JP2014126028A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造費を抑制しつつ、圧縮機停止時にゲートが摩耗しにくい信頼性の高いスクリュー圧縮機を提供する。
【解決手段】スクリュー圧縮機は、スクリューロータ21を有する圧縮機構20、圧縮機構を駆動する電動機、低圧空間S1と高圧空間S2とが形成されたケーシング、及び調整機構30を備える。調整機構は、ケーシングとスクリューロータとの間に配されるスライド弁31を有する。スライド弁は、スクリューロータと反対側に、ケーシングの摺接面15aと摺接するシール面31bを有する。調整機構は、電動機の稼動時には、スライド弁を第1区間で移動させて圧縮機構の容量制御を行うと共に、シール面を摺接面と摺接させて低圧空間と高圧空間との連通を防止する。調整機構は、電動機の停止時に、スライド弁を第2区間で移動させてシール面と摺接面とを離し、スライド弁とケーシングとの間に隙間を形成し、低圧空間と高圧空間とを連通させる。
【選択図】図5B

Description

本発明は、スクリュー圧縮機に関する。
スクリュー圧縮機は、螺旋溝の形成されたスクリューロータを電動機で回転させることで、スクリューロータの吸入側から供給される低圧の流体を、螺旋溝と螺旋溝に噛み合うゲートとにより形成される圧縮室内で圧縮し、圧縮後の高圧の流体をスクリューロータの吐出側に吐出する。なお、ゲートは、ゲートロータ室内に収容されたゲートロータに設けられる。ゲートは、螺旋溝の内部と、スクリューロータの吸入側の空間と連通するゲートロータ室と、を仕切るように配設される。
スクリュー圧縮機では、圧縮機運転中(通常運転時)に、スクリューロータの吸入側と吐出側との間で圧力差が生じる。そのため、従来のスクリュー圧縮機では、圧縮機停止直後(電動機停止直後)には、スクリュー圧縮機の圧縮機構を、スクリューロータの吐出側から吸入側に(高圧側から低圧側に)流体が流れ、スクリューロータが通常運転時と逆方向に回転する。逆回転時のスクリューロータの回転数は、瞬間的には通常運転時の回転数よりも大きくなる場合がある。
スクリューロータが逆回転すると、螺旋溝とゲートとにより形成される圧縮室の体積は次第に増加する。つまり、スクリュー圧縮機の圧縮機構は、スクリューロータの逆回転時には膨張機構として機能し、スクリューロータの吐出側から流入した流体の圧力が、螺旋溝内で低下する。また、スクリューロータが逆回転すると、スクリューロータの吐出側の空間の流体がスクリューロータの吸入側の空間に流入するため、スクリューロータの吸入側の圧力は通常運転時よりも上昇し、スクリューロータの吐出側の圧力は通常運転時より下降する。
この結果、スクリューロータの逆回転時には、螺旋溝内の空間の圧力が、スクリューロータの吸入側の圧力よりも低くなる現象が発生しうる。このような圧力の逆転が発生した場合、ゲートには通常運転時と異なる力が作用する。つまり、通常運転時には、ゲートに、圧縮室側からゲートロータ室側へと圧力が作用するのに対し、圧力逆転時には、ゲートに、ゲートロータ室側から圧縮室側からへと圧力が作用する。そして、通常運転時と圧力が逆転した状態でスクリューロータが高速で逆回転すると、通常運転時と異なる部位でゲートがスクリューロータと接触し、ゲートの摩耗が促進されやすい。
このような問題に対し、特許文献1(特開2011−94611号公報)では、スクリューロータの吸入側と吐出側とを連通させるための連通路と、連通路の連通を制御する弁体とを新たに設け、連通路においてスクリューロータの吐出側から吸入側に流体を流すことで、スクリューロータの逆回転を抑制する事例が開示されている。
しかし、特許文献1(特開2011−94611号公報)のような構成では、専用の連通路を形成し、連通路の連通を制御するための弁体を新たに設ける必要があり、加工費や材料費が増大するという問題点がある。
本発明の課題は、製造費は抑制しつつ、圧縮機停止時にゲートが摩耗しにくい信頼性の高いスクリュー圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係るスクリュー圧縮機は、圧縮機構と、電動機と、ケーシングと、調整機構と、を備える。圧縮機構は、外周面に螺旋溝が形成された円筒状のスクリューロータを有する。電動機は、スクリューロータを駆動軸周りに回転駆動する。ケーシングは、流体の吸入口及び吐出口を有し、圧縮機構及び電動機が収容される。調整機構は、電動機の稼動時に、圧縮機構の容量制御を行う。調整機構は、ケーシングとスクリューロータの外周面との間に配され、駆動軸の軸方向に沿って移動可能なスライド弁を有する。スライド弁は、スクリューロータの外周面とは反対側に、電動機の稼動時にケーシングの摺接面と摺接するシール面を有する。ケーシング内には、吸入口と連通する第1空間と、吐出口と連通する第2空間とが形成される。圧縮機構は、電動機の稼動時に、第1空間の流体を、スクリューロータの螺旋溝によって形成される圧縮室を介して、第2空間に吐出する。調整機構は、電動機の稼動時には、スライド弁を第1区間で移動させて圧縮機構の容量制御を行うと共に、シール面を摺接面と摺接させて第1空間と第2空間とが直接連通することを防止する。調整機構は、電動機の停止時の所定期間には、スライド弁を第2区間で移動させて、シール面と摺接面とを離すことで、スライド弁とケーシングとの間に隙間を形成し、第1空間と第2空間とを直接連通させる。
ここでは、容量制御のためのスライド弁が、第1空間と第2空間との連通を制御する弁体としても機能し、スクリュー圧縮機の停止時には、スライド弁の背面側(スクリューロータの外周面とは反対側)を通って第2空間の高圧の流体が第1空間へと流入する。これにより、流体を逆流させる(流体を第2空間から第1空間へと流す)ための配管及び弁体を別途設けることなく、スクリューロータの逆回転を抑制できる。その結果、コスト上昇を抑制しつつ、信頼性の高いスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第2観点に係るスクリュー圧縮機は、本発明の第1観点に係るスクリュー圧縮機であって、調整機構は、スライド弁と連結されるピストンと、ピストンが収容され、ピストンの両側に第1シリンダ室及び第2シリンダ室が形成されたシリンダと、を更に有する。ピストンは、第1シリンダ室と第2シリンダ室との圧力差により駆動される。
ここでは、スライド弁が、シリンダ内の圧力差で駆動されるピストンの動きに応じて動かされるため、スライド弁を駆動させ、スクリューロータの逆回転を抑制することができる。その結果、信頼性の高いスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第3観点に係るスクリュー圧縮機は、本発明の第2観点に係るスクリュー圧縮機であって、調整機構は、第1シリンダ室と第1空間とを連通する圧力調整流路と、圧力調整流路に設けられた開閉部とを更に有する。開閉部は、電動機の稼動時には閉鎖され、電動機の停止時には開放される。
ここでは、スクリュー圧縮機の停止時に、第1シリンダ室を第1空間と連通させることで、第1シリンダ室と第2シリンダ室との圧力差を発生させ、ピストンを駆動させるため、素早くスライド弁を駆動することができる。その結果、スクリューロータの逆回転が抑制されやすく、信頼性の高いスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第4観点に係るスクリュー圧縮機では、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係るスクリュー圧縮機であって、第2区間は、第1区間よりも第1空間側に位置する。
ここでは、スクリュー圧縮機の停止時にスライド弁を第1空間側に移動させることで、スクリューロータの逆回転を抑制することができる。
本発明の第5観点に係るスクリュー圧縮機では、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係るスクリュー圧縮機であって、第2区間は、第1区間よりも第2空間側に位置する。
ここでは、スクリュー圧縮機の停止時にスライド弁を第2空間側に移動させることで、スクリューロータの逆回転を抑制することができる。
本発明の第6観点に係るスクリュー圧縮機では、本発明の第1観点〜第5観点のいずれかに係るスクリュー圧縮機であって、調整機構は、電動機の停止時の所定期間後に、スライド弁を起動位置に移動させる。起動位置では、スライド弁は、圧縮室と第2空間とが連通することを防止すると共に、第1空間と第2空間とが直接連通することを防止する。
