JP2014119537A - 光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2次元画像を視聴する際の、パターン位相差フィルムにおける領域の設定に対応する色味、明暗に係るスジを低減することができるパッシブ方式の画像表示装置を提供する。
【解決手段】透明フィルムによる基材5の一方の面側にパターン位相差部6が設けられ、基材5の他方の面側に反射防止部7が設けられる。パターン位相差部6は、透過光に第1及び第2の位相差をそれぞれ与える第1及び第2の領域A及びBが順次交互に形成された位相差層9を備える。反射防止部7は、微小突起10が密接して配置され、隣接する微小突起10の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、微小突起の一部が、頂点を複数有する多峰性突起であり、残りが、頂点が1個の単峰性突起である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用する光学フィルム及画像表示装置に関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図13は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図13の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図13の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の低い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図13の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向層を作製する方法が開示されている。
また近年、フィルム形状の反射防止物品である反射防止フィルムに関して、透明基材(透明フィルム)の表面に多数の微小突起を密接して配置することにより、反射防止を図る方法が提案されている(特許文献3〜5参照)。この方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、入射光に対する屈折率を基板の厚み方向に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図るものである。
このモスアイ構造に係る反射防止物品では、隣接する微小突起の間隔dが、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長Λmin以下(d≦Λmin)となるよう、微小突起が密接して配置される。また各微小突起は、透明基材に植立するように、さらに透明基材より先端側に向かうに従って徐々に断面積が小さくなるように(先細りとなるように)作製される。
ところでパッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置において、2次元画像を視聴する場合、表示画面にスジが見て取られる場合がある。なおこのスジに係る2次元画像の視聴は、2次元画像表示用の画像データにより画像表示パネルを駆動して2次元画像を表示し、この表示を3次元画像表示用の円偏光メガネを着用しないで視聴する場合である。ここでこのスジは、表示画面を斜め方向より見ると顕著となる。このスジは、パターン位相差フィルムにおいて、右目用の画素からの出射光に対応する位相差を付与する領域と、左目用の画素からの出射光に対応する位相差を付与する領域とで、画面が異なる色味や異なる明るさで観察されて発生するものであり、後述するように、パターン位相差フィルムの表面(視聴者側)で反射して画像表示パネル側に戻る戻り光により発生するものである。このような色味、明暗に係るスジにあっては、極力、低減することが望まれる。
なおパッシブ方式の画像表示装置では、この色味、明暗に係るスジを含めて、種々のスジの発生が広く知られている。具体的に、3次元画像表示の際に、右目用及び左目用にそれぞれ偶数ライン及び奇数ラインが割り当てられることにより、原理的に、右目用領域及び左目用領域に係るスジが見えることになる。しかしながら上述の色味、明暗に係るスジは、2次元画像を視聴する場合に発生することにより、このパッシブ方式の画像表示装置における原理的なスジとは異なるものである。
またパッシブ方式の画像表示装置では、3次元表示時の視差の影響を低減することを目的に、2次元表示のみの画像表示装置や、アクティブ型の画像表示装置に比して、画素間の遮光部(ブラックマトリックス)を幅広に作製する。従ってこの幅広に作製した遮光部が見て取られてスジが知覚されてしまう場合もあるが、上述の色味、明暗に係るスジは、この遮光部によるスジとも異なるものである。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報 特開昭50−70040号公報 特表2003−531962号公報 特許第4632589号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式の画像表示装置において、2次元画像を視聴する際の、パターン位相差フィルムにおける領域の設定に対応する色味、明暗に係るスジを低減することができる光学フィルム及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、パターン位相差フィルムに係る位相差層の斜め透過光が、出射面で反射して位相差層に戻らないようにするとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 透明フィルムによる基材の一方の面側にパターン位相差部が設けられ、前記基材の他方の面側に反射防止部が設けられた光学フィルムであって、
前記パターン位相差部は、
透過光に第1及び第2の位相差をそれぞれ与える第1及び第2の領域が順次交互に形成された位相差層を備え、
前記反射防止部は、
微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、
前記微小突起の一部が、頂点を複数有する多峰性突起であり、残りが、頂点が1個の単峰性突起である
ことを特徴とする光学フィルム。
(1)によれば、密接した微小突起による反射防止部により、さらにはこの反射防止部が多峰性突起を備えることにより、出射面で反射してパターン位相差部に戻る反射光を格段に低減することができる。従ってこの反射光による色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(2) (1)において、前記多峰性突起は、
各頂点に係る峰が、突起の中央を囲むように配置されて、前記峰の境界により頂部が中央より放射状に分割された形状である。
(2)によれば、より具体的に、多峰性突起により色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(3) 前記基材と前記パターン位相差部との間、又は前記基材と前記反射防止部との間にCプレートが設けられる。
(3)によれば、Cプレートの機能により、斜め透過光における楕円偏光の程度を軽減することができ、これにより一段と色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(4) (1)又は(2)において、前記基材がCプレートである。
