JP2014121021A - 色処理装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異なるデバイス間の等色関係を簡易かつ高精度に取得する。
【解決手段】 色処理装置10は、参照試料の色情報およびモニタ211の色特性を記憶する記憶部102、105、ユーザ指示を入力する入力部101、参照試料の色情報に基づき色が異なる複数の色票データを生成するとともに、ユーザ指示に基づき複数の色票データの少なくとも一部を変更する色票制御部106、並びに、モニタ211の色特性に基づき複数の色票データを補正し、補正した複数の色票データをモニタ211に出力する色票出力部107を有する。色票制御部106は、ユーザ指示に基づき、参照試料と色票データの組み合わせにおける等色関係を取得するか否かを判定し、等色関係を取得すると判定した場合、当該組み合わせにおける等色関係を記憶部108に格納する。
【選択図】 図2
【解決手段】 色処理装置10は、参照試料の色情報およびモニタ211の色特性を記憶する記憶部102、105、ユーザ指示を入力する入力部101、参照試料の色情報に基づき色が異なる複数の色票データを生成するとともに、ユーザ指示に基づき複数の色票データの少なくとも一部を変更する色票制御部106、並びに、モニタ211の色特性に基づき複数の色票データを補正し、補正した複数の色票データをモニタ211に出力する色票出力部107を有する。色票制御部106は、ユーザ指示に基づき、参照試料と色票データの組み合わせにおける等色関係を取得するか否かを判定し、等色関係を取得すると判定した場合、当該組み合わせにおける等色関係を記憶部108に格納する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、人間の視覚特性を取得する色処理に関する。
色の見え方に対する人間の視覚感度は等色関数として国際照明委員会(CIE)によって標準化されている。一般的なカラーマッチングは、このCIE等色関数を用いてマッチング対象のデバイス(モニタやプリンタ等)の色を数値化し、色を数値的に一致させる方法を用いる。
人間の視覚感度には個人差があり、CIE等色関数は複数の被験者の平均値を採用する。従って、個人の視覚感度は必ずしもCIE等色関数と一致しないことが知られている。
特許文献1は、個人の視覚特性を考慮してカラーマッチングを行う方法を開示する。特許文献1の技術によれば、視覚特性の個人差を考慮するために、まず、各人に印刷物の色票とモニタに表示した色票の色を一致させる等色実験を行わせる。そして、等色実験の結果に基づき、各人に対応する表示色を得るための変換行列を作成し、当該変換行列を用いて画像を変換することで、個人差を吸収したカラーマネジメントを実現する。
等色実験において、色の調整に不慣れなユーザには表示色をどの方向に調整すれば印刷物の色票と表示色が等色するかが分かり辛く、必ずしも最適な実験結果が得られない場合がある。勿論、色の調整に慣れているユーザであっても色の調整には試行錯誤を必要とし、負担が大きくなる問題がある。
本発明は、異なるデバイス間の等色関係を簡易かつ高精度に取得することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかる色処理は、参照試料の色情報および表示装置の色特性を記憶する記憶手段を有し、異なるデバイスの間の等色関係を取得する色処理装置の色処理であって、前記参照試料の色情報に基づき色が異なる複数の色票データを生成し、前記表示装置の色特性に基づき前記生成した複数の色票データを補正し、前記補正した複数の色票データを前記表示装置に出力し、ユーザ指示を入力し、前記ユーザ指示に基づき前記複数の色票データの少なくとも一部を変更し、前記表示装置の色特性に基づき前記変更された複数の色票データを補正し、前記補正した複数の色票データを前記表示装置に出力し、前記ユーザ指示に基づき、前記参照試料と前記色票データの組み合わせにおける等色関係を取得するか否かを判定し、前記等色関係を取得をすると判定した場合、当該組み合わせにおける等色関係を前記記憶手段に格納する。
本発明によれば、異なるデバイス間の等色関係を簡易かつ高精度に取得することができる。
以下、本発明にかかる実施例の色処理を図面を参照して詳細に説明する。
[装置の構成]
