JP2014123318A - 情報処理装置および電子コンテンツ利用料の配分方法 - Google Patents

情報処理装置および電子コンテンツ利用料の配分方法 Download PDF

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Abstract

【課題】利用料定額の電子コンテンツ提供サービスにおいて、電子コンテンツの権利者に対する収益配分量の決定を支援する。
【解決手段】利用状況更新部39は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量のユーザストレージ28へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツをユーザストレージ28から削除する。収益配分部50は、所定期間にユーザストレージ28へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間およびデータ量に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定する。
【選択図】図5

Description

本発明はデータ処理技術に関し、特に、情報処理装置および電子コンテンツ利用料の配分方法に関する。
以下の非特許文献1で示すように、月額定額制にて様々な種類の電子コンテンツをスマートフォンにダウンロードして再生することができるサービスが提供され始めている。
KDDI株式会社、"月額定額制で電子書籍が読み放題! 「ブックパス」サービス開始〜「auスマートパス」会員限定で映画、音楽、本が楽しみ放題のお得なキャンペーンも開始〜"、[online]、[平成24年12月14日検索]、インターネット<URL:http://www.kddi.com/news/topics/20121203a.html>
このような利用料定額の電子コンテンツ提供サービスにおいて、ユーザから集めたお金を各電子コンテンツの権利者へ配分する仕組み、言わば「収益配分モデル」が重要であると本発明者は考えた。電子コンテンツの権利者が、自身に収益が配分される仕組みに納得し、安心してコンテンツを提供できる環境を整えなければ、多くの権利者から多くのコンテンツを集めることは困難だからである。しかしながら、利用料定額の電子コンテンツ提供サービスに適した収益配分モデルはこれまで十分に提案されてはいなかった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その主な目的は、利用料定額の電子コンテンツ提供サービスにおいて、電子コンテンツの権利者に対する収益配分量の決定を支援するための技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除する更新部と、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間およびデータ量に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、を備える。
本発明の別の態様もまた、情報処理装置である。この装置は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除する更新部と、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および記憶領域に格納された回数に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、を備える。
本発明のさらに別の態様もまた、情報処理装置である。この装置は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除する更新部と、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および販売価格に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、を備える。
本発明のさらに別の態様もまた、情報処理装置である。この装置は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除する更新部と、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および再生に要する時間に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、電子コンテンツ利用料の配分方法である。この方法は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除するステップと、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間およびデータ量に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定するステップと、を情報処理装置が実行する。
本発明のさらに別の態様もまた、電子コンテンツ利用料の配分方法である。この方法は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除するステップと、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および記憶領域に格納された回数に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定するステップと、を情報処理装置が実行する。
本発明のさらに別の態様もまた、電子コンテンツ利用料の配分方法である。この方法は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除するステップと、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および販売価格に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定するステップと、を情報処理装置が実行する。
本発明のさらに別の態様もまた、電子コンテンツ利用料の配分方法である。この方法は、所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、ユーザによる利用が終了するコンテンツを記憶領域から削除するステップと、所定期間に記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および再生に要する時間に応じて、当該コンテンツの権利者に対する定額利用料の配分量を決定するステップと、を情報処理装置が実行する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によると、利用料定額の電子コンテンツ提供サービスにおいて、電子コンテンツの権利者に対する収益配分量の決定を支援できる。
ユーザストレージを模式的に示す図である。 ある1人のユーザによるコンテンツ利用状況を模式的に示す図である。 複数コンテンツによるユーザストレージの占有状況を模式的に示す図である。 実施の形態の情報処理システムの構成を示す図である。 図4のコンテンツ貸出装置の機能構成を示すブロック図である。 コンテンツ属性情報の構成を示す図である。 ユーザストレージに格納される情報を示す図である。 コンテンツ利用履歴の構成を示す図である。 調整係数の例を示す図である。 コンテンツ貸出装置の動作を示すフローチャートである。 図10のS16のコンテンツ割当処理を詳細に示すフローチャートである。 図10のS24のコンテンツ再生支援処理を詳細に示すフローチャートである。 図10のS28のコンテンツ販売処理を詳細に示すフローチャートである。 コンテンツ貸出装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態の情報処理システムの構成を説明する前に概要を説明する。
電子コンテンツを含む「もの」をユーザが利用する態様としては、ユーザが「もの」を購入して利用する場合と、ユーザが「もの」を借りて利用する場合がある。ここで利用する時間が主な効用である「もの」、言い換えれば、利用することでユーザの満足感を充足させられる「もの」については、購入して所有する意義は大きくなく、借りることでユーザは効用を得られる。より具体的には、必ずしも所有しなくてよい「もの」、提供者の負荷が小さい「もの」、使用劣化が小さい「もの」は、購入に代えて借りるというビジネスモデルが成立する。音楽・動画・電子書籍・アプリケーションなどのデジタルデータ(すなわち電子コンテンツ)は、この条件を満たす「もの」である。したがって、電子コンテンツを貸し出す、言い換えれば、一時的な利用を許諾するというビジネスモデルが成立し、今後一層発展していくことが予想される。
特に実施の形態では、定額の月額課金制の電子コンテンツ貸出サービスに焦点を当てる。電子コンテンツ貸出サービスでは、ユーザが利用可能な多くの電子コンテンツをその権利者から集めること、言い換えれば、権利者に提供させることが成功の鍵になる。この権利者は、例えば著作権者等、コンテンツが生み出した収益を享受する権利を有している個人や法人である。権利者にとっては、定期的にユーザから集められたお金がどのような方法で自身に配分されるのかを示す収益配分モデルが重要である。安心して著作物(電子コンテンツ)をユーザの利用に供することができ、また、このような収益配分方法であれば自分も参加したいと権利者に思わせるモデルでなければ、多くの権利者から多くのコンテンツを集めることは困難だからである。したがって、電子コンテンツ貸出サービスの成功の鍵は、収益配分モデルが握っていると言える。
ここで、収益配分モデルとして3つのモデルを考察する。
1)ダウンロード数:
各コンテンツのダウンロード数に応じて収益を配分する方法である。ユーザへ貸出対象とする複数のコンテンツが均質であればある程度有効であると考えられる。しかし、例えば電子書籍の範囲で考えても、長編小説より短編小説の方が有利になる。長編小説は自身を分冊化することで対抗することも考えられるが、必ずしもコンテンツが実質的にユーザへ提供した効用・満足の大きさを反映した収益配分量にはならない。
2)データ量×ダウンロード数:
