JP2014119060A - ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014119060A
JP2014119060A JP2012275656A JP2012275656A JP2014119060A JP 2014119060 A JP2014119060 A JP 2014119060A JP 2012275656 A JP2012275656 A JP 2012275656A JP 2012275656 A JP2012275656 A JP 2012275656A JP 2014119060 A JP2014119060 A JP 2014119060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
ramp
ramp mechanism
rotor
balls
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012275656A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Yasui
誠 安井
Makoto Muramatsu
誠 村松
Yuki SAOYAMA
祐輝 竿山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2012275656A priority Critical patent/JP2014119060A/ja
Priority to CN201380066152.5A priority patent/CN104919216A/zh
Priority to EP13864958.7A priority patent/EP2937599A4/en
Priority to PCT/JP2013/082959 priority patent/WO2014097915A1/ja
Priority to US14/650,584 priority patent/US20150323026A1/en
Publication of JP2014119060A publication Critical patent/JP2014119060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ボールランプ機構におけるランプ溝に製造上の寸法バラツキがある場合でも、複数のボールのそれぞれをランプ溝に対して均一に接触させることができるようにすることである。
【解決手段】駆動側ロータ51と被駆動側ロータ52を同軸上において対向配置し、その両ロータ51、52の互いに対向する面のそれぞれに、溝深さが周方向で漸次変化し、その変化の方向が逆方向とされた3組の対向一対の円弧状のランプ溝56、57を周方向に等間隔に設け、その対向一対のランプ溝56、57間のそれぞれにボール53を組み込み、そのボール53を保持器60で保持する。保持器60のポケット61間に形成された柱部62に弾性変形を可能とする可撓性を付与し、その柱部62の弾性変形によりランプ溝56、57の製造上の寸法バラツキを吸収して複数のボール53のそれぞれをランプ溝56、57に対して均一に接触させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、回転運動を直線運動に変換するボールランプ機構およびそのボールランプ機構を用いてブレーキパッド等の被駆動部材を直線駆動する電動および手動式直動アクチュエータ、ならびに、その電動式直動アクチュエータを用いた電動式ディスクブレーキ装置に関する。
電動モータを駆動源とする電動式直動アクチュエータにおいては、電動モータのロータ軸の回転運動を運動変換機構によって軸方向に移動自在に支持された被駆動部材の直線運動に変換している。
電動式直動アクチュエータに採用された運動変換機構として、特許文献1乃至3に記載されたボールランプ機構が知られている。このボールランプ機構においては、駆動側ロータと被駆動側ロータを同軸上において対向配置し、その両ロータの互いに対向する面のそれぞれに対向一対の円弧状のランプ溝を周方向に間隔をおいて3組設け、各組の対向一対のランプ溝間のそれぞれにボールを組み込んだ構成としている。
ここで、ランプ溝は、溝深さが周方向で漸次変化し、その変化の方向が駆動側ロータのランプ溝と被駆動側ロータのランプ溝とでは逆方向とされている。
特許文献1および2に記載されたボールランプ機構においては、電動モータの駆動により駆動側ロータを回転し、被駆動側ロータに対する駆動側ロータの相対的な回転によりボールをランプ溝に沿って移動させて被駆動側ロータを軸方向に移動させるようにしている。
