JP2014125092A - スイッチの状態変化監視回路、移動体の状態監視システム、状態監視機能を備えた移動体および状態監視対応スイッチ - Google Patents

スイッチの状態変化監視回路、移動体の状態監視システム、状態監視機能を備えた移動体および状態監視対応スイッチ Download PDF

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Abstract

【課題】
車両などの移動体の待機状態における消費電力を可及的に引き下げた動作によって全ての監視対象スイッチの状態を監視し、変化発生時にこれを速やかに検出できるスイッチの状態変化監視回路、移動体の状態監視システム、状態監視機能を備えた移動体および状態監視対応スイッチを提供する。
【解決手段】
監視対象スイッチ4,5の接点に接続4X,4Y,5X,5Yされて周期的な監視パルスP1を印加するパルス印加回路17と、このパルス印加回路17と前記監視対象スイッチ4,5の接続部Pの電圧の積分値を求める積分回路と、この積分回路に接続されて積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力する増幅回路と、この増幅回路に接続されて前記増幅積分値の変化から微分値を求める微分回路と、この微分回路に接続されて前記微分値から監視対象スイッチの状態変化を判定する変化判定回路とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、スイッチの状態変化監視回路、移動体の状態監視システム、状態監視機能を備えた移動体および状態監視対応スイッチに関する。
近年、車両内の通信回路において、低コスト化や軽量化を目的として、例えばアクチュエータやスイッチと、制御装置とを相互に接続する信号線を削減することが望まれている。そこで、通信信号を多重化することが考えられるが、通常、多重化を行う場合には各通信ノードがそれぞれマイコンを備えており、互いのマイコンのタイマーにより同期を取る必要があるが、この場合もやはりコストが嵩んでしまう。そこで、各通信ノードにマイコンを設けることなく通信の多重化を実現するための技術が提案されている。(下記特許文献1)
ところで、車両の駐車状態ではセキュリティシステムによる監視を常時行っており、特にドアロック状態を監視している。図9は従来の制御システムが休止状態である車両の状態監視を行うセキュリティシステムの回路構成の一例を示す図である。この図9において、91,92は監視対象となるスイッチ、93はこれらのスイッチ91,92の状態を監視してセキュリティ保全を行なう制御部、94,95は各スイッチ91,92にプルアップ電源を供給するためのドライブ回路であり、Rはそれぞれプルアップ抵抗である。
前記制御部93はドライブ回路94,95とプルアップ抵抗Rを用いてスイッチ91,92の各接点91a,91b、92a,92bに電圧を印加させ、接点91a,91b、92a,92bと制御部93を信号線96a,96b、97a,97bによって制御部93に接続してその部分の電圧を測定することにより、スイッチ91,92の状態を確実に監視することができる。つまり、駐車時の車両において盗難の危険を検出してこれを通知することにより、盗難発生を未然に防ぐことができる。
特開2011−146954号公報
しかし、上記特許文献1のようなタイマーを持たないICチップを車両の通信回路に組み込んだ場合、駐車時における動作モードである省電力状態からの復帰をすることができないため、ドアロック状態の監視を行うことができないという問題が発生する。また、仮にICチップを常時起動させた場合には、前記スイッチ91,92の状態を制御部93によって監視するためにプルアップ抵抗Rを設けているので、このプルアップ抵抗Rに常時電流が流れることになり、いわゆる暗電流が増加することが避けられず、電力消費がかさんでしまうという問題があった。
加えて、図9のような回路では、信号の多重化による信号線の削減が困難であり、上記状態監視だけのためにスイッチ91,92の接点91a,91b、92a,92b毎に別個の信号線96a,96b、97a,97bを配線することにより、これらの信号線96a,96b、97a,97bによって、構造の複雑化を招くことは避けられなかった。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、車両などの移動体の待機状態における消費電力を可及的に引き下げた動作によって全ての監視対象スイッチの状態を監視し、変化発生時にこれを速やかに検出できるスイッチの状態変化監視回路、移動体の状態監視システム、状態監視機能を備えた移動体および状態監視対応スイッチを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、第1発明は、監視対象スイッチの接点に接続されて周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路と、このパルス印加回路と前記監視対象スイッチの接続部の電圧の積分値を求める積分回路と、この積分回路に接続されて積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力する増幅回路と、この増幅回路に接続されて前記増幅積分値の変化から微分値を求める微分回路と、この微分回路に接続されて前記微分値から監視対象スイッチの状態変化を判定する変化判定回路とを備えるスイッチの状態変化監視回路を提供する。(請求項1)
前記パルス印加回路は監視対象スイッチに周期的な監視パルスを印加するので、監視対象スイッチがオン状態であれば、監視パルスは監視対象スイッチに流れ、パルス印加回路と監視対象スイッチの接続部の電圧は監視パルス印加時だけ幾らか上昇するものの、監視パルスが印加されなくなると監視対象スイッチの接続部の電圧の積分値は速やかに低下する。一方、監視対象スイッチがオフ状態のときは、監視パルスが監視対象スイッチを介して流れることがないので、監視パルスがオンのときに監視対象スイッチの接続部の電圧の積分値が上昇し、監視パルスが印加されていない間もその状態を保つことができる。
増幅回路は積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力するので、この増幅積分値は閾値を中心に増幅されて監視対象スイッチの状態変化の変化点を明瞭にし、微分回路が増幅積分値の変化から微分値を求めて出力することにより、状態変化をさらに明瞭に捕らえることができる。
微分回路は監視対象スイッチの状態がオン状態からオフ状態に変化した時点またはオフ状態からオン状態に変化した時点においてプラスの微分値またはマイナスの微分値を求める。