データ量を加味することで長編小説を分冊化することは無意味になるが、今度はデータ量を大きくする競争が始まる。例えば短編小説に写真を載せてデータ量を稼ぐようになるかもしれない。また写真集や映画等の画像データが圧倒的に有利な状況が生まれる。さらにまた、画像データを低圧縮に留めることでデータ量を稼ぐようになるかもしれない。すなわちこのモデルでも、必ずしもコンテンツが実質的にユーザへ提供した効用・満足の大きさを反映した収益配分量にはならない。
3)単価(小売価格)×ダウンロード数:
コンテンツの販売単価を加味するモデルである。ただし、現実の販売市場を無視して配分市場だけでビジネスを考える場合、現実の販売価格と乖離した高い価格が設定されてしまうことが考えられる。すなわちこのモデルでも、必ずしもコンテンツが実質的にユーザへ提供した効用・満足の大きさを反映した収益配分量にはならない。
これら3つのモデルにおいて、ダウンロード数を、電子コンテンツの起動数(すなわち再生数)に置き換え、また組み合わせることも可能である。しかし基本な構造に変化はなく、適切な収益配分モデルとは言い難い。このように、どのモデルも問題点を抱え、例えば写真集と長編小説と短編小説を同じ収益配分モデルで取り扱うことは困難な状況である。また電子書籍だけでなく、音楽、ゲーム、アプリケーション等、性質が異なる複数種類のカテゴリのコンテンツを同じモデルで取り扱うことはさらに困難であると考えられる。
実施の形態の電子コンテンツ貸出サービスでは、固定容量のストレージをユーザに割り当て、ユーザが一時利用(言わばレンタル利用)するコンテンツをそのストレージに事前に格納する。ストレージ容量が固定されているため、ユーザは複数のコンテンツを利用する際、適宜ストレージ内のコンテンツを入れ替える必要がある。そして実施の形態の収益配分モデルは、各コンテンツがユーザのストレージに格納された時間をパラメータとし、各コンテンツの権利者への収益配分量を決定する。基本的には、ユーザのストレージへの格納時間が長いコンテンツほど、その権利者への収益配分量を大きくする。ユーザのストレージではコンテンツが次々に入れ替えられるところ、ユーザのストレージに長く滞在したコンテンツほど、ユーザに大きな効用(長い充実した時間)を提供したと考えられるからである。なお実施の形態では、収益配分量決定のパラメータとして、コンテンツのデータ量も用いる。
具体的には、サーバ(後述のコンテンツ貸出装置10)は、月極の定額利用料を支払うユーザ個々に対して固定容量のストレージ(以下、「ユーザストレージ」とも呼ぶ。)を割り当てる。実施の形態におけるユーザストレージの容量、言い換えれば、格納可能な1以上の電子コンテンツの合計データサイズは10ギガバイト(10GB)である。一般的に、電子コンテンツのサイズは、コンテンツのカテゴリにより傾向が異なる。音楽の場合、1曲で約5MB、14曲のアルバムで約70MBである。映画の場合、2時間で約4GBである。ビデオクリップ(ミュージックビデオ)の場合、5分で約50MBである。電子書籍の場合、小説で約20MB、ライトノベルで約50MB、コミックで約120MBである。ゲームの場合、約300MBから7GBである。したがって10GBのユーザストレージには、概ね、音楽アルバムを120枚、映画を2本、小説を500冊、コミックを80冊、ゲームを30本から1本格納できる。
ユーザストレージの容量は、映画等の比較的大きい動画ファイルを少なくとも1つ格納できる一方、所定個数以上の格納は困難となる程度のサイズに定めることが望ましい。言い換えれば、複数コンテンツの利用に伴ってユーザストレージへのコンテンツの出し入れをユーザに迫ることができると想定されるサイズに定めることが望ましい。なお、ユーザストレージの容量は、電子コンテンツ貸出サービスの提供者(コンテンツ貸出装置10の管理者)の知見や経験、またはコンテンツ貸出装置10を用いた実験により適切な値が決定されてよい。
実施の形態の電子コンテンツサービスでは、複数のカテゴリに亘る複数のコンテンツの中からユーザは所望のコンテンツを選択して自身のユーザストレージに登録する。サーバは、ユーザストレージに登録されたコンテンツの一時利用をユーザに許可する。ユーザは、予め定められたユーザストレージの容量の範囲で、好きな電子コンテンツを好きなだけ選択して一時的に利用することができる。また、ユーザストレージの空き容量が不足した場合は、ユーザストレージの中のコンテンツを別のコンテンツと入れ替えることもできる。ユーザストレージは、あたかも、家庭用のHDDレコーダと同様に機能すると言える。
図1は、ユーザストレージを模式的に示す。図1の(a)は、ユーザαに割り当てられたユーザストレージを示している。ユーザαは、法律書・コミック・ゲーム・映画・音楽を自身のユーザストレージに格納して利用(閲覧や実行等)している。図1の(b)は、ユーザβに割り当てられたユーザストレージを示している。ユーザβは、音楽・小説・オフィスアプリケーションを自身のユーザストレージに格納して利用している。
図1の(c)は、ユーザαに割り当てられたユーザストレージを示している。ここではユーザαが、図1の(a)に示したユーザストレージの中身を入れ替えた状態を示している。具体的には、ユーザαは、図1の(a)のコミック・映画・音楽のデータをユーザストレージから削除する、言い換えれば、これらのコンテンツの利用を中止し、これにより拡大した空き領域へドラマ・別の映画を新たに格納している。このように電子コンテンツ貸出サービスの利用ユーザは、自身に割り当てられたユーザストレージの容量の範囲内で自由にコンテンツを出し入れし、所望のコンテンツを利用する。実施の形態における電子コンテンツの「利用」は、所定の再生プログラムによるコンテンツデータ(プログラムコード)の再生および実行を含み、また再生結果および実行結果の閲覧や視聴を含む。
各ユーザが利用対象として選択するコンテンツ、言い換えれば、各ユーザが自身のユーザストレージに格納するコンテンツデータは日々刻々と変化する。サーバは、各ユーザによるコンテンツの利用状況を定期的に記録し、コンテンツ利用履歴として蓄積していく。図2は、ある1人のユーザによるコンテンツ利用状況を模式的に示す。同図は、1単位の集計期間、すなわち定額利用料の支払対象である1ヶ月において、10GBのユーザストレージに格納されたコンテンツデータの変遷(推移)を示している。この例では、ユーザは、コンテンツA〜Iを利用している。
サーバは、1単位の集計期間において、各ユーザによるコンテンツ利用履歴を集計し、コンテンツ毎にユーザストレージの占有状況を特定する。図3は、複数コンテンツによるユーザストレージの占有状況を模式的に示す。同図は、1単位の集計期間において、全ユーザ数を仮に100人とし、コンテンツを仮にa〜fとした場合の、各コンテンツによるユーザストレージの占有状況を示している。図1で示したように、コンテンツa〜fは異種カテゴリであってよく、例えばコンテンツaは法律書、コンテンツbは映画であってもよい。
実施の形態の電子コンテンツ貸出サービスにおける収益配分モデルは、1単位の集計期間内で電子コンテンツがユーザストレージの少なくとも一部を占有した領域の大きさを示す占有量を収益配分量決定の指標として用いる。基本的な考え方として、あるコンテンツによるユーザストレージの占有量を、ユーザストレージへの割当時間(すなわちユーザストレージを占有した時間的長さ)×コンテンツのデータサイズ(すなわちユーザストレージを占有した空間的広さ)、により算出する。そして、ユーザストレージを時間的空間的に大きく占有したコンテンツほど、その権利者への収益配分量を大きくする。
既述したように、ユーザストレージには10GBのサイズ制限を設けるため、ユーザが同時に利用可能状態にできるコンテンツの数には制限が生じる。特に、大きなサイズのコンテンツをユーザストレージに格納したまま、他のコンテンツをさらにユーザストレージに格納することは困難になりやすい。そのため、大きなサイズのコンテンツは再生後、比較的短期間のうちにユーザストレージから削除されやすい。その一方、小さなサイズのコンテンツは空き領域への貢献が少ないため、手軽な利用を継続するために比較的長期間ユーザストレージに残されやすい。このように、あるコンテンツによるユーザストレージの占有量は、そのコンテンツがユーザに供した効用の大きさを適切に反映したものとなりやすい。
したがって、実施の形態の収益配分モデルでは、データサイズと収益配分量を正相関させつつも、データサイズが大きいコンテンツはユーザストレージへの割当時間が短くなるため、複数種類の電子コンテンツを、ユーザへ効用を供した観点から公平に取り扱いやすくなる。すなわち、各コンテンツが実質的にユーザへ提供した効用の大きさ、言い換えれば、ユーザに満足した時間をどれだけ提供できたかを反映して、各コンテンツの権利者へ収益を配分できる。またコンテンツのデータサイズについても適度な大きさに収斂していくことが期待できる。
また実施の形態の収益配分モデルは、各ユーザのストレージ容量のうち空き容量を無視して、1つのコンテンツによるユーザストレージの占有量を、他のコンテンツとの間で相対的に評価する。具体的には、全コンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量に対する、1つのコンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量の割合に応じて、その1つのコンテンツの権利者への収益配分量を決定する。ユーザは空き容量に対価を支払う訳ではなく、コンテンツを利用することに対して対価を支払うためである。
したがって、各コンテンツによるユーザストレージの占有量を2次元で示した図3の模式図では、全コンテンツにより形成される領域の中で、相対的に大きな面積を占めるコンテンツ(例えばコンテンツbやコンテンツd)の権利者に対して、相対的に大きな配分量を決定する。コンテンツ側から見ると、「どれだけのサイズでどれだけの期間、ユーザのストレージを占有できるか」が収益配分額の指標となる。すなわち、実施の形態の収益配分モデルでは、複数のコンテンツによるユーザストレージの奪い合いとなる。
以上説明した収益配分モデルを適用した情報処理システムを詳細に説明する。
図4は、実施の形態の情報処理システムの構成を示す。情報処理システム100では、コンテンツ貸出装置10と、ユーザ端末12で総称するユーザ端末12a、ユーザ端末12b、ユーザ端末12c、・・・とが、LAN・WAN・インターネットを含む有線・無線の通信網16を介して接続される。またコンテンツ貸出装置10は、通信網16を介して金融機関装置14とも接続される。
