上述のように排ガス煙道から吸引部乃至凝縮部までのラインの区間では酸露点以上に加熱・保温する必要があると共に、サンプルラインにフィルタ手段を設け、このフィルタ手段を通過してきたガス状SO3成分のみを測定することとしているため、ダスト表面乃至細孔内部に吸着したSO3はカウントされないこととなる。
従来の化学分析法においては、排ガス中のミスト状のSO3とガス状のSO3とを個別に分析できなかった為、プラントの各設備において酸露点を下回った部分の排ガス計測でも、ミスト状のSO3がフィルタ手段に捕捉されてしまうので、測定見掛け上、SO3ガス濃度が検出されていない分析結果であった場合でも、プラント排ガス中にミスト状のSO3が存在してしまい、煙突からの紫煙の排出や後流機器等に腐食等の悪影響を及ぼすことも考えられる、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、排ガス中のミスト状のSO3とガス状のSO3との両方の総量を計測できる排ガス中のSO3含有量計測装置、重質燃料焚ボイラシステム及びその運転方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、SO3を含有する排ガスを、煙道から導入する第1の開閉弁を備えた第1のガス導入ラインと、前記第1のガス導入ラインに接続され、前記排ガス中のガス状のSO3を計測するSO3測定器と、前記第1のガス導入ラインに介装され、導入した排ガス中のダストを捕捉すると共に、ガス状のSO3及びミスト状のSO3を選択的に通過する第1のフィルタ手段と、第1のガス導入ラインの煙道から第1の開閉弁までの領域を、煙道内の排ガスのガス温度(T1)と同等の温度に加熱し、導入した排ガスのガス温度を煙道内のガス温度(T1)と同等の温度(T2)に保持する第1の加熱手段と、前記第1のガス導入ラインの開閉弁からSO3測定器までの領域を、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持する温度に加熱し、保持する第2の加熱手段と、を具備してなり、前記第1のフィルタ手段を通過後の排ガス中のミスト状のSO3を、前記第2の加熱手段の加熱によりガス状のSO3とし、排ガス中に浮遊するガス状及びミスト状のSO3の総濃度を、前記SO3測定器で計測してなることを特徴とする排ガス中のSO3含有量計測装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、SO3を含有する排ガスを、前記煙道から導入する第2の開閉弁を備えた第2のガス導入ラインと、前記第2のガス導入ラインに接続され、前記排ガス中のガス状のSO3を計測するSO3測定器と、前記第2のガス導入ラインに介装され、導入した排ガス中のミスト状のSO3とダストとの両方を捕捉すると共に、ガス状のSO3を選択的に通過する第2のフィルタ手段と、第2のフィルタ手段以降の第2のガス導入ラインのSO3測定器までの領域を加熱し、第2のフィルタ手段通過後の排ガスのガス温度を酸露点以上の高温側に保持する第3の加熱手段と、を具備してなり、前記第2のフィルタ手段を通過後の排ガス中のガス状のSO3の濃度を、前記SO3測定器で計測すると共に、前記第1のフィルタ手段を通過後の排ガス中のミスト状のSO3を加熱することによりガス状のSO3とし、排ガス中に含まれるガス状のSO3の総濃度を、前記SO3測定器で計測し、第1のフィルタ手段を通過したガス状のSO3の総SO3濃度と、第2のフィルタ手段を通過したガス状のSO3のみの濃度との差分を、ミスト状SO3濃度として求めることを特徴とする排ガス中のSO3含有量計測装置にある。
第3の発明は、重質燃料焚ボイラからの排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、窒素酸化物除去後の排ガス中の熱を回収する空気予熱器と、熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段と、排ガス中のSO3とアンモニアとの反応生成ダストを含む煤塵とを除去する集塵器と、除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突とを具備する重質燃料焚ボイラシステムであって、第1の発明の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記空気予熱器の出口側で、前記アンモニア供給手段の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整する制御手段を有することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムにある。
