JP2014126251A - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

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Takuo Yamada
拓郎 山田
Mitsushi Kawai
満嗣 河合
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Abstract

【課題】吸収式冷凍装置の冷却能力を向上させる。
【解決手段】再生器(12)は、熱源(50)に接続されている。凝縮器(13)は、冷媒を空気により冷却する。溶液冷却器(16)は、吸収器(15)に供給される吸収液を空気により冷却する。噴霧機構(11)は、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方に水を噴霧する。
【選択図】図1

Description

この発明は、吸収式冷凍装置に関する。
従来より、再生器と凝縮器と蒸発器と吸収器とにより吸収式冷凍サイクルが行われる吸収式冷凍装置が知られている。このような吸収式冷凍装置は、例えば、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路の放熱器から放出された冷媒を冷却するための補助冷凍装置として利用されている(例えば、特許文献1など)。特許文献1の冷凍システムでは、吸収器に供給される溶液を冷却するための溶液冷却器が吸収式冷凍装置に設けられ、吸収式冷凍装置の凝縮器および溶液冷却器が空冷化されている。
特開2011−75222号公報
しかしながら、特許文献1の吸収式冷凍装置では、凝縮器および溶液冷却器の冷却温度は、水冷の場合よりも空冷の場合のほうが高くなる傾向にある(すなわち、凝縮器および
溶液冷却器が冷却されにくい)ので、吸収式冷凍装置の冷却性能を向上させることが困難であった。例えば、凝縮器の冷却温度が高くなるほど、凝縮器における凝縮温度が高くなるので、再生器において冷媒を蒸発させるために必要とされる溶液温度が高くなってしまう。すなわち、再生器から凝縮器に冷媒が供給されにくくなり、吸収式冷凍装置の冷却性能が低下してしまう。また、溶液冷却器の冷却温度が高くなるほど、蒸発器における蒸発温度が高くなってしまう。そのため、蒸発器の冷却能力を低下してしまうので、吸収式冷凍装置の冷却性能が低下することになる。
そこで、この発明は、冷却能力を向上させることが可能な吸収式冷凍装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、熱源(50)に接続された再生器(12)と、冷媒を空気により冷却する凝縮器(13)と、蒸発器(14)と、吸収器(15)と、該吸収器(15)に供給される吸収液を空気により冷却する溶液冷却器(16)とを備えた吸収式冷凍装置(10)であって、上記凝縮器(13)および上記溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方に水を噴霧する噴霧機構(11)を備えていることを特徴とする吸収式冷凍装置である。
上記第1の発明では、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方の冷却温度を低下させることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記噴霧機構(11)が、上記熱源(50)における熱源温度と相関のある第1の基準温度が予め定められた下限温度以下である場合に、上記凝縮器(13)に上記水を噴霧するように構成されている
ことを特徴とする吸収式冷凍装置である。
上記第2の発明では、熱源(50)における熱源温度の低下により再生器(12)から凝縮器(13)への冷媒供給が抑制された場合に、水噴霧により凝縮器(13)を冷却することができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記噴霧機構(11)が、上記蒸発器(14)における蒸発温度と相関のある第2の基準温度が予め定められた上限温度以上である場合に、上記溶液冷却器(16)に上記水を噴霧するように構成されていることを特徴とする吸収式冷凍装置である。
上記第3の発明では、蒸発器(14)における蒸発温度の上昇により蒸発器(14)の冷却能力が低下した場合に、水噴霧により溶液冷却器(16)を冷却することができる。
第1の発明によれば、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方の冷却温度を低下させることができるので、吸収式冷凍装置(10)の冷却性能を向上させることができる。
第2の発明によれば、熱源(50)における熱源温度の低下により再生器(12)から凝縮器(13)への冷媒供給が抑制された場合に凝縮器(13)を冷却することができるので、熱源温度の低下による吸収式冷凍装置(10)の冷却性能の低下を抑制することができる。
第3の発明によれば、蒸発器(14)における蒸発温度の上昇により蒸発器(14)の冷却能力が低下した場合に溶液冷却器(16)を冷却することができるので、蒸発温度の上昇による吸収式冷凍装置(10)の冷却性能の低下を抑制することができる。
冷凍システムの構成例について説明するための配管系統図。 凝縮器および溶液冷却器の設置について説明するための概略図。 凝縮器の水噴霧制御について説明するためのフローチャート。 溶液冷却器の水噴霧制御について説明するためのフローチャート。 吸収式冷凍装置における溶液サイクルについて説明するための線図。 蒸気圧縮式冷凍サイクルの変化について説明するための概念図。 噴霧機構の変形例1について説明するための概略図。 噴霧機構の変形例2について説明するための概略図。 冷凍システムの変形例について説明するための配管系統図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(冷凍システム)
図1は、この発明の実施形態による冷凍システム(1)の構成例を示している。冷凍システム(1)は、吸収式冷凍装置(10)と、熱源装置(50)(熱源)を備えている。また、この冷凍システム(1)は、負荷(60)(この例では、空気調和装置)に接続されている。
