以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、遊技機Yは、遊技店の島設備に設置された外枠(図示なし)に固定される遊技盤取付枠1と、遊技球が流下する遊技領域2Aを形成する遊技盤2と、遊技盤2の前方側(遊技者側)において遊技領域2Aを視認可能に覆うガラス扉3とを備える。
遊技盤2は、略枠状を呈した遊技盤取付枠1に着脱自在に嵌め込まれて固定されている。ガラス扉3は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部Hを介して遊技盤取付枠1に着脱自在に連結されており、ヒンジ機構部Hを支点として回動可能に支持されている。そのため、ガラス扉3は、ヒンジ機構部Hを支点として扉のように開閉可能である。ガラス扉3が閉じられているとき、遊技盤2の全体と遊技盤取付枠1の大部分とを覆う。
遊技盤取付枠1には遊技盤2を嵌合させるための略矩形状の嵌合孔1aが形成されている(図2参照)。遊技盤取付枠1の嵌合孔1aの正面視左側端部には、遊技盤2を水平方向に嵌め込ませるためのコ字型の金具19A、19Bが垂直方向に所定間隔をおいて並設されている。また、遊技盤取付枠1の嵌合孔1aの正面視下側端部には、遊技盤2を垂直方向に嵌め込ませると共に、遊技盤取付枠1に固定させるための留め金具19Cが設けられている(図3参照)。
また、遊技盤取付枠1の嵌合孔1aの正面視右下部近傍(遊技盤取付枠1の下部の右側上面)には、遊技盤2を遊技盤取付枠1に固定させると共に、後述する遊技盤2に設けられた主制御基板101及び演出制御基板102と、遊技盤取付枠1に設けられた払出制御基板103及び電源基板109とを接続するための第1雌型コネクタ18A〜第4雌型コネクタ18Dが設けられている(図3参照)。
第1雌型コネクタ18A及び第2雌型コネクタ18Bは、電源供給用の雌型コネクタであり電源基板109に接続される。第3雌型コネクタ18Cは複数(例えば、12個)の凹状端子を備えるデータ通信用の雌型コネクタであり、払出制御基板103に接続される。第4雌型コネクタ18Dも、複数(例えば、12個)の凹状端子を備えるデータ通信用の雌型コネクタであり、遊技盤取付枠1の所定の基板(図示なし)に接続される。
一方、遊技盤2には、第1雌型コネクタ18A〜第4雌型コネクタ18Dに接続可能な第1雄型コネクタ28A〜第4雄型コネクタ28Dが設けられている(図5参照)。第1雄型コネクタ28A〜第4雄型コネクタ28Dは、遊技盤2が遊技盤取付枠1の嵌合孔1aに嵌合される際の、第1雌型コネクタ18A〜第4雌型コネクタ18Dに対応する位置に配されている。
第1雄型コネクタ28Aは電源供給用の雄型コネクタであり、演出制御基板102に接続されている。第2雄型コネクタ28Bも電源供給用の雄型コネクタであり、主制御基板101に接続されている。第3雄型コネクタ28Cは、複数(例えば、12個)の凸状端子を備えるデータ通信用の雄型コネクタであり、主制御基板101に接続される。第4雄型コネクタ28Dも、複数(例えば、12個)の凸状端子を備えるデータ通信用の雄型コネクタであり、演出制御基板102に接続される。
なお、第1雌型コネクタ18A〜第4雌型コネクタ18Dと、第1雄型コネクタ28A〜第4雄型コネクタ28Dとはそれぞれ着脱可能に接続される。すなわち、第1雌型コネクタ18Aと第1雄型コネクタ28Aと、第2雌型コネクタ18Bと第2雄型コネクタ28Bと、第3雌型コネクタ18Cと第3雄型コネクタ28Cと、第4雌型コネクタ18Dと第4雄型コネクタ28Dとがそれぞれ着脱可能に接続される。
また、遊技盤取付枠1の嵌合孔1aの下方には、遊技球を遊技領域2Aに向けて発射させるための遊技球発射装置5が取り付けられている。
ガラス扉3には、回動操作されることにより遊技領域2Aに向けて遊技球を発射させるための遊技球発射操作装置4、スピーカーからなる音声出力装置72、複数のランプやLEDを具備する演出用照明装置73〜78、及び、複数の遊技球を貯留する受け皿6が設けられている。
遊技球発射操作装置4は、ガラス扉3から突設されている基体41、基体41に回動可能に設けられている発射ハンドル42を具備している。発射ハンドル42が回動操作されると、遊技球発射装置5が、その回動角度に応じた強さ(以下、「遊技球発射強度」という)で、遊技球を遊技領域2Aに向けて発射させる。
遊技領域2Aは、遊技盤2の表面から突出した状態で取り付けられた区画部材29によって区画されている。区画部材29は、枠状の飾り枠29A、後述する大入賞口23の下方に配置され、上面で遊技球を第2始動口22に誘導する誘導経路を構成する誘導部材29B、並びに、湾曲形状を呈した外側レール部材29C及び内側レール部材29Dで構成されている。
飾り枠29Aの内側には、液晶表示装置からなる画像表示装置71が嵌め込まれており、これらが一体化されてなるセンター役物が遊技盤2の中央部に嵌め込まれている。また、飾り枠29Aの外側には内側レール部材29Dが配置され、内側レール部材29Dのさらに外側には外側レール部材29Cが配置されている。
遊技球発射装置5により発射された遊技球は、外側レール部材29Cと内側レール部材29Dとの間を上昇して遊技領域2Aに進入し、遊技領域2A内を落下(流下)する。このとき、遊技球は遊技領域2Aに設けられた複数の釘や風車との衝突によって方向を変えながら落下する。
遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では4つ)の一般入賞口25が設けられている。各一般入賞口25には、一般入賞口検出センサ25aが設けられており、この一般入賞口検出センサ25aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域2Aには、遊技球の通過が可能な入賞ゲート24が設けられている。入賞ゲート24は飾り枠29Aの右方に位置する。入賞ゲート24には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ24aが設けられている。入賞ゲート検出センサ24aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域2Aの下部で、画像表示装置71の下方には、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口21が設けられている。釘や風車等によって遊技球を第1始動口21へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第1始動口21には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ21aが設けられており、この第1始動口検出センサ21aが遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄の抽選が行われる。また、第1始動口検出センサ21aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
第1始動口21の直下に、可変の第2始動口22が設けられている。第2始動口22は、第2始動口制御装置220によって入賞不可能な第1の基本態様又は入賞可能な第1の特別態様のいずれかに制御される。第2始動口22にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ22aが設けられており、この第2始動口検出センサ22aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄の抽選が行われる。また、第2始動口検出センサ22aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
第2始動口制御装置220は下辺部分に回転軸が設けられた扉部材で構成される普通可動片220Aを具備しており、普通可動片220Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、普通可動片220Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2始動口22を封鎖している。この停止状態の(未作動の)普通可動片220Aによって第2始動口22が封鎖されることで、第2始動口22が入賞不可能な第1の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、普通可動片220Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2始動口22が開放されることで、第2始動口22が入賞可能な第1の特別態様に制御される。このとき、第2始動口22が開放されると共に、普通可動片220Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2始動口22へ誘導することが可能となる。なお、第2始動口制御装置220についての所定条件とは、上述した普通図柄の抽選(以下において、「普通図柄抽選」という)において、当たりに当選することである。
入賞ゲート24の下流側には、可変の大入賞口23が設けられている。大入賞口23は、大入賞口制御装置230によって入賞不可能な第2の基本態様又は入賞可能な第2の特別態様のいずれかに制御される。大入賞口23には、遊技球を検出する大入賞口検出センサ23aが設けられており、この検出センサ23aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
大入賞口制御装置230は下辺部分に回転軸が設けられた扉部材で構成される特別可動片230Aを具備しており、特別可動片230Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、特別可動片230Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、大入賞口23を封鎖している。この停止状態の(未作動の)特別可動片230Aによって大入賞口23が封鎖されることで、大入賞口23が入賞不可能な第2の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、特別可動片230Aが回転軸を中心に前方側に回動して大入賞口23が開放されることで、大入賞口23が入賞可能な第2の特別態様に制御される。このとき、大入賞口23が開放されると共に、特別可動片230Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて大入賞口23へ誘導することが可能となる。なお、大入賞口制御装置230についての所定条件とは、上述した第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選(以下において、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選の双方を指す場合、総称して「特別図柄抽選」という)において、特賞(大当たり)に当選することである。
