JP2014122444A - すかし状模様を有する塗工紙及びその作製方法 - Google Patents

すかし状模様を有する塗工紙及びその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジェットファウンテン式塗工装置において、通常の塗工処理工程ですかし状模様を形成することで、生産性と偽造防止効果に優れた塗工紙を提供する。
【解決手段】ジェットファウンテン式塗工装置の、金属ロール又はバッキングロール2−a−1周面に凹部と凸部からなるパターン模様を設けることで、ドクターブレードで掻き落とされる塗工液の量が異なり、塗工処理及び糊引き処理後の用紙にすかし状模様が形成されることを特徴とする塗工紙とその作製方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、用紙の表面に樹脂や無機顔料等の塗料が塗工されたいわゆるコート紙の製造過程において、疑似的なすかしを形成する方法に関する。
近年のスキャナ、プリンター、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっていることから、複製や偽造を防止するため、プリンターやコピー機では再現不可能な様々な偽造防止技術が必要とされている。
この偽造防止技術の一つとして、用紙の粗密や薄厚によって模様を形成して透過光下で視認させるすかしがある。このすかしは、一定量以上の光さえ存在すれば、あらゆる環境下で真偽判別が可能な技術であり、古くから存在する古典的な技術であるにも関わらず、今なお世界中で真偽判別の手段として用いられている。
しかし、この技術は、用紙の製造段階で形成する必要があることから用紙メーカでなければ製造不可能であり、加えて用紙メーカが製造した場合でも製造コストが高くなるという問題があることから、これを擬似的に再現する方法として、印刷工程で特殊な浸透型インキ(例えば、特許文献1参照。)を用いて、このすかしに相当する透過画像を形成する偽造防止技術が存在する(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−290571 特開平6−228900
しかしながら、平滑度の高いコート紙を製造するには、用紙に塗料を塗布し、平滑性を担保するためのカレンダー処理が行われるため、すかし模様が形成された用紙に、塗料を塗布し、カレンダー処理を施すと、すかし模様特有の鮮明さが失われ、模様がぼやけてしまう。特に、偽造防止の目的で人の顔などが形成されているすかしの場合、塗料により人相が変わってしまい、真偽判別の目的を果たせなくなってしまう問題があった。
また、特許文献1の技術のような浸透型インキをただ単純に用いて、特許文献2に記載のようなすかし画像を形成する場合には、コート紙の光の透過性、塗料の成分及び浸透インキの使用量のバランスを保つことが非常に困難で、再現性に乏しいという問題があった。
また、浸透型インキは多くのメーカから市販されているため、一般的に入手可能で、誰にも製造が容易であるという問題があった。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、ジェットファウンテン式塗工装置におけるコート紙の製造工程において、容易に安定したすかし模様を形成する方法に関する。
金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部と、バッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、金属ロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成し、金属ロールと弾性ロールの間を走行する用紙に凹凸部を付与することで、ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液の量が異なり、塗工処理後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法。
金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部とバッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、前記バッキングロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成することで、ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液又は糊液の量が異なり、塗工処理後及び/又は糊引き後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法。
金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部と、バッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、金属ロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成し、金属ロールと弾性ロールの間を走行する用紙に凹凸部を付与することで、ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液の量が異なり、塗工処理後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法により作製した塗工紙。
