JP2014121838A - 複合材 - Google Patents

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雄一 古川
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Abstract

【課題】簡単な構成で炭素発泡体と繊維強化樹脂材の接着強度を確保することができ、炭素発泡体と繊維強化樹脂材からなる複合材全体の強度を高めることのできる複合材を提供する。
【解決手段】炭素発泡体1と繊維強化樹脂材2が接着剤5を介して接着されており、接着剤5が、炭素発泡体1の空隙Gの平均孔径よりも相対的に小さい平均粒径の粒子4を含んだ樹脂材3からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は複合材に関し、たとえば炭素発泡体と繊維強化樹脂材が接着剤を介して接着されている複合材に関するものである。
樹脂に強化用繊維材が混入されてなる繊維強化樹脂材(繊維強化プラスチック(FRP))は、軽量かつ高強度であることから、自動車産業、建設産業、航空産業等、広い産業分野で使用されている。
たとえば自動車産業においては、環境負荷影響等の少ない車両としてハイブリッド自動車や電気自動車が注目されており、その一層の小型化、軽量化、高性能化を目指した開発が自動車メーカー各社、自動車関連メーカー各社で日々進められている。これらの所謂エコカーのみならずその他一般のガソリン車両やディーゼル車両を含む車両全般に対して、車両の軽量化と高剛性化の双方を満足する部材として繊維強化樹脂材を車両部品の一部または全部に適用しようとするニーズが高まっている(たとえば、特許文献1)。
また、近年では、上記する繊維強化樹脂材と石炭ベースの炭素発泡体(CFOAM)(発泡炭素材ともいう)を組み合わせた新たな成形型の開発が進められている。
炭素発泡体は、一般に空隙率が高く、軽量かつ低熱膨張率であることから、炭素発泡体からなる成形型は、金属製の成形型などと比較して相対的に熱容量が小さいといった利点がある。一方で、炭素発泡体は、通常、隣接した空隙同士が直接繋がった連続気泡型であることから、炭素発泡体からなる成形型は、成形時の剛性や耐リーク性を確保する必要があり、成形品が接する面(成形面)に対して軽量かつ高強度で生産性に優れた上記繊維強化樹脂材を貼り付けて使用することが望まれている。
特開平8−68417号公報
ところで、繊維強化樹脂材を炭素発泡体の表面に貼り付ける従来の方法としては、たとえばフィルム状の接着剤を介して貼り付ける方法や樹脂製の接着剤を介して貼り付ける方法などが知られている。
しかしながら、たとえばフィルム状の接着剤を介して炭素発泡体と繊維強化樹脂材を接着する方法においては、炭素発泡体と接着剤の接着面で多孔性の炭素発泡体とフィルム状の接着剤とが点接触し、炭素発泡体と接着剤の接着面積を確保することができず、炭素発泡体と繊維強化樹脂材の接着強度が低下するといった問題が生じ得る。
また、樹脂製の接着剤を介して炭素発泡体と繊維強化樹脂材を接着する方法においては、炭素発泡体の表面に塗布された溶融状態の樹脂が炭素発泡体の空隙を介してその内部へ浸透していき、繊維強化樹脂材と炭素発泡体の間に介在する接着剤が減少し、炭素発泡体と繊維強化樹脂材の接着強度を確保することが難しいといった問題が生じ得る。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で炭素発泡体と繊維強化樹脂材の接着強度を確保することができ、炭素発泡体と繊維強化樹脂材からなる複合材全体の強度を高めることのできる複合材を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による複合材は、炭素発泡体と繊維強化樹脂材が接着剤を介して接着されている複合材であって、前記接着剤が、前記炭素発泡体の空隙の平均孔径よりも相対的に小さい平均粒径の粒子を含んだ樹脂材からなるものである。
