JP2014122262A - 高分子/液晶複合材料および調光デバイス - Google Patents

高分子/液晶複合材料および調光デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 調光デバイス等に用いられるのに好適な新規な高分子/液晶複合材料を提供する。
【解決手段】 液晶材料が高分子材料中に分散された高分子/液晶複合材料であって、前記高分子材料が、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから成る基本構造材料に加えて、アクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物から成る添加剤を含有する重合性組成物を重合して得られる高分子/液晶複合材料。応力透けやムラが発生せず、セルギャップを小さくしても電界OFF時の濁度が高く、ITO界面との接着強度が大きい等の利点を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、調光デバイス等に用いられるのに好適な新規な高分子/液晶複合材料に関する。
アクリル酸系ポリマーに代表される高分子材料をマトリクスとし、その中に液晶材料が分散された高分子/液晶複合材料は、従来の液晶からなるディスプレイと異なり、偏光板や配向膜を必要とせず、電界のON−OFFにより透明状態と不透明(白濁)状態の切り換えが可能であるので、大面積の調光装置(調光デバイス)として窓ガラスやパーティションなどの建材への応用が期待され、各種の高分子/液晶材料が案出されている〔例えば、特開平2−55318号公報(特許文献1)、米国特許第4435407号公報(特許文献2)、特開2003−155388号公報(特許文献3)、特開2008−266633号公報(特許文献4)〕。
特許第4630954号(特許文献5)には、均一な複合膜の製造可能な高粘度を有するとともに基材との粘着性が高く調光ガラスに有用な高分子/液晶複合材料と称して、メタクリレートアシッドエステルとエトキシレーティッドトリメチルルールップロパントリアクリレートエステルであるアクリル系モノマーに、式R−(R−R=R−R(式中、Rはアクリル基、Rはイソシアネート残基、Rはジオール基)で表されるウレタン系ジアクリレートソフトオリゴマーを含む重合性組成物から得られる高分子/液晶複合材料が記載されている。
特許文献5に記載の高分子/液晶材料は新しい高分子/液晶材料を提供するものであるが、ウレタン系ジアクリレートソフトオリゴマーを含む液晶材料である点において幾つかの実用上の問題がある。
例えば、ウレタン系材料の引張弾性率は70〜690Mpaであり、アクリル系材料の引張弾性率2200〜3200Mpaに比較すると、物性的に柔らかくしなやかな素材であると言えるが、大型の調光デバイスなどに用いる高分子/液晶複合材料(高分子/液晶複合膜)においては、この引張弾性率の低さが致命的な欠点となり、応力や曲げによる局所的なムラや部分透けの原因となる。すなわち、外部応力により、ポリマーが変形しやすく、それに追従して液晶が一定方向に揃うため、局所的に透過率が変化するムラや透けが発生する。
また、デバイスの電極形成時にポリマーを除去する必要があるが、特許文献5に記載の高分子/液晶複合材料においては、必要以上にITO界面とポリマーが接着してしまうため、ITO面の清掃に時間を要するなどの問題も生じる。さらに、特許文献5に記載されているようなウレタン系アクリレートなどを含む高分子/液晶複合材料においては、電界OFF時の遮蔽性を十分に確保するため、セルギャップを大きく(一般的には18ミクロン)することが必要となり、この結果、電界ON時の視野角が非常に悪くなる。
さらに、特許文献5におけるウレタン系アクリレートなどを含む高分子/液晶複合材料は、UV重合でポリマーネットワークを形成する工程において、製膜時UV重合温度に対して非常に敏感であるため、製膜時に温度管理を厳密にしないと、調光デバイスの駆動特性が変化し、ON時の透明性悪化やOFF時のムラが発生するという問題も有している。
特開平2−55318号公報 米国特許第4435407号公報 特開2003−155388号公報 特開2008−266633号公報 特許第4630954号
本発明の目的は、特許文献5に記載されているようなウレタン系アクリレートオリゴマーを含む重合性組成物に由来する高分子/液晶複合体における引張弾性率をはじめとする上述の諸問題を解決することができ調光デバイス(調光装置)等に用いられるのに好適な新規な高分子/液晶複合材料を提供することにある。
本発明者らは、ウレタン系アクリレートに比べて非常にハードな材料が得られる可能性があることに注目し、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから得られるポリマーをマトリクスとする高分子/液晶複合材料を試みた。しかしながら、この高分子/液晶複合材料は、セルギャップを大きくしなければ(例えば18ミクロン)実用的に十分な遮蔽性を確保できず、また、100Vというような高い電圧で駆動しないと実用的に十分な透明性が確保することができないことが認められた。さらにITO界面との接着性(密着性)も十分でないことも認められた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物を添加剤として少量加えることによって、如上の問題が解決され、調光デバイス等として使用されるのに好適な目的の高分子/液晶複合材料が得られることを見出した。