〔吸収式冷凍装置〕
図1のように、吸収式冷凍装置(10)は、再生器(12)と、凝縮器(13)と、蒸発器(14)と、吸収器(15)と、溶液冷却器(16)と、溶液熱交換器(17)と、噴霧機構(11)とを備え、吸収式冷凍サイクルを行うように構成されている。この吸収式冷凍装置(10)は、臭化リチウム(LiBr)水溶液を吸収液として用い、水(HO)を冷媒として用いる。また、この吸収式冷凍装置(10)は、熱源装置(50)から供給された温熱を利用して作動する。吸収式冷凍装置(10)の運転によって得られた冷熱は、空気調和装置(60)の冷媒を冷却するために利用される。
〈再生器〉
再生器(12)は、再生側加熱器である加熱用熱交換器(201)と、発生容器(202)とを備えている。加熱用熱交換器(201)は、一次側流路(201a)と二次側流路(201b)とが形成されたプレート式熱交換器であって、一次側流路(201a)を流れる流体と二次側流路(201b)を流れる流体とを熱交換させる。また、加熱用熱交換器(201)は、二次側流路(201b)での流体の流通方向が一次側流路(201a)での流体の流通方向とは逆向きになる対向流型の熱交換器である。発生容器(202)は、本体容器(203)と噴霧ノズル(204)とを備えている。本体容器(203)は、起立した中空円筒状の部材である。噴霧部材である噴霧ノズル(204)は、本体容器(203)の内部空間の上端部に設置され、下方へ向かって流体を噴霧する。
再生器(12)では、加熱用熱交換器(201)の下流に発生容器(202)が配置される。加熱用熱交換器(201)は、二次側流路(201b)の出口端が、溶液配管(21)を介して発生容器(202)の噴霧ノズル(204)に接続される。また、再生器(12)では、発生容器(202)の噴霧ノズル(204)が加熱用熱交換器(201)よりも上方に配置される。
発生容器(202)の頂部には、蒸気配管(22)が接続されている。発生容器(202)は、蒸気配管(22)を介して凝縮器(13)の一端に接続されている。凝縮器(13)の他端は、配管を介して蒸発器(14)に接続されている。
〈凝縮器〉
凝縮器(13)は、発生容器(202)から供給された冷媒蒸気(水蒸気)を室外空気と熱交換させる熱交換器である。凝縮器(13)の近傍には、凝縮器(13)へ室外空気を送るためのファン(13a)が配置されている。
〈蒸発器および吸収器〉
蒸発器(14)と吸収器(15)とは、一体に形成されている。一体形成された蒸発器(14)および吸収器(15)は、一つのシェル部材(30)を備えている。シェル部材(30)の内部空間は、エリミネータ(31)によって左右に区画されている。エリミネータ(31)は、そこを通過する冷媒蒸気から液滴状の冷媒を分離するための部材である。
シェル部材(30)の内部空間では、エリミネータ(31)によって区画された一方の空間に、蒸発器(14)を構成する撒布部材(401)および冷却管(402)が設置されている。冷却管(402)は、後述する空気調和装置(60)の冷媒回路(600)に接続される伝熱管である。撒布部材(401)は、冷却管(402)の上方に配置されている。この撒布部材(401)は、配管を介して凝縮器(13)の他端に接続され、凝縮器(13)から供給された液冷媒を冷却管(402)に向けて撒布する。蒸発器(14)では、冷却管(402)の内部を流れる空気調和装置(60)の冷媒が、撒布部材(401)から撒布された吸収式冷凍装置(10)の冷媒(HO)と熱交換する。
また、シェル部材(30)の内部空間では、エリミネータ(31)によって区画された他方の空間に、吸収器(15)を構成する撒布部材(500)が設置されている。撒布部材(500)は、後述する吸収側循環回路(40)に接続され、供給された吸収液を下方に向けて撒布する。
〈吸収側循環回路(溶液冷却器)〉
シェル部材(30)には、吸収側循環回路(40)が接続されている。吸収側循環回路(40)は、その始端がシェル部材(30)の底部に接続され、その終端が吸収器(15)の撒布部材(500)に接続されている。吸収側循環回路(40)には、その始端から終端に向かって順に、溶液ポンプ(41)と溶液冷却器(16)とが配置されている。溶液ポンプ(41)は、シェル部材(30)の底部に溜まった吸収液を吸い込んで吐出する。溶液冷却器(16)は、溶液ポンプ(41)から吐出された吸収液を室外空気と熱交換させる熱交換器である。溶液冷却器(16)の近傍には、溶液冷却器(16)へ室外空気を送るためのファン(16a)が配置されている。
〈溶液熱交換器〉
溶液熱交換器(17)は、第1流路(17a)と第2流路(17b)とが形成されたプレート式熱交換器であって、第1流路(17a)を流れる吸収液と第2流路(17b)を流れる吸収液とを熱交換させる。また、溶液熱交換器(17)は、第2流路(17b)での流体の流通方向が第1流路(17a)での流体の流通方向とは逆向きになる対向流型の熱交換器である。
溶液熱交換器(17)の第1流路(17a)は、その入口端が配管を介して吸収側循環回路(40)における溶液ポンプ(41)と溶液冷却器(16)の間に接続され、その出口端が溶液配管を介して加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)の入口端に接続されている。溶液熱交換器(17)の第2流路(17b)は、その入口端が溶液配管(23)を介して発生容器(202)の底部に接続され、その出口端が配管を介してシェル部材(30)の底部に接続されている。
〈噴霧機構〉
噴霧機構(11)は、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方に水(例えば、冷却水)を噴霧するように構成されている。この例では、噴霧機構(11)は、凝縮器用噴霧器(101)と、溶液冷却器用噴霧器(102)と、熱源用温度センサ(103)と、蒸発器用温度センサ(104)と、制御部(100)とを備えている。
凝縮器用噴霧器(101)は、凝縮器(13)に水を噴霧するように構成され、溶液冷却器用噴霧器(102)は、溶液冷却器(16)に水を噴霧するように構成されている。