(4)によれば、基材によるCプレートの機能により、斜め透過光における楕円偏光の程度を軽減することができ、これにより簡易な構成で、一段と色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(5) (1)又は(2)において、前記基材が、前記パターン位相差部が設けられた第1の基材と、前記反射防止部が設けられた第2の記載との積層体である。
(5)によれば、別工程によりパターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ作製した後、積層して光学フィルムを作製することができる。
(6) (5)において、各部材間では界面における屈折率差が0.3未満となるように設定された。
(6)によれば、界面における反射を実用上十分に低減して、2次元画像を視聴する際の、色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(7) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の何れかに記載の光学フィルムを画像表示パネルの表面に配置した画像表示装置。
(7)によれば、2次元画像を視聴する際の、色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(8) 画像表示パネルのパネル面に、第1の光学フィルム、透明板材、第2の光学フィルムが順次配置された画像表示装置であって、
前記第1の光学フィルムは、
透明フィルムによる第1の基材の前記パネル面側にパターン位相差部が設けられ、
前記パターン位相差部は、
透過光に第1及び第2の位相差をそれぞれ与える第1及び第2の領域が順次交互に形成された位相差層を備え、
前記第2の光学フィルムは、
透明フィルムによる第2の基材の前記パネル面とは逆側面に反射防止部が設けられ、
前記反射防止部は、
微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、
前記微小突起の一部が、頂点を複数有する多峰性突起であり、残りが、頂点が1個の単峰性突起である。
(8)によれば、密接した微小突起による反射防止部により、さらにはこの反射防止部が多峰性突起を備えることにより、出射面で反射してパターン位相差部に戻る反射光を格段に低減することができる。従ってこの反射光による色味、明暗に係るスジを低減することができる。
(9) (8)において、前記第1及び第2の光学フィルム間では、界面における屈折率差が0.3未満となるように設定される。
(9)によれば、界面における反射を実用上十分に低減して、2次元画像を視聴する際の、色味、明暗に係るスジを低減することができる。
パッシブ方式の画像表示装置において、2次元画像を視聴する際の、パターン位相差フィルムにおける領域の設定に対応する色味、明暗に係るスジを低減することができる光学フィルム及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用される光学フィルムを示す図である。 隣接突起の説明に供する図である。 極大点の説明に供する図である。 ドロネー図を示す図である。 隣接突起間距離の計測に供する度数分布図である。 微小高さの説明に供する度数分布図である。 微小突起の説明に供する図である。 図1の光学フィルムの製造工程を示す図である。 図8のパターン位相差部作製工程を示す図である。 図8の反射防止部の製造工程を示す図である。 ロール版の製図工程を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る画像表示装置に適用される光学フィルムを示す図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用される光学フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置1は、2次元画像表示モードと3次元画像表示モードとを備え、2次元画像表示モードでは、連続する画像データにより画像表示パネルである液晶表示パネル2を駆動して2次元画像を表示する。また3次元画像表示モードでは、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネル2の画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動する。これにより画像表示装置1は、液晶表示パネル2による表示画面を、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに交互に区分し、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この画像示パネルのパネル面(視聴者側面)に、光学フィルム3が配置され、この光学フィルム3により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置1は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここで光学フィルム3は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材5の一方の面上に、パターン位相差フィルムとしての構成に係るパターン位相差部6が設けられ、この基材5の他方の面上に、モスアイ構造により反射防止を図る反射防止部7が設けられる。光学フィルム3は、このパターン位相差部6がパネル面側となるようにして、粘着層4により液晶表示パネル2のパネル面に配置される。
これによりこの実施形態では、色味、明暗に係るスジを低減する。すなわち種々に実験した結果によれば、色味、明暗に係るスジは、領域A、Bの幅が広い場合に顕著であることが判った。特に、領域の幅が、300μmより広いと視認しやすく、500μmでは容易に視認できるようになる。そのためこの色味、明暗に係るスジを低減する構成にあっては、より大画面で著しい効果を奏することになる。
また色味、明暗に係るスジは、パターン位相差フィルムの出射面(画像表示装置の最表面)に、多数のガラス板を空気層を介して積層して配置すると顕著になることが判った。なおスジは外光があっても、なくても視認される。これらにより色味、明暗に係るスジは、パターン位相差フィルムの各領域A及びB内おいて、位相差層の透過光が、パターン位相差フィルムの出射面で反射して液晶表示パネル側に戻る戻り光により発生すると考えられる。
より詳しくは、パターン位相差フィルムの出射面で反射して液晶表示パネル側に戻る戻り光は、液晶表示パネルの偏光板に到達する際に偏光しており、パターン位相差フィルムの位相差層の影響により、領域A及びBでこの偏光状態が異なっていることになる。その結果、この戻り光は、液晶表示パネルに対する吸収率が領域Aと領域Bとで異なることになると考えられる。これにより色味、明暗に係るスジが発生することになる。なおパターン位相差フィルムの出射面側から偏光板に到達する光には、このような反射光による戻り光の他にも、外光も存在することになる。これらのうち反射光は、そもそもバックライトから出た光が、液晶表示パネル内の偏光板を通ってパターン位相差フィルムの出射面で反射することにより偏光している。また、外光についても、斜めから入射する場合は、s波とp波で偏光する。またさらに位相差層の斜め透過光がこのように反射することにより、領域A及び領域Bで、このような斜め透過光の楕円率及び楕円方位角が異なることになり、これらにより色味、明暗に係るスジは、領域A及び領域Bで色味、明るさが異なって観察されて発生するものであると判った。