かくして、本発明は、液晶材料が高分子材料中に分散された高分子/液晶複合材料であって、前記高分子材料が、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから成る基本構造材料に加えて、アクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物から成る添加剤を含有する重合性組成物を重合して得られるものであることを特徴とする高分子/液晶複合材料を提供するものである。
本発明の実施例で用いられる各化合物の化学構造式を示す。 本発明に従う高分子/液晶複合膜のV−H(印加電圧−濁度)試験の結果を示し、特に各種の多官能モノマーの添加効果を示すものである。ここで、濁度とは、拡散透過光の全光線透過光に対する割合から求められるものであり、濁度(%)=Td/Ttx100となる(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)。 ITO界面に対する密着性における剥離モードを模式的に示す。 本発明に従う高分子/液晶複合膜のV−H(印加電圧−濁度)試験の結果を示し、特に添加剤の添加量と光学特性の関係を示すものである。 本発明に従う高分子/液晶複合膜のV−H(印加電圧−濁度)試験の結果を示し、特に単官能モノマーと多官能モノマーの混合比の影響を示すものである。 本発明に従う高分子/液晶複合膜のドメインサイズを観察するための電子顕微鏡写真である。
本発明の高分子/液晶複合材料を得るための重合性組成物において添加剤として用いられるアクリル系単官能モノマーとは、アクリル基またはメタアクリル基を1個有する分子構造から成る化合物である。本発明において用いられるのに好ましいアクリル系単官能モノマーは、入手や操作性が容易である等の理由から、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)またはアクリル酸メチル(メチルアクリレート)であり、特に好ましいのはメタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)であるが、これに限られるものではない。例えば、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアクリル系単官能モノマーも同様に使用することができる。
本発明の高分子/液晶複合材料を得るための重合性組成物において添加剤として用いられるアクリル系多官能モノマーとは、アクリル基またはメタクリル基を2個以上有する分子構造から成る化合物である。本発明において用いられるのに好ましいアクリル系多官能モノマーとしては、入手や操作性が容易である等の理由から、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート(官能数はいずれも3)などが挙げられるが、これに限られるものではない。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プルポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどを含む多くの3官能アクリレートも同様に使用することができる。
添加剤中におけるアクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーは、1:2から2:1の割合で使用することが好ましい。
本発明の高分子/液晶複合材料を得るための重合性組成物において基本構造材料となるアクリル系モノマーおよびアクリル系オリゴマーとしては、アクリル基またはメタクリル基を有し、重合によって液晶材料を分散させるポリマーマトリクス(架橋構造)を形成することができるものとして従来から知られた各種のモノマーおよびオリゴマーを使用することができる。ここで、オリゴマーとは、一般に、モノマーに由来する構成単位2〜10個から成る重合体を指す。
本発明において用いられるのに特に好ましい基本構造材料となるアクリル系モノマーの例は、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート(以下、TMHAと称することがある)、また、アクリル系オリゴマーの例は、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物であるが、その他のアクリル系化合物を用いることもできる。例えば、2,4,4−トリメチルペンチルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキスルアクリレートなどのモノマー、ポリアクリル化(テトラアクリル)脂肪族ポリエステルオリゴマーなどのオリゴマーも適用可能である。
