JP2014124756A - ボーリングヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】半径方向のストロークを2段階に大きく取ることができ、工具を取り付け直すことなく、小径部から大径部までを加工することのできるようにしたボーリングヘッドを提供する。
【解決手段】このボーリングヘッドは、先端にバイト46が固定された内筒45と外筒46とが入子型に嵌合する第1ラムと第2ラムからなる一対のラムをヘッド本体40内に備え、さらに、一対の外筒45のみを互いに反対方向に同期してそれぞれ直線移動させる、二等辺三角形の各頂点に配置されたプーリに巻き掛けられた一対の三角伝動ベルトと、内筒46のみをそれぞれ直線移動させるボールねじ機構とからなるラム駆動機構と、ヘッド本体内で伝動軸の回転を一対の三角伝動ベルト機構に同期して伝動する第1の伝動系統と、ヘッド本体内40で伝動軸の回転を一対のボールねじ機構に同期して伝動する第2の伝動系統と、第1の伝動系統と第2の伝統系統のうち、いずれか一方を選択的に伝動軸に接続可能なクラッチ機構を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内径が段階的に変化する穴での中ぐり加工に使用するボーリングヘッドに関する。
鋳抜き穴や、ドリル加工等による加工穴が加工された工作物に対して、さらに穴の径を大きく拡げて仕上げを行う中ぐり加工には、片持ち式のボーリング加工機や、横中ぐり盤などの工作機械が用いられている。
このような中ぐり加工には、内径が一定の穴を拡げる加工のほか、内径が途中で段階的に変化する穴の加工がある。内径が変化する穴の中ぐり加工では、工具を中ぐり主軸の半径方向に繰り出すことのできるボーリングヘッドを中ぐり主軸に取り付けて、中ぐり加工が行われる。この種のボーリングヘッドに関する従来技術としては、例えば、特許文献1に開示されているようなボーリングヘッドが知られている。
この引用文献1のボーリングヘッドの内部には、先端に工具を保持する一対のラムと、このラムをボールねじ機構によって半径方向に繰り出す駆動機構が設けられている。
特開昭58−28409号公報
例えば、工作物が大型のタービンやポンプなどのケーシングである場合、中ぐり加工を行う穴には、小径部、中径部、大径部というように段階的に内径が変化することがある。このような工作物に対して、従来のボーリングヘッドで中ぐり加工をする場合、ボーリングヘッドは小径部と中径部には対応できても、大径部の加工になると、ラムを繰り出してもストロークが足りないため、加工途中でより長い工具をラムに取り付け直さなければならなかった。このため、中ぐり加工を中断し、ボーリングヘッドを穴から抜き出してからより長い工具に交換してから、再度、穴に進入させて大径部の中ぐり加工を行なわなければならなかった。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、半径方向のストロークを2段階に大きく取ることができ、工具を取り付け直すことなく、小径部から大径部までを加工することのできるようにしたボーリングヘッドを提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、中ぐり加工装置の主軸に装着されるヘッド本体と、前記ヘッド本体内に前記主軸の半径方向に進退可能に収容され、先端にバイトが固定された内筒と外筒とが入子型に嵌合する第1ラムと第2ラムからなる一対のラムと、前記ヘッド本体に内蔵され、一対の前記外筒のみを互いに反対方向に同期してそれぞれ直線移動させる、二等辺三角形の各頂点に配置されたプーリに巻き掛けられた一対の三角伝動ベルトと、前記内筒のみをそれぞれ直線移動させるボールねじ機構とからなるラム駆動機構と、前記ヘッド本体内で伝動軸の回転を前記一対の三角伝動ベルト機構に同期して伝動する第1の伝動系統と、前記ヘッド本体内で前記伝動軸の回転を前記一対のボールねじ機構に同期して伝動する第2の伝動系統と、前記第1の伝動系統と前記第2の伝統系統のうち、いずれか一方を選択的に前記伝動軸に接続可能なクラッチ機構と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によるボーリングヘッドが適用される型持ち型ボーリング加工機を示す斜視図である。 