JP2014118752A - 構造物荷重を利用した地盤の液状化対策構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地中構造体の格子間隔を大きくして工期を短縮してコストダウンを図りつつ、液状化抑制効果が大きく十分な支持力を得ることができ、常時の沈下も抑制することができる軟弱地盤の液状化対策構造を提供すること。
【解決手段】地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体6と上方に構築された構造物2とを備え、地中構造体6は、その頂部の深さ位置が構造物20が地震時に沈下したときに構造物底面に接しない位置に設定され、前記構造物を支持しないものとされ、構造物荷重伝達体が、その上面が構造物底面に接して地中構造体で囲まれた地盤5に配設されて、構造物2は地中構造体6に支持されることなく、構造物荷重伝達体7を介して下方の地中構造体で囲まれた地盤5に支持されることにより、地中壁による地盤のせん断変形抑止と構造物の荷重による地盤の有効応力の増加の液状化抑制効果を利用するとともに地盤の支持力を強化する地盤の液状化対策構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤の上に構築された構造物の荷重を利用して地盤の液状化を防止するための液状化対策構造に関する。
従来、地盤に格子状地中壁を設けることにより、この格子状地中壁に囲まれた地盤の変形を抑止するとともに、周辺地盤からの地下水の流動を遮断して、液状化を防止する第一の液状化対策技術が知られている。
地盤の液状化を抑制するためには、ある程度狭い格子間隔で地中壁を造成する必要があり、地中壁造成のコストが高くなったり工期が長くなったりする場合がある。
また、格子状地中壁の頂部に近い地盤の浅い層では、液状化抑制効果が小さく、液状化を抑えきれない場合がある。
他方、格子状地中壁の頂部に低剛性の緩衝材を挟むことにより、格子状地中壁で囲まれた地盤に構造物荷重を作用させて、格子状地中壁による地盤のせん断変形抑止と構造物荷重による有効応力の増加の二つの液状化抑制効果を得ることができる第二の液状化対策技術が提案されている。
しかしながらこの第二の液状化対策技術は、格子状地中壁頂部に低剛性の緩衝材を設けることによって、より剛性の高い格子状地中壁に構造物荷重が流れるのを防ぎ、地中壁で囲まれた地盤に構造物荷重が伝わり易くしているが、基礎底直下の地盤が乱されている場合や軟弱な場合には、十分な支持力を得ることができない恐れがあり、構造物を安定して支持できなくなる可能性がある。
またこの技術は、比較的緩い砂等からなる地盤に構造物を支持させることを前提とするものであるので、常時の沈下がある程度大きくなる可能性がある。
さらに、格子状地中壁および緩衝材を設けず、構造物荷重による地盤の有効応力の増加のみで液状化を防止しようとした場合には、地震時に構造物直下の地盤が液状化しない状態を保ったとしても周辺地盤が液状化するため、構造物直下の地盤の側方への孕み出しを防ぐことができず過度な沈下が生じる。
特公平4−54004号公報 特開2011−190645号公報
本発明は、地中構造体の格子間隔を可能な限り大きくして工期を短縮してコストダウンを図りつつ、格子状地中壁の頂部に近い地盤の浅い層においても液状化抑制効果が大きく十分な支持力を得ることができ、常時の沈下も抑制することができる軟弱地盤の液状化対策構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体と、前記地中構造体の上方に構築された構造物と、を備える地盤の液状化対策構造において、前記地中構造体は、その頂部の深さ位置が前記構造物が地震時に沈下したときに前記構造物底面に接しない位置に設定され、前記構造物を支持しないものとされているとともに、構造物荷重伝達体が、その上面が前記構造物底面に接して前記地中構造体で囲まれた地盤に配設されて、前記構造物は、前記地中構造体に支持されることなく、前記構造物荷重伝達体を介して下方の前記地中構造体で囲まれた地盤に支持されることにより、前記地中壁による地盤のせん断変形抑止、および、前記構造物の荷重による地盤の有効応力の増加の液状化抑制効果を利用するとともに、地盤の支持力を強化する構造とした。