ユーザ端末12は、電子コンテンツ貸出サービスの利用者であるユーザにより操作される情報処理装置である。例えば、PC・スマートフォン・携帯電話機・タブレット端末であってもよい。ユーザ端末12には、コンテンツ貸出装置10からダウンロードした電子コンテンツを再生し、再生結果を画面表示し、また音声出力するためのアプリケーション(例えば各種のビューワやリーダ、プレーヤソフトウェア)がインストールされている。またユーザ端末12にはウェブブラウザもインストールされており、ユーザ端末12はウェブクライアントとして機能する。
金融機関装置14は、金融機関(銀行やクレジットカード会社等)に設置された情報処理装置である。金融機関装置14は、コンテンツ貸出装置10から、コンテンツの権利者への支払要求(例えば銀行口座への振込要求)を受け付けると、その要求で指定された金額をコンテンツの権利者へ支払う(口座へ振り込む)。またコンテンツ貸出装置10から、コンテンツ販売の決済要求を受け付けると、その要求で指定された金額をユーザの口座から引き落としてコンテンツの権利者へ支払う。
コンテンツ貸出装置10は、電子コンテンツ貸出サービスを提供する情報処理装置である。コンテンツ貸出装置10は、ユーザストレージを管理し、ユーザに対してコンテンツデータを一時的に貸し出し、また販売するためのデータ処理を実行する。また、ユーザから支払われた定額利用料を電子コンテンツの権利者へ配分する処理を実行する。またコンテンツ貸出装置10はウェブサーバとしても機能し、ユーザ登録画面やメニュー画面等のウェブページをユーザ端末12へ提供して表示させる。
図5は、図4のコンテンツ貸出装置10の機能構成を示すブロック図である。コンテンツ貸出装置10は、制御部20とデータ保持部22と通信部24を備える。制御部20は、電子コンテンツ貸出サービスを提供するための各種データ処理を実行する。データ保持部22は、電子コンテンツ貸出サービスのための各種データを保持する記憶領域である。通信部24は、予め定められた通信プロトコルにしたがってユーザ端末12および金融機関装置14と通信フレームを送受する。
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。例えば、制御部20の複数の機能ブロックに対応する複数のプログラムモジュールがコンテンツ貸出装置10のHDDにインストールされてもよい。そして、コンテンツ貸出装置10のCPUがプログラムモジュールを適宜メモリに読み込んで実行することにより、制御部20の各機能ブロックの機能が実現されてもよい。またデータ保持部22の機能は、HDDやメモリ内に構築されたテーブルとして実現されてもよい。
データ保持部22は、コンテンツ情報保持部26と、ユーザストレージ28と、利用履歴保持部30と、調整係数保持部32を有する。コンテンツ情報保持部26は、ユーザが利用可能な複数の電子コンテンツのそれぞれに関するコンテンツ属性情報を保持する。
図6は、コンテンツ属性情報の構成を示す。コンテンツ属性情報には、コンテンツID、権利者情報、コンテンツの販売価格(小売価格)、コンテンツが属するカテゴリ、データサイズ、コンテンツデータを含む。権利者情報は、コンテンツ貸出装置10および金融機関装置14において権利者を識別するための情報であり、例えば権利者の名称(氏名)、口座番号、連絡先のデータを含む。カテゴリは、例えば映画・音楽・ゲーム・小説・雑誌・コミック・アプリケーション等を含み、複数種類の性質・態様の中からコンテンツの種類を特徴付ける情報である。コンテンツデータは、電子コンテンツの再生・実行に必要なデジタルデータである。例えばテキストデータでもよく、各種のアプリケーションデータおよび動画・静止画等のバイナリデータでもよい。
図5に戻り、ユーザストレージ28は、一部既述したように、電子コンテンツ貸出サービスの利用者である個々のユーザに割り当てられたデータ記憶領域である。図7は、ユーザストレージ28に格納される情報を示す。ユーザストレージ28には、ユーザIDと、ユーザストレージの空き容量と、利用中コンテンツ情報が格納される。
利用中コンテンツ情報は、電子コンテンツ貸出サービスにおいて提供される複数の電子コンテンツの中からユーザが利用中の(すなわち利用開始対象として選択した)電子コンテンツに関する情報であり、言い換えれば、現在ユーザが再生・実行可能な状態にある電子コンテンツに関する情報である。具体的には、利用中コンテンツ情報は、コンテンツ情報保持部26からコピーされたコンテンツデータとそのIDを含み、さらにダウンロード日時と最新利用日時を含む。ダウンロード日時は、コンテンツ情報保持部26からコンテンツデータのダウンロード(転送)が完了した日時であり、すなわちユーザがコンテンツを再生可能になった日時を示す。最新利用日時は、コンテンツが再生・実行された最も新しい日時を示す。
利用中コンテンツ情報のコンテンツデータエリアは、ユーザ単位で固定サイズに定められている。実施の形態では10GBである。すなわち、図7で示すように利用中コンテンツ情報には複数のコンテンツデータを格納できるものの、複数のコンテンツデータの合計サイズは10GB以下に制限される。一部既述したように、新たにコンテンツの利用を開始する際に、そのコンテンツも含めた複数のコンテンツデータの合計サイズが10GBを超過する場合、ユーザは少なくとも1つの利用中コンテンツについて、その利用を終了してユーザストレージの空き領域を予め拡大させる必要がある。
図5に戻り、利用履歴保持部30は、各ユーザによるコンテンツの利用状況の時系列データ(以下、「コンテンツ利用履歴」とも呼ぶ。)を保持する。コンテンツの利用状況は、ある時点においてユーザストレージに記憶された利用中コンテンツ情報であり、ある時点における利用中コンテンツ情報のスナップショットとも言える。図8は、コンテンツ利用履歴の構成を示す。コンテンツ利用履歴には、所定時間が経過するたび(例えば1分ごと)に新たな利用状況のデータが追加され、蓄積されていく。
図8の例では、その上段に、図7で示した利用中コンテンツ情報が記録された状態を示し、その下段に、2日後の利用中コンテンツ情報が記録された状態を示している。図8で示すように、ユーザストレージに格納されたコンテンツは任意に入れ替えられる。例えば、ユーザID「u0001」のユーザストレージでは、2日の間に、コンテンツID「c0001」が削除される一方、コンテンツID「c0004」が新たに格納されている。また、2日間のコンテンツの再生・実行に伴って最新利用日時も更新されている。
図5に戻り、調整係数保持部32は、ユーザストレージに割り当てられた、言い換えればユーザストレージにダウンロードされた電子コンテンツの属性に応じて、その電子コンテンツへの収益配分を調整するための、予め定められた調整係数を保持する。図9は、調整係数の例を示す。図9に示す経過期間調整係数60、データ量調整係数62、カテゴリ調整係数64のいずれについても、コンテンツ間での配分額調整のための相対値が設定されればよく、1より大きい係数値が設定されてもよい。
図9の(a)は、コンテンツがユーザストレージに割り当てられてからの経過期間に応じて収益配分を調整するための経過期間調整係数60を示している。実施の形態では、経過期間が長くなるほど小さい係数値と対応づける。言い換えれば、ユーザストレージに割り当てられた期間が長くなるほど、コンテンツの権利者への収益配分量が漸減するよう経過期間調整係数60を定める。
図9の(b)は、コンテンツのデータ量に応じて収益配分を調整するためのデータ量調整係数62を示している。実施の形態では、データ量が大きくなるほど小さい係数値と対応づける。言い換えれば、コンテンツのデータサイズが大きいほど、データサイズと収益配分量との正の相関を弱めるようデータ量調整係数62を定める。
図9の(c)は、コンテンツのカテゴリに応じて収益配分を調整するためのカテゴリ調整係数64を示している。カテゴリ調整係数64は、典型的には、カテゴリ毎の標準的なデータ量と、標準的な単価(製造単価や販売価格)にもとづいて、電子コンテンツ貸出サービスの提供者(コンテンツ貸出装置10の管理者)が決定する。なお、電子コンテンツ貸出サービスの提供者の知見や経験にもとづいて、カテゴリ調整係数64の初期値が決定されてもよい。また、コンテンツ貸出装置10を用いたシミュレーションにより適切な係数値が決定されてもよい。また、サービス開始後に係数値が常時調整されてもよい。
カテゴリ調整係数64の決定例を説明する。ここでは音楽アルバム1枚のデータ量を70MBとし、CD販売価格を3千円とする。また映画1本2時間のデータ量を4GBとし、DVD販売価格を6千円とする。販売価格はユーザにとってコンテンツの価値の高さを示す指標値と言えるが、以下に示すように単位データ量の価値は音楽の方が高くなる。
音楽:3000円÷70MB = 42円/MB
映画:6000円÷4GB = 1.5円/MB
音楽は1MBあたり42円の価値があるのに対して、映画は1MBあたり1.5円の価値しかないため、音楽カテゴリの係数を1とした場合の映画カテゴリの係数を、
1.5÷42 = 0.0357、と決定することができる。
同様の考え方で、他カテゴリにおける単位データ量の価値は、ゲームは約0.54(データ量が小さいもの)〜0.021(データ量が大きいもの)、コミックは約0.07、小説は約0.7となる。ただし、データ量が大きいコンテンツはユーザストレージから削除されやすく、データ量が小さいコンテンツほどユーザストレージに残りやすいため、ユーザストレージへの割当時間によって実際の収益配分量はある程度調整される。これを踏まえて、実施の形態では、カテゴリ調整係数64として、図9の(c)に示す値を定めている。
変形例として、カテゴリ調整係数64は、一般的に制作費が相対的に高いと想定されるコンテンツカテゴリほど、相対的に大きい係数値を対応づけてもよい。また、一般的に販売単価(小売価格)が高いと想定されるコンテンツカテゴリほど、相対的に大きい係数値を対応づけてもよい。この変形例によると、制作費または販売価格と、収益配分量とが正相関するため、コンテンツの制作費用等、コンテンツを提供することで生じた権利者の負担を加味して収益配分を調整しやすくなる。