熱源用温度センサ(103)は、熱源装置(50)における熱源温度と相関のある第1の基準温度(この例では、再生器(12)の加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)の出口端近傍の温度)を検出するように構成されている。熱源装置(50)における熱源温度が低くなるに連れて、加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)の出口端近傍の温度も低くなっていく。なお、熱源用温度センサ(103)は、熱源装置(50)における熱源温度と相関のある第1の基準温度として、再生器(12)の加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)の出口端近傍の温度の代わりに、凝縮器(13)の近傍の外気温度や凝縮温度を検出するように構成されていても良い。
蒸発器用温度センサ(104)は、蒸発器(14)における蒸発温度と相関のある第2の基準温度(この例では、蒸発器(14)の冷却管(402)の出口端の近傍の温度)を検出するように構成されている。蒸発器(14)における蒸発温度が高くなるに連れて、冷却管(402)の出口端の近傍の温度も高くなっていく。なお、蒸発器用温度センサ(104)は、蒸発器(14)における蒸発温度と相関のある第2の基準温度として、蒸発器(14)の冷却管(402)の出口端の近傍の温度の代わりに、蒸発器(14)の近傍の外気温度を検出するように構成されていても良い。
制御部(100)は、熱源用温度センサ(103)および蒸発器用温度センサ(104)によって検出された第1および第2の基準温度に基づいて、凝縮器用噴霧器(101)および溶液冷却器用噴霧器(102)による水噴霧をそれぞれ制御するように構成されている。制御部(100)による水噴霧制御については、後で詳しく説明する。
〈凝縮器および溶液冷却器の設置〉
図2のように、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)は、凝縮器(13)が溶液冷却器(16)の上方となるように一体化されて熱交換ユニットを構成している。
凝縮器(13)の前方には、凝縮器用噴霧器(101)が設置され、凝縮器(13)の後方には、凝縮器用のファン(13a)が設置されている。凝縮器用噴霧器(101)から水が噴霧されると、凝縮器(13)の前方の空気が冷却され、その冷却された空気が凝縮器用のファン(13a)によって凝縮器(13)に吸い込まれる。これにより、凝縮器(13)が冷却される。
同様に、溶液冷却器(16)の前方には、溶液冷却器用噴霧器(102)が設置され、溶液冷却器(16)の後方には、溶液冷却器用のファン(16a)が設置されている。溶液冷却器用噴霧器(102)から水が噴霧されると、溶液冷却器(16)の前方の空気が冷却され、その冷却された空気が溶液冷却器用のファン(16a)によって溶液冷却器(16)に吸い込まれる。これにより、溶液冷却器(16)が冷却される。
〔熱源装置〕
図1に示すように、熱源装置(50)は、集熱用循環回路(51)と熱搬送用循環回路(52)とを備えている。この熱源装置(50)は、集熱用循環回路(51)において得られた温熱を、熱搬送用循環回路(52)の熱媒体を介して吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)の加熱用熱交換器(201)へ供給する。
〈集熱用循環回路〉
集熱用循環回路(51)は、ブライン等の熱媒体が循環する閉回路である。集熱用循環回路(51)は、発電部材である発電モジュール(53)と、熱源側加熱器である太陽熱集熱器(54)と、熱源側熱交換器(55)と、ポンプ(56)とを備えている。この集熱用循環回路(51)では、ポンプ(56)の吐出口から吸入口へ向かって順に、発電モジュール(53)と太陽熱集熱器(54)と熱源側熱交換器(55)とが配置されている。つまり、集熱用循環回路(51)では、発電モジュール(53)の下流側に太陽熱集熱器(54)が配置され、太陽熱集熱器(54)の下流側に熱源側熱交換器(55)が配置されている。
発電モジュール(53)は、太陽電池パネル(501)を備えている。また、発電モジュール(53)では、太陽電池パネル(501)の背面側に冷却用通路(502)が形成されている。この発電モジュール(53)は、冷却用通路(502)が集熱用循環回路(51)に接続され、冷却用通路(502)を流れる熱媒体が太陽電池パネル(501)から吸熱する。つまり、この発電モジュール(53)では、太陽電池パネル(501)による発電と、冷却用通路(502)を流れる熱媒体の加熱とが行われる。
太陽熱集熱器(54)には、集熱用通路(503)が形成される。この太陽熱集熱器(54)は、集熱用通路(503)が集熱用循環回路(51)に接続され、集熱用通路(503)を流れる熱媒体が太陽熱を吸収する。
熱源側熱交換器(55)は、一次側流路(55a)と二次側流路(55b)とが形成されたプレート式熱交換器であって、一次側流路(55a)を流れる流体と二次側流路(55b)を流れる流体とを熱交換させる。また、熱源側熱交換器(55)は、二次側流路(55b)での流体の流通方向が一次側流路(55a)での流体の流通方向とは逆向きになる対向流型の熱交換器である。
熱源側熱交換器(55)の一次側流路(55a)は、集熱用循環回路(51)に接続されている。つまり、熱源側熱交換器(55)の一次側流路(55a)は、その入口端が太陽熱集熱器(54)の集熱用通路(503)に接続され、その出口端がポンプ(56)の吸入口に接続される。一方、熱源側熱交換器(55)の二次側流路(55b)は、熱搬送用循環回路(52)に接続されている。この点については後述する。
〈熱搬送用循環回路〉
熱搬送用循環回路(52)は、配管を介して吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)の加熱用熱交換器(201)に接続されることによって、ブライン等の熱媒体が循環する閉回路を形成する。具体的に、熱搬送用循環回路(52)は、その一端が加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)の出口端に接続され、その他端が加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)の入口端に接続される。