一方、特許文献3に記載されたボールランプ機構においては、オペレータによるペダルの踏込み操作やレバー操作によって駆動側ロータを回転し、被駆動側ロータに対する駆動側ロータの相対的な回転によりボールをランプ溝に沿って移動させて駆動側ロータを軸方向に移動させるようにしている。
特開2011−202696号公報 特開2011−158058号公報 特開2010−54038号公報
ところで、特許文献1乃至3に記載されたボールランプ機構においては、駆動側ロータおよび被駆動側ロータに形成されたランプ溝にボールを単に組み込む構成であると、ボールランプ機構の組立てや分解の際、ボールにばらけが生じて組立ておよび分解に非常に手間がかかるという問題が生じる。
そのような問題点の解決には、保持器によってボールを保持することが有効である。特許文献1の図1には、符号が付されていないが保持器が図示されているように見受けられる。
しかし、駆動側ロータと被駆動側ロータのランプ溝は製造上、3組の対向一対のランプ溝のピッチやリード角、円弧状ランプ溝の曲率等、寸法のバラツキがある。そのため、3つのボールが周方向に等間隔に配置される等配位置で、それぞれのボールがランプ溝に均一に接触せず、接触しないボールも発生する。また、ランプ溝の摩耗によってボールがランプ溝に均一に接触しなくなる場合が生じる。このような場合、ボールランプ機構の作動時に、接触圧力の相違からボールの移動に遅れ、進みを生じさせる荷重が負荷されることになる。
このとき、保持器が剛性の高いものであると、ボールの移動の遅れ、進みを許容せず、ボールは強制的に等配位置に保持されることになってランプ溝に接触しないボールが発生したり、あるいは、駆動側ロータと被駆動側ロータが相対的に傾斜して不均一な荷重がボールに加わり、異常摩耗や破損を招くおそれがある。
また、保持器のポケットとボールの接触面圧が大きくなり、その接触部での滑り摩擦によってボールランプ機構の作動効率を低下させるという問題が生じる。
この発明の課題は、ボールランプ機構のランプ溝に製造上の寸法バラツキがある場合でも、複数のボールのそれぞれをランプ溝に対して均一に接触させることができるようにすることである。
上記の課題を解決するため、この発明に係るボールランプ機構においては、駆動側ロータと被駆動側ロータを同軸上において対向配置し、その両ロータの互いに対向する面のそれぞれに、溝深さが周方向で漸次変化し、その変化の方向が逆方向とされた複数組の対向一対の円弧状のランプ溝を周方向に等間隔に設け、その対向一対のランプ溝間のそれぞれにボールを組み込み、そのボールの収容用ポケットを有する保持器によって前記ボールのそれぞれを保持し、前記駆動側ロータと被駆動側ロータの相対的な回転によりボールをランプ溝に沿って移動させて駆動側ロータと被駆動側ロータを軸方向に相対移動させるようにしたボールランプ機構において、前記保持器のポケット間に形成された柱部に弾性変形を可能とする可撓性を付与した構成を採用したのである。
上記のように、保持器のポケット間に形成された柱部に可撓性を付与することにより、ランプ溝の製造上の寸法バラツキによって複数のボールがランプ溝に不均一に接触してボールに遅れ進みを生じさせるような負荷が作用すると、柱部が弾性変形してランプ溝の製造上の寸法バラツキを吸収し、ボールの移動の遅れ進みを許容する。
このため、複数のボールのそれぞれはランプ溝に均一に接触することになり、ボールのそれぞれによって均一に荷重を伝達する。また、柱部の弾性変形により、ボールとポケットとの接触部での面圧も緩和されるため、ボールとポケットとの接触による滑り摩擦が小さく、ボールランプ機構の作動効率の低下を抑制することができる。
ここで、柱部に対する可撓性の付与には、柱部の内周に対する切欠部の形成により柱部の径方向幅をポケット形成部位での幅寸法より幅狭とする方法、ポケット形成部位での径方向幅より幅狭とされた柱部を径方向内方に向く湾曲形状とする方法、ポケット形成部位での径方向幅より幅狭とされた柱部を周方向に向けて伸縮可能な蛇腹状とする方法、ポケット形成部位での径方向幅と略同一の幅寸法とされた柱部の幅方向の中央部に刳り抜き孔を形成して柱部を外周柱部と内周柱部とに分割する方法を採用することができる。
上記のような可撓性の付与においては、保持器の軽量化を図ることができると共に、材料コストの低減も図ることができる。
また、柱部に対する可撓性の付与に際し、保持器を軟質の合成樹脂で形成し、あるいは、銅やアルミで形成してもよい。