図1のブロック図により実施例の色処理を実行する情報処理装置の構成例を示す。
図1のブロック図により実施例の色処理を実行する情報処理装置の構成例を示す。
CPU201は、RAMなどのメインメモリ202をワークメモリとして、ROM209やハードディスクドライブ(HDD)203に格納されたプログラムを実行し、システムバス206を介して後述する構成を制御する。なお、ROM209やHDD203には、後述する色処理を実現するプログラムや各種データが格納されている。
USBやIEEE1394などの汎用インタフェイス(I/F)204には、キーボードやマウスなどの指示入力部207、測定器208、プリンタ210などが接続される。また、ビデオカード(VC)205には、モニタ211が接続される。CPU201は、ユーザインタフェイス(UI)や処理経過や処理結果を示す情報をモニタ211に表示する。
例えば、CPU201は、指示入力部207を介して入力されるユーザ指示に従いROM209、HDD203または記録メディア208に格納されたアプリケーションプログラム(AP)をメインメモリ202の所定領域にロードする。そして、APを実行し、APに従いモニタ211にUIを表示する。
次に、CPU201は、ユーザによるUIの操作に従いHDD203に格納された各種データをメインメモリ202の所定領域にロードする。そして、APに従いメインメモリ202にロードした各種データに所定の演算処理を施す。そして、CPU201は、ユーザによるUIの操作に従い演算処理結果をモニタ205に表示したり、HDD203に格納する。
なお、CPU201は、システムバス206に接続された図示しないネットワークI/Fを介して、ネットワーク上のサーバ装置との間でプログラム、データ、演算処理結果の送受信を行うこともできる。
[論理構成]
図2のブロック図により実施例の色処理装置10の論理構成例を説明する。なお、図2に示す構成は、CPU201がAPを実行することにより実現される。以下では、色処理装置10により、異なるデバイス(例えばプリンタとモニタ)の間の等色実験を行って、個人の視覚特性に対応する等色データテーブルを作成する色処理例を説明する。
図2のブロック図により実施例の色処理装置10の論理構成例を説明する。なお、図2に示す構成は、CPU201がAPを実行することにより実現される。以下では、色処理装置10により、異なるデバイス(例えばプリンタとモニタ)の間の等色実験を行って、個人の視覚特性に対応する等色データテーブルを作成する色処理例を説明する。
図2において、色票制御部106は、モニタ色特性記憶部105に格納された色特性データを色票出力部107に設定し、参照試料記憶部102に格納された参照試料の色情報に基づき色票データを生成し、生成した色票データを色票出力部107に出力する。
色票制御部106は、指示入力部207に対応する入力部101を介して入力されるユーザ指示に応じて色票データを変更し、変更した色票データを色票出力部107に出力する。また、詳細は後述するが、入力部101を介して入力されるユーザ指示に基づき等色関係が得られたと判定すると、判定時点の色票データ(等色実験結果)を参照試料に対応付けて等色データ記憶部108に格納する。
色票出力部107は、設定された色特性データに基づき入力された色票データを補正し、補正した色票データをモニタ211に出力する。モニタ211は、入力される色票データに対応する色票を表示する。
参照試料出力部103は、入力部101を介して入力されるユーザ指示が参照試料の出力を示す場合、参照試料記憶部102に格納された参照試料データをプリンタ210に出力し、プリンタ210に参照試料を印刷させる。
等色データテーブル作成部109は、等色実験が終了すると、等色データ記憶部108に格納された等色実験結果に基づきユーザの個人等色データテーブルを作成し、作成した個人等色データテーブルを等色データ記憶部108に格納する。
測定値入力部110は、測定器208からモニタ211の測色結果を入力し、測色結果に基づきモニタ211の色再現特性を示す色特性データをモニタ色特性記憶部105に格納する。また、プリンタ210が印刷した参照試料の測色結果を測定器208から入力し、測色結果を当該参照試料の測定値として参照試料記憶部102に格納する。
