JP2014125565A - 樹脂着色剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂を均一に着色でき、伸び白化を抑えることができ、かつ、熱安定性に優れる樹脂着色剤を提供しようとするものである。
【解決手段】ビヒクル樹脂(a1)、二糖と一般式(1)で示される置換安息香酸とのエステル(a2)、可塑剤(a3)、および、顔料(a4)を含んでなる樹脂着色剤。
Figure 2014125565

(式中、mは1〜5のいずれかの整数、Rはそれぞれ異なっていてもよい炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂を均一に着色でき、伸び白化を抑えることができ、かつ、熱安定性に優れる樹脂着色剤に関する。
塩化ビニル系樹脂などの着色に用いられる樹脂着色剤は、その形状により、ドライカラー、バッチタイプ、ペーストタイプ、パウダータイプなどに大別される。これらのうち、ドライカラー、バッチタイプ、ペーストタイプは一長一短があり、その欠点を補う目的でパウダータイプが使用されている。
パウダータイプの樹脂着色剤には、さらに潤性タイプと樹脂分散タイプ(ビヒクル樹脂に分散したタイプのもの)の2種類があり、特に、塩化ビニル系樹脂の着色には、発色安定性や成形性の観点から、樹脂分散タイプのものが用いられている。このような樹脂分散タイプのビヒクル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル系樹脂が使用されており、これらと顔料や他の原料とを混練、粉砕することにより得られている。
例えば、特許文献1では、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、顔料および可塑剤を用いた樹脂着色剤が開示されている。また、特許文献2では、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂以外の樹脂もしくは常温固形可塑剤、常温液状可塑剤および顔料を用いた着色剤が開示されている。しかし、特許文献1の着色剤はこれを用いた樹脂塗膜の伸び白化の抑制が不十分であるなどの点、また、特許文献2の着色剤はこれを用いた樹脂の熱安定性が不十分であるなど点が問題であった。
特開平1−144436号公報 特開平6−080788号公報
本発明は、樹脂を均一に着色でき、伸び白化を抑えることができ、かつ、熱安定性に優れる樹脂着色剤を提供しようとするものである。
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、樹脂着色剤に、二糖と所定の置換安息香酸とのエステルを配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ビヒクル樹脂(a1)、二糖と一般式(1)で示される置換安息香酸とのエステル(a2)、可塑剤(a3)、および、顔料(a4)を含んでなる樹脂着色剤に関する。
Figure 2014125565
(式中、mは1〜5のいずれかの整数、Rはそれぞれ異なっていてもよい炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
エステル(a2)の融点は、80〜110℃であることが好ましい。
ビヒクル樹脂(a1)とエステル(a2)の重量比は、(a1)/(a2)=10/90〜90/10であることが好ましい。
エステル(a2)の平均エステル化度は、3.0以上であることが好ましい。
また、本発明は、上記樹脂着色剤(A)と、被着色樹脂(B)とを含んでなる樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、上記樹脂組成物を用いてなる塗料に関する。
本発明の樹脂着色剤は、被着色樹脂を均一に着色でき、伸び白化を抑えることができ、かつ、熱安定性に優れるという優れた効果を奏する。また、本発明の樹脂着色剤は、製造時の混練や粉砕が容易であって、また、凝集を抑制することができ、さらに、使用時の取扱いが容易であるという優れた特長をも併せ有する。
本発明の樹脂着色剤は、ビヒクル樹脂(a1)、所定のエステル(a2)、可塑剤(a3)、および、顔料(a4)を含んでなるものである。
<ビヒクル樹脂(a1)>
本発明において、ビヒクル樹脂(a1)としては、通常、この分野において、着色剤のビヒクル(展色剤)として用いることのできる樹脂であればいずれも好適に用いることができ、そのようなビヒクル樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂を含んでなるものが挙げられる。ここで塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルモノマーのみからなる塩化ビニルホモポリマーであってもよく、または、塩化ビニルモノマーと他のモノマーとのコポリマーであってもよい。そのような他のモノマーとしては、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステルなどのモノマーの1種または2種以上が挙げられる。また、該コポリマーの代表的な例としては、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−エチレンコポリマー、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステルコポリマーなどが挙げられる。
