JP2014122823A - 測定方法、カーボンナノチューブ配向集合体の製造方法及び測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の反り、撓みなどの影響を抑えて、大面積の基板であっても切断せずにカーボンナノチューブ配向集合体の高さを測定する。
【解決手段】渦電流式変位センサ102を用いて、基準面S0から金属基板10の面S1までの距離L1を測定する工程と、レーザ変位センサ103を用いて、基準面S0からCNT配向集合体20の先端S2までの距離L2を測定する工程と、式T=L1−L2により高さを算出する算出工程と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】渦電流式変位センサ102を用いて、基準面S0から金属基板10の面S1までの距離L1を測定する工程と、レーザ変位センサ103を用いて、基準面S0からCNT配向集合体20の先端S2までの距離L2を測定する工程と、式T=L1−L2により高さを算出する算出工程と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、カーボンナノチューブ配向集合体の測定方法、カーボンナノチューブ配向集合体の製造方法及び測定装置に関する。
カーボンナノチューブの長さは、カーボンナノチューブの種々の特性に影響する重要な品質の一つである。しかしカーボンナノチューブは凝集しやすいため、その長さを測定することは容易ではない。そのため、基板上に配向したカーボンナノチューブの配向集合体の長さ(配向状態での高さ)を、基板から剥離することなく測定する方法が検討されている。
特許文献1には、ブラシ状カーボンナノチューブを製造して、当該ブラシ状カーボンナノチューブを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して高さを測定することが記載されている。
特許文献2には、成長中の配向カーボンナノチューブ集合体を、テレセントリック光学系を用いて測定することが記載されている。
特許文献1に記載の方法でカーボンナノチューブの高さを測定する場合であって、大面積の基板を用いる場合には、基板を切断する必要が生じる。また、基板を切断する際にカーボンナノチューブが基板から剥離する虞がある。
特許文献2に記載のカーボンナノチューブの高さを測定する方法では、基板の側面から測定を行なうが、基板に反り、撓み等が生じていると、正確な高さを測定できない虞がある。
本発明はこのような問題に鑑みて成された発明であり、基板の反り、撓みなどの影響を抑えて、大面積の基板であっても切断せずに測定することが可能である、カーボンナノチューブ配向集合体の高さの測定方法を提供することにある。
本発明に係る測定方法は、金属基板の上に配向したカーボンナノチューブ配向集合体の高さTを測定する方法であって、渦電流式変位センサを用いて、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板における上記カーボンナノチューブ配向集合体が成長している側の面までの距離L1を測定する第1の測定工程と、レーザ変位センサを用いて、当該基準面から上記カーボンナノチューブ配向集合体における上記金属基板とは反対側の先端までの距離L2を測定する第2の測定工程と、式T=L1−L2による計算を行ない上記カーボンナノチューブ配向集合体の高さを算出する算出工程と、を含む。
本発明に係る測定方法では、上記第1の測定工程及び上記第2の測定工程を、複数の箇所で行なことがより好ましい。
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法は、金属基板の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、上記金属基板の上にある触媒及び上記原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、上記金属基板上にカーボンナノチューブ配向集合体を成長させる成長工程と、上記金属基板の上に配向した上記カーボンナノチューブ配向集合体の高さを、上述の本発明に係る測定方法を行なうことによって測定する測定工程と、を含む。
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法では、上記成長工程を行なうための成長炉の中に複数の上記金属基板を連続で搬入して、連続して複数回の成長工程を行ない、上記測定工程を、或る成長工程の後に行なうことがより好ましい。
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法では、上記測定工程の結果に基づいて、上記成長工程の条件を調整する調整工程を含むことがより好ましい。
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法では、上記調整工程は、カーボンナノチューブの成長の触媒を賦活する触媒賦活物質の濃度を調整する工程であることがより好ましい。
本発明に係る測定装置は、金属基板の上に配向したカーボンナノチューブ配向集合体の高さを測定する測定装置であって、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板における上記カーボンナノチューブ配向集合体が成長している側の面までの距離を測定する渦電流式変位センサと、当該基準面から上記カーボンナノチューブ配向集合体における上記金属基板とは反対側の先端までの距離を測定するレーザ変位センサと、を備える。
本発明によれば、基板の反り、撓みなどの影響を抑えて、大面積の基板であっても切断せずに、基板上のカーボンナノチューブ配向集合体の高さを測定することが可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<測定方法>
本発明に係る測定方法は、金属基板の上に配向したカーボンナノチューブ配向集合体(以下、カーボンナノチューブを「CNT」ということもある。)の高さTを測定する方法であって、渦電流式変位センサを用いて、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板におけるCNT配向集合体が成長している側の面までの距離L1を測定する第1の測定工程と、レーザ変位センサを用いて、当該基準面からCNT配向集合体における上記金属基板とは反対側の先端までの距離L2を測定する第2の測定工程と、式T=L1−L2による計算を行ない上記CNT配向集合体の高さを算出する算出工程と、を含む。
本発明に係る測定方法は、金属基板の上に配向したカーボンナノチューブ配向集合体(以下、カーボンナノチューブを「CNT」ということもある。)の高さTを測定する方法であって、渦電流式変位センサを用いて、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板におけるCNT配向集合体が成長している側の面までの距離L1を測定する第1の測定工程と、レーザ変位センサを用いて、当該基準面からCNT配向集合体における上記金属基板とは反対側の先端までの距離L2を測定する第2の測定工程と、式T=L1−L2による計算を行ない上記CNT配向集合体の高さを算出する算出工程と、を含む。
この方法によれば、非接触、非破壊で簡易にCNT配向集合体の高さを測定することが可能である。また、大面積で、反りや撓み等で変形する虞のある金属基板上のCNT配向集合体について、任意の箇所のCNT配向集合体の高さを、基板変形の影響を受けずに正確に測定することが可能である。
〔CNT配向集合体〕
まず、本発明により測定対象となったり、後述の製造方法で製造したりするCNT配向集合体について説明する。
まず、本発明により測定対象となったり、後述の製造方法で製造したりするCNT配向集合体について説明する。
CNT配向集合体とは、触媒基板から成長した多数のCNTが特定の方向に配向した構造体をいう。CNT配向集合体の好ましい比表面積は、CNTが主として未開口のものにあっては、600m2/g以上であり、より好ましくは、800m2/g以上である。比表面積が高いほど、金属などの不純物、若しくは炭素不純物を重量の数十パーセント(40%程度)より低く抑えることができるので好ましい。
重量密度は0.002g/cm3以上、0.2g/cm3以下であることが好ましい。重量密度が0.2g/cm3以下であれば、CNT配向集合体を構成するCNT同士の結びつきが弱くなるので、CNT配向集合体を溶媒などに攪拌した際に、均質に分散させることが容易になる。つまり、重量密度が0.2g/cm3以下とすることで、均質な分散液を得ることが容易となる。また重量密度が0.002g/cm3以上であれば、CNT配向集合体の一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取扱いが容易になる。
特定方向に配向したCNT配向集合体は高い配向度を有していることが好ましい。高い配向度とは、
1.CNTの長手方向に平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とからX線を入射してX線回折強度を測定(θ−2θ法)した場合に、第2方向からの反射強度が、第1方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在し、且つ第1方向からの反射強度が、第2方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在すること。
1.CNTの長手方向に平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とからX線を入射してX線回折強度を測定(θ−2θ法)した場合に、第2方向からの反射強度が、第1方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在し、且つ第1方向からの反射強度が、第2方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在すること。