ここでは、スライド弁の背面を介して第1空間と第2空間とが連通された後、スライド弁は、起動位置に移動させられ、圧縮室と第2空間との連通、及び、第1空間と第2空間との連通を防止する。その結果、スクリュー圧縮機を、適切な条件(圧縮室と第2空間とが連通せず、第1空間と第2空間とが連通しない状態)で起動することができる。
本発明の第7観点に係るスクリュー圧縮機では、本発明の第6観点に係るスクリュー圧縮機であって、調整機構は、弾性体を更に有する。弾性体は、弾性力により、電動機の停止時の所定期間後に、スライド弁を起動位置に移動させる。
ここでは、弾性体を用いることで、容易にスライド弁を起動位置に移動させることができる。
本発明の第8観点に係るスクリュー圧縮機では、本発明の第1観点〜第7観点のいずれかに係るスクリュー圧縮機であって、電動機の停止時の所定期間は、第1空間の圧力と第2空間の圧力が同一になるまでの期間である。
これにより、スクリューロータの逆回転を抑制しやすい。
本発明に係るスクリュー圧縮機では、容量制御のためのスライド弁が、第1空間と第2空間との連通を制御する弁体としても機能し、スクリュー圧縮機の停止時には、スライド弁の背面側(スクリューロータの外周面とは反対側)を通って第2空間の高圧の流体が第1空間へと流入する。これにより、流体を逆流させる(流体を第2空間から第1空間へと流す)ための配管及び弁体を別途設けることなく、スクリューロータの逆回転を抑制できる。その結果、コスト上昇を抑制しつつ、信頼性の高いスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機の断面図である。 図1のスクリュー圧縮機の断面図(II−II矢視)である。 図1のスクリュー圧縮機が備えるスクリューロータの外観斜視図である。図面の右側(端面が見えている側)がケーシングの低圧空間側の端部であり、図面の左側(端面が見えていない側)がケーシングの高圧空間側の端部である。 図1のスクリュー圧縮機の圧縮機構の主要部分(スクリューロータ及びゲートロータ)を示す斜視図である。図面の右側がケーシングの低圧空間側の端部であり、図面の左側がケーシングの高圧空間側の端部である。 図1のスクリュー圧縮機のスライド弁の動きを説明するための、圧縮機構及び調整機構部分の模式図である。電動機稼動時(容量制御中)のスライド弁の位置を示している。 図1のスクリュー圧縮機のスライド弁の動きを説明するための、圧縮機構及び調整機構部分の模式図である。電動機の停止時の均圧期間のスライド弁の位置を示している。 図1のスクリュー圧縮機のスライド弁の動きを説明するための、圧縮機構及び調整機構部分の模式図である。均圧期間後、電動機起動時までのスライド弁の位置(起動位置)を示している。 図1のスクリュー圧縮機の圧縮機構の動作を示す平面図である。(a)は太線で囲まれた圧縮室の吸入工程を、(b)は太線で囲まれた圧縮室の圧縮工程を、(c)は太線で囲まれた圧縮室の吐出工程を示している。 本発明の第2実施形態に係るスクリュー圧縮機の断面図である。 図7のスクリュー圧縮機のスライド弁の動きを説明するための、圧縮機構及び調整機構部分の模式図である。電動機稼動時(容量制御中)のスライド弁の位置を示している。 図7のスクリュー圧縮機のスライド弁の動きを説明するための、圧縮機構及び調整機構部分の模式図である。電動機の停止時の均圧期間のスライド弁の位置を示している。 図7のスクリュー圧縮機のスライド弁の動きを説明するための、圧縮機構及び調整機構部分の模式図である。均圧期間後、電動機起動時までのスライド弁の位置(起動位置)を示している。
本発明の実施形態について説明する。なお、下記の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機1について説明する。
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機1の断面図である。スクリュー圧縮機1は、回転軸が一軸であるシングルスクリュー圧縮機である。スクリュー圧縮機1は、冷凍装置の冷媒回路を構成する機器であり、流体としての冷媒を圧縮する。
スクリュー圧縮機1は、図1に示すように、主として、ケーシング10と、圧縮機構20と、調整機構30と、駆動軸40と、電動機50と、を有する。圧縮機構20、調整機構30、駆動軸40、及び電動機50は、ケーシング10内に収容されている。
(2)詳細構成
以下に、スクリュー圧縮機1の詳細構成について説明する。
なお、以下の説明の中で、位置関係及び方向を説明する際に「上」「下」という表現を使う場合があるが、特に断りのない限り図1及び図2中の矢印Uの方向を上向きとする。
(2−1)ケーシング
ケーシング10は、図1に示すように、駆動軸40の軸方向に延びる円筒状の容器である。ケーシング10の内部は、ケーシング10の一端側(図1中では左側)に形成される第1空間としての低圧空間S1と、他端側(図1中では右側)に形成される第2空間としての高圧空間S2とに区画される。低圧空間S1には、後述する電動機50が配置される。後述する圧縮機構20は、低圧空間S1と高圧空間S2とを跨いで配置される。高圧空間S2の下方には、圧縮機構20等を潤滑するための潤滑油としての冷凍機油が貯留される。
ケーシング10には、低圧の冷媒を吸入する吸入口11と、圧縮機構20により圧縮された高圧の冷媒を吐出する吐出口12とが形成されている。吸入口11は、低圧空間S1と連通する。吐出口12は、高圧空間S2と連通する。吐出口12の、ケーシング10の外側には、逆止弁16が設けられる。圧縮機構20により圧縮された高圧の冷媒は、逆止弁16を通過して、図示しない吐出管に吐出される。
ケーシング10は、図1及び図2のように、駆動軸40の軸方向に延びる円筒状のシリンダ部13を有する。シリンダ部13の内部には、後述する圧縮機構20のスクリューロータ21が配置される。スクリューロータ21の回転時には、スクリューロータ21の外周面が、シリンダ部13の内周面と摺接する。
シリンダ部13は、駆動軸40の軸方向に延び、低圧空間S1と高圧空間S2とを連通する連通部14を有する。連通部14は、図2のように、駆動軸40の径方向外向きに突出し、駆動軸40の径方向内向きに開口した凹溝状に形成されている。連通部14は、図2のように、円筒状のスクリューロータ21の中心に対して点対称に2箇所設けられる。
連通部14には、図2のように、駆動軸40の軸方向に延びるスライド溝14aが形成される。スライド溝14aには、後述する調整機構30のスライド弁31が、駆動軸40の軸方向に摺動可能に収容される。
また、連通部14は、図5Aのように、連通部14の外周側から突出するように設けられたシール部15を有する。シール部15は、後述するスライド弁31のシール面31bと対向する円弧状の摺接面15aを有する(図2参照)。
スクリュー圧縮機1の運転時(電動機50の稼動時)には、図5Aのように、スライド弁31のシール面31bは、ケーシング10のシール部15の摺接面15aと摺接し、低圧空間S1と高圧空間S2とが仕切られる(低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することが防止される)。一方、均圧期間には、図5Bのように、スライド弁31のシール面31bは、摺接面15aと離され(摺接面15aと摺接しない位置に移動され)、低圧空間S1と高圧空間S2とは、スライド弁31とケーシング10(シール部15)の間に形成される隙間を介して連通する。なお、均圧期間とは、電動機50の停止時(スクリュー圧縮機1の運転停止時)の所定の期間である。具体的には、均圧期間は、吸入圧力の低圧空間S1と吐出圧力の高圧空間S2とが、シール部15とスライド弁31との間に形成される隙間を介して連通することで、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力とが同一になるまでの期間である。なお、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力とが同一の状態には、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力とが略同一の場合も含む。なお、均圧期間は、後述するように電動機50の停止後だけではなく、電動機50の停止直前を含む期間である。
均圧期間が終了すると、スライド弁31は、後述するバネ39の弾性力により、起動位置に移動される(図5C参照)。起動位置では、図5Cのように、スライド弁31のシール面31bがシール部15の摺接面15aと接しており、低圧空間S1と高圧空間S2とは仕切られる(低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することが防止される)。スライド弁31は、均圧期間終了後、電動機50が再起動されるまで、起動位置に配される。