ビヒクル樹脂(a1)は、上記塩化ビニル系樹脂の他に、その他の熱可塑性樹脂を含み得るものであるが、そのような熱可塑性樹脂としては、例えば、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン樹脂、アセトフェノン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
ビヒクル樹脂(a1)として用いる樹脂の重合度は、特に限定されないが、通常は、100〜2000程度であることが好ましい。
<エステル(a2)>
本発明のエステル(a2)は、二糖と置換安息香酸(1)とのエステルである。
(二糖)
二糖としては、種々のものを用いることができるが、具体的には、たとえば、スクロース(ショ糖)、トレハロースなどの非還元性二糖、ラクトースやマルトースなどの還元性二糖、マルチトールやラクチトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。
二糖は、1種または2種以上を使用することができる。
(置換安息香酸(1))
置換安息香酸(1)において、mとしては、1〜3のいずれかの整数であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
置換基Rの置換位置としては、o−位、m−位、p−位のいずれの置換位置をもとることができる。
炭素数1〜5の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれをも含むものであるが、このうち、アルキル基が好ましく、とりわけ、メチル基またはエチル基が好ましい。
置換安息香酸(1)の好ましい具体例としては、例えば、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸などが挙げられる。
(エステル合成)
本発明にかかわるエステル(a2)は、常法により製造することができ、例えば、特開昭61−4839号記載の蔗糖ベンゾエートの製造方法に準じて製造することができる。
すなわち、原料である二糖と置換安息香酸(1)の塩化物とを、親水性溶媒と水との混液中、アルカリ性化合物の存在下、エステル化反応に付すことにより製造することができる。親水性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジオキサン、テトラハイドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル等のエステル系溶媒、三級ブタノール等のアルコール系溶媒をいずれも好適に用いることができる。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
親水性溶媒と水との混合比率は、両者からなる均一液層の含水率が7〜80%となるようにすることが好ましい。なぜなら、これら親水性溶媒は、原料の一方である芳香族モノカルボン酸の塩化物や生成物であるエステルは溶解するものの、原料のもう一方である二糖は、単独では全く溶かさないかまたは反応効率の観点から実用に供さない程度にしか溶かさないところ、二糖の良溶媒である水を混合させることにより、該混液が実用に供する程度の二糖を溶解することができるようになるからである。したがって、親水性溶媒のこのような性質を利用することにより、二糖と置換安息香酸(1)の塩化物の反応速度を律することができ、その結果、二糖/置換安息香酸(1)の塩化物の仕込み量(モル比)に応じて、平均エステル化度の異なるエステル(a2)を製造することができる。
反応の方法としては、親水性溶媒と水からなる混液に、二糖および置換安息香酸(1)の塩化物を溶解または懸濁させ、芳香族モノカルボン酸塩化物と等量ないしは若干過剰のアルカリ性化合物を滴下するか、または混液に二糖とアルカリ性化合物を溶解または懸濁させ、置換安息香酸(1)の塩化物を滴下するか、または混合溶媒に二糖を溶解または懸濁させ、置換安息香酸(1)の塩化物とアルカリ性化合物とを同時または交互に滴下することができる。
反応温度は、−15℃〜100℃まで採用することができるが、より好ましくは、−10℃〜30℃である。ただし、全反応原料を滴下し終えた後は、反応の完結を促進させるため、高温域で加熱してもよい。
反応中のpHは弱アルカリ性に保つことが望ましい。一方、強アルカリ性下(例えば、反応温度等にもよるが、pH13以上など)では、芳香族モノカルボン酸の加水分解の副反応が著しいため、たとえば、pH8〜13程度で行うことが好ましい。
反応時間としては、原料同士の反応が十分反応を完結できる限り特に限定はない。具体的な時間は、原料化合物の量や種々の条件に依存するが、通常、すべての原料を混合したのち、1時間程度行えば十分である。
(エステル(a2))