2.CNTの長手方向に直交する方向からX線を入射して得られた2次元回折パターン像でX線回折強度を測定(ラウエ法)した場合に、異方性の存在を示す回折ピークパターンが出現すること。
3.ヘルマンの配向係数が、θ−2θ法又はラウエ法で得られたX線回折強度を用いると0より大きく1より小さいこと。より好ましくは0.25以上、1以下であること。
以上の1.から3.の少なくともいずれか1つの方法によって評価することができる。また、前述のX線回折法において、単層CNT間のパッキングに起因する(CP)回折ピーク、(002)ピークの回折強度及び単層CNTを構成する炭素六員環構造に起因する(100)、(110)ピークの平行と垂直との入射方向の回折ピーク強度の度合いが互いに異なるという特徴も有している。
CNT配向集合体が配向性、及び高比表面積を示すためには、CNT配向集合体の高さ(長さ)は10μm以上、10cm以下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、50μm以上、20mm以下であり、さらに好ましくは、100μm以上、10mm以下である。高さが10μm以上であると、配向性が向上する。また高さが10cm以下であると、生成を短時間で行なえるため炭素系不純物の付着を抑制でき、比表面積を向上できる。
CNT配向集合体のG/D比は好ましくは3以上、より好ましくは4以上である。G/D比とはCNTの品質を評価するのに一般的に用いられている指標である。ラマン分光装置によって測定されるCNTのラマンスペクトルには、Gバンド(1600cm−1付近)とDバンド(1350cm−1付近)と呼ばれる振動モードが観測される。GバンドはCNTの円筒面であるグラファイトの六方格子構造由来の振動モードであり、Dバンドは非晶箇所に由来する振動モードである。よって、GバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が高いものほど、結晶性の高いCNTと評価できる。
〔金属基板〕
金属基板の構成としては、その表面にCNTの成長の触媒を担持することのできる部材であればよく、400℃以上の高温でも形状を維持できるものが好ましい。CNTの製造に使用可能な材質としては、例えば、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、銀、金、白金、ニオブ、タンタル、鉛、亜鉛、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、及びアンチモンなどの金属、並びにこれらの金属を含む合金及び酸化物などが挙げられる。金属材料はシリコン及びセラミックと比較して、低コストであるから好ましく、特に、Fe−Cr(鉄−クロム)合金、Fe−Ni(鉄−ニッケル)合金、Fe−Cr−Ni(鉄−クロム−ニッケル)合金などは好適である。
金属基板の構成としては、その表面にCNTの成長の触媒を担持することのできる部材であればよく、400℃以上の高温でも形状を維持できるものが好ましい。CNTの製造に使用可能な材質としては、例えば、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、銀、金、白金、ニオブ、タンタル、鉛、亜鉛、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、及びアンチモンなどの金属、並びにこれらの金属を含む合金及び酸化物などが挙げられる。金属材料はシリコン及びセラミックと比較して、低コストであるから好ましく、特に、Fe−Cr(鉄−クロム)合金、Fe−Ni(鉄−ニッケル)合金、Fe−Cr−Ni(鉄−クロム−ニッケル)合金などは好適である。
金属基板の態様としては、平板状、薄膜状、及びブロック状等が挙げられ、特に体積の割に表面積を大きくとれる平板状が大量に製造する場合において有利である。
平板状の金属基板を用いる場合、その厚さに特に制限はなく、例えば数μm程度の薄膜から数cm程度までのものを用いることができる。好ましくは、0.05mm以上3mm以下である。基板の厚さが3mmより大きいと、CVD工程で基板が十分に加熱しきれずにカーボンナノチューブの成長不良が発生する恐れがあり、また基板のコストも増大する。基板の厚さが0.05mmよりも小さいと、浸炭により基板が変形しやすく、また基板自体がたわみやすいため基板の搬送に不具合が生じる恐れがある。
〔浸炭防止層〕
金属基板には、その表面及び裏面の少なくともいずれか一方に、浸炭防止層が形成されてもよい。表面及び裏面の両面に浸炭防止層が形成されていることが望ましい。この浸炭防止層は、CNTの生成工程において、基材が浸炭されて変形してしまうのを防止するための保護層である。
金属基板には、その表面及び裏面の少なくともいずれか一方に、浸炭防止層が形成されてもよい。表面及び裏面の両面に浸炭防止層が形成されていることが望ましい。この浸炭防止層は、CNTの生成工程において、基材が浸炭されて変形してしまうのを防止するための保護層である。
浸炭防止層は、金属又はセラミック材料によって構成されることが好ましく、特に浸炭防止効果の高いセラミック材料であることが好ましい。金属としては、銅及びアルミニウムなどが挙げられる。セラミック材料としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカアルミナ、酸化クロム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛などの酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物が挙げられ、なかでも浸炭防止効果が高いことから、酸化アルミニウム、酸化ケイ素が好ましい。
浸炭防止層の厚さは、0.01μm〜1.0μm程度が好ましく、0.02μm〜0.5μmであることがより好ましい。層厚さが薄すぎると浸炭防止効果を充分に得ることができない可能性がある。層厚さが厚すぎると、基板の熱伝導性が変化して、CVD工程で基板が十分に加熱しきれずにカーボンナノチューブの成長不良が発生する可能性がある。層形成(コーティング)の方法としては、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理的方法、CVD、塗布法等の方法を適用することができる。
〔触媒〕
金属基板上には、又は、当該金属基板上に浸炭防止層を備える場合には当該浸炭防止層の上には、触媒が担持されている。触媒としては、CNTの製造が可能であればよく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、並びに、これらの塩化物及び合金、またこれらが、さらにアルミニウム、アルミナ、チタニア、窒化チタン、酸化シリコンと複合化し、または層状になっていてもよい。例えば、鉄−モリブデン薄膜、アルミナ−鉄薄膜、アルミナ−コバルト薄膜、及びアルミナ−鉄−モリブデン薄膜、アルミニウム−鉄薄膜、アルミニウム−鉄−モリブデン薄膜などを例示することができる。触媒の存在量としては、例えば、CNTの製造が可能な範囲であればよく、鉄を用いる場合、製膜厚さは、0.1nm以上100nm以下が好ましく、0.5nm以上5nm以下がさらに好ましく、0.8nm以上2nm以下が特に好ましい。
金属基板上には、又は、当該金属基板上に浸炭防止層を備える場合には当該浸炭防止層の上には、触媒が担持されている。触媒としては、CNTの製造が可能であればよく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、並びに、これらの塩化物及び合金、またこれらが、さらにアルミニウム、アルミナ、チタニア、窒化チタン、酸化シリコンと複合化し、または層状になっていてもよい。例えば、鉄−モリブデン薄膜、アルミナ−鉄薄膜、アルミナ−コバルト薄膜、及びアルミナ−鉄−モリブデン薄膜、アルミニウム−鉄薄膜、アルミニウム−鉄−モリブデン薄膜などを例示することができる。触媒の存在量としては、例えば、CNTの製造が可能な範囲であればよく、鉄を用いる場合、製膜厚さは、0.1nm以上100nm以下が好ましく、0.5nm以上5nm以下がさらに好ましく、0.8nm以上2nm以下が特に好ましい。
金属基板表面への触媒の形成は、ウェットプロセス又はドライプロセスのいずれを適用してもよい。例えば、スパッタリング蒸着法、金属微粒子を適宜な溶媒に分散させた液体の塗布・焼成による方法などを適用することができる。また周知のフォトリソグラフィー又はナノインプリンティングなどを適用したパターニングを併用して触媒を任意の形状とすることもできる。
〔第1の測定工程〕
第1の測定工程では、渦電流式変位センサを用いて、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板におけるCNT配向集合体が配向している面までの距離L1を測定する。
第1の測定工程では、渦電流式変位センサを用いて、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板におけるCNT配向集合体が配向している面までの距離L1を測定する。
渦電流式変位センサは、高周波磁界を利用したものであり、センサヘッド内部のコイルに高周波電流を流して、高周波磁界を発生させる。この磁界内に測定対象物(金属)があると、電磁誘導作用によって、対象物表面に磁束の通過と垂直方向の渦電流が流れて、センサコイルのインピーダンスが変化する。渦電流式変位センサは、この現象による発振状態の変化により、距離を測定する。渦電流式変位センサは、金属基板上に合成されたCNT配向集合体には作用せず、CNT配向集合体下層にある金属基板に作用して、この金属基板との距離を測定することができる。よって、渦電流式変位センサを金属基板におけるCNTが成長している側の上に配置すれば、金属基板より上に設定した基準面から対向する金属基板の表面までの距離を測ることができる。本明細書では当該距離を「L1」と表記する。つまり、第1の測定工程では、渦電流式変位センサを用いて、このL1を測定する。
なお、基準面は、渦電流式変位センサの位置に応じて設定すればよく、レーザ変位センサの発光源の位置でなくともよい。レーザ変位センサは任意の箇所を基準面として設定することができる。