第4の発明は、重質燃料焚ボイラからの排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、窒素酸化物除去後の排ガス中の熱を回収する空気予熱器と、熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段と、排ガス中のSO3とアンモニアとの反応生成ダストを含むと煤塵とを除去する集塵器と、除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突とを具備する重質燃料焚ボイラシステムの運転方法において、第1の発明の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記空気予熱器の出口側と、前記アンモニア供給手段の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整し、SO3濃度に見合ったアンモニアを注入することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第5の発明は、第4の発明において、さらに、第1の発明の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記アンモニア供給手段の出口側と、前記集塵機の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応率を確認し、中和反応率に見合ったアンモニアを注入することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第6の発明は、第4の発明において、さらに、重質燃料焚ボイラの炉内の酸素(O2)濃度を監視し、前記空気予熱器の出口側のSO3濃度に応じて、炉内の酸素濃度を制御し、排ガス中の未燃焼カーボン量を調整することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第7の発明は、第4の発明において、さらに、重質燃料焚ボイラの炉内の酸素(O2)濃度を監視すると共に、前記集塵機出口側で灰流動性を計測し、炉内の酸素(O2)濃度と灰流動性情報とにより、炉内の酸素濃度を制御し、排ガス中の未燃焼カーボン量を調整することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第8の発明は、第4の発明において、さらに、第1の発明のSO3含有排ガス計測装置を用いて、前記アンモニア供給手段の出口側と、前記集塵機の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応率を確認し、SO3濃度が閾値を上回り、且つ中和反応率が閾値を下回ったらプラント制御システムにアラームを発することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第9の発明は、第4の発明において、さらに、重質燃料焚ボイラの炉内の酸素(O2)濃度を監視すると共に、前記集塵機出口側で灰流動性を計測し、SO3濃度が閾値を上回り、且つ灰流動性が閾値を下回ったらプラント制御システムにアラームを発することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第10の発明は、第4の発明において、さらに、排ガス中のSO3と水分を連続計測して排ガス中の酸露点を求め、前記空気予熱器の運転温度を酸露点より高める運転をすることを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
第11の発明は、重質燃料焚ボイラからの排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、窒素酸化物除去後の排ガス中の熱を回収する空気予熱器と、熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段と、排ガス中のSO3とアンモニアとの反応生成ダストを含む煤塵とを除去する集塵器と、除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突とを具備する重質燃料焚ボイラシステムの運転方法において、第2の発明の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記空気予熱器の出口側で、前記アンモニア供給手段の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整し、濃度に見合ったアンモニアを注入すると共に、排ガス中のミスト状のSO3に応じて、燃焼状態を調整してSO3を低減することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法にある。
本発明によれば、第1のフィルタ手段の通過後の排ガス中に存在するミスト状のSO3は全て、ガス状のSO3へガス化されることとなる。この結果、従来では計測できなかったミスト状のSO3分の濃度もSO3濃度として計測できることとなる。
図1は、実施例1に係る排ガス中のSO3含有量計測装置の概略図である。 図2は、第1のフィルタ手段のフィルタ通過の概念図である。 図3は、実施例6に係る排ガス中のSO3含有量計測装置の概略図である。 図4は、第2のフィルタ手段のフィルタ通過の概念図である。 図5は、煙道内のサンプリングの様子を示す。 図6は、実施例2に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。 図7は、実施例3に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。 図8は、実施例4に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。 図9は、実施例5に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。 