本発明の一実施形態によるボーリングヘッドの横断面図である。 本発明の一実施形態によるボーリングヘッドの内部構造を示す透視図である。 本発明の一実施形態によるボーリングヘッド内の伝動機構を示す斜視図である。 同ボーリングヘッドの備えるラムを示す透視図である。 本発明の一実施形態によるボーリングヘッドにおいて、ラムが後退しているときの伝動機構を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるボーリングヘッドにおいて、ラムが前進するときの伝動機構を示す模式図である。 本発明のボーリングヘッドによる中ぐり加工の説明図である。
以下、本発明によるホーリングヘッドの一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
第1実施形態
図1は、本発明のボーリングヘッドが適用される片持ち式のボーリング加工装置を示す図である。図1において、参照番号2は、ベッドを示し、参照番号3は、サドルを示す。このサドル3の上には、Z軸ガイド4が設けられており、サドル3は、Z軸ガイド4に案内されてZ軸方向に移動することができる。サドル3の上には、コラム5が設置されており、このコラム5には、昇降台6がX軸ガイド7に沿って昇降自在に設置されている。昇降台6には主軸頭8が搭載されており、この主軸頭8はY軸方向に移動可能である。主軸頭8には、Z軸方向に水平に伸びるように主軸ユニットの筒10が片持ち支持されており、この主軸ユニットの筒10の先端にはスナウト12を介してボーリングヘッド20が取り付けられている。この実施形態では、ボーリングヘッド20の後部には、ボーリングヘッド20自身を旋回させる機構と、後述するラムを駆動する軸を備えている。ボーリングヘッド20を旋回させる機構としては、主軸ユニットの筒10の内部にボーリングヘッド20を旋回駆動する軸と、ラムを駆動する軸を内蔵する方式も適用可能である。
次に、図2は、ボーリングヘッド20を示す図である。図2において、参照番号40は、ボーリングヘッド20のヘッド本体を示す。このボーリングヘッド20では、ヘッド本体40の中心に関して対称な位置に2つの入子型の第1ラム42、第2ラム43が互いに平行に組み込まれている。第1ラム42、第2ラム43は、それぞれ四角筒状の内筒44と外筒45とからなり、内筒44は外筒45に軸方向に進退可能に嵌合している。内筒44の先端には刃物としてワークを切削するバイト46が固定されている。外筒45は、ヘッド本体40の内部をその軸方向と直角な方向に進退可能である。
この実施形態では、第1ラム42、第2ラム43において、外筒45の移動ストロークはS1であり、内筒44の移動ストロークはS2である。内筒44の先端のバイト46の刃先までの長さは、最大S1+S2の範囲で延長することができるようになっている。
図3並びに図4において、参照番号48は、第1ラム42および第2ラム43に動力を伝動する二重伝動軸を示している。この二重伝動軸48は、内側伝動軸49と外側伝動軸50とからなる二重同軸伝動軸として構成されている。二重伝動軸48の先端部には、第1クラッチ51、第2クラッチ52が設けられており、この二つの第1クラッチ51、第2クラッチ52の接続/切断の組み合わせによって、動力の伝達系統が切り替わるようになっている。二重伝動軸48から動力が伝動される伝動系統としては、第1ラム42、第2ラム43のそれぞれ外筒45に伝動する第1伝動系統と、第1ラム42、第2ラム43のそれぞれ内筒44に伝動する第2伝動系統の2つの系統がある。
そこで、まず、第1伝動系統について、図4を参照しながら説明する。