また、遊技機Yには、演出を実行するさまざまな演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像表示装置71、音声出力装置72、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84で構成されており、遊技に応じた演出やデモ演出を行う。
画像表示装置71は、上述したように飾り枠29Aを介して遊技盤2に設けられており、様々な静止画や動画を表示することで画像を行う。なお、本実施形態においては、画像表示装置71として液晶表示装置が用いられているが、プラズマディスプレイ、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いこともできる。
音声出力装置72は、ガラス扉3に設けられており、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することで音声による演出を行い、1組のスピーカーで構成されている。
演出用照明装置73〜78は、ガラス扉3に設けられており、光を発すると共に、光の照射方向や発光色を変更することで照明による演出を行う。
演出用役物装置80〜84は遊技盤2に設けられており、それぞれ作動し、又は/及び発光することで動作や発光による演出が実行される。
また、受け皿6には、演出に係る入力装置として、選択ボタン装置9及び演出ボタン装置10が設けられている。選択ボタン装置9は、押圧操作可能な選択ボタン9Aを具備し、演出ボタン装置10は押圧操作可能な演出ボタン10Aを具備している。
また、遊技領域2Aの下方には、第1特別図柄表示装置11、第2特別図柄表示装置12並びに普通図柄表示装置13からなる図柄表示装置、第1特別図柄保留表示装置14、第2特別図柄保留表示装置15並びに普通図柄保留表示装置16からなる保留表示装置が設けられている。
第1特別図柄表示装置11は、第1始動口21に遊技球が入賞することを条件に行われる第1特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置12は、第2始動口22に遊技球が入賞することを条件に行われる第2特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置である。各特別図柄の抽選の結果には1又は複数の特別図柄が予め設定されており、特別図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置11、12に停止状態で表示される。つまり、特別図柄表示装置11、12における特別図柄の停止表示は、当該特別図柄抽選の結果の報知となる。
特別図柄表示装置11、12は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備しており、大当たりに当選した場合には大当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして特別図柄表示装置11、12が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が特別図柄を構成する。特別図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の特別図柄の抽選に対して、特別図柄表示が行われ、1回の特別図柄表示においては、まず特別図柄の変動表示が行われ、その後に特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示装置13は、遊技球が入賞ゲート24を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選の結果には普通図柄が設定されており、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置13に停止状態で表示される。つまり、普通図柄表示装置13における普通図柄の停止表示は、当該普通図柄の抽選の結果の報知となる。
普通図柄表示装置13は、例えば複数のLEDを具備しており、当たりに当選した場合には当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして普通図柄表示装置13が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が普通図柄を構成するが、この普通図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の普通図柄の抽選に対して、普通図柄表示が行われ、1回の普通図柄表示においては、まず普通図柄の変動表示が行われ、その後に普通図柄の停止表示が行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大入賞口制御装置230が作動する特別遊技中に、始動口21、22に遊技球が入賞しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄の抽選の結果が報知されない訳ではない。この場合、一定条件下で特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の確定的な報知)が保留される。一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。本実施の形態では、その上限値は各始動口21、22に対して「4」に設定されている。すなわち、各始動口21、22に対して特別図柄の変動表示、すなわち、特別図柄の抽選の権利を4個まで保留することができる。そして、第1特別図柄保留表示装置14は第1始動口21に対応し、第2特別図柄保留表示装置15は第2始動口22に対応しており、それぞれの特別図柄保留表示装置14、15には現時点の保留数(U1、U2)が所定の態様で表示される。普通図柄の変動表示についても同様に、上限保留数が4個に設定されており、その保留数が、普通図柄保留表示装置16において表示される。
次に、図6を用いて、遊技機Yの遊技の進行を制御する制御手段100について説明する。
電源基板109は、コンデンサからなるバックアップ電源(図示なし)を備えており、主制御基板101、演出制御基板102及び払出制御基板103等に電源電圧を供給する。電源基板109は、主制御基板101へは上述した第1雄型コネクタ28A及び第1雌型コネクタ18Aを介して電源電圧を供給し、演出制御基板102へは上述した第2雄型コネクタ28B及び第2雌型コネクタ18Bを介して電源電圧を供給する。
また、電源基板109は、供給される電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
また、電源基板109は、払出制御基板103に対して双方向に通信可能に接続されている。さらに、電源基板109は、遊技球発射装置5の発射用ソレノイド51に対して発射用ソレノイド51への一方向にのみ通信可能に接続されている。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、遊技盤2の背面側に設けられており(図5参照)、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやタイマ等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各種装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。なお、主制御基板101は、盤電源中継端子板106を介して払出制御基板103に対して双方向に通信可能に接続されている。さらに、主制御基板101は、演出制御基板102に対して演出制御基板102への一方向にのみ通信可能に接続されている。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技や管理に決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。例えば、特別図柄の抽選で参照される大当り判定テーブル(図9参照)、特別図柄判定テーブル(図10参照)、普通図柄の抽選で参照される当り判定テーブル(図14参照)、型式名記憶領域、メーカー名記憶領域等がメインROM101bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。また、メインRAM101cは、その一部または全部が電源基板109において生成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段を構成している。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、メインRAM110cに記憶されたデータの内容は保存される。なお、バックアップ電源を有さずに、メインRAM101cをフラッシュメモリ等で構成してもよい。
上記主制御基板101の入力側には、第1始動口検出センサ21a、第2始動口検出センサ22a、大入賞口検出センサ23a、入賞ゲート検出センサ24a、及び、一般入賞口検出センサ25aが接続されており、入力ポート(図示せず)を介して各センサに対応した検出信号が主制御基板101に入力する。
主制御基板101の出力側には、第2始動口制御装置220の普通可動片220Aを作動させる第2始動口開閉ソレノイド220B、及び、大入賞口制御装置230の特別可動片230Aを作動させる大入賞口開閉ソレノイド230Bが接続されており、第1の出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置11、第2特別図柄表示装置12、普通図柄表示装置13、第1特別図柄保留表示装置14、第2特別図柄保留表示装置15及び普通図柄保留表示装置16が接続されており、第2の出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