モスアイ構造による反射防止にあっては、減反射コート(ARコート:Anti−Reflection coat)等による反射防止手法に比して、格段的に効果的に反射防止を図ることができる。特に、色味、明暗に係るスジに係る位相差層の斜め透過光に対しては、他の反射防止手法に比して格段的に反射防止を図ることができる。これによりこの実施形態では、モスアイ構造による反射防止部7を設けることにより、色味、明暗に係るスジの発生を低減することができる。
〔パターン位相差部〕
ここでパターン位相差部6は、基材5の面上に、配向層9、位相差層8が順次作製される。パターン位相差部6は、位相差層8が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向層9の配向規制力によりパターンニングする。このパターンニングにより、パターン位相差部6は、液晶表示パネル2における画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域)Aと左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
配向層9は、基材5の表面に、光配向材料により光配向材料層が作製された後、いわゆる光配向の手法により、この光配向材料層に直線偏光による紫外線を照射し、これにより光配向層により形成される。ここでこの光配向材料層に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層8に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域A及び左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。因みに、光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されており、例えばRolic社製の「ROP-103」の商品名により既に市販されている。
〔反射防止部〕
反射防止部7は、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下の間隔により、基材5の表面に多数の微小突起10を密接配置して作製される。反射防止部7は、基材5上に、微小突起群からなる微細な凹凸形状の受容層となる未硬化状態の樹脂層(以下、適宜、受容層と呼ぶ)を形成し、該受容層を賦型処理して硬化せしめ、これにより基材5の表面に微小突起10が密接して配置される。この実施形態では、この受容層に、賦型処理に供する賦型用樹脂の1つであるアクリレート系紫外線硬化性樹脂が適用され、基材5上に紫外線硬化性樹脂層11が形成される。反射防止部7は、この微小突起10による凹凸形状により厚み方向に徐々に屈折率が変化するように作製され、モスアイ構造の原理により広い波長範囲で入射光の反射を低減する。
なおこれにより反射防止部7に作製される微小突起10は、隣接する微小突起10の間隔dが、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長Λmin以下(d≦Λmin)となるよう密接して配置される。この実施形態では、液晶表示パネル2に配置することにより、この最短波長は、個人差、視聴条件を加味した可視光領域の最短波長(380nm)に設定され、間隔dは、ばらつきを考慮して100〜300nmとされる。またこの間隔dに係る隣接する微小突起10は、いわゆる隣り合う微小突起10であり、基材5側の付け根部分である微小突起10の裾の部分が接している突起10である。反射防止部7では微小突起10が密接して配置されることにより、微小突起10間の谷の部位を順次辿るようにして線分を作成すると、平面視において各微小突起10を囲む多角形状領域を多数連結してなる網目状の模様が作製されることになる。間隔dに係る隣接する微小突起10は、この網目状の模様を構成する一部の線分を共有する突起10である。
なお微小突起10に関しては、より詳細には以下のように定義される。モスアイ構造による反射防止では、透明基材表面とこれに隣接する媒質との界面における有効屈折率を、厚み方向に連続的に変化させて反射防止を図るものであることから、微小突起10に関しては一定の条件を満足することが必要である。この条件のうちの1つである突起10の間隔に関して、例えば特開昭50−70040号公報、特許第4632589号公報等に開示のように、微小突起10が一定周期で規則正しく配置されている場合、隣接する微小突起10の間隔dは、突起配列の周期P(d=P)となる。これにより可視光線帯域の最長波長をλmax、最短波長をλminとした場合に、最低限、可視光線帯域の最長波長において反射防止効果を奏し得る必要最小限の条件は、Λmin=λmaxであるため、P≦λmaxとなり、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得る必要十分の条件は、Λmin=λminであるため、P≦λminとなる。
なお波長λmax、λminは、観察条件、光の強度(輝度)、個人差等にも依存して多少幅を持ち得るが、標準的には、λmax=780nm及びλmin=380nmとされる。これらにより可視光線帯域の全波長に対する反射防止効果をより確実に奏し得る好ましい条件は、d≦300nmであり、より好ましい条件は、d≦200nmとなる。なお反射防止効果の発現及び反射率の等方性(低角度依存性)の確保等の理由から、周期dの下限値は、通常、d≧50nm、好ましくは、d≧100nmとされる。これに対して突起10の高さHは、十分な反射防止効果を発現させる観点より、H≧0.2×λmax=156nm(λmax=780nmとして)とされる。
しかしながらこの実施形態のように、微小突起10が不規則に配置されている場合には、隣接する微小突起10間の間隔dはばらつきを有することになる。より具体的には、図2に示すように、基材の表面又は裏面の法線方向から見て平面視した場合に、微小突起10が一定周期で規則正しく配列されていない場合、突起10の繰り返し周期Pによっては隣接突起間の間隔dは規定し得ず、また隣接突起の概念すら疑念が生じることになる。そこでこのような場合、以下のように算定される。
(1)すなわち先ず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて突起10の面内配列(突起10配列の平面視形状)を検出する。なお図2は、実際に原子間力顕微鏡により求められた拡大写真である。
(2)続いてこの求められた面内配列から各突起10の高さの極大点(以下、単に極大点と呼ぶ)を検出する。なお極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。図3は、図2に示した拡大写真に係る画像データの処理による極大点の検出結果を示す図であり、この図において黒点により示す個所がそれぞれ各突起10の極大点である。なおこの処理では4.5×4.5画素のガウシアン特性によるローパスフィルタにより事前に画像データを処理し、これによりノイズによる極大点の誤検出を防止した。また8画素×8画素による最大値検出用のフィルタを順次スキャンすることにより1nm(=1画素)単位で極大点を求めた。
