JP2008222461A - カーボンナノチューブの製造装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アーク放電法で長時間にわたり安定してカーボンナノチューブを高純度で得られる装置と方法を提供する。
【解決手段】 上記課題は、炭素を主成分とする陽極と陰極との間でアーク放電を行わせて、カーボンナノチューブを製造する装置であって、陽極と陰極とを相対移動させる電極移動手段と、陽極と陰極との距離を変化させるギャップ調整装置と、陰極表面に堆積したカーボンナノチューブ含有堆積物の酸化度合いを調整できる堆積物酸化装置と、カーボンナノチューブ含有堆積物の堆積状態および酸化度合いを検出する合成状態検出装置と、前記合成状態検出装置からの出力信号によりギャップ調整装置および/又は堆積物酸化装置を制御する合成状態制御機構を設けたことを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置によって解決される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アーク放電法によるカーボンナノチューブの製造装置と方法に関するものである。
カーボンナノチューブ(CNT)は、CVD法、アーク放電法等で製造しうることが知られている。そして、CVD法に加えてアーク放電法でも種々改良が行われており、そのなかで、陽極と陰極との相対位置を移動させることにより放電位置を移動させ、放電により生成したカーボンナノチューブを含む堆積物を連続的に除去する方法が知られている(特許文献1)。そこでは、陽極を進退させてギャップを調整する手段も開示されている。陽極を進退させる手段は、陽極がアーク放電によって消耗するので、その分前進させて電極間のギャップを一定に保つようにしたものである。
陽極の消耗に伴いこれを進退させることによりアーク電圧を一定にすることは、その他にもいくつか報告例がある(特許文献2、3、4)。
陽極あるいは陰極を相対移動させてカーボンナノチューブを含むテープ状物質を形成させることも知られている(特許文献5)。この特許文献では、カーボンナノチューブ生成後高温状態で大気に触れさせることにより非晶質炭素が優先的に酸化燃焼することも示されている(特許文献5、段落〔0068〕)。
特開平7−216660号公報 特開2003−327422号公報 特開2004−224635号公報 特開2004−224636号公報 特開2004−316051号公報
ところで、陽極もしくは陰極または両電極とも炭素を主成分とする電極を用いたアーク放電によるカーボンナノチューブの製造方法では、電極より飛散あるいはガス化再凝縮した非晶質炭素が陰極表面に堆積する。
従来のアーク放電法では、陰極炭素材料に堆積した堆積物を取り出した後、後工程として堆積物内に含まれるカーボンナノチューブを取り出すために酸化処理などの精製処理を行っていた。この精製処理には手間がかかるだけでなく、酸化によりカーボンナノチューブも燃焼してしまうため歩留まりが悪化するという問題があった。
特許文献2〜4でのギャップの調整は、アーク電圧が所定値となるように行うものであり、これらの方法は非消耗電極式アーク溶接法等で利用されている技術であるが、使用の前提条件としてギャップとアーク電圧の間に相関があることとアークが安定していることが必要である。
ギャップとアーク長との関係は、本来一定であるはずであるが、炭素電極を用いたアーク放電では電極炭素の蒸発により、アーク中の炭素濃度が変化している。この炭素濃度の変化により、アーク部での電位傾度が変化し、ギャップとアーク電圧との関係は常に変動している。また、炭素電極を用いたアーク放電では、タングステン電極を陰極とする非消耗電極式アーク溶接法とは異なり、アークが激しく動き回り不安定である。このため、アーク電圧は激しく変動し、大きな振幅を持った波形として計測され、アーク電圧の検出そのものが難しいという問題がある。