金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部とバッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、前記バッキングロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成することで、ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液又は糊液の量が異なり、塗工処理後及び/又は糊引き後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法により作製した塗工紙。
本発明によれば、通常の塗工工程及び/又は糊引き工程において、すかし模様を形成することが可能であるため、刷り合わせ精度や特別な工夫を必要としない。
本発明によれば、通常の塗工工程及び/又は糊引きにおいて、すかし模様を形成することが可能であるため、高度な印刷技能を必要としない。
本発明によれば、通常の塗工工程及び/又は糊引きにおいて、作業工程の変更をすることなく、すかし模様を形成することが可能である。
本発明によれば、通常の塗工工程及び/又は糊引きにおいて、すかし模様を形成することが可能であるため、用紙メーカから特別な用紙を購入したり、新たな印刷材料を必要とせず、コストパフォーマンスに優れる。
本発明によれば、通常の塗工工程及び/又は糊引きにおいて、すかし模様を形成することが可能であり、高い偽造防止効果を有する塗工紙の製造が可能となる。
本発明によれば、塗工工程及び糊引き工程において、それぞれ模様を形成することが可能なため、デザインの自由度が高く、デザイン性にも優れた塗工紙の製造が可能となる。
ジェットファウンテン式塗工装置の全体図 給紙部の側面図 第一塗工部の側面図 凹凸パターンを施した側面図 バッキングロール周面に凹凸を施した図 エンボス加工を施した用紙に塗工処理をした用紙の観察図 用紙に塗工処理を施した用紙の観察図 用紙に糊引き処理を施した用紙の観察図 一方の面に塗工処理で模様を形成し、もう一方の面に糊引き処理で模様形成した用紙の観察図。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
本発明で使用するジェットファウンテン式塗工装置による基本的な塗工工程および糊引き工程について、図を用いて説明する。
図1はジェットファウンテン式塗工装置の全体を示す図である。ジェットファウンテン式塗工装置は、給紙部(1)、塗工処理部及び排紙部(4)によって略構成されており、さらに、塗工処理部は、第一塗工処理部(2)と第二塗工処理部(3)からなる。
図2のように、給紙部(1)には、幅1600mm以下の巻取紙をセットすることが可能な2本の軸が備えられ、それぞれの軸に巻取紙を装着すると、未処理の用紙(M)は給紙部(1)の金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行し、巻取紙の残紙長を演算され、紙質計測制御装置(1−c)によって、坪量及び水分率が計測され、第一塗工処理部(2)へ搬送される。
第一塗工処理部(2)では、一度目の塗工処理、乾燥処理及びクーリング処理が行わ
れる。図3のように、第一塗工部(2−a)は、バッキングロール(2−a−1)、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)、ドクターブレード(2−a−3)及びカラーパン(2−a−4)で構成されており、第一塗工部(2−a)へ走行された未処理の用紙(M)は、バッキングロール(2−a−1)に沿って走行し、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)から塗工液を塗布され、ドクターブレード(2−a−3)により塗工液の余剰分を掻き取られる。ドクターブレードで掻き取られた塗工液は、カラーパン(2−a−4)に回収され、再び塗工液として使用される。
塗工後の用紙(T)は、第一乾燥部(2−b)に搬送され、蒸気で加温された7つの乾燥ボックス内を通過することで乾燥される。加温され高温になった用紙はクーリングロール(2−c)により冷却され、紙質計測制御装置(2−d)で坪量、水分率及び塗工液の塗布量が計測された後、第二塗工処理部(3)へ搬送される。
第二塗工処理部(3)は第二塗工部(3−a)、第二乾燥部(3−b)、ドライシリンダ(3−c)、カレンダー部(3−d)および紙質計測制御装置(3−e)で構成される。第一塗工処理部から搬送された塗工後の用紙(T)は、第二塗工部(3−a)及び第二乾燥部(3−b)でダブルコーティング処理が行われ、ドライシリンダ(3−c)の2つの金属ロールを通過する際に、カール防止処理と乾燥処理が行われ、紙質計測制御装置(3−e)によって乾燥後の坪量及び水分が計測された後、排紙部(4)において巻き上げられ、塗工処理が完了する。
塗工装置において糊引き処理を行う場合は、第一塗工処理部(2)において、塗工液の代わりに糊液がジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)より塗布され、塗工工程と同様に、余剰の糊液が掻き落とされ、第一乾燥部(2−b)で乾燥された後、第二塗工処理部のドライシリンダ(3−c)でカール防止処理と乾燥処理が行われ、カレンダー部(3−d)へ搬送される。
カレンダー部(3−d)は、トップロール(3−d−1)、ヒートロール(3−d−2)及びボトムロール(3−d−3)で構成され、ヒートロール(3−d−2)の上部にトップロール(3−d−1)が、ヒートロール(3−d−2)の下部にボトムロール(3−d−3)が隣接されており、ロール間を通過する際に用紙の平滑度を向上させる。その後、紙質計測制御装置(3−e)で坪量及び水分が計測された後、排紙部(4)において巻き上げられ、糊引き処理が完了する。