この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいては、シリンダと、そのシリンダの内径面に沿って摺動可能なピストンと、前記シリンダの軸心上に配置され、電動モータを駆動源として回転駆動される駆動軸と、その駆動軸の回転運動を直線運動に変換して前記ピストンを押圧するボールランプ機構からなる電動式直動アクチュエータにおいて、前記ボールランプ機構として、この発明に係るボールランプ機構を採用したのである。
また、この発明に係る手動式直動アクチュエータにおいては、シリンダと、そのシリンダの内径面に沿って摺動可能なピストンと、そのピストンと同軸上に組み込まれたピストン押圧用のプッシュロッドと、そのプッシュロッドの背部に組み込まれ、オペレータの操作による入力回転を直線運動に変換して前記プッシュロッドを押圧するボールランプ機構とからなる手動式直動アクチュエータにおいて、前記ボールランプ機構として、この発明に係るボールランプ機構を採用したのである。
上記電動式直動アクチュエータおよび手動式直動アクチュエータのいずれにおいても、この発明に係るボールランプ機構の採用によって負荷容量の増大を図ることができ、破損することの少ない耐久性に優れた直動アクチュエータを得ることができる。
なお、本願での電動式ディスクブレーキ装置とは、いわゆるサービスブレーキに限らず、サービスブレーキを油圧式とした場合の電動パーキングブレーキ装置にも適用できることを含んでいる。
この発明に係る電動式ディスクブレーキ装置においては、電動式直動アクチュエータにより車輪と共に回転するブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでディスクロータを押圧して、そのディスクロータに制動力を付与するようにした電動式ディスクブレーキ装置において、前記電動式直動アクチュエータとして、この発明に係る上記電動式直動アクチュエータを採用したのである。
この発明においては、上記のように、保持器のポケット間に形成された柱部に可撓性を付与したことにより、その柱部の弾性変形によりランプ溝の製造上の寸法バラツキを吸収してボールの移動の遅れ進みを許容することができるため、複数のボールのそれぞれをランプ溝に均一に接触させることができ、ボールとランプ溝の接触部での損傷の少ない耐久性に優れたボールランプ機構を得ることができる。
また、柱部の弾性変形によってボールと保持器ポケットの接触部での面圧を緩和することができるため、ボールとポケットの接触での滑り摩擦を低減し、ボールランプ機構の作動効率の低下を抑制することができる。
また、保持器の切欠きや刳り抜き孔には、潤滑材が多く入ることができるので、潤滑材溜まりの役割を果たし、ボールランプ機構の潤滑性を高め、作動効率や耐久性を向上することができる。
この発明に係る電動式直動アクチュエータの実施の形態を示す縦断面図 図1の一部を拡大して示す断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 (イ)は図2のIV−IV線に沿った断面図、(ロ)は作動状態を示す断面図 保持器の他の例を示す正面図 保持器のさらに他の例を示す正面図 保持器のさらに他の例を示す正面図 この発明に係る電動式ディスクブレーキ装置の実施の形態を示す縦断面図 この発明に係る電動式ディスクブレーキ装置の他の実施の形態を示す縦断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図4は、この発明に係る電動式直動アクチュエータを示す。図1に示すように、電動式直動アクチュエータAは、シリンダ10と、そのシリンダ10内に組み込まれたピストン20と、上記シリンダ10の軸心上に配置された駆動軸30と、その駆動軸30の回転駆動用の電動モータ40と、上記駆動軸30の回転運動を直線運動に変換してピストン20を押圧するボールランプ機構50とからなる。
シリンダ10は、一端が開口し、他端が閉塞する。その閉塞端には電動モータ40を支持するベース板11が設けられている。また、シリンダ10の閉塞端部には軸挿入孔12が形成され、その軸挿入孔12に駆動軸30の後端部が挿通され、外部に臨む駆動軸12の後端部と電動モータ40の上記ベース板11を貫通して外部に臨むロータ軸41の先端部間に、そのロータ軸41の回転を減速して駆動軸20に伝達する歯車式の減速機42が設けられている。
ピストン20は、シリンダ10の内径面に沿って摺動可能な円筒部21を有し、その円筒部21の開口端を先にしてシリンダ10内に組み込まれている。また、ピストン20は、その先端部がシリンダ10の開口端から外部に臨む組込みとされ、その先端部外周とシリンダ10の開口端部間に組み込まれた伸縮可能なベローズ13はシリンダ10の開口端を閉塞し、シリンダ10内に異物が侵入するのを防止する。