一方、特許文献5の方法では、大気中でアーク放電を行うことと、カーボンナノチューブと非晶質炭素との酸化速度の差異を利用し、カーボンナノチューブの合成と同時に非晶質炭素の酸化を行い、堆積物中のカーボンナノチューブの純度を向上させるというものである。しかしながら、この方法ではカーボンナノチューブの純度の高い堆積物を得るためには、陽極と陰極との空隙すなわちギャップを最適値に保つことが必要である。ギャップが最適値でない場合、例えばギャップが大きい場合、非晶質炭素の面積あたり堆積量と酸化度合いの釣り合いが取れず、非晶質炭素の面積あたり堆積量が減り、カーボンナノチューブまで酸化・燃焼し、歩留まりを悪化させることになる。また、ギャップが小さい場合、非晶質炭素の面積あたり堆積量が過大になるため、堆積物の酸化が追いつかずカーボンナノチューブの純度の低い堆積物しか得られないことになる。前記ギャップの最適値は、ガス化したものを含め陽極よりの炭素飛散量に影響を受けるため、陽極の状態、例えば形状、温度、陽極放電部の位置など種々の要因に影響され、一定値ではない。このため、従来は熟練したオペレーターの操作により適正ギャップを調整していた。
従来のアーク放電法によるカーボンナノチューブの製造は、炭素アークが不安定で電圧が安定しないという問題があった。その結果、長時間にわたりアーク放電でカーボンナノチューブを製造しつづけることは困難であった。また、僅かなギャップの違いであっても陰極堆積物におけるカーボンナノチューブの純度が大きく変化し、合成能率、製造効率が悪いという問題もあった。
アーク放電法によるカーボンナノチューブの製造を工業的に行うためには、カーボンナノチューブの合成状態を常に保つ必要があるため、制御性の良い合成制御法が望まれていた。
本発明の目的は、上記課題を解決して、アーク放電法で長時間にわたり安定してカーボンナノチューブを高純度で得られる装置と方法を提供することにある。
本発明では、純度の高いカーボンナノチューブ含有堆積物を得るために、炭素を主成分とする陰極と陽極との間でアーク放電を行い、カーボンナノチューブを製造する装置において、陽極と陰極とを相対移動させる電極移動手段と、陽極と陰極との距離を変化させるギャップ調整装置を備えている。特許文献5では、主に大気中の酸素により堆積物中の非晶質炭素を燃焼させ純度を向上させているが、本発明においてはこの酸化度合いを可変できるように、新たに堆積物酸化装置を設けている。また、カーボンナノチューブ含有堆積物の堆積状態および酸化度合いを検出できるように合成状態検出装置を設け、前記合成状態検出装置の検出信号によりギャップまたは堆積物酸化装置による酸化度合い、あるいはギャップおよび堆積物酸化装置による酸化度合いの両方を適性値に修正する合成状態制御機構を設け、カーボンナノチューブ含有堆積物の状態によりギャップまたは堆積物酸化装置による酸化度合いにフィードバック制御を行うものである。これにより、カーボンナノチューブ含有堆積物の状態は一定となり、純度と生産性を保ったまま、人手に拠らずカーボンナノチューブの安定合成が行えるため、特に量産化時の品質管理、歩留まりを含めた生産性、省人化に対して有効である。
すなわち、本発明は、炭素を主成分とする陽極と陰極の間でアーク放電を行わせて、カーボンナノチューブを製造する装置であって、陽極と陰極とを相対移動させる電極移動手段と、陽極と陰極との距離を変化させるギャップ調整装置と、陰極表面に堆積したカーボンナノチューブ含有堆積物の酸化度合いを調整できる堆積物酸化装置と、カーボンナノチューブ含有堆積物の堆積状態および酸化度合いを検出する合成状態検出装置と、前記合成状態検出装置からの出力信号によりギャップ調整装置および/又は堆積物酸化装置を制御する合成状態制御機構を設けたことを特徴とするカーボンナノチューブの製造装置に関するものである。
本発明により、カーボンナノチューブを安定して高純度で長時間にわたり製造することができる。
本発明のカーボンナノチューブの製造装置はアーク放電法によるものであるから、陰極と陽極を有している。陽極は、通常は、炭素放出のため炭素電極であり、棒状あるいは中空棒状をしている。陰極材料は導電性であればよいが、本発明ではやはり炭素を主成分とするものを用いる。陰極は、表面にカーボンナノチューブを含有する堆積物を帯状に形成できる形状のものであり、平板状、円筒状(円柱状を含む)、円盤状などの形状を有している。電極の移動は陽極と陰極の相対位置が移動すればよく、陽極と陰極のいずれかあるいは両方を移動させてもよい。
電極間のギャップの調整も、陽極、陰極のどちらを移動させてもよいが、電極の形状から、通常は陽極を進退させて行う。
