JP2014125819A - 鉄筋コンクリートの補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】戦略的に劣化しやすい箇所を点検することで、効率的な鉄筋コンクリートの補修方法を提供する。
【解決手段】本補修方法は、除去工程と、防錆剤塗布工程と、センサ設置工程と、埋め戻し工程と、透明塗料塗布工程と、データ読取工程と、劣化危険性判断工程と、再補修程度決定工程と、再補修工程とを具備する。補修箇所にセンサを優先的に設置し、点検し、戦略的に再補修をおこなう。センサーデータに基づく内部の劣化危険性に加えて、補完的に、外観目視に基づくコンクリート表面の劣化危険性も判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートの補修に関し、特に、補修箇所の再補修に関する。
鉄筋コンクリートは、建築構造物及び土木構造物に広く用いられている。鉄筋コンクリート中の鉄筋は、その周囲を高アルカリ性のコンクリートに覆われていることにより、鉄筋の表面に不動態被膜が形成され、腐食され難い状態にある。
しかし、鉄筋コンクリートの周囲から内部に炭酸ガスや二酸化窒素等の酸性ガス、塩化物イオン、ナトリウムイオン、硫酸等が滲入すると、その部分の鉄筋が腐食する。鉄筋の腐食が進むとその周囲のコンクリートが破壊されることがある。
また、コンクリートが収縮することなどにより、コンクリートにひび割れが発生することがある。ひび割れが発生すると酸性ガス、塩化物イオン、ナトリウムイオン等の腐食促進因子が滲入し易くなり、内部の鉄筋の腐食が進行し易くなる。
鉄筋が腐食して劣化した鉄筋コンクリートは、その鉄筋が露出する深さまでコンクリートを除去し、露出させた鉄筋を防錆処理(例えば防錆剤塗布)した後に、除去により形成されたコンクリートの窪みをモルタル等で埋め戻すことにより、補修が行われる(例えば、特許文献1〜3参照)。更に、美観向上および再劣化防止のため、窪みをモルタル等で埋め戻した後に、アクリルゴム系組成物やモルタルで鉄筋コンクリートの表面全体を被覆することがある。
ところで、劣化した鉄筋コンクリートを放置しておくと、たとえば、コンクリート塊が剥離し落下するおそれがある。したがって、劣化危険性を点検し、予防保全に努めることが重要である。しかし、鉄筋コンクリートの劣化は、内部から劣化する(たとえば鉄筋の腐食)ことが多いが、鉄筋コンクリート内部環境を外観から判断することは難しい。
これに対し、鉄筋または鉄筋近傍にセンサを設置し、鉄筋コンクリートの内部環境を検知することが行われている。
この様なセンサには、腐食センサ(例えば、特許文献4〜5参照)、イオンセンサ、歪センサなどがある。センサのデータを外部読取装置により読み取り、データを解析し、鉄筋コンクリートの劣化危険性を判断する。このような検査は、鉄筋コンクリートを破壊する必要がないため、負担が軽減される。その結果、定期的な点検が容易にできる。
特開平08−260562号公報 特開平06−248809号公報 特開2003−306367号公報 特開平06−222033号公報 特開2010−151483号公報
ところで、上記センサを新設の鉄筋コンクリートに設置することが一般的である。多数のセンサを鉄筋コンクリート構造物に設置すれば、より詳細な劣化危険性解析ができ、予防保全に役立てることができる。一方で、多数のセンサを鉄筋コンクリート構造物に設置すれば、費用増となる。また、一つ一つの点検は容易であっても、多数の点検になるほど負担となる。上述の通り、基本的には、高アルカリ性のコンクリートに覆われていることにより、鉄筋の表面に不動態被膜が形成され、腐食され難い状態にある。闇雲に点検しても無駄が多い。したがって、センサの設置個所を戦略的に決定することが重要である。
過去の事例から、塩害劣化が懸念される箇所、凍結防止剤による塩分の浸透による劣化が懸念される場所、化学的浸食による劣化が懸念される箇所など、ある程度の予測は可能であるが、詳細な設置個所を判断することは難しい。また、必ずしも予測通りの箇所が劣化するとは限らない。