図5に戻り、制御部20は、ユーザ端末12から送信された各種要求データおよび通知データを、通信部24を介して受け付け、それぞれの要求・通知に応じたデータ処理を実行する。実施の形態では、ユーザ登録要求、ログイン要求、ログアウト要求、利用開始コンテンツ通知、利用終了コンテンツ通知、コンテンツ再生要求、コンテンツ購入要求を受け付けることとする。制御部20は、ユーザ登録部34と、ログイン処理部36と、メニュー画面提供部38と、利用状況更新部39と、コンテンツ再生支援部44と、コンテンツ販売処理部46と、利用状況記録部48と、収益配分部50と、支払処理部52を有する。
ユーザ登録部34は、ユーザ登録要求が受け付けられると、要求元のユーザを電子コンテンツ貸出サービスの利用者として登録するための所定のユーザ登録処理を実行する。例えば、図5に不図示のユーザ属性保持部に、ユーザに関するユーザ属性情報、例えばユーザID、パスワード、連絡先、利用料支払のための金融機関情報(口座番号やクレジットカード番号等)を記録する。またユーザ登録部34は「ストレージ割当部」として機能する。具体的には、登録対象のユーザに対して、ユーザが利用を希望する電子コンテンツを登録するための、10GBを容量とするユーザストレージ(図7)を割り当てる。このときユーザストレージには、空き容量として10GBを設定し、利用中コンテンツ情報は未設定とする。
ログイン処理部36は、ログイン要求が受け付けられると所定のログイン処理を実行し、ログアウト要求が受け付けられると所定のログアウト処理を実行する。例えば、ログイン処理として、ログイン要求で指定されたユーザIDやパスワードを用いてユーザ認証を実行し、認証に成功するとユーザ端末12に対する新規のセッション情報を払い出してもよい。またログアウト処理として、ユーザ端末12に対して払い出し済みのセッション情報を破棄してもよい。
メニュー画面提供部38は、ユーザの認証に成功してログイン処理が完了すると、電子コンテンツ貸出サービスの各種メニューを表示するメニュー画面のデータをユーザ端末12へ送信する。そしてユーザ端末12はメニュー画面をモニター(ディスプレイ)に表示する。電子コンテンツ貸出サービスのメニューには、1)利用開始コンテンツ選択、2)利用終了コンテンツ選択、3)コンテンツ再生、4)コンテンツ購入が含まれる。
メニュー画面において、1)ユーザがユーザストレージに未登録のコンテンツの中から利用開始コンテンツを選択すると、ユーザ端末12は、ユーザID、利用開始対象のコンテンツIDを指定した利用開始コンテンツ通知データをコンテンツ貸出装置10へ送信する。また、2)ユーザがユーザストレージに登録済みのコンテンツの中から利用終了コンテンツを選択すると、ユーザ端末12は、ユーザID、利用終了対象のコンテンツIDを指定した利用終了コンテンツ通知データをコンテンツ貸出装置10へ送信する。
またメニュー画面において、3)ユーザが再生対象のコンテンツを選択すると、ユーザ端末12は、ユーザID、再生対象のコンテンツIDを指定したコンテンツ再生要求をコンテンツ貸出装置10へ送信する。また、4)ユーザが購入対象のコンテンツを選択すると、ユーザ端末12は、ユーザID、購入対象のコンテンツIDを指定したコンテンツ再生要求をコンテンツ貸出装置10へ送信する。
利用状況更新部39は、ユーザによるコンテンツの利用開始操作、利用終了操作に応じて、そのユーザに予め割り当てられたユーザストレージのデータを更新して、ユーザの最新のコンテンツ利用状況をユーザストレージに反映する。利用状況更新部39は、利用開始処理部40と、利用終了処理部42を含む。
利用開始処理部40は、利用開始コンテンツ通知が受け付けられると、ユーザストレージへのコンテンツ割当処理を実行する。具体的には、当該通知で指定されたユーザIDにより特定されるユーザストレージに、当該通知で指定されたコンテンツIDにより特定されるコンテンツデータを利用中コンテンツ情報として記録する。すなわち、利用開始対象のコンテンツデータをコンテンツ情報保持部26からユーザストレージ28へダウンロード(コピー)する。また、ユーザストレージ28の更新処理の完了日時をダウンロード日時に設定する。さらに、ユーザストレージの空き容量フィールドの値を、利用開始対象のコンテンツのデータサイズ分減算する。
利用終了処理部42は、利用終了コンテンツ通知が受け付けられると、ユーザストレージへのコンテンツ割当の解除処理を実行する。具体的には、当該通知で指定されたユーザIDにより特定されるユーザストレージから、当該通知で指定されたコンテンツIDにより特定される利用中コンテンツ情報を削除する。すなわち、利用終了対象のコンテンツデータをユーザストレージ28から削除する。また、ユーザストレージの空き容量フィールドの値を、利用終了対象のコンテンツのデータサイズ分増加させる。このように、電子コンテンツの利用終了に伴ってユーザストレージの空き容量が拡大するため、ユーザは別のコンテンツを新たに借り、その利用を開始することができる。
コンテンツ再生支援部44は、コンテンツ再生要求が受け付けられると、ユーザ端末12による電子コンテンツの再生を支援する処理を実行する。具体的には、まず当該要求で指定されたユーザIDにより特定されるユーザストレージに、当該要求で指定されたコンテンツIDが記録済みか否かを判定する。すなわち、再生要求対象の電子コンテンツに対する利用開始手続が完了済みか否かを確認する。コンテンツ再生支援部44は、ユーザストレージにコンテンツIDが記録済みであれば電子コンテンツの再生を許可する。その一方、ユーザストレージにコンテンツIDが未記録であれば電子コンテンツの再生を拒否し、当該コンテンツに対する利用開始手続を促すメッセージをユーザ端末12へ通知する。
コンテンツ再生支援部44は、電子コンテンツの再生を許可すると、そのコンテンツデータをユーザ端末12へ送信してユーザ端末12に電子コンテンツを再生させる。例えば、動画データや音声データの場合、それらのデータをストリーミングにより配信し、ユーザ端末12において一時的に再生させてもよい。好ましくは、コンテンツデータの送信において、ユーザ端末12でのコンテンツデータのコピーを防止するための、公知のコピーガード手法を用いて、コンテンツデータを一時的にユーザ端末12へ提供する。またコンテンツ再生支援部44は、ユーザ端末12において電子コンテンツを再生させたとき、ユーザストレージ28に記録された再生対象コンテンツの最新利用日時を、そのときの現在日時で更新する。
利用状況記録部48は、所定期間(実施の形態では1分)が経過する毎に、ユーザストレージ28に記録された各ユーザの利用中コンテンツ情報を利用履歴保持部30へ記録する。言い換えれば、現在時点での各ユーザによる電子コンテンツの利用状況のスナップショットを定期的に取得し、そのスナップショットを利用履歴保持部30へ定期的に記録する。利用状況の記録間隔は、電子コンテンツ貸出サービスの提供者(コンテンツ貸出装置10の管理者)の知見や経験、またはコンテンツ貸出装置10を用いた実験により適切な間隔が定められてよい。
収益配分部50は、利用履歴保持部30に記録された各ユーザによるコンテンツの利用状況に応じて、1単位の集計期間(実施の形態では1ヶ月間)において各電子コンテンツがユーザストレージを占有した空間的範囲および時間的範囲を示す占有量を特定する。収益配分部50は、各電子コンテンツによるユーザストレージの占有量に応じて、各電子コンテンツの権利者への収益配分量を決定する。収益配分部50の詳細は後述する。
支払処理部52は、ユーザから支払われた定額利用料の少なくとも一部を、各電子コンテンツの権利者へ支払うための処理を実行する。具体的には、収益配分部50により決定された収益配分量が示す金額(以下、「収益配分額」とも呼ぶ。)と、コンテンツ情報保持部26に保持された各電子コンテンツの権利者の識別情報を指定した支払要求(振込要求)のデータを金融機関装置14へ送信する。
コンテンツ販売処理部46は、コンテンツ購入要求が受け付けられると、ユーザに対する電子コンテンツの販売処理を実行する。まずコンテンツ販売処理部46は、コンテンツ情報保持部26を参照し、当該要求で指定されたコンテンツIDにより特定される販売価格を特定し、その販売価格の決済処理を支払処理部52に実行させる。具体的には、支払処理部52は、ユーザ属性保持部に保持されたユーザの金融機関情報を使用し、ユーザから権利者への販売金額の支払を指示する支払要求データを金融機関装置14へ送信する。
またコンテンツ販売処理部46は、コンテンツ購入要求で指定されたコンテンツIDにより特定されるコンテンツデータをユーザ端末12へ送信する。この場合、コンテンツを一時的に貸し出すのではなく、コンテンツをユーザの所有物とするため、コンテンツ販売処理部46は、ユーザ端末12がコンテンツを永続的に再生可能な態様でコンテンツデータを提供する。例えば、ユーザ端末12がコンテンツ貸出装置10と未接続(スタンドアローン環境)であってもコンテンツを再生可能な態様でコンテンツデータを提供する。
さらにコンテンツ販売処理部46は、利用終了処理部42と同様に、ユーザストレージへのコンテンツ割当の解除処理を実行する。具体的には、コンテンツ購入要求で指定されたユーザIDにより特定されるユーザストレージから、当該要求で指定されたコンテンツIDにより特定される利用中コンテンツ情報を削除する。このように、ユーザストレージに登録したコンテンツをユーザが購入することでもユーザストレージの空き容量は拡大し、ユーザは別の電子コンテンツを新たに借り、その利用を開始することができる。
収益配分部50を詳細に説明する。収益配分部50は、ユーザ別集計部54と、コンテンツ別集計部56と、配分量決定部58を含む。ユーザ別集計部54は、利用履歴保持部30を参照して、1ユーザを単位として、1単位の集計期間(例えばある月の1日0時0分0秒〜その月の末日の23時59分59秒までの期間)における各電子コンテンツによるユーザストレージの占有量を特定する。
実施の形態では、例えばユーザαについてのコンテンツAの占有量を、
ユーザαの利用履歴に記録されたコンテンツAのユーザストレージへの割当時間
× コンテンツ属性情報に記録されたコンテンツAのデータサイズ
× 調整係数保持部32に記録された経過期間調整係数(図9の(a))
により算出する。