第1の測定工程は、後述の第2の測定工程と共に、複数の箇所で行なうことがより好ましい。複数の箇所で算出したTの平均値を算出することにより、CNT配向集合体全体の平均のより正確な高さを算出することができるからである。或る「箇所で行なう」とは、第1の測定工程を金属基板のある位置で行なう場合、第2の測定工程はその鉛直上のCNT配向集合体の先端の位置で行なうことを意味している。また、第1の測定工程及び第2の測定工程は同じ位置で行なうことが好ましい。算出するTの値がより正確になるからである。
〔第2の測定工程〕
第2の測定工程では、レーザ変位センサを用いて、当該基準面からCNT配向集合体における金属基板とは反対側の先端までの距離L2を測定する。
第2の測定工程では、レーザ変位センサを用いて、当該基準面からCNT配向集合体における金属基板とは反対側の先端までの距離L2を測定する。
レーザ変位センサは、検査対象物に対してレーザ光を照射するレーザ照射部、及び反射レーザを受光する反射受光部を主に具備し、検査対象物までの距離を測定する走査型のレーザ変位センサである。レーザ変位センサから照射されるレーザは、人間がおおよそのレーザの位置を視認可能なように、赤色を含んで投射がされていることが好ましい。レーザ変位センサを用いることで、レーザ光を測定面に投下して反射してきたレーザ光を受光することで、測定面とセンサ又は基準面との距離を測定するものである。測定面とは、本発明においては、CNT配向集合体における金属基板とは反対側の先端で構成される面である。本明細書では当該距離を「L2」と表記する。つまり、第2の測定工程では、レーザ変位センサを用いて、このL2を測定する。
第1の測定工程及び第2の測定工程を行なう順番は特に限定されず、いずれを先に行なってもよいし、同時に行なってもよい。
〔算出工程〕
算出工程では、式T=L1−L2による計算を行ないカーボンナノチューブ配向集合体の高さを算出する。当該式による計算を行なうことで、金属基板の表面からカーボンナノチューブ配向集合体の先端までの距離が求まるので、当該距離が当該カーボンナノチューブ配向集合体の高さとなる。
算出工程では、式T=L1−L2による計算を行ないカーボンナノチューブ配向集合体の高さを算出する。当該式による計算を行なうことで、金属基板の表面からカーボンナノチューブ配向集合体の先端までの距離が求まるので、当該距離が当該カーボンナノチューブ配向集合体の高さとなる。
〔測定方法の一実施形態〕
本発明に係る測定方法の一実施形態を図1を用いて説明する。図1は本発明に係る測定方法の原理を模式的に示すための図である。
本発明に係る測定方法の一実施形態を図1を用いて説明する。図1は本発明に係る測定方法の原理を模式的に示すための図である。
図1に示すように、本実施形態では測定装置101が金属基板10上に成長したCNT配向集合体20の高さを測定する。
測定装置101は、本発明に係る測定装置の一実施形態であり、渦電流式変位センサ102及びレーザ変位センサ103を備えている。
渦電流式変位センサ102は、金属基板10より上の基準面S0から金属基板10におけるCNT配向集合体が配向している面S1までの距離L1を測定するものである。
レーザ変位センサ103は、基準面S0からCNT配向集合体20における金属基板10とは反対側の先端で形成される面S2までの距離L2を測定するものである。
このように、本発明に係る測定装置は、渦電流式変位センサ及びレーザ変位センサを備えていればよい。
第1の測定工程では、渦電流式変位センサ102が磁界を発生させて、面S1と基準面S0との距離L1を測定する。
第2の測定工程では、レーザ変位センサ103からレーザ光を発光及び受光して、面S2と基準面S0との距離L2を測定する。
最後に、式T=L1−L2による計算を行なってCNT配向集合体の高さであるTを算出する。
また、本発明に係る測定装置は、例えば、渦電流式変位センサ及びレーザ変位センサを、センサの制御部に接続して、測定データをもとにL1−L2を計算することによって、CNT配向集合体の高さTを算出して、記憶するものであってもよい。測定結果に基づいて、例えば後述する製造装置のようなCNT配向集合体の製造装置のCNTの成長工程の条件を判定処理する機能を有していてもよい。
渦電流式変位センサ、レーザ変位センサおよびセンサ制御部は、一般に市販されているセンサ機器、パーソナルコンピュータを応用することができる。
<カーボンナノチューブ配向集合体の製造方法>
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法(以下、単に「本発明に係る製造方法」という。)は、金属基板の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、上記金属基板の上にある触媒及び上記原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、上記金属基板上にCNT配向集合体を成長させる成長工程と、上記金属基板の上に配向した上記CNT配向集合体の高さを、上述した本発明に係る測定方法を行なうことによって測定する測定工程と、を含む。
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法(以下、単に「本発明に係る製造方法」という。)は、金属基板の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、上記金属基板の上にある触媒及び上記原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、上記金属基板上にCNT配向集合体を成長させる成長工程と、上記金属基板の上に配向した上記CNT配向集合体の高さを、上述した本発明に係る測定方法を行なうことによって測定する測定工程と、を含む。
〔成長工程〕
成長工程では、金属基板の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、上記金属基板の上にある触媒及び上記原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、上記金属基板上にCNT配向集合体を成長させる。すなわち、成長工程では、化学気相成長法(CVD)法により基材上にカーボンナノチューブ配向集合体を成長させる。
成長工程では、金属基板の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、上記金属基板の上にある触媒及び上記原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、上記金属基板上にCNT配向集合体を成長させる。すなわち、成長工程では、化学気相成長法(CVD)法により基材上にカーボンナノチューブ配向集合体を成長させる。
また、成長工程では、例えば、複数の金属基板が連続的に搬入されている成長炉に、原料ガスを供給した後に、又はCNTの原料ガスを供給しながら、CVD法により金属基板上にCNT配向集合体を成長させればよい。
CNT配向集合体を成長させるときの、成長工程に用いる成長炉内の圧力としては102Pa以上、107Pa(100大気圧)以下が好ましく、104Pa以上、3×105Pa(3大気圧)以下がさらに好ましい。
また、成長炉において、CNTを成長させる反応温度は、金属触媒、原料炭素源、及び反応圧力などを考慮して適宜定められる。触媒失活の原因となる副次生成物を排除するために触媒賦活物質を添加する工程を含む場合は、その効果が十分に発現する温度範囲に設定することが望ましい。つまり、最も望ましい温度範囲としては、アモルファスカーボン及びグラファイトなどの副次生成物を触媒賦活物質が除去し得る温度を下限値とし、主生成物であるCNTが触媒賦活物質によって酸化されない温度を上限値とすることである。
具体的には、好ましくは400℃以上、1100℃以下であり、より好ましくは600℃以上、900℃以下である。特に触媒賦活物質を添加する場合には、上記温度範囲であれば、触媒賦活物質の効果を充分に発現させることができ、かつ触媒賦活物質がCNTと反応することを抑制できる。
(原料ガス)
原料ガスとしては、CNTの原料となる物質であればよく、例えば、成長温度において原料炭素源を有するガスである。なかでもメタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、プロピレン、及びアセチレンなどの炭化水素が好適である。この他にも、メタノール、エタノールなどの低級アルコールでもよい。これらの混合物も使用可能である。またこの原料ガスは、不活性ガスで希釈されていてもよい。
原料ガスとしては、CNTの原料となる物質であればよく、例えば、成長温度において原料炭素源を有するガスである。なかでもメタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、プロピレン、及びアセチレンなどの炭化水素が好適である。この他にも、メタノール、エタノールなどの低級アルコールでもよい。これらの混合物も使用可能である。またこの原料ガスは、不活性ガスで希釈されていてもよい。
(不活性ガス)
不活性ガスとしては、CNTが成長する温度で不活性であり、触媒の活性を低下させず、且つ成長するカーボンナノチューブと反応しないガスであればよい。例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素、ネオン、及びクリプトンなど、並びにこれらの混合ガスを例示でき、特に窒素、ヘリウム、アルゴン、及びこれらの混合ガスが好適である。
不活性ガスとしては、CNTが成長する温度で不活性であり、触媒の活性を低下させず、且つ成長するカーボンナノチューブと反応しないガスであればよい。例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素、ネオン、及びクリプトンなど、並びにこれらの混合ガスを例示でき、特に窒素、ヘリウム、アルゴン、及びこれらの混合ガスが好適である。
(触媒賦活物質)
成長工程において、CNTの成長反応が行なわれる雰囲気中に触媒賦活物質を存在させることがより好ましい。触媒賦活物質の添加によって、カーボンナノチューブの生産効率や純度をより一層改善することができる。