(2−2)圧縮機構
圧縮機構20は、主として、ケーシング10の円筒状のシリンダ部13の内部に配置されたスクリューロータ21と、スクリューロータ21と噛み合う2つのゲートロータ22と、ゲートロータ22を支持する2つのロータ支持部24と、を有する(図2参照)。
スクリューロータ21は、図3のような円筒状の金属部材である。スクリューロータ21の外周面には、図3及び図4のように、駆動軸40の軸方向の一端側から他端側へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝21aが複数形成されている。スクリューロータ21は、ケーシング10のシリンダ部13に回転可能に嵌合しており、スクリューロータ21の外周面はシリンダ部13の内面と摺接する。
スクリューロータ21の中空部には、後述する駆動軸40が貫通するように挿入され、スクリューロータ21は駆動軸40と連結される。後述するように、駆動軸40は電動機50とも連結されており、電動機50が稼動すると、スクリューロータ21は、駆動軸40周りに(駆動軸40の軸心周りに)回転駆動される。スクリューロータ21の中心軸は、駆動軸40の中心軸と一致している。
スクリューロータ21は、図3のように、低圧空間S1側端部の周縁側に、テーパ部21bを有する。螺旋溝21aの低圧空間S1側の端部は、テーパ部21bにおいて低圧空間S1に開放されるように形成されている。低圧空間S1に対して開放される螺旋溝21aの端部は、低圧空間S1内の低圧の冷媒をスクリューロータ21の螺旋溝21aに吸入するための吸入口となっている。スクリューロータ21の高圧空間S2側の端面では、螺旋溝21aの端部は開口していない。
ゲートロータ22は、樹脂製の、円盤状の部材である。ゲートロータ22には、図4及び図6に示すように、各々がスクリューロータ21の螺旋溝21aに噛み合う複数の長方形板状のゲート23が放射状に設けられている。
2つのゲートロータ22は、図2のように、シリンダ部13の外側に、スクリューロータ21を挟むように配置されている。言い換えれば、一方のゲートロータ22と他方のゲートロータ22とは、スクリューロータ21の中心軸に対して軸対称に配置されている。各ゲートロータ22は、ゲート23がシリンダ部13の一部を貫通してスクリューロータ21の螺旋溝21aに噛み合うように配置される。
ロータ支持部24は、ゲートロータ22を支持する金属製の部材である。各々のロータ支持部24には、図2のように、ゲートロータ22が取り付けられている。
ロータ支持部24は、図2のように、基部25と、アーム部26と、軸部27とを有する。基部25は、厚肉の円盤状に形成されている。アーム部26は、基部25の外周面から放射状に延びる。アーム部26は、ゲートロータ22のゲート23と同数設けられている。各アーム部26は、各ゲート23の背面に当接している。軸部27は、棒状に形成され、基部25からゲートロータ22の配される側とは反対側に垂直に延びる(ゲートロータ22の円盤面に垂直に延びる)。軸部27の軸心は、後述する駆動軸40の軸心と直交している。軸部27の上部は、基部25及びアーム部26と連結される。軸部27の中心軸は、基部25の中心軸と一致している。
ゲートロータ22が取り付けられたロータ支持部24は、ケーシング10内に、シリンダ部13に隣接して形成されたゲートロータ室28に収容されている(図2参照)。図2のように、一方のロータ支持部24はゲートロータ22が下端側となる姿勢で設置され、他方のロータ支持部24はゲートロータ22が上端側となる姿勢で設置されている。各ロータ支持部24の軸部27は、ゲートロータ室28内の軸受ハウジング29に、軸受29a,29bを介して回転自在に支持されている。なお、各ゲートロータ室28は、低圧空間S1と連通している。
圧縮機構20では、シリンダ部13の内周面と、スクリューロータ21の螺旋溝21aと、ゲートロータ22のゲート23とにより囲まれた圧縮室Scが形成される。
電動機50により駆動されてスクリューロータ21が回転すると、ゲートロータ22は、軸部27を回転軸として、スクリューロータ21の回転に応じて回転し、ゲートロータ22の複数のゲート23が順次複数の螺旋溝21aに噛み合う。この時、圧縮室Scの拡大動作及び縮小動作が繰り返され、冷媒の吸入工程、圧縮工程、及び吐出工程が順に行われる。圧縮機構20による冷媒の圧縮については後述する。
(2−3)調整機構
調整機構30は、スクリュー圧縮機1の運転時(電動機50の稼動時)に圧縮機構20の容量制御を行うための機構である。また、調整機構30は、均圧期間に、ケーシング10のシール部15とスライド弁31の間に隙間を形成し、低圧空間S1と高圧空間S2とを連通させるための機構である。なお、均圧期間とは、上述した、電動機50の停止時の所定の期間であり、具体的には、吸入圧力の低圧空間S1と吐出圧力の高圧空間S2とが、シール部15とスライド弁31との間に形成される隙間を介して連通することで、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力とが同一になるまでの期間である。
調整機構30は、図5Aのように、スライド弁31と、スライド弁31を駆動軸40に平行な方向に駆動するためのピストン32aと、ピストン32aが収容されるシリンダ33とを有する。ピストン32aは、ピストンロッド32b、アーム35及び連結ロッド36を介してスライド弁31に連結されている。シリンダ33には、ピストン32aの前方側(図5Aでは左側)に前方シリンダ室C1が、ピストン32aの後方側(図5Aでは右側)に後方シリンダ室C2が、それぞれ形成されている。
調整機構30は、図5Aのように、前方シリンダ室C1と低圧空間S1とを連通する圧力調整流路61と、圧力調整流路61に設けられた開閉部としての電磁弁62とを更に有する。また、調整機構30は、図5Aのように、ピストンロッド32bに形成された貫通穴32dに摺動自在に取り付けられたパイロット弁37と、パイロット弁37を駆動する駆動部38とを有する。更に、調整機構30は、図5Aのように、アーム35に取り付けられた弾性体としてのバネ39を有する。
スライド弁31は、図2及び図5Aのように、ケーシング10の連通部14とスクリューロータ21の外周面との間に配される弁体である。スライド弁31は、スクリューロータ21と対向する摺接面31aと、ケーシング10のシール部15の摺接面15aと対向するシール面31bとを有する。シール面31bは、摺接面31aとは反対側、言い換えれば、スクリューロータ21の外周面とは反対側に配される。スライド弁31の摺接面31aは、シリンダ部13の内周面と曲率半径の等しい円周面であり、スクリューロータ21の外周面と摺接する。スライド弁31のシール面31bは、図5Aのように、電動機50の稼働中に、シール部15の摺接面15aと摺接する円弧状の面である。また、スライド弁31のシール面31bは、電動機50の停止時の均圧期間後に、図5Cのように、シール部15の摺接面15aと接する。シール面31bと摺接面15aとが接する(摺接する)ことで、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通することが防止される。
スライド弁31は、電動機50の稼動時には、駆動軸40に沿って(駆動軸40の軸方向に沿って)第1区間を移動させられ、圧縮機構20の容量制御のために用いられる。スライド弁31は、後述するように、スライド弁31と連結されたピストン32aがシリンダ33内を移動することで駆動される。図5Aは第1区間の一端(第1区間中で、スライド弁31が最も低圧空間S1に寄った位置)を示し、図5Cは第1区間の他端(第1区間中で、スライド弁31が最も高圧空間S2に寄った位置)を示す。スライド弁31には、圧縮機構20の吐出口31cが形成されており、吐出口31cを介して、圧縮機構20の圧縮室Scと高圧空間S2とが連通される。スライド弁31が、第1区間を移動させられることで、吐出口31cの位置が変化し、吐出口31cの開度と、圧縮工程の終了位置が変更される。
なお、スライド弁31が第1区間を移動している時、つまり電動機50の稼働中には、スライド弁31のシール面31bは、シール部15の摺接面15aと常に接しており、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することが防止される。