また、熱搬送用循環回路(52)は、ポンプ(57)と、熱源側熱交換器(55)と、バッファタンク(58)とを備えている。熱搬送用循環回路(52)では、その一端から他端へ向かって順に、ポンプ(57)と、熱源側熱交換器(55)とが配置されている。熱源側熱交換器(55)の二次側流路(55b)は、その入口端がポンプ(57)の吐出口に接続され、その出口端が配管を介して加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)に接続される。バッファタンク(58)は、熱源側熱交換器(55)と加熱用熱交換器(201)の間に接続されている。
〔空気調和装置〕
上述したように、空気調和装置(60)は、冷凍システム(1)に接続されている。この空気調和装置(60)は、室外ユニット(61)と室内ユニット(62)とを備えている。また、この空気調和装置(60)は、冷媒が充填された冷媒回路(600)を備えており、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。
図1に示すように、冷媒回路(600)には、圧縮機(601)と、四方切換弁(602)と、室外熱交換器(603)と、膨張弁(604)と、室内熱交換器(605)とが設けられている。また、冷媒回路(600)は、配管を介して吸収式冷凍装置(10)の冷却管(402)に接続されることによって、冷媒が循環する閉回路を形成する。圧縮機(601)、四方切換弁(602)、室外熱交換器(603)および膨張弁(604)は、室外ユニット(61)に収容される。一方、室内熱交換器(605)は、室内ユニット(62)に収容される。
冷媒回路(600)において、圧縮機(601)は、その吐出口が四方切換弁(602)の第1のポートに接続され、その吸入口が四方切換弁(602)の第2のポートに接続される。この冷媒回路(600)では、四方切換弁(602)の第3のポートから第4のポートに向かって順に、室外熱交換器(603)と、冷却管(402)と、膨張弁(604)と、室内熱交換器(605)とが配置されている。
四方切換弁(602)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。室外熱交換器(603)は、冷媒回路(600)の冷媒を室外空気と熱交換させる熱交換器である。室外熱交換器(603)の近傍には、室外熱交換器(603)へ室外空気を送るための室外ファン(603a)が配置されている。室内熱交換器(605)は、冷媒回路(600)の冷媒を室内空気と熱交換させる熱交換器である。室内熱交換器(605)の近傍には、室内熱交換器(605)へ室内空気を送るための室内ファン(602a)が配置されている。
〔冷凍システムの運転動作〕
冷凍システム(1)は、夏季などの冷房負荷が比較的高い状況において空気調和装置(60)が冷房運転を行っているときに、後述するような運転動作を行う。空気調和装置(60)の暖房運転中と停止中には、冷凍システム(1)は作動しない。また、空気調和装置(60)の冷房運転中であっても、室内の冷房負荷が比較的低い場合は、冷凍システム(1)は作動しない。
ここでは、冷凍システム(1)の運転動作を説明する。なお、以下に示す温度、濃度および圧力の値は、いずれも単なる一例である。
冷凍システム(1)の熱源装置(50)では、集熱用循環回路(51)のポンプ(56)が作動し、集熱用循環回路(51)を熱媒体が循環する。また、この熱源装置(50)では、熱搬送用循環回路(52)のポンプ(57)が作動し、熱搬送用循環回路(52)を熱媒体が循環する。
集熱用循環回路(51)において、ポンプ(56)から吐出された熱媒体は、発電モジュール(53)の冷却用通路(502)へ流入する。熱媒体は、冷却用通路(502)を流れる間に太陽電池パネル(501)から吸熱し、その温度が68℃から73℃にまで上昇する。発電モジュール(53)では、熱媒体によって太陽電池パネル(501)が冷却される。このため、太陽電池パネル(501)の温度は、太陽電池パネル(501)が効率よく発電できる温度範囲(75℃以下)に保たれる。
発電モジュール(53)の冷却用通路(502)から流出した熱媒体は、太陽熱集熱器(54)の集熱用通路(503)へ流入する。熱媒体は、集熱用通路(503)を流れる間に太陽熱を吸収し、その温度が73℃から93℃にまで上昇する。太陽熱集熱器(54)の集熱用通路(503)から流出した熱媒体は、熱源側熱交換器(55)の一次側流路(55a)へ流入する。熱媒体は、この一次側流路(55a)を流れる間に熱搬送用循環回路(52)の熱媒体へ放熱し、その温度が93℃から68℃にまで低下する。熱源側熱交換器(55)の一次側流路(55a)から流出した熱媒体は、ポンプ(56)へ吸い込まれ、再び発電モジュール(53)へ供給される。
熱搬送用循環回路(52)において、ポンプ(57)から吐出された熱媒体は、熱源側熱交換器(55)の二次側流路(55b)へ流入する。熱媒体は、この二次側流路(55b)を流れる間に集熱用循環回路(51)の熱媒体から吸熱し、その温度が65℃から90℃にまで上昇する。熱源側熱交換器(55)の二次側流路(55b)から流出した熱媒体は、加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)へ流入する。熱媒体は、この一次側流路(201a)を流れる間に二次側流路(201b)を流れる吸収液へ放熱し、その温度が90℃から65℃にまで低下する。加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)から流出した熱媒体は、ポンプ(57)へ吸い込まれ、再び熱源側熱交換器(55)へ供給される。
吸収式冷凍装置(10)では、溶液ポンプ(41)が作動し、吸収側循環回路(40)を吸収液が循環する。溶液ポンプ(41)は、シェル部材(30)の底部に溜まった吸収液を吸い込んで吐出する。溶液ポンプ(41)から吐出された吸収液は、その一部が溶液熱交換器(17)へ向かって流れ、残りが溶液冷却器(16)へ向かって流れる。