また、主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101c及び固有番号レジスタ101dを具備するワンチップマイコン101mを有する(図7参照)。固有番号レジスタ101dは、ワンチップマイコン101mの製造時に付けられる固有情報データであって、ワンチップマイコン101m毎に異なる4バイトの固有番号を記憶したレジスタである。また、固有番号レジスタ101dは、ワンチップマイコン101mの内部バスを介して、メインCPU101aと接続されている。すなわち、固有番号は、ユーザプログラムから読み取ることができるワンチップマイコン101mの固有番号といえる。
さらに、主制御基板101は、ワンチップマイコン101mに接続された第3の出力ポート101eと、第3の出力ポート101eに接続された出力トランジスタ101fとを有する。なお、出力トランジスタ101fは、後述するように、盤電源中継端子板106を介して払出制御基板103の入力トランジスタ103dと接続されている。
盤電源中継端子板106は、遊技盤2の背面に設けられている(図5参照)。盤電源中継端子板106には、上述の第1雄型コネクタ28A、第2雄型コネクタ28B、第3雄型コネクタ28C、及び、第4雄型コネクタ28Dの他に第1入力用コネクタ27A、第2入力用コネクタ27B、第3入力用コネクタ27Cが搭載されている。
ここで、第1入力用コネクタ27Aは第3の出力ポート101eと接続されると共に、第2雄型コネクタ28B及び第3雄型コネクタ28Cと接続されている。
第3雄型コネクタ28Cは第3雌型コネクタ18Cと接続され、第3雌型コネクタ18Cは払出制御基板103に接続されている。よって、主制御基板101(第3の出力ポート101e)は、第1入力用コネクタ27Aと第3雄型コネクタ28Cと第3雌型コネクタ18Cを介して、払出制御基板103に接続され、通信可能となっている。
第2雄型コネクタ28Bは第2雌型コネクタ18Bと接続され、第2雌型コネクタ18Bは電源基板109に接続されている。よって、主制御基板101は、第1入力用コネクタ27Aと第2雄型コネクタ28Bと第2雌型コネクタ18Bを介して、電源基板109に接続され、電源基板109から電源供給される。なお、第2入力用コネクタ27B及び第3入力用コネクタ27Cは演出制御基板102に接続されている。
払出制御基板103は、情報管理装置700及びデータ表示器800に接続されている。ワンチップマイコン101mは、盤電源中継端子板106及び払出制御基板103を介して、外部情報シリアルデータ、イネーブル信号、クロック信号、ラッチ信号(以下、適宜「外部情報関連信号」という)を、情報管理装置700及びデータ表示器800に出力する。
「外部情報シリアルデータ」とは、8ビットのシリアルデータで構成され、各ビットが、それぞれの情報の内容を示している。例えば、外部情報シリアルデータの0ビット目は、図柄確定信号のON・OFFを意味し、外部情報シリアルデータの1ビット目は、大当たり1信号のON・OFFを意味し、外部情報シリアルデータの2ビット目は、大当たり2信号のON・OFFを意味し、外部情報シリアルデータの3ビット目は、チップ用外部情報のシリアルデータを意味している。
ここで、チップ用外部情報の構成について、図8を用いて説明する。図8(a)は、チップ用外部情報のシリアルデータの構成を示す図であり、図8(b)は、チップ用外部情報の出力構成を示す図であり、図8(c)は、チップ用外部情報の通信仕様を示す図である。
図8(a)に示すように、情報管理装置700に出力するチップ用外部情報は、遊技機Yの機種名を示す32バイトの「型式名」、遊技機Yの製造会社名を示す3バイトの「メーカー名」、遊技機Yに搭載されたワンチップマイコン101mの固有番号である4バイトの「固有番号」とから構成される。すなわち、本実施形態では、39バイトのチップ用外部情報のシリアルデータを構成している。
そして、32バイトの「型式名」および3バイトの「メーカー名」については、3バイト構成のアスキーデータとなっており、「型式名」および「メーカー名」を入力した情報管理装置700は、所定の表示装置に「型式名」および「メーカー名」を直接的に表示できるようになっている。また、「型式名」および「メーカー名」の情報は、「固有番号」の情報とは異なり、メインROM110bの所定の記憶領域に予め記憶されている。
図8(b)に示すように、第3の出力ポート101eは、1バイトのチップ用外部情報の先頭ビット(BIT0)の直前にスタートビットを付加し、1バイトのチップ用外部情報の最終ビット(BIT7)の直後にエラー判定用のパリティビットを付加し、最後にストップビットを付加して、チップ用外部情報を順次出力する。従って、出力されるチップ用外部情報は、調歩同期式シリアル通信により出力されることになる。また、1バイト分のチップ用外部情報を出力するにあたっては、スタートビット、パリティビット、ストップビットの3ビットが付加され、合計11ビットの情報が出力されることになる。
本発明では、1バイト分のチップ用外部情報にスタートビット、パリティビット、ストップビットの3ビットが付加した情報量の単位を「1フレーム」という。すなわち、39バイトのチップ用外部情報は、39フレームのチップ用外部情報といえる。
図8(c)を用いて、ワンチップマイコン101mが出力するチップ用外部情報のシリアルデータの通信仕様について説明する。チップ用外部情報のシリアルデータのボーレート(通信速度)は、200bpsという遅いボーレートに設定されている。このため、1ビットの出力完了時間は5msとなる。そうすると、1フレームの出力完了時間は55ms(=5ms×11bit)となり、1つのチップ用外部情報(39フレーム)の出力完了時間は2145ms(=55ms×39フレーム)となる。すなわち、チップ用外部情報の出力完了時間は、約2秒程度かかることになる。このように200bpsという遅いボーレートに設定されているのは、重要なチップ用外部情報を構成する信号の取りこぼしを極力なくすと共に、通信性能が高くない外部装置にも対応させ、汎用性を高めるためである。しかしながら、反対にボーレードを遅くし過ぎると他の制御処理に支障をきたすため、200bpsに抑えているという側面もある。すなわち、遊技機Yの通信仕様及び情報管理装置700の通信仕様にも基づいてボーレードが設定されている。
演出制御基板102は、主に遊技状況に応じた遊技演出や客待ち状態に応じたデモ演出等の各種演出を制御する。すなわち、演出を実行する画像表示装置71、音声出力装置72、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84に演出を実行させる。演出制御基板102は、遊技盤2の背面側に設けられており、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備え、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。
演出制御基板102の入力側には、選択ボタン装置9及び演出ボタン装置10が接続されている。選択ボタン装置9の選択ボタン9Aが操作を受けると、選択ボタン検出センサ9aが当該操作を検出し、当該操作を示す選択ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。一方、演出ボタン装置10の演出ボタン10Aが操作を受けると、演出ボタン検出センサ10aが当該操作を検出し、当該操作を示す演出ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置10から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置9から出力された選択ボタン検出信号、及び、タイマ(水晶振動子)からの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出制御コマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払出制御とを行う。払出制御基板103は、遊技盤取付枠1に設けられており、払出CPU103a、払出ROM103b及び払出RAM103cを備え、盤電源中継端子板106を介して主制御基板101に、及び、電源基板109に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPU103aの入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ81aが接続されており、これらからの払出球検知信号とタイマからの入力信号とに基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
払出制御基板103の出力側には、貯留タンク(図示なし)から所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出駆動部81bが接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、払出駆動部81bを制御して所定個数の遊技球を賞球として遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出CPU103aの入力側には、遊技球発射操作装置4の発射ハンドル42内に取り付けられているタッチセンサ42a、及び、発射ハンドル42に連動して回動し、回動角度を検出する発射ボリュームのつまみ42bが接続されている。遊技者が発射ハンドル42に触れると、タッチセンサ42aが発射ハンドル42に人間が接触したことを検知し、払出制御基板103に発射ハンドル検出信号を送信する。払出制御基板103は、タッチセンサ42aから発射ハンドル検出信号を受信すると、発射用ソレノイド51の通電を許可する。そして、発射ハンドル42の回転角度が変化すると、発射ハンドル42に連結されているギアが回転すると共に、ギアに連結した発射ボリュームのつまみ42bが回転する。この発射ボリュームのつまみ42bが検出する発射ハンドル42の回動角度に応じた電圧を、電源基板109に遊技球発射装置5の発射用ソレノイド51に印加させる。