本発明の高分子/液晶複合材料は、液晶材料の種類に関して特に限定されず、例えば、ネマチック性液晶、スメクチック性液晶、ディスコチック性液晶のいずれのタイプの液晶にも本発明の原理は適用される。本発明が適用される好ましい液晶の例は、ネマチック液晶であるが、これに限定されるものではない。デバイスの特性を改変する等の目的で2種類以上の液晶化合物を用いることもできる。
本発明の高分子/液晶複合材料は、液晶材料中に、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから成る基本構造材料およびアクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物から成る添加剤を加えて、重合開始剤の存在下に重合することによって製造することができる。
重合は熱重合も可能であるが、一般的には光重合(紫外線照射)によって行われる。重合開始剤としては、従来から知られたアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類またはチオキサトン類等から選ばれる各種の光重合開始剤を使用することができる。本発明において用いられるのに好適な重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(以下、DMAPと称することがある)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の高分子/液晶複合材料を製造するに際して、液晶材料と基本構造材料(アクリル系モノマー+アクリル系オリゴマー)との合計を100とした場合に、基本構造材料の割合を重合基準で15〜25とし残部を液晶材料とするのが好ましく、例えば、20とするのが好ましい。この点、上述した特許文献5の場合に比べてモノマーとオリゴマーの量が少なく、このことから、ITO界面にポリマーが適宜に接着するものと理解される(後述の実施例参照)。なお、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとの比率は、後者を大きくし、好ましくは、例えば、アクリル系モノマー:アクリル系オリゴマー=1:3(したがって、液晶材料を加えた合計では5:15)とする。
また、本発明の高分子/液晶複合材料を製造するに際して、アクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物から成る添加剤は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから成る基本構造材料に対して、1〜10重量%の割合で添加することが好ましく、調光デバイスとしての駆動特性を考慮すると、2〜6重量%とするのが特に好ましい(後述の実施例参照)。
かくして、本発明に従えば、電極(ITO電極)が形成された一対の基板間に、上述した高分子/液晶複合材料が挟持された調光デバイス、すなわち、電界付与のON−OFFにより透明状態と不透明(白濁)状態の切り換えができる装置が提供される。
本発明に従う高分子/液晶材料およびそれから得られる調光デバイスは、下記のような多くの特徴及び利点を有している。
(1)引張弾性率の大きいアクリル系材料のみから高分子(ポリマー)が構成されているため、調光窓ガラスやパーティションなどの建材用途において問題となる応力透け・ムラが発生しない(すなわち、曲げても透けず、合わせガラス製品でのムラもない。
(2)調光デバイスにおいて、電界OFF時の遮蔽性を十分に確保するためには、濁度が89%以上必要とされるが、特許文献5の材料を用いた場合、10ミクロンのセルギャップでは、電界OFF時の濁度が87%しか得られず、OFF時の遮蔽性を十分に確保することができない。しかしながら、本発明に従えば、添加剤の効果により、セルギャップをきわめて小さくすることができ、駆動特性が大幅に向上する上、10ミクロンのセルギャップにおいても電界OFF時の濁度が89%以上ある。また、セルギャップを薄型化することにより、駆動時の低電圧化とともに視野角を向上させることができる:視野角±50°における透過率をおよそ30%向上させることができる。
(3)添加剤を用いた本発明の高分子/液晶複合材料は、ITO界面との接着強度(密着強度)が向上しており、添加剤を用いないものと比べて約3倍〜6倍大きくなっている。
(4)また、本発明の高分子/液晶複合材料は、デバイス特性が製膜時のUV重合温度に対して鈍感であるため、温度管理などの製造条件を緩和できる。
(5)さらに、本発明の高分子/液晶複合材料を用いる調光デバイスは、劣化がきわめて徐々に均一に進行するため、耐候性に優れ経時的に外観が損なわれることがない:長時間の紫外照射においても遮蔽性を維持する。
以下に、本発明の特徴を更に具体的に明らかにするため、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
下記の実施例で用いた各化合物の化学構造式は図1に示している。
用いた液晶(E8)は、株式会社LCC社製のシアノビフェニール系ネマチック液晶であり、下記の表1に示す構造を有するものである。
