JP2014010316A - 画像品位向上用機能フィルム及びそれを用いた表示装置 - Google Patents

画像品位向上用機能フィルム及びそれを用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超低反射性の反射防止フィルムであって、視認性を低下させる反射光を低減させるのみならず、同時に、表示機器におけるニジムラやニュートンリングの発生を低減することよっても、表示装置の画像品位を向上させる効果を有する画像品位向上用機能フィルムを提供する。
【解決手段】多層透明基材11上の微小突起層12に、微小突起が密接して配置され、隣接する微小突起の間隔が、反射防止を図る波長帯域の最短波長以下である、いわゆるモスアイ(moth eye)構造の反射防止層を備える画像品位向上用機能フィルム1において、多層透明基材11を構成する透明基材110のリタデーションを3000nm以上とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像品位向上用機能フィルム及びそれを用いた表示装置に関する。
テレビ、パーソナルコンピュータ、又はスマートフォン等、モニター画面に画像等を表示する表示機器においては、視認性を低下させる画面上からの反射光を低減させるために反射防止フィルムが配置されることが一般的である。
そのような反射防止フィルムとして、透明基材(透明フィルム)の表面に多数の微小突起を密接して配置することにより、反射防止を図る方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。この方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、入射光に対する屈折率を基板の厚み方向に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図るものである。
この反射防止フィルムを構成するためには光線を透過可能な透明基材が必要である。この透明基材としては、基材の複屈折に起因して画面上に生じる色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」とも言う)を低減させるために、複屈折の少ないトリアセチルセルロース(TAC)に代表されるセルロースエステルからなるフィルムが一般的に用いられていた。しかし、セルロースエステルは一般的に高価であり、又、吸湿による寸法変化やカールの問題が残っている。
一方、表示装置内に配置する画像品位向上用の機能フィルムの基材として、TACに替えて、より低コストで製造可能なポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルムをニジムラの低減が可能な透明樹脂基材として利用する試みがなされている(特許文献4参照)。
ところが、最近においては、特にタッチパネルを備える表示機器において、単なるニジムラのみではなく、画面に指圧がかかったときに発生するニュートンリングと呼ばれる画像の乱れも問題視されるようになってきている。このニュートンリングの問題については、表示装置の構造上不可避の場合も多く、透明樹脂基材としてセルロースエステルフィルム、或いは特許文献4において開示されているポリエステルフィルムを用いた場合であっても、これを防ぐことはできない。
一方、コストダウンの要請と薄型化や小型化の流れが同時に進む昨今の表示装置をとりまく状況の中で、これ以上新たな機能強化層を配置することは好ましくはない場合が多く、効果的な改善手段が見出せずにいるのが現状であった。
特開昭50−70040号公報 特表2003−531962号公報 特許第4632589号公報 特開2010−204630号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、超低反射性の反射防止フィルムであって、視認性を低下させる反射光を低減させるのみならず、同時に、表示機器におけるニジムラやニュートンリングの発生を低減することよっても、表示装置の画像品位を向上させる効果を有する画像品位向上用機能フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、モスアイ(moth eye(蛾の目))構造を有する反射防止フィルムを、所定値以上のリタデーション値を有するポリエステルフィルムを複数積層してなる多層透明基材を用いて製造するとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 複数の透明基材を積層してなる多層透明基材上に、微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る波長帯域の最短波長以下である画像品位向上用機能フィルムにおいて、前記多層透明基材を構成する前記透明基材は、3000nm以上のリタデーションを有することを特徴とする。
(1)によれば、モスアイ構造によって反射光低減効果を奏し、及び、リタデーションが特定の範囲に限定された透明基材を積層した多層透明基材を用いることによって表示装置一般におけるニジムラの発生を高度に抑制することができる。更に、このモスアイ構造をタッチパネル下に配置することによって、タッチパネル方式の表示装置におけるニュートンリング防止の効果をも奏する。
(2) (1)において、前記多層透明基材の少なくとも一方の面に、一定のピッチで同一方向に配置されている導電層が形成されている。
(2)によれば、一定のピッチで同一方向に配置されている導電層を備えることによって、この画像品位向上用機能フィルムをタッチパネルのセンサーフィルムとしての機能をも果たさせることができる。これをタッチパネル方式の表示装置に配置することによって、反射光、ニジムラ、ニュートンリングといった、タッチパネル方式の表示装置において画像等の表示品質を低下させる要因を、新たな部材を追加することなく低減することができる。
(3) (1)又は(2)において、前記透明基材は、面内において最も屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05以上である。
(3)によれば、表示装置のニジムラの発生をより高度に抑制することができる。又、透明基材の膜厚を不要に大きくせずに好ましい膜厚の範囲内において、上述した所定のリタデーション値を得ることができる。
(4) (1)から(3)のいずれかにおいて、前記透明基材は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択されるいずれか1種の材料からなる。
(4)によれば、透明基材の好ましい光線透過性を保持しつつ、且つ、上述した所定のリタデーション値を得て、ニジムラの発生を十分に抑制することができる。
(5) (1)から(4)のいずれかにおいて、前記透明基材は、ポリエチレンテレフタレートである。
(5)によれば、透明基材の好ましい光線透過性を保持しつつ、且つ、より好ましいリタデーション値を得て、ニジムラの発生を更に高度に抑制することができる。又、ポリエチレンテレフタレートは、耐熱性においても優れるため、画像品位向上用機能フィルムの製造及び加工に伴う加熱条件の選択の幅が広がる。
(6) 表示装置において、(1)から(5)のいずれかに記載の画像品位向上用機能フィルムと、タッチパネルユニットと、画像表示パネルと、を備える。
(6)によれば、反射光、ニジムラ、ニュートンリングといった、画像等の表示品質を低下させる要因を、低減させた表示装置を提供することができる。
(7) (6)において、前記画像表示パネルの出光面側に配置される偏光板を備え、前記画像表示パネルは、液晶パネルである。
(7)によれば、反射光、ニジムラ、ニュートンリングといった、画像等の表示品質を低下させる要因を低減させた液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
(8) (7)において、前記偏光板の吸収軸と前記画像品位向上用機能フィルムの前記多層透明基材の遅相軸の方向とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°となるように配設されている。
(8)によれば、表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる表示装置を提供することができる。
(9) (7)又は(8)において、前記画像品位向上用機能フィルムが、前記偏光板の前記タッチパネルユニット側の面に積層されている。
(9)によれば、ニュートンリングの発生防止効果が顕著となる。
(10) (7)又は(8)において、前記画像品位向上用機能フィルムが、前記タッチパネルユニットの裏面側に積層されている。
(10)によれば、タッチパネルユニットに直下に画像品位向上用機能フィルムを積層することにより、タッチパネル画面上における反射防止効果とニュートンリングの防止効果をバランスよく向上させ、又、同時に、特に導電層を備える画像品位向上用機能フィルムを用いることにより、画像品位向上用機能フィルムをタッチパネル用センサーフィルムとしても用いることができ、これにより必要な性能をより簡易な層構成で得ることができる。
(11) (6)から(10)のいずれかにおいて、前記画像品位向上用機能フィルムが、前記タッチパネルユニットの表面側に積層されている。
(11)によれば、タッチパネル画面上における、微小突起層12による反射防止効果を最も効果的に発揮させて、タッチパネル装置10の画像等の視認性を顕著に向上させることができる。
(12) 透明基材上に、微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る波長帯域の最短波長以下である画像品位向上用機能フィルムと、タッチパネルユニットと、画像表示パネルと、を備えた表示装置において、該表示装置は、前記透明基材を含んで構成される機能層を更に備え、前記画像品位向上用機能フィルム及び前記機能層を構成する前記透明基材は、いずれも3000nm以上のリタデーションを有する。