この第1伝動系統は、ベルト伝動によって、二重伝動軸48の回転運動を直線運動に転換して、第1ラム42、第2ラム43の外筒45に伝動する系統である。
二重伝動軸48の先端部では、内側伝動軸49と外側伝動軸50は第1クラッチ51によって接続することが可能である。二重伝動軸48の外側伝動軸50にはプーリ54、56が取り付けられており、外側伝動軸50と平行に、対をなす2本の第1ベルト伝動軸57、第2ベルト伝動軸58が配置されている。このうち第1ベルト伝動軸57の一端には、プーリ59が取り付けられ、外側伝動軸50のプーリ54と第1ベルト伝動軸57のプーリ59との間にはベルト60が巻き掛けられている。同様に、第2ベルト伝動軸58の一端に取り付けられたプーリ61と外側伝動軸50のプーリ56の間にはベルト62が巻き掛けられている。
図3並びに図4に示されるように、第1ベルト伝動軸57の先端に取り付けられたプーリ63を二等辺三角形の頂点とするように、ヘッド本体40の先端部には、二等辺三角形の底辺両端の位置にプーリ64、65が配置されている。これら二等辺三角形の各頂点に位置するプーリ63、64、65にはベルト66が巻き掛けられ、二等辺三角形の環状にベルト66が走行する三角伝動ベルトが構成されている。プーリ64とプーリ65の間のベルト走行路は、第1ラム42の外筒45の側面と平行に延びるようになっており、ブラケット68によってベルト66と第1ラム42の外筒45とは連結されている。このような三角伝動ベルトでは、ブラケット68はベルト66とともに、プーリ64とプーリ65との間のベルト走行路を移動し、第1ラム42の外筒45をストロークS1の範囲内で直線移動させることができる。
同様に、第2ラム43の外筒45に動力を伝動する第2ベルト伝動軸58の先端には、プーリ70が取り付けられており、このプーリ70を二等辺三角形の頂点とするように、二等辺三角形底辺両端の位置にプーリ71、72が配置されている。これらプーリ70、71、72にはベルト74が巻き掛けられており、二等辺三角形の環状にベルト74が走行する三角伝動ベルトが構成されている。プーリ71とプーリ72の間のベルト走行路は、第2ラム43の外筒45の側面と平行に延び、ベルト74はブラケット75を介して外筒45と連結されている。したがって、ブラケット75がベルト74とともに移動すると、第2ラム43の外筒45全体は第1ラム42と同期して反対方向に直線移動することが可能になる。
次に、第1ラム42と第2ラム43のそれぞれの内筒44に動力を伝動する第2伝動系統について説明する。
この第2伝動系統は、歯車伝動機構によって、二重伝動軸48の回転運動を直線運動に変換して、第1ラム42および第2ラム43のそれぞれ内筒44に伝動する系統である。
図4において、二重伝動軸48の先端部では、内側伝動軸49が第2クラッチ52を介してはすば歯車80と接続されている。二重伝動軸48の軸方向と直交する方向には、歯車中間伝動軸81が配置されている。この歯車中間伝動軸81の中央には、はすば歯車80とかみ合うはすば歯車82が固定されており、内側伝動軸49の回転は、はすば歯車80、82によって方向を直角に変えて歯車中間伝動軸81に伝動される。
歯車中間伝動軸81と平行に、第1の歯車伝動軸84と、第2の歯車伝動軸85が配置されている。このうち、第1歯車伝動軸84は、第1ラム42の内筒44と連結される伝動軸であり、第2歯車伝動軸85は、第2ラム43の内筒44と連結される伝動軸である。
図4に示されるように、歯車伝動中間軸81の一端に固着された歯車86は歯車87に噛み合い、この歯車87は第1歯車伝動軸84の一端に設けた歯車88と噛み合っており、これら歯車86、87、88を介して歯車中間伝動軸81の回転は第1歯車伝動軸84に伝達される。
同様に、歯車中間伝動軸81の他端には歯車90が固着され、この歯車90と第2歯車伝動軸85の一端にある歯車91とに噛み合う歯車92を介して、歯車伝動中間軸81の回転が第2歯車伝動軸85に伝達されるようになっている。このような歯車伝動機構では、第1歯車伝動軸84と第2歯車伝動軸85は同期して同じ方向に回転する。