したがって、戦略的に劣化しやすい箇所を点検し、効率的な補修に役立てる技術が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、戦略的に劣化しやすい箇所を点検することで、効率的な鉄筋コンクリートの補修方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、過去の鉄筋コンクリートの補修事例から、劣化が原因で補修した箇所が再度劣化しやすいことを見出した。すなわち、劣化要因には内的要因と外的要因があるが、外的要因は変わりにくい。たとえば、潮風が吹付ける箇所には、補修後も潮風が吹付ける。工場排水が溜まりやすい箇所には、補修後も工場排水が溜まりやすい。本願発明者は上記事情を検討した結果、本発明に到達するに至った。
上記課題を解決する本発明は、鉄筋コンクリートの補修方法であって、鉄筋コンクリートの劣化した部分のコンクリートを鉄筋が露出する深さまで除去する除去工程と、前記除去工程で露出させた鉄筋及びその周囲のコンクリートに防錆剤を塗布する防錆剤塗布工程と、前記除去工程で露出させた鉄筋または鉄筋近傍に鉄筋コンクリート内部環境を検知するセンサを設置するセンサ設置工程と、前記除去工程で形成されたコンクリートの窪みをポリマーセメントモルタルで埋め戻す埋め戻し工程と、前記センサ設置工程で設置したセンサのデータを読み取るデータ読取工程と、前記データ読取工程のデータに基づいて鉄筋コンクリートの劣化危険性を判断する劣化危険性判断工程と、前記劣化危険性判断工程による劣化危険性に基づいて鉄筋コンクリートの再補修程度を決定する再補修程度決定工程と、前記再補修程度決定工程で決定した再補修程度に基づいて鉄筋コンクリートの再補修を行う再補修工程を具備する。
上述したように、劣化が原因で補修した箇所が再度劣化しやすい。補修箇所にセンサを設置し、優先的に点検することにより、センサ設置の費用を軽減し、点検の負担を軽減できる。これにより、再劣化を早期に発見し、効率よく再補修をおこなうことができる。
本発明における鉄筋コンクリートの補修方法は、好ましくは、埋め戻したコンクリート表面に透明塗料を塗布する透明塗料塗布工程を更に具備し、前記劣化危険性判断工程は、センサーデータと併せてコンクリート表面の外観観察に基づいて鉄筋コンクリートの劣化危険性を判断する。
一般に、美観向上および再劣化防止の観点から、補修の仕上げとして、モルタル等で鉄筋コンクリートの表面全体を被覆する。ところで、センサのデータから鉄筋コンクリートの内部環境を推測することはできるが、常に劣化は内部より始まるとは限らない。表面の細かいひび割れから劣化が始まることもある。モルタル等で鉄筋コンクリートの表面全体を被覆すると、表面のひび割れの進行等を見逃すおそれがある。
また、モルタル等で鉄筋コンクリートの表面全体を被覆すると、鉄筋の錆汁が表面に滲出していても、見逃すおそれがある。
更に、外部読取装置を用いた定期点検は、例えば数年に一度であり、その間に予期せぬ劣化が進行しているおそれもある。
コンクリート表面に透明塗料を塗布することで、腐食促進因子の滲入を防止しつつ、コンクリート表面に現れる劣化の兆候を外観観察できる。これにより、劣化危険性を判断する際、データに基づく判断を補完できる。
さらに、外観観察は日常的に可能であるため、予期せぬ劣化を早期発見できる。
本発明において、好ましくは、前記センサは、少なくとも、腐食センサ、イオンセンサ、歪センサのいずれかを含む。
本発明において、好ましくは、前記腐食センサを鉄筋に設置する場合、前記防錆剤塗布工程の後に、前記センサ設置工程をおこなう。
腐食センサ設置後に鉄筋に防錆剤を塗布した場合、腐食センサにも防錆剤が塗布されるおそれがある。この場合、鉄筋が腐食しているのに、腐食センサは腐食せず、データが鉄筋コンクリート内部環境を反映していないおそれがある。その結果、劣化危険性が高いと判断すべきところを、誤って、劣化危険性が低いと判断するおそれがある。
鉄筋に防錆剤を塗布した後に腐食センサを設置することにより、腐食センサに防錆剤は塗布されず、安全側の判断ができる。
本発明によれば、補修した箇所を優先的に点検することにより、効率的に再劣化を早期発見でき、効率的に再補修できる。