成長工程において、CNTの成長反応が行なわれる雰囲気中に触媒賦活物質を存在させることがより好ましい。触媒賦活物質の添加によって、カーボンナノチューブの生産効率や純度をより一層改善することができる。
触媒賦活物質としては、酸素を含む物質がより好ましく、CNTの成長温度でCNTに多大なダメージを与えない物質であることがさらに好ましい。例えば、水;酸素、オゾン、酸性ガス、酸化窒素;一酸化炭素及び二酸化炭素などの低炭素数の含酸素化合物;エタノール、メタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;アルデヒド類;エステル類;並びにこれらの混合物が有効である。この中でも、水、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、エーテル類が好ましく、特に水及び二酸化炭素が好適である。
触媒賦活物質の添加量に格別な制限はないが、触媒の周囲環境中の濃度で、水蒸気の場合には、好ましくは10ppm以上10000ppm以下、より好ましくは50ppm以上1000ppm以下、さらに好ましくは200ppm以上700ppm以下の範囲とするとよい。
触媒賦活物質の機能のメカニズムは、現時点では以下のように推測される。CNTの成長過程において、副次的に発生したアモルファスカーボン及びグラファイトなどが触媒に付着すると触媒は失活してしまいCNTの成長が阻害される。しかし、触媒賦活物質が存在すると、アモルファスカーボン及びグラファイトなどを一酸化炭素及び二酸化炭素などに酸化させることでガス化するため、触媒層が清浄化され、触媒の活性を高め且つ活性寿命を延長させる作用(触媒賦活作用)が発現すると考えられている。
なお、例えばアルコール類及び一酸化炭素などのような炭素及び酸素を含有する化合物は、原料ガスとしても触媒賦活物質としても作用し得る。例えば、これらをエチレンなどのように分解して炭素源となりやすい原料ガスと併用する場合は触媒賦活物質として作用し、また水等の活性が高い触媒賦活物質と併用する場合は原料ガスとして作用するものと推測される。さらに、一酸化炭素などは、分解して生じる炭素原子がCNTの成長反応の炭素源となる一方で、酸素原子がアモルファスカーボン及びグラファイト等を酸化してガス化する触媒賦活物質としても作用するものと推測される。
(高炭素濃度環境)
高炭素濃度環境とは、全流量に対する原料ガスの割合が2〜20%程度の成長雰囲気のことをいう。特に触媒賦活物質存在下においては、触媒活性が著しく向上するため、高炭素濃度環境化においても、触媒は活性を失わず、長時間のCNTの成長が可能となると共に、成長速度が著しく向上する。しかしながら、高炭素濃度環境では低炭素濃度環境に比べ、炉壁などに炭素汚れが大量に付着しやすい。
高炭素濃度環境とは、全流量に対する原料ガスの割合が2〜20%程度の成長雰囲気のことをいう。特に触媒賦活物質存在下においては、触媒活性が著しく向上するため、高炭素濃度環境化においても、触媒は活性を失わず、長時間のCNTの成長が可能となると共に、成長速度が著しく向上する。しかしながら、高炭素濃度環境では低炭素濃度環境に比べ、炉壁などに炭素汚れが大量に付着しやすい。
〔測定工程〕
測定工程では、成長工程によって金属基板の上に配向したCNT配向集合体の高さを、上述の本発明に係る測定方法を行なうことによって測定する。
測定工程では、成長工程によって金属基板の上に配向したCNT配向集合体の高さを、上述の本発明に係る測定方法を行なうことによって測定する。
測定工程を行なうことで、製造されたCNT配向集合体の高さを測定することができる。測定の結果は、次回以降の成長工程の条件の調整に活用することができる。すなわち、所望の高さのCNT配向集合体が得られなかった場合、次回以降の成長工程において、所望の高さに近づくように、成長工程の条件を調整することができる。なお、経験則等で、どのような条件にすればどのような高さになるか予め把握できている場合はある。
しかし、成長炉等を備えるCNT配向集合体の製造装置を使用し続けていると、炉内の汚れ等により、予め把握している条件で所望の高さのCNT配向集合体が得られなくなる場合が起こる。また、最初は或る条件で所望の高さのCNT配向集合体が得られていても、連続合成する場合には、上述の汚れ等の影響で、得られるCNT配向集合体の高さが、徐々に、所望の高さとは異なってくることがある。
このようなときに、本発明に係る測定方法で、正確に、金属基板を切断することなく簡易にCNT配向集合体の高さを測定して、成長工程の条件の調整に活用することができるのである。
つまり、本発明に係る製造方法は、測定工程の結果に基づいて、成長工程の条件を調整する調整工程を含むことがより好ましい。これにより、所望の高さのカーボンナノチューブ配向集合体を製造することができる。
調整工程において調整する成長工程の条件としては、例えば、原料ガスの濃度、触媒賦活物質の濃度、反応温度、反応時間が挙げられ、目的に応じて一つ又は複数の条件を調整すればよいが、調整が容易であることから、カーボンナノチューブの成長の触媒を賦活する触媒賦活物質の濃度を調整することがより好ましい。
また、本発明に係る製造方法では、成長工程を行なうための成長炉の中に複数の金属基板を連続で搬入して、連続して複数回の成長工程を行ない、測定工程を、或る成長工程の後に行なうことがより好ましい。或る成長工程の後に測定工程を行ない、次回以降の成長工程に当該測定工程の結果を活用することができる。つまり、当該測定工程の結果、所望の高さのCNT配向集合体が得られていない場合には、上述の調整工程を行ない、次回以降の成長工程で所望の高さのCNT配向集合体が得られるように調整することができる。
<製造装置の一例>
次に、本発明に係る製造方法を実施するための製造装置の一例について、図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る製造方法を実施するためのCNT配向集合体の製造装置の一例である製造装置100の構成を模式的に示す図である。
次に、本発明に係る製造方法を実施するための製造装置の一例について、図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る製造方法を実施するためのCNT配向集合体の製造装置の一例である製造装置100の構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、製造装置100は、入口パージ部1、フォーメーションユニット2、成長ユニット3、搬送ユニット6、ガス混入防止手段11、12、13、接続部7、8、9、冷却ユニット4、出口パージ部5を備えている。
また、製造装置100は、複数の金属基板10上に連続的にCNT配向集合体を製造するものである。金属基板10は、CNTの成長反応の触媒を担持している金属基板である。
〔入口パージ部1〕
入口パージ部1とは金属基板10の入口から製造装置100の有する炉内へ外気が混入することを防止するための装置一式のことである。製造装置100内に搬送された金属基板10の周囲環境をパージガスで置換する機能を有する。具体的には、パージガスを保持するための炉又はチャンバ、パージガスを噴射するための噴射部などが設けられている。パージガスは不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。ベルトコンベア方式など金属基板10の入口が常時開口している場合は、パージガス噴射部としてパージガスを上下からシャワー状に噴射するガスカーテン装置とし、装置入口から外気が混入することを防止することが好ましい。後述するガス混入防止手段11のみでも炉内への外気混入を防止することは可能であるが、装置の安全性を高めるために入口パージ部1を備えていることが好ましい。
入口パージ部1とは金属基板10の入口から製造装置100の有する炉内へ外気が混入することを防止するための装置一式のことである。製造装置100内に搬送された金属基板10の周囲環境をパージガスで置換する機能を有する。具体的には、パージガスを保持するための炉又はチャンバ、パージガスを噴射するための噴射部などが設けられている。パージガスは不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。ベルトコンベア方式など金属基板10の入口が常時開口している場合は、パージガス噴射部としてパージガスを上下からシャワー状に噴射するガスカーテン装置とし、装置入口から外気が混入することを防止することが好ましい。後述するガス混入防止手段11のみでも炉内への外気混入を防止することは可能であるが、装置の安全性を高めるために入口パージ部1を備えていることが好ましい。
〔フォーメーションユニット2〕
フォーメーションユニット2とは、フォーメーション工程を実現するための装置一式のことであり、金属基板10の表面に形成された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒と還元ガスとの少なくとも一方を加熱する機能を有する。
フォーメーションユニット2とは、フォーメーション工程を実現するための装置一式のことであり、金属基板10の表面に形成された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒と還元ガスとの少なくとも一方を加熱する機能を有する。
フォーメーション工程とは、詳しくは後述するが、金属基板10上に担持された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒又は還元ガスの少なくとも一方を加熱する工程である。
フォーメーションユニット2は、具体的には、還元ガスを保持するためのフォーメーション炉2a、還元ガスを噴射するための還元ガス噴射部2b、フォーメーション炉2a内のガスを排気するための排気フード2d、触媒及び還元ガスの少なくとも一方を加熱するためのヒーター2cなどが挙げられる。ヒーター2cとしては400℃から1100℃の範囲で加熱することができるものが好ましく、例えば、抵抗加熱ヒーター、赤外線加熱ヒーター、電磁誘導式ヒーターなどが挙げられる。
(還元ガス)