そして、変化判定回路は前記微分回路によって求められる微分値により監視対象スイッチの状態がオン状態からオフ状態に変化した時点またはオフ状態からオン状態に変化した時点においてその状態変化を判定することができる。
上記パルス印加回路は簡単な発信回路またはタイマー回路によって容易に構成することができ、その構成が簡素であるから消費電力を可及的に抑えることができるだけでなく、監視パルスのデューティ比を低くすればするほど監視対象スイッチに流す電流も低く抑えて省エネルギー化を図り、それだけバッテリにかける負荷を小さくすることができる。この消費電流を抑えることは、車両など、バッテリを電源とする装置、とりわけ移動体において重要である。また、パルス印加回路は監視対象スイッチの近傍に設けることが好ましく、これによって監視パルスを供給するための信号線を不要とすることができ、それだけ製造コストを削減することができる。
監視パルスは例えばFETなど、電圧制御の比較的高速動作できるスイッチング素子を介して供給されることにより瞬間的に監視パルスを供給することができ、それだけ消費電流を小さくすることができる。なお、パルス印加回路と監視対象スイッチの接続部にはダイオードを介在させて逆流を防ぐことが好ましい。また、パルス印加回路はスイッチを監視する必要が無いときには発振を停止させることができるように構成することが好ましい。
前記積分回路は前記監視パルスの周期およびデューティ比に合わせて、監視対象スイッチがオフとなったときに積算値が速やかに変動する時定数を選択して形成されるものであり、例えばコンデンサとこれに電荷を蓄積する時間を調節する抵抗とを備えるものであることが好ましい。なお、積分回路をコイルとコイルに流れる電流の立ち上がりを調整する抵抗によって形成してもよい。つまり、抵抗、コンデンサ、コイルなどの受動素子を用いることにより、積算回路の消費電力の削減を図ることができる。しかしながら、アンプなどの能動素子を介在させてもよいことはいうまでもない。
前記増幅回路は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)のように、その動作点における電圧制御によるスイッチングを行なうものであることにより、増幅回路の消費電力を小さく抑えながら積分値を正しく出力させることができるので好ましい。増幅積分値を求めるための増幅の中心(動作点)となる閾値は前記積分値の立ち上がりを速やかに検出できるように誤動作しない程度に低い値に設定することが好ましく、増幅回路としてFETを用いる場合には数百m〜数V程度の低い電圧を閾値とすることができる。
なお、MOSFETの代わりに、IGFET(Insulated-Gate FET) やMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)などのFETを用いても同様の作用を得ることができる。増幅回路はFETを含むトランジスタを1石用いるだけで容易に形成でき、この場合は反転増幅になるが、消費電力を必要最小限に抑えることができる。しかしながら、オペアンプのようなものを用いて非反転増幅を行ってもよいことはいうまでもない。
さらに、微分回路は例えばパルス印加回路の発信周波数およびデューティ比などによって時定数を定めたコンデンサと抵抗を組み合わせたものを用いることができる。その時定数は増幅積分値の変化の早さと、前記微分値として求めるべき信号の高さや長さに合わせて増幅積分値の変化を十分に反映し、短い時間内に元の値に収束する程度の時定数を定めることができる。なお、微分回路をコンデンサの代わりにコイルを用いて形成してもよく、抵抗、コンデンサ、コイルなどの受動素子を用いることにより、消費電力の削減を図ることができるが、アンプなどを用いた能動素子を用いてもよいことはいうまでもない。
前記変化判定回路は前記微分値を閾値と比較し、微分値が閾値を超えるときに監視対象スイッチの状態変化を示す状態変化検出信号(例えばパルス)を出力する。状態変化検出信号は車載LANその他のシリアル通信を行う既存の信号線に出力することにより、新たな信号線を配線する必要がない。この場合、シリアル通信のコントローラなど、信号線を別のコントローラが用いる通常動動作状態では前期パルス印加回路の発信部の動作を停止させて、信号線に信号の重複が発生しないようにすることが好ましい。
なお、前記変化判定回路の閾値はプラス電位でもマイナス電位でも、前記微分値の極性に合わせて設定する。変化判定回路がプラス電位のみならずマイナス電位の変化においても閾値を設定するものであれば、監視対象スイッチのオン状態からオフ状態に変化する変化点とオフ状態からオン状態に変化する変化点の両方の状態変化を判定することも可能である。
上述のように前記変化判定回路が監視対象スイッチの状態変化を判定して状態変化検出信号を出力するとき、この状態変化検出信号を用いて監視対象スイッチの状態変化を容易に確認できるので、車両などの移動体の制御部を通常の動作状態よりも省電力動作させた待機状態において、監視対象スイッチの状態を監視するのに適しているが、この状態変化の判定結果をスイッチ状態を送信するためのイベントとして用いることも可能である。つまり、監視対象スイッチの状態が変化したときにこれをイベントとしてスイッチ状態を示すデータの通信を開始することにより、通信データ量を削減すると共に操作に対する即時性を可能な限り得られるようにすることも可能である。
前記増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を出力する反転回路と、この反転回路に接続されて反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める反転微分回路を備え、前記変化判定回路は反転微分回路にも接続されてその反転微分値から監視対象スイッチの逆方向の状態変化も判定するものである場合(請求項2)には、反転回路が増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を求めるので、反転微分回路は前記微分回路とは逆方向の反転微分値を求めることができる。したがって、変化判定回路はこの反転微分値を用いることにより、前記微分値から判定するスイッチの状態変化と逆の状態変化を容易に判定することができる。なお、この場合の変化判定回路は一つの動作点における電流増幅を行う一つのトランジスタによってシンプルに形成することができる。
第2発明は、監視対象スイッチの各接点に接続されてそれぞれに周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路と、このパルス印加回路と各接点との接続部の電圧の積分値をそれぞれ求める複数の積分回路と、これらの積分回路に接続されて各積分値を閾値と比較して増幅したそれぞれの増幅積分値を出力する複数の増幅回路と、これらの増幅回路に接続されて前記各増幅積分値の変化からそれぞれの微分値を求める複数の微分回路とを備え、前記変化判定回路は前記各微分回路に接続されて何れかの微分値から何れかの接点の状態変化があるときに変化検出信号を出力する変化判定回路とを備えることを特徴とするスイッチの状態変化監視回路を提供する。(請求項3)