補修方法の概要
〜補修方法〜
図1は本補修方法の概要を示す図である。本補修方法は、除去工程と、防錆剤塗布工程(図1A参照)と、センサ設置工程(図1B参照)と、埋め戻し工程(図1C参照)と、透明塗料塗布工程(図1D参照)と、データ読取工程(図1E参照)と、劣化危険性判断工程(図1E参照)と、再補修程度決定工程と、再補修工程(図1F参照)とを具備する。
除去工程において、鉄筋コンクリートの劣化した部分のコンクリートを除去する方法は、劣化したコンクリートを鉄筋が露出する深さまで除去できれば特に限定されず、例えば、斫り取る方法、超高圧水(ウォータジェット)による方法、静的破砕剤により部分的に破砕する方法、切削機械で削り取る方法、ハンマードリルやクローラドリル等で穿孔する方法、ブラスト処理による方法或いはこれらを組み合わせた方法が好ましい例として挙げられる。
鉄筋の劣化している部分の両端の、劣化していない鉄筋が露出するまでコンクリートを除去することが好ましい。また、鉄筋の劣化している鉄筋表面を健全なところまで削ることが好ましい。もしも、削った後の鉄筋の強度が不足する場合は、鉄筋を新たなものに交換するか、新たな鉄筋を増設すればよい。
防錆剤塗布工程において、使用する防錆剤としては、鉄筋を防錆できるものであればよく、例えば、防錆剤溶液(防錆剤水溶液含む)、防錆剤含有塗料、防錆剤含有樹脂エマルション、防錆剤含有セメントペースト、防錆剤含有流動性モルタル等が挙げられる。後述するポリマーセメントモルタルとの接着性がよいことから、防錆剤溶液(防錆剤水溶液含む)、防錆剤含有樹脂エマルション、防錆剤含有セメントペースト又は防錆剤含有流動性モルタルが好ましく、pHが高く塗布した鉄筋が不動態被膜を形成することで腐食を防ぐ効果も備えていることから、防錆剤含有セメントペースト又は防錆剤含有流動性モルタルが更に好ましい。本発明において、防錆剤含有セメントペースト及び防錆剤含有流動性モルタルとは、防錆剤を含有し鉄筋に刷毛又はブラシで塗布できる程度の流動性があるセメントペースト及びモルタルをいう。
防錆剤に含有される防錆成分としては、亜硝酸リチウムや亜硝酸カルシウム等の亜硝酸塩、タングステン酸又はタングステン酸塩、モリブデン酸又はモリブデン酸塩、クロム酸塩、リン酸塩、ベンゾトリアゾールやトリエタノールアミン等のアミン、有機リン酸エステル、アルキルフェノール等が挙げられる。
防錆剤を塗布する方法としては、刷毛,ブラシ又はスポンジ等を用いて塗り付ける方法、噴霧器又は吹付け機により吹付ける方法等が好適な例として例示でき、これらの2以上の方法を組み合わせても良い。また、防錆剤を塗布する回数は、1回でも良いし、2回以上行っても良い。
センサ設置工程において、使用するセンサには、腐食センサ、イオンセンサ、歪センサがある。これらを組み合わせて使用してもよい。
腐食センサは、センサ内部又は外部の鋼材の腐食度合いを電気的に検知できるものであればよい。例えば、太平洋セメント社が販売しているセンサ「RFID腐食環境センサ」(商品名)のようにアンテナと通信回路を具備し、測定器(リーダ又はリーダライタ)と無線通信により非接触で腐食度合いに関する電気的信号(データ)の授受を行うことができる非接触式の腐食センサが好ましく、更に、アンテナと通信回路がRFIDタグのようなICタグであることが好ましい。
腐食センサを鉄筋に設置することが好ましい。何れかの事情により、鉄筋に設置できない場合は、鉄筋近傍に設置することが好ましい。
なお、腐食センサ設置後に鉄筋に防錆剤を塗布した場合、腐食センサにも防錆剤が塗布されるおそれがある。この場合、鉄筋が腐食しているのに、腐食センサは腐食せず、データが鉄筋コンクリート内部環境を反映していないおそれがある。その結果、劣化危険性が高いと判断すべきところを、誤って、劣化危険性が低いと判断するおそれがある。したがって、鉄筋に防錆剤を塗布した後に腐食センサを設置することが好ましい。これにより、腐食センサに防錆剤は塗布されず、安全側の判断ができる。