(3)次に検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。ここでドロネー図とは、各極大点を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。図4は、図3から求められるドロネー図(白色の線分により表される図である)を図3による原画像と重ね合わせた図である。ドロネー図は、ボロノイ図(Voronoi diagram)と双対の関係に有る。またボロノイ分割とは、各隣接母点間を結ぶ線分(ドロネー線)の垂直2等分線同士によって画成される閉多角形の集合体からなる網状図形で平面を分割することを言う。ボロノイ分割により得られる網状図形がボロノイ図であり、各閉領域がボロノイ領域である。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(以下、隣接突起間距離と呼ぶ)の度数分布を求める。図5は、図4のドロネー図から作成した度数分布のヒストグラムである。なお図2に示すように、突起10の頂部に溝状等の凹部が存在したり、あるいは頂部が複数の峰に分裂している場合は、求めた度数分布から、このような突起10の頂部に凹部が存在する微細構造、頂部が複数の峰に分裂している微細構造に起因するデータを除去し、突起本体自体のデータのみを選別して度数分布を作成する。
具体的には、突起10の頂部に凹部が存在する微細構造、頂部が複数の峰に分裂している多峰性の微小突起10に係る微細構造においては、このような微細構造を備えてい無い単峰性の微小突起10の場合の数値範囲から、隣接極大点間距離が明らかに大きく異なることになる。これによりこの特徴を利用して対応するデータを除去することにより突起本体自体のデータのみを選別して度数分布を検出する。より具体的には、例えば図2に示すような微小突起10(群)の平面視の拡大写真から、5〜20個程度の互いに隣接する単峰性微小突起10を選んで、その隣接極大点間距離の値を標本抽出し、この標本抽出して求められる数値範囲から明らかに外れる値(通常、標本抽出して求められる隣接極大点間距離平均値に対して、値が1/2以下のデータ)を除外して度数分布を検出する。図5の例では、隣接極大点間距離が56nm以下のデータ(矢印Aにより示す左端の小山)を除外する。なお図5は、このような除外する処理を行う前の度数分布を示すものである。因みに上述の極大点検用のフィルタの設定により、このような除外する処理を実行してもよい。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布から平均値dAVG及び標準偏差σを求める。ここでこのようにして得られる度数分布を正規分布とみなして平均値dAVG及び標準偏差σを求めると、図5の例では、平均値dAVG=158nm、標準偏差σ=38nmとなった。これにより隣接突起間距離dの最大値を、dmax=dAVG+2σとし、この例ではdmax=234nmとなる。
なお同様の手法を適用して突起の高さを定義する。この場合、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。図6は、このようにして求められる突起付け根位置を基準(高さ0)とした突起高さHの度数分布のヒストグラムである。このヒストグラムによる度数分布から突起高さの平均値HAVG、標準偏差σを求める。ここでこの図6の例では、平均値HAVG=178nm、標準偏差σ=30nmである。これによりこの例では、突起の高さは、平均値HAVG=178nmとなる。なお図6に示す突起高さHのヒストグラムにおいて、多峰性の微小突起の場合は、頂点を複数有していることにより、1つの突起に対してこれら複数のデータが混在することになる。そこでこの場合は麓部が同一の微小突起に属するそれぞれ複数の頂点の中から高さの最も高い頂点を、当該微小突起の突起高さとして採用して度数分布を求める。
なお上述した突起10の高さを測る際の基準位置は、隣接する微小突起10の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。但し、係る谷底の高さ自体が場所によって異なる場合は、(1)先ず、基材5の表面又は裏面から測った各谷底の高さの平均値を、該平均値が收束するに足る面積の中で算出する。(2)次いで、該平均値の高さを持ち、基材5の表面又は裏面と平行な面を基準面として考える。(3)その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各微小突起10の高さを算出する。
突起が不規則に配置されている場合には、このようにして求められる隣接突起間距離の最大値dmax=dAVG+2σ、突起の高さの平均値HAVGが、規則正しく配置されている場合の上述の条件を満足することが必要であることが判った。具体的には、反射防止効果を発現する微小突起間距離の条件は、dmax≦Λminとなる。最低限、可視光線帯域の最長波長において反射防止効果を奏し得る必要最短限の条件は、Λmin=λmaxであるため、dmax≦λmaxとなり、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得る必要十分の条件は、Λmin=λminであるため、dmax≦λminとなる。そして、可視光線帯域の全波長に対する反射防止効果をより確実に奏し得る好ましい条件は、dmax≦300nmであり、更に好ましい条件は、dmax≦200nmである。また反射防止効果の発現及び反射率の等方性(低角度依存性)の確保等の理由から、通常、dmax≧50nmであり、好ましくは、dmax≧100nmとされる。また突起高さについては、十分な反射防止効果を発現する為には、HAVG≧0.2×λmax=156nm(λmax=780nmとして)とされる。
因みに、図2〜図6の例により説明するとdmax=234nm≦λmax=780nmとなり、dmax≦λmaxの条件を満足して十分に反射防止効果を奏し得ることが判る。また可視光線帯域の最短波長λminが380nmであることから、可視光線の全波長帯域において反射防止効果を発現する十分条件dmax≦λminも満たすことが判る。また平均突起高さHAVG=178nmであることにより、平均突起高さHAVG≧0.2×λmax=156nmとなり(可視光波長帯域の最長波長λmax=780nmとして)、十分な反射防止効果を実現するための突起の高さに関する条件も満足していることが判る。なお標準偏差σ=30nmであることから、HAVG−σ=148nm<0.2×λmax=156nmとの関係式が成立することから、統計学上、全突起の50%以上、84%以下が、突起の高さに係る条件(178nm以上)の条件を満足していることが判る。なおAFM及びSEMによる観察結果、並びに微小突起の高さ分布の解析結果から、多峰性の微小突起は相対的に高さの低い微小突起よりも高さの高い微小突起でより多く生じる傾向にあることが判明した。
〔多峰性突起〕
ここで図7は、反射防止部7の詳細構成を示す図である。図7(a)は、微小突起の連続する頂点を結ぶ折れ線により断面を取って示す図である。図7(b)及び(c)は、多峰性突起の側面図及び断面図である。図7(b)及び(c)において、xy方向は、基材5の面内方向であり、z方向は微小突起10の高さ方向である。