パルス印加回路によって生成される監視パルスが監視対象スイッチの各接点に印加され、各接点に対応して複数設けた積分回路が監視対象スイッチの各接点に接続されて積分値をそれぞれ求め、これらの増幅回路が各接点の接続部の電圧の増幅積分値をそれぞれ出力し、各微分回路がそれぞれの微分値を求める。したがって、変化判定回路は複数の微分値から監視対象スイッチの各接点の状態変化をそれぞれ検知し、何れかの接点であっても変化があるときに変化検出信号を出力することができる。
すなわち、複数の接点を有する監視対象スイッチの場合、一つのパルス印加回路からの監視パルスを各接点に印加させた状態で、それぞれの接点に積分回路と増幅回路と微分回路を設けることにより、同時に複数の接点の状態を各接点に対応する微分回路によって求められた複数の微分値によって監視して変化検出信号を通知することができる。つまり、パルス印加回路および変化判定回路はすべての接点に共有させることにより、それだけスイッチの状態変化監視回路の構成を簡素にすることができる。
監視対象スイッチは2以上の複数の接点を有するものであり、例えばa接点とb接点の両方を備えるスイッチ、ロータリーエンコーダなどの多数の接点を備えるスイッチなど、特殊スイッチを含む種々のスイッチを監視対象とすることが可能である。その他の構成要素については第1発明と同じである。
前記各増幅積分値を反転させた反転増幅積分値をそれぞれ出力する複数の反転回路と、これらの反転回路を介して接続されて各反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める複数の反転微分回路を備え、前記変化判定回路は各反転微分回路にも接続されて各反転微分値から監視対象スイッチの各接点の逆方向の状態変化も判定するものである場合(請求項4)には、各反転回路が各増幅積分値を反転させた反転増幅積分値をそれぞれ出力するので、各反転微分回路は前記各微分回路とは逆方向の反転微分値をそれぞれ求めることができる。したがって、変化判定回路はこれらの反転微分値を用いることにより、例えば一つの動作点における電流増幅を行う一つのスイッチング素子などを用いて、前記各微分値から判定するすべての接点の状態変化と逆の状態変化を容易に判定することができる。
第3発明は、前記スイッチの状態変化監視回路に接続され、車両の制御部を通常動作状態よりも省電力動作させた待機状態で車両に備わる複数のスイッチの状態を監視する移動体の状態監視システムであって、すべての監視対象スイッチに設けた状態変化監視回路の変化判定回路に接続される信号線と、この信号線を介して接続される何れかの状態変化監視回路から状態変化を判定したことを示す状態変化検出信号を受信したときに前記制御部の待機状態を解除させる監視手段を備えることを特徴とする車両の移動体の状態監視システムを提供する。(請求項5)
前記変化判定回路は監視対象スイッチに変化が発生するときに、信号線に状態変化検出信号を送信する。前記監視手段は信号線を介して接続される何れかの変化判定回路から状態変化検出信号を受信することによって監視対象の何れかのスイッチの状態が変化したことを確認することができ、制御部の待機状態を解除させる。待機状態から通常動作状態に切り替えられた制御部は通常動作による通信を行って各スイッチの状態を確認し、どのスイッチがどんな状態を検知しているのかを確認することができる。
つまり、本発明の移動体の状態監視システムによれば、従来のように各監視対象スイッチと制御部とを接続する個別の信号線をそれぞれ必要としておらず、全ての監視対象スイッチに配線される共通の信号線を用いて全ての監視対象スイッチのうち何れか一つでも変化を検知するときにはこれを用いて制御部の待機状態を解除するので、盗難などの問題が発生しているかどうかを速やかに検知して対応することができるので、車内の省線化に貢献することができる。
前記信号線は通常動作状態で車載LANの信号線として用いられるものであっても良く、この場合は新たな信号線を設ける必要がないので、それだけ製造コスト削減することができる。また、この場合のパルス印加回路は、信号線を用いる車載LANなどのコントローラが動作しているときに監視パルスの発信を停止させるものであることが好ましい。しかしながら、監視対象スイッチの状態変化を検出するための信号線を車載LANの通信線と別に設けてもよいことはいうまでもない。
前記監視対象スイッチの状態を切り替えるアクチュエータと、このアクチュエータおよび前記信号線に接続されて通常動作状態では通信線から受信する接点情報に従ってアクチュエータに電力を供給する接点情報入出力回路とを備える場合(請求項6)には、通常運転状態では通信線から受信する接点情報に従って接点情報入出力回路がアクチュエータに電力を供給するので、信号線に接続された制御部がアクチュエータを遠隔制御して、監視対象スイッチの状態を切り替えることができる。また、接点情報入出力回路には監視対象スイッチに監視パルスを印加させるためのタイマ回路を設ける必要が無いので、接点方法入出力回路はフルロジックの汎用ICを用いることができる。
前記信号線は通常動作状態においては前記接点情報入出力回路が監視対象スイッチの状態を含む接点情報の送受信を行うために用いられ、待機状態においては前記状態変化検出信号の送受信のために用いられるものである場合(請求項7)には、制御部が待機状態であるときに、通常動作状態では接点情報入出力回路が接点情報の送受信のために用いている信号線を状態変化検出信号の送受信のために用いるので、信号線を有効に活用することができ、それだけ製造コストの削減と軽量化に寄与することができる。
信号線は元々接点情報の信号を送受信するために用いるものであり、大電流を流すものでも高電圧がかかるものでもないので、状態変化検出信号の送受信に適しており、信号線に送受信する信号の切り替え部にも、高耐圧の素子を必要としておらず、更なる製造コストの削減と軽量化に寄与することができる。
前記監視対象スイッチは移動体のドアの施錠・解錠に連動するスイッチであり、前記パルス印加回路は前記待機状態において監視パルスを印加するものであり、前記監視手段は待機状態において状態変化検出信号を受信したときにこれを盗難警告状態として検出するものである場合(請求項8)には、制御部が待機状態になっているような停止状態においても、信号線を介して監視対象スイッチの状態変化を監視することにより、車両などの移動体が盗難に遭わないように監視することができる。