図10は、実施例6に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。 図11に未燃C濃度と灰剪断力との関係を示す図である。 図12は、C/SO3(モル比)と灰剪断力との関係を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、実施例1に係る排ガス中のSO3含有量計測装置の概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る排ガス中のSO3含有量計測装置10Aは、例えば油焚ボイラ等で燃焼されたSO3を含有する排ガス11を、煙道12から導入する第1の開閉弁13Aを備えた第1のガス導入ライン14Aと、前記第1のガス導入ライン14Aに接続され、前記排ガス11中のガス状のSO3を計測するSO3測定器20と、前記第1のガス導入ライン14Aに介装され、導入した排ガス11a中のダストを捕捉すると共に、ガス状のSO3及びミスト状のSO3を選択的に通過する第1のフィルタ手段15Aと、第1のガス導入ライン14Aの煙道12のフランジ12aから第1の開閉弁13Aまでの第1の加熱領域L1を、煙道12内の排ガス11のガス温度(T1)と同等の温度に加熱し、導入した排ガス11aのガス温度を煙道12内のガス温度(T1:図示例151℃)と同等の温度(T2:図示例151℃)に保持する第1の加熱手段16Aと、前記第1のガス導入ライン14Aの第1の開閉弁13AからSO3測定器20の入口15aまでの第2の加熱領域L2を、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持する温度(200℃以上、T3:図示例220℃)に加熱し、保持する第2の加熱手段16Bと、を具備してなり、前記第1のフィルタ手段15Aを通過後の排ガス11b中のミスト状のSO3を、第2の加熱手段16Bの加熱によりガス状のSO3とし、ガス状のSO3及びミスト状のSO3から変換したガス状のSO3の総濃度を、前記SO3測定器20で計測してなるものである。
ここで、図1中、符号21Aは第1の温度制御装置、21Bは第2の温度制御装置、22はガス吸引ポンプ、23はガス戻りライン、31は制御装置、32は表示手段を各々図示する。
第1のガス導入ライン14Aは、煙道12内にフランジ12aから挿入されるガス導入部14aを有し、排ガス11が導入するように排ガス11のガス流れと対向するように、開口部14bが形成されている。
また、導入管14cは、煙道12のフランジ12aから第1のフィルタ手段15Aと第1の開閉弁13Aまでの第1の加熱領域L1は、第1の加熱手段16Aである例えばヒータが巻装され、煙道12内の排ガス11のガス温度(T1)と同等の温度に内部を加熱し、導入した排ガス11aのガス温度を煙道12内のガス温度(T1:図示例151)と同等の温度(T2:図示例151℃)に保持するようにしている。
これにより加熱領域L1内の第1のガス導入ライン14Aは、煙道内と同一条件となるようにしている。
この同一条件とすることで、導入される排ガス11a内にはガス状のSO3とミスト状のSO3とダストとの三者が、煙道12内と同等の割合で存在することとなる。
図2は、第1のフィルタ手段のフィルタ通過の概念図である。
第1のガス導入ライン14Aに介装される第1のフィルタ手段15Aは、図2に示すように、導入した排ガス11a中のダスト31のみを捕捉すると共に、ガス状のSO332及びミスト状のSO333を選択的に通過させるものである。
この結果、第1のフィルタ手段15Aを通過した排ガス11b中には、ダストが除去されたガス状のSO332及びミスト状のSO333が存在することとなる。
ここで、第1の開閉弁13AからSO3測定器20の入口15aまでの第2の加熱領域L2は、第2の加熱手段16Bにより、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持する温度(例えば200℃以上、T3:図示例220℃)に加熱し、保持されている。
よって、第1の開閉弁13Aを通過したダスト31が除去された排ガス11bは、この加熱領域L2を通過する際、排ガス11b中のミスト状のSO333がガス状のSO332に変換されることとなり、排ガス11bは、全てガス状のSO3となる。
このガス状のSO3をSO3測定器20で計測することで、煙道12内の排ガス11中のガス状及びミスト状のSO3の総量を計測することができる。
すなわち、煙道12内では、ガス状SO3とミスト状SO3とが混在しているが、それを第1のガス導入ライン14Aにより導入する際、排ガス11の温度と同じ温度でヒータトレース制御して導き、第1のフィルタ手段15Aにて、ダスト31のみを捕捉し、ミスト状のSO333とガス状のSO332のみを選択的に通過させている。
更にこの第1のフィルタ手段15Aの通過後に、加熱領域L2において、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持するように、「酸露点+数十℃」以上に加熱して、SO3ミストをガス化して、全てガス状のSO3とし、これをSO3測定器20に導き、結果として本来から存在するガス状のSO332とミスト状のSO333からガス化されたガス状SO3との総和を、SO3濃度として検出するようにしている。