また、シリンダ10の開口端部の内周には環状のシール溝14が形成され、そのシール溝14内に組み込まれたシール部材15はピストン20の外径面に弾性接触して、シリンダ10とピストン20の摺動面間をシールしている。
駆動軸30にはシリンダ10の閉塞端部内に位置する部分にフランジ31が設けられ、そのフランジ31はシリンダ10の閉塞端部内に組み込まれたスラスト軸受16によって回転自在に支持されている。また、駆動軸30のシリンダ10の閉塞端から外部に位置する後端部には、シリンダ10の閉塞端と減速機42の出力ギヤ42aとの間に間座17が組み込まれ、その間座17によって駆動軸30は軸方向に非可動の支持とされている。
駆動軸30の先端部はピストン20の円筒部21内に位置しており、その先端部の外周に雄ねじ32が形成されている。
図2に示すように、ピストン20の円筒部21内には円筒状のケース22が組み込まれている。ケース22は回転自在の組込みとされ、その両端には内向きフランジ23a、23bが設けられ、内部にはボールランプ機構50が組み込まれている。
ボールランプ機構50は、環状の駆動側ロータ51と、その駆動側ロータ51の前側に対向配置された環状の被駆動側ロータ52と、その両ロータ51、52の対向部間に組み込まれたボール53と、そのボール53を保持する保持器60および上記駆動側ロータ51とケース22の後端に設けられた内向きフランジ23b間に組み込まれて駆動側ロータ51を被駆動側ロータ52に向けて付勢する弾性部材54とからなる。
駆動側ロータ51は、被駆動側ロータ52に対する背面側にボス部51aを有し、内周には駆動軸30の雄ねじ32にねじ係合する雌ねじ55が設けられている。
被駆動側ロータ52は、駆動軸30の先端部外周に対して隙間をもって嵌合されている。また、被駆動側ロータ52の外径はケース22の内径より少し小径とされて先端面の外周部がケース22の先端に位置する内向きフランジ23aと軸方向で対向している。
また、被駆動側ロータ52の先端面には円すい形の突出部52aが設けられ、その突出部52aはピストン20の閉塞端面に形成された円すい形凹部24内に嵌合して、その凹部24の円すい面に面接触している。
図2および図4に示すように、駆動側ロータ51と被駆動側ロータ52の対向面には3組の対向一対の円弧状のランプ溝56、57が周方向に等間隔に設けられ、その3組の対向一対のランプ溝56、57間のそれぞれにボール53が組み込まれている。
ランプ溝56、57の溝深さは周方向に漸次変化し、その変化の方向は駆動側ロータ51のランプ溝56と被駆動側ロータ52のランプ溝57とでは逆方向になっている。
ここで、ランプ溝56、57は、円弧状の溝から形成されてボール53と接触している。
図3に示すように、保持器60は環状をなしている。その保持器60には、3つのボール53のそれぞれを単独に収容する3つのポケット61が周方向に等間隔に設けられ、隣接するポケット61間に形成された柱部62の内周には切欠部63が形成されている。切欠部63の形成により柱部62の周方向幅が狭小化されて柱部62に可撓性が付与され、その柱部62の径方向への弾性変形によりボール53の周方向への移動が許容される。
実施の形態で示す電動式直動アクチュエータAは上記の構造からなり、図8は、その電動式直動アクチュエータAを採用した電動式ディスクブレーキ装置Bを示す。この電動式ディスクブレーキ装置Bにおいては、図示省略した車輪と共に回転するディスクロータ70の外周囲にキャリパ71を配置し、そのキャリパ71の一端部にディスクロータ70のアウタ側面の外周部と軸方向で対向する爪部72を設け、その爪部72にアウタ側ブレーキパッド73を取り付けている。
また、キャリパ71の他端部に電動式直動アクチュエータAのシリンダ10を一体に設けて、ピストン20をディスクロータ70のインナ側面の外周部に軸方向で対向配置し、そのピストン20の先端部にインナ側ブレーキパッド74を取り付けている。
ここで、キャリパ71は、ナックル等の静止部材に支持された図示省略したホルダにより支持されて、ディスクロータ70の軸方向に移動自在とされている。
なお、ここで電動式ディスクブレーキ装置Bは、サービスブレーキとしてもパーキングブレーキとしても使用することができる。別途ピストン20への圧油の供給によるサービスブレーキを油圧式ブレーキとして使用することもでき、その場合の電動式直動アクチュエータAの役割は電動パーキングブレーキの機能を発揮する。
図8に示すような電動式ディスクブレーキ装置Bへの電動式直動アクチュエータAの使用状態において、図1に示す電動モータ40を駆動すると、その電動モータ40のロータ軸41の回転が減速機42により減速されて駆動軸30に伝達され、駆動軸30が減速回転する。