還元ガスは、一般的には、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果を持つ、成長温度において気体状のガスである。還元ガスとしては、典型的には還元性を有したガスであり、例えば水素ガス、アンモニア、水蒸気及びそれらの混合ガスを適用することができる。また、水素ガスをヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスと混合した混合ガスでもよい。還元ガスは、フォーメーション工程で用いてもよく、適宜成長工程に用いてもよい。
還元ガスは、一般的には、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果を持つ、成長温度において気体状のガスである。還元ガスとしては、典型的には還元性を有したガスであり、例えば水素ガス、アンモニア、水蒸気及びそれらの混合ガスを適用することができる。また、水素ガスをヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスと混合した混合ガスでもよい。還元ガスは、フォーメーション工程で用いてもよく、適宜成長工程に用いてもよい。
(フォーメーション工程)
フォーメーション工程とは、金属基板10上に担持された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒又は還元ガスの少なくとも一方を加熱する工程である。この工程により、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態である微粒子化の促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果が現れる。例えば、触媒がアルミナ−鉄薄膜である場合、鉄触媒は還元されて微粒子化し、アルミナ層上にナノメートルサイズの鉄微粒子が多数形成される。これにより触媒はCNT配向集合体の製造に好適な触媒に調製される。この工程を省略してもCNTを製造することは可能であるが、この工程を行なうことでCNT配向集合体の製造量及び品質を飛躍的に向上させることができる。
フォーメーション工程とは、金属基板10上に担持された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒又は還元ガスの少なくとも一方を加熱する工程である。この工程により、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態である微粒子化の促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果が現れる。例えば、触媒がアルミナ−鉄薄膜である場合、鉄触媒は還元されて微粒子化し、アルミナ層上にナノメートルサイズの鉄微粒子が多数形成される。これにより触媒はCNT配向集合体の製造に好適な触媒に調製される。この工程を省略してもCNTを製造することは可能であるが、この工程を行なうことでCNT配向集合体の製造量及び品質を飛躍的に向上させることができる。
本実施形態のように、フォーメーション工程と成長工程を実現するユニットをそれぞれ別々に設けることは、フォーメーション炉2aの内壁に炭素汚れが付着することを防止することになるので、CNT配向集合体の製造にとってより好ましい。
〔成長ユニット3〕
成長ユニット3は、成長工程を実現するための装置一式のことである。成長工程とは、上述の通り、金属基板10を成長炉内に搬入し、かつ成長炉内において触媒の周囲環境を原料ガス環境とすると共に触媒及び原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、CNT配向集合体を成長させる工程である。
成長ユニット3は、成長工程を実現するための装置一式のことである。成長工程とは、上述の通り、金属基板10を成長炉内に搬入し、かつ成長炉内において触媒の周囲環境を原料ガス環境とすると共に触媒及び原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、CNT配向集合体を成長させる工程である。
成長ユニット3は、金属基板10の周囲の環境を原料ガス環境に保持する炉である成長炉3a、原料ガスを金属基板10上に噴射するための原料ガス噴射部3b、成長炉3a内のガスを排気するための排気フード3d、触媒と原料ガスの少なくとも一方を加熱するためのヒーター3cを含んでいる。
原料ガス噴射部3bからは金属基板10上に原料ガスが噴射される。
原料ガス噴射部3b及び排気フード3dはそれぞれ少なくとも1つ以上備えられており、全ての原料ガス噴射部3bから噴射される全ガス流量と、全ての排気フード3dから排気される全ガス流量は、同量又はほぼ同量であることが好ましい。このようにすることが、原料ガスが成長炉3a外へ流出すること、及び成長炉3a外のガスを成長炉3a内に流入させることを防止する。
ヒーター3cとしては400℃から1100℃の範囲で加熱することができるものが好ましく、例えば、抵抗加熱ヒーター、赤外線加熱ヒーター、電磁誘導式ヒーターなどが挙げられる。
〔搬送ユニット6〕
搬送ユニット6とは、少なくともフォーメーションユニット2から成長ユニット3まで金属基板10を搬送するために必要な装置一式のことである。具体的には、ベルトコンベア方式におけるメッシュベルト6a、減速機付き電動モータを用いたベルト駆動部6bなどが挙げられる。
搬送ユニット6とは、少なくともフォーメーションユニット2から成長ユニット3まで金属基板10を搬送するために必要な装置一式のことである。具体的には、ベルトコンベア方式におけるメッシュベルト6a、減速機付き電動モータを用いたベルト駆動部6bなどが挙げられる。
本実施形態では、搬送ユニット6は、複数の金属基板10を連続的に製造装置100内の各ユニットに搬送するものである。
〔接続部7、8、9〕
接続部7、8、9とは、各ユニットの炉内空間を空間的に接続し、金属基板10がユニットからユニットへ搬送される時に、金属基板10が外気に曝されることを防ぐための装置一式のことである。具体的には、金属基板10の周囲環境と外気を遮断し、金属基板10をユニットからユニットへ通過させることができる炉又はチャンバなどが挙げられる。
接続部7、8、9とは、各ユニットの炉内空間を空間的に接続し、金属基板10がユニットからユニットへ搬送される時に、金属基板10が外気に曝されることを防ぐための装置一式のことである。具体的には、金属基板10の周囲環境と外気を遮断し、金属基板10をユニットからユニットへ通過させることができる炉又はチャンバなどが挙げられる。
〔ガス混入防止手段11、12、13〕
ガス混入防止手段11、12、13とは、外気と製造装置100の炉内のガスとが相互に混入すること、又は製造装置100内の炉(例えば、フォーメーション炉2a、成長炉3a、冷却炉4a)間でガス同士が相互に混入することを防止する装置一式のことであり、金属基板10の搬送のための出入口近傍、又は製造装置100内の空間と空間とを接続する接続部7、8、9に設置される。このガス混入防止手段11、12、13は、各炉における金属基板10の入口及び出口の開口面に沿ってシールガスを噴出するシールガス噴射部(シールガス噴射手段)11b、12b、13bと、主に噴射されたシールガス(及びその他近傍のガス)を各炉内に入らないように吸引して製造装置100の外部に排気する排気部(排気手段)11a、12a、13aとを、それぞれ少なくとも1つ以上を備えている。シールガスが炉の開口面に沿って噴射されることで、シールガスが炉の出入り口を塞ぎ、炉外のガスが炉内に混入することを防ぐ。また、当該シールガスが成長炉3a等の炉の出口から当該炉の中に入らないように吸引して製造装置100の外部に排気することにより、当該シールガスが炉内に混入することを防ぐ。シールガスは不活性ガスであることが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。シールガス噴射部11b、12b、13b及び排気部11a、12a、13aの配置としては、1つのシールガス噴射部に隣接して1つの排気部を配置してもよいし、メッシュベルトを挟んでシールガス噴射部に対面するように排気部を配置してもよいが、ガス混入防止手段の全体の構成が、炉長方向に対称な構造となるようにシールガス噴射部及び排気部を配置することが好ましい。例えば、図2に示すように、1つの排気部の両端にシールガス噴射部を2つ配置し、排気部を中心にして炉長方向に対称な構造とするとよい。また、シールガス噴射部11b、12b、13bから噴射される全ガス流量と排気部から排気される全ガス流量はほぼ同量であることが好ましい。これによって、ガス混入防止手段11、12、13を挟んだ両側の空間からのガスが相互に混入することを防止するとともに、シールガスが両側の空間に流出することも防止することが可能になる。このようなガス混入防止手段12、13を成長炉3aの両端に設置することで、シールガスの流れと成長炉3a内のガスの流れが相互に干渉することを防止できる。また、シールガスの成長炉3a内流入によるガス流れの乱れも防止されている。よって、CNT配向集合体の連続製造に好適な製造装置100を実現できる。