ここで、第2の加熱領域L2は、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持する温度とすればよく、例えば酸露点+数十℃以上としているが、酸露点は、排ガス11中のSO3濃度と水分量とにより変動するので、本発明では、200℃以上とするのが好ましい(本実施例では一例として、T3:図示例220℃としている。)。
これにより、第1のフィルタ手段15Aの通過後の排ガス11b中に存在するミスト状のSO3は全て、ガス状のSO3へガス化されることとなる。
この結果、従来では計測できなかったミスト状のSO3分の濃度もSO3濃度として計測できることとなる。
ここで、導入した排ガス11a中のダストを捕捉すると共に、ガス状のSO3及びミスト状のSO3を選択的に通過する第1のフィルタ手段15Aについて説明する。
第1のフィルタ手段15Aは、ダスト31のみを捕捉し、ミスト状のSO3とガス状のSO3のみを選択的に通過させられるものであればいずれを用いても良い。
例えば、ダスト31の粒径と同等の目開きのセラミック性ろ紙や慣性フィルタや、SO2及びSO3と反応しない金属のメッシュフィルタや、金属多孔体によるフィルタや、同様の目開きの逆洗可能なセラミックフィルタを用いたフィルタ等を例示することができる。
また、静電フィルタ(電気極性が固定式のもの)、電場フィルタ(任意に電気極性を変えて除塵・除媒が可能なもの)等を用いるようにしても良い。
但し、これらフィルタ手段は時々新品に交換するか、閉塞が著しい条件下ならばメンテナンス操作としてフィルタ手段に貯留したダスト分を除媒したり、高温加熱し、貯留SO3あるいは未燃カーボンを主体とするダストをガス化して飛ばすような操作を行うようにすると良い。
実施例1の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、例えば重油を燃料としたボイラプラントにおけるボイラ排ガス中の硫黄酸化物を除去する制御システムについて説明する。
油焚きボイラの燃料としては、重油や重質油、石油残渣燃料(減圧残油(VR : Vacuum Residue)、ペトコーク、溶剤脱れき(Solvent De-Asphalting :SDA)ピッチ等を例示することができる。
これらの燃料、特に異なる地域の燃料を交互に或いはブレンドして燃焼させる場合は硫黄(S)分の含有量が短期間で大きく変動する場合があり、排ガス中のSO3濃度にも燃料種、燃料ロットによるバラつきが発生する。
図6は、実施例2に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。
図6に示すように、本実施例に係る重質燃料焚ボイラシステム50Aは、例えば重質燃料焚ボイラ51からの排ガス11中の窒素酸化物を除去する脱硝装置52と、窒素酸化物除去後の排ガス11中の熱を回収する空気予熱器53と、熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段60と、排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応生成ダストを含む煤塵とを除去する(電気)集塵器54と、除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する(気液接触式の)脱硫装置56と、脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突57とを具備するものである。
図6中、符号55は排ガスのガス温度を高めるガス・ガスヒータ(GGH)、54aは電気集塵機54で回収された灰、61はアンモニア供給部、62は脱硫装置56に供給する石灰石、63は脱硫装置56に供給する酸化用空気、64は脱水手段、65は石膏、66は脱水濾液を図示する。
また、本実施例では、煙道12の空気予熱器53の後流側で、電気集塵機54の前流側には、煙道内にアンモニア(NH3)を噴霧する噴霧手段を有するアンモニア供給手段60が設けられており、SO3とアンモニアとの気気反応により、酸性硫安((NH3)HSO4)を中間生成物として経由し硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)の紛体粒子状生成物にして、電気集塵機54で捕集するようにしている。
本実施例においては、アンモニア噴霧手段60の前流側の煙道内のSO3濃度を計測するために、第1の排ガス中のSO3含有量計測装置10A−1を設置している。
この第1の排ガス中のSO3含有量計測装置10A−1により、排ガス11中のSO3の変動の幅を把握することとしている。
そして、第1の排ガス中のSO3含有量計測装置10A−1のSO3測定器20により、煙道12内のSO3濃度が求められる。そして、その濃度を基に、制御装置31により、アンモニア噴霧手段60の各噴射ノズル(図示せず)から注入するアンモニア量が、アンモニア供給部の調整弁(図示せず)で調整され、SO3濃度に応じたアンモニアが注入される。
このように排ガス中のSO3濃度を連続的に検出し、当該検出信号をプラント制御システム内に取込んで必要アンモニア量を演算しフィードフォワード制御することにより、その濃度に見合ったアンモニアを注入することで、排ガス中のSO3を効率的に除去することができ、排ガス11中のSO3の中和不足が原因で生じる例えば閉塞、低温腐食、紫煙等を防止し、プラント内の設備・機器の長寿命化に寄与にすることができる。
また、SO3濃度が閾値を上回り、且つ中和反応率が閾値を下回ったらプラント制御システムにアラームを発するようにしても良い。