この時、駆動軸30の雄ねじ32に駆動側ロータ51の雌ねじ55がねじ係合しており、また、ディスクロータ70に対してインナ側ブレーキパッド74は非接触であってピストン20には軸方向の負荷が作用していないため、駆動軸30の回転により駆動側ロータ51は軸方向に移動する。また、被駆動側ロータ52も駆動側ロータ51と共に軸方向に移動してピストン20を押圧し、その押圧によってピストン20がディスクロータ70に向けて移動する。
ピストン20の移動によりインナ側ブレーキパッド74がディスクロータ70に当接し、そのディスクロータ70を軸方向に押圧し始める。その押圧力の反力はピストン20および被駆動側ロータ52を介して駆動側ロータ51に作用するため、雌ねじ55と雄ねじ32のねじ係合部の接触圧が次第に高くなる。
また、上記反力はそのねじ係合部から駆動軸30に作用し、その駆動軸30からシリンダ10に負荷されるため、爪部72に取付けられたアウタ側ブレーキパッド73がディスクロータ70に接近する方向に向けてキャリパ71が移動し、ディスクロータ70にアウタ側ブレーキパッド73が当接する。
一方、雄ねじ32と雌ねじ55の接触圧力の増大により駆動軸30と共に駆動側ロータ51が回転する。この時、駆動側ロータ51は被駆動側ロータ52に対して相対回転し、図4(イ)に示すボール53は、ランプ溝56、57の深溝部から図4(ロ)に示すように、浅溝部に向けて移動する。
ランプ溝56、57に沿ってのボール53の移動により、駆動側ロータ51が弾性部材54の弾性に抗して被駆動側ロータ52から相対的に離反する方向に移動して対向間隔が拡がり、アウタ側ブレーキパッド73とインナ側ブレーキパッド74はディスクロータ70の外周部を軸方向両側から強く挟持し、ディスクロータ70に制動力が負荷される。
ここで、駆動軸30の回転運動をピストン20の直線運動に変換するボールランプ機構50において、駆動側ロータ51および被駆動側ロータ52におけるランプ溝56、57は製造上、3組の対向一対のランプ溝56、57のピッチやリード角、円弧状ランプ溝の曲率等、寸法にバラツキがあるため、3つのボール53が周方向に等間隔に配置される等配位置で、それぞれのボール53がランプ溝56、57に均一に接触せず、また、接触しないボール53も発生する。また、ランプ溝56、57の摩耗によってボール53がランプ溝56、57に均一に接触しなくなる場合が生じる。このような場合、ボールランプ機構50の作動時に、接触圧力の相違からボール53の移動に遅れ、進みを生じさせる荷重が負荷される。
実施の形態における保持器60においては、ポケット61間に形成された柱部62の内周に切欠部63を形成して、柱部62に可撓性を付与しているため、上記のように、ボール53の移動に遅れ進みを生じさせるような負荷が作用すると、柱部62が径方向に弾性変形してランプ溝56、57の製造上の寸法バラツキを吸収し、ボール53の移動の遅れ進みを許容する。
このため、複数のボール53のそれぞれはランプ溝56、57に均一に接触することになり、ボール53のそれぞれによって均一に荷重を伝達することができると共に、ボール53とランプ溝56、57の接触部での損傷を防止することができる。
また、柱部62の弾性変形により、ボール53とポケット61との接触部での面圧も緩和されるため、ボール53とポケット61との接触による滑り摩擦が小さく、ボールランプ機構50の作動効率の低下を抑制することができる。
図3に示す保持器60においては、ポケット61間に形成された柱部62の内周に切欠部63を形成して柱部62に可撓性を付与したが、柱部62に対する可撓性の付与はこれに限定されるものではない。
図5乃至図7は、柱部62に対する可撓性の付与の他の例を示している。図5における保持器60においては、ポケット61形成部位での径方向幅より幅狭とされた柱部を径方向内方に向く湾曲形状としてその柱部62に可撓性を付与している。
図6における保持器60においては、ポケット61形成部位での径方向幅より幅狭とされた柱部62を周方向に向けて伸縮可能な蛇腹状としてその柱部62に可撓性を付与している。
図7における保持器60においては、径方向幅がポケット61形成部位での径方向幅と同一とされた柱部62の径方向幅の中央部に周方向に長い円弧状の刳り抜き孔64を形成して柱部62を外周柱部62aと内周柱部62bとに分割し、その外周柱部62aと内周柱部62bのそれぞれに可撓性を付与している。
図7では、周方向に長い円弧状の1つの刳り抜き孔64になっているが、柱部62の可撓性を調整するために、複数の刳り抜き孔64で梯子上にしてもよく、また孔形成は適宜変更可能である。
なお、保持器60は、実施の形態では軟質の合成樹脂で成形しているが、銅やアルミで形成してもよい。