溶液冷却器(16)には、ファン(16a)によって室外空気が供給される。溶液冷却器(16)では、流入した吸収液が室外空気へ放熱し、吸収液の温度が45℃から37℃にまで低下する。溶液冷却器(16)において冷却された吸収液は、吸収器(15)の撒布部材(500)へ供給され、撒布部材(500)によってシェル部材(30)の内部空間に撒布される。撒布部材(500)によって撒布された吸収液は、蒸発器(14)において発生した冷媒蒸気(水蒸気)を吸収しながら落下する。
上述したように、溶液ポンプ(41)から吐出された吸収液(濃度:50質量%)の一部は、溶液熱交換器(17)へ向かって流れる。この吸収液は、溶液熱交換器(17)の第1流路(17a)へ流入する。吸収液は、この第1流路(17a)を流れる間に第2流路(17b)を流れる吸収液から吸熱し、その温度が45℃から62℃にまで上昇する。溶液熱交換器(17)の第1流路(17a)から流出した吸収液は、溶液配管を通って加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)へ流入する。
再生器(12)の加熱用熱交換器(201)において、吸収液は、二次側流路(201b)を流れる間に一次側流路(201a)を流れる熱媒体から吸熱し、その温度が62℃から88℃にまで上昇する。加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)において、吸収液の温度は、概ねその沸点にまで上昇する。つまり、加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)において、吸収液の温度は、その沸点以下となっている。このため、加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)では、吸収液が顕熱変化する。
加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)から流出した吸収液は、溶液配管(21)を通って発生容器(202)の噴霧ノズル(204)へ供給される。噴霧ノズル(204)は、供給された吸収液を下方へ向かって噴霧する。
ここで、吸収液の圧力は、溶液配管(21)を通過する間に若干低下する。また、噴霧ノズル(204)は、加熱用熱交換器(201)よりも上方に配置されている。このため、本体容器(203)の内部空間の圧力(10kPa)は、加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)を流れる吸収液の圧力よりも若干(例えば、10kPa程度)低くなる。
吸収液の沸点は、吸収液の圧力が低いほど低くなる。このため、噴霧ノズル(204)から噴霧される吸収液の温度は、本体容器(203)の内圧における吸収液の沸点よりも高くなる。つまり、本体部材の内部空間には、過熱状態の吸収液が噴霧ノズル(204)によって噴霧される。したがって、噴霧ノズル(204)から噴霧された吸収液に含まれた冷媒(水)が蒸発し、この吸収液から冷媒蒸気(水蒸気)が発生する。発生容器(202)において、吸収液は、その濃度が50質量%から51質量%にまで上昇し、その温度が88℃から67℃にまで低下する。
このように、再生器(12)では、加熱用熱交換器(201)において吸収液が加熱され、発生容器(202)において吸収液から冷媒蒸気が発生する。つまり、この再生器(12)では、加熱用熱交換器(201)だけにおいて吸収液が加熱され、発生容器(202)においては吸収液は加熱されない。
発生容器(202)の本体容器(203)の底部に溜まった吸収液(濃度:51質量%)は、溶液配管(23)を通って溶液熱交換器(17)の第2流路(17b)へ流入する。溶液熱交換器(17)において、第2流路(17b)を流れる吸収液は、その第1流路(17a)を流れる吸収壁へ放熱し、その温度が67℃から50℃にまで低下する。溶液熱交換器(17)の第2流路(17b)から流出した吸収液は、シェル部材(30)の底部へ供給され、シェル部材(30)の底部に溜まった吸収液と混ざり合った後に溶液ポンプ(41)に吸い込まれる。
発生容器(202)において発生した冷媒蒸気(水蒸気)は、蒸気配管(22)を通って凝縮器(13)へ流入する。凝縮器(13)には、ファン(13a)によって室外空気が供給される。凝縮器(13)へ流入した冷媒蒸気は、室外空気へ放熱して凝縮する。
凝縮器(13)において凝縮した冷媒は、蒸発器(14)の撒布部材(401)へ送られ、冷却管(402)に対して上方から撒布される。撒布部材(401)から撒布された冷媒は、冷却管(402)の表面を伝って流れ、その間に冷却管(402)の内部を流れる空気調和装置(60)の冷媒から吸熱して蒸発する。蒸発器(14)における冷媒(HO)の蒸発温度は、20℃である。蒸発器(14)において発生した冷媒蒸気(水蒸気)は、エリミネータ(31)を通過して吸収器(15)へ流入し、吸収器(15)の撒布部材(500)から撒布された吸収液に吸収される。
〔空気調和装置の運転動作〕
空気調和装置(60)は、冷房運転と暖房運転を選択的に実行する。
まず、空気調和装置(60)の冷房運転について説明する。冷房運転時には、四方切換弁(602)が第1状態(図1に実線で示す状態)に設定される。圧縮機(601)から吐出された冷媒は、四方切換弁(602)を通過して室外熱交換器(603)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(603)から流出した冷媒は、吸収式冷凍装置(10)の冷却管(402)へ流入する。冷凍システム(1)の運転中に冷却管(402)を流れる空気調和装置(60)の冷媒は、吸収式冷凍装置(10)の冷媒と熱交換することによって冷却される。一方、冷凍システム(1)の停止中に冷却管(402)を流れる空気調和装置(60)の冷媒は、冷却されることなく単に冷却管(402)を通過する。
冷却管(402)を通過した冷媒は、膨張弁(604)を通過する際に減圧され、その後に室内熱交換器(605)へ流入する。室内熱交換器(605)では、流入した冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空気調和装置(60)は、室内熱交換器(605)において冷却された室内空気を室内空間へ供給する。室内熱交換器(605)から流出した冷媒は、四方切換弁(602)を通過後に圧縮機(601)へ吸入される。圧縮機(601)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