上記する複合材によれば、炭素発泡体と繊維強化樹脂材の間に介在する接着剤が、炭素発泡体の空隙の平均孔径よりも相対的に小さい平均粒径の粒子を含んだ樹脂材から構成されることによって、炭素発泡体と繊維強化樹脂材を接着する際、樹脂材に含まれる粒子を樹脂材と共に炭素発泡体の空隙内へ侵入させることができ、炭素発泡体の空隙内に充填された粒子によって炭素発泡体の内部への樹脂材の浸透を抑制することができる。これにより、炭素発泡体と繊維強化樹脂材の間に確実に樹脂材を介在させることができ、炭素発泡体と接着剤や繊維強化樹脂材と接着剤の接着面積を確保することができるため、炭素発泡体と繊維強化樹脂材の接着強度を確保することができる。また、上記するように、炭素発泡体の空隙内に充填された粒子によって炭素発泡体の内部への樹脂材の浸透が抑制されるため、接着剤を構成する樹脂材の使用量を抑制することができ、複合材の製造コストの高騰を抑制することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の複合材によれば、簡単かつ安価な構成で炭素発泡体と繊維強化樹脂材の接着強度を確保することができ、炭素発泡体と繊維強化樹脂材からなる複合材全体の強度を高めることができる。
本発明の複合材の一実施の形態の全体構成を示した全体斜視図である。 図1のA部拡大図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、本発明の複合材の他の実施の形態の全体構成を示した全体斜視図である。 実施例1の検査用試料を示した図である。 剥離強度測定の様子を示した図である。 剥離強度測定後の実施例1および比較例1、2の検査用試料の炭素発泡体の接着面の一部を拡大して示した一部拡大図である。 引張強度測定の様子を示した図である。 引張強度測定後の実施例2および比較例3、4の検査用試料を示した図である。 実施例1の検査用試料の接着面近傍を拡大して示した一部拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の複合材の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の複合材の一実施の形態の全体構成を示した全体斜視図であり、図2は、図1のA部拡大図である。
図1で示す複合材10は、略直方体形状の炭素発泡体1と略矩形平板状の繊維強化樹脂材2が接着剤5を介して接着されて形成されている。
ここで、炭素発泡体1は、隣接した空隙同士が直接繋がった連続気泡型もしくは隣接した空隙同士が独立した独立気泡型の発泡体であり、この炭素発泡体1の形成素材としては、たとえば石炭やピッチなどを挙げることができる。
また、繊維強化樹脂材2は、樹脂に強化用繊維材が混入されたものであり、この繊維強化樹脂材2に適用される樹脂(マトリックス樹脂ともいう)は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよく、熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メラミン樹脂などを挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、熱可塑性エポキシ樹脂などのいずれか一種もしくは二種以上の混合材を挙げることができる。また、前記熱可塑性樹脂を主成分とする共重合体やグラフト樹脂やブレンド樹脂、たとえばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重合体、アクリル酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレンなどを導入することもできる。
また、繊維強化樹脂材2に適用される繊維材としては、たとえば、熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維材を適用することができ、ボロンやアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどのセラミック繊維や、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、銅や鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属繊維、ポリアミドやポリエステル、セルロースなどの有機繊維のいずれか一種もしくは二種以上の混合材を挙げることができる。
また、接着剤5は、図2で示すように、炭素発泡体1の空隙Gの平均孔径よりも相対的に小さい平均粒径の粒子4を含んだ樹脂材3から構成されている。
ここで、接着剤5に適用される樹脂材3としては、たとえば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。