第4発明は、前記移動体の状態監視システムを有し、移動体の停止状態では動作速度を引き下げた待機状態に切り替えて前記監視手段が状態変化を検出したときに通常動作状態に切り替える制御部を有することを特徴とする状態監視機能を備えた移動体を提供する。(請求項9)
すなわち、移動体の停止状態においては車両内の各部に配置された監視対象スイッチによって状態を監視する移動体の状態監視システムを極めて簡素化された構成で導入することができるので、セキュリティ向上を低コストにて実現することができる。移動体は最適には車両であり、他にも船舶、飛行機などバッテリを電源とするあらゆるものが考えられる。
第5発明は、監視対象スイッチに接続されてその接点の状態を出力する接点出力部と、監視対象スイッチに接続されて周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路と、このパルス印加回路と前記監視対象スイッチの接続部の電圧の積分値を求める積分回路と、この積分回路に接続されて積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力する増幅回路と、この増幅回路に接続されて前記増幅積分値の変化から微分値を求める微分回路と、この微分回路に接続されて前記微分値から監視対象スイッチの状態変化を判定する変化判定回路と、この変化判定回路によって状態変化を判定したときに状態変化検出信号を出力する状態変化出力部とを備えることを特徴とする状態監視対応スイッチを提供する。(請求項10)
前記状態監視対応スイッチは、スイッチの接点の状態を出力する接点出力部のみならず、スイッチの状態を監視し、状態変化が発生するときに状態変化検出信号を出力する状態変化出力部を備えるので、この状態変化出力部に信号線を接続することにより、前記スイッチを前記移動体の状態監視システムによって状態監視を行なう対象となる監視対象スイッチとすることができる。
前記増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を出力する反転回路と、この反転回路を介して接続されて反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める反転微分回路を備え、前記変化判定回路は反転微分回路にも接続されてその反転微分値から監視対象スイッチの逆方向の状態変化も判定するものである場合(請求項11)には、反転回路が増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を出力するので、反転微分回路は前記微分回路とは逆方向の反転微分値を求めることができる。したがって、変化判定回路はこの反転微分値を用いることにより、前記微分値から判定するスイッチの状態変化と逆の状態変化を容易に判定することができる。なお、変化判定回路は一つの動作点における電流増幅を行う一つのトランジスタによってシンプルに形成することができる。
前述したように、本発明によれば、移動体の電源として用いられるバッテリに負担をかけることなく、また、多くの信号線を配線することなく、移動体に取り付けたすべての監視対象スイッチの状態を常時監視することができ、状態変化が発生した時点で即座にこれを検出できるので、車両のセキュリティ向上を容易に図ることができる。
本発明の第1実施形態の移動体の状態監視システムおよび状態監視機能を備えた移動体の構成を示す図である。 図1に示す移動体の状態監視システムおよびスイッチの状態変化監視回路の構成を示すブロック図である。 前記移動体の状態監視システムおよびスイッチの状態変化監視回路の構成をより詳細に示す図である。 前記移動体の状態監視システムにおける状態監視方法を説明する図である。 前記信号線に送信される監視パルスおよび状態変化検出信号の一例を示す図である。 前記移動体の状態監視システムに接続可能な第2実施形態の状態監視対応スイッチの構成を説明する図である。 第3実施形態の状態監視対応スイッチの構成を示す図である。 第4実施形態の状態監視対応スイッチの構成を示す図である。 従来の制御装置において異常を検知する回路構成の一例を示す図である。
以下、図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る移動体の状態監視システム1と、状態監視機能を備えた移動体の一例としての車両2およびスイッチの状態変化監視回路15を説明する。図1は本発明の移動体の状態監視システム1とこの状態監視システム1による状態監視機能を備えた車両2を示す。
図1に示す車両2は、前方の両側にドア3A,3B、後方にスライドドア3C,3Dを備えるものであり、各ドア3A〜3Dにはその施解錠状態を検知するようにドア3A〜3Dの施錠・解錠に連動するシルコンスイッチ4A〜4Dを備え、前方の運転席側ドア3Aにはキー操作スイッチ5を備える。また、6A〜6Dは各ドア3A〜3Dの施解錠を行なうアクチュエータであり、7A〜7Dは前記シルコンスイッチ4A〜4D、キー操作スイッチ5およびアクチュエータ6A〜6Dに接続されてこれらを制御するドアロックユニット、8は少なくとも各ドアロックユニット7A〜7Dに接続されて車両2に関する各部の制御を行なう制御部、9は制御部8とドアロックユニット7A〜7Dを接続する信号線である。
なお、以下の説明において、各部材3A〜3D、4A〜4D、6A〜6D,7A〜7Dに区別が不要である場合には、それぞれ、符号3、4、6、7を用いて説明することにより、説明を簡単にする。なお、本実施形態の場合、スイッチ4Aは2つの接点4X,4Yを有し、接点4Xはノーマルクローズ、接点4Yはノーマルオープンである。一方、スイッチ5Bは2つの接点5X,5Yを有し、両接点5X,5Yは何れもノーマルオープンである。
また、本実施形態において、少なくともシルコンスイッチ4およびキー操作スイッチ5が制御部8による監視対象となるので、このような意味でスイッチ4,5を説明するときには、監視対象スイッチ4,5と表現する。また、前記制御部8は、車両2に搭載される各アクチュエータを制御する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)として構成してもよい。
前記制御部8は信号線9を用いて各ドアロックユニット7との通信を行なうことにより、各アクチュエータ6を動作させてドア3の施解錠を行なったり、各スイッチ4,5の状態を確認することができるように構成している。
加えて制御部8は車両2の停止時などには、各ドアロックユニット7へのアクセサリ電源の電力供給を停止させて車両2を待機状態にして、図外のバッテリへの負担をできるだけ小さくすると共に、制御部8の動作速度を引き下げて、制御部8自体の消費電力も低下させた省電力モードの動作を行なうことができるように構成している。