モニタ色特性記憶部105、参照試料記憶部102、等色データ記憶部108は、HDD203の所定領域に割り当てられる。なお、モニタ色特性記憶部105が記憶する色特性データや参照試料記憶部102が記憶する測定値は、測定器208を用いた取得に限らず、外部のサーバ装置などから取得することも可能である。
[ユーザインタフェイス]
図3により色処理装置10がモニタ211に表示するUIの一例を示す。
図3により色処理装置10がモニタ211に表示するUIの一例を示す。
チャート301は、プリンタ210によって印刷された参照試料データに対応する反射原稿のチャート、つまり参照試料である。チャート301に含まれる複数の色票は同一色を有する。
色票表示部302には、複数の色票が表示され、中央の色票は現在選択されている色(以下、中央色)305に対応し、四つの色票は中央色305の周辺の色(以下、周辺色)303、304、306、307に対応する。
図4により中央色305をab平面の原点とした場合の周辺色の位置関係を模式的に示す。中央色305の色度を(0, 0)とすると、図4に示すように、周辺色303は色度(-a, 0)、周辺色304は色度(+a, 0)、周辺色306は色度(0, -b)、周辺色307は色度(b, 0)を有する。ここで、中央色307と各周辺色の色差Dは下式で表される。
D = √(a2 + 0) = √(0 + b2) …(1)
D = √(a2 + 0) = √(0 + b2) …(1)
ここでは、中央色305と各周辺色の色差をすべてDとするが、a軸方向の色差をDaとし、b軸方向の色差をDb(≠Da)としてもよいし、中央色305に対する各周辺色の色差をそれぞれ異ならせてもよい。また、ここでは、モニタ211に表示する色票群をLab空間上の一点(中央色305)とその周辺色の組み合わせにする例を説明するが、これに限定されるものではない。つまり、他の色空間を使用してもよく、中央色と周辺色として複数の色を組み合わせればよい。
[色処理」
図5、図6のフローチャートにより色処理装置10が実行する色処理を説明する。
図5、図6のフローチャートにより色処理装置10が実行する色処理を説明する。
色票制御部106は、モニタ色特性記憶部105からモニタ211の色特性データを取得し(S401)、取得した色特性データを色票出力部107に設定する(S402)。
次に、色票制御部106は、等色実験に用いる色に対応する参照試料の測定値を参照試料記憶部102から取得する(S403)。なお、グレイのN階調(例えばN=1〜255)、一次色、二次色(RGBCMY)など、色票として印刷可能な任意の色、任意の色数を等色実験に用いることができる。ここでは、説明を簡単にするため、グレイの四階調を等色実験に用いる例を説明する。なお、以下の説明においては、用語「階調」と「色」を区別することなく、両者を同じ意味で用いる。
次に、色票制御部106は、等色実験対象の階調を選択し(S404)、選択階調の参照試料の測定値を中央色305の初期値に設定する(S405)。つまり、中央色305を選択階調の参照試料と同色にする。選択した階調の色票の測定値をLPaPbPとすると、中央色305のLab値LCaCbCは下式で表される。
(LC, aC, bC) = (LP, aP, bP) …(2)
(LC, aC, bC) = (LP, aP, bP) …(2)
次に、色票制御部106は、周辺色303、304、306、307を設定する(S406)。各周辺色のLab値は、中央色305に所定の色差Dを加算または減算する下式で表される。
周辺色303:(LC, aC-D, bC)
周辺色304:(LC, aC+D, bC)
周辺色306:(LC, aC, bC-D)
周辺色307:(LC, aC, bC+D) …(3)
周辺色303:(LC, aC-D, bC)
周辺色304:(LC, aC+D, bC)
周辺色306:(LC, aC, bC-D)
周辺色307:(LC, aC, bC+D) …(3)
次に、色票制御部106は、中央色305、周辺色303、304、306、307のLab値を色票出力部107に出力する(S407)。Lab値が入力された色票出力部107は、それらLab値を色特性データに基づき補正して、補正したLab値によってモニタ211のUIに五つの色票を表示する(図3)。