請求項2に係る発明は、前記構造物荷重伝達体が、地盤表面から所定厚さ分の地盤が置換または変性されて地盤より剛性の高い、前記地中構造体と一体化されていない剛性構造体であることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、前記剛性構造体の所定厚さが、構造物の沈下量が構造物の常時の使用性、機能性に支障が生じない範囲内となる厚さに設定されていることを特徴としている。
請求項3に係る発明において、前記変性剛性構造体の底面の深さ位置を、前記地中構造体の頂部の深さ位置以下に設定することも有効である。
請求項4に係る発明は、前記構造物荷重伝達体が、少なくとも1本の造成された柱状地盤改良体であることを特徴としている。
請求項4に係る発明において、前記柱状地盤改良体を複数回の改良作業により集成形成された1本の集成柱状改良体とすることもできる。
請求項5に係る発明は、前記構造物荷重伝達体が、少なくとも1本の摩擦杭であることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、構造物は、地中構造体に支持されることなく、構造物荷重伝達体を介して下方の地中構造体で囲まれた地盤に支持されるものであることから、構造物の荷重による地盤の有効応力の増加の液状化抑制効果を最大限利用することができる。
また、地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体は、液状化した周辺からの過剰間隙水圧の侵入を防止するとともに、地中壁内の地盤のせん断変形をより小さくして過剰間隙水圧の上昇を抑制することができる。
これにより、地中構造体の格子間隔を大きくすることができるので、工期を短縮するとともにコストダウンを図ることができる。
さらに、構造物は、構造物荷重伝達体を介して、より剛性が大きく根入れ効果も得られる下方の前記地中構造体で囲まれた地盤に支持されるので、上方の地盤に直接支持させる場合と比べて十分な支持力を得ることができ、加えて常時の沈下も抑制することができる
請求項2に係る発明によれば、構造物荷重伝達体が、地盤表面から所定厚さ分の地盤が置換または変性されて地盤より剛性の高い、前記地中構造体と一体化されていない剛性構造体から構成されているので、格子状地中壁の頂部に近い地盤の浅い層においても、有効応力の増加による液状化抑制効果を利用することができ、また構造物基礎に接する地盤の支持力を強化することができる。
請求項3に係る発明によれば、剛性構造体の厚さを調整したので、構造物の常時の使用性、機能性に支障が生じない。
また、剛性構造体の底面の深さ位置が地中構造体の頂部の深さ位置以下に設定すれば、構造物荷重をより確実に前記地中構造体で囲まれた地盤に作用させることができ、請求項2と比べて、有効応力増加による液状化抑制効果を確実に得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、構造物荷重伝達体を格子状の地中構造体の1つの格子内に少なくとも1本の造成された柱状地盤改良体から構成し、地中壁を同じく柱状地盤改良体から構成することが可能であるので、同一の柱状地盤改良体造成装置を用いて同種の作業を繰り返すのみで、地中壁と構造物荷重伝達体の構築を安価に施工することができる。
また、1本の柱状地盤改良体を複数回の地盤改良作業により集成形成された集成柱状改良体から構成し、これを格子状の地中構造体の1つの格子内に少なくとも1本造成することとすれば、構造物荷重伝達体自体の強度を増して地震による水平振動に耐えることができる。
さらに、地盤との密着度を増して地盤に対する荷重伝達度を向上して地盤の有効応力の増加の液状化抑制効果を大きくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、構造物荷重伝達体をそれ自体専ら摩擦力によって垂直荷重を支持する機能を有する摩擦杭から構成したので、柱状地盤改良体に比べ構造物荷重伝達体の耐震性が高まり、地震による水平振動に耐えることができる。
なお、請求項4乃至請求項5に記載された液状化対策構造において、格子状の地中構造体の1つの格子内に構造物荷重伝達体を複数本配設すれば、その分構造物荷重伝達体の表面積が増えるので、摩擦力によって格子状地中壁内の地盤に伝達される構造物の荷重が大きくなって地盤の有効応力が増大する。