(12)によれば、(6)と同様に、反射光、ニジムラ、ニュートンリングといった、画像等の表示品質を低下させる要因を、低減させた表示装置を提供することができる。
(13) (12)において、前記機能層が、前記表示装置のタッチパネルユニットの表示面側の最表面に配置されている保護フィルムである。
(13)によれば、(7)と同様に、反射光、ニジムラ、ニュートンリングといった、画像等の表示品質を低下させる要因を低減させた表示装置を提供することができ、又、そのような効果を保持したまま、表示装置における画像品位向上用機能フィルムを薄膜化することができる。
(14) (12)において、前記機能層が、前記表示装置のタッチパネルユニットの表示面側の最表面に配置されている飛散防止フィルムである。
(14)によれば、(7)と同様に、反射光、ニジムラ、ニュートンリングといった、画像等の表示品質を低下させる要因を低減させた表示装置を提供することができ、又、そのような効果を保持したまま、表示装置における画像品位向上用機能フィルムを薄膜化し、更に、画面等が破損した場合においてフィルムの密着と自身の延性による下部ガラス等の飛散による危険性、操作性の悪化を抑え、例えば、修理窓口に出すまでの間、当面の使用を可能にする事ができる。
本発明は、上述した構成からなるものであるため、超低反射性の画像品位向上用機能フィルムであって、視認性を低下させる反射光を低減させるのみならず、同時に、表示機器におけるニジムラやニュートンリングの発生を低減することよっても、表示装置の画像品位を向上させる効果を有する画像品位向上用機能フィルムを提供することができる。
本発明の一実施例である画像品位向上用機能フィルムを模式的に示す斜視図である。 本発明の他の実施例である電極を備える画像品位向上用機能フィルムを模式的に示す断面図である。 図1の画像品位向上用機能フィルムの製造工程を示す図である。 図1の画像品位向上用機能フィルムに係るロール版を示す図である。 本発明の画像品位向上用機能フィルムを備えるタッチパネル装置を模式的に示す断面図である。 本発明の画像品位向上用機能フィルムのタッチパネル装置における配置の一例を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体も「樹脂」と記載する。又、各図面は説明の便宜上、縦横の縮尺の比率を実物よりも増減してある。
<画像品位向上用機能フィルム(第1実施形態)>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1を示す図(概念斜視図)である。画像品位向上用機能フィルム1は、全体形状がフィルム形状により形成されている機能フィルムである。尚、画像品位向上用機能フィルムは、その形状を平坦なフィルム形状とする場合に限らず、平坦なシート形状、平板形状(相対的に厚みの薄い順に、フィルム、シート、板と呼称する)とすることもでき、又、平坦な形状に代えて、湾曲形状、立体形状を呈したフィルム形状、シート形状、板形状とすることもでき、用途に応じて適切な形状を適宜採用することができる。
図1に示すように、画像品位向上用機能フィルム1は、多層透明基材11と、多層透明基材11の表面に密接して配置された多数の微小突起からなる微小突起層12を備える。
多層透明基材11は、透明基材110a、110b、110c(以下、これらを総称して「透明基材110」とも言う)を複数積層してなる多層の透明樹脂基材である。多層透明基材11を構成する透明基材110は、3000nm以上のリタデーションを有する。多層透明基材11を構成するために積層する透明基材の数は2枚以上の複数であればよく、特に層の数は限定されないが、必要な性能、好ましい厚さ、望ましいコスト等の観点から、一般的には、透明基材を2層から3層の範囲で積層した多層透明基材を好ましく用いることができる。それぞれの透明基材110は透明粘着層(図示せず)を介して積層することにより多層透明基材11とすることができる。
尚、多層透明基材11は、必要な光線透過性を維持できる範囲で、透明基材110以外のその他の層や部材が更にその層間に配置されているものであってもよい。
多層透明基材11を構成する透明基材110のリタデーションが3000nm未満であると、これらを複数(少なくとも2枚)重ねた場合であっても、表示装置の表示画像にニジムラが生じてしまう。一方、上記透明基材110のリタデーションの上限は特に限定されないが、30000nm以下であることが好ましく、20000nm程度であることよりが好ましい。30000nmを超えると、これ以上の表示画像のニジムラ改善効果の向上が見られず、又、膜厚が相当に厚くなるため好ましくない。
尚、画像品位向上用機能フィルムにおいてニジムラの発生を抑制するということ本発明の効果を奏するためには、例えば、前述のセルロースエステルの様な材料、又は、特殊な製法によるフィルムを用いて配置する透明基材のリタデーション範囲を制限する等の手段があったが、これらは前述のように製品自体が高価であり、また、材料強度についても種々の制限があり、タッチパネルの様な使用環境の一般用途に供するには適切ではなかった(ここで、使用に不適な透明基材のリタデーションの範囲は、本発明者らの研究の結果400nm≦Re<3000nmである)。ニジムラの発生を抑制するための他の方法としては、6000nm以上の高いリタデーションを有する単層の透明基材を配置してもよいが、そのような高いリタデーション値を有する基材は、汎用的なものではなく、調達或いは製造コストが嵩む点において好ましくない。画像品位向上用機能フィルム1は、リタデーション値の範囲が一般的な範囲である3000nm以上の任意の範囲にある汎用的な透明基材を組合せて得ることができる多層透明基材を用いて製造でき、且つ、製造条件から基材単体の厚みを薄くする事ができるためタッチの検出感度を高める事ができる。又、これらの作用は、少なくとも2枚以上の積層によって十分な効果を奏するものである。以上より、汎用的な透明基材110等の組合せによって製造できる多層透明基材11を用いた本発明の画像品位向上用機能フィルム1は、性能向上、コスト削減の両面において、好ましいものである。
尚、上記リタデーションとは、透明基材の面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、透明基材の厚み(d)とにより、以下の式(数1)によって表わされるものである。又、上記リタデーションは、例えば、王子計測機器製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することができる。
(数1)
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
本発明では、上記nx−ny(以下、Δnとも表記する)は、0.05以上であることが好ましい。上記Δnが0.05未満であると、充分なニジムラの抑制効果が得られないことがある。又、上述したリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなるため、好ましくない。上記Δnのより好ましい下限は0.07である。
透明基材110を構成する材料としては、上述したリタデーションを充足するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択される1種が好適に用いられる。
又、透明基材110は、上記の中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが特に好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。又、PETは、光線透過性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られるからである。
更に、PETは、加熱による熱収縮率が小さいため、加工処理時の加熱条件の制約が小さい。よって画像品位向上用機能フィルム1の製造方法の選択の自由度を高めることができる点においても好ましい。例えば、導電層13の形成時に、熱硬化性樹脂をバインダーとして用いる印刷処理等であっても、広い加熱条件の下で採用することができる。これにより、導電性能に優れた導電層13をより低コストで形成するための選択が可能となる。
透明基材110を得る方法としては、上述したリタデーションを充足する方法であれば特に限定されないが、例えば、材料がPET等のポリエステルである場合、材料のポリエステルを溶融押出しして成形した未延伸ポリエステルを、ガラス転移温度以上の温度においてテンター等を用いて横延伸後、熱処理を施す方法が挙げられる。上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。又、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステルからなる透明基材110の光線透過性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られる透明基材110の複屈折が小さくなり、リタデーションを3000nm以上とできないことがある。
又、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、「縦延伸」とも言う)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。又、上記熱処理時の処理温度はしては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