上記計算において、ユーザ別集計部54は、1つのコンテンツについて、ダウンロード日時および最新利用日時との関係にもとづいて複数の期間種類毎に割当時間を算出する。具体的には、ダウンロード日時と最新利用日時の両方が現在時点から90日以内の範囲での割当時間、言い換えれば、ダウンロードもしくは最近利用してから未利用(未起動)の期間が90日以内の範囲での割当時間を第1種割当時間として算出する。また、ダウンロード日時と最新利用日時の両方が現在時点から90日超かつ1年以内の範囲での割当時間を第2種割当時間として算出する。また、ダウンロード日時と最新利用日時の両方が現在時点から1年超かつ2年以内の範囲での割当時間を第3種割当時間として算出する。また、ダウンロード日時と最新利用日時の両方が現在時点から2年超の範囲での割当時間を第4種割当時間として算出する。
ユーザ別集計部54は、図9の(a)に示す対応関係にしたがって、期間種類毎に異なる経過期間調整係数60を適用する。具体的には、第1種割当時間には経過期間調整係数「1.0」、第2種割当時間には経過期間調整係数「0.9」、第3種割当時間には経過期間調整係数「0.8」、第4種割当時間には経過期間調整係数「0.7」を適用する。すなわち、ユーザ別集計部54は、ダウンロード日時および最新利用日時が現在時点から過去になるほど、割当時間と、ユーザストレージの占有量との正の相関を弱めるよう調整する。後述するようにユーザストレージの占有量は、収益配分量と正の相関を持つ。したがって、ダウンロード日時および最新利用日時が現在時点から過去になるほど、割当時間と収益配分量との正の相関を弱めるよう調整すると言える。また正の相関を弱めるとは、割当時間が1単位増加したときの、収益配分量の増加量(すなわち限界増加量)を徐々に小さくしていくこととも言える。
ユーザ別集計部54は、期間種類毎の占有量を合計して、特定のユーザ(例えばユーザα)について、1単位の集計期間における特定のコンテンツ(例えばコンテンツA)によるユーザストレージの占有量を決定する。このようにユーザ別集計部54は、1つのユーザストレージにおける割当期間と使用状況を加味した各コンテンツの占有量を算出し、その算出処理をユーザ毎(すなわちユーザストレージ毎)に繰り返す。
なお、ダウンロード日時が古くても、90日以内に再生されていれば経過期間調整係数は「1.0」となり、すなわちコンテンツが再生されると経過期間調整係数は「1.0」にリセットされる。変形例として、最新利用日時に関わらず、ダウンロード日時が古くなるほど、小さい経過期間調整係数を適用してもよい。例えば図9(a)に示したように、ダウンロード日時が現在時点から90日以内の範囲での割当時間を第1種割当時間とし、第1種割当時間に経過期間調整係数「1.0」を適用してもよい。また、ダウンロード日時が現在時点から90日超かつ1年以内の範囲での割当時間を第2種割当時間とし、第2種割当時間に経過期間調整係数「0.9」を適用してもよい。
コンテンツ別集計部56は、ユーザ別集計部54により特定された、ユーザ毎の各電子コンテンツによるユーザストレージの占有量を、複数のユーザに亘って集計する。そして、1つのコンテンツを単位として、1単位の集計期間における各電子コンテンツによるユーザストレージの占有量(以下、「全体占有量」とも呼ぶ。)を特定する。全体占有量は、1つの電子コンテンツによる、複数のユーザに割当てられた複数のユーザストレージ(すなわち全ユーザストレージ)に対する占有量を示すものと言える。
実施の形態では、例えばコンテンツAによる全体占有量を、
(ユーザαについてのコンテンツAによる占有量+ユーザβについてのコンテンツAによる占有量+ユーザγについてのコンテンツAによる占有量+・・・)
× 調整係数保持部32に記録されたデータ量調整係数(図9の(b))
× 調整係数保持部32に記録されたカテゴリ調整係数(図9の(c))
により算出する。
上記計算において、コンテンツ別集計部56は、図9の(b)に示す対応関係にしたがって、コンテンツのデータサイズ毎に異なるデータ量調整係数62を適用する。すなわち、コンテンツ別集計部56は、コンテンツのデータサイズが大きくなるほど、ユーザ毎の当該コンテンツによる占有量の集計値と、全体占有量との正の相関を弱めるよう調整する。後述するように全体占有量は、収益配分量と正の相関を持つ。したがって、コンテンツのデータサイズが大きくなるほど、そのデータサイズと収益配分量との正の相関を弱めるよう調整すると言える。また正の相関を弱めるとは、データサイズが1単位増加したときの、収益配分量の増加量(すなわち限界増加量)を徐々に小さくしていくこととも言える。
またコンテンツ別集計部56は、図9の(c)に示す対応関係にしたがって、コンテンツのカテゴリ毎に異なるカテゴリ調整係数64を適用する。後述するように全体占有量は、収益配分量と正の相関を持つ。したがって、例えば、一般的に制作費が相対的に高いと想定されるコンテンツカテゴリほど、相対的に大きいカテゴリ調整係数64が対応づけられた場合、制作費と収益配分量との正の相関を強めるよう調整すると言える。また、一般的に販売単価(小売価格)が高いと想定されるコンテンツカテゴリほど、相対的に大きいカテゴリ調整係数64が対応づけられた場合、販売単価と収益配分量との正の相関を強めるよう調整すると言える。
配分量決定部58は、電子コンテンツ貸出サービスが提供する複数の電子コンテンツそれぞれの全体占有量を合計した値に対して、各電子コンテンツの全体占有量が占める割合にしたがって、各コンテンツに対する収益配分量を決定する。言い換えれば、複数のユーザの複数のユーザストレージにおける空き容量(言い換えれば未使用領域)の大小にかかわらず、複数のユーザストレージの全体領域のうちいずれかのコンテンツが割当てられた使用中領域の中で、特定のコンテンツの占有率が高いほど、そのコンテンツに対する収益の配分額を他のコンテンツよりも相対的に大きくする。
配分量決定部58は、例えば、コンテンツA〜Zが存在する場合にコンテンツAへの収益配分量を、
コンテンツAによる全体占有量
÷ (コンテンツAによる全体占有量+コンテンツBによる全体占有量+・・・+コンテンツZによる全体占有量)
× ユーザ1人あたりの支払額(すなわち定額の月額課金額)
× ユーザ数(すなわちサービス利用者数)
により算出する。なお、ユーザ1人あたりの支払額×ユーザ数の値から、電子コンテンツ貸出サービスの提供者のマージン、例えば手数料や管理費を差し引いてもよい。
配分量決定部58は、各コンテンツに対する収益配分量を、各コンテンツの権利者に対する収益配分額(言わばコンテンツ使用料)として支払処理部52に渡す。既述したように、支払処理部52は、権利者への収益配分額の支払処理を実行する。
以上の構成によるコンテンツ貸出装置10の動作を説明する。
図10は、コンテンツ貸出装置10の動作を示すフローチャートである。ここではユーザは既に電子コンテンツ貸出サービスの利用者として登録済みであり、すなわち、コンテンツ貸出装置10はユーザに対してユーザストレージを割当済であることとする。コンテンツ貸出装置10が提供するウェブサイトに対してユーザがログインすると(S10のY)、メニュー画面提供部38はメニュー画面のウェブページをユーザ端末12へ提供する(S12)。
メニュー画面において、ユーザが利用を開始したいコンテンツを選択すると(S14のY)、利用開始処理部40は、そのユーザのユーザストレージに対するコンテンツの割当処理を実行する(S16)。利用開始コンテンツの選択操作を未検出であれば(S14のN)、S16をスキップする。メニュー画面において、ユーザが利用を終了したいコンテンツを選択すると(S18のY)、利用終了処理部42は、そのユーザのユーザストレージに対するコンテンツの割当を解除する(S20)。利用終了コンテンツの選択操作を未検出であれば(S18のN)、S20をスキップする。
メニュー画面において、コンテンツの再生が選択されると(S22のY)、コンテンツ再生支援部44は、コンテンツの再生支援処理を実行する(S24)。再生操作を未検出であれば(S22のN)、S24をスキップする。メニュー画面において、コンテンツの買取が選択されると(S26のY)、コンテンツ販売処理部46は、コンテンツの販売処理を実行する(S28)。買取操作を未検出であれば(S26のN)、S28をスキップする。コンテンツ貸出装置10のウェブサイトからユーザがログオフすると(S30のY)、本図のフローを終了し、ログイン状態が継続されれば(S30のN)、S14へ戻る。コンテンツ貸出装置10のウェブサイトへユーザがログインしなければ(S10のN)、以降のステップをスキップして本図のフローを終了する。
図11は、図10のS16のコンテンツ割当処理を詳細に示すフローチャートである。利用開始処理部40は、ユーザストレージの空き容量が、利用開始対象の電子コンテンツのデータサイズ以上であれば(S40のY)、ユーザストレージへコンテンツデータを割り当てる(S42)。それとともに、ユーザストレージの空き容量の値を、利用開始対象のコンテンツサイズ分減少させる。その一方、ユーザストレージの空き容量が、利用開始対象の電子コンテンツのデータサイズ未満であれば(S40のN)、ユーザストレージへのコンテンツ割当をキャンセルする。それとともに、ユーザストレージの空き容量不足を示すメッセージであり、ユーザストレージに割当済のコンテンツの削除を促すメッセージをユーザ端末12へ送信して表示させる(S44)。
図12は、図10のS24のコンテンツ再生支援処理を詳細に示すフローチャートである。コンテンツ再生支援部44は、再生が要求された電子コンテンツがユーザストレージに割当済であれば(S50のY)、そのコンテンツデータを一時的にユーザ端末12へ提供することにより、ユーザ端末12における一時的なコンテンツの再生を支援する(S52)。その一方、再生が要求された電子コンテンツがユーザストレージに未割当であれば(S50のN)、事前の利用開始手続を促すメッセージをユーザ端末12へ送信して表示させる(S54)。
図13は、図10のS28のコンテンツ販売処理を詳細に示すフローチャートである。コンテンツ販売処理部46は、販売対象コンテンツの権利者に対する当該コンテンツの販売代金の支払処理を実行し(S60)、ユーザ端末12に販売対象コンテンツのデータをダウンロードさせる(S62)。販売対象コンテンツがユーザストレージに割当済の場合は(S64のY)、ユーザストレージへのコンテンツ割当を解除する(S66)。ユーザストレージに未割当であれば(S64のN)、S66をスキップする。