さらに、排ガス中の水分を連続計測して排ガス中の酸露点を求め、前記空気予熱器53の運転温度を酸露点より高める運転をするようにしても良い。
また、SO3ガス濃度を求めると共に、排ガス中の水分量を連続測定することで酸露点が連続演算出来るようになる。これにより、空気予熱器53の運転温度を酸露点より高める運転を行うことで空気予熱器53内の腐食や閉塞トラブルを回避することができる。ここで、排ガス中の水分量の連続計測としては、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)やレーザー式赤外分光計等を用いて別途計測するようにすれば良い。
図7は、実施例3に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。なお、実施例2のシステムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図7に示すように、本実施例に係る重質燃料焚ボイラシステム50Bは、さらに、第2の排ガス中のSO3含有量計測装置10A−2を用いて、前記アンモニア供給手段60の出口側で、前記集塵機54の入口側との間で排ガス11中のSO3濃度を計測するようにしている。
そして、第1の排ガス中のSO3含有量計測装置10A−1を用いて、空気予熱器53の出口でSO3濃度に応じて、実施例2と同様の制御を制御装置31で行いつつ、排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応率を確認し、フィードバック制御により、中和反応率に見合ったアンモニアをアンモニア供給手段60から注入するようにしている。
図8は、実施例4に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。なお、実施例2のシステムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示すように、本実施例に係る重質燃料焚ボイラシステム50Cは、さらに、重質燃料焚ボイラ(以下「ボイラ」という)51の炉内の酸素(O2)濃度を監視し、前記空気予熱器53の出口側のSO3濃度に応じて、空気予熱器53で熱交換した空気の供給量をダンパ67の開度を調整している。この結果、炉内の酸素濃度を制御し、排ガス中の未燃焼カーボン量を調整するようにしている。
これにより、ボイラ51への空気量を減少させることができ、これにより、未燃C量を増大させ、結果的に飛灰中の未燃C濃度が増大され、灰中の未燃C量をS分量に対して増大させ、灰の付着性を低くし、灰付着に起因するトラブル(例えばIDF振動トラブル)を防止することができる。
炉内酸素濃度の調整は空気予熱器53を介して導入される空気以外に、直接ボイラ51に供給される空気の量を調節するようにしても良い。
図9は、実施例5に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。なお、実施例2のシステムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図9に示すように、本実施例に係る重質燃料焚ボイラシステム50Dは、さらに、重質燃料焚ボイラ51の炉内の酸素(O2)濃度を監視すると共に、前記集塵機54の出口側で、灰剪断力計測計68を用いて灰流動性を計測している。
そして、炉内の酸素(O2)濃度と灰流動性情報とにより、炉内の酸素濃度を制御し、排ガス中の未燃焼カーボン量を調整するようにしている。
炉内酸素濃度の調整は、実施例4と同様である。
本実施例では、灰剪断力計測計68により灰中の剪断力の情報を求め、この剪断力情報を制御装置31で集約する。
この灰剪断力情報からボイラ51に供給する適切な空気供給量を計算し、ボイラ51への空気供給量の制御を行うように、例えばダンパ67の開度調整をして空気量制御指令を行う。
図11に未燃C濃度と灰剪断力との関係、図12にC/SO3(モル比)と灰剪断力との関係を示す。
これらの図面に示すように、未燃C濃度が少ない場合には、灰剪断力が高くなるので、灰剪断力計測計68を用いて所定の閾値(例えば図11では、5gf/cm2以上)の場合には、空気量制御指令を制御装置31からダンパ673に発するようにして、未燃C量の増大を図るようにすれば良い。
本実施例では灰剪断力を計測する場合には、計測セルに対象の灰を充填する。次に、計測セルを横にずらし、剪断面における剪断力を測定する。また、測定された剪断力から粉体層内部の粒子同士の付着力、摩擦力を評価する。
本実施例によれば、ボイラへの空気量を減少させることにより、未燃C量を増大させ、結果的に飛灰中の未燃C濃度が増大され、灰中の未燃C量をS分量に対して増大させ、灰の付着性を低くし、灰付着に起因するトラブル(例えばIDF振動トラブル)を防止することができる。
本実施例では、灰流動性情報として灰剪断力を用いて、空気量を制御したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば灰の物理特性を計測するパウダテスタ等により、灰の「ゆるみ見かけ比重」、「固め見かけ比重」、「圧縮度」、「凝集度」、「スパチュラ角」、「安息角」等のパラメータを求めて空気供給量を調整するようにしても良い。
ここで、前記圧縮度は、ゆるみ見かけ比重と固め見かけ比重からもとめた圧縮度である。