次に、空気調和装置(60)の暖房運転について説明する。暖房運転時には、四方切換弁(602)が第2状態(図1に破線で示す状態)に設定される。圧縮機(601)から吐出された冷媒は、四方切換弁(602)を通過して室内熱交換器(605)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。空気調和装置(60)は、室内熱交換器(605)において加熱された室内空気を室内空間へ供給する。
室内熱交換器(605)から流出した冷媒は、膨張弁(604)を通過する際に減圧され、その後に吸収式冷凍装置(10)の冷却管(402)を通過してから室外熱交換器(603)へ流入する。上述したように、空気調和装置(60)の暖房運転中には、冷却システムは停止している。このため、空気調和装置(60)の冷媒は、冷却管(402)を通過する際に冷却されない。室外熱交換器(603)では、流入した冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(603)から流出した冷媒は、四方切換弁(602)を通過後に圧縮機(601)へ吸入される。圧縮機(601)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
〔凝縮器の水噴霧制御〕
次に、図3を参照して、制御部(100)による凝縮器(13)の水噴霧制御について説明する。図3に示した凝縮器(13)の水噴霧制御は、制御部(100)によって定期的に繰り返し実行される。まず、制御部(100)は、熱源用温度センサ(103)によって検出された第1の基準温度が予め定められた下限温度以下であるか否かを判定し(ステップ(ST101))、第1の基準温度が下限温度以下であると判定すると、凝縮器(13)への水噴霧を実行するように凝縮器用噴霧器(101)を制御する(ステップ(ST102))。一方、制御部(100)は、第1の基準温度が下限温度よりも高いと判定すると、凝縮器(13)への水噴霧を実行しないように凝縮器用噴霧器(101)を制御する(ステップ(ST103))。このように制御することにより、第1の基準温度が下限温度よりも高くなるまで、凝縮器(13)への水噴霧が継続される。
〔溶液冷却器の水噴霧制御〕
次に、図4を参照して、制御部(100)による溶液冷却器(16)の水噴霧制御について説明する。図4に示した溶液冷却器(16)の水噴霧制御は、制御部(100)によって定期的に繰り返し実行される。まず、制御部(100)は、蒸発器用温度センサ(104)によって検出された第2の基準温度が予め定められた上限温度以上であるか否かを判定し(ステップ(ST201))、第2の基準温度が上限温度以上であると判定すると、溶液冷却器(16)への水噴霧を実行するように溶液冷却器用噴霧器(102)を制御する(ステップ(ST202))。一方、制御部(100)は、第2の基準温度が上限温度よりも低いと判定すると、溶液冷却器(16)への水噴霧を実行しないように溶液冷却器用噴霧器(102)を制御する(ステップ(ST203))。このように制御することにより、第2の基準温度が上限温度よりも低くなるまで、溶液冷却器(16)への水噴霧が継続される。
〔溶液サイクル線図〕
図5は、吸収式冷凍装置(10)における溶液サイクルを示している。図5において、実線は、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)に水が噴霧されている場合の溶液サイクルを示し、破線は、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)に水が噴霧されていない場合の溶液サイクルを示している。図5のように、凝縮器(13)に水を噴霧することにより、凝縮器(13)における凝縮温度を温度(T11)から温度(T12)(この例では、82℃から75℃)に低下させることができる。また、溶液冷却器(16)に水を噴霧することにより、溶液冷却器(16)における溶液温度を温度(T21)から温度(T22)(この例では、35℃から30℃)に低下させることができ、蒸発器(14)における蒸発温度を温度(T31)から温度(T32)(この例では、20℃から15℃)に低下させることができる。
〔効果〕
以上のように、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方に水を噴霧することにより、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方の冷却温度を低下させることができる。これにより、吸収式冷凍装置(10)の冷却性能を向上させることができる。
また、熱源装置(50)における熱源温度と相関のある第1の基準温度と下限温度との比較に基づいて凝縮器(13)に水を噴霧することにより、熱源装置(50)における熱源温度の低下により再生器(12)から凝縮器(13)への冷媒供給が抑制された場合に、水噴霧により凝縮器(13)を冷却することができる。これにより、熱源温度の低下による吸収式冷凍装置(10)の冷却性能の低下を抑制することができる。
また、凝縮器(13)における凝縮温度を低下させることにより、再生器(12)において冷媒を蒸発させるために必要とされる熱源温度を低下させることができる。したがって。太陽熱を熱源として利用する場合、日射量の低下により熱源温度が低下したとしても、凝縮器(13)への水噴霧により凝縮器(13)における凝縮温度を低下させることができるので、吸収式冷凍装置(10)の冷却性能の低下を抑制することができる。
また、蒸発器(14)における蒸発温度と相関のある第2の基準温度と上限温度との比較に基づいて溶液冷却器(16)に水を噴霧することにより、蒸発器(14)における蒸発温度の上昇により蒸発器(14)の冷却能力が低下した場合に、水噴霧により溶液冷却器(16)を冷却することができる。これにより、蒸発温度の上昇による吸収式冷凍装置(10)の冷却性能の低下を抑制することができる。