イオンセンサは、腐食促進因子のイオン(例えば、炭酸イオン、塩化物イオン、ナトリウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなど)、防錆剤やアルカリ性付与剤から生じるイオン(例えば、亜硝酸イオン、リチウムイオン、リン酸イオン、クロム酸イオンなど)、或いはコンクリートの状態を表すイオン(例えば、水素イオン、水酸化物イオンなど)の存在或いは濃度を検知できるセンサを好適に用いることができる。複数の種類のセンサを用いても良い。
歪センサは、電気抵抗変化を用いて歪を検出する歪センサ、圧電効果を用いて歪を検出する歪センサ又は静電容量を用いて歪を検出する歪センサを好適に用いることができる。例えば、太平洋セメント社が販売しているセンサ「SSN−1070」、「SSD−1090」、「SSD−3725」等のようにアンテナと通信回路を具備し、測定器(リーダ又はリーダライタ)と無線通信により非接触で歪データの授受を行うことができる非接触式の歪センサが好ましく、更に、アンテナと通信回路がRFIDタグのようなICタグであることが好ましい。歪センサにより測定する歪としては、コンクリートの歪、鉄筋の歪又は埋め戻し工程により埋め戻すポリマーセメントモルタルの歪である。測定する歪の方向は特に限定されない。鉄筋の歪を測定する場合は歪センサを鉄筋に設置する。他の場合は、歪センサを鉄筋近傍に設置する。
鉄筋近傍とは、当該鉄筋から、コンクリート表面からの深さ(かぶり)方向で3cm以内且つ深さ方向と直角方向で10cm以下の位置にあることをいう。好ましくは、取付け具を介して鉄筋に取り付ける。より好ましくは、上記センサの検出部が、当該鉄筋と、コンクリートの深さ方向において表面からの距離(かぶり)が同じ深さの位置又はより浅い位置になるように、センサを設置する。
また、センサを除去工程で露出させた鉄筋近傍に設置する以外にも、鉄筋コンクリート又はポリマーセメントモルタルの表面又は内部の他の位置に設置しても良い。
埋め戻し工程は、除去工程で形成されたコンクリートの窪みをポリマーセメントモルタルで埋め戻す工程である。露出鉄筋およびセンサとともに、ポリマーセメントモルタルにより埋設する。
ポリマーセメントモルタルは、セメントモルタルに比べて透水性や通気性が低いことから、外部からの腐食促進因子(有害なイオン)や水の滲入を防ぐとともに、防錆剤の拡散による散逸を防ぐ。これにより、補修した部分の鉄筋の腐食がより抑制される。
ポリマーセメントモルタルは、水硬性セメント、セメント用ポリマー、細骨材及び水を含有する。
ここで、水硬性セメントとしては、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられる。
セメント用ポリマーとしては、ポリマーセメントモルタルやポリマーセメントコンクリートの結合材として用いられるものであればよく、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体,クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム、天然ゴム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル・アクリル共重合体,酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体,変性酢酸ビニル,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体,酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体,アクリル・酢酸ビニル・ベオバ(t-デカン酸ビニルの商品名)共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及びエポキシ樹脂等の合成樹脂、アスファルト,ゴムアスファルト及びパラフィン等の瀝青質等が好ましい例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
細骨材としては、例えば砕砂、陸砂、川砂、海砂、人工細骨材、セメントクリンカ粒(セメントとして市販されているセメントクリンカ粉末よりも粗い粒状のもの)、スラグ細骨材等が好ましい例として挙げられる。