ユーザは、選択階調に対応するチャート301を色票表示部の上側(または下側)に配置して(図3参照)、UIに表示された五つの色票の色とチャート301の色を比較する。なお、色票制御部106は、選択階調に対応するチャートを示す情報を比較の直前にUIに表示する。従って、ユーザは、比較対象のチャート301を適切に選択して使用することができる。
次に、色票制御部106は、入力部101を介してユーザ指示を入力し(S408)、ユーザ指示の内容を判定する(S409)。ユーザ指示が明度調整を示す場合(S409)、ユーザ指示と伴に入力された調整指示に応じて中央色305、周辺色303、304、306、307のL値を変更し(S410)、処理をステップS407に戻す。これにより、変更後のLab値が色票出力部107に出力され、UIに表示された五つの色票の明度が調整される。
また、ユーザ指示が周辺色の選択を示す場合(S409)、色票制御部106は、選択された周辺色(以下、選択色)に応じて中央色305の色度値abを下記のように変更し(S411)、処理をステップS406に戻す。これにより、中央色305の色度変更に応じて各周辺色のLab値が変更され、変更後のLab値が色票出力部107に出力され、UIに表示された中央色、周辺色の色が変化する。
if (選択色 == 周辺色303) {
aC = aC - D;
bC = bC;
}
if (選択色 == 周辺色304) {
aC = aC + D;
bC = bC;
}
if (選択色 == 周辺色306) {
aC = aC;
bC = bC - D;
}
if (選択色 == 周辺色307) {
aC = aC;
bC = bC + D;
} …(4)
if (選択色 == 周辺色303) {
aC = aC - D;
bC = bC;
}
if (選択色 == 周辺色304) {
aC = aC + D;
bC = bC;
}
if (選択色 == 周辺色306) {
aC = aC;
bC = bC - D;
}
if (選択色 == 周辺色307) {
aC = aC;
bC = bC + D;
} …(4)
また、ユーザ指示が中央色305の選択を示す場合(S409)、色票制御部106は、色差DをkD(0<k<1)に縮小し(S412)、縮小後の色差Dが閾値Dth以上か否かを判定する(S413)。縮小後の色差Dが閾値Dth以上(D≧Dth)の場合、色票制御部106は、処理をステップS406に戻す。その結果、縮小後の色差Dに基づき各周辺色の色度値abが変更され、変更後のLab値が色票出力部107に出力され、UIに表示された色票の一部、つまり周辺色の色度だけが変化する。
また、縮小後の色差Dが閾値Dth未満(D<Dth)の場合、色票制御部106は、選択階調の処理終了条件が満たされたと判定し、処理をステップS414に進める。なお、閾値Dthには、例えば、モニタ211に供給する信号値を1レベル変更した場合に再現可能な色の差(つまり、モニタ211の色分解能)を用いる。あるいは、日本色彩研究所の色差等級の値、例えばAAA級許容差〜B級許容差の範囲や、慣例的に用いられる色差(例えば色差1.0)を閾値Dthに用いても構わない。
選択階調の処理終了条件が満たされると、色票制御部106は、中央色305の色値Labを選択階調に対応付けて個人等色データ記憶部108に格納する(S414)。そして、等色実験に用いる全階調を選択したか否かを判定し(S415)、未選択(未処理)の階調があれば処理をステップS404に戻して次の階調を選択してステップS404からS414の処理を繰り返す。また、全階調の処理(等色実験)が終了したと判定した場合は、等色データテーブル作成部109に等色実験終了を通知する。
等色実験終了の通知を受信した等色データテーブル作成部109は、個人等色データ記憶部108に格納されたデータに基づき、個人等色データテーブルを作成する。そして、作成した個人等色データテーブルをユーザに関連付けて個人等色データ記憶部108に格納し(S416)、処理が終了する。
図7により個人等色データテーブルの一例を示す。図6に示す個人等色データテーブルは、等色実験に用いる階調数分の反射原稿のチャート301の色値(試料色)とモニタ211のグレイの色値(表示色)の対応(等色関係)を示す。なお、図6にはXYZ値を記録する例を示すが、Lab値やsRGB値など、色を表す情報を記録すればよい。なお、必要であれば、個人等色データテーブルに等色実験における環境条件(照明光、周囲条件、モニタ211の特定情報など)を例えばユーザ入力に従い含めることができる。