図4のように、本発明の金属ロール(1−a)の円筒状のロールの周面には高さ300〜700ミクロンの凹凸パターン(P)を設けることができ、金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を未処理の用紙(M)が通過する際に、圧力により用紙にエンボスが形成される。この用紙に形成されたエンボスの凹凸のため、塗工時にドクターブレードで掻き落とされる塗工液の量が凹部と凸部で異なり、塗工後の用紙にすかし模様を形成することが可能となる。
また、図5のように、本発明のバッキングロール(2−a−1)の円筒状のロールの周面には高さ50〜200ミクロンの凹凸パターン(P)を設けることができ、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)より塗布された塗工液又は糊液の余剰分をドクターブレードで掻き落とす際に、バッキングロール(2−a−1)周面の凹凸のそれぞれの部分で塗工液又は糊液の塗布量が異なり、結果、塗工処理後(T)及び/又は糊引き処理後の用紙(N)にすかし模様を形成することが可能となる。
金属ロール(1−a)及びバッキングロール(2−a−1)の円筒状のロールの周面の凹凸パターン(P)は、文字、数字、記号、幾何模様、任意の図形等、特に限定されるものではなく、製品の目的や求められる機能に応じて適宜選択することができる。
また、金属ロール(1−a)及びバッキングロール(2−a−1)のロール周面に凹凸パターン(P)を形成する手段は特に限定されることは無く、ロール周面に直接刻設したり、平板状の版に前記凹凸パターン(P)を形成し、対象ロールの周面に巻き付けて取り付けたり、接着剤等でロール表面に貼付する等、さまざまな方法が可能である。
以下に、給紙部の金属ロールに高さ400ミクロンの凹凸パターンを形成し、用紙にエンボス加工を施すことにより、塗工処理後の用紙にすかし模様を形成する例を記載する。
(実施例1)
給紙部(1)には、幅1600mm以下の巻取紙をセットすることが可能な2本の軸が備えられ、それぞれの軸に巻取紙を装着すると、未処理の用紙(M)は給紙部(1)の金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行する。
実施例1においては、図4のように、金属ロール(1−a)の円筒状ロール周面に、高さ400ミクロンの凹凸パターン(P)が設けられており、給紙部から供給された未処理の用紙(M)は、金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行する際に加圧され、金属ロール(1−a)周面に設けられた凹凸パターンの模様が、凹凸状、すなわちエンボスが形成されることとで、エンボス加工の施された用紙(E)が作製される。
エンボス加工の施された用紙(E)は、紙質計測制御装置(1−c)によって、塗工前の用紙の坪量及び水分率が計測され、第一塗工処理部(2)へ搬送される。
第一塗工処理部(2)では、一度目の塗工処理、乾燥処理及びクーリング処理が行われる。
ジェットファウンテン式の塗工装置においては、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)より塗工液を塗布し、塗布された塗工液の余剰分をドクターブレード(2−a−3)によって掻き取る構造となっているため、用紙に形成されたエンボスの凹凸毎に、塗工液の掻き取られる量に差異が生じ、結果、塗工液が厚く塗布される部分と薄く塗布される部分ができ、すかしに相当する画像が形成される。
塗工処理後のエンボス加工の施された用紙(E)は、第一乾燥部(2−b)で乾燥され、冷却された後、紙質計測制御装置(2−d)によって坪量、水分率及び塗工液の塗布量が計測され、第二塗工処理部(3)へ搬送される。
第二塗工処理部(3)でダブルコーティング処理が行われ、ドライシリンダ(3−c)の2つの金属ロール間を通過することで、カール防止処理および乾燥処理が行われ、紙質計測制御装置(3−e)で、坪量、塗工液の塗工量及び水分が計測された後、排紙部(4)において巻き上げられ、塗工処理が完了する。
塗工処理後のエンボス加工の施された用紙(E)を、正反射光下で観察した場合、図6(a)のように画像を視認することはできないが、透過光下で観察した場合には、図6(b)のように、塗工液の塗布量の差により形成された矢印の模様が視認できる。
以下に、バッキングロール周面に高さ100ミクロンの凹凸パターンを形成することで、塗工処理において用紙にすかし模様を形成する例を記載する。
(実施例2)
給紙部(1)には、幅1600mm以下の巻取紙をセットすることが可能な2本の軸が備えられ、それぞれの軸に巻取紙を装着すると、未処理の用紙(M)は給紙部(1)の金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行し、紙質計測制御装置(1−c)で坪量及び水分率が計測され、第一塗工処理部(2)へ搬送される。
第一塗工処理部(2)では、一度目の塗工処理、乾燥処理及びクーリング処理が行われる。第一塗工部(2−a)において未処理の用紙(M)は、バッキングロール(2−a−1)に沿って走行し、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)から塗工液を塗工され、ドクターブレード(2−a−3)によって塗布された塗工液の余剰分は掻き取られる。
実施例2においては、図5のように、バッキングロール(2−a−1)の、円筒状のロールの周面に高さ100ミクロンの凹凸パターン(P)が設けられており、この凹部と凸部で、塗布時に、ドクターブレード(2−a−3)により掻き落とされる塗工液の量に差異が生じ、すかし模様に相当する画像が形成された塗工後の用紙(T)が作製される。
塗布後の用紙(T)は、第一乾燥部(2−b)で乾燥され、冷却された後、紙質計測制御装置(2−d)によって坪量、水分率及び塗工液の塗布量が計測され、第二塗工処理部(3)へ搬送される。