この実施形態において、反射防止部7は、不規則な配置により、単峰性突起と多峰性突起10A、10Bとが混在するように形成される。ここで単峰性突起は、頂点が1つの突起である。多峰性突起10A、10Bは、頂点を複数有する突起であり、頂部に凹部が存在する微細構造を備えた突起、頂部が複数の峰に分裂している突起である。
反射防止部7において、多くの微小突起10は、基材5より離れて頂点に向かうに従って徐々に断面積(高さ方向に直交する面(図7においてXY平面と平行な面)で切断した場合の断面積)が小さくなって、頂点が1つにより作製される。これにより反射防止部7の微小突起10は、多くが単峰性突起である。なお単峰性突起の形状は、概略、回転放物面の様な頂部の丸い形状、或いは円錐の様な頂点の尖った形状で近似することができる。
しかしながら中には、複数の微小突起10が結合したかのように、頂点が2つになったもの(10A)、頂点が3つになったもの(10B)、さらには頂点が4つ以上のもの(図示略)が存在する。このような形状の微小突起が多峰性突起である。図7(c)により示すように、多峰性突起は、各頂点に係る峰が、突起の中央を囲むように配置されて、隣接する峰の境界により頂部が中央より放射状に分割された形状により形成される。多峰性突起において、この峰の境界は、観測に供する顕微鏡によっては、溝状に見て取られる場合もある。
反射防止部7にあっては、この多峰性突起の混在により、単峰性の微小突起10のみによる場合に比して反射防止の性能を向上することができる。これにより一段と色味、明暗に係るスジを防止することができる。
すなわち図7に示すような多峰性の微小突起10A、10B等は、隣接突起間距離が同じ場合であっても、また高さが同じ場合であっても、単峰性の微小突起10と比べて、より光の反射率が低減することになる。その理由は、多峰性の微小突起10A、10Bは、頂部より下(中腹及び麓)の形状が同じ単峰性の微小突起10よりも、頂部近傍における有効屈折率の高さ方向の変化率が小さくなる為である。
すなわち図7において、z=0を高さH=0とおき、高さ方向(Z軸方向)に直交する仮想的切断面Z=zで微小突起10、10A等を切断したと仮定した場合の面Z=zにおける微小突起と周辺の媒質(通常は空気)との屈折率の平均値として得られる有効屈折率nefは、切断面Z=zにおける周辺媒質(ここでは空気とする)の屈折率をn=1、微小突起10、10A、・・の構成材料の屈折率をn>1とし、又周辺媒質(空気)の断面積の合計値をS(z)、微小突起10、10A、・・の断面積の合計値をS(z)としたとき、
ef(z)=1×S(z)/(S(z)+S(z))+n×S(z)/(S(z)+S(z))(式1)
で表される。これは、周辺媒質の屈折率n及び微小突起構成材料の屈折率nを、各々周辺媒質の合計断面積S(z)及び微小突起の合計断面積の合計値S(z)で比例配分した値となる。
ここで、単峰性の微小突起10を基準にして考えたときに、多峰性の微小突起10A、10B、・・は、頂部近傍が複数の峰に分裂している。そのため、頂部近傍を切断する仮想的切断面Z=zにおいて、多峰性の微小突起10A、10B、・・は、単峰性の微小突起10、・・に比べて相対的に低屈折率である周辺媒質の合計断面積S(z)の比率が、相対的に高屈折率である微小突起の合計断面積S(z)の比率に比べて、より増大することになる。
その結果、仮想的切断面Z=zにおける有効屈折率nef(z)は、多峰性の微小突起10A、10B、・・の方が単峰性の微小突起10、・・に比べて、より周辺媒質の屈折率nに近くなる。面Z=zにおける多峰性の微小突起の有効屈折率と周辺媒質の屈折率との差を|nef(z)−n(z)|multi、単峰性の微小突起の有効屈折率と周辺媒質の屈折率との差を|nef(z)−n(z)|monoとすると、
|nef(z)−n(z)|multi<|nef(z)−n(z)|mono(式2)
となる。ここでn(z)=1とすると、
|nef(z)−1|multi<|nef(z)−1|mono(式2A)
となる。
これにより頂部近傍において、多峰性の微小突起10を含む微小突起群(各微小突起間に周辺媒質を含む)については、単峰性の微小突起10のみからなる突起群に比べて、その有効屈折率と周辺媒質(空気)の屈折率との差、より詳細に言えば、微小突起10の高さ方向の単位距離当たりの屈折率の変化率をより低減化すること、換言すれば、屈折率の高さ方向変化の連続性をより高めることが可能になることが判る。
一般に、隣接する屈折率nの媒質と屈折率nの媒質との界面に光が入射する場合に、該界面における光の反射率Rは、入射角=0として、
R=(n−n/(n+n(式3)
となる。この式より界面両側の媒質の屈折率差n−nが小さいほど界面での光の反射率Rは減少し、(n−n)が値0に近づけばRも値0に近づくことになる。
(式2)、(式2A)及び(式3)より、多峰性の微小突起10A、10B、・・を含む微小突起群(各微小突起間に周辺媒質を含む)については、単峰性の微小突起10、・・のみからなる突起群に比べて光の反射率が低減する。
なお単峰性の微小突起10のみからなる微小突起群を用いても、隣接突起間距離の最大値dmaxを反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長λmin以下の十分小さな値にすることによって、十分な反射防止効果を発現することは可能である。但し、その場合、隣接峰間の距離と隣接微小突起間距離とが同一となる為、隣接微小突起間が接触、一体複合化する現象(いわゆるスティッキング)が発生し易くなる。スティッキングを生じると、実質上の隣接突起間距離dは一体複合化した微小突起数の分だけ増加する。
例えば、d=200nmの微小突起10が4個スティッキングすると、実質上、スティッキングして一体化した突起10の大きさは、d=4×200nm=800nm>可視光線帯域の最長波長(780nm)となり、これにより局所的に反射防止効果を損なうことになる。
一方、多峰性の微小突起10A、10B、・・からなる微小突起群の場合、頂部近傍の各峰間の隣接突起間距離dPEAKは、麓から中腹にかけての微小突起本体部の隣接突起間距離dBASEよりも小さくなり(dPEAK<dBASE)、通常、dPEAK=dBASE/4〜dBASE/2程度である。その為、各峰間の隣接突起間距離dPEAK≪λminとすることで十分な反射防止性能を得ることができる。但し、多峰性の微小突起の各峰部は、麓部の幅に対する峰部の高さの比が小さく、単峰性の微小突起の麓部の幅に対する頂点の高さの比の1/2〜1/10程度である。従って、同じ外力に対して、多峰性微小突起の峰部は単峰性の微小突起に比べて変形し難い。且つ、多峰性微小突起の本体部自体は峰部よりも隣接突起間距離が大であり、且つ強度も大である。その為、結局、多峰性の微小突起からなる微小突起群は、単峰性の微小突起からなる突起群に比べて、スティッキングの生じ難さと低反射率とを容易に両立させることができる。
なおこのような多峰性突起は、単峰性突起に比して頂点近傍の寸法に対する裾の部分の太さが相対的に太くなる。これにより、多峰性突起は、単峰性突起に比して機械的強度が優れていると言える。これによりモスアイ構造による反射防止部を設ける構成では、耐擦傷性を向上させることができ、表面の傷付き等を防止することができる。
〔製造工程〕
図8は、光学フィルム3の製造工程を示す図である。この製造工程は、パターン位相差部作製工程において(ステップSP2)、フィルム基材5の一方の面上にパターン位相差部6を作製した後、反射防止部作製工程(ステップSP3)において、この基材5の他方の面上に反射防止部7が設けられて作製される。なおパターン位相差部6及び反射防止部7の作製順序は、入れ替えるようにしてもよい。