上述した方法で形成した透明基材110のリタデーションを3000nm以上に制御する方法としては、延伸倍率や延伸温度、形成する透明基材の膜厚を適宜設定する方法が挙げられる。具体的には、例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、又、膜厚が厚いほど、高いリタデーションを得やすくなり、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、又、膜厚が薄いほど、低いリタデーションを得やすくなる。
透明基材110の厚みとしては、その構成材料等に応じて適宜決定されるが、20〜500μmの範囲内であることが好ましい。20μm未満であると、透明基材110のリタデーションを3000nm以上にできないことがあり、又、力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。一方、500μmを超えると、透明基材が非常に剛直であり、高分子フィルム特有のしなやかさが低下し、やはり工業材料としての実用性が低下するので好ましくない。上記透明基材110の厚さのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は400μmであり、更により好ましい上限は300μmである。
透明基材110は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であるものがより好ましい。尚、上記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
透明基材110は、基材のX方向、又はY方向のいずれかに沿った遅相軸を同一方向に重ねて積層することによって多層透明基材11とする。尚、以下において、同一に重ね合わされた各透明基材110a、110b、110cの遅相軸の方向を、それらの透明基材110a、110b、110cによって構成される多層透明基材11の遅相軸の方向とする。
尚、実際の多層透明基材の製造においては、遅相軸の方向の組合せは、上記に限らず、他の組合せによっても本発明と同様の効果を奏するものとすることは可能である。例えば、遅相軸の方向が厳密に同一方向に重ね合わされたものではなくても、多層透明基材としての実質的なリタデーションが、本発明と同等の範囲にあるものであれば、そのような多層透明基材も、本発明の均等範囲にあるものである。ここでは、樹脂材料の延伸方向から容易に遅相軸の方向を定められる実施可能な好ましい例として、上記の通り遅層軸の方向を定めているものである。
尚、透明基材110は、それぞれの基材の遅相軸方向の配向角差が6°以内であることが好ましく、4°以内であることがより好ましく、2°以内であることが更に好ましい。透明基材301、302の偏光角差が6°以内にあることにより、後に説明する通り、タッチパネル装置10において、偏光板3の吸収軸と多層透明基材11の遅相軸の方向とのなす角度を0°又は90度に設置した場合のニジムラ発生を特に防止できる。複数の透明基材110の間に、6°を超えるような大きな配向角差が存在した場合、光の透過率が上昇し、干渉色発生の原因となるからである。
次に、多数の微小突起からなる微小突起層12について説明する。微小突起層12は、賦型用金型を使用して、微小な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂である紫外線硬化性樹脂により微小な凹凸形状を多層透明基材11の表面に形成する。画像品位向上用機能フィルム1は、この微小突起層12の凹凸形状により厚み方向に徐々に屈折率が変化するように形成され、モスアイ構造の原理により広い波長範囲で入射光の反射を低減する。
尚、これにより多層透明基材11の表面に形成される微小突起層12の各微小突起は、隣接する微小突起の間隔dが、反射防止を図る波長帯域の最短波長λmin以下(d≦λmin)となるよう密接して配置される。例えば、画像表示装置パネルに配置して視認性を向上するために、この最短波長は、個人差、視聴条件を加味した可視光領域の最短波長(380nm)に設定され、間隔dは、ばらつきを考慮して100〜300nmとされる。又、この間隔dに係る隣接する微小突起は、いわゆる隣り合う微小突起であり、多層透明基材11側の付け根部分である微小突起の裾の部分が接している突起である。微小突起層12は微小突起が密接して配置されることにより、微小突起間の谷の部位を順次辿るようにして線分を作成すると、平面視において、各微小突起を囲む多角形状領域を多数連結してなる網目状の模様が形成されることになる。間隔dに係る隣接する微小突起は、この網目状の模様を構成する一部の線分を共有する突起である。
尚、微小突起に関しては、より詳細には以下のように定義される。モスアイ構造による反射防止では、透明基材表面とこれに隣接する媒質との界面における有効屈折率を、厚み方向に連続的に変化させて反射防止を図るものであることから、微小突起に関しては一定の条件を満足することが必要である。この条件のうちの1つである突起の間隔に関して、例えば特開平50−70040号公報、特許第4632589号公報等に開示のように、微小突起が一定周期で規則正しく配置されている場合、隣接する微小突起の間隔dは、突起配列の周期P(d=P)となる。これにより可視光線帯域の最長波長をλmax、最短波長をλminとした場合に、最低限、最長波長において反射防止効果を奏し得る必要最小限の条件は、P≦λmaxであり、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得る必要十分の条件は、P≦λminとなる。
尚、波長λmax、λminは、観察条件、光の強度(輝度)、個人差等にも依存して多少幅を持ち得るが、標準的には、λmax=780nm及びλmin=380nmとされる。これらにより可視光線帯域の全波長に対する反射防止効果をより確実に奏し得る好ましい条件は、d≦300nmであり、よりに好ましい条件は、d≦200nmとなる。尚、反射防止効果の発現及び反射率の等方性(低角度依存性)の確保等の理由から、周期dの下限値は、通常、d≧50nm、好ましくは、d≧100nmとされる。これに対して突起の高さHは、十分な反射防止効果を発現させる観点より、H≧0.2×λmax=156nm(λmax=780nmとして)とされる。
<画像品位向上用機能フィルム(第2実施形態)>
次に本発明の第2実施形態に係る、導電層を備える画像品位向上用機能フィルムについて説明する。図4は、導電層を備える画像品位向上用機能フィルム1Aを示す図(概念斜視図)である。画像品位向上用機能フィルム1Aは、多層透明基材11の少なくとも一方の面に導電層13(13a、13b)が形成されていることを特徴とし、その他の構成については、第1実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1と同一の構成からなる機能フィルムである。以下、画像品位向上用機能フィルム1Aにつき、第1実施形態の画像品位向上用機能フィルム1と同一の構成部分については説明を割愛し、導電層13の構成を中心に説明する。
画像品位向上用機能フィルム1Aにおいて、導電層13は、多層透明基材11の少なくとも一方の表面に形成されている。又、図4に示す通り、多層透明基材11の両面に導電層13a、13bがそれぞれ形成されていてもよい。
導電層13の平面視におけるパターン形状は、一定のピッチで同一方向に配置されているストライプ(平行線群乃至縞模様)形状であることが好ましい。このストライプ(平行線群乃至縞模様)形状の導電層13を備えることによって、画像品位向上用機能フィルム1Aは、タッチパネル方式の表示装置に極めて好適に用いることができる。即ち、このようなこのストライプ形状の導電層13を備える画像品位向上用機能フィルム1Aは、タッチパネルユニット内に適切に配置することによって、タッチパネルセンサーフィルムとしての機能をも発揮しうるからである。具体的には、図4に示すように、多層透明基材11の一方の面の一方向(x方向)に向けて導電層13aを形成し、他の面において導電層13aと直交する方向(y方向)に導電層13bを設けるか、或いは、ストライプ形状の導電層13を備える2枚の画像品位向上用機能フィルム1Aを、導電層13の方向が平面視において互いに直交するように重ね合わせたものを、タッチパネルセンサーフィルムとしても用いることができる。これにより、反射防止に加えて、ニジムラの防止、ニュートンリングの防止が可能であり、タッチパネルユニットに新たな部材を追加することなく、表示装置の視認性を向上させることができる。
尚、導電層13のパターン形状は、その他、メッシュ(網目乃至格子)形状、螺旋形状等も用いることができる。又、モアレを軽減する目的で、ランダム網目状、又は擬似ランダム網目状のパターン等も使用可能である。
導電層13のパターン形状について、その線幅と線間ピッチは、例えば、線幅は5〜50μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。開口率(所定パターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。又、所定パターンとは別に、その周辺部の全周又はその一部にそれと導通を保ちつつ隣接した全ベタ(開口部なし)等の接地パターンが設けられる場合もある。尚、線幅は、より高透明のものを得るために、より一層微細化することが求められている。この観点から、30μm以下、特に20μm以下とすることが好ましい。
導電層13の厚さは、導電層13に備えさせる抵抗値によっても異なるが、導電性能と導電層13上への他部材の接着適性との兼ね合いから、その中央部(突起パターンの頂部)での測定において、通常、2μm以上50μm以下であり、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
導電層13は、多層透明基材11上に形成された透明導電材料層をパターニングしたものでもよく、不透明な金属層をパターン形成し開口部の存在によって見かけ上透明に見えるものでもよい。又、パターンと同様の機能を本体回路側によって代替できる場合には必ずしも上記のパターン形状にかかわらず、単なる不可視性を有する微細矩形枠形状の集合などであってもよい。