前記凝集度は、ゆるみ見かけ比重と固め見かけ比重の平均値に応じて複数種類の篩を選定し、振動させたときに各篩に残った粉体の重量比から求めた凝集度である。
前記スパチュラ角は、スパチュラ上に灰を盛り上げた後、スパチュラを持ち上げたときにスパチュラ上に残る粉体の側面傾斜角度である。
前記安息角は、自然落下で堆積した粉体の稜線の角度である。
また、前記集塵機出口側で灰流動性を計測し、SO3濃度が閾値を上回り、且つ灰流動性が閾値を下回ったらプラント制御システムにアラームを発するようにしても良い。
図3は、実施例6に係る排ガス中のSO3含有量計測装置の概略図である。
図3に示すように、本実施例に係る排ガス中のSO3含有量計測装置10Bは、実施例1に係る排ガス中のSO3含有量計測装置10Aにおいて、さらにSO3を含有する排ガス11を、煙道21から導入する第2の開閉弁13Bを備えた第2のガス導入ライン14Bと、前記第2のガス導入ライン14Bに接続され、前記排ガス11中のガス状のSO3を計測するSO3測定器20と、前記第2のガス導入ライン14Bに介装され、導入した排ガス11a中のミスト状のSO3とダストとの両方を捕捉すると共に、ガス状のSO3を選択的に通過する第2のフィルタ手段15Bと、第2のフィルタ手段15B以降の第2のガス導入ライン14BのSO3測定器20までの第3の加熱領域L3を加熱し、第2のフィルタ手段15B通過後の排ガス11cのガス温度を高温(SO3がガス状体を保持する200℃以上(SO3の酸露点の温度+数10℃)、T4:220℃)に保持する第3の加熱手段16Cと、を具備してなり、前記第2のフィルタ手段15Bを通過後の排ガス11c中のガス状のSO3の濃度を、前記SO3測定器20で計測すると共に、前記第1のフィルタ手段15Aを通過後の排ガス11b中のミスト状のSO3を加熱によりガス状のSO3とし、排ガス中に含まれるガス状のSO3の総濃度を、前記SO3測定器20で計測し、第1のフィルタ手段15Aを通過したガス状のSO3の総SO3濃度(X)と、第2のフィルタ手段15Bを通過したガス状のSO3のみの濃度(Y)との差分(Z)を、ミスト状SO3濃度として求めるものである。
このように、サンプリングラインを2本用意することで、排ガス11中のガス状のSO3濃度と、ミスト状のSO3及びガス状のSO3濃度を個別に測定し、その差分からミスト状のSO3濃度を演算して、制御装置31の表示手段32等に表示出来るようにしている。
即ちSO3サンプリングラインは、第1のガス導入ライン14Aと第2のガス導入ライン14B2本の構成から成り、計測時はそれぞれ開閉弁13A、13Bで切替えるようにしている。
若しくはSO3濃度計を複数台準備してそれぞれにラインを繋げて並行計測するようにしても良い。
下記に開閉弁13A、13Bを切替えて任意相の濃度測定を行った場合の事例を示す。
先ず、ガス状のSO3を測定する場合、第2のライン14Bを200℃以上(SO3酸露点+数十℃)に加温し、ダストや気中ミスト状のSO3を捕捉できる細孔径の小さい第2のフィルタ手段15Bで、ガス状SO3のみを通過させ、SO3ガス濃度を測定するSO3測定器20に導き、このときのSO3濃度を測定する。
次に、ガス状及びミスト状のトータルSO3を測定する場合、図3の第1のライン14Aを排ガス温度(T1)と同じ温度でヒータトレース制御してこのライン14Aに排ガス11aを導き、ミスト状のSO3を通過させられる第1のフィルタ手段15Aにてダストのみを捕捉し、ミスト状のSO3とガス状のSO3のみを選択的に通過させる。
更に、この通過後において、第2の加熱手段16Bにより、ラインを酸露点+数十℃以上(T3:220℃)に加熱し、排ガス11b中の、ミスト状のSO3をガス化して、SO3測定器20に導き、ガス状のSO3及びミスト状のSO3を合算したSO3濃度として検出する。
図4は、第2のフィルタ手段のフィルタ通過の概念図である。
第2のガス導入ライン14Bに介装される第2のフィルタ手段15Bは、図4に示すように、導入した排ガス11a中のダスト31とミスト状SO333の両方を捕捉すると共に、ガス状のSO332のみを選択的に通過させるものである。
この結果、第2のフィルタ手段15Bを通過した排ガス11c中には、ダスト31とミスト状SO333が除去されたガス状のSO332が存在することとなる。
なお、図5は、煙道内のサンプリングの様子を示すものであり、2本のガス導入ライン14A、14Bのサンプリング口が重ならないように、排ガス11の流れにオフセットされて配置されている。
これにより、排ガス中に含まれるミスト状のSO3量の把握ができることとなる。
図10は、実施例6に係る重質燃料焚ボイラシステムの概略図である。なお、実施例2のシステムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施例に係る重質燃料焚ボイラシステム50Eは、重質燃料焚ボイラ51からの排ガス11中の窒素酸化物を除去する脱硝装置52と、窒素酸化物除去後の排ガス11中の熱を回収する空気予熱器53と、熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段60と、排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応生成ダストを含む煤塵とを除去する(電気)集塵器54と、除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する(気液接触式の)脱硫装置56と、脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突57とを具備する重質燃料焚ボイラシステムにおいて、本実施例に係る排ガス中のSO3含有量計測装置10Bを用いて、前記空気予熱器53の出口側で、アンモニア供給手段60の入口側との間で排ガス11中のSO3濃度を計測している。