図14も、コンテンツ貸出装置10の動作を示すフローチャートである。同図は、コンテンツ貸出装置10が定期的に実行する収益配分処理、すなわちユーザから支払われた月額利用料をコンテンツの権利者へ分配するための処理を示している。利用状況記録部48は、予め定められた利用状況記録タイミングに至ったこと、例えば先の記録処理から所定時間(1分等)が経過したことを検出すると(S70のY)、ユーザストレージ28に記録された各ユーザのコンテンツ利用状況を利用履歴保持部30へ転記することにより、各ユーザのコンテンツ利用履歴を更新する(S72)。利用状況記録タイミングでなければ(S70のN)、S72をスキップする。
収益配分部50は、予め定められた収益配分タイミングに至ったことを検出すると(S74のY)、S76以降の収益配分処理を実行する。例えば、月が変わったことを検出すると、前月分の収益を権利者へ配分する処理を開始する。具体的には、まずユーザ単位に、各コンテンツによるユーザストレージの占有量を集計し(S76)、続いてコンテンツ単位に、全ユーザに亘るユーザストレージの占有量を集計する(S78)。そして、全ユーザに亘るユーザストレージの使用量全体に対する各コンテンツによるユーザストレージの占有率を特定し、占有率が大きいコンテンツほど、その権利者への収益配分額を大きく決定する(S80)。支払処理部52は、収益配分部50により決定された収益配分額を、各権利者へ支払うためのデータを金融機関装置14へ送信する(S82)。収益配分タイミングでなければ(S74のN)、S76以降をスキップして本図のフローを終了する。
実施の形態のコンテンツ貸出装置10によると、10GBの容量制限を設けたユーザストレージをユーザに割り当て、ユーザストレージへ利用対象コンテンツを事前登録したことを条件に、コンテンツの利用を許可する。これにより、ユーザストレージにおけるコンテンツの入れ替えを促進する。そして、ユーザストレージを時間的および空間的に大きく占有したコンテンツほど、その権利者への収益配分量を大きくする。これにより、収益配分において、複数カテゴリに亘る複数の電子コンテンツを、ユーザへ効用を供した観点から公平に取り扱うことができる。すなわち、各コンテンツが実質的にユーザへ提供した効用の大きさを反映して、各コンテンツの権利者へ収益を配分できる。
またコンテンツ貸出装置10によると、各ユーザのストレージ容量のうち空き容量を除外した、全コンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量に対する、1つのコンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量の割合に応じて、その1つのコンテンツの権利者への収益配分量を決定する。これにより、電子コンテンツの利用により実際にユーザが得た効用の大きさを、各電子コンテンツの権利者への収益配分額に反映させやすくなる。また、電子コンテンツの権利者への収益配分額をある程度の金額に維持しやすくなる。
また、経過期間調整係数60を設け、長期間ユーザストレージに保存されているコンテンツへの収益配分を相対的に小さくし、その分、新しいコンテンツ(ユーザストレージに未格納のコンテンツ)への収益配分を相対的に大きくする。これにより、新規コンテンツが利益を得やすい環境とし、電子コンテンツ貸出サービスへの参入を促進させる。また、データ量調整係数62を設け、大きいデータ量のコンテンツへの収益配分を相対的に小さくする。これにより、大きいデータ量のコンテンツを提供する権利者へ収益配分が偏ることを抑制し、様々なコンテンツの権利者への収益配分を確保しやすくなる。
また、データ量と単価にもとづく単位データ量でのコンテンツ価値に応じたカテゴリ調整係数64を設け、コンテンツのカテゴリに応じて収益配分を調整する。既述したように、実施の形態においてコンテンツのデータ量と収益配分量とは正相関するが、コンテンツ価値の観点から、カテゴリ毎のデータ量の傾向に起因する収益配分量の偏りを是正することができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を示す。
上記実施の形態では、収益配分部50は、ユーザストレージへのコンテンツの格納時間と、コンテンツのデータサイズとをパラメータとして、権利者への収益配分量を決定した。以下の第1〜第3の変形例では、コンテンツのデータサイズとは別のパラメータを用いて権利者への収益配分量を決定する構成を説明する。権利者への収益配分量は、各コンテンツによるユーザストレージの占有量の相対的な大小関係により算出するため、実施の形態、第1〜第3の変形例それぞれの収益配分モデルを任意に組み合わせてもよいことはもちろんである。
第1の変形例として、ユーザストレージへの電子コンテンツの格納時間と、格納回数とをパラメータとして、権利者への収益配分量を決定してもよい。この格納回数は、1つのコンテンツが、複数のユーザストレージのそれぞれへ格納された合計回数である。すなわち、複数のユーザがあるコンテンツを一時利用するために、そのコンテンツの利用開始を選択した合計回数であり、そのコンテンツが各ユーザのストレージへダウンロードされた合計回数である。
第1の変形例において、コンテンツ情報保持部26は、各コンテンツのダウンロード回数を保持し、利用開始処理部40は、各ユーザがコンテンツの利用開始を選択した場合に、そのコンテンツのダウンロード回数をインクリメントしていく。収益配分部50は、各コンテンツの権利者への収益配分量を、実施の形態と同様にユーザストレージへの格納時間に正相関するよう決定し、さらにユーザストレージへの格納回数(すなわちダウンロード回数)にも正相関するよう決定する。ダウンロード回数はコンテンツが1人以上のユーザに供した効用の大きさを示す指標値と言え、第1の変形例の構成においても実施の形態の構成と同様の効果を奏する。すなわち、各コンテンツが実質的にユーザへ提供した効用の大きさを反映して、各コンテンツの権利者へ収益を配分することができる。
具体的には、ユーザ別集計部54は、ユーザαについてのコンテンツAの占有量を、
ユーザαの利用履歴に記録されたコンテンツAのユーザストレージへの割当時間
× 調整係数保持部32に記録された経過期間調整係数(図9の(a))
により算出してもよい。
コンテンツ別集計部56は、コンテンツAによる全体占有量を、
(ユーザαについてのコンテンツAによる占有量+ユーザβについてのコンテンツAによる占有量+ユーザγについてのコンテンツAによる占有量+・・・)
× コンテンツAのダウンロード回数
× 調整係数保持部32に記録されたデータ量調整係数(図9の(b))
× 調整係数保持部32に記録されたカテゴリ調整係数(図9の(c))
により算出してもよい。
コンテンツ別集計部56の処理は実施の形態と同じである。
第2の変形例として、ユーザストレージへのコンテンツの格納時間と、販売価格とをパラメータとして、権利者への収益配分量を決定してもよい。ここでの販売価格はコンテンツを販売する場合の小売価格である。言い換えれば、コンテンツの一時利用の対価ではなく、コンテンツを永続的に利用させる、すなわちコンテンツをユーザの所有物とする対価である。
第2の変形例において、収益配分部50は、各コンテンツの権利者への収益配分量を、実施の形態と同様にユーザストレージへの格納時間に正相関するよう決定し、さらにコンテンツ情報保持部26に保持されたコンテンツの販売価格にも正相関するよう決定する。コンテンツの販売価格は、一般的にコンテンツがユーザに供する効用の大きさを示す指標値と言え、第2の変形例の構成においても実施の形態の構成と同様の効果を奏する。すなわち、各コンテンツが実質的にユーザへ提供した効用の大きさを反映して、各コンテンツの権利者へ収益を配分することができる。
具体的には、ユーザ別集計部54は、ユーザαについてのコンテンツAの占有量を、
ユーザαの利用履歴に記録されたコンテンツAのユーザストレージへの割当時間
× 調整係数保持部32に記録された経過期間調整係数(図9の(a))
により算出してもよい。
コンテンツ別集計部56は、コンテンツAによる全体占有量を、
(ユーザαについてのコンテンツAによる占有量+ユーザβについてのコンテンツAによる占有量+ユーザγについてのコンテンツAによる占有量+・・・)
× コンテンツAの販売価格
× 調整係数保持部32に記録されたデータ量調整係数(図9の(b))
× 調整係数保持部32に記録されたカテゴリ調整係数(図9の(c))
により算出してもよい。
コンテンツ別集計部56の処理は実施の形態と同じである。
第3の変形例として、ユーザストレージへのコンテンツの格納時間と、コンテンツの再生に要する時間の指標値(以下、「再生時間指標値」とも呼ぶ。)とをパラメータとして、権利者への収益配分量を決定してもよい。再生時間指標値は、コンテンツ全体を1回再生するために要する時間の長さを示す指標値である。例えば映像・音楽コンテンツの場合、映像・音楽の開始から終了までの時間であってもよく、電子書籍コンテンツの場合、ページ数であってもよい。
第3の変形例において、コンテンツ情報保持部26は、各コンテンツの再生時間指標値を保持する。収益配分部50は、各コンテンツの権利者への収益配分量を、実施の形態と同様にユーザストレージへの格納時間に正相関するよう決定し、さらに、再生時間指標値の大きさにも正相関するよう決定する。再生時間指標値はコンテンツがユーザに供する効用の大きさを示す指標値と言え、第3の変形例の構成においても実施の形態の構成と同様の効果を奏する。すなわち、各コンテンツが実質的にユーザへ提供した効用の大きさを反映して、各コンテンツの権利者へ収益を配分することができる。
具体的には、ユーザ別集計部54は、ユーザαについてのコンテンツAの占有量を、
ユーザαの利用履歴に記録されたコンテンツAのユーザストレージへの割当時間
× 調整係数保持部32に記録された経過期間調整係数(図9の(a))
により算出してもよい。
コンテンツ別集計部56は、コンテンツAによる全体占有量を、
(ユーザαについてのコンテンツAによる占有量+ユーザβについてのコンテンツAによる占有量+ユーザγについてのコンテンツAによる占有量+・・・)
× コンテンツAの再生時間指標値
× 調整係数保持部32に記録されたデータ量調整係数(図9の(b))
× 調整係数保持部32に記録されたカテゴリ調整係数(図9の(c))
により算出してもよい。
コンテンツ別集計部56の処理は実施の形態と同じである。