図2は移動体の状態監視システム1の構成を説明するブロック図である。図2に示すように、制御部8はCPU10と、前記信号線9に接続されてCPU10と前記ドアロックユニット7の間でデータの通信を行なう通信回路11と、信号線9に接続されて監視対象スイッチ4,5の状態変化を監視し前記監視対象スイッチ4,5の状態変化を示す状態変化検出信号Siを受信するときに制御部8の待機状態を解除させる監視手段12とを備える。
前記CPU10は通常動作状態の時に通常動作の制御を行なう通常動作プログラム10Aと、省電力モードの待機状態の時に待機動作の制御を行なう待機動作プログラム10Bとを実行可能であり制御方法を切り替え可能に構成している。なお、待機状態と通常動作状態の切り替えは、例えば車両2のイグニッションスイッチに連動し、車載機器への電源供給が行われている状態でアクセサリ電源がオンとなるように構成されていてもよい。
他方、ドアロックユニット7はスイッチ4,5にダイオードD1を介して接続されて各接点4X,4Y,5X,5Y…の接点情報を確認しこの接点情報を制御部8に送信すると共に、制御部8から受信する接点情報によってアクチュエータ6に電力を供給する接点情報入出力回路15と、監視対象スイッチ4,5と信号線9の間に介在し監視対象スイッチ4,5の状態変化を検知したときに状態変化検出信号Siを信号線9に送信する状態変化監視回路16とを備える。なお、この状態変化監視回路16は監視対象スイッチ4,5の構成に合わせて異なる構成に形成されており、これらを区別するときには符号16A,16B…を用いる。
接点情報入出力回路15は通常動作時においては信号線9を用いて前記接点情報の送受信を行うが、前記省電力動作時には信号線9を用いた通信を停止し、例えば状態変化監視回路16に信号線9の使用権を与える信号線使用許可信号Laを出力する。
前記状態変化監視回路16は監視対象スイッチ4,5の接点に接続されて周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路17と、このパルス印加回路17と前記監視対象スイッチ4,5の接続部の電圧の積分値を求める積分回路18と、この積分回路18に接続されて積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力する増幅回路19と、この増幅回路に接続されて前記増幅積分値の変化から微分値を求める微分回路20と、前記増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を出力する反転回路21と、この反転回路21に接続されて反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める反転微分回路22と、前記微分回路20および反転微分回路22に接続されて前記微分値および反転微分値から監視対象スイッチの状態変化を判定する変化判定回路23とを備える。
前記パルス印加回路17はスイッチ4,5の構成に合わせて複数に分岐接続されるものであり、パルス印加回路17からの監視パルスP1はダイオードD2を介して複数の接点4X,4Y,5X,5Yのそれぞれに供給される。また、前記パルス印加回路17は前記信号線使用許可信号Laを受信するときのみ監視パルスを出力するように構成することにより、信号線9を介する接点情報のデータ通信と状態変化検出信号Siが干渉することがないようにする。ダイオードD1,D2は前記状態変化監視回路16および接点情報入出力回路15からスイッチ4,5に供給する電流が接点情報入出力回路15および状態変化監視回路16に流れないようにするものである。
また、前記状態変化監視回路16A,16Bの構成は監視対象スイッチ4,5の接点構成に合わせて形成され、複数の接点4X,4Y,5X,5Yの状態監視を行う状態変化監視回路16Aは、各接点4X,4Y,5X,5Yに対応して複数の積分回路18,増幅回路19、微分回路20、反転回路21および反転微分回路22を備え、変化判定回路23はすべての反転微分回路22からの反転微分値を用いて何れかの接点4X,4Y,5X,5Yにおいて状態変化が発生したときに状態変化検出信号Siを出力する。
なお、図2,3において図面を簡素にするために各接点4X,4Y,5X,5Yに合わせてそれぞれ設けた各部材18〜22,D1,D2のうち接点4Xに接続されたもののみに符号を付している。一方、本実施形態の場合、スイッチ4B,4C…の接点は一つであるから、前記各部材18〜22をぞれぞれ1つずつ備える構成を示す。
図3は前記移動体の状態監視システム1のより具体的な構成の一例を示す図である。図3に示すように、前記CPU10は省電力モードの動作時に実行する待機動作プログラム10Bとして、各状態変化監視回路16からの状態変化検出信号Siの受信を監視して制御部8を待機状態から通常動作状態に切り替えるための監視プログラムを実行する。
前記監視パルス印加回路17はデューティ比の低い監視パルス信号P1を発生させて監視対象スイッチ4,5に印加するものであり、発信部17Aと電流増幅した監視パルスP1を印加するFET等の半導体素子で構成されたドライバ回路17Bとを備える。なお、前記監視パルス信号P1のデューティ比は例えば2%であり、5〜10ms周期で100〜200μs幅のパルスである。
前記積分回路18は、前記監視パルス印加回路17と監視対象スイッチ4(5)の接続部Pに接続される抵抗18Aと、この抵抗18Aとバッテリ電源Bとの間に接続されるコンデンサ18Bとからなる。また、抵抗18Aとコンデンサ18Bの接続部の電位が積分値として出力される。
前記増幅回路19は積分値を閾値と比較してスイッチング動作するMOSFETであり、本実施形態の場合、閾値が1〜2.5Vであり、この閾値を動作点の中心としてオン・オフ動作することにより電流増幅を行って増幅積分値を出力する。本実施形態の増幅回路19による増幅はMOSFETを1つだけ用いる反転増幅であり、前記積分値を閾値によって反転増幅したものとなっているが、非反転増幅を行うオペアンプなどの増幅器を設けてもよい。なお、増幅回路19がMOSFETであるから、増幅回路19のスイッチングは電圧制御であり電流をほとんど流さないので、入力側の積分値の波形を正確に得ることができる。
前記微分回路20は増幅回路19から出力される増幅積分値の微分を求めるように、増幅回路19とバッテリ電源Bとの間に接続された抵抗20Aと、この抵抗20Aと増幅回路19との接続部に一端が接続されたコンデンサ20Bと、このコンデンサ20Bの他端側に接続される抵抗rを備える。このコンデンサ20Bの他端側には抵抗r,20Aの値とコンデンサ20Bの容量によって定まる時定数の積分値を得ることができる。