また、接着剤5に適用される粒子4は、炭素発泡体1と同種もしくは同質の材料から形成することが好ましく、たとえば炭素発泡体を粉砕して粒状に形成した炭素粒子などから形成することができる。
本実施の形態では、接着剤5が、炭素発泡体1の空隙Gの平均孔径よりも相対的に小さい平均粒径の粒子4を含んだ樹脂材3から構成されていることによって、炭素発泡体1の表面1aにペースト状の接着剤5を塗布し、その接着剤5を炭素発泡体1と繊維強化樹脂材2で挟持した際に、樹脂材3に含まれる粒子4が樹脂材3と共に炭素発泡体1の空隙G内へ侵入していく。そして、炭素発泡体1の空隙G、特に炭素発泡体1の表面1a近傍の空隙G内に粒子4が充填され、その空隙G内に充填された粒子4によって炭素発泡体1の内部への樹脂材3の浸透が抑制される。これにより、炭素発泡体1と繊維強化樹脂材2の間に十分な量の樹脂材3が介在することとなり、炭素発泡体1と接着剤5や繊維強化樹脂材2と接着剤5が面接触してその接着面積が確保されるため、たとえば接着剤5を熱硬化させて炭素発泡体1と繊維強化樹脂材2を接着させた際に、炭素発泡体1と繊維強化樹脂材2の接着強度を確保することができる。
また、上記するように、炭素発泡体1の空隙G内に充填された粒子4によって炭素発泡体1の内部への樹脂材3の浸透が抑制されるため、接着剤5を構成する樹脂材3の使用量を抑制することもできる。
なお、上記する実施の形態では、略直方体形状の炭素発泡体1の所定の一面に略矩形平板状の繊維強化樹脂材2を接着する形態について説明したが、たとえば、図3(a)で示すように、略直方体形状の炭素発泡体1Aの対向する面に略矩形平板状の繊維強化樹脂材2Aを接着してもよいし、図3(b)で示すように、略直方体形状の炭素発泡体1Bの側面に亘って略角筒状に繊維強化樹脂材2Bを接着してもよい。また、図3(c)で示すように、略直方体形状の炭素発泡体1Cの側面および上下面の全面に亘って繊維強化樹脂材2Cを接着し、繊維強化樹脂材2Cによって炭素発泡体1Cを被覆してもよい。
また、上記する実施の形態では、炭素発泡体1が略直方体形状を呈する形態について説明したが、たとえば円柱状や断面多角形の角柱状、円筒状や角筒状など、炭素発泡体1の形状は適宜変更することができる。
[検査用試料による複合材の剥離強度と引張強度を測定した実験とその結果]
本発明者等は、接合形態の異なる6種類の検査用試料(実施例1、2、比較例1〜4)を作製し、実施例1および比較例1、2の検査用試料に対して剥離強度測定を実施し、実施例2および比較例3、4の検査用試料に対して引張強度測定を実施した。
[剥離強度測定に用いる実施例1の作製方法]
まず、剥離強度測定に用いる実施例1の検査用試料の作製方法を概説すると、炭素発泡体(CFOAM30)を粉砕して粒状に形成した炭素粒子(たとえば、平均粒径が200μm、最大粒径が500μm以下)と耐熱性を有するエポキシ樹脂を所定の混合比で混合した接着剤Aを用意した。次いで、80mm×20mm×8mmの大きさの炭素発泡体(CFOAM30)と80mm×20mmの大きさの略平板状の炭素繊維強化樹脂材(CFRP)を用意し、炭素繊維強化樹脂材を略半分の位置で略垂直に折り曲げた。次に、炭素発泡体の80mm×20mmの表面のうち40mm×20mmの領域に接着剤Aを塗布し、接着剤Aが塗布された領域に炭素繊維強化樹脂材を載置した。そして、これらをバギング(袋詰め)し、内部を真空引きしながら加熱炉に投入し、高温雰囲気下で接着剤Aを硬化させて炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着した(図4参照)。
[剥離強度測定に用いる比較例1の作製方法]
剥離強度測定に用いる比較例1の検査用試料の作製方法を概説すると、80mm×20mm×8mmの大きさの炭素発泡体(CFOAM30)と80mm×20mmの大きさの略平板状の炭素繊維強化樹脂材(CFRP)を用意し、炭素繊維強化樹脂材を略半分の位置で略垂直に折り曲げた。次に、炭素発泡体の80mm×20mmの表面のうち40mm×20mmの領域に耐熱性を有するエポキシ樹脂(接着剤B)を塗布し、接着剤Bが塗布された領域に炭素繊維強化樹脂材を載置した。そして、これらをバギング(袋詰め)し、内部を真空引きしながら加熱炉に投入し、高温雰囲気下で接着剤Bを硬化させて炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着した。
[剥離強度測定に用いる比較例2の作製方法]