こうして得られるエステル(a2)において、平均エステル化度とは、二糖1モルに対して、エステル化した置換安息香酸(1)のモル数を表す。好ましい平均エステル化度は、3.0以上、より好ましくは、4.5以上である。平均エステル化度が3.0未満の場合には、被着色樹脂を均一に着色できず、伸び白化が発生しやすく、また熱安定性が低下する傾向がある。一方、平均エステル化度の上限値は、二糖一分子が有する水酸基の数に等しく、各二糖ごとに異なる値である。例えば、二糖がスクロース、トレハロース、ラクトース、マルトースなどの場合には8であり、二糖がマルチトール、ラクチトールなどの場合には9である。
また、エステル(a2)は、JIS K0064で測定した融点が60〜150℃であることが好ましく、80〜110℃であることより好ましい。融点が上記範囲内であることにより、粉砕が容易になるという傾向がある。
エステル(a2)としては、1種または2種以上を使用することができる。
ビヒクル樹脂(a1)とエステル(a2)の配合量は、(a1)/(a2)(重量比)が、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、70/30〜40/60の範囲であることがより好ましい。該数値範囲内においては、製造時の混練および粉砕がより容易となるとともに、着色剤の凝集がより抑制できる傾向にある。すなわち、ビヒクル樹脂(a1)とエステル(a2)の合計配合量が100重量部の場合において、ビヒクル樹脂(a1)が90部以上である場合には、着色剤製造工程における混練及び粉砕がしにくくなる傾向があり、エステル(a2)が90部以上の場合には、混練および粉砕は容易になるものの、得られる着色剤が固まり易くなる傾向がある。
<可塑剤(a3)>
本発明の可塑剤(a3)としては、この分野で通常使用されるものをいずれも使用することができるが、具体的には、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)などのフタル酸エステル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)などのアジピン酸エステル、エポキシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤、液状アジピン酸ポリエステルなどのポリエステル系可塑剤などが挙げられる。
本発明の可塑剤(a3)は、混練が容易になる傾向があるとの観点から、JIS K0064で測定した融点が60℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましく、20℃以下であることがより好ましく、15℃未満(常温(15℃)で液体)であることがさらに好ましい。
可塑剤(a3)の配合量は、ビヒクル樹脂(a1)100重量部に対して、10〜150重量部の範囲内である。該数値範囲内の場合には、製造時の混練及び粉砕がより容易となる傾向がある。一方、可塑剤(a3)の配合量が少ないと、着色剤製造工程において混練が困難となる傾向があり、過剰であると粉砕が困難になる傾向がある。
可塑剤(a3)としては、1種または2種以上を使用することができる。
<顔料(a4)>
本発明の顔料(a4)としては、この分野で通常使用されるものをいずれも使用することができるが、具体的には、例えば、アゾ系顔料(縮合アゾイエローなど)、フタロシアニン系顔料(フタロシアニンブルーなど)、キナクリドン系顔料(キナクリドンレッドなど)、スレン系顔料(スレンブルーなど)などの有機顔料、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄(弁柄など)、黄鉛、体質顔料(炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなど)などの無機顔料が挙げられる。
顔料(a4)の配合量は、顔料の種類や着色剤の使用目的等により大きく異なり、特に限定されないが、通常はビヒクル樹脂(a1)、エステル(a2)および可塑剤(a3)の合計100重量部に対して、20〜300重量部、または、着色剤中の含有率が20〜80重量%である。
顔料(a4)としては、1種または2種以上を使用することができる。
<その他の配合剤>
本発明の樹脂着色剤には、必要に応じ、さらにワックス、安定剤等を添加することができる。ワックスとしては、炭化水素系、脂肪酸系、パラフィン系、エステル系等のワックスをいずれも好適に使用することができるが、その使用量としては着色剤中の含有率が15重量%以下となる範囲が通常であり、低滑性とするには5重量%以下とすることが好ましい。また安定剤としては、各種金属石けん、有機錫化合物、塩基性鉛化合物、バリウム−亜鉛系安定剤等の公知の安定剤をいずれも好適に使用することができる。
<樹脂着色剤の製造>
本発明の樹脂着色剤(A)は、従来公知の方法で製造することが可能であり、例えば、所定量のビヒクル樹脂(a1)、エステル(a2)、可塑剤(a3)および顔料(a4)、さらに必要に応じその他の配合剤を、混合機で混合攪拌した後、ニーダー、ロールミル等の混合機で混練して得ることができ、さらに、必要に応じ、粉砕機で粉砕すればよい。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂着色剤(A)は、被着色樹脂(B)と混合攪拌し、混練することにより、本発明の樹脂組成物とすることができる。かかる樹脂組成物を用いれば、着色を施した、種々の熱可塑性成形品を得ることができる。ここで、該樹脂組成物には、必要に応じ、可塑剤、安定剤などこの分野で通常使用される添加剤を配合することができる。なお、可塑剤または安定剤としては、上記のものをいずれも好適に使用することができる。