図5に示されるように、第1ラム42の外筒45の内部には、ボールねじ94が第1ラム42の長手方向と平行に設置されている。このボールねじ94の基端部には、歯車95が固定されており、この歯車95には歯車96と、第1歯車伝動軸84の他端に固定された歯車97が一組の歯車列をなして順次噛み合うようになっている。これら歯車95、96は常に噛み合っており、外筒45とともに移動可能である。ボールねじ94には、ボールナット98が螺合しており、この第1ボールナット98は、内筒44側に固定されている。
第2ラム43の内部にも同様のボールねじ機構が設けられており、同一の構成要素には同一の参照番号を付して説明は省略する。但し、第1ラム42側のボールねじ94と、第2ラム43側のボールねじ94とは、互いに反対方向に内筒44、44を同期して送るために、逆ねじのボールねじとなっている。
ここで、図6は、ヘッド本体40の内部において第1ラム42と第2ラム43が後退限位置であるもっとも引っ込んだ位置にあるときの第1伝動系統と第2伝動系統を模式的に示す図である。図7は、ヘッド本体40の内部において第1ラム42の外筒45と第2ラム43の外筒45が前進限位置まで前進した位置にあるときの第1伝動系統と第2伝動系統を模式的に示した図である。
図6に示されるように、もっとも引っ込んだ位置に第1ラム42、第2ラム43があると、ボールねじ94と一体の歯車95、96は、第1歯車伝動軸84の後端側にある歯車97と接続される。同様に、第2ラム43でも、ボールねじ94と一体の歯車95、96、第2歯車伝動軸85の前端にある歯車97と接続される。
本実施形態のボーリングヘッドでは、第1ラム42および第2ラム43がヘッド本体40の内部に引っ込んだ状態にあると、上述したボールねじ機構を作動させ、それぞれ内筒44a、44bだけを繰り出しあるは引き込み、ラム全体の腕の長さを変えることにより、バイト46の刃先位置を制御できるようになっている。
内筒44a、44bを繰り出す場合、図4において、二重伝動軸48の先端部では、内側伝動軸49と外側伝動軸50を接続する第1クラッチ51は切られた状態にあり、第2クラッチ52の方が入っている。この状態では、スナウト12に内蔵されている図示しないサーボモータにより駆動される内側伝動軸49の回転は、外側伝動軸50に伝わらずに、はすば歯車80、82を介して歯車伝動中間軸81に伝達される。この歯車伝動中間軸81の回転は、歯車86、87、88を介して第1歯車伝動軸84に伝わると同時に、歯車90、91、92を介して第2歯車伝動軸85に伝わり、第1歯車伝動軸84と第2歯車伝動軸85を同じ方向に回転させる。
このとき、第1歯車伝動軸84の後端にある歯車97は、歯車96、95を介して向かって左側の内筒44a内部のボールねじ94と接続された状態にあり、第2歯車伝動軸85の前端にある歯車97は、向かって右側の内筒44b内部のボールねじ94と歯車96、95を介して接続された状態にある。そして、内筒44a内部のボールねじ94と内筒44b内部のボールねじ94とはねじの方向が逆ねじになっているので、ボールねじ94、94の回転によって左側の内筒44aと右側の内筒44bとは、反対方向、この場合、ヘッド本体40から突き出る方向に同期して移動する。こうして、ボールねじ94の回転によるボールナット98の移動ストロークS2の範囲内で、第1ラム42、第2ラム43の長さを変えながら、内筒44a、44bの先端のバイト46の刃先位置を、内側伝動軸49を駆動するサーボモータの数値制御によるU軸として制御することができる。
なお、第1ラム42、第2ラム43の内筒44、44をヘッド本体40の内部に引き込むときは、内側伝動軸49を逆回転させればよい。
次に、第1ラム42と第2ラム43の長さをさらに伸ばすには、外筒45を前進端まで前進させてから、上記と同様にして、さらに内筒44a、44bを繰り出せばよい。