また、実験方法は大略、次のとおりである。
V−H(印加電圧−濁度)試験:
60×40mmサイズの試験片の上下ITO面に電極を形成し、任意の電圧を印加した場合における濁度(%)を日本電色工業株式会社社製ヘイズメーター(NDH5000)により測定した。
密着強度測定試験:
30×35mmサイズの試験片をIMADA社製のプッシュプルゲージ゛PSM−50Nのステージに固定し、90°ピール試験を行った。
各種の多官能モノマーの添加効果
表2に示す配向比のベースの液晶材料に、添加剤としてA(単官能モノマー)とB(多官能モノマー)の1:1混合物を基本構造材料(TMHA+HDMPDA)に対して5重量%添加して、高分子/液晶複合構造体を製造(製膜)した。A(単官能モノマー)はメタクリ酸メチルとし、B(多官能モノマー)として下記表3に示すサンプル1〜3を用いてV−H試験を行った。なお、製膜条件は、セルギャップ(10ミクロン)、UV(紫外線)照射(40mWx48秒)、UV重合温度(26.0℃)とした。
V−H試験の結果を図2に示す。なお、図中「添加剤なし」と記しているのは、単官能モノマーと多官能モノマーとの混合物から成る添加剤無しで製膜された高分子/液晶複合材料であり、比較のために示している。
図2に示されるように、添加剤を導入することにより、V−H特性が大幅に向上して同じ濁度を得るための駆動電圧が大きく低下している。例えば、濁度が50%に到達するH(濁度)50の電圧は10V以下となっている。
また、上述したように密着強度は、それぞれ、1.0N/cm、1.3N/cmおよび1.6N/cmであり、添加剤を入れることにより大幅な向上が認められている。
なお、図3はITO界面に対する密着性における剥離モードを模式的に示すものである。ITO界面と高分子液晶膜の接着性が不十分な場合に発生する剥離モード1は、本デバイスの動作原理から最も相応しくない形態であり、本デバイスにおける剥離モードとしては、モード2もしくはモード3が望ましい。本発明に従い添加剤を導入して得られたサンプル1,2および3の場合は、ITO界面との密着性(接着性)が向上し、剥離モード2となっていることが認められる。添加剤無しの場合は剥離モード1である。
さらに、図6は、上記のようにして得られた製膜品のドメインサイズを観察した電子顕微鏡(SEM)写真を示すものである。上段(A)は添加剤無しの場合であり、0.5〜1ミクロン程度のドメインサイズでポリマー層が形成されている。これに対して下段(B)は添加剤5%添加した場合(サンプル1)であり、1〜2ミクロン程度のドメインサイズでポリマー層が形成されている。このようにポリマーのドメインが大きくなると液晶が動き易くなり、駆動電圧の低電圧化をもたらす。
添加剤の添加量と光学特性の関係
A(単官能モノマー)とB(多官能モノマー)の1:1の混合物を実施例1に記載した表2と同じ配合で、基本構造材料(TMHA+HDMPDA)に対して、いろいろな割合(重量%)添加し、実施例1と同じ製膜条件で高分子/液晶複合材料を製膜し、実施例1と同様にV−H試験を行った。用いた単官能モノマーはメタクリル酸メチルであり、多官能モノマーは、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート(実施例1のサンプル1で用いたもの)である。
V−H試験の結果を図4に示す。図4の(A)に示されるように、1〜10%のいずれにおいても添加剤を導入することによるV−H特性の向上は認められるが、図4(B)のOFF時の濁度(%)のデータ、および図4(C)の50V印加時の濁度(%)のデータを考慮すると添加剤は2〜6%とするのが特に好ましいと理解される。
単官能モノマーと多官能モノマーの混合比と駆動特性
実施例1の表2に記載の配合で、基本材料(TMHA+HDMPDA)に対して、添加剤として単官能モノマーと多官能モノマーとの混合物を5重量%添加して、実施例1と同じ製膜条件で高分子/液晶複合材料を製膜し、実施例1と同様にV−H試験を行った。用いた多官能モノマーはメタクリル酸メチルであり、多官能モノマーはエトキシ化トリメチロールプロパンアクリレートであり(実施例2と同じ)、その混合比を変えて駆動特性を調べた。
その結果を図5に示す。さらに、V−H試験の結果を更に詳述に検討した結果を表4に示す。
この結果、5%添加で同様の比較を行った場合、添加剤としては単官能モノマーが駆動特性の低電圧化に寄与していることが理解される。(単官能:多官能=2:1混合液、5%添加品は、濁度が50%に到達するH50値がH50=6V程度まで低下する。)しかしながら、ON(50V印加)→OFF後の残像特性については、添加剤としての単官能モノマーがリッチになると残像が大きくなる傾向にある。また、単官能と多官能モノマー混合物を添加した場合、いずれの場合においてもOFF時の遮蔽性は添加剤なしと比較して向上することが認められた。
したがって、電界OFF時の遮蔽性から考慮すると、添加剤なし<(単:多=1:2)5%添加品≪(単:多=1:1)5%添加品≒(単:多=2:1)5%添加品の順で優れていると考えられる。