[状態遷移]
図8の状態遷移図によりユーザ指示と処理の遷移の関係を説明する。
図8の状態遷移図によりユーザ指示と処理の遷移の関係を説明する。
色票制御部106は、初期化(S601)において、色票出力部107に対するモニタ211の色特性データの設定、等色実験に用いる色票の測定値の取得、一つ目の階調の選択、中央色および周辺色の設定などを行う。そして、色票表示(S602)において、UIに色票を表示するか、UIに表示した色票を更新して、ユーザ指示の入力を待つ(S603)。
入力されたユーザ指示が明度変更を示す場合、色票制御部106は、明度変更(S604)において中央色および周辺色のL値を変更し、状態S602に戻る。
ユーザ指示が色票の選択を示す場合、色票制御部106は、色票判定(S605)において選択された色票が中央色か周辺色かを判定する。周辺色が選択された場合、色度変更(S606)において中央色および周辺色の色度を変更し、状態S602に戻る。また、中央色が選択された場合、色差縮小(S607)において色差DをkD(0<k<1)に縮小する。そして、閾値判定(S608)において縮小後の色差Dと閾値Dthを比較してD≧Dthならば、色差変更(S609)において周辺色の色度を変更し、状態S602に戻る。
また、D<Dthになると、色票制御部106は、終了判定(S610)において等色実験に用いる全階調の処理(等色実験)が終了したか否かを判定する。未処理の階調がある場合、階調遷移(S611)において次の階調を選択し、選択した階調に対応する中央色および周辺色を設定して、状態S602に戻る。
等色実験が終了すると、等色データテーブル作成部109は、テーブル作成(S611)において、個人等色データテーブルを作成し処理を終了する(S612)。
このように、ユーザがモニタの表示色とチャートの色を比較する等色実験において、ユーザ指示に応じて表示色を制御する。従って、ユーザが自ら表示色を調整する必要はなく、ユーザによる色調整の困難さ、色調整の試行錯誤を防いで、簡易かつ高精度に等色実験結果を得ることができる。
以下、本発明にかかる実施例2の色処理を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例1では、複数の色票を表示し、ユーザの色票の選択結果から等色点を絞り込む手法を説明した。しかし、表示する色票が、必ずしも、等色点に一致する表示にならないことがある。そのような場合、等色点近傍の表示色の色票を延々と繰り返し選択する可能性がある。
図9により等色点近傍の表示色の色票を延々と繰り返し選択する様子を示す。図9に示す白丸は等色点、黒丸は選択された色票の色、矢印は繰り返し、Nは選択回数を表す。つまり、二つの色票の色を交互に選択する往復選択、三つ以上の色票の色を循環的に選択する循環選択などが発生し得る。このような繰り返し選択により等色実験が終了しない場合がある。実施例2では、繰り返し選択を考慮して中央色を制御することで、等色実験を収束に向かわせる手法を説明する。
実施例2の色処理は、ステップS411(図6参照)において、選択色に応じて中央色の色度値を単に変更しない点で異なる。図10のフローチャートにより実施例2における中央色の色度値の変更(S411)を説明する。なお、カウンタNは、ユーザの色票選択回数を表し、少なくとも等色実験の階調選択を行う(S404)度に零にリセットされる。また、色票制御部106は、カウンタNをメインメモリ202に割り当て、N回目にユーザが選択した周辺色の色値Labなどをメインメモリ202の所定領域に格納する。
色票制御部106は、カウント値Nを判定する(S1001)。そして、N<2であれば選択色に応じて中央色の色度値を変更し(S1002)、カウンタNをリセットし(S1003)、処理をステップS406に戻す。
一方、N≧2の場合、色票制御部106は、N回目とN-2回目に選択された周辺色の色度値abに基づき式(5)の判定を行う(S1004)。そして、式(5)を満たす場合は中央色の変更後の色度値を式(6)によって計算し(S1005)、処理をステップS1011へ進める。