図7に示されるように、第1ラム42と第2ラム43のそれぞれ外筒45a、45bを前進させる場合には、主伝動軸48の先端部では、第1クラッチ51の方が入った状態になって内側伝動軸49は外側伝動軸50と接続され、第2クラッチ52は切られた状態になっている。
このクラッチの切り換えによって、内側伝動軸49の回転は、外側伝動軸50に伝達される。図4において、外側伝動軸50の回転は、ベルト60、62を介して、第1ベルト伝動軸57と第2ベルト伝動軸58に同時に伝達される。これにより、三角伝動ベルト66、74は、図7において矢印方向に循環移動する。このように、三角伝動ベルト66のベルト走行路は左行し、三角伝動ベルト74のベルト走行路は右行するので、これらのベルト走行路と連結されている外筒45a、45bは同期して繰り出される。
外筒45a、45bが前進限まで繰り出されると、図7に示されるように、第1歯車伝動軸84の前端にある歯車96は、歯車96、95を介して内筒44a内部のボールねじ94と接続された状態にあり、第2歯車伝動軸85の後端にある歯車91は、内筒44b内部のボールねじ94と歯車96、95を介して接続された状態にある。したがって、内側伝動軸49の回転をベールねじ94に伝動させれば、内筒44a、44bをストロークS2の範囲で繰り出すことができる。
こうして、三角伝動ベルト66のベルト走行路のストロークS1に加えて内筒44a、44bのストロークS2の範囲内で、第1ラム42、第2ラム43の長さを変えながら、内筒44a、44bの先端のバイト46の刃先位置を、内側伝動軸49を駆動するサーボモータの数値制御によりU軸として制御することができる。
ここで、図8は、図1に示したボーリング加工機によるボーリングヘッド20を用いたワークの中ぐり加工を示す図である。この中ぐり加工では、ワーク100の内径部に段階的に内径の異なる小径部102、中径部104、大径部106を次のようにして加工する。
まず、小径部102を加工する場合について説明する。この小径部102を加工するときには、ボーリングヘッド20においては、第1ラム42、第2ラム43のそれぞれ外筒45はヘッド本体40の内部に引っ込んだ状態で、内筒44のみが小径部102の内径に対応する距離だけ送り出される。この状態でボーリングヘッド20全体が回転し、内筒44の先端のバイト46で切削が行われる。
中径部104を加工する場合にも、小径部102の加工と同様に、中径部104の内径に対応する距離だけ内筒44がさらに伸びて、この状態でボーリングヘッド20全体が回転して、バイト46による切削が行われる。
さらに、中ぐり加工が進んで、大径部106を加工するときには、第1ラム42、第2ラム43のそれぞれの外筒45が最大前進位置まで伸びてから、さらに、内筒44も所定距離だけ伸び、大径部106をバイト46で切削するのに必要なストロークが確保される。
以上のようにして、本実施形態のボーリングヘッドによれば、第1ラム42、第2ラム43において、外筒45がヘッド本体40内部に引っ込んだ状態で内筒44を伸ばす行程と、外筒45がヘッド本体40から最大前進位置まで伸びた状態で内筒44をさらに伸ばす行程の、二段構えの伸長が可能になっているので、途中で、工具を交換する必要なしに、効率的に大、中、小の様々な内径部の切削を実現することができる。
以上、本発明について、片持ち支持型のボーリング加工機に適用した実施形態を挙げて説明したが、本発明によるボーリングヘッドは、中ぐり盤、特に横中ぐり盤に適用可能である。横中ぐり盤にボーリングヘッドを取り付ける場合は、中ぐり軸によってボーリングヘッドを旋回駆動し、ボーリングヘッドの後部の固定部にラムの駆動軸を設けるようにすればよい。
2…ベッド、3…サドル、5…コラム、8…主軸頭、10…主軸ユニット、12…スナウト、20…ボーリングヘッド、40…ヘッド本体、42…第1ラム、43…第2ラム、44…内筒、45…外筒、46…バイト、48…二重伝動軸、49…内側伝動軸、50…外側伝動軸、51…第1クラッチ、52…第2クラッチ、57…第1ベルト伝動軸、58…第2ベルト伝動軸、60…ベルト、74…ベルト、81…歯車中間伝動軸、84…第1歯車伝動軸、85…第2歯車伝動軸、94…ボールねじ、98…ボールナット、100…ワーク、102…小径部、104…中径部、106…大径部