スライド弁31は、電動機50の停止時の均圧期間には、駆動軸40に沿って(駆動軸40の軸方向に沿って)第2区間を移動させられる。図5Aは第2区間の一端(第2区間中で、スライド弁31が最も高圧空間S2に寄った位置)を示し、図5Bは第2区間の他端(第2区間中で、スライド弁31が最も低圧空間S1に寄った位置)を示す。図5A〜図5Cから分かるように、第2区間は、第1区間よりも低圧空間S1側に位置する。スライド弁31が第2区間を移動する際には、スライド弁31のシール面31bとシール部15の摺接面15aとは離され(接触せず)、ケーシング10(シール部15)とスライド弁31との間に隙間が形成され、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通する。そして、ケーシング10とスライド弁31との間に形成される隙間を通って、高圧空間S2の冷媒が低圧空間S1に流入し、両空間の圧力が均一化される。
均圧期間が終了して低圧空間S1と高圧空間S2との圧力が同一になると、スライド弁31は、図5Cに示した起動位置に移動され、再びスクリュー圧縮機1が運転されるまで(電動機50が起動されるまで)その位置を維持する。なお、均圧期間後には、スライド弁31は、後述するように、主にバネ39の弾性力により駆動される。スライド弁31の起動位置では、スライド弁31のシール面31bは、シール部15の摺接面15aと接しており、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することが防止される。また、スライド弁31の起動位置では、圧縮機構20の圧縮室Scと高圧空間S2とは吐出口31cを介して連通しない。つまり、スライド弁31の起動位置では、スライド弁31は、圧縮室Scと高圧空間S2との連通を防止する。
ピストン32aは、図5Aのように、スライド弁31に、ピストンロッド32b、アーム35及び連結ロッド36を介して連結される。そのため、ピストン32aが、シリンダ33内を駆動軸40の軸方向に移動させられることで、スライド弁31が駆動される。
ピストン32aは、図5Aのように、駆動軸40の軸方向に延びるように延びるピストンロッド32bと、ピストン32aからピストンロッド32bとは反対側(スクリューロータ21側)に突出する突出部32cと、一体に形成されている。
一体に形成されるピストンロッド32b、ピストン32a及び突出部32cには、駆動軸40の軸方向に3つの部材を貫くように延びる貫通穴32dが形成されている。貫通穴32dは、その一端が、ピストンロッド32bの、ピストン32aとは反対側に位置する端面に開口し、他端が、突出部32cの、ピストン32aとは反対側に位置する端面に開口する(図5A参照)。突出部32cが駆動軸40の端面に形成された開口部40bに挿入されるように配置されているため、貫通穴32dの突出部32c側の開口は、開口部40bと連通する(図5A参照)。駆動軸40の開口部40bは、後述する駆動軸40の駆動軸貫通穴40aと連通している。駆動軸貫通穴40aは、低圧空間S1と連通している。つまり、貫通穴32dは、駆動軸40の開口部40b及び駆動軸貫通穴40aを介して、低圧空間S1と連通している。
また、ピストンロッド32bには、ピストン32aとの連結部近傍に、ピストンロッド32bの径方向に延び、一端が貫通穴32dに開口し、他端が後方シリンダ室C2に開口する制御通路32baが形成されている(図5A参照)。
後述するように、ピストン32aは、ピストン32aを挟むように配置された、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差を主な駆動力として駆動される。ただし、電動機50の停止時の均圧期間後は、ピストン32aは、主にアーム35に取り付けられたバネ39の弾性力により駆動され、前述した起動位置(図5Cのスライド弁31の位置)に移動させられる。
シリンダ33は、駆動軸40の軸方向に延びる、両端の閉じられた円筒状の部材である。シリンダ33にはピストン32aが収容される。シリンダ33の円筒内部には、ピストン32aよりスクリューロータ21側に前方シリンダ室C1が、ピストン32aのスクリューロータ21とは反対側に後方シリンダ室C2が、それぞれ形成される。前方シリンダ室C1及び後方シリンダ室C2は、それぞれ、シリンダ33に形成された絞り33a、33bにより高圧空間S2と連通している。
パイロット弁37は、制御通路32baと貫通穴32dとの連通の度合いを調整する弁体である。パイロット弁37は、貫通穴32dに、ピストンロッド32b側の開口から挿入され、貫通穴32d内を摺動自在に取り付けられている。パイロット弁37は、パイロット弁37を駆動する駆動部38と、ピアノ線により連結されている。駆動部38は、ピストンロッド32bの軸方向と直交して延びるシャフト38aの軸心周りに回動し、駆動部38と連結されるパイロット弁37を、貫通穴32d内で摺動させる。パイロット弁37が貫通穴32d内を移動することで、制御通路32baと貫通穴32dとの連通の度合いが変化するため、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力関係が変化する。そして、ピストン32aは、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差により、ピストン32aをスクリューロータ21方向に押す力と、その逆方向の力とが釣り合う位置まで移動させられる。
圧力調整流路61は、前方シリンダ室C1と低圧空間S1とを連通するための通路である。圧力調整流路61は、前方シリンダ室C1と、シリンダ33のスクリューロータ21側の端部近傍で連通する。圧力調整流路61は、電動機50の停止時の第1期間以外は電磁弁62により閉鎖されている。言い換えれば、電磁弁62は、電動機50の停止時の第1期間だけ開放される。なお、第1期間は、電磁弁62がその期間に開放されることで、電動機50の停止時の均圧期間にスライド弁31が第2区間内を移動するように、予め適切に決定されている。
電磁弁62が開放されると、前方シリンダ室C1と低圧空間S1とが連通し、直ちに前方シリンダ室C1の圧力が低圧空間S1の圧力と同一になる。つまり、前方シリンダ室C1の圧力が、後方シリンダ室C2の圧力よりも小さくなる。その結果、ピストン32aは、図5Bのように、スクリューロータ21側に移動する。図5Bのようなピストン32aの位置は、電動機50の稼動時には取ることのない位置である。ピストン32aがこのような位置に移動されることで、スライド弁31は第2区間を移動し、ケーシング10(シール部15)とスライド弁31との間に形成される隙間を介して、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通する。そして、高圧空間S2の冷媒は、低圧空間S1と高圧空間S2との圧力が同一になるまで、ケーシング10とスライド弁31との間の隙間を通って、低圧空間S1に流入する。その後、低圧空間S1と高圧空間S2との圧力が同一になると、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力も同一になる。この状態ではバネ39の弾性力が支配的になり、スライド弁31は、バネ39の弾性力により図5Cの起動位置に移動させられる。
なお、圧力調整流路61は、後方シリンダ室C2と低圧空間S1とを、制御通路32ba、貫通穴32d、開口部40b及び駆動軸貫通穴40aとを介して連通させる場合に比べ、極めて短時間で前方シリンダ室C1の圧力と低圧空間S1の圧力とを同一にすることができるように経路面積等が決定されている。そのため、圧力調整流路61を介して前方シリンダ室C1と低圧空間S1とが連通した際に、直ちに、後方シリンダ室C2が低圧空間S1の圧力と同一になることは無い。その結果、電動機50の停止時の均圧期間には、ピストン32aと連結されたスライド弁31は、前方シリンダ室C1及び後方シリンダ室C2の圧力差により、第2区間(図5B参照)内を移動させられる。
(2−4)駆動軸
駆動軸40は、圧縮機構20と電動機50とを連結し、電動機50の駆動力を圧縮機構20に伝達する。
駆動軸40は、図1のように、ケーシング10内を水平方向に延びる。駆動軸40は、スクリューロータ21の中空部に貫通するように挿入されている。また、駆動軸40は、後述する電動機50のロータ52の中空部に貫通するように挿入されている。駆動軸40の一端側は、スクリューロータ21に対して高圧空間S2側に配置される軸受ホルダ41内の軸受41aにより回転自在に保持される。駆動軸40の他端側は、電動機50に対してスクリューロータ21とは反対側に配置される軸受ホルダ42内の軸受42aにより回転自在に保持される。