被着色樹脂(B)としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。このうち、塩化ビニル系樹脂が好ましい。ここで、塩化ビニル系樹脂としては、ビヒクル樹脂(a1)で説明した「塩化ビニル系樹脂を含んでなるもの」と同じものを使用することができる。
樹脂組成物における樹脂着色剤(A)の配合量は、被着色樹脂(B)100重量部に対して、通常、0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上である。0.01重量部未満では着色剤として機能させるに不十分となる傾向がある。同様に、樹脂着色剤(A)の配合量の上限値は、20重量部以下、好ましくは、10重量部以下である。20重量部超では樹脂の物性が低下する傾向がある。
樹脂組成物において、樹脂着色剤(A)としては1種または2種以上を使用することができ、被着色樹脂(B)としても1種または2種以上を使用することができる。
(塗料)
本発明の樹脂組成物には、さらに有機溶剤(C)を加えることができる。すなわち、樹脂着色剤(A)と、被着色樹脂(B)と、有機溶剤(C)とを混合攪拌することにより、塗料として使用することもできる。当該混合は、分散攪拌機などの混合機を用いて実施することができる。該塗料には、必要に応じ、この分野で通常使用される充填剤や変性剤等の添加剤を配合することができる。
有機溶剤(C)としては、本発明の樹脂着色剤(A)を溶解できるものであれば特に限定はなく、この分野で通常使用されるものをいずれも好適に使用することができるが、そのような具体例としては、例えば、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどの一種又は二種以上の混合溶剤などを挙げることができる。ビヒクル樹脂(a1)として塩化ビニルホモポリマーを使用する場合には、有機溶剤(C)として、テトラヒドロフランを使用することが好ましい。さらに、本発明の塗料には、樹脂着色剤(A)の溶解性を損なわない範囲で、樹脂着色剤(A)に対する溶解性の劣るまたは溶解性のほとんどないし全く無い有機溶剤を混合することもできる。
有機溶剤(C)の配合量は、樹脂着色物(A)と被着色樹脂(B)とを、塗料として適当な濃度となるよう希釈し得る量であれば特に制限はなく、そのような配合量としては、通常、樹脂着色物(A)と被着色樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.1重量部以上、好ましくは、1重量部以上である。同様に、有機溶剤(C)の配合量の上限値は、通常、1000重量部以下、好ましくは、500重量部以下である。
本明細書において、単に「部」というときは、「重量部」を意味する。
本明細書において、「平均エステル化度」は、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)によって求めた値である。
実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<使用した薬品等>
ビヒクル樹脂(a1)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:Aldrich社製の試薬(重合度(P)=1000)
キシレン−ホルムアルデヒド樹脂:Aldrich社製の試薬(重合度(P)=800
エステル(a2)
下記合成例で合成したもの。
可塑剤(a3)
ジ−2−エチルヘキシルフタレート:大八化学工業株式会社製の「DOP」
顔料(a4)
弁柄:森下弁柄工業株式会社製の「べんがら」
縮合アゾイエロー:レジノカラー工業株式会社製の「イエローNSB−127」
被着色樹脂(B)
塩化ビニルホモポリマー:太陽塩ビ株式会社製の「TH−1000」(重合度(P)=1000)
有機溶剤(C)
テトラヒドロフラン(THF):ナカライテスク株式会社製の試薬
安定剤
Ba−Zn系安定剤:NIケミテック株式会社製の「NS−B」
<エステル(a2)の合成>
合成例1
(ショ糖m−トルイレート(平均エステル化度5.8))
撹拌棒、温度計、冷却コンデンサー、滴下漏斗、およびpHメーターに接続したpH電極を備えた5つ口フラスコに、ショ糖30部と水70部を仕込み溶解した後、水浴で10℃以下に冷却しながら、m−トルイル酸クロライド79部を含むシクロヘキサノン100部を徐々に加え、均一に溶かした。20℃以下の温度を保ちながら、48%苛性ソーダ水溶液50.1部を、滴下漏斗よりpHが10〜11に保たれるような速度で加えた。滴下は1時間以内で終了した。その後、水浴を取り去り、20〜30℃の室温で、1時間撹拌を続け熟成して反応を完結させた。その後、若干量の炭酸ソーダを加え加熱して、微量に残っているm−トルイル酸クロライドを安息香酸ソーダに変換した。そして、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去することにより、ショ糖m−トルイル酸エステル(平均エステル化度5.8)を得た。
合成例2
(マルチトールm−トルイレート(平均置換度5.8))