第4の変形例を説明する。
上記実施の形態では、ユーザストレージ内のコンテンツの入れ替えを促進するため、ユーザストレージに10GBのサイズ制限を設けることとした。変形例として、ユーザストレージ内のコンテンツの入れ替えを促進するための異なる制限を設けてもよい。利用開始処理部40は、その異なる制限にしたがって、ユーザストレージへのコンテンツの割り当て(格納)を許可し、または拒否してもよい。
上記の異なる制限は、データ量とは異なる基準に基づく制限であってよい。例えば、ユーザストレージに、同時に格納可能なコンテンツの個数制限を設けてもよい。具体的には、電子書籍(小説)は10冊まで、電子書籍(コミック)は6冊まで、音楽は200曲まで、映画は4本まで、ゲームは10本まで、その他は20パッケージまで、等の制限を設けてもよい。電子書籍の場合は、複数の電子書籍に亘る合計ページ数(2千ページまで等)の制限を設けてもよい。
また、上記の異なる制限は、1以上のコンテンツの販売価格の合計額に対する制限でもよい。例えば、コンテンツのカテゴリを問わず、販売額合計が2万円まで等の制限を設けてもよい。また、映画やビデオクリップ等の映像コンテンツの場合は、再生時間の合計が6時間まで等の制限を設けてもよい。
さらにまた、各電子コンテンツに、ユーザストレージの占有量の指標としてのポイントを予め付与してもよい。コンテンツのカテゴリ毎に異なるポイントを付与してもよく、カテゴリの標準的なデータ量が大きいほど高いポイントを付与してもよい。例えば、映画は10ポイント、音楽は3ポイント、小説は1ポイント等に設定してもよい。そしてユーザストレージには、格納するコンテンツのポイント合計数による制限を設けてもよい。例えば、コンテンツのカテゴリを問わず、ポイントの合計が20ポイントまで等の制限を設けてもよい。
すなわち、請求項に記載の「固定容量の記憶領域」は、データ量に限らず、コンテンツ数や価格、再生時間、ポイント等、何らかの基準によって、格納可能なコンテンツ量の制限が設けられた記憶領域を意味する。また、複数の基準による複数の制限を組み合わせて、いずれかの制限を超過する場合に、ユーザストレージへの新たなコンテンツの割り当てを利用開始処理部40が拒否してもよい。
なお、収益配分方法とユーザストレージの制限について、実施の形態、第1から第4の変形例に記載の態様を様々に組み合わせることが可能である。一例として、ユーザストレージの制限の基準と、収益配分量決定のパラメータとを整合させてもよい。ユーザストレージの制限基準がコンテンツの個数である場合、第1の変形例で示したように、コンテンツのダウンロード数を収益配分量決定のパラメータとしてもよい。また、ユーザストレージの制限基準がコンテンツの販売価格の合計額である場合、第2の変形例に示したように、コンテンツの販売価格を収益配分量決定のパラメータとしてもよい。また、ユーザストレージの制限基準がコンテンツの再生時間である場合、第3の変形例に示したように、コンテンツの再生時間指標値を収益配分量決定のパラメータとしてもよい。
第5の変形例を説明する。
上記実施の形態では、コンテンツ貸出装置10のユーザストレージ28にコンテンツデータそのものを格納した。すなわち、コンテンツデータを実際に・物理的にユーザストレージ28へ格納し、またユーザストレージ28から削除した。変形例として、ユーザストレージ28には、ユーザによるコンテンツの利用状況を示す管理情報(例えば空き容量、コンテンツID、ダウンロード日時、最新利用日時)のみを格納し、コンテンツデータは格納しないこととしてもよい。すなわち、ユーザが選択したコンテンツのデータを、仮想的に・論理的にユーザストレージ28へ格納し、またユーザストレージ28から削除してもよい。この変形例においてコンテンツ再生支援部44は、ユーザストレージ28に格納されたコンテンツIDにより特定されるコンテンツデータをコンテンツ情報保持部26から取得してユーザ端末12へ提供してもよい。ユーザストレージ28における管理情報の更新、利用履歴保持部30におけるコンテンツ利用履歴の更新、収益配分部50による収益配分処理は実施の形態と同様に実行する。
第6の変形例を説明する。
上記実施の形態では、コンテンツ貸出装置10のユーザストレージ28にコンテンツデータを格納することとした。変形例として、利用開始処理部40は、利用対象コンテンツのデータをユーザストレージ28に記録することに代えて、ユーザ端末12にダウンロードさせてもよい。そしてユーザ端末12は、ローカルストレージにてコンテンツデータを保持してもよい。この場合、ユーザ端末12にダウンロードされるコンテンツデータにはコピーガードが施されることが望ましい。またコンテンツ再生支援部44は、コンテンツ再生要求を受け付けると、ユーザストレージ28に管理情報が記録されていることを条件に再生を許可し、再生の許可をユーザ端末12へ通知する。ユーザ端末12は、コンテンツ貸出装置10から再生許可が通知されたことを条件として、ローカルストレージに記憶したコンテンツデータを再生・実行する。ユーザストレージ28における管理情報の更新、利用履歴保持部30におけるコンテンツ利用履歴の更新、収益配分部50による収益配分処理は実施の形態と同様に実行する。
第7の変形例を説明する。
上記実施の形態では、調整係数保持部32は、経過期間調整係数およびデータ量調整係数の値を、それぞれの閾値(例えば経過期間およびデータ量の基準値)と対応づけて保持することとした。変形例として、調整係数保持部32は、経過期間調整係数の値そのものを保持することに代えて、経過期間が入力されると経過期間調整係数の値を出力する経過期間調整係数決定関数を保持してもよい。また調整係数保持部32は、データ量調整係数の値そのものを保持することに代えて、データ量が入力されるとデータ量調整係数の値を出力するデータ量調整係数決定関数を保持してもよい。
経過期間調整係数決定関数は、経過期間が長いほど、小さい調整係数を出力するものであってよく、データ量調整係数決定関数は、データ量が大きいほど、小さい調整係数を出力するものであってもよい。収益配分部50は、各コンテンツが利用されない状態での経過期間を経過期間調整係数決定関数へ入力し、各コンテンツ用の経過期間調整係数を取得してもよい。同様に収益配分部50は、各コンテンツのデータ量をデータ量調整係数決定関数へ入力し、各コンテンツ用のデータ量調整係数を取得してもよい。
第8の変形例を説明する。
上記実施の形態では、電子書籍、ゲーム、映画、音楽、アプリケーション等の複数種類のカテゴリに亘る電子コンテンツ、言い換えれば、性質の異なる複数種類の電子コンテンツを貸出対象とし、単一のユーザストレージに格納した。変形例として、コンテンツ貸出装置10は、単一カテゴリの電子コンテンツのみを取り扱ってもよく、また、異種カテゴリのコンテンツは異なるユーザストレージに格納してもよい。ユーザは、利用するコンテンツのカテゴリ毎に月極の定額料金を支払ってもよい。例えば、電子書籍カテゴリ、音楽カテゴリ、映画カテゴリの3つを利用する場合に、それぞれのカテゴリ利用料金として月額500円、500円、1000円を支払うこととしてもよい。
この場合、収益配分部50は、カテゴリ毎に、コンテンツの権利者への収益配分額を決定する。例えば、電子書籍カテゴリの全コンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量に対する、電子書籍カテゴリの1つのコンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量の割合に応じて、その1つのコンテンツの権利者への収益配分量を決定する。同様に、映画カテゴリの全コンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量に対する、映画カテゴリの1つのコンテンツにより実際に各ユーザのストレージが占有された占有量の割合に応じて、その1つのコンテンツの権利者への収益配分量を決定する。カテゴリ毎にデータサイズの大小傾向が異なる場合があるが、変形例の収益配分モデルによると、データサイズの傾向が近いコンテンツ間で収益配分するため、コンテンツの権利者にとって一層納得しやすい収益配分モデルを実現しやすくなる。
第8の変形例に関連し、カテゴリ毎にユーザストレージの容量を変えてもよい。例えば映画用のユーザストレージ容量を80GB(20本相当)、電子書籍用のユーザストレージ容量を2GB(小説100冊相当、コミック16冊相当)としてもよい。また、音楽用のユーザストレージ容量を2GB(アルバム25枚相当)、ゲーム用のユーザストレージ容量を30GB(データ量が大きいゲーム4本相当)としてもよい。
さらにまた、実施の形態のように、カテゴリが異なる複数の電子コンテンツを単一のユーザストレージに格納する場合に、ユーザストレージにカテゴリ毎の専用格納領域を設けてもよい。例えば、ユーザストレージの全体容量が20GBの場合に、そのうち2GBを電子書籍の専用領域、8GBを映画の専用領域・・・としてもよい。利用開始処理部40は、ユーザがある小説コンテンツの利用開始を要求した場合に、映画等の他カテゴリ用領域に空きがあるか否かにかかわらず、また、他カテゴリ領域に空きがあっても、電子書籍カテゴリ用の領域に空きがなければ、コンテンツの格納を拒否してもよい。この態様によると、コンテンツのデータ量が一般的に小さいカテゴリであっても、同一カテゴリのコンテンツ間でのユーザストレージの奪い合いを促進し、言い換えれば、ユーザストレージにおけるコンテンツの出し入れを促進し、コンテンツ貸出装置10の収益配分モデルを有効に機能させやすくなる。
第9の変形例を説明する。
上記実施の形態では、電子コンテンツ貸出サービスをコンテンツ貸出装置10が一元的に実行する構成、言い換えれば、電子コンテンツ貸出サービスに必要な機能をコンテンツ貸出装置10が集中的に備える構成とした。変形例として、図5に示した制御部20の複数の機能ブロック、および、データ保持部22の複数の機能ブロックは、物理的な筐体が異なる複数の情報処理装置に適宜分散して配置されてもよい。そして、これら複数の情報処理装置が通信網16を介して相互接続されて、連携して動作する情報処理システム、言わばクラウドコンピューティングシステムが構築されてもよく、このシステムが電子コンテンツ貸出サービスを提供してもよい。