駆動軸40には、駆動軸40を軸方向に貫通する駆動軸貫通穴40aと、駆動軸40の高圧空間S2側の端面に配置される開口部40bとが形成されている。駆動軸貫通穴40aは、低圧空間S1と連通している。また、駆動軸貫通穴40aは、開口部40bと連通している。開口部40bには、突出部32cが挿入されるように配置される。開口部40bは、一体として形成されたピストン32a、ピストンロッド32b、及び突出部32cに形成された貫通穴32dと連通している。
(2−5)電動機
電動機50は、低圧空間S1に配置される。電動機50は、駆動軸40を介して圧縮機構20のスクリューロータ21に連結され、駆動軸40周りにスクリューロータ21を回転駆動する。
電動機50は、ケーシング10の内部に固定された中空のステータ51と、ステータ51の中空部にエアギャップを介して配置される中空のロータ52とからなる。ロータ52の中空部には駆動軸40が貫通するように挿入され、ロータ52と駆動軸40とが連結されている。電動機50の稼働中には、ロータ52はステータ51内を回転し、駆動軸40を介してスクリューロータ21が回転駆動される。
(3)運転動作
以下に、圧縮機構20及び調整機構30の運転動作について説明する。
(3−1)圧縮機構
電動機50の稼働中には、圧縮機構20は、低圧空間S1の冷媒を、スクリューロータ21の螺旋溝21aにより形成される圧縮室Scを介して、高圧空間S2に吐出する。具体的には、電動機50が稼動されてロータ52が回転すると、ロータ52に連結された駆動軸40が回転し、駆動軸40と連結されたスクリューロータ21も回転する。スクリューロータ21の回転に伴いゲートロータ22も回転する。そして、圧縮機構20は、低圧空間S1から圧縮室Scに冷媒を吸入する吸入工程、圧縮室Sc内の冷媒を圧縮する圧縮工程、圧縮室Sc内で圧縮された冷媒を高圧空間S2に吐出する吐出工程を繰り返す。
ここでは、圧縮室Scのうち、図6において太線で囲まれた圧縮室Sc1に着目して、圧縮機構20の運転動作について説明する。
図6(a)において、圧縮室Sc1は、低圧空間S1と連通している。圧縮室Sc1を形成する螺旋溝21aには、螺旋溝21aの低圧空間S1側の端部から冷媒が流入する。
スクリューロータ21が回転するのに伴ってゲートロータ22も回転し、圧縮室Sc1を形成する螺旋溝21aは、図6(a)において下方に配されているゲートロータ22のゲート23により低圧空間S1と仕切られる。螺旋溝21aが低圧空間S1と仕切られると、圧縮室Sc1の圧縮が開始される。更に、スクリューロータ21が回転するにつれ、螺旋溝21a内をゲート23が移動し、圧縮室Sc1の容積が次第に減少する(図6(b)参照)。その結果、圧縮室Sc1内の冷媒が圧縮される。
更にスクリューロータ21が回転し、圧縮室Sc1が図6(c)のように高圧空間S2側に移動すると、圧縮室Sc1は、スライド弁31の吐出口31cを介して高圧空間S2と連通する。圧縮室Sc1内で圧縮された冷媒は、吐出口31cを介して高圧空間S2に吐出される。
なお、高圧空間S2内に吐出された冷媒は、ケーシング10の吐出口12及び逆止弁16を介してスクリュー圧縮機1外に吐出される(図1参照)。
(3−2)調整機構
まず、電動機50の稼働中における調整機構30の動作について説明する。
電動機50の稼働中には、調整機構30は、駆動部38を動かすことで、パイロット弁37を貫通穴32d内の所望の位置に移動させる(図5A参照)。パイロット弁37が貫通穴32d内を移動することで、制御通路32baと貫通穴32dとの連通の度合いが変化し、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力関係が変化する。そして、ピストン32aは、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差により、ピストン32aをスクリューロータ21方向に押す力と、その逆方向の力とが釣り合う位置まで移動させられる。これにより、ピストン32aと連結されるスライド弁31が、第1区間内(図5Aにおけるスライド弁31の位置と、図5Cにおけるスライド弁31の位置との間の区間内)の適切な位置に動かされる。その結果、圧縮室Scと高圧空間S2とを連通する吐出口31cの位置が変化し、吐出口31cの開度及び圧縮工程の終了位置が所望の状態に制御される。つまり、電動機50の稼働中には、調整機構30は、圧縮機構20の容量制御を行う。
なお、電動機50の稼働中には、スライド弁31のシール面31bは、ケーシング10のシール部15の摺接面15aと常に摺接している。つまり、スライド弁31は、シール面31bと摺接面15aとを摺接させることで、連通部14において、スライド弁31とシール部15との隙間を介して、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通することを防止する。その結果、低圧空間S1は吸入圧力に、高圧空間S2は吐出圧力に維持される。
次に、電動機50が停止する際の調整機構30の動作について説明する。
電動機50の停止時には、圧力調整流路61に設けられた電磁弁62が開放される。具体的には、電磁弁62は、電動機50の停止直前に開放される。電磁弁62が開放された時点から、均圧期間は開始される。なお、電磁弁62の開放のタイミングは例示であり、電磁弁62は、電動機50の停止と同時に開放されてもよい。
電磁弁62が開放されると、シリンダ33内の前方シリンダ室C1が低圧空間S1と連通し、前方シリンダ室C1内の圧力は、直ちに低圧空間S1の圧力と同一になる。一方、電磁弁62の開放直後は、後方シリンダ室C2の圧力は高圧空間S2の圧力と同一であるため、後方シリンダ室C2の圧力は、前方シリンダ室C1の圧力より大きくなる。その結果、ピストン32aは、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差により、スクリューロータ21側に移動される。
ピストン32aと連結されたスライド弁31は、ピストン32aの動きに応じて、第2区間内(図5Aにおけるスライド弁31の位置と、図5Bにおけるスライド弁31の位置との間の区間内)で動かされる。このとき、スライド弁31のシール面31bは、シール部15の摺接面15aから離される。そして、ケーシング10(シール部15)とスライド弁31との間に形成される隙間を介して、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通する。高圧空間S2の冷媒は、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが同一となるまで、ケーシング10とスライド弁31との間に形成される隙間を介して、低圧空間S1に流入する。
均圧期間後には、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが同一となる。この時、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力も同一となる。そのため、ピストン32aには、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差による力は作用しなくなる。そして、バネ39の弾性力によってスライド弁31は図5Cの起動位置に動かされる。スライド弁31は、再び電動機50が起動されるまで、図5Cの起動位置に配される。なお、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが同一の状態には、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが略同一の場合も含む。上記の前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力が同一の状態には、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力が略同一の場合も含む。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態のスクリュー圧縮機1は、圧縮機構20と、電動機50と、ケーシング10と、調整機構30と、を備える。圧縮機構20は、外周面に螺旋溝21aが形成された円筒状のスクリューロータ21を有する。電動機50は、スクリューロータ21を駆動軸40周りに回転駆動する。ケーシング10は、冷媒の吸入口11及び吐出口12を有し、圧縮機構20及び電動機50が収容される。調整機構30は、電動機50の稼動時に、圧縮機構20の容量制御を行う。調整機構30は、ケーシング10とスクリューロータ21の外周面との間に配され、駆動軸40の軸方向に沿って移動可能なスライド弁31を有する。スライド弁31は、スクリューロータ21の外周面とは反対側に、電動機50の稼動時にケーシング10の摺接面15aと摺接するシール面31bを有する。ケーシング10内には、吸入口11と連通する低圧空間S1と、吐出口12と連通する高圧空間S2とが形成される。圧縮機構20は、電動機50の稼動時に、低圧空間S1の冷媒を、スクリューロータ21の螺旋溝21aによって形成される圧縮室Scを介して、高圧空間S2に吐出する。調整機構30は、電動機50の稼動時には、スライド弁31を第1区間で移動させて圧縮機構20の容量制御を行うと共に、シール面31bを摺接面15aと摺接させて低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することを防止する。調整機構30は、電動機50の停止時の所定期間(均圧期間)には、スライド弁31を第2区間で移動させて、シール面31bと摺接面15aとを離すことで、スライド弁31とケーシング10との間に隙間を形成し、低圧空間S1と高圧空間S2とを直接連通させる。