ポリマーセメントモルタルに含有する水は、水性の液状混和材料(例えば混和剤水溶液やエマルション状のセメント用ポリマー)に含有する水を用いてもよく、別途添加してもよい。
ポリマーセメントモルタルには、水硬性セメント、セメント用ポリマー、細骨材以外に、その他の混和材料或いは粗骨材の一種又は二種以上を本発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。このような混和材料としては、例えば高性能減水剤や高性能AE減水剤等の減水剤、凝結遅延剤、発泡剤、起泡剤、防水材(剤)、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、顔料、消泡剤、膨張材、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、硬化促進剤(材)、強度促進剤(材)、高炉スラグ微粉末、フライアッシュやシリカフューム等のポゾラン粉末、石粉、表面硬化剤等が挙げられる。
埋め戻し工程においてコンクリートの窪みをポリマーセメントモルタルで埋め戻す方法は、特に限定されず、例えば刷毛塗り、吹付け、鏝塗り又はローラー塗り等で塗布する方法、流し込み、硬めのポリマーセメントモルタルを当該窪みに投入した後タンピングする方法等が好適な例として挙げられる。
透明塗料塗布工程は、ポリマーセメントモルタルで埋め戻したコンクリート表面に透明塗料を塗布する工程である。透明塗料を塗布することにより、コンクリート表面からの腐食促進因子(有害なイオンや酸性ガス)の滲入を防ぐとともに、コンクリート表面及びポリマーセメントモルタル表面からの水分蒸発(乾燥)を防ぐ。
なお、一般には、モルタル等で鉄筋コンクリートの表面全体を被覆し、美観を向上させる。しかし、モルタル等で鉄筋コンクリートの表面全体を被覆すると、表面のひび割れの進行等を見逃すおそれがある。また、モルタル等で鉄筋コンクリートの表面全体を被覆すると、鉄筋の錆汁が表面に滲出していても、見逃すおそれがある。更に、外部読取装置を用いた点検(後述)は、例えば数年に一度であり、その間に予期せぬ劣化が進行しているおそれもある。
透明塗料を塗布することにより、鉄筋コンクリート又は修復に用いたポリマーセメントモルタルの表面劣化を外観目視により確認することができる。
透明塗料塗布工程で用いる透明塗料としては、例えばエポキシ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、アクリル変性シリコーン塗料、シリコーン系塗料、ウレタン樹脂系塗料、ビニルエステル樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、樹脂エマルション系塗料、コロイダルシリカ系塗料、ケイフッ化物溶液(ケイフッ化物系塗料)、ケイ酸塩溶液(ケイ酸塩系塗料)等が挙げられ、これらのうち塗布後、即ち、乾燥、硬化、造膜又は含浸後に、透明な状態のものであればよい。また、これら塗料を2種以上併用したものでもよい。
なお、本明細書でいう透明には、半透明なものも含む。
データ読取工程は、センサ設置工程で設置したセンサのデータを読み取る工程である。当該センサがデータの授受を無線通信により非接触で行うことができる機能を具備するものであると好ましい。この場合、当該センサは、アンテナを具備する。無線通信の方式は特に限定されない。例えば、135KHz未満の周波数を用いた電磁誘導方式、13.56MHzの周波数電磁誘導方式、UHF帯の周波数を用いた電波方式、2.45GHzの周波数を用いた電波方式等が例示できる。通信距離、指向性、水分の影響の受けやすさ等が異なることから、アンテナの位置、大きさ等を考慮して、適宜選択すればよい。外部読取装置を用いて、センサのデータを読み取る。
なお、データ読取工程は、補修後の定期点検において行う。定期点検の頻度は、例えば数年毎とする。
劣化危険性判断工程は、データ読取工程で読み取ったセンサのデータに基づいて、鉄筋コンクリートの内部環境を推測し、鉄筋コンクリートの劣化危険性を判断する工程である。