剥離強度測定に用いる比較例2の検査用試料の作製方法を概説すると、80mm×20mm×8mmの大きさの炭素発泡体(CFOAM30)と80mm×20mmの大きさの略平板状の炭素繊維強化樹脂材(CFRP)を用意し、炭素繊維強化樹脂材を略半分の位置で略垂直に折り曲げた。次に、炭素発泡体の80mm×20mmの表面のうち40mm×20mmの領域に炭素繊維強化樹脂材を載置し、これらをバギング(袋詰め)し、内部を真空引きしながら加熱炉に投入し、高温雰囲気下で炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着した。
[剥離強度の測定方法]
次に、複合材の剥離強度の測定方法を概説すると、上記する作製方法で作製した実施例1および比較例1、2の各検査用試料を引張試験機にセットし、炭素発泡体の表面から略垂直に起立させた炭素繊維強化樹脂材の所定箇所を把持具で把持し、この把持具を所定の速度で炭素発泡体から離間する方向へ移動させて、複合材の炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材の剥離強度を測定した(図5参照)。なお、この剥離強度測定では、実施例1および比較例1、2についてそれぞれ二個の検査用試料を作製し、それぞれ二回の剥離強度測定を実施してその平均値を算出した。
[剥離強度の測定結果]
表1は、実施例1および比較例1、2の各検査用試料の剥離強度の測定結果を示したものである。
[表1]
Figure 2014121838
表1で示すように、実施例1および比較例1、2の各検査用試料の剥離強度はそれぞれ、56.8N、44.6N、32.8Nであり、実施例1の検査用試料では、比較例1、2の検査用試料と比較して炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材の剥離強度が格段に増加することが確認された。特に、実施例1の検査用試料では、接着剤Aの塗布量が接着剤Bの塗布量よりも相対的に少ない場合であっても、比較例1の検査用試料と比較して炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材の剥離強度が増加することが確認された。
また、本発明者等は、剥離強度測定後の実施例1および比較例1、2の各検査用試料の炭素発泡体の接着面を観察した。その結果、図6で示すように、比較例1の検査用試料では、炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材が接着面で部分的に面接触しており、比較例2の検査用試料では、炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材がほぼ点接触している一方で、実施例1の検査用試料では、炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材が接着面の略全面に亘って面接触していることが確認された。また、実施例1の検査用試料では、剥離強度測定後の検査用試料の炭素発泡体の接着面の一部(図中、左側)に炭素繊維強化樹脂材の一部が接着されて残留していることが確認された。
[引張強度測定に用いる実施例2の作製方法]
次に、引張強度測定に用いる実施例2の検査用試料の作製方法を概説すると、炭素発泡体(CFOAM30)を粉砕して粒状に形成した炭素粒子(たとえば、平均粒径が200μm、最大粒径が500μm以下)と耐熱性を有するエポキシ樹脂を所定の混合比で混合した接着剤Aを用意した。次に、80mm×20mm×8mmの大きさの炭素発泡体(CFOAM30)と80mm×8mmの大きさの略平板状の二枚の炭素繊維強化樹脂材(CFRP)を用意し、炭素発泡体の80mm×8mmの表面(二面)に接着剤Aを塗布し、接着剤Aが塗布された表面に炭素繊維強化樹脂材を載置した。そして、これらをバギング(袋詰め)し、内部を真空引きしながら加熱炉に投入し、高温雰囲気下で接着剤Aを硬化させて炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着した(図3(a)参照)。
[引張強度測定に用いる比較例3の作製方法]