図9は、パーキングブレーキ機能付きのディスクブレーキ装置を示す。このディスクブレーキ装置においては、キャリパ71の他端部に手動式直動アクチュエータAを設け、その手動式直動アクチュエータAをオペレータにより操作してディスクロータ70に制動力を付与する点で図8に示す電動式直動アクチュエータAと相違している。このため、図8に示す電動式直動アクチュエータAと同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、手動式直動アクチュエータAは、図1に示す電動式直動アクチュエータAと同様に、シリンダ10と、そのシリンダ10内に組み込まれた摺動可能なピストン20を有し、上記シリンダ10の閉塞端部内に対する圧油の供給によりピストン20をディスクロータ70に向けて移動させ、アウタ側ブレーキパッド73およびインナ側ブレーキパッド74でディスクロータ70の外周部を軸方向両側から挟持して制動力を付与するようにしている。
また、シリンダ10の閉塞端部内に回転運動を直線運動に変換するボールランプ機構50を組込み、そのボールランプ機構50によりプッシュロッド80および筒状のクラッチ部材81を介してピストン20をディスクロータ70に向けて押圧移動させるようにしている。
ボールランプ機構50は、図2に示すボールランプ機構50と同様に、駆動側ロータ51と被駆動側ロータ52の対向面それぞれに3組の対向一対のランプ溝56、57を周方向に等間隔に設け、各組の対向一対のランプ溝56、57間のそれぞれにボール53を組込み、そのボール53を図3に示す保持器60で保持して、上記被駆動側ロータ52をシリンダ10の閉塞端部側に位置する組込みとしている。
また、被駆動側ロータ52の外周に駆動側ロータ51を覆う円筒部52bを設け、その円筒部52bの開口端をシリンダ10の閉塞端部の内周に取付けた止め輪18に対向させて被駆動側ロータ52を軸方向に非可動の支持としている。
さらに、駆動側ロータ51にロッド59を設け、そのロッド59を被駆動側ロータ52に形成された中心孔52aおよびシリンダ10の閉塞端部に形成された軸挿入孔12に挿通し、シリンダ10の外部に位置するロッド59の端部にレバー等からなるオペレーティング部材100を取付け、そのオペレーティング部材100をオペレータがペダルを踏み込む操作、あるいは、レバーを揺動させる操作により駆動側ロータ51を回転させ、対向一対のランプ溝56、57に沿うボール53の移動により、駆動側ロータ51を回転させつつ軸方向に移動させて、プッシュロッド80を押圧し、軸方向に移動させるようにしている。
プッシュロッド80は、ボールランプ機構50と対向する端部にフランジ82を有し、そのフランジ82の外周に設けられた突片83が被駆動側ロータ52の円筒部52bに形成された回り止め溝84に係合し、その係合によりプッシュロッド80は回り止めされている。
また、プッシュロッド80のねじ軸部85が設けられ、そのねじ軸部85がクラッチ部材81に形成されたねじ孔86にねじ係合されている。
プッシュロッド80のフランジ82にはリターンスプリング87の弾性力が付与され、その弾性力によりプッシュロッド80は駆動側ロータ51に向けて付勢されている。
クラッチ部材81は、ピストン20内に位置する組込みとされ、その外周に設けられた鍔88とピストン20の内周に取付けられた止め輪89間にアジャスト部90が組み込まれている。アジャスト部90は、特許文献3に記載されているように、シリンダ10の閉塞端部内に対する圧油の供給によりピストン20をディスクロータ70に向けて移動させた際に、クラッチ部材81をねじ軸部85とのねじ係合により回転させつつ軸方向に移動させて、ピストン20に追従させるよう作用する。
上記の構成からなる手動式直動アクチュエータAのボールランプ機構50においては、図2および図3に示すボールランプ機構50と同様に、ボール53を保持する保持器60の柱部62に可撓性を付与しているため、柱部62の弾性変形によりランプ溝56、57の製造上の寸法バラツキを吸収し、ボール53の移動の遅れ進みを許容することができる。したがって、ボール53のそれぞれによって均一に荷重を伝達することができると共に、ボール53とランプ溝56、57の接触部での損傷を防止することができる。
電動式直動アクチュエータ
手動式直動アクチュエータ
B 電動式ディスクブレーキ装置
10 シリンダ
20 ピストン
30 駆動軸
40 電動モータ
50 ボールランプ機構
51 駆動側ロータ
52 被駆動側ロータ
53 ボール
56 ランプ溝
57 ランプ溝
60 保持器
61 ポケット
62 柱部
63 切欠部
64 刳り抜き孔