鉄筋コンクリート内部の劣化危険性を示している例としては、腐食センサ内部又は外部の鋼材の腐食度合いのデータが鉄筋が腐食していることを示すデータである場合、イオンセンサによるデータが腐食促進因子のイオンが存在する又は濃度が高いことを示している場合、イオンセンサによるデータが防錆剤の不在又は濃度が低いことを示している場合、イオンセンサによるデータがアルカリ性付与剤の不在又は濃度が低いことを示している場合、イオンセンサによるデータがpHが低い又はpOHが高いことを示している場合、歪センサの歪データがコンクリートの収縮歪が大きいことを示している場合、歪センサの歪データの履歴が歪が一度開放されたことを示している場合等が挙げられる。
なお、劣化は内部のみとは限らない。外観目視により、コンクリート表面の劣化も考慮し、センサデータに基づく劣化危険性判断を補完する。
コンクリート表面の劣化危険性を示している例としては、コンクリート表面にクラックが見られる場合、コンクリート表面に漏水又はその痕跡が見られる場合、コンクリート表面に鉄筋の錆汁が見られる場合、コンクリート表面にコンクリート又は補修に用いたポリマーセメントモルタルの欠損又は剥落が見られる場合等が挙げられる。
外観目視は、定期点検時以外にも、日常的に随時行う。
再補修程度決定工程は、劣化危険性判断工程による鉄筋コンクリートの劣化危険性の度合いに基づいて鉄筋コンクリートの再補修程度を決定する工程である。
鉄筋コンクリートの劣化危険性の度合いが低い場合は、鉄筋コンクリートの再補修程度を低く抑え、鉄筋コンクリートの劣化危険性の度合いが高い場合は、鉄筋コンクリートの再補修程度を高くする。このことにより、必要以上の再補修を行わずに済み、工期・費用等を低減することができる。
再補修工程は、再補修程度決定工程で決定した再補修程度に基づいて鉄筋コンクリートの再補修を行う工程である。
〜効果まとめ〜
本発明は、劣化が原因で補修した箇所が再度劣化しやすいという技術思想に基づいて、補修箇所にセンサを優先的に設置し、戦略的に点検するものである。これにより、効率的な再補修ができる。
また、センサーデータに基づく内部の劣化危険性に加えて、コンクリート表面に透明塗料を塗布することにより、補完的に、外観目視に基づくコンクリート表面の劣化危険性も判断できる。

Claims (4)

  1. 鉄筋コンクリートの劣化した部分のコンクリートを鉄筋が露出する深さまで除去する除去工程と、
    前記除去工程で露出させた鉄筋及びその周囲のコンクリートに防錆剤を塗布する防錆剤塗布工程と、
    前記除去工程で露出させた鉄筋または鉄筋近傍に鉄筋コンクリート内部環境を検知するセンサを設置するセンサ設置工程と、
    前記除去工程で形成されたコンクリートの窪みをポリマーセメントモルタルで埋め戻す埋め戻し工程と、
    前記センサ設置工程で設置したセンサのデータを読み取るデータ読取工程と、
    前記データ読取工程のデータに基づいて鉄筋コンクリートの劣化危険性を判断する劣化危険性判断工程と、
    前記劣化危険性判断工程による劣化危険性に基づいて鉄筋コンクリートの再補修程度を決定する再補修程度決定工程と、
    前記再補修程度決定工程で決定した再補修程度に基づいて鉄筋コンクリートの再補修を行う再補修工程
    を具備することを特徴とする鉄筋コンクリートの補修方法。
  2. 埋め戻したコンクリート表面に透明塗料を塗布する透明塗料塗布工程
    を更に具備し、
    前記劣化危険性判断工程は、センサーデータと併せてコンクリート表面の外観観察に基づいて鉄筋コンクリートの劣化危険性を判断する
    ことを特徴とする請求項1記載の鉄筋コンクリートの補修方法。
  3. 前記センサは、少なくとも、腐食センサ、イオンセンサ、歪センサのいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の鉄筋コンクリートの補修方法。
  4. 前記腐食センサを鉄筋に設置する場合、
    前記防錆剤塗布工程の後に、前記センサ設置工程をおこなう
    ことを特徴とする請求項3記載の鉄筋コンクリートの補修方法。
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