前記反転回路21は前記増幅回路19から出力される増幅積分値を閾値と比較してスイッチング動作するMOSFETであり、その閾値は1〜2.5Vである。したがって、反転回路21の出力は増幅回路19の増幅積分値に少し遅れて反転出力するパルス状の反転微分値を出力する。なお、増幅回路21がMOSFETであるから、増幅回路21に電流をほとんど流さないので、入力側の増幅積分値の波形を正確に得ることができる。
前記反転微分回路22は反転増幅回路21から出力される反転増幅積分値の微分を求めるように、反転増幅回路21とバッテリ電源Bとの間に接続された抵抗22Aと、この抵抗22Aと反転増幅回路21との接続部に一端が接続されたコンデンサ22Bと、このコンデンサ22Bの他端側に接続される抵抗rを備える。このコンデンサ22Bの他端側には抵抗r,22Aの値とコンデンサ22Bの容量によって定まる時定数の反転積分値を得ることができる。
なお、前記抵抗rは微分回路20、反転微分回路22の時定数に共通して影響を与えるものであり、両コンデンサ20B,22Bは積分値と反転積分値を容量性カップリングによって変化判定回路23に伝達する機能も果たしている。
前記変化判定回路23の主要な構成は微分回路20によって求められる微分値と、微分回路22によって求められる反転微分値、および各接点4Y,5X,5Yに対応する各微分値と反転微分値をベースに入力すると共に、ベース電圧が閾値を超えるときに電流増幅した状態変化検出信号Siを出力するトランジスタ23Aからなるアンプである。また、23B,23Cは状態変化検出信号Siの出力を安定化させるための抵抗とコンデンサである。
図4は前記スイッチの状態変化監視回路16の各部の波形を測定した結果を示す図であり、図4において、P0は前記ドライバ回路18Bのトリガパルス信号であり、V1は積算値を示す。以下、図4を図3と共に参照しながら、スイッチの状態変化監視回路16の動作を説明する。
すなわち、監視対象スイッチ4(5)がオン状態であるときには、パルス印加回路17と監視対象スイッチ4(5)の接続点Pの電位は0であるので、コンデンサ18Bには電荷が蓄えられてその両端には電位差が発生している。
時点t1においてスイッチ4(5)がオン状態からオフ状態になると、積算値V1は速やかに上昇し、すぐに増幅回路19(MOSFET)の閾値Th1を超えるので、増幅回路19は速やかにオン状態になり、増幅回路19から出力される増幅積分値(図示していない)の立ち上がりエッジを微分回路20が捕らえて、スイッチ4(5)がオンからオフに切り替わったことを示すパルスを出力し、前記変化判定回路23はこのパルスをトランジスタによって電流増幅して状態変化検出信号Si1を出力する。
なお、監視対象スイッチ4(5)がオフ状態である間は前記接続点Pに監視パルスP1が印加された分だけ接続点Pの電圧が積算されて上昇する。このとき、前記コンデンサ18Bの他端はバッテリ電源Bに接続されているのでコンデンサ18Bに蓄えられた電荷は抵抗18Aを介して徐々に放電される。
次いで、時点t1においてスイッチ4(5)がオフ状態からオン状態になると、前記接続点Pの電位が0になるので、前記コンデンサ18Bから抵抗18Aを介してスイッチ4(5)に電流が流れるので、コンデンサ18Bの両端に徐々に電位差が発生する。つまり、時点t2からコンデンサ18Bの充電による僅かな時間Δtだけ遅れて増幅回路19がオフとなるので、反転回路21はスイッチ4(5)の状態に微小時間Δtだけ遅れた反転パルス(図示していない)を出力する。
前記微分回路22は前記反転パルスの立ち上がりエッジを捕らえて、スイッチ4(5)がオフからオンに切り替わったことを示すパルスを出力し、前記変化判定回路23はこのパルスをトランジスタによって電流増幅して状態変化検出信号Si2を出力する。
つまり、本実施形態のスイッチの状態変化監視回路16では、スイッチ4(5)がオン状態からオフ状態に切り替わったことを示す状態変化検出信号Si1のみならず、オフ状態からオン状態に切り替わったことを示す状態変化検出信号Si2を出力するので、監視対象スイッチ4(5)の状態に何らかの変化があることを速やかに検出することができる。
前記状態変化検出信号Siは信号線9を介して送信され、ECU8内の監視手段12によって監視される。つまり、監視対象スイッチ4はシルコンスイッチであるから、ECU8は状態変化検出信号Siを受信するときに盗難警告状態を検出することができる。監視手段12は例えば信号線9の電位を所定の閾値と比較してこれを超える状態変化検出信号Siを受信するときにCPU10に警告信号Waを出力し、CPU10は待機動作プログラム10Bによって警告信号Waを受信するときにCPU10を通常動作状態に復帰し、通常動作プログラム10Aを実行させるように切り替えることができる。なお、本実施形態において、監視手段12をハードウェアによって形成する例を示しているが、待機動作プログラム10Bが監視手段として機能するプログラムを備えるようにしてもよいことはいうまでもない。
本実施形態のスイッチの状態変化監視回路16を構成する各部材17〜23は何れも電力消費が極めて小さい素子であり、その構成が極めて簡素であるから、それだけ、暗電流を低く抑えてバッテリにかける負荷を可能な限り引き下げることができる。また、コンデンサ20B,22Bの容量性カップリングによって複数の接点4X,4Y,5X,5Yの状態を纏めて監視することが可能であり、何れかの接点4X,4Y,5X,5Yの状態が変化するときにこれを確実に捕らえることができる。
とりわけ、本実施形態では前記監視パルスP1の印加回路17および増幅回路19,21として一つのMOSFETを用いているので、暗電流の実測値は100μA程度であり、複数の監視対象スイッチ4,5…の状態を極めて省エネルギーの状態監視システム1によって監視することができる。
これらに加えて、本発明のスイッチの状態変化監視回路16はその構成が簡素であるから、車両2の状態監視システム1の製造コストを可及的に削減することができる。前記状態監視は車両2のセキュリティ管理に極めて有用であり、車両2の盗難防止システムを極めて安価にて実現できるので、車両2の付加価値を高めることができる。
図5は前記移動体の状態監視システム1による状態監視方法の例を示すものである。
まず、制御部8は車両2を待機状態に切り替える。つまり、アクセサリ電源の供給を停止させることにより各ドアロックユニット7A,7B…を含む各電装機器に対する電力の供給を停止させる。また、このときCPU10の動作速度を下げて待機動作プログラム10Bを実行する。(ステップSt1)
監視対象スイッチ4,5側においては、各ドアロックユニット7内の接点情報入出力回路15は信号線9による通常の通信を停止して、状態変化監視回路16に前記信号線使用許可信号Laを出力する。(ステップSt2)
また、前記状態変化監視回路16は信号線使用許可信号Laを受けることによりそのパルス印加回路17が監視パルスP1の発振を開始する。(ステップSt3)