透明導電材料としてはITO、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、導電性高分子等を用いることができる。
不透明な金属層としては導電性を持った金属であれば使用可能であり、銀、銅、金、アルミ、等が好適に用いられる。金属層は単体の金属や合金であってもよく、金属粒子が結着材により結着されたものでもよい。又、必要に応じて、金属表面に対し黒化処理や防錆処理が適用される。
導電層13のパターン形成の方法としては、パターン印刷、表面への導電箔形成後に、フォトリソグラフィー(エッチング)、転写、自己組織化等が適用可能である。コストパフォーマンスを高める観点からは、画像品位向上用機能フィルム1は、特にパターン印刷で形成することが好ましい。パターン印刷の手法としては、導電性組成物を所定のパターンに印刷する手法、無電解めっきの触媒機能を有する材料を所定のパターンに印刷し導電性金属を無電解めっきする手法、無電解めっきの触媒と付加体を形成する材料を印刷後、触媒を付加し無電解めっき処理を行う手法等が挙げられる。
パターン印刷の方法としては必要とされるパターン精度により任意の手法が適用できるが、スクリーン印刷や、凹版オフセット印刷、或いはUV硬化プライマーにより凹版から転写させる方法等が好適に用いられる。
パターン印刷により、金属粒子とバインダー樹脂を含む導電性組成物によって導電層13をパターン形成する場合、金属粒子としては、上記に例示した通り、導電性を持った金属であれば使用可能であり、導電層13は単体の金属や合金であってもよく、金属粒子が結着材により結着されたものでもよい。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。尚、後述の電気抵抗低減化処理を施す場合は、酸又は温水にて溶解することのない非水溶性樹脂を用いる。
パターン印刷に用いることができるバインダー樹脂を例示すると、熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の樹脂を挙げることができ、電離放射線硬化性樹脂としては、プライマーの材料として後述する物を挙げることができ、これらを1種単独で、或いは2種以上混合して用いる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を挙げることができ、これらを1種単独で、或いは2種以上混合して用いる。尚、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒を添加してもよい。紫外線(乃至可視光線)硬化型の電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は必要に応じて光重合開始剤を添加してもよい。又、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。導電性ペーストとして用いる溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤の中から適宜選択して使用できるが、プライマー層を設ける場合には該プライマー層の安定硬化を阻害したり、硬化後のプライマー層を膨潤、白化、溶解させたりしないものが好ましい。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ない方が好ましい。又、電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
画像品位向上用機能フィルム1においては、多層透明基材11と導電層13との密着性を高めるために、多層透明基材11と導電層13との間にプライマー層(図示せず)を設けることが好ましい。プライマー層は、多層透明基材11及び導電層13の双方に密着性がよく、又、開口部(導電性パターン層非形成部)の光透過性確保のために透明な層である。更に、導電層13の形成を後述の如き特定の凹版印刷法で行う場合には、プライマー層は、流動性を保持できる状態で多層透明基材11上に設けられ、凹版印刷時の凹版に接触している間に液状から固化させる層として形成される層となり、最終的な導電層13が形成されたときに固化している層である。
尚、画像品位向上用機能フィルム1においては、必要に応じ適宜その他の層の形成、又は処理を施してもよい。例えば、錆びに対する耐久性が不十分な場合は、防錆層を設けるとよい。該防錆層は、従来公知の材料及び手法により設けることができる。
<画像品位向上用機能フィルムの製造方法>
以下、本発明の第1実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1、及び第2実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1Aの製造方法の好ましい一実施態様について説明する。
まず初めに本発明の第1実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1の製造方法について説明する。画像品位向上用機能フィルム1の製造においては、基材樹脂をフィルム状に形成して透明基材110を形成し、更に、その透明基材110を積層して多層透明基材11を得る多層透明基材形成工程と、多層透明基材11上に、微小突起層12を形成する微小突起層形成工程を行う。尚、微小突起形成工程に先がけて、賦型用金型であるロール版102の製造も必要であるが、それを行うための工程についても併せて説明する。
[多層透明基材形成工程]
この工程では、まずポリエチレンテレフタレート等の材料樹脂を溶融し、公知の押し出し法により未延伸のフィルムを形成する。そして、この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置にて、順次X,Y方向にそれぞれ異なる倍率で延伸を行う。各延伸倍率については、上記において説明した範囲で適宜調整すればよい。以上の作業により、3000nm以上のリタデーションを有する透明基材110を得ることができる。
上記において得たそれぞれの透明基材110は透明粘着層を介して積層することにより多層透明基材11とすることができる。尚、透明粘着層を形成するための接着剤としては従来公知の酸化防止剤を含むアクリル系の透明接着剤等を好ましく用いることができる。
[微小突起層形成工程]
図2は、この画像品位向上用機能フィルム1に微小突起層12を形成する工程を示す図である。この製造工程100は、樹脂供給工程において、ダイ101により帯状フィルム形態の多層透明基材11に紫外線硬化性樹脂120を塗布する。尚、紫外線硬化性樹脂120の塗布については、ダイ101による場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いてこの製造工程100は、押圧ローラ103により、画像品位向上用機能フィルムの賦型用金型であるロール版102の周側面に多層透明基材11を加圧押圧し、これにより多層透明基材11にアクリレート系の紫外線硬化性樹脂120を密着させるとともに、ロール版102の周側面に形成された微小な凹凸形状の凹部に紫外線硬化性樹脂120を充分に充填する。この製造工程は、この状態で、紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂120を硬化させ、これにより多層透明基材11の表面に微小突起を形成する。この製造工程は、続いて剥離ローラ104を介してロール版102から、硬化した紫外線硬化性樹脂120と一体に多層透明基材11を剥離する。製造工程100は、必要に応じてこの多層透明基材11に粘着層等を形成した後、所望の大きさに切断して画像品位向上用機能フィルム1を作成する。これにより画像品位向上用機能フィルム1は、ロール材による長尺の多層透明基材11に、賦型用金型であるロール版102の周側面に形成された微小形状を順次賦型して、効率よく大量生産される。
図3は、ロール版102の構成を示す斜視図である。ロール版102は、円筒形状の金属材料である母材の周側面に、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、微小な凹凸形状が形成され、この微小な凹凸形状が上述したように多層透明基材11に賦型される。このため母材は、少なくとも周側面に純度の高いアルミニウム層が設けられた円柱形状又は円筒形状の部材が適用される。より具体的に、この実施形態では、母材にステンレスパイプが適用され、直接に又は各種の中間層を介して、純度の高いアルミニウム層が設けられる。尚、ステンレスパイプに代えて、銅やアルミニウム等のパイプ材等を適用してもよい。ロール版102は、陽極酸化処理とエッチング処理との繰り返しにより、母材の周側面に微小穴が密に形成され、この微小穴を掘り進めるとともに、開口部に近付くに従ってより大きな径となるようにこの微小穴の穴径を徐々に拡大して凹凸形状が形成される。これによりロール版102は、深さ方向に徐々に穴径が小さくなる微小穴が密に形成され、画像品位向上用機能フィルム1には、この微小穴に対応する微小突起により微小な凹凸形状が形成され微小突起層12が形成される。
〔陽極酸化処理、エッチング処理〕
尚、ロール版102は以下の工程により、製造することができる。ロール版102の製造においては、まず、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の周側面を超鏡面化する(電解研磨)。続いて、母材の周側面にアルミニウムをスパッタリングし、純度の高いアルミニウム層を形成する。続いて、陽極酸化工程とエッチング工程を交互に複数回繰り返して母材を処理し、ロール版102を作成する。