Claims (9)

  1. 中ぐり加工装置の主軸に装着されるヘッド本体と、
    前記ヘッド本体内に前記主軸の半径方向に進退可能に収容され、先端にバイトが固定された内筒と外筒とが入子型に嵌合する第1ラムと第2ラムからなる一対のラムと、
    前記ヘッド本体に内蔵され、一対の前記外筒のみを互いに反対方向に同期してそれぞれ直線移動させる、二等辺三角形の各頂点に配置されたプーリに巻き掛けられた一対の三角伝動ベルトと、前記内筒のみをそれぞれ直線移動させるボールねじ機構とからなるラム駆動機構と、
    前記ヘッド本体内で伝動軸の回転を前記一対の三角伝動ベルト機構に同期して伝動する第1の伝動系統と、
    前記ヘッド本体内で前記伝動軸の回転を前記一対のボールねじ機構に同期して伝動する第2の伝動系統と、
    前記第1の伝動系統と前記第2の伝統系統のうち、いずれか一方を選択的に前記伝動軸に接続可能なクラッチ機構と、
    を備えたことを特徴とするボーリングヘッド。
  2. 前記一対の三角伝動ベルトは、二等辺三角形の底辺をなすベルト走行路が近接して平行に走行するように配置され、前記ベルト走行路はそれぞれブラケットを介して前記第1ラム、第2ラムの外筒と連結されたことを特徴とする請求項1に記載のボーリングヘッド。
  3. 前記伝動軸は、内側伝動軸と外側伝動軸との二重伝動軸からなり、前記第1伝動系統は、前記二重伝動軸と平行に配置され、先端に前記三角伝動ベルトの二等辺三角形の頂点位置に配置されるプーリを有する一対のベルト伝動軸と、前記外側伝動軸の回転を前記ベルト伝動軸に伝達する一対のベルト伝動機構と、からなることを特徴とする請求項2に記載のボーリングヘッド。
  4. 前記伝動軸は、内側伝動軸と外側伝動軸との二重伝動軸からなり、前記第2伝動系統は、前記第1ラムの移動方向と平行に配置され、両端部にそれぞれ歯車が固定された第1の歯車伝動軸と、前記第2ラムの移動方向と平行に配置され、両端にそれぞれ歯車が固定された第2の歯車伝動軸と、前記内側伝動軸とはすば歯車を介して接続され、前記第1歯車伝動軸と前記第2歯車伝動軸に同時に内側伝動軸の回転を伝動する中間伝動軸と、からなることを特徴とする請求項1に記載のボーリングヘッド。
  5. 前記第1ラム内のボールねじ機構のボールねじの後端部は、前記第1ラムの外筒が後退限位置にあるときに歯車列を介して前記第1歯車伝動軸の一端と接続され、前記第1ラムの外筒が前進限位置にあるときには前記歯車列を介して前記第1歯車伝動軸の他端と接続され、前記第2ラム内のボールねじ機構のボールねじの後端部は、前記第2ラムの外筒が後退限位置にあるときに歯車列を介して前記第2歯車伝動軸の一端と接続され、前記第2ラムの外筒が前進限位置にあるときには前記歯車列を介して前記第2歯車伝動軸の他端と接続されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のボーリングヘッド。
  6. 前記第1ラムと第2ラムは、前記ヘッド本体の中心に関して180°対称な位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のボーリングヘッド。
  7. 前記第1ラムと第2ラムは、それぞれ入れ子状に嵌合する角筒状の内筒と外筒からなることを特徴とする請求項6に記載のボーリングヘッド。
  8. 前記中ぐり加工装置は、片持ち式のボーリング加工機であることを特徴とする請求項 1に記載のボーリングヘッド。
  9. 前記中ぐり加工装置は、横中ぐり盤であることを特徴とする請求項1に記載のボーリングヘッド。
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