さらに、実施例1と同様に測定した密着強度試験の結果を表5に示す。
ITO界面との接着性改善に関しても、単官能モノマーの影響の方が大きいと考えられる。したがって、添加剤におけるアクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーの割合1:2から2:1のうち、特に好ましいのは1:1から2:1である。
本発明の高分子/液晶複合材料を得るための重合性組成物において添加剤として用いられるアクリル系多官能モノマーとは、アクリル基またはメタクリル基を2個以上有する分子構造から成る化合物である。本発明において用いられるのに好ましいアクリル系多官能モノマーとしては、入手や操作性が容易である等の理由から、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート(官能数はいずれも3)などが挙げられるが、これに限られるものではない。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プルポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどを含む多くの3官能アクリレートも同様に使用することができる。
添加剤中におけるアクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーは、1:2から2:1の割合で使用することが好ましい。
本発明の高分子/液晶複合材料を得るための重合性組成物において基本構造材料と成るアクリル系モノマーおよびアクリル系オリゴマーとしては、アクリル基またはメタクリル基を有し、重合によって液晶材料を分散させるポリマーマトリクス(架橋構造)を形成することができるものとして従来から知られた各種のモノマーおよびオリゴマーを使用することができる。ここで、本発明の高分子/液晶複合材料を得るための重合性組成物において基本構造材料と成る前記アクリル系オリゴマーとは、便宜上、前記基本構造材料と成る前記アクリル系モノマーよりは分子量が大きい化合物(モノマー)を称するものとする。
本発明において用いられるのに特に好ましい基本構造材料と成るアクリル系モノマーの例は、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート(以下、TMHAと称することがある)、また、アクリル系オリゴマーの例は、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物(以下、HDMPDAと称することがある)であるが、その他のアクリル系化合物を用いることもできる。

Claims (6)

  1. 液晶材料が高分子材料中に分散された高分子/液晶複合材料であって、前記高分子材料が、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから成る基本構造材料に加えて、アクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物から成る添加剤を含有する重合性組成物を重合して得られるものであることを特徴とする高分子/液晶複合材料。
  2. 前記基本構造材料のアクリル系モノマーが3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレートであり、前記基本構造材料のアクリル系オリゴマーがヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物である請求項1に記載の高分子/液晶複合材料。
  3. 前記添加物のアクリル系単官能モノマーがメタリル酸メチルまたはアクリル酸メチルであり、前記添加剤のアクリル系多官能モノマーがエトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、またはエトキシ化グリセリンアクリレートである、請求項1または2に記載の高分子/液晶複合材料。
  4. アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとから成る前記基本構造材料に対して、アクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーとの混合物から成る前記添加剤を1〜10重量%の割合で添加する請求項1〜3のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
  5. 前記添加剤中におけるアクリル系単官能モノマーとアクリル系多官能モノマーの割合が1:2から2:1である請求項1〜4のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
  6. 電極が形成された一対の基板間に、請求項1〜5のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料が挟持されていることを特徴とする調光デバイス。
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