上記の陽極酸化工程では、陽極酸化法により母材の周側面に微小な穴を形成し、更にこの形成した微小な穴を掘り進める。ここで陽極酸化工程では、例えば負極に炭素棒、ステンレス板材等を使用する場合のように、アルミニウムの陽極酸化に適用される各種の手法を広く適用することができる。又、溶解液についても、中性、酸性の各種溶解液を使用することができ、より具体的には、例えば硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用することができる。この陽極酸化工程は、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微小な穴をそれぞれ目的とする深さ及び微小突起形状に対応する形状に形成する。
続くエッチング工程は、金型をエッチング液に浸漬し、陽極酸化工程により形成、掘り進めた微小な穴の穴径をエッチングにより拡大し、深さ方向に向かって滑らか、且つ、徐々に穴径が小さくなるように、これら微小な穴を整形する。尚、エッチング液については、この種の処理に適用される各種エッチング液を広く適用することができ、より具体的には、例えば硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用することができる。これらによりこの製造工程では、陽極酸化処理とエッチング処理とを交互にそれぞれ複数回実行することにより、賦型に供する微小穴を母材の周側面に形成する。
以上により、本発明の第1実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1を製造することができる。そして、この画像品位向上用機能フィルム1に、以下に説明する導電層形成工程によって、更に導電層13を形成することにより、本発明の第2実施形態に係る画像品位向上用機能フィルム1Aを製造することができる。
[導電層形成工程]
この工程では、多層透明基材11の一方の面に金属粒子及びバインダー樹脂を含む導電性組成物(導電性ペースト)を用いて導電層13を形成する。
導電層13の有する所定パターンは、例えば、シルクスクリ−ン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の公知の各種印刷法によって形成することができる。
又、多層透明基材11と導電層13との密着性を高めるために、多層透明基材11と導電層13との間にプライマー層を設ける場合には、上記導電部材の製造方法としては、例えば、公開されている特許文献(WO2008/149969号パンフレット)に記載される特定のプライマーを用いた凹版印刷が推奨される。以下、この凹版印刷法の概略を述べる。
凹版印刷法は、所定のパターンで形成された版面に、導電性組成物を塗布した後、その凹部内以外に付着した導電性組成物を掻き取って該凹部内に導電性組成物を充填し、これに液状プライマー層を片面に形成済みの多層透明基材11を、プライマー層が凹版に接する向きで圧着して、凹部内の導電性組成物とプライマー層とを空隙無く密着させ、その状態でプライマー層を液状から固体状に固化させた後、多層透明基材11を凹版から離して離版させることで、透明基材上の固化したプライマー層上に導電性組成物を転移させて、印刷するものである。
かかる凹版印刷により多層透明基材11上に導電層13を形成した導電部材を得ることができる。この導電部材を、更に、(i)温水処理として、水分存在下で、且つ、比較的高温下にて処理する、及び/又は(ii)酸処理として、酸に接触させることによって、導電層13の体積抵抗率、更には表面抵抗率が低下し、導電性能が向上する。
(i)の温水処理は、水温30〜100℃の温水の中に導電部材を浸漬したり、温水を導電部材上に掛け流したり、或いは気温30〜100℃で相対湿度60%以上の雰囲気中に暴露する方法が好ましく、処理時間は、概ね5分〜20秒程度である。
(ii)の酸処理において、酸としては、特に限定されず、種々の無機酸、有機酸から選択できるが、好ましくは塩酸、硫酸、クエン酸及びその水溶液であり、酸による処理時間は数分以下で十分であり、処理温度は、常温で十分である。酸で処理する方法は特に限定されないが、酸の溶液の中へ浸漬させる方法が、導電性向上効果に優れるため好ましく、酸の濃度は、好ましくは1mol/L以下、より好ましくは0.1mol/L以上である。
これら電気抵抗低減化処理のうち、電気抵抗低減化効果、作業性の点から、(ii)の酸処理の後、引き続いて(i)の温水処理を行うことが好ましい。
かかる電気抵抗低減化処理によって、導電性パターン層全体の表面抵抗率は処理前の80〜30%程度に減少する(見かけの体積抵抗率も同様に処理前の80〜30%程度となる)。
尚、導電層13の形成は、金属箔をエッチング処理によってパターン化する方法によっても形成することができる。この場合は、金属箔としては銅箔を好ましく用いることができる。具体的な製造方法としては、多層透明基材11にプライマー層を介して銅箔をドライラミネートして連続帯状の銅箔積層シートとした後、当該銅箔積層シートの銅箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したケミカルエッチング処理を行うことにより、導電層13を形成することができる。特に、10μm未満の線幅を必要とする場合は線幅に応じた厚みを有する金属箔を用いて好ましく処理する事で達成可能であり、厚み2μm以下の薄い金属層を多層透明基材11上に蒸着やスパッタリング等により形成したものを、同様にフォトリソグラフィーによりパターニングを実施してもよい。
<タッチパネル方式の表示装置>
次に、図5及び図6を参照しながら、画像品位向上用機能フィルム1を配置したタッチパネル方式の表示装置であるタッチパネル装置10について説明する。本発明のタッチパネル装置10は、画像品位向上用機能フィルム1と、タッチパネルユニットと、画像表示パネルとを必須の構成要件とするものであり、その他の構成部材は必ずしも必須ではないが、以下、好ましい一実施形態として、画像品位向上用機能フィルム1と、画像表示パネルとして液晶パネルユニット4、及びその他の構成部材を備えるタッチパネル装置10について説明する。
図5に示すように、タッチパネル装置10は、使用者が画像等を認識する側の面である上面側から順に、タッチパネルユニット2、画像品位向上用機能フィルム1A、画像品位向上用機能フィルム1、偏光板3、液晶パネルユニット4、がこの順で積層され、更に液晶パネルユニット4の下方には、バックライト5が配置されている。但し、画像品位向上用機能フィルム1の積層位置についてはこれに限らず、例えば、この他の配置態様として、図6に示すようにタッチパネルユニット2の上面側に配置してもよい。
又、タッチパネル装置10は、画像品位向上用機能フィルム1の画像品位向上性能、及びタッチパネル装置10の表示機能を害さない範囲で、その他の機能を備える任意の層が単層及び/又は複層で形成された構成であってもよい。上記任意の層としては特に限定されず、例えば、ハードコート層、帯電防止層、低屈折層、高屈折率層、防眩層、防汚層、反射防止層、高誘電体層、電磁波遮蔽層、接着剤層等が挙げられる。
画像品位向上用機能フィルム1は、タッチパネル装置10において、タッチパネルユニット2の表面から偏光板3の上面(タッチパネルユニット側の面)の間の任意の面に単層又は2層で配置される。
画像品位向上用機能フィルムをタッチパネルユニット2の裏面に積層する場合には、ここに導電層13を備える画像品位向上用機能フィルム1Aを配置することにより、当該画像品位向上用機能フィルム1Aを、画像品位向上の効果を保持させたまま、タッチパネル用フィルムセンサーフィルムとして用いることができる。又、図5に示す通り、偏光板3の上面とタッチパネルユニット2の裏面の両面に、それぞれ画像品位向上用機能フィルム1と画像品位向上用機能フィルム1Aが積層されていてもよい。
画像品位向上用機能フィルム1がタッチパネルユニット2よりも下方に配置されている場合には、タッチパネル表面側からの圧力によって形成される各層間の界面形状の歪みによる入射光の急激な屈折を、微小突起層12が緩和しつつ界面付近での反射を防ぐため、これによって、タッチパネル表面側からの圧力に起因するニュートンリングの発生を抑止することができる。
又、画像品位向上用機能フィルム1が、偏光板3の上面(タッチパネルユニット側の面)に積層されている場合には、ニュートンリングの発生防止効果が顕著である点において、好ましい。尚、「画像品位向上用機能フィルム1が、偏光板3の上面に積層されている」とは、例えば、図5において、タッチパネルユニット2と偏光板3との間に図示されていない他の層等が配置されている場合においても、画像品位向上用機能フィルム1が、当該他の層を介さずに、偏光板3の直上に積層されている構成を言うものである。
又、画像品位向上用機能フィルム1が、タッチパネルユニットの裏面側に積層されている場合は、タッチパネルユニット2における有効な反射防止効果を奏しやすく、又、特に導電層13を備える画像品位向上用機能フィルム1Aを用いることにより、タッチパネル用センサーフィルムとしても用いることができる。
又、画像品位向上用機能フィルム1及び1Aが、図5に示す通り、偏光板3の上面とタッチパネルユニット2の裏面の両面に、それぞれ積層されている場合は、反射防止効果及びニュートンリングの発生防止効果の発現がとりわけ顕著となる。
又、画像品位向上用機能フィルム1が図6に示す通り、タッチパネルユニット2の上面に積層されている場合には、微小突起層12による反射防止効果を最も効果的に発揮させて、タッチパネル装置10の画像等の視認性を顕著に向上させることができる。
画像品位向上用機能フィルム1は、タッチパネル装置10において、多層透明基材11の遅相軸の方向と、以下に詳細を説明する偏光板3の吸収軸とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°となるように配設されることが好ましく、0°±10°又は90°±10°の範囲にあることがより好ましく、0°±7°又は90°±7°の範囲にあることがより好ましく、0°±3°又は90°±3°の範囲にあることが更に好ましく、上記角度が0°又は90°となるように画像品位向上用機能フィルム1と偏光板3が配設されることが最も好ましい。多層透明基材11の遅相軸の方向と偏光板3の吸収軸とのなす角度が上記範囲内にあることで、タッチパネル装置10の表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる。この理由は明確ではないが、以下の理由によると考えられる。