70 ディスクロータ
73 ブレーキパッド
74 ブレーキパッド
80 プッシュロッド

Claims (8)

  1. 駆動側ロータと被駆動側ロータを同軸上において対向配置し、その両ロータの互いに対向する面のそれぞれに、溝深さが周方向で漸次変化し、その変化の方向が逆方向とされた複数組の対向一対の円弧状のランプ溝を周方向に等間隔に設け、その対向一対のランプ溝間のそれぞれにボールを組み込み、そのボールの収容用ポケットを有する保持器によって前記ボールのそれぞれを保持し、前記駆動側ロータと被駆動側ロータの相対的な回転によりボールをランプ溝に沿って移動させて駆動側ロータと被駆動側ロータを軸方向に相対移動させるようにしたボールランプ機構において、
    前記保持器のポケット間に形成された柱部に弾性変形を可能とする可撓性を付与したことを特徴とするボールランプ機構。
  2. 前記柱部に対する可撓性の付与が、その柱部の内周に対する切欠部の形成により柱部の径方向幅をポケット形成部位での幅寸法より幅狭とする請求項1に記載のボールランプ機構。
  3. 前記柱部に対する可撓性の付与が、ポケット形成部位での径方向幅より幅狭とされた柱部を径方向内方に向く湾曲形状としたことによる請求項1に記載のボールランプ機構。
  4. 前記柱部に対する可撓性の付与が、ポケット形成部位での径方向幅より幅狭とされた柱部を周方向に向けて伸縮可能な蛇腹状としたことによる請求項1に記載のボールランプ機構。
  5. 前記柱部に対する可撓性の付与が、柱部の幅方向の中央部に刳り抜き孔を形成して柱部を外周柱部と内周柱部とに分割したことによる請求項1に記載のボールランプ機構。
  6. シリンダと、そのシリンダの内径面に沿って摺動可能なピストンと、前記シリンダの軸心上に配置され、電動モータを駆動源として回転駆動される駆動軸と、その駆動軸の回転運動を直線運動に変換して前記ピストンを押圧するボールランプ機構からなる電動式直動アクチュエータにおいて、
    前記ボールランプ機構が請求項1乃至5のいずれか1項に記載のボールランプ機構からなることを特徴とする電動式直動アクチュエータ。
  7. シリンダと、そのシリンダの内径面に沿って摺動可能なピストンと、そのピストンと同軸上に組み込まれたピストン押圧用のプッシュロッドと、そのプッシュロッドの背部に組み込まれ、オペレータの操作による入力回転を直線運動に変換して前記プッシュロッドを押圧するボールランプ機構とからなる手動式直動アクチュエータにおいて、
    前記ボールランプ機構が請求項1乃至5のいずれか1項に記載のボールランプ機構からなることを特徴とする手動式直動アクチュエータ。
  8. 電動式直動アクチュエータによりブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドで車輪と共に回転するディスクロータを押圧して、そのディスクロータに制動力を付与するようにした電動式ディスクブレーキ装置において、
    前記電動式直動アクチュエータが請求項6に記載の電動式直動アクチュエータからなることを特徴とする電動式ディスクブレーキ装置。
JP2012275656A 2012-12-18 2012-12-18 ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置 Pending JP2014119060A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275656A JP2014119060A (ja) 2012-12-18 2012-12-18 ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置
CN201380066152.5A CN104919216A (zh) 2012-12-18 2013-12-09 滚珠坡道机构以及直动促动器和电动盘式制动器装置
EP13864958.7A EP2937599A4 (en) 2012-12-18 2013-12-09 BALL RAMP MECHANISM, LINEAR MOTION ACTUATOR, AND ELECTRIC DISC BRAKE DEVICE
PCT/JP2013/082959 WO2014097915A1 (ja) 2012-12-18 2013-12-09 ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置