ガス混入防止手段11、12、13とは、外気と製造装置100の炉内のガスとが相互に混入すること、又は製造装置100内の炉(例えば、フォーメーション炉2a、成長炉3a、冷却炉4a)間でガス同士が相互に混入することを防止する装置一式のことであり、金属基板10の搬送のための出入口近傍、又は製造装置100内の空間と空間とを接続する接続部7、8、9に設置される。このガス混入防止手段11、12、13は、各炉における金属基板10の入口及び出口の開口面に沿ってシールガスを噴出するシールガス噴射部(シールガス噴射手段)11b、12b、13bと、主に噴射されたシールガス(及びその他近傍のガス)を各炉内に入らないように吸引して製造装置100の外部に排気する排気部(排気手段)11a、12a、13aとを、それぞれ少なくとも1つ以上を備えている。シールガスが炉の開口面に沿って噴射されることで、シールガスが炉の出入り口を塞ぎ、炉外のガスが炉内に混入することを防ぐ。また、当該シールガスが成長炉3a等の炉の出口から当該炉の中に入らないように吸引して製造装置100の外部に排気することにより、当該シールガスが炉内に混入することを防ぐ。シールガスは不活性ガスであることが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。シールガス噴射部11b、12b、13b及び排気部11a、12a、13aの配置としては、1つのシールガス噴射部に隣接して1つの排気部を配置してもよいし、メッシュベルトを挟んでシールガス噴射部に対面するように排気部を配置してもよいが、ガス混入防止手段の全体の構成が、炉長方向に対称な構造となるようにシールガス噴射部及び排気部を配置することが好ましい。例えば、図2に示すように、1つの排気部の両端にシールガス噴射部を2つ配置し、排気部を中心にして炉長方向に対称な構造とするとよい。また、シールガス噴射部11b、12b、13bから噴射される全ガス流量と排気部から排気される全ガス流量はほぼ同量であることが好ましい。これによって、ガス混入防止手段11、12、13を挟んだ両側の空間からのガスが相互に混入することを防止するとともに、シールガスが両側の空間に流出することも防止することが可能になる。このようなガス混入防止手段12、13を成長炉3aの両端に設置することで、シールガスの流れと成長炉3a内のガスの流れが相互に干渉することを防止できる。また、シールガスの成長炉3a内流入によるガス流れの乱れも防止されている。よって、CNT配向集合体の連続製造に好適な製造装置100を実現できる。
ガス混入防止手段11、12、13によって防止されるガス混入の程度としては、CNT配向集合体の製造を阻害しない程度であることが好ましい。特に、フォーメーション工程を行なう場合は、フォーメーション炉2a内還元ガス環境中の炭素原子個数濃度を5×1022個/m3以下、より好ましくは1×1022個/m3以下に保つように、原料ガスがフォーメーション炉2a内へ混入することを、ガス混入防止手段11、12が防止することが好ましい。
(炭素原子個数濃度)
原料ガスがフォーメーション炉2a内空間に混入すると、CNTの成長に悪影響を及ぼす。フォーメーション炉2a内還元ガス環境中の炭素原子個数濃度を5×1022個/m3以下、より好ましくは1×1022個/m3以下に保つように、ガス混入防止手段11、12により原料ガスのフォーメーション炉2a内への混入を防止すると良い。ここで炭素原子個数濃度は、還元ガス環境中の各ガス種(i=1、2、・・・)に対して、濃度(ppmv)をD1、D2・・・、標準状態での密度(g/m3)をρ1、ρ2・・・、分子量をM1、M2・・・、ガス分子1つに含まれる炭素原子数をC1、C2・・・、アボガドロ数をNAとして下記数式(1)で計算している。
原料ガスがフォーメーション炉2a内空間に混入すると、CNTの成長に悪影響を及ぼす。フォーメーション炉2a内還元ガス環境中の炭素原子個数濃度を5×1022個/m3以下、より好ましくは1×1022個/m3以下に保つように、ガス混入防止手段11、12により原料ガスのフォーメーション炉2a内への混入を防止すると良い。ここで炭素原子個数濃度は、還元ガス環境中の各ガス種(i=1、2、・・・)に対して、濃度(ppmv)をD1、D2・・・、標準状態での密度(g/m3)をρ1、ρ2・・・、分子量をM1、M2・・・、ガス分子1つに含まれる炭素原子数をC1、C2・・・、アボガドロ数をNAとして下記数式(1)で計算している。
フォーメーション炉2a内における還元ガス環境中の炭素原子個数濃度を5×1022個/m3以下に保つことによって、CNTの製造量及び品質を良好に保つことができる。炭素原子個数濃度が5×1022個/m3以上となるとフォーメーション工程において、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果が阻害され、成長工程におけるCNTの製造量減少、品質の劣化を引き起こす。
〔加熱部13c〕
加熱部(加熱手段)13cは、シールガス噴射部13bから噴射されるシールガスを加熱するためのものである。つまり、加熱部13cによってシールガスを加熱しながら成長工程を行なう。
加熱部(加熱手段)13cは、シールガス噴射部13bから噴射されるシールガスを加熱するためのものである。つまり、加熱部13cによってシールガスを加熱しながら成長工程を行なう。
加熱されたシールガスが、成長炉3aから金属基板10が出る出口及びその付近を加熱することによって、出口及びその付近の温度が上昇する。これにより、先端部のG/D比と根元部のG/D比との差が小さく、品質の安定したCNT配向集合体を得ることができる。
加熱部13cの具体的な構成としては、例えば、シールガスを搬送する管の周囲にヒーターを取り付けて、管を介してシールガスを加熱する構成、シールガスの噴射口の付近にヒーター等で加熱したバッファタンクを設けて、シールガスを加熱する構成、及び接続部9全体をヒーターで加熱する構成などが挙げられる。
加熱部13cによる加熱温度としては、目的とするCNT配向集合体の品質、CNTの成長反応のための温度等に応じて適宜設定すればよく、例えば、シールガスを300℃以上、800℃以下に加熱することがより好ましい。この範囲の温度であれば、根元部のG/D比を低下させることなく、先端部のG/D比と根元部のG/D比の差を小さくすることができる。したがって、安定して高品質のCNT配向集合体を製造できる。
加熱手段の具体的な構成は、成長炉から基材が出る出口を、成長炉外から加熱するものであればよい。また、本実施形態のように成長ユニット3から冷却ユニット4のような別のユニットに接続部を介して金属基板10を搬送する形態においては、当該接続部の内部空間を加熱するものであればよい。
〔冷却ユニット4〕
冷却ユニット4とは、CNT配向集合体が成長した金属基板10を冷却するために必要な装置一式のことである。成長工程後のCNT配向集合体、触媒、基材の酸化防止と冷却とを実現する機能を有する。具体的には、冷却ガスを保持するための冷却炉4a、水冷式の場合は冷却炉内空間を囲むように配置した水冷冷却管4c、空冷式の場合は冷却炉内空間に冷却ガスを噴射する冷却ガス噴射部4bなどが挙げられる。また、水冷方式と空冷方式とを組み合わせてもよい。
冷却ユニット4とは、CNT配向集合体が成長した金属基板10を冷却するために必要な装置一式のことである。成長工程後のCNT配向集合体、触媒、基材の酸化防止と冷却とを実現する機能を有する。具体的には、冷却ガスを保持するための冷却炉4a、水冷式の場合は冷却炉内空間を囲むように配置した水冷冷却管4c、空冷式の場合は冷却炉内空間に冷却ガスを噴射する冷却ガス噴射部4bなどが挙げられる。また、水冷方式と空冷方式とを組み合わせてもよい。
(冷却工程)
冷却工程とは、成長工程後にCNT配向集合体、触媒、基材を冷却ガス下に冷却する工程である。成長工程後のCNT配向集合体、触媒、基材は高温状態にあるため、酸素存在環境下に置かれると酸化してしまうおそれがある。それを防ぐために冷却ガス環境下でCNT配向集合体、触媒、基材を例えば400℃以下、さらに好ましくは200℃以下に冷却する。冷却ガスとしては不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。
冷却工程とは、成長工程後にCNT配向集合体、触媒、基材を冷却ガス下に冷却する工程である。成長工程後のCNT配向集合体、触媒、基材は高温状態にあるため、酸素存在環境下に置かれると酸化してしまうおそれがある。それを防ぐために冷却ガス環境下でCNT配向集合体、触媒、基材を例えば400℃以下、さらに好ましくは200℃以下に冷却する。冷却ガスとしては不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。
〔出口パージ部5〕
出口パージ部5とは金属基板10の出口から装置炉内へ外気が混入することを防止するための装置一式のことである。金属基板10の周囲環境をパージガス環境にする機能を有する。具体的には、パージガス環境を保持するための炉又はチャンバ、パージガスを噴射するための噴射部などが挙げられる。パージガスは不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。ベルトコンベア方式など金属基板10の出口が常時開口している場合は、パージガス噴射部としてパージガスを上下からシャワー状に噴射するガスカーテン装置とし、装置出口から外気が混入することを防止することが好ましい。ガス混入防止手段13のみでも炉内への外気混入を防止することは可能であるが、装置の安全性を高めるために出口パージ部5を備えていることが好ましい。
出口パージ部5とは金属基板10の出口から装置炉内へ外気が混入することを防止するための装置一式のことである。金属基板10の周囲環境をパージガス環境にする機能を有する。具体的には、パージガス環境を保持するための炉又はチャンバ、パージガスを噴射するための噴射部などが挙げられる。パージガスは不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。ベルトコンベア方式など金属基板10の出口が常時開口している場合は、パージガス噴射部としてパージガスを上下からシャワー状に噴射するガスカーテン装置とし、装置出口から外気が混入することを防止することが好ましい。ガス混入防止手段13のみでも炉内への外気混入を防止することは可能であるが、装置の安全性を高めるために出口パージ部5を備えていることが好ましい。
〔還元ガス又は原料ガスに曝される装置部品の材質〕
製造装置100におけるフォーメーション炉2a、還元ガス噴射部2b、フォーメーションユニット2の排気フード2d、成長炉3a、原料ガス噴射部3b、成長ユニット3の排気フード3d、メッシュベルト6a、ガス混入防止手段11、12、13のシールガス噴射部11b、12b、13b及び排気部11a、12a、13a、接続部7、8、9の炉、排気流量安定化部20などの各部品は還元ガス又は原料ガスに曝される。それら部品の材質としては、高温に耐えられ、加工の精度と自由度、コストの点から耐熱合金が好ましい。耐熱合金としては、耐熱鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金などが挙げられる。Feを主成分として他の合金濃度が50%以下のものが耐熱鋼と一般に呼ばれる。また、Feを主成分として他の合金濃度が50%以下であり、Crを約12%以上含有する鋼は一般にステンレス鋼と呼ばれる。また、ニッケル基合金としては、NiにMo、Cr及びFeなどを添加した合金が挙げられる。例えば、SUS310、インコネル600、インコネル601、インコネル625、インコロイ800、MCアロイ、Haynes230アロイなどが耐熱性、機械的強度、化学的安定性、低コストなどの点から好ましい。