一例として、コンテンツ情報保持部26は、コンテンツの権利者が保持するデータベースサーバにより実現されてもよく、ユーザストレージ28、利用履歴保持部30、調整係数保持部32は、電子コンテンツ貸出サービスの提供者が保持するデータベースサーバにより実現されてもよい。また、ユーザ登録部34、ログイン処理部36は、認証サーバにより実現されてもよく、メニュー画面提供部38は、ウェブサーバにより実現されてもよい。また、利用開始処理部40、利用終了処理部42、コンテンツ再生支援部44、コンテンツ販売処理部46、利用状況記録部48、収益配分部50、支払処理部52はアプリケーションサーバにより実現されてもよい。
第10の変形例を説明する。
上記実施の形態では、一時利用を終了するコンテンツをユーザが選択することとし、利用終了処理部42は、ユーザが選択したコンテンツをユーザストレージから削除した。変形例として、ユーザストレージからのコンテンツの削除処理、言い換えれば、ユーザストレージの空き容量拡大処理を自動で実行してもよい。また、新規コンテンツの利用開始が要求されたとき、ユーザストレージの空き容量が足りないことを条件に自動で実行してもよい。さらにまた、ユーザストレージからのコンテンツ削除処理の自動実行可否を、サービスオプションとしてユーザに選択させてもよい。このように、ユーザストレージからのコンテンツ削除処理を自動化することで、ユーザストレージの空き容量をユーザが意識する必要性を抑制し、電子コンテンツ貸出サービスの利便性を向上できる。
ここで、新規コンテンツの利用開始が要求されたときに、ユーザストレージの空き容量が足りない場合の、コンテンツ自動削除処理について説明する。利用開始処理部40は、ユーザストレージの空き容量不足を検出すると、ユーザストレージからのコンテンツの自動削除処理を利用終了処理部42に指示する。利用終了処理部42は、ユーザストレージに格納中のコンテンツのうち、最新利用日時が古いものほど、また、データサイズが大きいものほど優先して削除する。最新利用日時が古いものは、現在ユーザの利用頻度が低いと考えられ、また、データサイズが大きいものを優先的に削除することで、ユーザストレージから削除するコンテンツ数を抑制できるからである。
例えば利用終了処理部42は、ユーザストレージに格納中のコンテンツを、最新利用日時が古い順に整列させる。そして、新規コンテンツの格納に必要な空き容量に応じた1以上のコンテンツを特定する。具体的には、1以上のコンテンツのデータサイズの合計が、不足している空き容量以上になるまで、最新利用日時が古い順に1以上のコンテンツを順次特定する。そして、特定した1以上のコンテンツの中からデータサイズが最も大きいコンテンツを削除する。利用終了処理部42はこの処理を繰り返し、ユーザストレージの空き容量を拡大させる。
具体例として、ユーザストレージ内に、最新利用日時の古い順から、10MBのコンテンツA、20MBのコンテンツB、30MBのコンテンツC、40MBのコンテンツD、50MBのコンテンツEが格納されているとする。また、空き容量の不足は75MBであるとする。まず利用終了処理部42は、データサイズの合計が75MB以上となる1以上のコンテンツ、すなわちコンテンツAからコンテンツDを特定する。そして、その中でデータサイズが最も大きいコンテンツDを削除する。これで空き容量の不足は35MBとなる。次に利用終了処理部42は、データサイズの合計が35MB以上となる1以上のコンテンツ、すなわちコンテンツAからコンテンツCを特定する。そして、その中でデータサイズが最も大きいコンテンツCを削除する。これで空き容量の不足は5MBとなる。次に利用終了処理部42は、コンテンツのデータサイズの合計が5MB以上となる1以上のコンテンツ、すなわちコンテンツAを特定して削除する。これで空き容量不足が解消し、利用終了処理部42は新規コンテンツをユーザストレージに格納する。
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
10 コンテンツ貸出装置、 12 ユーザ端末、 28 ユーザストレージ、 39 利用状況更新部、 40 利用開始処理部、 42 利用終了処理部、 44 コンテンツ再生支援部、 46 コンテンツ販売処理部、 48 利用状況記録部、 50 収益配分部、 54 ユーザ別集計部、 56 コンテンツ別集計部、 58 配分量決定部、 100 情報処理システム。

Claims (12)

  1. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除する更新部と、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間およびデータ量に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記収益配分部は、前記所定期間における前記記憶領域への格納時間およびコンテンツのデータ量に応じて、前記複数の電子コンテンツのそれぞれによる前記記憶領域の占有量を決定し、これらの占有量の合計に占める1つの電子コンテンツによる占有量の割合に応じて、前記1つの電子コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記収益配分部は、1つの電子コンテンツが前記記憶領域に格納された期間が長くなるほど、その電子コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を小さくするよう調整することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記収益配分部は、データ量が大きい電子コンテンツほど、そのデータ量と前記定額利用料の配分量との正の相関を弱めるよう調整することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
  5. 前記収益配分部は、前記記憶領域に格納された複数のコンテンツのそれぞれについて、コンテンツのカテゴリ毎に定められた調整係数により前記定額利用料の配分量を調整することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置。
  6. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除する更新部と、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および前記記憶領域に格納された回数に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  7. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除する更新部と、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および販売価格に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  8. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納し、ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除する更新部と、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および再生に要する時間に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定する収益配分部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  9. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、
    ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除するステップと、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間およびデータ量に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定するステップと、
    を情報処理装置が実行することを特徴とする電子コンテンツ利用料の配分方法。
  10. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、
    ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除するステップと、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および前記記憶領域に格納された回数に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定するステップと、
    を情報処理装置が実行することを特徴とする電子コンテンツ利用料の配分方法。
  11. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、
    ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除するステップと、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および販売価格に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定するステップと、
    を情報処理装置が実行することを特徴とする電子コンテンツ利用料の配分方法。
  12. 所定期間あたり定額利用料を支払うユーザが、複数の電子コンテンツの中から利用するコンテンツを選択した場合に、予めユーザに割り当てた固定容量の記憶領域へ選択コンテンツを格納するステップと、
    ユーザによる利用が終了するコンテンツを前記記憶領域から削除するステップと、
    前記所定期間に前記記憶領域へ格納された電子コンテンツについて、その格納時間および再生に要する時間に応じて、当該コンテンツの権利者に対する前記定額利用料の配分量を決定するステップと、
    を情報処理装置が実行することを特徴とする電子コンテンツ利用料の配分方法。
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