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、容量制御のためのスライド弁31が、低圧空間S1と高圧空間S2との連通を制御する弁体としても機能し、スクリュー圧縮機1の停止時には、スライド弁31の背面側(スクリューロータ21の外周面とは反対側)を通って高圧空間S2の高圧の冷媒が低圧空間S1へと流入する。これにより、冷媒が逆流させる(冷媒を高圧空間S2から低圧空間S1へと流す)ための配管及び弁体を別途設けることなく、スクリューロータ21の逆回転を抑制できる。その結果、コスト上昇を抑制しつつ、信頼性の高いスクリュー圧縮機1が実現できる。
(4−2)
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、調整機構30は、スライド弁31と連結されるピストン32aと、ピストン32aが収容されるシリンダ33と、を更に有する。シリンダ33には、ピストン32aの両側に、第1シリンダ室としての前方シリンダ室C1、及び、第2シリンダ室としての後方シリンダ室C2が形成される。ピストン32aは、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差により駆動される。
ここでは、スライド弁31がシリンダ33内のピストン32aの動きに応じて動かされるため、スライド弁31を駆動させ、スクリューロータ21の逆回転を抑制することができる。その結果、信頼性の高いスクリュー圧縮機1を実現できる。
(4−3)
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、調整機構30は、第1シリンダ室としての前方シリンダ室C1と第1空間としての低圧空間S1とを連通する圧力調整流路61と、圧力調整流路61に設けられた電磁弁62と、を更に有する。電磁弁62は、圧力調整流路61に設けられた開閉部の一例である。開閉部は、例えば、電動弁などその他の弁体であってもよい。電磁弁62は、電動機50の稼動時には閉鎖され、電動機50の停止時には開放される。
ここでは、スクリュー圧縮機1の停止時に前方シリンダ室C1と低圧空間S1とを連通させることで、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差を発生させ、ピストン32aを駆動させるため、素早くスライド弁31を駆動することができる。その結果、スクリューロータ21の逆回転が抑制されやすく、信頼性の高いスクリュー圧縮機1を実現できる。
(4−4)
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、スライド弁31の移動する第2区間は、第1区間よりも低圧空間S1側に位置する。
ここでは、スクリュー圧縮機1の停止時にスライド弁31を低圧空間S1側に移動させることで、スクリューロータ21の逆回転を抑制することができる。
(4−5)
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、調整機構30は、均圧期間後に、スライド弁31を起動位置に移動させる。起動位置では、スライド弁31が、圧縮室Scと高圧空間S2とが連通することを防止すると共に、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することを防止する。
ここでは、スライド弁31の背面を介して低圧空間S1と高圧空間S2とが連通された後、スライド弁31は、起動位置に移動させられ、圧縮室Scと高圧空間S2との連通、及び低圧空間S1と高圧空間S2との連通を防止する。その結果、スクリュー圧縮機1を、適切な条件(圧縮室Scと高圧空間S2とが連通せず、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通しない状態)で起動することができる。
(4−6)
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、調整機構30は、バネ39を更に有する。バネ39は、弾性力により、均圧期間後に、スライド弁31を起動位置に移動させる。
ここでは、バネ39を用いることで、容易にスライド弁31を起動位置に移動させることができる。
なお、本実施形態のバネ39は弾性体の一例であり、バネ以外の弾性体が使用されてもよい。
(4−7)
本実施形態のスクリュー圧縮機1では、均圧期間は、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力が同一になるまでの期間である。
これにより、スクリューロータ21の逆回転を抑制しやすい。
<第2実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るスクリュー圧縮機101について説明する。
図7は、第2実施形態に係るスクリュー圧縮機101の断面図である。スクリュー圧縮機101は、第1実施形態に係るスクリュー圧縮機1と、調整機構130を除き同様であるため、調整機構130の説明以外は省略する。
(1)調整機構
調整機構130は、第1実施形態に係るスクリュー圧縮機1の調整機構30と、以下の点で異なる。
調整機構130は、シリンダ33の後方シリンダ室C2内にバネ139を有する(図8A参照)。また、調整機構130のスライド弁31の動きが、第1実施形態に係るスクリュー圧縮機1の調整機構30におけるスライド弁31の動きと異なる(図8A〜図8C参照)。更に、調整機構130では、圧力調整流路161は、前方シリンダ室C1ではなく、後方シリンダ室C2と連通している(図8A参照)。これらの相違点を除いては、調整機構130は、調整機構30と同様である。ここでは、調整機構130の調整機構30との相違点について主に説明する。
バネ139は、図8Aのように、シリンダ33のスクリューロータ21とは反対側に位置する端部と、ピストン32aとの間に配される弾性体である。バネ139は、均圧期間が経過した後に、スライド弁31を起動位置(図8Cにおけるスライド弁31の位置)に移動させ、その位置を保持するために主に用いられる。バネ139は、均圧期間後に、バネ39との力関係がバランスすると、スライド弁31が起動位置に配されるように選定される。
調整機構130では、スライド弁31は、電動機50の稼動時、電動機50の停止時の均圧期間、及び均圧期間後に以下の様な動作を行う。言い換えれば、調整機構130では、スライド弁31は、電動機50の稼動時、電動機50の停止時の均圧期間、及び均圧期間後に以下の様な配置をとる。
スライド弁31は、電動機50の稼動時には、駆動軸40に沿って(駆動軸40の軸方向にそって)第1区間を移動させられ、圧縮機構20の容量制御のために用いられる。図8Aは第1区間の一端(第1区間中で、スライド弁31が最も低圧空間S1に寄った位置)を示し、図8Cは第1区間の他端(第1区間中で、スライド弁31が最も高圧空間S2に寄った位置)を示している。スライド弁31が駆動軸40の軸方向に第1区間内を移動させられることで、吐出口31cの位置が変化し、圧縮機構20の容量制御が行われる。スライド弁31が第1区間を移動している際には、スライド弁31のシール面31bは、シール部15の摺接面15aと常に摺接しており、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することが防止される。