そして、発射用ソレノイド51に電圧が印加されると、発射用ソレノイド51が印加電圧に応じて作動し、発射ハンドル42の回動角度に応じた強さで、遊技球を発射する。すなわち、払出制御基板103は、タッチセンサ42aからの発射ハンドル検出信号及び発射ボリュームのつまみ42bからの回動角度検出信号が有する情報に基づいて、発射用ソレノイド51を通電制御し、遊技球を発射させる。本実施の形態では、発射用ソレノイド51の往復速度は、払出制御基板103に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。発射用ソレノイド51が1往復する毎に1個の遊技球が発射されるため、1分間における発射される遊技球の個数は、約99.9(個/分)となる。
また、図7に示す様に、払出制御基板103は、入力トランジスタ103dとS/P変換回路103eとを備える。主制御基板101から出力された外部情報関連信号は、入力トランジスタ103dを介して、S/P変換回路103eに入力する。S/P変換回路103eは、情報管理装置700とデータ表示器800からなる外部装置に接続された外部情報端子板108に接続されており、入力した外部情報関連信号を外部情報端子板108に出力する。
具体的には、S/P変換回路103eは、入力したイネーブル信号、クロック信号、ラッチ信号の入力を契機として、外部情報シリアルデータを取り込み、取り込んだ外部情報シリアルデータが何ビット数目かを解析し、解析したビット数に対応する情報に対応する外部情報端子板108の伝達素子108a1〜a9の何れかに当該情報を表す信号を出力する。例えば、外部情報シリアルデータの1ビット目が「1(ON)」であれは、伝達素子108a8に信号を出力する。
外部情報端子板108は、上記の遊技用外部情報やチップ用外部情報を入力し、情報管理装置700及びデータ表示器800に出力する。すなわち、外部情報端子板108は遊技用外部情報やチップ用外部情報を中継して、情報管理装置700やデータ表示器800に伝達する。なお、本実施の形態においては、外部装置として、情報管理装置700の他にデータ表示器800が接続されているが、外部装置を構成するものとしてはこれに限られない。ホールコンピュータなど他の外部装置が接続させることも可能である。
次に、外部情報端子板108について説明する。外部情報端子板108は、遊技盤取付枠1の背面側の上部に設けられている(図4(a)参照)。外部情報端子板108において、伝達素子108a1〜108a9が所定間隔をおいて直線状に並設されている(図4(b)参照)。ここで、情報の安全性の確保及び遊技機Yの故障の防止等の理由により、外部装置の回路と遊技機Yの回路とを絶縁させたまま、外部装置と遊技機Yとの間での情報(データ)のやりとりを行うことが望ましい。そのため、外部情報端子板108は絶縁性の伝達素子108a1〜108a9を備えており、伝達素子108a1〜108a9を介して遊技用外部情報やチップ用外部情報を外部装置に伝達する。
具体的に、伝達素子108a1〜108a7、108a9は、無極性で、阻止電圧(許容使用電圧)が280V、応答時間が1msecのフォトリレーで構成されている。一方、伝達素子108a8は、極性で、一方の阻止電圧(許容使用電圧)が80V、他方の阻止電圧(許容使用電圧)が7Vであり、応答時間が10μsecのフォトカプラで構成されている。そして、フォトリレーからなる伝達素子108a1〜108a7、108a9はデータ表示器800に接続されており、遊技用外部情報(図柄確定信号、大当たり信号1及び大当たり信号2)を中継する。一方、フォトカプラからなる伝達素子108a8は情報管理装置700に接続されており、チップ用外部情報を中継する。
各伝達素子108a1〜108a9の出力側には、外部装置からのケーブルを接続させるためのプッシュターミナル108b1〜108b9が接続されている。各プッシュターミナルは、2ピンで1組となっており、それぞれについてケーブルを取り外すためのプッシュレバーを備えている。ここで、伝達素子108a8とプッシュターミナル(信号線接続手段)108b8との間には、電流の逆流を防止する(阻止電圧が高い方から低い方へのみ電流を流す)ための逆流防止回路108cが設けられている。具体的には、本実施の形態においては、逆流防止回路108cはダイオードからなり、伝達素子108a9の外側に配されている。これにより、絶縁耐圧が低い方の端子に許容以上の電圧が掛けられたとしても、伝達素子108a8を故障から防ぐことができる。さらに、逆流防止回路108cをダイオードで構成することにより、コストを抑えつつ外部情報端子板108の面積の拡大を抑えることができる。なお、逆流防止回路108cは、ブリッジ回路で構成することもできる。
上述したように、フォトリレーよりフォトカプラの方が応答時間に優れている。ここで、チップ用外部情報は複数ビット(複数の情報単位の配列からなる)コマンドで構成されていることから、情報管理装置700用の伝達素子108a8としてフォトリレーを用いると、フォトカプラで構成されている場合に比べて、チップ用外部情報を情報管理装置700に正確に伝達することができない。具体的には、応答時間による情報を構成する信号の伝達(立ち上がり又は立ち下がり)が遅延し、情報管理装置700が受信する際に、外部情報端子板108への伝達時と異なった信号構成(情報内容)となる可能性がある。よって、情報管理装置700用の伝達素子108a8として、応答時間に優れた方を用いることにより外部情報端子板の信号中継機能の低下を抑えることができる。一方、遊技用外部情報は1ビット(単一の情報単位)からなるため、データ表示器800が受信する際に、外部情報端子板108への伝達時と異なった信号となる可能性は低くなる。また、伝達されるのがデータ表示器800であるため、大当たり信号1等の1ビット信号であるため、信号の伝達が多少遅れたとして大きな支障はない。そこで、データ表示器800用の伝達素子108a1〜a7、a9については、無極性のフォトリレーを用いることにより、出力側のケーブルの接続作業が容易となるので、外部情報端子板108全体の使用性が高められる。
なお、情報管理装置700は、少なくとも管理CPU700a、管理ROM700b及び管理RAM700c(図示無し)を備えている。管理ROM200bには、情報管理装置700を制御するためのプログラムや各種のデータ、テーブルが記憶されている。
管理CPU700aは、管理ROM700bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行い、チップ用外部情報の解析制御や玉貸し制御等を行っている。管理RAM700cは、不揮発性の記憶部(フラッシュメモリ等)で構成され、管理CPU700aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。本実施の形態では、管理RAM700cは不揮発性の記憶部で構成されているが、管理RAM700cを揮発性の記憶部で構成し、情報管理装置700の内部に電池を設け、情報管理装置700に電源が供給されなくても、管理RAM700cに記憶されたデータが保持されるように構成してもよい。
このように、複数の情報を有し、複数ビットからなる外部情報シリアルデータを主制御基板101から払出制御基板103に出力し、払出制御基板103にて、S/P変換回路103eによってシリパラ変換し、複数の外部情報をパラレルで外部情報端子板108を介して外部装置(情報管理装置700及びデータ表示器800)に出力する。このように、主制御基板101からの出力される外部情報をシリアル信号とすることで、主制御基板101の中の出力に係る配線数(端子数)を抑えることができるので、主制御基板101及び遊技盤2の有効スペースの拡大を図ることができる。
また、払出制御基板103は、主制御基板101と外部装置との中継基板として機能している。ここで、払出制御基板103は、払出制御における賞球要求信号等、当該外部情報シリアルデータ以外にも、主制御基板101とデータ通信を行っている。よって、外部情報シリアルデータを主制御基板101から外部装置に中継する中継基板として、払出制御基板103を利用することにより、新たに中継基板を設けるということを防ぎ、部品点数並びにコストの削減及び設置スペースの効率化を図ることができる。
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、ガラス扉3に設けられた演出用照明装置73〜78の点灯制御及び光の照射方向を変更するためのモータの駆動制御等を行う。また、演出用役物装置80〜84を作動させるソレノイドやモータの駆動制御等を行う。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されるコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、少なくとも画像表示装置71に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を画像表示装置71の駆動回路に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置72に出力させる音声に係る音声信号を音声出力装置72の駆動回路に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
画像制御基板105の統括部105Aは、画像表示装置71による画像表示制御を行うため統括CPU105Aa、統括ROM105b、及び、統括RAM105cを備えている。
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御コマンド等の演出制御に係るコマンドを受信すると、コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像表示装置71に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置72から出力させる音声の指示を出す。
次に、図9〜図14を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図9(a−1)(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、始動口21、22への入賞に基づき取得した大当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも、遊技者に有利な特別遊技を実行する権利獲得の成否(特賞の当否)を決定することである。図9(a−1)は、第1始動口21への入賞を契機に行われる第1特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。一方、図9(a−2)は、第2始動口22への入賞を契機に行われる第2特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(標準値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。すなわち、取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「ハズレ」以外、すなわち、「大当たり」に当選すると、大入賞口23が開放する特別遊技が実行される。