図9は、このパターン位相差部製造工程を示す図である。この製造工程は、ロールより基材5を順次引き出して光配向材料により光配向材料膜が作成される(ステップSP11)。続いてこの工程は、露光マスクにより領域Bをマスクして直線偏光による紫外線を照射し(ステップSP12)、またこれと偏光方向が90度異なる方向に設定された直線変更による紫外線を全面に照射し(ステップSP13)、これにより光配向の手法を適用して配向膜9を作製する。
続いてこの工程は、配向膜9の表面に、位相差層8に係る液晶材料を塗付し(ステップSP14)、その後、乾燥工程(ステップSP15)を経た後、紫外線の照射により、配向膜8の配向規制力によりこの液晶材料を配向させた状態で硬化させ、これにより位相差層8を作製する。この工程は、このようにしてパターン位相差部6を作製すると、粘着層4、保護フィルムを順次配置して反射防止部作製工程に搬送する。
図10は、この反射防止部作製工程を示す図である。この製造工程40は、樹脂供給工程において、ダイ42により基材5に紫外線硬化性樹脂11aを塗布する。なお紫外線硬化性樹脂11aの塗布については、ダイによる場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いてこの製造工程40は、押圧ローラ44により、反射防止フィルム製造金型であるロール版43の周側面に基材5を加圧押圧し、これにより基材5に紫外線硬化性樹脂11aを密着させると共に、ロール版43の周側面に作製された微細な凹部に紫外線硬化性樹脂11aを充分に充填させる。この製造工程40は、この状態で、紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂11aを硬化させ、これにより微小突起を作製する。この製造工程は、続いて剥離ローラ45を介してロール版43から基材5を剥離する。製造工程40は、必要に応じてこの基材5に保護フィルムを配置した後、所望の大きさに切断して光学フィルム3を生産する。
ここでロール版43は、円筒形状の金属材料である母材の周側面に、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、反射防止部7の微小突起に対応する微細な凹凸形状が作製され、この微細な凹凸形状が上述したように基材5に賦型される。このため母材は、少なくとも周側面に純度の高いアルミニウム層が設けられた円柱形状又は円筒形状の部材が適用される。より具体的に、この実施形態では、母材に中空のアルミニウムパイプが適用され、直接に又は各種の中間層を介して、純度の高いアルミニウム層が周側面に設けられる。なおアルミニウムパイプに代えて、ステンレス、銅等のパイプ材等を適用してもよい。ロール版43は、陽極酸化処理とエッチング処理との繰り返しにより、母材の周側面に微細穴が密に作製され、この微細穴を掘り進めると共に、開口部に近付くに従ってより大きな径となるようにこの微細穴の穴径を徐々に拡大して凹凸形状が作製される。これによりロール版43は、深さ方向に徐々に穴径が小さくなる微細穴が密に作製され、反射防止物品1には、この微細穴に対応して、頂部に近付くに従って徐々に径が小さくなる多数の微小突起により微細な凹凸形状が作製される。その際に、アルミニウム層の純度(不純物量)や結晶粒径、陽極酸化処理及び/又はエッチング処理等の諸条件を適宜調整することによって、本発明特有の微小突起形状とする。
図11は、ロール版43の製造工程を示す図である。この製造工程は、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の周側面を超鏡面化する(電解研磨)。続いてこの工程は、母材の周側面にアルミニウムをスパッタリングし、純度の高いアルミニウム層を作製する。続いてこの工程は、陽極酸化工程A1、…、AN、エッチング工程E1、…、ENを交互に繰り返して母材を処理し、ロール版43を作製する。
この製造工程において、陽極酸化工程A1、…、ANでは、陽極酸化法により母材の周側面に微細な穴を作製し、さらにこの作製した微細な穴を掘り進める。ここで陽極酸化工程では、例えば負極に炭素棒、ステンレス板材等を使用する場合のように、アルミニウムの陽極酸化に適用される各種の手法を広く適用することができる。また溶解液についても、中性、酸性の各種溶解液を使用することができ、より具体的には、例えば硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用することができる。この製造工程A1、…、ANは、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微細な穴をそれぞれ目的とする深さ及び微小突起形状に対応する形状に作製する。
続くエッチング工程E1、…、ENは、金型をエッチング液に浸漬し、陽極酸化工程A1、…、ANにより作製、掘り進めた微細な穴の穴径をエッチングにより拡大し、深さ方向に向かって滑らか、かつ徐々に穴径が小さくなるように、これら微細な穴を整形する。なおエッチング液については、この種の処理に適用される各種エッチング液を広く適用することができ、より具体的には、例えば硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用することができる。これらによりこの製造工程では、陽極酸化処理とエッチング処理とを交互にそれぞれ複数回実行することにより、賦型に供する微細穴を母材の周側面に作製する。
ここで多峰性の微小突起は、対応する形状の凹部を備えた微小穴により作成されるものであり、このような微小穴は、ロール版43において、極めて近接して作製された微細穴が、エッチング処理により、一体化して作製されると考えられる。これにより多峰性の微小突起と単峰性の微小突起とを混在させるには、陽極酸化により作製される微細穴の間隔を大きくばらつかせることにより実現することができ、陽極酸化処理におけるばらつきを大きくすることにより実現することができる。
また微細穴の高さのばらつきは、ロール版に作製される微細穴の深さのばらつきによるものであり、このような微細穴の深さのばらつきについても、陽極酸化処理におけるばらつきに起因するものと言える。
これらによりこの実施形態では、ばらつきが大きくなるように、陽極酸化処理における条件を設定し、頂点が複数の微小突起と単峰性の微小突起とが混在し、かつ微小突起の高さがばらついた反射防止物品を生産する。
ここで陽極酸化処理における印加電圧(化成電圧)と微細穴の間隔とは比例関係にあり、さらに一定範囲より印加電圧が逸脱するとばらつきが大きくなる。これにより濃度0.01M〜0.03Mの硫酸、シュウ酸、リン酸の水溶液を使用して、電圧15V(第1工程)〜35V(第2工程:第1工程に対して約2.3倍)の印加電圧により、多峰性の微小突起と単峰性の微小突起とが混在し、かつ微小突起の高さがばらついた反射防止物品生産用のロール版を作製することができる。なお印加電圧が変動すると、微細穴の間隔のばらつきが大きくなることにより、例えば直流電源によりバイアスした交流電源を使用して印加用電圧を生成する場合等、印加電圧を意図的に変動させてもよい。また電圧変動率の大きな電源を使用して陽極酸化処理を実行してもよい。