また、吸収式冷凍サイクルを行う吸収式冷凍装置(10)を蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(600)の補助冷凍装置として利用することにより、図6のように、冷媒回路(600)における蒸気圧縮式冷凍サイクルの状態変化の範囲を広げることができる。また、吸収式冷凍装置(10)において凝縮器(13)および溶液冷却器(16)に水を噴霧することにより、冷媒回路(600)における蒸気圧縮式冷凍サイクルの状態変化の範囲をさらに広げることができる。これにより、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。例えば、外気温度を35℃、蒸発温度を3℃、凝縮温度を45℃、圧縮機効率を70%、過熱度を5℃、過冷却度を5℃として試算すると、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数(COP)は、吸収式冷凍装置(10)を補助冷凍装置として利用しない場合には「3.53」となり、吸収式冷凍装置(10)を補助冷凍装置として利用するが凝縮器(13)および溶液冷却器(16)に水を噴霧しない場合には「3.93」となり、吸収式冷凍装置(10)を補助冷凍装置として利用するとともに凝縮器(13)および溶液冷却器(16)に水を噴霧する場合には「4.11」となる。
〔再生器に関する効果〕
従来の吸収式冷凍装置の再生器では、吸収液の加熱と吸収液からの冷媒蒸気の発生とが、一つの容器内で行われるのが通常である。したがって、従来の再生器では、吸収液の温度をその沸点に保持する必要がある。そのため、再生器の吸収液を加熱するための熱媒体の温度は、熱媒体が再生器から流出する時点においても、再生器における吸収液の沸点より高くなる。
これに対し、この実施形態の吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)では、加熱用熱交換器(201)において吸収液の加熱が行われ、発生容器(202)において吸収液から冷媒蒸気(水蒸気)が発生する。そして、加熱用熱交換器(201)において、吸収液は、その沸点よりも低い温度(この実施形態では62℃)から、概ねその沸点に等しい温度(この実施形態では88℃)にまで上昇する。つまり、加熱用熱交換器(201)において、冷媒蒸気は実質的に発生しない。加熱用熱交換器(201)では、一次側流路(201a)を熱搬送用循環回路(52)の熱媒体が流れ、この熱媒体によって二次側流路(55b)を流れる吸収液が加熱される。そして、加熱用熱交換器(201)では、二次側流路(201b)へ流入する吸収液の温度がその沸点よりも低いため、一次側流路(201a)から流出する熱媒体の温度も吸収液の沸点より低くなる。したがって、この実施形態の再生器(12)では、吸収液の沸点よりも高温の温熱だけでなく、吸収液の沸点よりも低温の温熱も、吸収液を加熱するために利用することができる。
このように、この実施形態によれば、吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)において利用できる温熱の温度範囲を拡大することができる。その結果、吸収式冷凍装置(10)を作動させるための熱源の選択の幅を広げることができ、吸収式冷凍装置(10)の使い勝手を向上させることができる。
上述したように、この実施形態の吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)では、加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)の入口と出口における吸収液の温度差が比較的大きくなる。一方、熱搬送用循環回路(52)において熱源側熱交換器(55)から加熱用熱交換器(201)へ搬送される熱量は、“加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)の入口と出口における吸収液の温度差”と“熱搬送用循環回路(52)を循環する熱媒体の流量”の積に比例する。このため、熱搬送用循環回路(52)において熱媒体が搬送する熱量が同じであれば、“加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)の入口と出口における吸収液の温度差”が大きいほど、“熱搬送用循環回路(52)を循環する熱媒体の流量”は少なくて済む。したがって、この実施形態によれば、熱搬送用循環回路(52)を循環する熱媒体の流量を抑えることによって、ポンプ(57)への入力を低く抑えることができる。
また、この実施形態の吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)では、加熱用熱交換器(201)の二次側流路(201b)の入口と出口における吸収液の温度差が比較的大きくなる。このため、熱搬送用循環回路(52)では、加熱用熱交換器(201)の一次側流路(201a)から流出する熱媒体の温度が比較的低くなり、比較的低温の熱媒体が熱源側熱交換器(55)の二次側流路(55b)へ流入する。その結果、集熱用循環回路(51)では、熱源側熱交換器(55)の一次側流路(55a)から流出する熱媒体の温度が比較的低くなり、比較的低温の熱媒体が発電モジュール(53)の冷却用通路(502)へ流入する。したがって、この実施形態によれば、発電モジュール(53)において得られた温熱(太陽熱)を吸収式冷凍装置(10)の運転に利用しつつ、太陽電池パネル(501)を確実に冷却することができる。
ここで、発電モジュール(53)の太陽電池パネル(501)に効率よく発電を行わせるには、太陽電池パネル(501)の温度を所定の適正範囲に保つ必要がある。そして、太陽電池パネル(501)が効率よく発電を行う温度範囲の上限は、吸収式冷凍装置(10)の再生器(12)において吸収液を加熱するための温熱の温度よりも低いのが通常である。したがって、発電モジュール(53)において加熱された熱媒体の温度は、吸収式冷凍装置(10)を作動させるには低すぎる。
これに対し、この実施形態の熱源装置(50)の集熱用循環回路(51)では、発電モジュール(53)の下流に太陽熱集熱器(54)が配置され、発電モジュール(53)を通過後に太陽熱集熱器(54)において更に加熱された熱媒体が熱源側熱交換器(55)の一次側流路(201a)へ流入する。このため、この実施形態の熱源装置(50)によれば、発電モジュール(53)の太陽電池パネル(501)の温度を適正範囲に保ちつつ、熱源側熱交換器(55)へ供給される集熱用循環回路(51)の熱媒体の温度を、吸収式冷凍装置(10)を作動させることができる程度の高温にすることができる。