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図9(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出の有無とが一義的に対応付けられて格納されている。取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の当否が判定される。リーチ判定の結果、リーチに当選する(リーチ演出有りと判定される)と、当該抽選演出中に遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
リーチ演出の態様としては、例えば、演出図柄の変動表示中に画像表示装置71の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で装飾図柄が停止し、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の装飾図柄が停止すれば大当たりの当選を表す装飾図柄の配列となる状態(所謂「リーチ状態」)が発生する態様がある。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このリーチ状態という演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。しかし、遊技中に画像表示装置71等で頻繁に行われる主要な抽選演出において、大当たり当選を表す3つの装飾図柄の配列のうち2つの装飾図柄が揃い、途中まで「大当たり」当選と同一の状況を創出することで遊技者の大当たり当選に対する期待感を煽ることができる。
図10(a)、図10(b)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、取得した特別図柄判定用乱数に基づいて特別図柄表示装置11、12において停止表示される特別図柄の態様(特別図柄の種類:特図停止図柄データ・特別演出図柄指定コマンド)を決定することである。
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。すなわち、図10(a)は、当該大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図10(b)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。
さらに、これらの各テーブルは当該特別図柄の抽選の契機となる始動口の種類によっても分類されている。当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄判定テーブルはリーチ演出の有無によっても分類されている。各特別図柄判定テーブルには、特別図柄用判定値と、特別図柄の種類とが一義的に対応付けられて格納されている。特別図柄の種類の識別情報として、特図停止図柄データ及び特別演出図柄指定コマンドが設定されている。特図停止図柄データは、主制御基板101における処理において用いられ、特別演出図柄指定コマンドは当該特別図柄判定時に演出制御基板102に送信される。
特別演出図柄指定コマンドは、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示すための1バイトのDATAデータとから構成されている。特別演出図柄指定コマンドについては、MODEデータが「E1H」であれば、第1始動口21に遊技球が入賞したこと(第1特別図柄表示装置11を作動させること)を表し、MODEデータが「E2H」であれば、第2始動口22に遊技球が入賞したこと(第2特別図柄表示装置12を作動させること)を表す。
図11(a)は、大当たり遊技を制御する際に用いられる大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。大当たり遊技制御テーブルは、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれのテーブルを用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始されてから、大入賞口23の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニングコマンド、大入賞口23の開閉を制御する際に用いるテーブルの種類、大入賞口23の最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディングコマンドが設定されている。
図11(b)、図11(c)は、大入賞口23の開閉を制御する際に用いる大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルには、大当たり遊技時の大入賞口23の開閉を制御するための条件が格納されている。大入賞口23の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における大入賞口制御装置230の作動(大入賞口23の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
図12(a)は、遊技条件データを決定する際に参照する参照データ判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件データとは、大当たり当選の際に、当該大当たり遊技後に新たに設定(変動)する遊技条件の状態を表す識別情報である。遊技条件データは、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態及び当該特別図柄抽選の結果(特図停止図柄データ)に対応付けられている。すなわち、当該テーブルは、大当たりの当選確率の状態(低確率状態/高確率状態)によって分けられており、分けられた各テーブルにおいて、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)と遊技条件データとが一義的に対応付けられて格納されている。
遊技条件データは、2バイトのデータで構成されている。遊技条件データの上位バイトは、当該大当たり当選により新たに設定される大当たりの当選確率の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に大当たりの当選確率が高確率状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に大当たりの当選確率が低確率状態に設定される。一方、遊技条件データの下位バイトは、当該大当たり当選により新たに設定される始動口入賞容易性の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が容易状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が困難状態に設定される。
図12(b)は、遊技条件判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件判定とは、大当たり遊技が終了する際に(大当たり遊技終了処理の際に)新たに設定される遊技条件の状態を決定することである。上述したように、本実施の形態においては、遊技条件として、大当たりの当選確率と始動口入賞容易性とが設定されている。当該テーブルは、遊技条件データと、各遊技条件の状態、すなわち、後述するその遊技条件の状態を示すフラグ(高確率フラグ及び時短フラグ)のON/OFF及び当該遊技条件の状態によって実行可能な特別図柄表示の回数(Xa、Ja:以下、「実行可能回数」という)とが一義的に関連付けられて格納されている。すなわち、この特別図柄表示の実行可能回数とは、特別図柄抽選、換言すれば、その結果の報知となる特別図柄の変動表示の規定回数を意味する。
図13は、後述するように特別図柄の変動表示の態様(以下、「特別図柄の変動パターン」という)を決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。図13(a)は第1始動口21への入賞に基づく第1特別図柄の変動表示に係る特図変動パターン判定テーブル、図13(b)は第2始動口22への入賞に基づく第2特別図柄の変動表示に係る特図変動パターン判定テーブルである。特図変動パターンには、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)や演出の種別が関連付けられている。
特図変動パターン判定テーブルは、特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別、特図停止図柄データ(大当たり判定の結果やリーチ演出の有無等が含まれる)及び特別図柄保留数(U1またはU2)によって分類されている。
各テーブルにおいて、特図変動パターン用判定値と、一又は複数の特図変動パターンとが一義的に関連付けられて格納されている。特図変動パターンは、予め設定された所定の確率で割り振られているため、特図変動パターンには大当たり当選の期待度が設定されていることになる。
なお、各特図変動パターンに対応して始動口入賞指定コマンド及び特別図柄の変動パターン指定コマンドが設定されている。始動口入賞指定コマンドは、入賞時に(ステップS200の入力制御処理時に)生成されて演出制御基板102に送信され、特図変動パターン指定コマンドは、当該特別図柄の変動表示開始時に(ステップS300の特別図柄記憶判定処理時に)生成されて演出制御基板102に送信される。いずれのコマンドも、始動口の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。
図14(a)〜図14(f)は、入賞ゲート24への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