ショ糖に代えてマルチトール30.0部、m−トルイル酸クロライド74部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、マルチトールm−トルイル酸エステル(平均エステル化度5.8)を得た。
合成例3
(トレハロースm−トルイレート(平均置換度5.8))
ショ糖に代えてトレハロース30.0部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、トレハロースm−トルイル酸エステル(平均エステル化度5.8)を得た。
合成例4
(ラクトースp−トルイレート(平均置換度5.8))
ショ糖に代えてラクトース30.0部を、および、m−トルイル酸クロライドに代えてp−トルイル酸クロライド79部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、マルトースp−トルイル酸エステル(平均エステル化度5.8)を得た。
合成例5
(マルトースo−エチル安息香酸エステル(平均置換度5.8))
ショ糖に代えてマルトース30.0部を、および、m−トルイル酸クロライドに代えてo−エチル安息香酸クロライド86部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、マルトースo−エチル安息香酸エステル(平均エステル化度5.8)を得た。
比較合成例1
(ショ糖ベンゾエート(平均置換度5.8))
m−トルイル酸クロライドに代えて塩化ベンゾイル71部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、ショ糖ベンゾエート(平均置換度5.8)を得た。
<樹脂着色剤の製造>
表1に記載の各成分を、ヘンシェルミキサーで混合した。混合物を120℃のニーダーで20分間混練した後、140℃の加熱三本ロールを通してシート状に加工し、冷却した。その後、該シート状混合物の1kgを10Lヘンシェルミキサーに投入し、10分間混合粉砕した後、0.5mmのスクリーンを有する篩機で篩分けし、粒径の大きな着色剤を除くことにより、着色剤A〜Hを製造した。
Figure 2014125565
<樹脂組成物の製造>
表2に記載の各成分を、小型撹拌機(100回転/分)で3分混合した後、脱泡し、各樹脂組成物を得た。
<評価>
こうして得た各樹脂組成物を、それぞれ、透明なPETフィルムに塗布厚み10mmのコーターで塗布し、室温で乾燥後、200℃で2分間乾燥してフィルムを得た。こうして得たフィルムを用いて、以下の評価を実施した。結果を表2に示す。
(色斑点)
得られたフィルムを目視で確認し、色斑点の有無を確認した。
(伸び白化)
得られたフィルムを1cm×2cmに切り、引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAGS−X)で1.5倍に伸ばした後のフィルムを目視で確認し、白化の有無を評価した。
(熱劣化)
得られたフィルムを1cm×2cmに切り、バットの上に置き、130℃に調整した恒温機(ヤマト科学株式会社製)で3時間の熱安定性試験を行い、目視により熱劣化(変色)の有無を評価した。
Figure 2014125565
本願の樹脂着色剤A〜Fを用いた実施例では、すべての評価項目において優れた特性が確認されたが、樹脂着色剤G(本願のエステル(a2)に代えてショ糖ベンゾエートを配合したもの)を用いた比較例1では色斑点、伸び白化および変色のすべてが観察され、また、樹脂着色剤H(本願のエステル(a2)に相当する成分を一切含まないもの)を用いた比較例2では伸び白化および変色が観察された。
本発明の樹脂着色剤は、樹脂を均一に着色でき、伸び白化を抑えることができ、かつ、熱安定性に優れるという特長を有するので、種々の熱可塑性樹脂の着色、とりわけ、着色剤の添加量が多く、着色剤の組成の影響が出やすい薄いシートやフィルム状の熱可塑性樹脂の着色や、塗膜の伸び白化が問題視されるキャスティングフィルム用の塗料などとして有用である。

Claims (6)

  1. ビヒクル樹脂(a1)、二糖と一般式(1)で示される置換安息香酸とのエステル(a2)、可塑剤(a3)、および、顔料(a4)を含んでなる樹脂着色剤。
    Figure 2014125565
    (式中、mは1〜5のいずれかの整数、Rはそれぞれ異なっていてもよい炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
  2. エステル(a2)の融点が、80〜110℃である請求項1に記載の樹脂着色剤。
  3. ビヒクル樹脂(a1)とエステル(a2)の重量比が、(a1)/(a2)=10/90〜90/10である請求項1または2に記載の樹脂着色剤。
  4. エステル(a2)の平均エステル化度が、3.0以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂着色剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂着色剤(A)と、被着色樹脂(B)とを含んでなる樹脂組成物。
  6. 請求項5記載の樹脂組成物を用いてなる塗料。
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