即ち、外光や蛍光灯の光のない環境下(以下、このような環境下を「暗所」とも言う)では、透明基材110のリタデーションを3000nm以上とすることによって、タッチパネル装置10において、画像品位向上用機能フィルム1の多層透明基材11の遅相軸の方向と偏光板3の吸収軸とのなす角度が、どのような角度であってもニジムラの発生を抑制できる。しかしながら、外光や蛍光灯の光のある環境下(以下、このような環境下を「明所」とも言う)においては、外光や蛍光灯の光は、連続的な幅広いスペクトルを有するものばかりではないため、更に、多層透明基材11の遅相軸の方向と偏光板3の吸収軸とのなす角度を上述の範囲にしないと、ニジムラが生じてしまい表示品位が低下してしまう。更に、カラーフィルター43を透過したバックライト5の光も連続的な幅広いスペクトルを有するものばかりではくなるため、多層透明基材11の遅相軸の方向と偏光板3の吸収軸とのなす角度を上述の範囲にしないと、ニジムラが生じてしまい表示品位が低下してしまうと推測している。尚、タッチパネル装置10において画像品位向上用機能フィルム1を複数枚積層して用いる場合や、更に保護膜として透明基材を最表面に積層する場合には、全ての層について上記角度範囲に入ることが好ましい。
ここで、互いの吸収軸が90°(クロスニコル)の状態に置かれた2枚の偏光板を透過する光の透過率は、下記式(数2)によって表される。尚、下記数2において、I/I0は、クロスニコル状態に置かれた2枚の偏光板を透過する光の透過率を示し、Iは、クロスニコル状態に置かれた2枚の偏光板を透過した光の強度を、I0は、クロスニコル状態に置かれた2枚の偏光板に入射する光の強度を、それぞれ示す。
(数2)
I/I0=sin22θ・sin2(πRe/λ)
又、クロスニコルに配置した偏光板間に対し、ある角度θで設置されたとき、該偏光板間を透過する光の透過率は下記の式(数3)で表される。数2において、Iはクロスニコルに配置した偏光板間を透過した光の強度を示し、I0はクロスニコルに配置した偏光板間に入射する光の強度を示す。この場合、偏光板3の吸収軸に対して、多層透明基材11の遅相軸の方向のなす角度(θ)を45°としたときに、光の透過率は最大となるが、透過率は、多層透明基材11のリタデーション及び透過する光の波長によって変化するため、上記リタデーションの値に特有の干渉色(ニジムラ等)が観測される。ここで、上記角度(θ)を0°又は90°とした場合、上記光の透過率はゼロとなるため、干渉色は観測されなくなる。
(数3)
I/I0=sin22θ・sin2(πRe/λ)
尚、上記の配向角差は、例えば、王子計測機器社製の分子配向計(MOA;Molecular Orientation Analyzer)を用いて測定した配向角の最大値から最小値を引いた値として求められる。又、上記の遅相軸方向は、上記分子配向計(MOA;Molecular Orientation Analyzer)を用いて求めた上記偏光板保護フィルムの遅相軸方向の平均配向角の方向である。
タッチパネルユニット2は、公知のタッチパネルユニットを用いることができる。一般にタッチパネルユニットは、PET等のフィルム上にx方向の導電パターン、又はy方向の導電パターンが形成されたセンサーフィルムを順次ガラス板上に積層した構成を有する。本発明においてもこれを用いることができる。但し、本実施例のタッチパネルユニット2は、導電層13を備える画像品位向上用機能フィルム1Aを、タッチパネルユニット2の下面に配置することにより、センサーフィルムとして用いたものである。尚、タッチパネルユニット2は、その他の任意の層が単層及び/又は複層形成された構成であってもよい。上記任意の層としては特に限定されず、例えば、ハードコート層、帯電防止層、低屈折層、高屈折率層、防眩層、防汚層、反射防止層、高誘電体層、接着剤層等が挙げられる。
偏光板3としては、所望の偏光特性を備えるものであれば特に限定されず、一般的に液晶表示装置の偏光板に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコールフィルムが延伸されてなり、ヨウ素を含有する偏光板が好適に用いられる。
尚、偏光板に係る他の好ましい例として、タッチパネルユニットと偏光板を一体化した構成を挙げることができる。このような一体化構成によれば、本発明の多層透明基材11が偏光板保護フィルムを兼ねることができ、これにより、タッチパネル装置の全体の層構成の簡略化、透過性、及び界面反射性の改善が可能である。
液晶パネルユニット4としては、特に限定されず、一般的に液晶表示装置の液晶パネルユニットとして公知のものを用いることができる。例えば、図1に示すように、液晶層41の上下をガラス板42で挟み更にその上面にカラーフィルター43を配置した一般的な構造を有する液晶パネルユニット4、具体的には、TN、STN、VA、IPS及びOCB等の表示方式のものを用いることができる。
カラーフィルター43としては、特に限定されず、例えば、一般的に液晶表示装置のカラーフィルターとして公知のものを用いることができる。このようなカラーフィルターは、通常、赤色、緑色及び青色の各色の透明着色パターンから構成され、それら各透明着色パターンは、着色剤が溶解又は分散、好ましくは顔料微粒子が分散された樹脂組成物から構成される。尚、上記カラーフィルターの形成は、所定の色に着色したインキ組成物を調整して、着色パターン毎に印刷することによって行ってもよいが、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって行うのがより好ましい。
又、液晶パネルユニット4は、更に、液晶パネルユニット4の上面と下面を、2つの偏光板で挟持した構造であってもよい。この場合、液晶パネルユニット4のカラーフィルター43と反対側面に偏光板3と同構成の偏光板3aが設けられることとなるが、これら2つの偏光板3、3aは、通常、互いの吸収軸が90°(クロスニコル)となるよう配設される。
バックライト5の一次光源は、特に限定されないが、白色発光ダイオード(白色LED)であることが好ましい。上記白色LEDとは、蛍光体方式、即ち化合物半導体を使用した青色光又は紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。なかでも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有していることからニジムラの改善に有効であるとともに、発光効率にも優れるため、本発明における上記バックライトの一次光源として好適である。又、消費電力の小さい白色LEDを広汎に利用可能になるので、省エネルギー化の効果も奏することが可能となる。
タッチパネル装置10の表示画像は、バックライト5の一次光源から照射された光がカラーフィルター43を透過することでカラー表示される。ところが、カラーフィルター43を透過する光が単色表示となるように制御した場合、画像品位向上用機能フィルムの透明基材の材料として、従来使用されている配向ポリエステルフィルムを用いると、ニジムラがより強く生じる場合がある。これに対して、タッチパネル装置10は、上述した透明基材110によって構成される多層透明基材11を備えるため、このような単色表示とした場合であっても、ニジムラの発生を好適に抑制することができる。
上記説明した画像品位向上用機能フィルム1を用いたタッチパネル装置10の他、画像品位向上用機能フィルム1に替えて、透明基材110のように3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材に微小突起層が積層されてなる画像品位向上用機能フィルムを用い、且つ、同じく3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材を含んで構成されるその他の機能層を更に備えるタッチパネル装置も本発明の範囲である。この発明は、3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材が、必ずしも多層透明基材を構成する形で、画像品位向上用機能フィルム内で一体化されている場合のみならず、3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材が、タッチパネル装置内において、その他の機能層の一部として、画像品位向上用機能フィルムとは分離して配置されている場合であっても、本願発明の効果を奏しうるという知見に基づくものある。
上記構成のタッチパネル装置において、上記の3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材は、遅相軸方向の配向角差が6°以内であることが好ましく、4°以内であることがより好ましく、2°以内であることが更に好ましい。上記透明基材の偏光角差が6°以内にあることにより、偏光板の吸収軸と上記透明基材の遅相軸の方向とのなす角度を0°又は90度に設置した場合のニジムラ発生を特に防止できる。
上記構成のタッチパネル装置の好ましい一例として、上記のその他の機能層が、タッチパネルユニットの上面に配置されている保護フィルムである、タッチパネル装置を例示することができる。この保護フィルムが、3000nm以上のリタデーションを有する透明基材を含んでなるものであり、且つ、画像品位向上用機能フィルムが、3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材に導電層が積層されてなるものである場合にも、これらの構成要件を備えるタッチパネル装置は、タッチパネル装置10と同様にニジムラの発生を抑止することができる。