図14(a)は、普通図柄抽選用の当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、入賞ゲート24への入賞に基づき取得した当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも補助遊技を実行する権利獲得の成否(当たりの当否)を決定することである。
当たり判定テーブルは、後述する始動口入賞容易性の状態によって分けられている。具体的には、当たり判定テーブルは、非時短状態のときに参照される当たり判定テーブルと、時短状態のときに参照される当たり判定テーブルとで分けられており、メインROM101bに格納されている。取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。すなわち、各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されており、取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口22の開放を伴う補助遊技が実行される。
図14(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、入賞ゲート24への入賞に基づいて取得された普通図柄判定用乱数に基づいて普通図柄表示装置13において停止表示される普通図柄の態様(普通図柄の種類:普図停止図柄データ・普通演出図柄指定データ)を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり及びハズレ)によって分けられており、いずれもメインROM101bに格納されている。
図14(c)は、普通図柄の変動表示に要する時間(以下、「普図変動時間」という)に対応付けられた普通図柄の変動パターン(以下、「普図変動パターン」という)を判定するための普図変動パターン判定テーブルを示す図である。普図変動パターン判定テーブルは、時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルと、非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルとで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
取得された普図変動パターン判定用乱数を普図変動パターン判定テーブルに照合することで、普図変動パターンが決定される。本実施の形態では、各テーブルにおいて1つの普図変動パターンのみが設定されている。すなわち、時短状態における普図変動時間の期待値は3.0秒、一方、非時短状態における普図変動時間の期待値は15.0秒となっている。
図14(d)は、補助遊技参照データ判定テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を行う際に参照されるデータ(補助遊技参照データ)が格納されている。補助遊技参照データ判定テーブルには、現在の第2始動口22への入賞容易性状態と普図停止図柄データとの組み合わせと、補助遊技参照データとが対応付けられている。すなわち、補助遊技参照データは、当該普通図柄抽選が行われた際の始動口入賞容易性状態及び当該普通図柄抽選の結果に関する情報を有する。
図14(e)は、補助遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を制御するための条件が上記の補助遊技参照データに関連付けられて格納されている。補助遊技を制御するための条件として、補助遊技が開始してから、第2始動口22の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、第2始動口22の最後の開放が終了してから、補助遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。なお、補助遊技制御テーブルもメインROM101bに格納されている。
図14(f)は、当たり用の第2始動口開閉制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、補助遊技参照データが「01H」のときに参照される第2始動口開閉制御テーブルと、補助遊技参照データが「02H」のときに参照される第2始動口開閉制御テーブルとで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
各テーブルには、補助遊技時の第2始動口22の開閉を制御するための条件が上記の補助遊技参照データに関連付けられて格納されている。第2始動口22の開閉を制御するための条件として、第2始動口制御装置220の作動(第2始動口22の開放)順番である普電作動番号(D)、及び、各開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。本実施の形態では、各テーブルにおいて1種類の条件パターンのみが設定されている。すなわち、補助遊技参照データが「02H」の第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は5.0秒、一方、補助遊技参照データが「01H」の第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は0.2秒となっている。
(特別遊技の種類の説明)
特別遊技について説明する。本実施の形態においては、大入賞口制御装置230が作動する(大入賞口23が開放する)特別遊技は、「大当たり」に当選した際に実行され、大入賞口23が開閉する「大当たり遊技」で構成されている。大当たり遊技は、主に大入賞口23の開閉態様の相違によって「長当たり遊技」と「短当たり遊技」とに分けられる。
大当たり遊技では、大入賞口23が1回以上は開放するラウンド遊技が所定回数実行される。各ラウンド遊技において、開放し得る回数(以下、最大開放回数という)と、開放し得る時間の合計(以下、最大開放時間という)とが予め設定されている。「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に大入賞口23に入賞できる遊技球の個数が制限されているからである(例えば9個)。したがって、大入賞口23が最大開放回数開放していなくても大入賞口23が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することがある。また、最大開放時間が経過していなくても大入賞口23が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。なお、各ラウンド遊技における大入賞口23の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
(遊技条件の説明)
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施形態において、大当たりの当選確率については「低確率」状態又は「高確率」状態のもとで遊技が進行し、遊技球の始動口への入賞容易性については「時短」状態又は「非時短」状態のもとで遊技が進行する。初期(電源投入時)の遊技条件は、「低確率」状態且つ「非時短」状態に設定されており、この「低確率」状態且つ「非時短」状態を基準として「通常遊技状態」と称する。
本実施形態において大当たりの当選確率についての「低確率」状態とは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したことを条件として行われる特別図柄抽選の大当たり判定における大当たりの当選確率が、1/258と相対的に遊技者に不利に設定されていることをいう。ここでいう「大当たり」の当選とは、特別図柄抽選において「大当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」状態とは、大当たりの当選確率が「低確率」状態より高く、すなわち、相対的に遊技者に有利な1/34に設定されていることである。したがって、大当たりの当選確率が「高確率」状態のときは、「低確率」状態のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
「非時短」状態とは、第2始動口22への入賞容易性が通常の状態である。具体的には、「非時短」状態では、遊技球が入賞ゲート24に入賞したことを条件として行われる普通図柄の抽選に対応する普通図柄の変動表示に要する時間(以下、普図変動時間という)が、15秒に設定され、普通図柄の抽選において「当たり」に当選したときに作動する第2始動口制御装置220の作動時間(第2始動口22の開放時間)の合計の期待値が例えば0.2秒に設定され、普通図柄用の当たり判定において当たりに当選する確率が1/50に設定されていることをいう。なお、「開放時間の合計」となっているのは、1回の当たりに対して第2始動口22が複数回開放することがあり、又、1回の当たりに対して遊技球が入賞できる個数が制限されており、遊技球がその個数入賞すると当該開放時間の経過を待たず閉鎖するからである。
これに対して「時短」状態とは、「非時短」状態に比べて、単位時間当たりにおける第2始動口制御装置220の作動時間(第2始動口22の開放時間)が長く、第2始動口22への入賞容易性が「非時短」状態に比べて高い状態、すなわち、「非時短」状態に比べて第2始動口22へ入賞させ易い状態のことをいう。第2始動口22への入賞容易性が相対的に高いことによって、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行可能回数が多くなる。同一の大当たりの当選確率のもとでは、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が多い方が、必然的に単位時間当たりにおける大当たりの当選回数も多くなることから、「時短」状態は「非時短」状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
上述したように、本実施の形態では、「時短」状態では、普図変動時間が3.0秒に設定され、第2始動口22の最大開放時間の合計が5.0秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される。すなわち、第2始動口22への入賞容易性の構成要素全てについて「非時短」状態より遊技者に有利に設定されている。