スライド弁31は、電動機50の停止時の均圧期間には、駆動軸40に沿って(駆動軸40の軸方向にそって)第2区間を移動させられる。図8Cは第2区間の一端(第2区間中で、スライド弁31が最も低圧空間S1に寄った位置)を示し、図8Bは第2区間の他端(第2区間中で、スライド弁31が最も高圧空間S2に寄った位置)を示している。図8A〜図8Cから分かるように、第2区間は、第1区間よりも高圧空間S2側に位置する。スライド弁31が第2区間を移動する際には、スライド弁31のシール面31bとシール部15の摺接面15aとは離され(接触せず)、ケーシング10(シール部15)とスライド弁31との間に隙間が形成され、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通する。そして、ケーシング10とスライド弁31との間に形成される隙間を通って、高圧空間S2の冷媒が、低圧空間S1に流入し、両空間の圧力が均一化される。
均圧期間が終了して低圧空間S1と高圧空間S2との圧力が同一になった後、スライド弁31は、図8Cに示した起動位置に移動され、再びスクリュー圧縮機1が運転されるまで(電動機50が起動されるまで)その位置を維持する。なお、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力とが同一の状態には、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力とが略同一の場合も含む。スライド弁31の起動位置では、スライド弁31のシール面31bは、シール部15の摺接面15aと接しており、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通することが防止される。また、スライド弁31の起動位置では、圧縮機構20の圧縮室Scと高圧空間S2とは吐出口31cを介して連通しない。つまり、起動位置では、スライド弁31は、圧縮室Scと高圧空間S2との連通を防止する。
圧力調整流路161は、後方シリンダ室C2と低圧空間S1とを連通するための通路である。圧力調整流路161は、後方シリンダ室C2と、シリンダ33のスクリューロータ21とは反対側の端部近傍で連通する。圧力調整流路161は、電動機50の停止時の第2期間以外は電磁弁62により閉鎖されている。言い換えれば、電磁弁62は、電動機50の停止時の第2期間だけ開放される。なお、第2期間は、電磁弁62がその期間に開放されることで、電動機50の停止時の均圧期間にスライド弁31が第2区間内を移動するように、予め適切に決定された期間である。
電磁弁62が開放されると、後方シリンダ室C2と低圧空間S1とが連通し、直ちに後方シリンダ室C2の圧力が低圧空間S1の圧力と同一になる。つまり、後方シリンダ室C2の圧力が、前方シリンダ室C1の圧力よりも小さくなる。その結果、ピストン32aは、図8Bのように、スクリューロータ21とは反対側に移動する。図8Bのような電磁弁62が開放された時のピストン32aの位置は、電動機50の稼動時には取ることのない位置である。ピストン32aがこのような位置に移動されることで、スライド弁31は第2区間を移動し、ケーシング10(シール部15)とスライド弁31との間の隙間を介して、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通する。そして、高圧空間S2の冷媒は、低圧空間S1と高圧空間S2との圧力が同一になるまで、ケーシング10とスライド弁31との間の隙間を通って、低圧空間S1に流入する。その後、低圧空間S1と高圧空間S2との圧力が同一になると、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力も同一になる。この状態では、バネ39,139の弾性力が支配的になり、スライド弁31は、バネ39,139の弾性力により、バネ39とバネ139との弾性力と釣り合う位置まで(図8Cの起動位置まで)移動させられる。
(2)調整機構の運転動作
以下に、調整機構130の運転動作について説明する。なお、圧縮機構20の運転動作については、第1実施形態のスクリュー圧縮機1と同様であるため、説明は省略する。
まず、電動機50の稼働中における、調整機構130の動作について説明する。
電動機50の稼働中には、調整機構130は、駆動部38を動かすことで、パイロット弁37を貫通穴32d内の所望の位置に移動させる(図8A参照)。パイロット弁37が貫通穴32d内を移動することで、制御通路32baと貫通穴32dとの連通の度合いが変化し、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力関係が変化する。そして、ピストン32aは、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差により、ピストン32aをスクリューロータ21方向に押す力と、その逆方向の力とが釣り合う位置まで移動させられる。これにより、ピストン32aと連結されるスライド弁31が、第1区間内(図8Aにおけるスライド弁31の位置と、図8Cにおけるスライド弁31の位置との間の区間内)の適切な位置に動かされる。その結果、圧縮室Scと高圧空間S2とを連通する吐出口31cの位置が変化し、吐出口31cの開度及び圧縮工程の終了位置が所望の状態に制御される。つまり、電動機50の稼働中には、調整機構130は、圧縮機構20の容量制御を行う。
なお、電動機50の稼働中には、スライド弁31のシール面31bは、ケーシング10のシール部15の摺接面15aと常に接触して摺接している。つまり、スライド弁31は、シール面31bと摺接面15aとを摺接させることで、連通部14において(スライド弁31とシール部15との隙間を介して)、低圧空間S1と高圧空間S2とが連通することを防止する。その結果、低圧空間S1は吸入圧力に、高圧空間S2は吐出圧力に維持される。
次に、電動機50が停止する際の調整機構130の動作について説明する。
電動機50が停止時には、圧力調整流路61に設けられた電磁弁62が開放される。具体的には、電磁弁62は、電動機50の停止直前に開放される。電磁弁62が開放された時点から、均圧期間は開始される。なお、電磁弁62の開放のタイミングは例示であり、電磁弁62は、電動機50の停止と同時に開放されてもよい。
電磁弁62が開放されると、シリンダ33内の後方シリンダ室C2が低圧空間S1と連通し、後方シリンダ室C2内の圧力は、直ちに低圧空間S1の圧力と同一になる。一方、電磁弁62の開放直後は、前方シリンダ室C1の圧力は高圧空間S2の圧力と同一であるため、前方シリンダ室C1の圧力は、後方シリンダ室C2の圧力より大きくなる。その結果、ピストン32aは、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差により、スクリューロータ21とは反対側に移動される。
ピストン32aと連結されたスライド弁31は、ピストン32aの動きに応じて、第2区間内(図8Cにおけるスライド弁31の位置と、図8Bにおけるスライド弁31の位置との間の区間内)で動かされる。このとき、スライド弁31のシール面31bは、シール部15の摺接面15aから離される。そして、ケーシング10(シール部15)とスライド弁31との間に形成される隙間を介して、低圧空間S1と高圧空間S2とが直接連通する。高圧空間S2の冷媒は、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが同一となるまで、ケーシング10とスライド弁31との間に形成される隙間を介して、低圧空間S1に流入する。
均圧期間後には、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが同一となる。この時、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力も同一となる。そのため、ピストン32aには、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差による力は作用しなくなる。そして、バネ39,139の弾性力によって、スライド弁31は図8Cの起動位置に配される。スライド弁31が起動位置に位置している状態では、バネ39の弾性力とバネ139の弾性力とがバランスしている。スライド弁31は、再び電動機50が起動されるまで、図8Cの起動位置に配される。なお、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが同一の状態には、高圧空間S2の圧力と低圧空間S1の圧力とが略同一の場合も含む。上記の前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力が同一の状態には、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力が略同一の場合も含む。
(3)特徴