本発明の実施の態様1の地盤の液状化対策構造の縦断面図である。 同じく実施の態様1の地盤の液状化対策構造の横断面図である。 本発明の実施の態様2の地盤の液状化対策構造の縦断面図である。 同じく実施の態様2の地盤の液状化対策構造の横断面図である。 実施の態様2の変形例の地盤の液状化対策構造の横断面図である。 本発明の実施の態様3の地盤の液状化対策構造の縦断面図である。 本発明の液状化抑制の原理を示すもので、地中壁による地盤のせん断変形抑止のメカニズムを示す図である。 同じく本発明の液状化抑制の原理を示すもので、構造物荷重による地盤の有効応力増加のメカニズムを示す図である。 従来技術1の液状化抑制効果を実証するための解析モデルを示す図である。 本発明の実施の態様1の液状化抑制効果を実証するための解析モデルを示す図である。 図9の解析モデルに対して地震応答解析を実施して得られた過剰間隙水圧比のコンターを示す図である。 図10の解析モデルに対して地震応答解析を実施して得られた過剰間隙水圧比のコンターを示す図である。 特許文献1に記載された従来技術1の地盤の液状化対策構造を模式的に示す縦断面図である。 特許文献2に記載された従来技術2の地盤の液状化対策構造を模式的に示す縦断面図である。
本発明の液状化対策構造である3つの実施の態様について説明する。
各実施の態様は、地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体とこの地中構造体の上方に構築された構造物とを備え、構造物は地中構造体に支持されることなく、構造物荷重伝達体を介して下方の地中構造体で囲まれた地盤に支持されるものであることで共通している一方、この構造物荷重伝達体の形態がそれぞれ異なっている。
先ず、実施の態様1について、図1と図2を参照して詳しく説明する。
前提として、構造物2が載荷されている地盤5は、地盤の下方から非液状化地盤4とその上に積層された液状化の恐れがある地盤3とから構成されている。
この構造物2は、この液状化の恐れがある地盤3に直接支持されるのであり、地中構造体6と構造物荷重伝達体7のない条件下で地震による水平荷重を受けたときに、地盤の液状化現象が発生するものである。
この実施の態様の液状化対策構造1は、地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体6とこの地中構造体6の上方に構築された構造物2とを備えている。
地中構造体6の地中壁は、通常難透水性の連続壁であり、地中壁の下端部は、液状化の恐れがある地盤3よりも下側の非液状化層4に根入れされている。地中壁は、コンクリート、モルタル、ソイルセメント、シートパイル、鋼管、H鋼などを構成要素とする各種連続壁工法(例えば、柱列式連続壁工法、等厚式連続壁工法、鋼製連続壁工法など)にて構築すればよい。
そして、この地中構造体6は、その頂部の深さ位置が上記構造物2が地震時に下降したときにも、構造物基礎21の底面に接しない位置に設定されている。
したがって、この構造物2は、構築時において地中構造体6には支持されておらず、地震を受けた後においても支持されることはない。
すなわち、構造物2はいかなる時においても、地中壁6に囲繞された地盤5のみに支持されるものである。
構造物2の荷重を液状化の恐れがある地盤3に伝達する構造物荷重伝達体7の本実施の形態としては、地盤3とセメント(またはセメント系固化材、石灰等)を混合撹拌して造成した地盤より剛性の高い剛性板状体71が、構造物基礎21底面に接触して構築されている。
なお、地中構造体6との間隔を空けて地盤5表面から所定厚さ分の土砂が掘削され、その掘削凹部にコンクリートが打設されることによってコンクリートに置換された剛性板状体71とすることも可能である。
さらに、この剛性板状体71は、地盤の表層をセメントと混合した土である流動化処理土等で置換したものであってもよい。いずれにしても、剛性板状体71は地盤より剛性の高い剛性構造体であればよい。
この剛性板状体71の周縁部は地中壁6と一体化しておらず、構造物2の鉛直荷重により下降することが許容される。これによって、確実に構造物荷重を地中壁6で囲まれた地盤3に作用させることができる。