本発明では、陰極表面に生成したカーボンナノチューブ含有堆積物の酸化度合いを調整できる堆積物酸化装置を設ける。この堆積物は主にカーボンナノチューブと非晶質炭素からなっており、非晶質炭素の方が酸化燃焼しやすいことから酸化によってカーボンナノチューブの純度を高めるものである。酸化手段としては、非晶質炭素とカーボンナノチューブの耐酸化性の差異を利用するため、例えばヒータによる加熱を行い、大気中酸素で酸化させる方法等考えられるが、堆積物の酸化雰囲気、特に、雰囲気中の酸素分圧または酸素の供給量を変化させる方法を用いることにより、新たな熱源を設ける必要がなく簡便である。図2に、本発明の堆積物酸化装置の模式図を示す。図2(a)は、酸素を含む気体、例えば大気を用いた供給ライン、流量調節手段、吹付けノズルから構成されており、図2(b)は、窒素、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスと酸素との混合ガスの供給ライン、流量調節手段、吹付けノズルから構成されている。
酸化のターゲットである非晶質炭素の酸化は約400℃より始まるので、陰極表面温度が400℃〜炭素材料の昇華温度の範囲、好ましくは600℃〜1200℃の範囲に、酸素を混合した気体を吹き付けることにより、非晶質炭素の酸化が行える。陰極表面の温度は熱源であるアーク放電部の入熱、および、電極の相対移動によるアーク放電部より酸化部位までの移動時間、さらに、陰極の熱伝導率や熱容量などの物性が寄与する。具体的には、アーク放電による熱量と陰極材料の抵抗発熱による熱量を電極の相対移動速度で除したものが、近似的には入熱となり、アーク放電部の温度上昇分に比例する。アーク放電部にて温度上昇した陰極は、酸化部位まで電極の相対移動にて移動する間冷却される。この冷却時間は、アーク放電部と酸化部位までの長さと相対移動速度により定まる。なお、陰極表面の冷却速度は、上記冷却時間のみではなく、陰極の大きさ、物性により定まる熱容量、熱伝導率、陰極の冷却状態により左右されることは言うまでもない。
しかし、たとえ陰極の物性が固定された場合においても、アーク放電による入熱、さらに具体的にはアーク電流を変化させる、もしくは電極の相対移動速度を変化させる、さらには前記アーク電流と相対移動速度の両方を変化させることにより、酸化部位の陰極表面温度を一定範囲内に保つことができる。この陰極表面温度は、放射温度計などで容易に測定できる他、陰極材料の物性、放電条件毎の酸化部位における陰極表面温度を予め計測することにより推測可能である。なお、酸化の度合いは酸素濃度を変化させること、もしくは気体の吹付け流量を変化させる、さらに両者の併用により調整できる。酸素濃度を変化させる場合、吹き付ける箇所の陰極温度にもよるが、0%〜100vol%の範囲の酸素濃度を用いることができる。
無論、陰極表面温度が低い場合には酸素濃度を高くし、陰極表面温度が高い場合には酸素濃度を低く設定するのが望ましいことは言うまでもない。また、吹付け流量を変化させる場合には、酸素混合気体として大気を利用することもできる。酸素を混合した気体を吹き付けて堆積物中の非晶質炭素を酸化させる場合における気体中酸素分圧および流量は、陰極表面温度のみならず、吹付け箇所の陰極表面温度、吹付け面積、堆積物の移動速度等により最適値が変化する。
なお、合成雰囲気、すなわち、アーク周辺の雰囲気を変化させると、アークの安定性等に影響を及ぼすだけでなく、陽極炭素材料の酸化も促進され、陽極消耗が激しくなるという問題がある。そこで、堆積物酸化装置は、アーク発生部より数十mm程度離して設けるのがよい。
非晶質炭素が酸化された堆積物は、前述のように陰極表面より浮上り冷却されやすくなるため、適正な純度になった堆積物中のカーボンナノチューブは酸化速度が遅くなり、酸素混合気体を吹き付けて酸化させる方法を用いることにより比較的簡単に堆積物中のカーボンナノチューブの純度を高めることが可能となる。
本発明では、さらに、カーボンナノチューブ含有堆積物の堆積状態および酸化度合いを検出する合成状態検出装置を設ける。
合成状態の検出方法であるが、これはカーボンナノチューブの純度および堆積量を検出できればいずれの方法も利用可能であるが、発明者らの検討によれば、堆積物の量、純度が適正状態にある場合には、アーク放電により赤熱した陰極表面の輝度に対してカーボンナノチューブ含有堆積物の輝度が極端に低くなることを見出した。一方、カーボンナノチューブ含有堆積物の純度が低い、もしくは堆積量が過大な場合、カーボンナノチューブ含有堆積物が燃焼し、堆積物に覆われていた陰極表面が露出することによって、堆積物の状態が変化し、堆積物堆積部の検出される表面温度に差異を生じることになる。このことにより、カーボンナノチューブ含有堆積物の輝度もしくは陰極表面との輝度差を用いれば、堆積物の状態を検出することが可能となる。