パルス印加回路17が発振を開始すると、状態変化監視回路16内の各部18〜23が監視対象スイッチ4,5の状態変化を監視し、状態変化を検出したら状態変化検出信号Siを出力し、これを信号線9に送信する。(ステップSt4)
一方、制御部8側においては、前記状態変化検出信号Siの受信待ちを行ないながら、CPU10は待機動作プログラム10Bを動作速度を下げた状態で待機し続け、状態変化検出信号Siを受信すると次のステップに進む。(ステップSt5)
状態変化検出信号Siを受信すると待機動作プログラム10BがCPU10の動作速度を引き上げて、通常運転プログラム10Aを起動し、車両2を通常運転状態に切り替える。このとき、アクセサリ電源の供給を再開することにより各ドアロックユニット7A,7B…を含む各電装機器に対する電力の供給を再開させる。(ステップSt6)
監視対象スイッチ4,5側においては、前記アクセサリ電源の供給再開に伴って、接点情報入出力回路15が再び動作することにより信号線9による通常の通信を再開して、前記信号線使用許可信号Laの出力を停止する。(ステップSt7)
前記信号線使用許可信号Laが停止すると、前記パルス印加回路17は監視パルスP1の発振を停止し、各部18〜23の動作も停止し、再びステップSt2の前記信号線使用許可信号Laが出力されるまで待機する。(ステップSt8)
一方、制御部8側においては、前記状態変化検出信号Siを受信したことによって、何れかの監視対象スイッチ4,5の状態が変化したことを確認できているので、信号線9を用いたデータ通信によって、どの監視対象スイッチ4,5において状態変化が発生したのかを確認する。(ステップSt9)
次いで、変化のあった監視対象スイッチ4,5が盗難警報の出力などの動作を必要とする注意するべき状態であるかどうかを判断し、注意するべき状態でない場合にはステップSt1に戻って再び車両2を待機状態に切り替える。(ステップSt10)
他方、前記盗難警報などの出力を必要とするような注目するべき状態である場合には、警告音を発生させたり、通報を行なうなどして前記状態変化に伴う然るべき処理を行なう。(ステップSt11)
上記第1実施形態の移動体の状態監視システム1によれば、信号線9を通常動作時においては車載LANなどの通信を行うために用い、待機状態においては監視対象スイッチ4,5の状態監視を行なうために用いることが可能であり、従来のように監視対象スイッチ4,5の状態監視のためだけに別の信号線を配線する必要がないので、それだけ省線化を図ることができ、製造コストの削減を図ることができる。また、信号線9は元々通信を行うための線であるから、状態変化検出信号Siの伝達を行うためのに適している。
また、信号線9を用いる通常のデータ通信を行うことなく、各監視対象スイッチ4,5側において暗電流を抑えた状態で、すべての監視対象スイッチ4,5の状態変化を監視することができるので、とりわけ、車両2などの移動体の盗難など、異常検知をおこなうのに適している。
しかしながら、前記状態変化監視回路16を用いた状態変化の検知は通常動作時においてスイッチ4,5の接点の状態に変化があったことをトリガーとしてイベントを起こすために用いてもよい。この場合、状態変化検出信号Siは接点情報入出力回路15に入力されることにより、接点情報入出力回路15はスイッチ4(5)の接点に変化があった時点からデータ通信を行って通信するデータ量を少なくしながら、即時性を保たせることが可能となる。
図6は本発明の移動体の状態監視システム1に用いることができる第2実施形態の状態監視対応スイッチ30の例を示す図である。図6に示す状態監視対応スイッチ30は、第1実施形態に示す状態監視スイッチ4Aに状態変化監視回路16を備え、かつ、バッテリ電源の接続部+Bと、コモン接続部COMと、複数の接点出力部X,Yと、状態変化出力部Sとを備えるものである。
この状態監視対応スイッチ30は通常のスイッチと置き換えて配置し、バッテリ電源の接続部+Bにバッテリを接続し、コモン接続部COMにコモン電位供給源(マイナス電源線)を接続し、状態変化出力部Sに移動体の状態監視システム1の信号線9を接続することにより、スイッチ4Aを監視対象スイッチとすることができるので、監視対象となる監視対象スイッチを容易に増やすことができる。また、接点出力部X,Yを用いて通常動作の接点情報の読み取りを行うことができ、状態変化出力部Sにスイッチ4の状態変化検知信号Siを出力することができる。
なお、第2実施形態に示す状態監視対応スイッチ30の回路構成は単なる一例を示すものであり、本発明を限定するものではなく、第1実施形態と全く同様に種々の変形が考えられることは言うまでもない。
また、本実施形態の状態監視対応スイッチ30はそれ自体に監視パルス印加回路17を備えるので、監視パルスP1を印加するための信号線を必要としておらず、それだけ配線を簡略化でき、製造コストを削減することができる。なお、監視パルス印加回路17の発信部17AはタイマーICを用いて極めて安価にて形成できるので、その製造コストを引き上げるものではない。
図7は第3実施形態の状態監視対応スイッチ40の構成を示す図である。図7に示す状態監視対応スイッチ40は、第1実施形態の状態検知スイッチ4B…に状態変化監視回路16の構成を備え、かつ、バッテリの接続部+Bと、コモン接続部COMと、接点出力部Xと、状態変化出力部Sとを備える。なお、その詳細な構成および動作は第1実施形態および第2実施形態において既に詳述したとおりであるから省略する。
本実施形態の状態監視対応スイッチ40は+B端子をバッテリ電源、COM端子をマイナス電源線に接続し、状態変化出力部Sを前記信号線9に接続することにより、接点出力部Xを用いてスイッチ4B…の通常の接点情報の読み取りを行ない、状態変化出力部Sにスイッチ4B…の状態変化検知信号Siを出力することができる。
この状態監視対応スイッチ40は、スイッチ4B…がオン状態であってもオフ状態であってもその状態に変化があるときにこれを検出して状態変化出力部Sに状態変化検出信号Siを送信することができるので、スイッチ4B…を監視対象スイッチとして用いることができる。
第3実施形態の状態監視対応スイッチ40のように、監視対象スイッチ4B…の接点が少ない場合にはそれだけ回路構成も簡素にすることができるので、それだけ製造コストの削減を図ることができる。そのほかにも前記状態監視対応スイッチ30と同様の変形が考えられることはいうまでもない。
図8はさらに変形を加えた状態監視対応スイッチ50の構成を示し、この状態監視対応スイッチ50は車載LANなどのデータ通信によってスイッチ4(5)の接点情報を信号線9に出力する接点情報入出力回路15と、バッテリの接続部+Bと、コモン接続部COMと、アクセサリ電源入力部Accと、状態変化出力部Sとを備えるものである。