地中壁6内の液状化の恐れがある地盤3は、上記した地中壁6に囲繞されていることから、図7に模式的に示すように、地中構造体6外部の地盤に比べて地震による繰返しせん断応力が抑制される。
このことから、地中構造体6内の地盤の体積収縮は、その外部の地盤の体積収縮に比べ小さく、間隙水圧の上昇が限定的となる。
地震時においては、地中壁6内の液状化の恐れがある地盤3には、この剛性板状体71の下降によって構造物2の荷重が伝達される。この結果、液状化の恐れがある地盤3は、構造物2の荷重によって強く拘束され、地盤の有効応力が増加して液状化抑制効果を大いに発揮する。
加えて、剛性板状体71はコンクリートに置換、またはセメント系材料にて地盤改良されているため、地盤を構成する砂状粒子の骨格はセメント系材料が補填されて固められ、剛性が付与された剛性板状体71が地盤の支持力を強化する。
図13に示された従来技術1のように、構造物20が地中構造体60に直接的に支持されている場合は、液状化の恐れがある地盤30には全く構造物20の荷重が伝達されず、また、図14に示された従来技術2のように、構造物20が地中構造体60の地中壁頂部に設けられた低剛性の緩衝材40を介して乱されたあるいは軟弱な地盤に支持されている場合には、十分な支持力を得ることができない恐れがあり、構造物を安定して支持できなくなる可能性がある。
これに対して、本発明の実施の態様1の液状化対策構造1は、地震時に地中壁6内の地盤3に対する剛性板状体71の作用によって、液状化の恐れがある地盤3は、構造物2の荷重と液状化の恐れがある地盤3を取り囲む地中壁と非液状化地盤4に6面から圧縮力を受けて強く拘束され、地盤の有効応力が著しく増加するものである。これにより、液状化の恐れがある地盤3は、液状化が大いに抑制されるものである。
以上の作用効果を実証するため、地震時における過剰間隙水圧の上昇・消散をシミュレートできる有効応力解析を実施した。
これにより、格子状地中壁と構造物荷重による液状化抑制効果を検証した。
(a)図9に示された従来技術1の解析モデルは、地中構造体6は地表から10mの深さに構築され、一方、(b)図10に示された実施の形態1の解析モデルでは、地中構造体6は、頂部が地表から1mの位置から底部が10mの深さに構築され、両者とも構造物2の接地圧は60kPa、格子間距離は8mとしてある。
解析は、(a) 構造物荷重を格子状地中壁で支持した場合、(b)構造物荷重を格子状地中壁で囲まれた地盤に作用させた場合の2ケースについて実施した。
解析で得られた過剰間隙水圧比のコンターを、それぞれ図11と図12に示す。
(a)構造物荷重を地中構造体の格子状地中壁で支持した従来技術1は、構造物荷重が格子状地中壁で囲まれた液状化の恐れがある地盤にほとんど作用せず、格子状地中壁によるせん断変形抑止の効果のみで液状化を抑制している。
このため、図11からみて明らかなように、格子状地中壁で囲まれた液状化の恐れがある地盤の表層付近で過剰間隙水圧比が上昇し、液状化が発生している。
(b)これに対し、構造物荷重を地中構造体の格子状地中壁で囲まれた液状化の恐れがある地盤に作用させた実施の形態1は、構造物直下に地中壁を設けているが、地中壁の頂部を地表から(-)1mに設定していることから構造物荷重は、地中壁に作用することなく、剛性板状体を介して格子状地中壁に囲まれた地盤に作用するようになっている。
このため、せん断変形抑止効果に加えて有効応力増加による液状化抑制効果を得ることができ、図12からみて明らかなように、液状化の発生を防ぐことができている。
また、構造物は剛性板状体71の厚さに応じて変化する鉛直剛性によって沈下量が決定されるので、剛性板状体71の厚さを構造物の沈下量が所定の範囲内となるように設定しておけば、構造物の常時の使用性、機能性に支障が生じない。
なお、剛性板状体71の厚さを構造物の常時の使用性、機能性に支障が生じない程度に設定しても、その底面が地中構造体6の頂部に到達しない深さとなるときは、地震時に剛性板状体71が地中構造体6の格子からはみ出ないように、底面が地中構造体6の頂部より深くなるように調整することが有効である。
次いで、実施の態様2について説明する。
上記したように、この実施の態様についても、液状化対策構造1は、地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体6とこの地中構造体6の上方に構築された構造物2とを備えている。