又、他の好ましい一例として、上記のその他の機能層が、タッチパネルユニットの上面に配置されている飛散防止フィルムであるタッチパネル装置を例示することができる。この飛散防止フィルムが、3000nm以上のリタデーションを有する透明基材を含んでなるものであり、且つ、画像品位向上用機能フィルムが、3000nm以上のリタデーションを有する単層の透明基材に導電層が積層されてなるものである場合にも、これらの構成要件を備えるタッチパネル装置は、タッチパネル装置10と同様にニジムラの発生を抑止することができる。尚、飛散防止フィルムとは、主としてタッチパネル装置の最表面に密着配置され、特に前記のPET材料において好適であり、その機能としては画面等が破損した場合においてフィルムの密着と自身の延性による下部ガラス等の飛散による使用者、周囲の人のケガ、また、耐水、耐気封止性の喪失、画面の破損、破片の脱落による画面視認性、操作性の悪化を抑え、例えば、修理窓口に出すまでの間、当面の使用を可能にする事ができるものである。
上記構成のようにタッチパネル装置における透明基材の配置にフレキシビリティを持たせることにより、タッチパネル装置10と同様のニジムラの発生を抑止する効果を保持しつつ、各層の複合機能化(例えば、保護フィルムとタッチパネル、タッチパネルと偏光板保護フィルム、その他、反射防止等)を実現し、タッチパネルセンサーフィルムの厚みをより薄くすることが可能となる。
以上の本発明の好ましい一実施例として、画像品位向上用機能フィルム1を液晶ディスプレイ(LCD)を備えるタッチパネル方式の表示装置に配置したタッチパネル装置10について説明したが、画像品位向上用機能フィルム1は、上記用途に限られず、その他の各種用途にも使用可能である。各種の、テレビジョン受像装置、測定機器や計器類の表示部、事務用機器や電算機の表示部、電話機の表示部、遊戯機器の表示部、電飾看板(照明広告)等に用いられるプラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管ディスプレイ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、電場発光ディスプレイ(EL)等の画像表示装置の前面設置型電磁波遮蔽フィルタ用として好ましく用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。尚、本明細書においては、特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
<画像品位向上用機能フィルム作成>
以下の工程により、実施例1のタッチパネル装置に用いる画像品位向上用機能フィルムを作成した。
[透明基材用樹脂成形]
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、リタデーション=3300nm、膜厚=33μm、Δn=0.099の透明基材を得た。
得られた上記の透明基材を、透明接着剤層を介して3枚(3層)積層し、多層透明基材を得た。透明接着剤としては、従来公知の酸化防止剤を含むアクリル系の透明接着剤を用いた。
[導電層形成工程]
先ず、導電層とする金属箔として、厚み10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。この銅箔の両面に銅―コバルト合金微粒子からなる黒化層を形成した。
又、上記工程で得た多層透明基材の一方の面にポリエステル樹脂系プライマー層を形成した。
次いで、上記多層透明基材の一方の面と、上記金属箔の光沢面とを、透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤(主剤として平均分子量3万のポリエステルポリウレタンポリオール12質量部に対して、硬化剤としてキシリレンジイソシアネート系プレポリマー1質量部を含む)でドライラミネートした後、50℃で3日間養生して、金属箔と多層透明基材間に厚み7μmの透明接着剤層を有する連続帯状の銅箔積層シートを得た。
次いで、上記銅箔積層シートの銅箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したケミカルエッチング処理を行い、開口部及びライン部とからなるタッチパネル用センサーパターンを形成した。
上記エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、連続帯状の上記積層シートに対して、マスキングからエッチングまでを一貫して行った。即ち、上記積層シートの銅箔面全面に感光性のエッチングレジストを塗布後、所望の配線パターンを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、パターンの開口部に相当する領域上にレジスト層が非形成となったレジストパターンを形成した後、レジスト層非形成部の銅箔を、塩化第二鉄を含む酸性水溶液のエッチング液でエッチングして除去して、開口部を有した銅パターンを形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
アクティブエリア(画像表示領域)のパターン形状は、格子状のパターンが帯状に配列した形状であり、線幅は10ミクロン、開口ピッチは300ミクロンであった。又、その周囲に取り回し電極パターンを形成した。
更に、上記多層透明基材の他方の面にも、この導電層形成工程において行った電解銅箔を用意する処理を同様に行うことによって、開口部及びライン部とからなるタッチパネル用センサーパターンを形成した。但し、すでに形成された面については表面に上記ドライラミネート手法を適切に用いたマスキングを行い前記エッチング工程における腐食を防止している。また、パターン形成の際には多層透明基材の両面にそれぞれ形成された各ライン部のラインの方向が、平面視上において互いに直交する向きとなるようにアライメントの調整を実施し、それぞれのライン部を形成した。
[微小突起層形成工程]
上記導電層形成工程で得た透明基材用樹脂に以下の加工処理を行い、一方の面に微小突起層を形成した。
上記の多層透明基材に、ダイにより一般に用いられるアクリレート系の紫外線硬化性樹脂を塗布した。続いて賦型用金型であるロール版の周側面に透明基材用樹脂の紫外線硬化性樹脂を塗布した側の面を加圧押圧し、これにより透明基材用樹脂に紫外線硬化性樹脂を密着させるとともに、微小な凹凸形状の凹部に紫外線硬化性樹脂充填した。続いて、紫外線の照射(1000mJ/cm2)により紫外線硬化性樹脂を硬化させ、透明基材用樹脂の表面に微小突起を形成する。続いて剥離ローラを介してロール版から、硬化した紫外線硬化性樹脂と一体に透明基材用樹脂を剥離した。
剥離後、透明基材用樹脂を480mm×280mmのサイズに裁断して、実施例及び比較例の画像品位向上用機能フィルムとした。
又、ロール版については、上述した方法により、以下の条件で陽極酸化処理及びエッチング処理を行うことにより作成した。
陽極酸化処理:のシュウ酸溶液(水温10℃、濃度5%)を適用し、印加電圧10〜70Vにより陽極酸化処理を実行した。
エッチング処理:リン酸溶液(水温30℃、濃度20%)を適用した。
以上の処理を計6回繰り返した。
<タッチパネル用センサー作成>
導電層及び微細突起層が形成された前記の画像品位向上用機能フィルムを、厚さ3ミリのガラス板上に、厚さ25ミクロンの透明接着剤層を介して積層し、更に実施例1の透明基材を同サイズに打ち抜いたものを保護のために積層してタッチパネル用センサーとした。
<タッチパネル装置作成>
次に、液晶モニター(FLATORON IPS226V(LG Electronics Japan社製))の観測者側の偏光板上側に、得られたタッチパネル用センサーをガラス板が観察者側に来るよう配置し、タッチパネル装置を作成した。尚、タッチパネル用センサーは、該タッチパネル用センサーを構成する画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸の方向と液晶モニターの観測者側の偏光板の吸収軸とのなす角度が0°となるように配置した。
(実施例2)
画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸の方向と、液晶モニターの観察者側の偏光板の吸収軸とのなす角度を30°とした以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(実施例3)
画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸の方向と、液晶モニターの観察者側の偏光板の吸収軸とのなす角度を60°とした以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(実施例4)
画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸の方向と、液晶モニターの観察者側の偏光板の吸収軸とのなす角度を90°とした以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(実施例5)
画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸の方向と、液晶モニターの観察者側の偏光板の吸収軸とのなす角度を45°とした以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(実施例6)
実施例1と同様にして得られた透明基材の積層数を2枚(2層)としたこと以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(実施例7)