if (aN == aN-2 && bN == bN-2) { …(5)
aC = (aN + aN-2)/2;
bC = (bN + bN-2)/2;
} …(6)
if (aN == aN-2 && bN == bN-2) { …(5)
aC = (aN + aN-2)/2;
bC = (bN + bN-2)/2;
} …(6)
式(5)が満たされない場合、色票制御部106は、カウント値Nを判定する(S1006)。そして、N<4であれば選択色に応じて中央色の色度値を変更し(S1002)、カウンタNをリセットし(S1003)、処理をステップS406に戻す。
また、式(5)が満たされず、かつ、N≧4の場合、色票制御部106は、N回目とN-4回目に選択された周辺色の色度値abに基づき式(7)の判定を行う(S1007)。式(7)を満たす場合は、続けて、N-1回目とN-3回目に選択された周辺色の色度値abに基づき式(8)の判定を行う(S1008)。そして、式(8)を満たす場合は式(9)によって中央色の変更後の色度値を計算し(S1009)、式(8)を満たさない場合は式(10)によって中央色の変更後の色度値を計算し(S1010)、処理をステップS1011へ進める。
if (aN == aN-4 && bN == bN-4) { …(7)
if (aN == aN-4 && bN == bN-4) { …(8)
aC = Σai/3;
bC = Σbi/3;
} …(9)
else {
aC = Σai/4;
bC = Σbi/4;
} …(10)
}
ただし、式(9)においてi = N、N-1、N-2、
式(10)においてi = N、N-1、N-2、N-3。
if (aN == aN-4 && bN == bN-4) { …(7)
if (aN == aN-4 && bN == bN-4) { …(8)
aC = Σai/3;
bC = Σbi/3;
} …(9)
else {
aC = Σai/4;
bC = Σbi/4;
} …(10)
}
ただし、式(9)においてi = N、N-1、N-2、
式(10)においてi = N、N-1、N-2、N-3。
式(7)が満たされない場合、色票制御部106は、選択色に応じて中央色の色度値を変更し(S1002)、カウンタNをリセットし(S1003)、処理をステップS406に戻す。なお「N<2」「式(5)が満たされず、かつ、N<4」「N≧4、かつ、式(7)が満たされない」の各場合は、カウンタNのリセットを除き、実施例1のステップS411と同じ処理になる。
また、ステップS1005、S1009またはS1010において、選択が繰り返された周辺色の色度の平均値を算出した場合、色票制御部106は、色差Dをk'D(0<k'<1)に縮小し(S1011)、処理をステップS406に戻す。なお、係数kとk'は例えばk'≦kの関係にする。
図11の状態遷移図により実施例2のユーザ指示と処理の遷移の関係を説明する。実施例1の状態遷移図(図8)と異なるのは、選択色票が中央色か周辺色かを判定する色票判定(S605)と、周辺色が選択された場合の色度変更(S606)の間に、図10に示した色票選択の繰り返しを判定する繰り返し判定(S621)が入ることである。そして、図10に示したように、繰り返し判定(S621)の結果に応じて、色度変更(S606)において中央色の色度値が変更される。
このように、繰り返し判定の結果から等色実験が収束するように、表示する色票の色を制御することができる。
以下、本発明にかかる実施例3の色処理を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例1では、複数の色票を表示し、ユーザの色票の選択結果から等色点を絞り込む手法を説明した。実施例2では、色票の選択が繰り返しに陥らないように色票の色を制御する手法を説明した。しかし、ユーザは、反射原稿の色と表示色が最もマッチングする組み合わせを選択することができず、充分にマッチングしていない色票を選択(誤選択)する可能性がある。誤選択があると、表示される色票すべての色がマッチングが得られない方向にずれ、等色点への到達に時間が掛かったり、等色点への到達が困難になり到達できないこともある。実施例3では、ユーザが誤選択した場合に、誤選択以前の状態に復帰する方法を説明する。