従って、合成状態検出装置には、輝度計を用いることが好ましい。この輝度計は、放射温度計に代表される赤外領域の輝度を測定するものだけでなく、可視光領域のものも使用可能であるが、輝度差の発生原因が陰極表面と堆積物の温度差によるものであるため、より赤色光側の感度が高いセンサが好ましい。さらに、陰極表面とカーボンナノチューブ含有堆積物間の輝度差を検出することで、より確実に堆積物が冷却されていることを検出できるため、堆積領域近傍の陰極表面部と堆積部の輝度を測定することが好ましく、複数の輝度計を並べて配置するか、図3に示したように電荷結合素子(CCD)センサなどの複数の受光素子が配置されたセンサを用いるのがよい。
また、合成状態の検出方法として、カーボンナノチューブ含有堆積物の断面形状を測定することにより堆積物の状態を検出することも可能である。
この断面形状を測定するには、画像処理にて形状を計測する光切断法、レーザライン変位計など、公知の非接触形状計測方法を用いることができる。より簡便な測定方法として、レーザ変位計にて堆積部近傍の陰極表面と堆積部との変位差を利用してもよい。
また、合成状態の検出方法として、カーボンナノチューブ含有堆積物の表面温度もしくは陰極表面と堆積物との表面温度差を利用することによりカーボンナノチューブ含有堆積物の状態を検出することも可能である。陰極表面温度は、陰極炭素材料の物性、放電条件、陽極、陰極の相対移動速度など、合成条件によってほぼ一定の値となる。一方、堆積物の表面温度は堆積物の純度および堆積量により変化するため、あらかじめ適正状態の堆積物表面温度を測定しておくか、もしくは陰極表面温度と堆積物表面温度を比較することにより、堆積物の純度および堆積量を検出することが可能になる。この場合、測定機器には、赤外線を測定するなどの市販の表面温度計を用いることができる。
合成状態検出装置からの出力信号により堆積物酸化装置またはギャップ調整装置を制御する装置の構成を図4に示す。生成されているカーボンナノチューブの生成状態を、まず、上記の合成状態検出手段で検出する。この検出手段である検出装置からの出力信号を合成状態制御機構に送る。この合成状態制御機構からの指令によりギャップ調整装置又は堆積物酸化装置を調整させる。
本発明におけるカーボンナノチューブの合成制御法は、アーク放電の陰極放電部が安定している方が効果的である。これは、陰極表面に堆積した堆積物のうち、カーボンナノチューブが生成されるのが陰極放電部であり、陰極放電部が不安定であると、堆積物中のカーボンナノチューブ含有量が減少し、非晶質炭素を酸化させた際、残存しているカーボンナノチューブの量が少なくなり、形状、表面温度、輝度とも周囲の陰極表面と差異が少なくなる。
このため、堆積物中のカーボンナノチューブ量を確保するために、陰極放電部の安定化が有効であり、陽極に中空孔を設け、前記中空孔より放電用ガスとしてArもしくはArを80vol%以上含むガスを流し、前記ガス経路に沿った形でアークを安定化する方法を用いることにより陰極放電部を安定化でき、上述の合成制御方法と併用することにより、高いカーボンナノチューブ純度を有する堆積物を効率よく製造することが可能となる。
本発明の一実施例であるカーボンナノチューブ製造装置の概略構成を図1に示す。
同図に示すように、この装置は、陽極が中空棒状の炭素電極、陰極が陽極よりかなり大径の円柱状炭素電極が用いられている。陰極は、その軸を中心として回転し、陽極はその周囲に接近して設けられている。陽極は、陰極の軸方向に移動し、かつ昇降して陰極周面とのギャップを調整しうるようになっている。この昇降装置が電極間のギャップ調整装置に該当する。
この装置は、さらに、陰極周面に生成したカーボンナノチューブ含有堆積物の合成状態を検出する検出装置と、堆積物酸化装置と、合成状態検出装置からの出力信号により堆積物酸化装置と昇降装置を制御する制御機構が付設されている。
合成状態検出装置は、波長635nmのバンドパスフィルターを備えたCCDセンサを用いており、各々のCCDセルの出力差を閾値により判別している。