図2に示した例は、水温20℃、濃度0.02Mのシュウ酸水溶液を適用して印加電圧40Vにより120秒、陽極酸化処理を実行したものである。またエッチング処理には、第1工程に同上の陽極酸化液、第2工程に水温20℃、濃度1.0Mのリン酸水溶液を適用した。陽極酸化処理とエッチング処理との回数は、それぞれ3(〜5)回である。
この実施の形態によれば、基材5にパターン位相差部と反射防止部とを設けるようにして、反射防止部で微小突起により反射防止を図るようにし、さらにこの微小突起に多峰性突起を含ませることにより、出射面で反射してパターン位相差部に戻る反射光を格段に低減することができる。従ってこの反射光による色味、明暗に係るスジを低減することができる。
またこの多峰性突起が、突起の中央を囲むように各頂点に係る峰が配置されて、峰の境界により頂部が中央より放射状に分割した形状であることにより、より具体的構成により、多峰性突起により色味、明暗に係るスジを低減することができる。
〔第2実施形態〕
図12は、図1との対比により本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用される光学フィルムを示す図である。この図12に示す画像表示装置51、光学フィルム53において、第1実施形態と同一の構成は対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
この光学フィルム53は、基材5と反射防止部7との間にCプレート52が設けられる。なおCプレート52は、基材5とパターン位相差部6との間に配置してもよい。またCプレート52は、負のCプレートであっても良く、また正のCプレートであってもよい。このようにCプレート52を配置すると、パターン位相差部6からの斜め出射光について、正面方向への出射光に対する位相差の変化を小さくすることができ、これにより領域A及び領域Bにおける楕円偏光の程度(楕円率)を小さくすることができる。従って色味、明暗のスジに係る領域A及び領域Bで異なるように見て取られる色味、明るさの違いを緩和することができ、これによって一段と色味、明暗に係るスジを低減することができる。
ただし、3次元画像表示における視野角の低減を防止する観点からは、正のCプレートを用いたほうがよい。負のCプレートを用いると、2次元画像視聴時の色味、明暗に係るスジは改善するが、3次元表示の視野角は悪化してしまうからである。
ここでCプレート52は、基材の法線方向に対して斜め60°から測定したリタデーションが、λ/4であることが望ましい。より具体的に波長550nmで測定して、リタデーション137±20nmが望ましい。ただし3次元画像表示に影響を与えないために、基材の法線方向から測定したリタデーションは、0nmであることが望ましいものの、0±20nm以下が望ましい。なお測定には、大塚電子製のRETSシリーズを用いた。
この実施形態では、Cプレートを配置することにより、一段と確実に色味、明暗に係るスジを低減することができる。
〔第3実施形態〕
この実施形態では、第2実施形態に係るCプレートの配置に代えて、基材自体をCプレートにより構成する。なおこの実施形態では、この基材に関する構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一であることにより、図1を流用して説明する。すなわちこの実施形態の画像表示装置61は、光学フィルム3に代えて光学フィルム53が配置される。またこの光学フィルム53は、基材5に代えて基材65が適用され、この基材65がCプレートにより構成される。なおCプレートは、例えば圧延処理したアクリル系の材料による透明フィルム等を適用することができる。
この実施形態では基材によるCプレートの機能により、斜め透過光における楕円偏光の程度を軽減することができ、これにより簡易な構成で、一段と色味、明暗に係るスジを低減することができる。
〔第4実施形態〕
この実施形態では、パターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ別の基材に作製した後、この基材の積層によりパターン位相差部及び反射防止部を一体化する。なおこのとき例えばこの基材間にCプレート等を介挿するようにしてもよい。この実施形態では、この基材に関する構成が異なる点を除いて、上述の実施形態と同一に構成される。
またこのようにして一体化して、各部材間には、屈折率差が0.3以上の界面が存在しないように、すなわち各部材間の界面における屈折率差が0.3未満となるように、各部材の材料、各部材間に空気層が形成されないように、構成される。より具体的に、例えば紫外線硬化性樹脂によりパターン位相差部及び反射防止部の基材を一体化することより、このように屈折率差が0.3未満となるように構成することができる。
この実施形態では、パターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ別の基材に作製した後、この基材の積層するようにしても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また屈折率差が0.3以上の界面が存在しないようにしたことにより、このような界面による反射を防止して十分に色味、明暗に係るスジを低減することができる。具体的に、パターン位相差部の基材及び反射防止部の基材間に空気層を設けるようにして、界面の屈折率差が0.5となるように構成した場合には、色味、明暗に係るスジがはっきりと確認された。しかしながらこの基材間に紫外線硬化性樹脂を配置して折率差が0.3以上の界面が存在しないようすると、色味、明暗に係るスジを格段的に低減することができた。
またこのようにパターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ別の基材に個別に作製する構成を利用して、反射防止部に係る基材の向きを逆向きにして(反射防止部がパターン位相差部側となるように配置して)、色味、明暗に係るスジを観察したこころ、このように反射防止部をパターン位相差部側に配置した場合には、色味、明暗に係るスジを低減する効果が殆ど無いことを確認することができた。
〔第5実施形態〕
この実施形態では、パターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ別の基材に作製して第1及び第2の光学フィルムを作製した後、液晶表示装置のアッセンブリ工程で、これら第1及び第2の光学フィルムを液晶表示パネルのパネル面に配置する。さらにこのパネル面に配置する際に、第1及び第2の光学フィルム間に、透明板材である薄板のガラス板(厚み3mm程度)が配置される。この実施形態では、このアッセンブリ工程に関連する構成が異なる点を除いて、上述の実施形態と同一に構成される。
すなわち液晶表示パネルは、パネル面側(視聴者側)に、カラーフィルタ、直線偏光板が順次配置されることになる。この実施形態のアッセンブリ工程は、パターン位相差部が直線偏光板側となる向きにより、第1の光学フィルムを液晶表示パネルのパネル面に配置する。続いて薄板のガラス板を配置し、基材がこのガラス板側となる向きにより第2の光学フィルムを配置する。
またこのように各部材を配置する際に、紫外線硬化性樹脂等による接着により、各部材間に空気層が形成されないように、さらには屈折率差が0.3以上の界面が存在しないようにする。