製造装置100におけるフォーメーション炉2a、還元ガス噴射部2b、フォーメーションユニット2の排気フード2d、成長炉3a、原料ガス噴射部3b、成長ユニット3の排気フード3d、メッシュベルト6a、ガス混入防止手段11、12、13のシールガス噴射部11b、12b、13b及び排気部11a、12a、13a、接続部7、8、9の炉、排気流量安定化部20などの各部品は還元ガス又は原料ガスに曝される。それら部品の材質としては、高温に耐えられ、加工の精度と自由度、コストの点から耐熱合金が好ましい。耐熱合金としては、耐熱鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金などが挙げられる。Feを主成分として他の合金濃度が50%以下のものが耐熱鋼と一般に呼ばれる。また、Feを主成分として他の合金濃度が50%以下であり、Crを約12%以上含有する鋼は一般にステンレス鋼と呼ばれる。また、ニッケル基合金としては、NiにMo、Cr及びFeなどを添加した合金が挙げられる。例えば、SUS310、インコネル600、インコネル601、インコネル625、インコロイ800、MCアロイ、Haynes230アロイなどが耐熱性、機械的強度、化学的安定性、低コストなどの点から好ましい。
耐熱合金を用いる際に、その表面を溶融アルミニウムめっき処理、又は、その表面が算術平均粗さRa≦2μmとなるように研磨処理すると、高炭素環境下でCNTを成長させたときに壁面などに付着する炭素汚れを低減することができる。これらの処理はCNT配向集合体の製造にとってより好ましい。
なお、製造装置については、様々な変形及び変更が可能である。例えば、ガス原料、加熱温度などの製造条件を変更することにより、この製造装置で生産されるCNTを単層のもの又は多層のものに変更することも可能であるし、両者を混在生産させることも可能である。
また、製造装置100においては、製造装置100とは別の成膜装置によって金属基板10の表面への触媒の形成を行なうものとしたが、フォーメーションユニット2の上流側に触媒成膜ユニットを設け、フォーメーションユニット2に先立って触媒成膜ユニットを金属基板10が通過するように製造装置100を構成してもよい。
また、製造装置100においては、フォーメーションユニット2、成長ユニット3、冷却ユニット4の順に各ユニットを設けて、接続部7、8、9にて各炉内空間を空間的に接続しているが、フォーメーション工程、成長工程、冷却工程以外の他の工程を実現するユニットをどこかに複数追加して、接続部にて各ユニットの炉内空間を空間的に接続してもよい。
また、製造装置100においては、フォーメーションユニット2、成長ユニット3、及び冷却ユニット4の各ユニットの配置について、直線状配置で説明したが、それに制限されるものではなく、例えば環状に配置してもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明における評価は以下の方法に従って行なった。
(比表面積測定)
比表面積は、BET比表面積測定装置((株)マウンテック製HM model−1210)を用いて測定した。
比表面積は、BET比表面積測定装置((株)マウンテック製HM model−1210)を用いて測定した。
(G/D比)
G/D比とは、ラマン分光で観測されるCNT固有のラマンバンドであるGバンドと、欠陥由来のDバンドとの強度比をいう。本実施例においては、顕微レーザラマンシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製NicoletAlmega XR)を用い、基材中心部付近のCNTを測定した。
G/D比とは、ラマン分光で観測されるCNT固有のラマンバンドであるGバンドと、欠陥由来のDバンドとの強度比をいう。本実施例においては、顕微レーザラマンシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製NicoletAlmega XR)を用い、基材中心部付近のCNTを測定した。
(CNTの平均外径)
CNTを透過型電子顕微鏡で観察して、得られた画像から50本のCNTの外径を測定して、算術平均値を平均外径とした。
CNTを透過型電子顕微鏡で観察して、得られた画像から50本のCNTの外径を測定して、算術平均値を平均外径とした。
(炭素純度)
炭素純度は、熱重量分析装置(TG)を用いて、CNTを空気中で800℃まで1℃/分で昇温し、(800℃に到達するまでに燃えて減少した重量/初期重量)×100を炭素純度(%)とした。
炭素純度は、熱重量分析装置(TG)を用いて、CNTを空気中で800℃まで1℃/分で昇温し、(800℃に到達するまでに燃えて減少した重量/初期重量)×100を炭素純度(%)とした。
(算術平均粗さ)
算術平均粗さRaは、レーザ顕微鏡(キーエンス製VK−9700)を用いて、対物倍率50倍で測定した。
算術平均粗さRaは、レーザ顕微鏡(キーエンス製VK−9700)を用いて、対物倍率50倍で測定した。
[実施例1]
(CNT配向集合体の合成)
基板として、大きさ40mm×40mm、厚さ0.3mmのFe−Cr合金SUS430(JFEスチール株式会社製、Cr18%)を使用した。レーザ顕微鏡を用いて表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRa≒0.080μmであった。
(CNT配向集合体の合成)
基板として、大きさ40mm×40mm、厚さ0.3mmのFe−Cr合金SUS430(JFEスチール株式会社製、Cr18%)を使用した。レーザ顕微鏡を用いて表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRa≒0.080μmであった。
この基板の表裏両面にスパッタリング装置を用いて厚さ100nmの二酸化ケイ素膜(浸炭防止層)を製膜した。次いで表面のみにスパッタリング装置を用いて厚さ10nmの酸化アルミニウム膜(触媒担持層)、1.0nmの鉄膜(触媒)を製膜した。
得られた基材を、炉内温度:750℃、炉内圧力:1.02×105Paに保持されたCVD装置の反応炉内に設置し、この炉内に、He:100sccm及びH2:900sccmの混合ガスを6分間導入した。これにより、酸化鉄からなる触媒は還元されて単層CNTの成長に適合した状態の微粒子化が促進され、触媒担持層上にナノメートルサイズの鉄微粒子が多数形成された(フォーメーション工程)。
次に、炉内温度:750℃、炉内圧力:1.02×105Paに保持された状態の反応炉内に、He:850sccm、C2H4:100sccm及びH2O含有He(相対湿度23%):50sccmの混合ガスを600秒間供給した。これにより、単層CNTが各鉄触媒微粒子から成長した(成長工程)。
成長工程終了後、反応炉内にHe:1000sccmを供給し、残余の原料ガス及び触媒賦活剤を排除した(フラッシュ工程)。これにより、配向した単層CNTの集合体が得られた。
成長工程において、上記の条件から成長工程のガス供給時間を600秒間から200秒、400秒に変更したもの、H2O含有He(相対湿度23%)の混合量を50sccmから20sccm、100sccmに変更したものをそれぞれ別途合成した。
得られた単層CNT配向集合体の特性は、G/D比4.5、BET−比表面積:1100m2/g、CNT平均外径2.8nm、炭素純度99.9%であった。
(CNT配向集合体高さの測定)
上述した図1に示す測定装置101を用いて、基板上に合成したCNT配向集合体の高さを測定した。渦電流式変位センサ102として、渦電流式変位センサEX−022(株式会社キーエンス社製)を用いた。レーザ変位センサ103として、LK−G87(株式会社キーエンス社製)を用いた。レーザ変位センサは、予め渦電流式変位センサのゼロ点(基準面S0;渦電流式変位センサ102のセンサプローブの表面の位置)に合わせてゼロ点の調整を実施した。
上述した図1に示す測定装置101を用いて、基板上に合成したCNT配向集合体の高さを測定した。渦電流式変位センサ102として、渦電流式変位センサEX−022(株式会社キーエンス社製)を用いた。レーザ変位センサ103として、LK−G87(株式会社キーエンス社製)を用いた。レーザ変位センサは、予め渦電流式変位センサのゼロ点(基準面S0;渦電流式変位センサ102のセンサプローブの表面の位置)に合わせてゼロ点の調整を実施した。
渦電流式変位センサを用いて、基準面(ゼロ点)から基板表面までの距離L1を測定して(第1の測定工程)、レーザ変位センサを用いて、基準面(ゼロ点)からCNT配向集合体表面までの距離L2を測定して(第2の測定工程)、L1−L2によりCNT配向集合体の高さTを測定した(算出工程)。結果を表1に示す。
本発明に係る測定方法によって、CNT配向集合体の高さが非接触、非破壊で簡易に測定できた。つまり、例えば図2に示す製造装置100によるCNTの連続合成の際に、図1に示す測定装置を用いてインラインでCNT配向集合体の高さを測定し、測定結果を元にCNT成長工程の時間や触媒賦活物質導入量を逐次調整することで、所望の高さのCNT配向集合体を安定して生産することが可能となることが示唆された。
[実施例2]
本実施例では図2に示す製造装置100を用いた。
本実施例では図2に示す製造装置100を用いた。
(CNT配向集合体の合成)
本実施例で用いた金属基板10の製作条件を以下に説明する。基材として100mm角、厚さ0.3mmのFe−Cr合金SUS430(JFEスチール株式会社製、Cr18%)を使用した。レーザ顕微鏡を用いて表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRa≒0.080μmであった。この基材の表裏両面にスパッタリング装置を用いて厚さ100nmの二酸化ケイ素膜(浸炭防止層)を製膜し、次いで表面のみにスパッタリング装置を用いて厚さ10nmの酸化アルミニウム膜(触媒担持層)、厚さ1.0nmの鉄膜(触媒層)を製膜した。