なお、本実施の形態では、始動口21、22に遊技球が入賞すると、3球の賞球を得ることができるものの、遊技者が適切な発射ハンドル42の操作で遊技球の発射を行っても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。しかしながら、「時短」状態のときは、「非時短」状態に比して第2始動口22への入賞が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。つまり、遊技者が所持する遊技球の個数の観点からも「時短」状態は「非時短」状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
このように、大当たりの当選によって、大当たり遊技の種類(長当たり遊技/短当たり遊技)と、大当たり遊技後に新たに設定される遊技条件の状態(低確率状態/高確率状態と、非時短状態/時短状態との組み合わせ)とが決定される。このことを鑑みると、実質的な大当たりの種類(遊技者が享受する利益度に基づく大当たりの種類)は、実行される大当たり遊技の種類と、当該大当たり遊技終了後に新たに設定される遊技条件の状態との組合せと言える。そこで、以下、特図停止図柄データに基づく大当たりの種類とは別に、大当たりによって導かれた大当たり遊技の種類と大当たり遊技後の遊技条件との組合せ、すなわち、遊技者が享受する利益の種類に基づいて、大当たりの種類を分類することができる。
(主制御基板のメイン処理)
図16を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板109からメインCPU101aに電力が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROM101bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM101cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
メインCPU101aはステップS20において、遊技機Yに固有のチップ用外部情報を生成し、出力するチップ用外部情報出力処理を行う。このチップ用外部情報出力処理では、まず、固有番号レジスタ101dから「固有番号」のデータを読み出すとともに、メインROM101bの型式名記憶領域から「型式名」のデータ、メインROM110bのメーカー名記憶領域から「メーカー名」のデータをそれぞれ読み出し、図8(a)に示すような39バイトのチップ用外部情報を生成する。そして、生成した39バイトのチップ用外部情報のビットデータから、8ビットの外部情報シリアルデータを生成する。例えば、チップ用外部情報の先頭1バイトの0ビット目が「1」であれば、外部情報シリアルデータの3ビット目が「1」となるシリアルデータを生成する。そして、メインCPU110aは、8ビットの外部情報シリアルデータの各ビットの値を最下位から順に、第3の出力ポート101eに出力するシリアルデータ出力処理、クロック信号を第3の出力ポート101eに出力するクロック信号出力処理、ラッチ信号を第3の出力ポート101eに出力するラッチ信号出力処理等を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、リーチ判定用乱数値、特図変動パターン判定用乱数値等で構成される特別図柄の変動表示における特図変動パターンを決定するための演出乱数の更新を行う。
ステップS40において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS30とステップS40との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図17を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、大入賞口23の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口22の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、所定の検出センサから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図18〜図19を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置11、第2特別図柄表示装置12、第1特別図柄保留表示装置14、第2特別図柄保留表示装置15、及び、大入賞口制御装置230の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄係処理)を行う。
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置13、普通図柄保留表示装置16、第2始動口制御装置220の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、始動口(第1始動口21、第2始動口22)、大入賞口23、及び、一般入賞口25に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
ステップS600において、メインCPU101aは、遊技に関する情報を外部信号として情報管理装置700等の外部装置に出力する外部情報シリアルデータを生成する。具体的に、特図特電処理データ=2である場合、特別図柄の変動表示回数を示す図柄確定信号(1ビットのデータ)が含まれた8ビットの外部情報シリアルデータを生成する。また、特図特電処理データ=3である場合、すなわち、大当たり遊技処理中である場合、特図停止図柄データ記憶領域を参照し、特図停止図柄データ(大当たりの種類)に基づいて、大当たりの種類を示す大当たり信号1、2(1ビットのデータ)が含まれた8ビットの外部情報シリアルデータを生成する。例えば、外部情報シリアルデータの1ビット目または2ビット目が「1」となるシリアルデータを生成する。
また、メインCPU101aは、ステップS600において、第2始動口開閉ソレノイド220B及び大入賞口開閉ソレノイド230Bを駆動させるための駆動制御データ(第2始動口開閉ソレノイド駆動データ及び大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、図柄表示装置11、12、13や保留表示装置14、15、16に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、まず上記S600で作成した外部情報シリアルデータ、駆動制御データ等を出力させるポート出力処理が行われる。第3の出力ポート101eに係る処理では、ステップS600で生成された8ビットの外部情報シリアルデータの各ビットの値を最下位から順に、第3の出力ポート101eに出力するとともに、クロック信号、ラッチ信号も第3の出力ポート101eに出力する。次いで、図柄表示装置11、12、13及び保留表示装置14、15、16の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図18を用いて、入力制御処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS210において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ25aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口25に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ25aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
ステップS220において、メインCPU101aは、大入賞口検出センサ23aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口23に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口検出センサ23aから検出信号が入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、当該ラウンド遊技中に大入賞口23に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ21aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口21に入賞したか否かを判定する。詳細は、図19(a)を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ22aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する。詳細は、図19(b)を用いて後述する。
ステップS250において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ24aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート24に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ24aから検出信号が入力した場合には、所定の判定情報(当たり判定用乱数、普通図柄判定用乱数)を取得し、メインRAM101cの普通図柄保留記憶領域に記憶する。なお、前述の通り、所定の判定情報は普図保留球として4個まで記憶することができる。
次に、図19(a)を用いて第1始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS231において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ21aから有効な検出信号の入力があったか否か、すなわち、所定の取得条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号の入力がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号の入力があれば、ステップS232において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第1始動口入賞フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONする。