(噴霧機構の変形例)
なお、噴霧機構(11)は、第1の基準温度と下限温度との比較や第2の基準温度と上限温度との比較を行うことなく、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方に水を噴霧するように構成されていても良い。すなわち、噴霧機構(11)は、制御部(100),熱源用温度センサ(103),および蒸発器用温度センサ(104)を備えていなくても良いし、凝縮器用噴霧器(101)および溶液冷却器用噴霧器(102)のうちいずれか一方を備えていなくても良い。
また、図7のように、噴霧機構(11)は、凝縮器用噴霧器(101)および溶液冷却器用噴霧器(102)の代わりに、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)に対して個別に水を噴霧することが可能な兼用噴霧器(110)を備えていても良い。この兼用噴霧器(110)は、凝縮器(13)と溶液冷却器(16)との間の前方に設置され、制御部(100)による制御に応答して凝縮器(13)および溶液冷却器(16)のうちいずれか一方または両方に水を噴霧するように構成されている。
または、図8のように、噴霧機構(11)は、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)の両方に水を噴霧することが可能な兼用噴霧器(110)を備えていても良い。この兼用噴霧器(110)は、凝縮器(13)の前方上方に設置され、下方に向けて水を噴霧するように構成されている。兼用噴霧器(110)から水が噴霧されると、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)の前方の空気が冷却され、その冷却された空気が凝縮器用のファン(13a)および溶液冷却器用のファン(16a)によって凝縮器(13)および溶液冷却器(16)にそれぞれ吸い込まれる。これにより、凝縮器(13)および溶液冷却器(16)が冷却される。なお、一つのファンが、凝縮器用のファン(13a)と溶液冷却器用のファン(16a)とを兼ねていても良い。この場合は、一つのファンによって凝縮器(13)と溶液冷却器(16)の両方へ室外空気が供給される。
(冷凍システムの変形例)
図9のように、冷凍システム(1)は、別の負荷(60)(この例では、利用側循環回路)に接続されていても良い。利用側循環回路(60)は、その一端が冷却管(402)の出口端に接続され、その他端が冷却管(402)の入口端に接続されている。利用側循環回路(60)には、その一端から他端へ向かって順に、ポンプ(63)と利用側熱交換器(64)とが設けられている。利用側循環回路(60)は、冷却管(402)に接続することによって、熱媒体が循環する閉回路を形成する。利用側循環回路(60)を循環する熱媒体は、水やブライン等の顕熱変化することによって冷熱を搬送するものであっても良いし、いわゆるフロン冷媒等の潜熱変化することによって冷熱を搬送するものであっても良い。
利用側熱交換器(64)は、利用側循環回路(60)の熱媒体を室内空気と熱交換させる。利用側熱交換器(64)の近傍には、利用側熱交換器(64)へ室内空気を送る利用側ファン(64a)が配置されている。
利用側循環回路(60)のポンプ(63)が作動すると、吸収式冷凍装置(10)において得られた冷熱が利用側熱交換器(64)へ搬送される。具体的に、吸収式冷凍装置(10)の冷却管(402)へ流入した利用側循環回路(60)の熱媒体は、吸収式冷凍装置(10)の冷媒によって冷却される。冷却管(402)を通過する間に冷却された熱媒体は、ポンプ(63)へ吸入され、ポンプ(63)から利用側熱交換器(64)へ向けて吐出される。利用側熱交換器(64)へ流入した熱媒体は、室内空気から吸熱し、その後に冷却管(402)へ送られる。利用側熱交換器(64)において冷却された室内空気は、室内空間へ供給される。
例えばサーバーが設置されたサーバールーム等を冷房する場合は、例えばオフィス等の人間の居室を冷房する場合に比べて温度の高い冷熱を利用できる。そして、吸収式冷凍装置(10)の冷却管(402)において冷却された熱媒体によって室内空気を冷却するこの実施形態のシステムは、比較的温度の高い冷熱によって室内を冷房できる場合に適している。
(その他の実施形態)
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の吸収式冷凍装置は、冷凍システムに用いられる吸収式冷凍装置などとして有用である。
1 冷凍システム
10 吸収式冷凍装置
11 噴霧機構
12 再生器
13 凝縮器
14 蒸発器
15 吸収器
16 溶液冷却器
17 溶液熱交換器
50 熱源装置(熱源)
60 空気調和機(負荷)

Claims (3)

  1. 熱源(50)に接続された再生器(12)と、冷媒を空気により冷却する凝縮器(13)と、蒸発器(14)と、吸収器(15)と、該吸収器(15)に供給される吸収液を空気により冷却する溶液冷却器(16)とを備えた吸収式冷凍装置(10)であって、
    上記凝縮器(13)および上記溶液冷却器(16)のうち少なくとも一方に水を噴霧する噴霧機構(11)を備えている
    ことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記噴霧機構(11)は、上記熱源(50)における熱源温度と相関のある第1の基準温度が予め定められた下限温度以下である場合に、上記凝縮器(13)に上記水を噴霧するように構成されている
    ことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記噴霧機構(11)は、上記蒸発器(14)における蒸発温度と相関のある第2の基準温度が予め定められた上限温度以上である場合に、上記溶液冷却器(16)に上記水を噴霧するように構成されている
    ことを特徴とする吸収式冷凍装置。
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