第二塗工処理部(3)でダブルコーティング処理が行われ、ドライシリンダ(3−c)の2つの金属ロールを通過することで、塗工後の用紙(T)のカール防止処理および乾燥処理が行われ、紙質計測制御装置(3−e)で坪量、塗工量及び水分が計測された後、排紙部(4)において巻き上げられ、塗工処理が完了する。
塗布後の用紙(T)を正反射光下で観察した場合、図7(a)のように、画像を視認することはできないが、透過光下で観察した場合には、図7(b)のように、塗工処理で形成された矢印の模様を観察することができる。
以下に、バッキングロール周面に高さ100ミクロンの凹凸パターンを形成することで、糊引き処理工程で、用紙に模様を形成する例を記載する。
(実施例3)
給紙部(1)には、幅1600mm以下の巻取紙をセットすることが可能な2本の軸が備えられ、それぞれの軸に塗工処理後の巻取紙を装着する。塗工処理後の用紙(T)は金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行し、紙質計測制御装置(1−c)で坪量及び水分率が計測され、第一塗工処理部(2)へ搬送される。
第一塗工処理部(2)では、糊引き処理、乾燥処理及びクーリング処理が行われる。第一塗工部(2−a)において塗工処理後の用紙(T)は、バッキングロール(2−a−1)に沿って走行し、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)から糊液を塗布され、ドクターブレード(2−a−3)によって、塗布された糊液の余剰分が掻き取られる。
実施例3においては、図5のように、バッキングロール(2−a−1)の円筒状のロールの周面に高さ100ミクロンの凹凸パターン(P)が設けることで、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)より塗布された糊液の余剰分を、ドクターブレードで掻き落とす際に、ロール周面の凹凸のそれぞれの部分で、糊液の塗布量に差異が生じ、糊引き後の用紙(N)にすかしに似た模様が形成される。
糊引き後の用紙(N)は、第一乾燥部(2−b)で乾燥され、冷却された後、紙質計測制御装置(2−d)によって坪量、水分率及び糊液の塗工量が計測され、第二塗工処理部(3)へ搬送される。
次に、第二塗工処理部(3)でダブルコーティング処理が行われ、ドライシリンダ(3−c)の2つの金属ロールを通過することで、糊液が塗布された用紙(N)のカール防止処理および乾燥処理が行われ、カレンダー部(3−d)へ搬送される。
カレンダー部(3−d)部を通過する際に加熱及び加圧され糊液が塗布された用紙(N)の平滑度を向上させる。その後、紙質計測制御装置(3−e)で坪量、塗布量及び水分が計測された後、排紙部(4)において巻き上げられ、糊引き処理が完了する。
糊引き後の用紙(N)を正反射光下で観察した場合、図8(a)のように模様は観察されないが、用紙を傾けて観察した場合、図8(b)のように、糊引き処理で形成された星印の模様が観察できる。
以下に、バッキングロール周面に高さ100ミクロンの凹凸パターンを設け、塗工処理において一方の面にすかし模様を形成した後、もう一方の面に糊引き処理ですかしに似た模様を形成する例を記載する。
(実施例4)
給紙部(1)には、幅1600mm以下の巻取紙をセットすることが可能な2本の軸が備えられ、それぞれの軸に巻取紙を装着すると、未処理の用紙(M)は給紙部(1)の金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行し、紙質計測制御装置(1−c)で未処理の用紙(M)の坪量及び水分率が計測され、第一塗工処理部(2)へ搬送される。
第一塗工処理部(2)では、一度目の塗工処理、乾燥処理及びクーリング処理が行われる。第一塗工部(2−a)において未処理の用紙(M)は、バッキングロール(2−a−1)に沿って走行し、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)から塗工液を塗布され、ドクターブレード(2−a−3)によって塗布された塗工液の余剰分は掻き取られる。
図5のように、本発明のバッキングロール(2−a−1)には、円筒状のロールの周面に高さ100ミクロンの凹凸パターン(P)が設けられており、この凹部と凸部で塗工液の掻き落とされる量が異なるため、凹部と凸部で用紙に塗布される塗工液の量に差異が生じ、塗工後の用紙(T)にすかし模様に相当する画像が形成される。
塗工後の用紙(T)は、第一乾燥部(2−b)に乾燥され、冷却された後、紙質計測制御装置(2−d)によって坪量、水分率及び塗工液の塗布量が計測され、第二塗工処理部(3)へ搬送される。
第二塗工処理部(3)でダブルコーティング処理が行われ、ドライシリンダ(3−c)の2つの金属ロールを通過することで、塗工後の用紙(T)のカール防止処理および乾燥処理が行われ、紙質計測制御装置(3−e)で坪量、塗布量及び水分が計測され、塗工処理が完了し、排紙部(4)において巻き上げられる。
巻き取られた塗工後の用紙(T)は、再度、給紙部(1)に設置され、金属ロール(1−a)と弾性ロール(1−b)の間を走行し、紙質計測制御装置(1−c)で坪量及び水分率が計測され、第一塗工処理部(2)へ搬送される。
第一塗工処理部(2)では、糊引き処理、乾燥処理及びクーリング処理が行われる。第一塗工部(2−a)において塗工処理が完了した用紙(T)は、バッキングロール(2−a−1)に沿って走行し、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)から糊液を塗布され、ドクターブレード(2−a−3)によって塗布された糊液の余剰分が掻き取られる。