この実施形態によれば、パターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ別の基材に作製して第1及び第2の光学フィルムを作製した後、ガラス板を間に挟んでこの第1及び第2の光学フィルムを液晶表示パネル面上で積層して画像表示装置を構成するようにしても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
またこのとき屈折率差が0.3以上の界面が存在しないようにしたことにより、このような界面による反射を防止して十分に色味、明暗に係るスジを低減することができる。具体的に、第1及び第2の光学フィルムの基材間に空気層を設けるようにして、界面の屈折率差が0.5となるように構成した場合には、色味、明暗に係るスジがはっきりと確認された。しかしながらこの基材間に紫外線硬化性樹脂を配置して折率差が0.3以上の界面が存在しないようすると、色味、明暗に係るスジを格段的に低減することができた。
またこのようにパターン位相差部及び反射防止部をそれぞれ第1及び第2の光学フィルムにより個別に作製する構成を利用して、第2の光学フィルムの向きを逆向きにして(反射防止部がパターン位相差部側となるようにして)、色味、明暗に係るスジを観察したこころ、この場合には、色味、明暗に係るスジを低減する効果が殆ど無いことを確認することができた。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に組み合わせたり、変更したりすることができる。
すなわち上述の実施形態では、光配向の手法により配向層を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、賦型処理等によりラビング処理による微細な凹凸形状を転写して配向層を作製する場合、位相差層に光配向性液晶ポリマーを適用することにより配向膜を省略する場合等に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、紫外線硬化性樹脂を使用した賦型処理により反射防止部に係る微小突起を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば基材表面を軟化させた状態でロール版に押圧して賦型処理することにより微小突起を作製する場合等、賦型に供する樹脂層は、基材そのものを適用するようにしても良く、さらには各種の樹脂層を積層した積層層を適用してもよい。
また上述の実施形態では、ロール版を使用して光学フィルムを生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平版を使用した枚葉の処理により生産する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
〔本願には含まれない他の実施形態〕
上述の実施形態では、反射防止部をモスアイ構造により作製する場合について述べたが、実用上十分に反射防止を図ることができる場合には、他の反射防止の手法を適用して色味、明暗に係るスジを防止することができる。具体的にこのような反射防止の手法として多層誘電体膜による反射防止の手法を適用することができ、0.2%以下の反射率を確保できるように誘電体膜の積層数を選定して色味、明暗に係るスジを防止することができる。このような多層誘電体膜は、例えば日本電気硝子株式会社による「見えないガラス(登録商標)」の構成を適用することができる。なおこの場合、図1、図12の構成において、反射防止部7に代えてこの多層誘電体による反射防止部が設けられることになる。
また反射防止部に代えて、最表面に屈折率が1.3以下の低屈折率層を用いるようにしてもよい。なお低屈折層には、例えば日本化成のメソプラス等を適用することができる。
またさらに上述の第2及び第3実施形態では、モスアイ構造による反射防止部を設けることを前提に、さらにCプレートの機能により色味、明暗に係るスジを低減する場合について述べたが、実用上十分に反射防止を図ることができる場合には、モスアイ構造による反射防止部を省略することも可能である。
1、51、61 画像表示装置
2 液晶表示パネル
3、53、63 光学フィルム
4 粘着層
5、65 基材
6 パターン位相差部
7 反射防止部
8 位相差層
9 配向層
10、10A、10B 突起
11 紫外線硬化性樹脂層
52 Cプレート

Claims (9)

  1. 透明フィルムによる基材の一方の面側にパターン位相差部が設けられ、前記基材の他方の面側に反射防止部が設けられた光学フィルムであって、
    前記パターン位相差部は、
    透過光に第1及び第2の位相差をそれぞれ与える第1及び第2の領域が順次交互に形成された位相差層を備え、
    前記反射防止部は、
    微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、
    前記微小突起の一部が、頂点を複数有する多峰性突起であり、残りが、頂点が1個の単峰性突起である
    ことを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記多峰性突起は、
    各頂点に係る峰が、突起の中央を囲むように配置されて、前記峰の境界により頂部が中央より放射状に分割された形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記基材と前記パターン位相差部との間、又は前記基材と前記反射防止部との間にCプレートが設けられた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 前記基材がCプレートである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  5. 前記基材が、前記パターン位相差部が設けられた第1の基材と、前記反射防止部が設けられた第2の記載との積層体である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  6. 各部材間では界面における屈折率差が0.3未満となるように設定された
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6の何れかに記載の光学フィルムを画像表示パネルの表面に配置した
    画像表示装置。
  8. 画像表示パネルのパネル面に、第1の光学フィルム、透明板材、第2の光学フィルムが順次配置された画像表示装置であって、
    前記第1の光学フィルムは、
    透明フィルムによる第1の基材の前記パネル面側にパターン位相差部が設けられ、
    前記パターン位相差部は、
    透過光に第1及び第2の位相差をそれぞれ与える第1及び第2の領域が順次交互に形成された位相差層を備え、
    前記第2の光学フィルムは、
    透明フィルムによる第2の基材の前記パネル面とは逆側面に反射防止部が設けられ、
    前記反射防止部は、
    微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、
    前記微小突起の一部が、頂点を複数有する多峰性突起であり、残りが、頂点が1個の単峰性突起である
    ことを特徴とする画像表示装置。
  9. 前記第1及び第2の光学フィルム間では、界面における屈折率差が0.3未満となるように設定された
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
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