図12により実施例3のUIの一例を示す。実施例3のUIには「戻」ボタン308が備わり、ボタン308がクリックされると、色票制御部106は、表示色票の色を、直前のステップS406やS410の処理で変更される前の色に復帰させる。なお、「戻」ボタン208をUIに表示せずに、指示入力部207のキーボード操作によって、色票の色の復帰機能をユーザが指示するようにしてもよい。
色票制御部106は、ステップS407において中央色の色値を色票出力部107に出力する際、その時点でUIに表示されている中央色の色値(一つ前の色値)をメインメモリ202の所定領域に保持する。そして、入力部101から復帰機能の実行を示すユーザ指示が入力されると、メインメモリ202の所定領域に格納した色値を取得し、取得した色値を中央色に設定して、処理をステップS406に戻す。これにより、中央色の復帰に応じて各周辺色のLab値が変更され(S406)、変更後のLab値が色票出力部107に出力され(S407)、UIに表示された中央色、周辺色の色が一つ前の色に復帰する。
色票制御部106は、戻り機能を、ユーザ指示に基づく割込み処理として実行する。また、メインメモリ202に中央色の初期値以降、中央色が変更される度に中央色の色値を格納しておけば、ユーザ指示が示す回数分、色票の色を復帰させることができる。
図13の状態遷移図により実施例3のユーザ指示と処理の遷移の関係を説明する。実施例1の状態遷移図(図8)と異なるのは、復帰割込(S631)による中央色復帰(S632)が追加されていることである。つまり、復帰割込(S631)が発生すると、中央色復帰(S632)において中央色が復帰され、色票表示(S602)に戻る。その結果、UIに表示された中央色、周辺色の色が一つ前の色に復帰する。
このように、色票の色の復帰を可能にすることで、誤選択により、表示される色票すべての色がマッチングが得られない方向にずれた場合に誤選択以前の状態に色票の色を容易に復帰させることができる。
[変形例]
上記では、実施例3として、実施例1の色処理装置に復帰機能を付加する例を説明したが、復帰機能は実施例2の色処理装置にも付加することができる。
上記では、実施例3として、実施例1の色処理装置に復帰機能を付加する例を説明したが、復帰機能は実施例2の色処理装置にも付加することができる。
また、上記では、参照試料に対応するデバイスを例えばRGBプリンタ、色票を出力するデバイスをモニタにする例を説明したが、等色関係を取得するデバイスは、これらに限定されるものではない。例えば、CMYKプリンタ、プロジェクタなど他の画像入出力デバイスでもよい。
また、上記では、色の測定値としてCIELAB空間のLab値を用いる例を示したが、CIEXYZ空間のXYZ値、CIELUV空間のLuv値、CIECAM97、CIECAM02空間のJab値などでもよい。
また、上記実施例によって作成される等色データテーブルは、入力デバイスと出力デバイスの間のカラーマッチングを行うアプリケーションに利用される。しかし、等色データテーブルを作成する機能を例えばキャリブレーション機能の一部としてデバイスに組み込むこともできる。例えば、出力デバイスであるモニタのキャリブレーション機能に等色データテーブルを作成する機能を組み込むことができる。
[その他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (15)
- 異なるデバイスの間の等色関係を取得する色処理装置であって、
参照試料の色情報および表示装置の色特性を記憶する記憶手段と、
ユーザ指示を入力する入力手段と、
前記参照試料の色情報に基づき色が異なる複数の色票データを生成するとともに、前記ユーザ指示に基づき前記複数の色票データの少なくとも一部を変更する色票制御手段と、 前記表示装置の色特性に基づき前記生成または変更された複数の色票データを補正し、前記補正した複数の色票データを前記表示装置に出力する色票出力手段とを有し、
前記色票制御手段は、前記ユーザ指示に基づき、前記参照試料と前記色票データの組み合わせにおける等色関係を取得するか否かを判定し、前記等色関係を取得すると判定した場合、当該組み合わせにおける等色関係を前記記憶手段に格納する色処理装置。 - 前記色票制御手段は、前記組み合わせにおける等色関係を取得すると判定した場合、次の参照試料に対応する複数の色票データを生成する請求項1に記載された色処理装置。