そして、この地中構造体6は、その頂部の深さ位置が上記構造物2が地震時に下降したときにも、構造物基礎21の底面に接しない位置に設定されていて、構造物2はいかなる時においても、地中壁6に囲繞された地盤5のみに支持されるものである。
構造物2の荷重を液状化の恐れがある地盤3に伝達する構造物荷重伝達体7としては、地盤3とセメント(またはセメント系固化材、石灰等)を混合撹拌して柱状に造成した地盤より剛性の高い剛性柱状体72が、構造物基礎21底面に接触して構築されている。
構造物荷重伝達体7、すなわちこの剛性柱状体72は、地盤をコンクリートあるいはセメントと混合した土である流動化処理土等で柱状に置換したものであってもよい。いずれにしても、剛性柱状体72は地盤より剛性の高い剛性構造体であればよい。
この剛性柱状体72は、1つの格子当たり少なくとも1本、好ましくは4本以上の複数本の造成された柱状地盤改良体である。
構造物2の荷重は、地中構造体6の頂部の深さ位置を地震時に構造物2か沈下したときであっても構造物2底面に接しない位置に設定してあり、構造物2を支持しないものとされていることから、格子状地中壁側へはほとんど荷重が流れることはない。
このため、構造物2の荷重は実施の形態1と同様、剛性の高い剛性柱状体72を介して、地中壁6で囲まれた液状化の恐れがある地盤3に作用させることができる。
また、柱状地盤改良体72が沈下抑止の役割を果たすので、変形しやすい地盤の場合にも常時の沈下を抑制することができる。
さらに、柱状地盤改良体72は、図5に示されるように、複数回の改良作業によって形成された複数本の改良体を集成して形成された1本の集成柱状改良体73とすることもできる。
さらにまた、実施の態様3は、上記した実施の態様2の柱状地盤改良体72、73からなる構造物荷重伝達体7を摩擦杭9に置換したものである。
構造物2の荷重が、この摩擦杭74の摩擦力に起因して液状化の恐れがある地盤3に確実に伝達されるから、地盤の有効応力の増加の液状化抑制効果を柱状地盤改良体の場合と同様に得ることができる。
構造物荷重伝達体は摩擦杭から構成されているので、実施の態様2の柱状地盤改良体に比べ構造物荷重伝達体の耐震性が高まることから、地震による水平振動に耐えることができる。
1 液状化対策構造
2 構造物
21 構造物基礎
3 液状化の恐れがある地盤
4 非液状化地盤
5 地盤
6 地中壁
7 構造物荷重伝達体
71 剛性板状体
72 剛性柱状体
73 集成剛性柱状体
74 摩擦杭(沈下抑止杭)

Claims (5)

  1. 地中壁で構築された平面視格子状の地中構造体と、前記地中構造体の上方に構築された構造物と、を備える地盤の液状化対策構造において、
    前記地中構造体は、その頂部の深さ位置が前記構造物が地震時に沈下したときに前記構造物底面に接しない位置に設定され、前記構造物を支持しないものとされているとともに、構造物荷重伝達体が、その上面が前記構造物底面に接して前記地中構造体で囲まれた地盤に配設されて、
    前記構造物は、前記地中構造体に支持されることなく、前記構造物荷重伝達体を介して下方の前記地中構造体で囲まれた地盤に支持されることにより、
    前記地中壁による地盤のせん断変形抑止、および、前記構造物の荷重による地盤の有効応力の増加の液状化抑制効果を利用するとともに、地盤の支持力を強化する
    ことを特徴とする地盤の液状化対策構造。
  2. 前記構造物荷重伝達体が、地盤表面から所定厚さ分の地盤が置換または変性されて地盤より剛性の高い、前記地中構造体と一体化されていない剛性構造体であることを特徴とする請求項1に記載された地盤の液状化対策構造。
  3. 前記剛性構造体の所定厚さは、前記構造物の沈下量が常時の使用性、機能性に支障が生じない範囲内となる厚さに設定されていることを特徴とする請求項2に記載された地盤の液状化対策構造。
  4. 前記構造物荷重伝達体が、少なくとも1本の造成された柱状地盤改良体であることを特徴とする請求項1に記載された地盤の液状化対策構造。
  5. 前記構造物荷重伝達体が、少なくとも1本の摩擦杭であることを特徴とする請求項1に記載された地盤の液状化対策構造。
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