堆積物酸化装置は、10vol%の酸素を混合した窒素ガスを用い、マスフローコントローラにてガス流量を任意に調整できるように構成されている。
この装置を用いてカーボンナノチューブの製造を行った。陰極を回転させながら陽極を図面の右から左方向へ移動させ、アーク放電を行ったところ、図面に示すように、カーボンナノチューブを含む堆積物が陰極表面に螺旋状に形成された。
この堆積物を検出装置で調べたところ、CCDセンサの出力差が30〜70%FS(フルスケール)となるように、堆積物酸化装置のマスフローコントローラの流量出力を調整した結果、連続したテープ状の堆積物が自然に剥離した。さらに、走査型電子顕微鏡で堆積物表面を観察した結果、面積比で50%以上がカーボンナノチューブであり、非晶質炭素は面積比で1%以下しか確認されなかった。一方、CCDセンサの出力差が10%FS以下となるように、堆積物酸化装置のマスフローコントローラの流量出力を調整した結果、堆積物表面に非晶質炭素が堆積し、回収することが困難であった。さらに、走査型電子顕微鏡で非晶質炭素が堆積した堆積物表面を観察した結果、カーボンナノチューブはほとんど確認されなかった。
カーボンナノチューブは、電子放出源を初めとして各種の用途が開発されており、本発明により、それらに用いうるカーボンナノチューブを効率よく、安定して製造できる。
本発明一実施例であるカーボンナノチューブ製造装置の概略構成を示す図である。 本発明における堆積物酸化装置の模式図を示す図である。 本発明における合成状態検出装置の一例を示す図である。 本発明における制御構成を示す図である。
符号の説明
1 炭素陽極
2 炭素陰極
3 中空孔
4 アーク
5 カーボンナノチューブ含有堆積物
6 ガス
7 堆積物酸化装置
8 合成状態検出装置

Claims (7)

  1. 炭素を主成分とする陽極と陰極との間でアーク放電を行わせて、カーボンナノチューブを製造する装置であって、陽極と陰極とを相対移動させる電極移動手段と、陽極と陰極との距離を変化させるギャップ調整装置と、陰極表面に堆積したカーボンナノチューブ含有堆積物の酸化度合いを調整できる堆積物酸化装置と、カーボンナノチューブ含有堆積物の堆積状態および酸化度合いを検出する合成状態検出装置と、前記合成状態検出装置からの出力信号によりギャップ調整装置および/又は堆積物酸化装置を制御する合成状態制御機構を設けたことを特徴とするカーボンナノチューブの製造装置
  2. 前記合成状態検出装置が、陰極およびカーボンナノチューブ含有堆積物の輝度または輝度差にて検出する装置であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブの製造装置
  3. 前記合成状態検出装置がカーボンナノチューブ含有堆積物の形状を検出する装置であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブの製造装置
  4. 前記合成状態検出装置がカーボンナノチューブ含有堆積物の表面温度もしくは陰極とカーボンナノチューブ含有堆積物の表面温度差にて検出することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブの製造装置
  5. 前記堆積物酸化装置が、陰極に堆積して高温状態にあるカーボンナノチューブ含有堆積物に、大気もしくは酸素を混合した気体を吹き付けることによりカーボンナノチューブ含有堆積物を酸化させる装置であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカーボンナノチューブの製造装置
  6. 炭素を主成分とする陽極と陰極とを用い、陽極と陰極とを相対移動させて陰極表面にカーボンナノチューブ含有堆積物を帯状に形成していく方法において、該堆積物の堆積状態および酸化度合いを検出して、それにより陽極と陰極との間の距離および/又はカーボンナノチューブ含有堆積物の酸化度合いを調整することを特徴とするアーク放電法によるカーボンナノチューブの製造方法
  7. 陽極に、中空孔を設けた円筒状陽極を用い、前記中空孔に純アルゴンまたはアルゴンを80vol%以上含むガスを供給することを特徴とする請求項6に記載のカーボンナノチューブの製造方法
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