引張強度測定に用いる比較例3の検査用試料の作製方法を概説すると、80mm×20mm×8mmの大きさの炭素発泡体(CFOAM30)と80mm×8mmの大きさの略平板状の二枚の炭素繊維強化樹脂材(CFRP)を用意し、炭素発泡体の80mm×8mmの表面(二面)に耐熱性を有するエポキシ樹脂(接着剤B)を塗布し、接着剤Bが塗布された表面に炭素繊維強化樹脂材を載置した。そして、これらをバギング(袋詰め)し、内部を真空引きしながら加熱炉に投入し、高温雰囲気下で接着剤Bを硬化させて炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着した。
[引張強度測定に用いる比較例4の作製方法]
引張強度測定に用いる比較例4の検査用試料の作製方法を概説すると、80mm×20mm×8mmの大きさの炭素発泡体(CFOAM30)と80mm×8mmの大きさの略平板状の二枚の炭素繊維強化樹脂材(CFRP)を用意し、炭素発泡体の80mm×8mmの表面(二面)に炭素繊維強化樹脂材を載置し、これらをバギング(袋詰め)し、内部を真空引きしながら加熱炉に投入し、高温雰囲気下で炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着した。
[引張強度の測定方法]
次に、複合材の引張強度の測定方法を概説すると、上記する作製方法で作製した実施例2および比較例3、4の各検査用試料を引張試験機にセットし、炭素発泡体の80mm×20mmの表面の両端部をそれぞれ把持具で把持し、この把持具を所定の速度で相互に離間する方向へ移動させて複合材の引張強度を測定した(図7参照)。なお、この引張強度測定では、実施例2および比較例3、4についてそれぞれ二個の検査用試料を作製し、それぞれ二回の引張強度測定を実施してその平均値を算出した。
[引張強度の測定結果]
表2は、実施例2および比較例3、4の各検査用試料の引張強度の測定結果を示したものである。なお、表2では、炭素発泡体(CFOAM30)のみの引張強度の測定結果を併せて示している。
[表2]
Figure 2014121838
表2で示すように、実施例2および比較例3、4の各検査用試料の引張強度はそれぞれ、1924N、1458N、617N(炭素発泡体(CFOAM30)のみの引張強度は527N)であり、実施例2の検査用試料では、比較例3、4の検査用試料と比較して複合材の引張強度が格段に増加することが確認された。
また、本発明者等は、引張強度測定後の実施例2および比較例3、4の各検査用試料を観察した。その結果、図8で示すように、比較例3、4の検査用試料では、複合材の引張強度測定時に炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材がその接着面で剥離する一方で、実施例2の検査用試料では、複合材の引張強度測定後も炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材がその接着面で接着されていることが確認された。
なお、本発明者等は、実施例1や実施例2の検査用試料の接着面近傍をより詳細に観察した結果、接着剤Aを構成するエポキシ樹脂が炭素発泡体の表面から内部へ向かって約3mmまで浸透しており、それによって炭素発泡体の表面近傍が強化されていることを確認している(図9参照)。
この実験結果より、炭素発泡体を粉砕して粒子状に形成した炭素粒子を混合した樹脂材を介して炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材を接着するという簡単な構成で、炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材の接着強度が確保され、炭素発泡体と炭素繊維強化樹脂材からなる複合材の引張強度が高められることが実証された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…炭素発泡体、2…繊維強化樹脂材、3…接着用樹脂材、4…粒子、5…接着剤、10…複合材、G…炭素発泡体の空隙

Claims (3)

  1. 炭素発泡体と繊維強化樹脂材が接着剤を介して接着されている複合材であって、
    前記接着剤が、前記炭素発泡体の空隙の平均孔径よりも相対的に小さい平均粒径の粒子を含んだ樹脂材からなる複合材。
  2. 前記粒子は、炭素発泡体と同種の材料から形成されている、請求項1に記載の複合材。
  3. 前記粒子は、炭素発泡体を粉砕して粒子状に形成した炭素粒子から形成されている、請求項2に記載の複合材。
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