本実施形態のように構成された状態監視対応スイッチ50はアクセサリ電源有力部Accに電力が供給されているときには、接点情報入出力回路15が動作して信号線9を用いたデータ通信によって、スイッチ4(5)の接点情報を送信する。他方、アクセサリAccへの電力供給が停止している状態では、接点情報入出力回路15を停止させて、状態変化監視回路16によるスイッチ4,5の状態監視を行い、接点の状態に変化が発生するときに状態変化検知信号Siを状態変化出力部Sに接続された信号線9に出力することができる。
図6〜図8に示す状態監視対応スイッチ30,40,50は何れも、更なる製造コストの削減のために、状態監視対応スイッチ30,40,50内の回路を集積化して形成してワンチップに纏めることにより製造コストの削減、耐水性の向上などを図ってもよい。
1 移動体の状態監視システム
2 状態監視機能を備えた移動体
4,5 監視対象スイッチ
4X,4Y,5X,5Y 接点
8 制御部
9 信号線
12 監視手段
16 スイッチの状態変化監視回路
18 積分回路
19 増幅回路
20 微分回路
21 反転回路
22 反転微分回路
23 変化判定回路
30,40,50 状態監視対応スイッチ
P1 監視パルス
Si 状態変化検出信号
S 状態変化出力部
X,Y 接点出力部

Claims (11)

  1. 監視対象スイッチに接続されて周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路と、
    このパルス印加回路と前記監視対象スイッチの接続部の電圧の積分値を求める積分回路と、
    この積分回路に接続されて積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力する増幅回路と、
    この増幅回路に接続されて前記増幅積分値の変化から微分値を求める微分回路と、
    この微分回路に接続されて前記微分値から監視対象スイッチの状態変化を判定する変化判定回路とを備えるスイッチの状態変化監視回路。
  2. 前記増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を出力する反転回路と、
    この反転回路に接続されて反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める反転微分回路を備え、
    前記変化判定回路は反転微分回路にも接続されてその反転微分値から監視対象スイッチの逆方向の状態変化も判定するものである請求項1に記載の状態変化監視回路。
  3. 監視対象スイッチの各接点に接続されてそれぞれに周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路と、
    このパルス印加回路と各接点との接続部の電圧の積分値をそれぞれ求める複数の積分回路と、
    これらの積分回路に接続されて各積分値を閾値と比較して増幅したそれぞれの増幅積分値を出力する複数の増幅回路と、
    これらの増幅回路に接続されて前記各増幅積分値の変化からそれぞれの微分値を求める複数の微分回路とを備え、
    前記変化判定回路は前記各微分回路に接続されて何れかの微分値から何れかの接点の状態変化があるときに変化検出信号を出力する変化判定回路とを備えることを特徴とするスイッチの状態変化監視回路。
  4. 前記各増幅積分値を反転させた反転増幅積分値をそれぞれ出力する複数の反転回路と、
    これらの反転回路を介して接続されて各反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める複数の反転微分回路を備え、
    前記変化判定回路は各反転微分回路にも接続されて各反転微分値から監視対象スイッチの各接点の逆方向の状態変化も判定するものである請求項3に記載の状態変化監視回路。
  5. 請求項1に記載のスイッチの状態変化監視回路に接続され、車両の制御部を通常動作状態よりも省電力動作させた待機状態で車両に備わる複数のスイッチの状態を監視する移動体の状態監視システムであって、すべての監視対象スイッチに設けた状態変化監視回路の変化判定回路に接続される信号線と、この信号線を介して接続される何れかの状態変化監視回路から状態変化を判定したことを示す状態変化検出信号を受信したときに前記制御部の待機状態を解除させる監視手段を備えることを特徴とする移動体の状態監視システム。
  6. 前記監視対象スイッチの状態を切り替えるアクチュエータと、このアクチュエータおよび前記信号線に接続されて通常動作状態では通信線から受信する接点情報に従ってアクチュエータに電力を供給する接点情報入出力回路とを備える請求項5に記載の移動体の状態監視システム。
  7. 前記信号線は通常動作状態においては前記接点情報入出力回路が監視対象スイッチの状態を含む接点情報の送受信を行うために用いられ、待機状態においては前記状態変化検出信号の送受信のために用いられるものである請求項6に記載の移動体の状態監視システム。
  8. 前記監視対象スイッチは移動体のドアの施錠・解錠に連動するスイッチであり、前記パルス印加回路は前記待機状態において監視パルスを印加するものであり、前記監視手段は待機状態において状態変化検出信号を受信したときにこれを盗難警告状態として検出するものである請求項5に記載の移動体の状態監視システム。
  9. 請求項5に記載の移動体の状態監視システムを有し、移動体の停止状態では動作速度を引き下げた待機状態に切り替えて前記監視手段が状態変化を検出したときに通常動作状態に切り替える制御部を有することを特徴とする状態監視機能を備えた移動体。
  10. 監視対象スイッチに接続されてその接点の状態を出力する接点出力部と、監視対象スイッチに接続されて周期的な監視パルスを印加するパルス印加回路と、このパルス印加回路と前記監視対象スイッチの接続部の電圧の積分値を求める積分回路と、この積分回路に接続されて積分値を閾値と比較して増幅した増幅積分値を出力する増幅回路と、この増幅回路に接続されて前記増幅積分値の変化から微分値を求める微分回路と、この微分回路に接続されて前記微分値から監視対象スイッチの状態変化を判定する変化判定回路と、この変化判定回路によって状態変化を判定したときに状態変化検出信号を出力する状態変化出力部とを備えることを特徴とする状態監視対応スイッチ。
  11. 前記増幅積分値を反転させた反転増幅積分値を出力する反転回路と、この反転回路を介して接続されて反転増幅積分値から逆方向の反転微分値を求める反転微分回路を備え、前記変化判定回路は反転微分回路にも接続されてその反転微分値から監視対象スイッチの逆方向の状態変化も判定するものである請求項10に記載の状態監視対応スイッチ。
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