本実施例で用いた金属基板10の製作条件を以下に説明する。基材として100mm角、厚さ0.3mmのFe−Cr合金SUS430(JFEスチール株式会社製、Cr18%)を使用した。レーザ顕微鏡を用いて表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRa≒0.080μmであった。この基材の表裏両面にスパッタリング装置を用いて厚さ100nmの二酸化ケイ素膜(浸炭防止層)を製膜し、次いで表面のみにスパッタリング装置を用いて厚さ10nmの酸化アルミニウム膜(触媒担持層)、厚さ1.0nmの鉄膜(触媒層)を製膜した。
このようにして作製した金属基板10を製造装置100のメッシュベルトに載置し、フォーメーション工程、成長工程、冷却工程の順に処理を行ない、CNT配向集合体を製造した。
製造装置の入口パージ部1、フォーメーションユニット2、ガス混入防止手段11、12、13、成長ユニット3、冷却ユニット4、出口パージ部5の各条件は以下のように設定した。
入口パージ部1
・パージガス:窒素60000sccm
フォーメーションユニット2
・炉内温度:830℃
・還元ガス:窒素11200sccm、水素16800sccm
・処理時間:28分
ガス混入防止手段11
・排気部11a排気量:20sLm
・シールガス噴射部11b:窒素20sLm
ガス混入防止手段12
・排気部12a排気量:25sLm
・シールガス噴射部12b:窒素25sLm
ガス混入防止手段13
・排気部13a排気量:20sLm
・シールガス噴射部13b:窒素20sLm
成長ユニット3
・炉内温度:830℃
・原料ガス:窒素16040sccm、エチレン1800sccm、
水蒸気含有窒素160sccm(水分量16000ppmv)
・処理時間:11分
加熱部13c
・加熱温度:600℃
冷却ユニット4
・冷却水温度:30℃
・不活性ガス:窒素10000sccm
・冷却時間:30分
出口パージ部5
・パージガス:窒素50000sccm
フォーメーションユニット2及び成長ユニット3の炉及び噴射部、ガス混入防止手段の排気部11a、12a、13a、メッシュベルト、接続部7、8、9の各材質はSUS310とし、その表面は溶融アルミニウムめっき処理を施した。
・パージガス:窒素60000sccm
フォーメーションユニット2
・炉内温度:830℃
・還元ガス:窒素11200sccm、水素16800sccm
・処理時間:28分
ガス混入防止手段11
・排気部11a排気量:20sLm
・シールガス噴射部11b:窒素20sLm
ガス混入防止手段12
・排気部12a排気量:25sLm
・シールガス噴射部12b:窒素25sLm
ガス混入防止手段13
・排気部13a排気量:20sLm
・シールガス噴射部13b:窒素20sLm
成長ユニット3
・炉内温度:830℃
・原料ガス:窒素16040sccm、エチレン1800sccm、
水蒸気含有窒素160sccm(水分量16000ppmv)
・処理時間:11分
加熱部13c
・加熱温度:600℃
冷却ユニット4
・冷却水温度:30℃
・不活性ガス:窒素10000sccm
・冷却時間:30分
出口パージ部5
・パージガス:窒素50000sccm
フォーメーションユニット2及び成長ユニット3の炉及び噴射部、ガス混入防止手段の排気部11a、12a、13a、メッシュベルト、接続部7、8、9の各材質はSUS310とし、その表面は溶融アルミニウムめっき処理を施した。
成長ユニット3のエチレン導入量を1800sccm(全流量に対するエチレン量10%)から900sccm(同5%)、450sccm(同2.5%)に変更したものをそれぞれ別途合成した。
本実施例によって製造された、CNT配向集合体の特性は、G/D比4.5、BET−比表面積:1100m2/g、平均外径:2.8nm、炭素純度99.9%であった。
(CNT配向集合体の高さ測定)
実施例1と同様にして、図1に示す測定装置101を用いて、基板上に合成したCNT配向集合体の高さを測定した。図3に示すように、100mm角基板上の5箇所(A点〜E点)を測定した。結果を表2に示す。図3は本実施例において高さを測定した金属基板10上の箇所を示す図である。
実施例1と同様にして、図1に示す測定装置101を用いて、基板上に合成したCNT配向集合体の高さを測定した。図3に示すように、100mm角基板上の5箇所(A点〜E点)を測定した。結果を表2に示す。図3は本実施例において高さを測定した金属基板10上の箇所を示す図である。
本発明により、大面積基板の任意の箇所において、CNT配向集合体の高さを、非接触・非破壊で簡易に測定が可能であることが示された。
また、本実施例で使用している渦電流式変位センサを用いて基板を走査することで、基板の変形具合を同時に測定することができた。図4に示すように、CNTを剥離した後の基板を走査して、基板の凹凸の最大値から最小値を差し引いた最大基板変形量を測定した。図4は本実施例において金属基板10の変形を測定する原理を示す図である。具体的には渦電流式変位センサ102を用いて、最も凹んでいる箇所の高さH1及び最も高く凸になっている箇所の高さH2を測定して、H2とH1との差を算出することにより変形量を算出した。その結果、30μm(エチレン10%の条件で成長させた基板)、50μm(エチレン5%の条件で成長させた基板)、40μm(エチレン2.5%の条件で成長させた基板)であった。このように、大面積で変形(うねり)のある基板においても、本発明に係る測定方法によれば、CNT配向集合体の高さを正確に簡易に測定することが可能であることが示された。
本発明によるCNT配向集合体高さ測定の正確さについて、CNT配向集合体断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により検証した。基板上に合成したCNT配向集合体の一部を、精密ピンセットを用いて剥離して、CNT配向集合体の断面がSEMの観察面になるようにカーボンテープに固定した。
表2に示すように、本発明に係る測定方法で測定したエチレン5%の条件のB点、E点のCNT配向集合体高さは、それぞれ206μm、115μmであった。それに対して、同じ箇所をSEM観察により測定した結果、B点、E点のCNT配向集合体高さは、それぞれ199μm、128μmであった。
また、B点を観察したSEM像を図5に示す。図5は本実施例で得られたCNT配向集合体をSEMで観察した結果を示す図である。本発明に係る測定方法によって、SEM観察による測定とほぼ一致した結果を得ることができた。
また、本発明により、SEM観察等の煩雑な方法を用いなくとも、簡易に非破壊でCNT配向集合体高さを知ることができた。
また、図2に示す製造装置100でCNTを連続合成する場合、同一の製造条件でCNTを合成してもCNT配向集合体の高さは常に一定ではなく、例えば炉の汚れ具合の進行によって変化する。しかし、製造装置100を用いてインラインでCNT配向集合体の高さを測定し、測定結果を元にCNT成長工程中のエチレン導入量等の条件を逐次調整することで、所望の高さのCNT配向集合体を安定して生産することができることが示された。
本発明は、電子デバイス材料、光学素子材料、導電性材料などとして利用されるカーボンナノチューブ配向集合体の製造分野に好適に利用できる。
10 金属基板
101 測定装置
102 渦電流式変位センサ
103 レーザ変位センサ
101 測定装置
102 渦電流式変位センサ
103 レーザ変位センサ
Claims (7)
- 金属基板の上に配向したカーボンナノチューブ配向集合体の高さTを測定する方法であって、
渦電流式変位センサを用いて、上記金属基板より上の基準面から当該金属基板における上記カーボンナノチューブ配向集合体が成長している側の面までの距離L1を測定する第1の測定工程と、
レーザ変位センサを用いて、当該基準面から上記カーボンナノチューブ配向集合体における上記金属基板とは反対側の先端までの距離L2を測定する第2の測定工程と、
式T=L1−L2による計算を行ない上記カーボンナノチューブ配向集合体の高さを算出する算出工程と、を含む、測定方法。 - 上記第1の測定工程及び上記第2の測定工程を、複数の箇所で行なう、請求項1に記載の測定方法。
- 金属基板の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、上記金属基板の上にある触媒及び上記原料ガスのうち少なくとも一方を加熱して、上記金属基板上にカーボンナノチューブ配向集合体を成長させる成長工程と、
上記金属基板の上に配向した上記カーボンナノチューブ配向集合体の高さを、請求項1又は2に記載の測定方法を行なうことによって測定する測定工程と、
を含む、カーボンナノチューブ配向集合体の製造方法。 - 上記成長工程を行なうための成長炉の中に複数の上記金属基板を連続で搬入して、連続して複数回の成長工程を行ない、
上記測定工程を、或る成長工程の後に行なう、請求項3に記載のカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法。 - 上記測定工程の結果に基づいて、上記成長工程の条件を調整する調整工程を含む、請求項3又は4に記載のカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法。
- 上記調整工程は、カーボンナノチューブの成長の触媒を賦活する触媒賦活物質の濃度を調整する工程である、請求項5に記載のカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法。
- 金属基板の上に配向したカーボンナノチューブ配向集合体の高さを測定する測定装置であって、
上記金属基板より上の基準面から当該金属基板における上記カーボンナノチューブ配向集合体が成長している側の面までの距離を測定する渦電流式変位センサと、
当該基準面から上記カーボンナノチューブ配向集合体における上記金属基板とは反対側の先端までの距離を測定するレーザ変位センサと、を備える、測定装置。
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