メインCPU101aは、ステップS233において、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1、「第1特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U1)が4であれば当該処理を終了し、第1特図保留数(U1)が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS234において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する。そして、ステップS234においては、第1特別図柄保留表示装置14に表示される第1特図保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データを主制御基板101の所定領域(例えば、出力ポート)にセットする。
メインCPU101aは、ステップS235において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第1特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第1特別図柄記憶保留領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図15(a)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS236において第1始動口21への入賞に基づく第1事前判定を行う。ここで、第1事前判定について説明する。第1事前判定は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第1始動口21への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
具体的には、ステップS235で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第1事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第1事前判定の判定結果として、第1始動口入賞指定コマンドが決定される。すなわち、第1始動口入賞指定コマンドには第1事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
そして、メインCPU101aは、ステップS237において、第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
次いで、図19(b)を用いて、第2始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS241において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ22aから有効な検出信号の入力があったか否か、すなわち、所定の取得条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号の入力がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号の入力があれば、ステップS242において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入賞規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入賞フラグをONする。第2始動口入賞規定カウンタとは、1回の補助遊技における第2始動口22への入賞個数を計数する装置である。これは、本実施の形態では、1回の補助遊技に対する第2始動口22への入賞個数が制限されているからである。
メインCPU101aは、ステップS243において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2、「第2特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U2)が4であれば当該処理を終了し、第2特図保留数(U2)が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS244において第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。そして、ステップS244においては、第2特別図柄保留表示装置15に表示される第2特図保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データを主制御基板101の所定領域(例えば、出力ポート)にセットする。
メインCPU101aは、ステップS245において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第2特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第2特別図柄記憶保留領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図15(b)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS246において第2始動口22への入賞に基づく第2事前判定を行う。ここで、第2事前判定について説明する。第2事前判定は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第2始動口22への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
具体的には、ステップS245で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第2事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第2事前判定の判定結果として、第2始動口入賞指定コマンドが決定される。すなわち、第2始動口入賞指定コマンドには2事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
そして、メインCPU101aは、ステップS247において、第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
図20を用いて、特図特電制御処理を説明する。ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当たり遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。
図21を用いて、普図普電制御処理を説明する。メインCPU101aは、まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば、入賞ゲート24への入賞に基づいて取得された判定情報に基づいて第2始動口22が開放するか否かの普通図柄判定等を含む普通図柄記憶判定処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば、普通図柄判定に基づいて普通図柄表示装置13を作動させるための普通図柄変動処理(ステップS420)に処理を移し、普図普電処理データ=2であれば普通図柄停止処理(ステップS430)に処理を移し、普図普電処理データ=3であれば第2始動口22を開放させる(第2始動口制御装置220を作動させる)補助遊技処理(ステップS440)に処理を移す。
次に、演出制御基板102について簡単に概略を説明する。演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、4ms毎に行われる演出制御基板102のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する演出を制御するためのコマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信される。
例えば、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、主制御基板101から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、画像表示装置71、音声出力装置72、演出用照明装置73〜78、演出用役物装置80〜84に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。
次に、ランプ制御基板104と画像制御基板105について簡単に概略を説明する。ランプ制御基板104においては、受信した演出用のコマンドに基づいて、演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置73〜78を制御すると共に、演出用役物装置作動プログラムを読み出して、演出用役物装置80〜84を作動制御する。
画像制御基板105においては、演出制御基板102から演出制御用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声プロセッサ105Caが音声ROM105Cbから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置72から音声を出力制御するとともに、統括CPU105Aaが統括ROM105Abからアニメーション制御プログラムを読み出して、画像表示装置71による画像表示を制御する。
(その他の実施の形態)
また、実施の形態1によれば、パチンコ遊技機に用いる遊技機について説明をしたが、回胴式遊技機(スロットマシン)、雀球遊技機、アレンジボール遊技機に用いてもよい。
また、実施の形態1によれば、主制御基板101と払出制御基板103との間に、盤電源中継端子板106が介在しているが、盤電源中継端子板106を必ずしも介在させる必要はない。また、盤電源中継端子板106の構造も実施の形態1に限られない。さらに、実施の形態1では、主制御基板101と外部情報端子板108とを中継する基板として払出制御基板103以外の基板であっても良い。この場合、効率化の観点から、外部情報以外のデータについて主制御基板101と通信する基板であることが望ましい。