- 前記色票制御手段は、前記参照試料と前記色票データの組み合わせすべてにおける等色関係の取得が終了したか否かを判定し、
さらに、前記色票制御手段が前記組み合わせすべてにおける等色関係の取得が終了したと判定すると、前記取得された等色関係に基づきユーザの個人等色データを作成する作成手段を有する請求項1または請求項2に記載された色処理装置。 - 前記記憶手段は、前記参照試料を印刷するための参照試料データを記憶し、
さらに、前記参照試料データを印刷装置に出力する参照試料出力手段を有する請求項1から請求項3の何れか一項に記載された色処理装置。 - 前記色票制御手段は、前記複数の色票データとして、前記参照試料と同色の中央色の色票データ、および、前記中央色に所定の色差を加算または減算した周辺色の色票データを生成する請求項1から請求項4の何れか一項に記載された色処理装置。
- 前記表示装置において、前記周辺色の色票データに対応する複数の色票の中央に、前記中央色の色票データに対応する色票が表示される請求項5に記載された色処理装置。
- 前記色票制御手段は、前記ユーザ指示が前記周辺色の選択を示す場合、前記中央色を前記選択された周辺色に変更し、前記変更後の中央色の色票データ、および、前記変更後の中央色に前記所定の色差を加算または減算した周辺色の色票データを生成する請求項5または請求項6に記載された色処理装置。
- 前記色票制御手段は、前記ユーザ指示が前記中央色の選択を示す場合、前記所定の色差を縮小し、前記中央色に前記縮小後の色差を加算または減算した周辺色の色票データを生成する請求項5から請求項7の何れか一項に記載された色処理装置。
- 前記色票制御手段は、前記縮小後の色差と所定の閾値の比較に基づき、前記組み合わせの等色関係を取得するか否かを判定する請求項8に記載された色処理装置。
- 前記閾値は、前記表示装置に出力する信号値を1レベル変更した際に発生する色差である請求項9に記載された色処理装置。
- 前記色票制御手段は、前記ユーザ指示が複数の周辺色を繰り返し選択したことを示す場合、前記中央色を前記複数の周辺色の平均値に変更し、前記所定の色差を縮小し、前記変更後の中央色の色票データ、および、前記変更後の中央色に前記縮小後の色差を加算または減算した周辺色の色票データを生成する請求項5または請求項6に記載された色処理装置。
- 前記繰り返し選択には、二つの周辺色の往復選択、および、三つ以上の周辺色の循環選択が含まれる請求項11に記載された色処理装置。
- 前記色票制御手段は、前記中央色の色票データが生成または変更される度に当該色票データを保持し、前記ユーザ指示が色票の色の復帰を示す場合、前記保持した色票データを用いて前記複数の色票データを生成する請求項1から請求項12の何れか一項に記載された色処理装置。
- 参照試料の色情報および表示装置の色特性を記憶する記憶手段を用いて、異なるデバイスの間の等色関係を取得する色処理方法であって、
前記参照試料の色情報に基づき色が異なる複数の色票データを生成し、
前記表示装置の色特性に基づき前記生成された複数の色票データを補正し、前記補正した複数の色票データを前記表示装置に出力し、
ユーザ指示を入力し、
前記ユーザ指示に基づき前記複数の色票データの少なくとも一部を変更し、
前記表示装置の色特性に基づき前記変更された複数の色票データを補正し、前記補正した複数の色票データを前記表示装置に出力し、
前記ユーザ指示に基づき、前記参照試料と前記色票データの組み合わせにおける等色関係を取得するか否かを判定し、前記等色関係を取得すると判定した場合、当該組み合わせにおける等色関係を前記記憶手段に格納する色処理方法。 - コンピュータを請求項1から請求項13の何れか一項に記載された色処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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JP2012276125A JP2014121021A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 色処理装置およびその方法 |
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