US14/650,584 US20150323026A1 (en) 2012-12-18 2013-12-09 Ball ramp mechanism, linear motion actuator, and electric disc brake device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275656A JP2014119060A (ja) 2012-12-18 2012-12-18 ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014119060A true JP2014119060A (ja) 2014-06-30

Family

ID=51174068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012275656A Pending JP2014119060A (ja) 2012-12-18 2012-12-18 ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014119060A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10184536B2 (en) 2016-09-23 2019-01-22 Akebono Brake Industry Co., Ltd. Brake piston

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10184536B2 (en) 2016-09-23 2019-01-22 Akebono Brake Industry Co., Ltd. Brake piston

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014097915A1 (ja) ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置
US8596426B2 (en) Electric linear motion actuator and electric brake assembly
JP6208065B2 (ja) 対向ピストン型ディスクブレーキ装置
WO2010041588A1 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
US9574630B2 (en) Electric linear motion actuator and electric disk brake system
JP2012229798A5 (ja)
WO2013157646A1 (ja) 摩擦ブレーキ装置
JP5496836B2 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ディスクブレーキ装置
JP2006283811A (ja) ディスクブレーキ
JP2014122648A (ja) ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置
JP2017124706A (ja) 電動ブレーキ装置
JP6556505B2 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
JP2014134215A (ja) ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置
JP2014214752A (ja) 電動式ディスクブレーキ装置
JP2014119060A (ja) ボールランプ機構及び直動アクチュエータ並びに電動式ディスクブレーキ装置
WO2016186001A1 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
JP6648322B2 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
JP7161931B2 (ja) ディスクブレーキ
WO2021002151A1 (ja) ディスクブレーキ装置
JP6478571B2 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
JP2011074932A (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
JP2017180506A (ja) 遊星ローラねじ式直動機構および電動ブレーキ装置
JP2016180481A (ja) 電動式ディスクブレーキ装置
JP2017089871A (ja) ディスクブレーキ装置
JP2024018307A (ja) 電動ブレーキ装置