そして、計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整し、(フィードフォワード制御により、)SO3濃度に見合ったアンモニアを注入するようにしている。これと共に、排ガス中のミスト状のSO3に応じて、煙突57から排出する排ガスの温度を調整することができる。
また、計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整し、濃度に見合ったアンモニアを注入すると共に、排ガス中のミスト状のSO3に応じて、燃焼状態を調整してSO3を低減するようにしてもよい。
10A、10B 排ガス中のSO3含有量計測装置
11 排ガス
12 煙道
13A 第1の開閉弁
13B 第2の開閉弁
14A 第1のガス導入ライン
14B 第2のガス導入ライン
15A 第1のフィルタ手段
15B 第2のフィルタ手段
16A 第1の加熱手段
16B 第2の加熱手段
16C 第3の加熱手段
20 SO3測定器

Claims (11)

  1. SO3を含有する排ガスを、煙道から導入する第1の開閉弁を備えた第1のガス導入ラインと、
    前記第1のガス導入ラインに接続され、前記排ガス中のガス状のSO3を計測するSO3測定器と、
    前記第1のガス導入ラインに介装され、導入した排ガス中のダストを捕捉すると共に、ガス状のSO3及びミスト状のSO3を選択的に通過する第1のフィルタ手段と、
    第1のガス導入ラインの煙道から第1の開閉弁までの領域を、煙道内の排ガスのガス温度(T1)と同等の温度に加熱し、導入した排ガスのガス温度を煙道内のガス温度(T1)と同等の温度(T2)に保持する第1の加熱手段と、
    前記第1のガス導入ラインの開閉弁からSO3測定器までの領域を、SO3がガス導入ライン内部でガス状の状態を保持する温度に加熱し、保持する第2の加熱手段と、を具備してなり、
    前記第1のフィルタ手段を通過後の排ガス中のミスト状のSO3を、前記第2の加熱手段の加熱によりガス状のSO3とし、排ガス中に浮遊するガス状及びミスト状のSO3の総濃度を、前記SO3測定器で計測してなることを特徴とする排ガス中のSO3含有量計測装置。
  2. 請求項1において、
    SO3を含有する排ガスを、前記煙道から導入する第2の開閉弁を備えた第2のガス導入ラインと、
    前記第2のガス導入ラインに接続され、前記排ガス中のガス状のSO3を計測するSO3測定器と、
    前記第2のガス導入ラインに介装され、導入した排ガス中のミスト状のSO3とダストとの両方を捕捉すると共に、ガス状のSO3を選択的に通過する第2のフィルタ手段と、
    第2のフィルタ手段以降の第2のガス導入ラインのSO3測定器までの領域を加熱し、第2のフィルタ手段通過後の排ガスのガス温度を酸露点以上の高温側に保持する第3の加熱手段と、を具備してなり、
    前記第2のフィルタ手段を通過後の排ガス中のガス状のSO3の濃度を、前記SO3測定器で計測すると共に、
    前記第1のフィルタ手段を通過後の排ガス中のミスト状のSO3を加熱によりガス状のSO3とし、排ガス中に含まれるガス状のSO3の総濃度を、前記SO3測定器で計測し、
    第1のフィルタ手段を通過したガス状のSO3の総SO3濃度と、第2のフィルタ手段を通過したガス状のSO3のみの濃度との差分を、ミスト状SO3濃度として求めることを特徴とする排ガス中のSO3含有量計測装置。
  3. 重質燃料焚ボイラからの排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
    窒素酸化物除去後の排ガス中の熱を回収する空気予熱器と、
    熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段と、
    排ガス中のSO3とアンモニアとの反応生成ダストを含む煤塵とを除去する集塵器と、
    除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、
    脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突とを具備する重質燃料焚ボイラシステムであって、
    請求項1の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記空気予熱器の出口側で、前記アンモニア供給手段の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、
    計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整する制御手段を有することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステム。