実施例1と同様にして得られた透明基材の積層数を6枚(6層)としたこと以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(実施例8)
実施例1における多層の透明基材に替えて、実施例1において得られた単層の透明基材を用いて画像品位向上用機能フィルムを作成し、又、タッチパネルセンサーのガラス板上に、更に実施例1において得られた単層の透明基材を保護フィルムとして積層したこと以外は、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(比較例1)
実施例1における多層の透明基材に替えて、下記の単層の透明基材を用いた。その他については、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。この比較例1に用いた単層の透明基材は、実施例1における透明基材の作成における延伸倍率を調整して得た、リタデーション=2800nm、膜厚=100μm、Δn=0.028の透明基材である。
(比較例2)
実施例1における多層の透明基材に替えて、下記の単層の透明基材を用いた。その他については、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。この比較例2に用いた単層の透明基材は、実施例1における透明基材の作成における延伸倍率を調整して得た、リタデーション=930nm、膜厚=33μm、Δn=0.028の透明基材である。
(比較例3)
実施例1における透明基材の作成における延伸倍率を調整して、リタデーション=2000nm、膜厚=33μm、Δn=0.061の透明基材を得た。この透明基材を用いたこと以外は、実施例6と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。
(参考例)
実施例1における多層の透明基材に替えて、下記の単層の透明基材を用いた。その他については、実施例1と同様の方法でタッチパネル装置を作製した。この参考例に用いた単層の透明基材は、実施例1における透明基材の作成における延伸倍率を調整して得た、リタデーション=9900nm、膜厚=100μm、Δn=0.099の透明基材である。
<ニジムラ発生防止効果の評価>
実施例1〜7、比較例1〜3にて作成したタッチパネル装置を、暗所及び明所(液晶モニター周辺照度400ルクス)にて、5人の人間が、正面及び斜め方向(約50度)から目視及び、明所においては更に偏光サングラス越しに、表示画像の観測を行い、ニジムラの有無を以下の基準に従い評価した。
A:ニジムラが観測されない。
B:ニジムラが観測されるが、薄く、実使用上問題ないレベル。
C:ニジムラが観測される。
D:ニジムラが強く観測される。
Figure 2014010316
表1に示したように、画像品位向上用機能フィルムを構成する多層透明基材が、リタデーションが3000nm以上の透明基材を複数積層したものであり、且つ、タッチパネル用センサーフィルムの透明基材の遅相軸の方向と偏光板の吸収軸とが0°±30°又は90°±30°の範囲にある実施例1〜4及び6〜7に係るタッチパネル装置は、明所及び暗所における目視のニジムラの評価に優れるものであった。これに対して、画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸の方向と偏光板の吸収軸とのなす角度が45°であった実施例5に係るタッチパネル装置は、明所での偏光サングラス越しでのニジムラ評価に劣るものではあったが、暗所でのニジムラ評価は良好であり、実用上好ましい範囲に、ニジムラを抑制できるものとなっている。又、リタデーションが3000nm以上の透明基材を分離して、複数の層(2カ所)に配置した実施例8においても、他の実施例と同様の効果を得ることができることが分る。尚、参考例は、特段に高いリタデーション値を有する非汎用的な透明基材を単層使用で用いた場合についての例であるが、本発明の実施例はいずれも、汎用的な透明基材のみを組み合わせて使用したものでもあるにかかわらず、これと同様の効果を奏するものであることが分る。
(変形例1)
画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材の遅相軸と、液晶モニターの観察者側の偏光板の吸収軸とのなす角度を任意の角度とし、それ以外は、実施例1と同様の方法で作成したタッチパネル装置については、暗所での使用において実用上好ましい範囲に、ニジムラを抑制できるものとなっている。
<ニュートンリング発生防止効果の評価>
比較例3として、画像品位向上用機能フィルムの多層透明基材のいずれの面にも微細突起層を形成していないこと以外は、実施例1と同じ材料、構成、製造方法によるタッチパネル装置を作成し、タッチパネル画面に同程度の指圧をかけたところ、比較例3では、ニュートンリングが目視によって確認されたが、実施例1においては、ニュートンリングの発生は認められなかった。
(変形例2)
上記の多層透明基材に導電層は設けず、微細突起層のみを設けた画像品位向上用機能フィルムを変形例2のフィルムとして作成した。この変形例2のフィルムを、比較例3のタッチパネル装置において、タッチパネル用センサーと偏光板の間に配置し変形例2のタッチパネル装置とした。上記と同様にニュートンリングの発生防止効果について検証したところ、変形例2のタッチパネル装置において、ニュートンリングの確認が目視では困難な程度にその発生が低減された。
以上より、本発明の画像品位向上用機能フィルムは、視認性を低下させる反射光を低減し、同時に、ニジムラ及びニュートンリングの発生を極めて高度に抑制でき、高品質が要求されるタッチパネル装置に好適に用いることができるものであることが理解できる。
1、1A 画像品位向上用機能フィルム
11 多層透明基材
110 透明基材
12 微小突起層
120 紫外線硬化性樹脂
13 導電層
2 タッチパネルユニット
3 偏光板
4 液晶パネルユニット
41 液晶層
42 ガラス板
43 カラーフィルター
5 バックライト
10 タッチパネル装置
100 製造工程
101 ダイ
102 ロール版
103、104 ローラ

Claims (14)

  1. 複数の透明基材を積層してなる多層透明基材上に微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る波長帯域の最短波長以下である画像品位向上用機能フィルムにおいて、
    前記多層透明基材を構成する前記透明基材は、3000nm以上のリタデーションを有することを特徴とする画像品位向上用機能フィルム。
  2. 前記多層透明基材の少なくとも一方の面に、一定のピッチで同一方向に配置されている導電層が形成されている請求項1に記載の画像品位向上用機能フィルム。
  3. 前記透明基材は、面内において最も屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05以上である請求項1又は2に記載の画像品位向上用機能フィルム。
  4. 前記透明基材は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択されるいずれか1種の材料からなる請求項1から3のいずれかに記載の画像品位向上用機能フィルム。
  5. 前記透明基材は、ポリエチレンテレフタレートである請求項4に記載の画像品位向上用機能フィルム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の画像品位向上用機能フィルムと、
    タッチパネルユニットと、
    画像表示パネルと、を備えた表示装置。
  7. 前記画像表示パネルの出光面側に配置される偏光板を備え、
    前記画像表示パネルは、液晶パネルである請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記偏光板の吸収軸と前記画像品位向上用機能フィルムの前記多層透明基材の遅相軸の方向とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°となるように配設されている請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記画像品位向上用機能フィルムが、前記偏光板の前記タッチパネルユニット側の面に積層されている請求項7又は8に記載の表示装置。
  10. 前記画像品位向上用機能フィルムが、前記タッチパネルユニットの裏面側に積層されている請求項6から9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 前記画像品位向上用機能フィルムが、前記タッチパネルユニットの表面側に積層されている請求項6から9のいずれかに記載の表示装置。
    前記画像品位向上用機能フィルムが、前記偏光板の前記タッチパネルユニット側の面に積層されている請求項7から9のいずれかに記載の表示装置。
  12. 透明基材上に、微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る波長帯域の最短波長以下である画像品位向上用機能フィルムと、
    タッチパネルユニットと、
    画像表示パネルと、を備えた表示装置であって、
    該表示装置は、前記透明基材を含んで構成される機能層を更に備え、
    前記画像品位向上用機能フィルム及び前記機能層を構成する前記透明基材は、いずれも3000nm以上のリタデーションを有することを特徴とする表示装置。
  13. 前記機能層が、前記表示装置において、タッチパネルユニットの表示面側の最表面に配置されている保護フィルムである請求項12に記載の表示装置。
  14. 前記機能層が、前記表示装置において、タッチパネルユニットの表示面側の最表面に配置されている飛散防止フィルムである請求項12に記載の表示装置。
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