第2実施形態に係るスクリュー圧縮機101は、第1実施形態に係るスクリュー圧縮機1についての(4−1),(4−2),(4−5),(4−7)と同様の特徴を有する他、以下の特徴を有する。
(3−1)
本実施形態のスクリュー圧縮機101では、調整機構130は、第1シリンダ室としての後方シリンダ室C2と第1空間としての低圧空間S1とを連通する圧力調整流路161と、圧力調整流路161に設けられた電磁弁62とを更に有する。電磁弁62は、圧力調整流路161に設けられた開閉部の一例である。開閉部は、例えば、電動弁などその他の弁体であってもよい。電磁弁62は、電動機50の稼動時には閉鎖され、電動機50の停止時には開放される。
ここでは、スクリュー圧縮機1の停止時に後方シリンダ室C2と低圧空間S1とを連通させることで、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力差を発生させ、ピストン32aを駆動させるため、素早くスライド弁31を駆動することができる。その結果、スクリューロータ21の逆回転が抑制されやすく、信頼性の高いスクリュー圧縮機101を実現できる。
(3−2)
本実施形態のスクリュー圧縮機101では、スライド弁31の移動する第2区間は、第1区間よりも高圧空間S2側に位置する。
ここでは、スクリュー圧縮機101の停止時にスライド弁31を高圧空間S2側に移動させることで、スクリューロータ21の逆回転を抑制することができる。
(3−3)
本実施形態のスクリュー圧縮機101では、調整機構130は、弾性体としてのバネ39,139を更に有する。バネ39,139は、弾性力により、所定期間後に、スライド弁31を起動位置に移動させる。
ここでは、バネ39,139を用いることで、容易にスライド弁31を起動位置に移動させることができる。
なお、本実施形態のバネ39,139は弾性体の一例であり、バネ以外の弾性体が使用されてもよい。
<変形例>
以下に第1および第2実施形態の変形例を示す。なお、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
(1)変形例A
上記の実施形態では、パイロット弁37を駆動部38により駆動し、前方シリンダ室C1と後方シリンダ室C2との圧力関係を変化させることで、スライド弁31の位置を調整しているが、これに限定されるものではない。例えば、別途スライド弁31の駆動源として油圧機器やモータが設けられ、これらの駆動源によりスライド弁31の位置制御が行われてもよい。
(2)変形例B
上記の実施形態では、スライド弁31のスクリューロータ21とは反対側の円弧状の面がシール面31bとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、スライド弁31には、スクリューロータ21の外周面とは反対側に突出する凸部が設けられ、ケーシング10の連通部14には凸部に対応する凹部が設けられ、電動機50の稼働中及び均圧期間後には凸部と凹部とが噛み合い、均圧期間には凸部と凹部とが噛み合わなくなるような(離れるような)構造であってもよい。
本発明は、圧縮機停止時にゲートが摩耗しにくい、信頼性の高いスクリュー圧縮機として有用である。
1,101 スクリュー圧縮機
10 ケーシング
11 吸入口
12 吐出口
15a 摺接面
20 圧縮機構
21 スクリューロータ
21a 螺旋溝
30,130 調整機構
31 スライド弁
31b シール面
32a ピストン
33 シリンダ
39,139 バネ(弾性体)
40 駆動軸
50 電動機
61,161 圧力調整流路
62 電磁弁(開閉部)
C1 前方シリンダ室(第1シリンダ室、第2シリンダ室)
C2 後方シリンダ室(第2シリンダ室、第1シリンダ室)
S1 低圧空間(第1空間)
S2 高圧空間(第2空間)
Sc 圧縮室
特開2011−94611号公報

Claims (8)

  1. 外周面に螺旋溝(21a)が形成された円筒状のスクリューロータ(21)を有する圧縮機構(20)と、
    前記スクリューロータを駆動軸(40)周りに回転駆動する電動機(50)と、
    流体の吸入口(11)及び吐出口(12)を有し、前記圧縮機構及び前記電動機が収容されるケーシング(10)と、
    前記電動機の稼動時に、前記圧縮機構の容量制御を行う調整機構(30,130)と、
    を備え、
    前記調整機構は、前記ケーシングと前記スクリューロータの前記外周面との間に配され、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能なスライド弁(31)を有し、
    前記スライド弁は、前記スクリューロータの前記外周面とは反対側に、前記電動機の稼動時に前記ケーシングの摺接面(15a)と摺接するシール面(31b)を有し、
    前記ケーシング内には、前記吸入口と連通する第1空間(S1)と、前記吐出口と連通する第2空間(S2)とが形成され、
    前記圧縮機構は、前記電動機の稼動時に、前記第1空間の前記流体を、前記スクリューロータの前記螺旋溝によって形成される圧縮室(Sc)を介して、前記第2空間に吐出し、
    前記調整機構は、
    前記電動機の稼動時には、前記スライド弁を第1区間で移動させて前記圧縮機構の容量制御を行うと共に、前記シール面を前記摺接面と摺接させて前記第1空間と前記第2空間とが直接連通することを防止し、
    前記電動機の停止時の所定期間には、前記スライド弁を第2区間で移動させて、前記シール面と前記摺接面とを離すことで、前記スライド弁と前記ケーシングとの間に隙間を形成し、前記第1空間と前記第2空間とを直接連通させる、
    スクリュー圧縮機(1,101)。
  2. 前記調整機構は、前記スライド弁と連結されるピストン(32a)と、前記ピストンが収容され、前記ピストンの両側に第1シリンダ室(C1,C2)及び第2シリンダ室(C2,C1)が形成されたシリンダ(33)と、を更に有し、
    前記ピストンは、前記第1シリンダ室と前記第2シリンダ室との圧力差により駆動される、
    請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
  3. 前記調整機構は、前記第1シリンダ室と前記第1空間とを連通する圧力調整流路(61,161)と、前記圧力調整流路に設けられた開閉部(62)とを更に有し、
    前記開閉部は、前記電動機の稼動時には閉鎖され、前記電動機の停止時には開放される、
    請求項2に記載のスクリュー圧縮機。
  4. 前記第2区間は、前記第1区間よりも前記第1空間側に位置する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機(1)。
  5. 前記第2区間は、前記第1区間よりも前記第2空間側に位置する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機(101)。
  6. 前記調整機構は、前記所定期間後に、前記スライド弁を起動位置に移動させ、
    前記起動位置では、前記スライド弁は、前記圧縮室と前記第2空間とが連通することを防止すると共に、前記第1空間と前記第2空間とが直接連通することを防止する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機(1,101)。
  7. 前記調整機構は、弾性体(39,139)を更に有し、
    前記弾性体は、弾性力により、前記所定期間後に、前記スライド弁を前記起動位置に移動させる、
    請求項6に記載のスクリュー圧縮機(1,101)。
  8. 前記所定期間は、前記第1空間の圧力と前記第2空間の圧力が同一になるまでの期間である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機(1,101)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104963865A (zh) * 2015-06-01 2015-10-07 马宁 一种移动螺杆空压机气缸压强控制臂
WO2018109939A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 三菱電機株式会社 スクリュー圧縮機
CN114729639A (zh) * 2019-11-26 2022-07-08 三菱电机株式会社 螺杆式压缩机
WO2022244219A1 (ja) * 2021-05-21 2022-11-24 三菱電機株式会社 スクリュー圧縮機

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