  4. 重質燃料焚ボイラからの排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
    窒素酸化物除去後の排ガス中の熱を回収する空気予熱器と、
    熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段と、
    排ガス中のSO3とアンモニアとの反応生成ダストを含む煤塵とを除去する集塵器と、
    除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、
    脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突とを具備する重質燃料焚ボイラシステムの運転方法において、
    請求項1の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記空気予熱器の出口側と、前記アンモニア供給手段の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、
    計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整し、SO3濃度に見合ったアンモニアを注入することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  5. 請求項4において、
    さらに、請求項1の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記アンモニア供給手段の出口側と、前記集塵機の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、
    排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応率を確認し、中和反応率に見合ったアンモニアを注入することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  6. 請求項4において、
    さらに、重質燃料焚ボイラの炉内の酸素(O2)濃度を監視し、
    前記空気予熱器の出口側のSO3濃度に応じて、炉内の酸素濃度を制御し、排ガス中の未燃焼カーボン量を調整することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  7. 請求項4において、
    さらに、重質燃料焚ボイラの炉内の酸素(O2)濃度を監視すると共に、
    前記集塵機出口側で灰流動性を計測し、
    炉内の酸素(O2)濃度と灰流動性情報とにより、炉内の酸素濃度を制御し、排ガス中の未燃焼カーボン量を調整することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  8. 請求項4において、
    さらに、請求項1のSO3含有排ガス計測装置を用いて、前記アンモニア供給手段の出口側と、前記集塵機の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、
    排ガス中のSO3とアンモニアとの中和反応率を確認し、
    SO3濃度が閾値を上回り、且つ中和反応率が閾値を下回ったらプラント制御システムにアラームを発することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  9. 請求項4において、
    さらに、重質燃料焚ボイラの炉内の酸素(O2)濃度を監視すると共に、
    前記集塵機出口側で灰流動性を計測し、
    SO3濃度が閾値を上回り、且つ灰流動性が閾値を下回ったらプラント制御システムにアラームを発することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  10. 請求項4において、
    さらに、排ガス中の水分を連続計測して排ガス中の酸露点を求め、
    前記空気予熱器の運転温度を酸露点より高める運転をすることを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
  11. 重質燃料焚ボイラからの排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
    窒素酸化物除去後の排ガス中の熱を回収する空気予熱器と、
    熱回収後の排ガス中にアンモニア(NH3)を添加するアンモニア供給手段と、
    排ガス中のSO3とアンモニアとの反応生成ダストを含む煤塵とを除去する集塵器と、
    除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、
    脱硫後の排ガスを外部に排出する煙突とを具備する重質燃料焚ボイラシステムの運転方法において、
    請求項2の排ガス中のSO3含有量計測装置を用いて、前記空気予熱器の出口側で、前記アンモニア供給手段の入口側との間で排ガス中のSO3濃度を計測し、
    計測したSO3濃度に応じて、アンモニア供給量を調整し、濃度に見合ったアンモニアを注入すると共に、排ガス中のミスト状のSO3に応じて、燃焼状態を調整してSO3を低減することを特徴とする重質燃料焚ボイラシステムの運転方法。
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