図5のように、本発明のバッキングロール(2−a−1)には、円筒状のロールの周面に高さ100ミクロンの凹凸パターン(P)が設けられており、ジェットファウンテン式アプリケーター(2−a−2)より塗布された糊液の余剰分を、ドクターブレード(2−a−3)で掻き落とす際に、ロール周面の凹部と凸部のそれぞれの部分で、糊液の塗布量に差異が生じ、塗工処理にて一方の面にすかし模様が形成された塗工後の用紙(T)のもう一方の面に、糊引き処理による模様が形成され、両面に模様が形成された用紙(TN)が完成する。
両面に模様が形成された用紙(TN)は、第一乾燥部(2−b)に乾燥され、冷却された後、紙質計測制御装置(2−d)によって坪量、水分率及び糊液の塗布量が計測され、カレンダー部(3−4)部へ搬送される。
カレンダー部(3−d)部において加熱及び加圧され、両面に模様が形成された用紙(TN)の平滑度を向上させる。その後、紙質計測制御装置(3−e)で坪量、塗工量及び水分が計測され、排紙部(4)において巻き取られ、工程が終了する。
結果、両面に模様が形成された用紙(TN)を、正反射光下で観察した場合、図9(a)のように、模様は観察されないが、透過光下で観察した場合、図9(b)のように、塗工処理にて形成された矢印のすかし模様が観察できる。また、用紙を傾けて観察した場合には、図9(c)のように、糊引き処理で形成された星印の模様が観察できる。
給紙部
1−a、金属ロール
1−b、弾性ロール
1−c、紙質計測制御装置
第一塗工処理部
2−a、第一塗工部
2−a−1、バッキングロール
2−a−2、ジェットファウンテン式アプリケーター
2−a−3、ドクターブレード
2−a−4、カラーパン
2−b、第一乾燥部
2−c、クーリングロール
2−d、紙質計測制御装置
第二塗工処理部
3−a、第一塗工部
3−b、第一乾燥部
3−c、ドライシリンダ
3−d、カレンダー部
3−d−1、トップロール
3−d−2、ヒートロール
3−d−3、ボトムロール
3−e、紙質計測制御装置
4、排紙部
M、未処理の用紙
E、エンボスの施された用紙
T、塗工後の用紙
N、糊引き後の用紙
TN、両面に模様が形成された用紙

Claims (4)

  1. 金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部と、
    バッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、
    塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、
    金属ロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成し、金属ロールと弾性ロールの間を走行する用紙に凹凸部を付与することで、
    ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液の量が異なることにより、
    塗工処理後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法。
  2. 金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部と
    バッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、
    塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、
    前記バッキングロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成することで、
    ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液又は糊液の量が異なることにより、
    塗工処理後及び/又は糊引き後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法。
  3. 金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部と、
    バッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、
    塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、
    金属ロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成し、金属ロールと弾性ロールの間を走行する用紙に凹凸部を付与することで、
    ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液の量が異なることにより、
    塗工処理後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法
    により作製した塗工紙。
  4. 金属ロール及び弾性ロールにより巻取紙を供給する給紙部と
    バッキングロール、ジェットファウンテン式アプリケーター及びドクターブレードにより塗工処理又は糊引き処理を行う塗工処理部と、
    塗工処理及び/又は糊引き処理後の用紙を巻き取る排紙部からなるジェットファウンテン式塗工装置において、
    前記バッキングロール周面に凸部を有する所要の凹凸パターンを形成することで、
    ドクターブレードにより掻き落とされる塗工液又は糊液の量が異なることにより、
    塗工処理後及び/又は糊引き後の用紙にすかし状の模様を形成することを特徴とする塗工紙の作製方法により作製した塗工紙。
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