JP2014118607A - 長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置 - Google Patents

長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014118607A
JP2014118607A JP2012274664A JP2012274664A JP2014118607A JP 2014118607 A JP2014118607 A JP 2014118607A JP 2012274664 A JP2012274664 A JP 2012274664A JP 2012274664 A JP2012274664 A JP 2012274664A JP 2014118607 A JP2014118607 A JP 2014118607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
roll
resin film
long resin
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012274664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5892056B2 (ja
Inventor
Hideharu Ogami
秀晴 大上
Eiichiro Nishimura
英一郎 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2012274664A priority Critical patent/JP5892056B2/ja
Publication of JP2014118607A publication Critical patent/JP2014118607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5892056B2 publication Critical patent/JP5892056B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】大規模な改造、改変を加えることなく真空チャンバー内に冷却ロール等を付設できる長尺樹脂フィルムの冷却装置を提供する。
【解決手段】案内ロール435を介し長尺フィルム413が巻き付け領域に巻き付けられかつ案内ロール438を介し巻き付け領域から搬出される回転ロール436と、巻き付け領域に巻き付けられたフィルム413を冷却する冷却手段を真空チャンバー内に備える冷却装置であって、冷却手段が、フィルム413の巻き付け領域とは反対側に位置する回転ロール436外周面の非巻き付け領域近傍に配置されかつ130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネル439と、回転ロール436外周面の非巻き付け領域と冷却パネル439との間に冷却ガスを導入する冷却ガス導入手段とで構成されることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、真空チャンバー内においてロール・ツー・ロール方式により長尺樹脂フィルムを搬送しながら連続してイオンビーム処理やスパッタリング成膜等の熱負荷がかかる表面処理を行う長尺樹脂フィルムの表面処理装置に係り、特に、この表面処理装置に組み込まれて長尺樹脂フィルムを冷却する冷却装置と冷却方法の改良に関するするものである。
液晶パネル、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話等には、フレキシブル配線基板が用いられている。フレキシブル配線基板は、耐熱性樹脂フィルムの片面若しくは両面に金属膜を成膜した金属膜付耐熱性樹脂フィルムから作製される。近年、フレキシブル配線基板に形成される配線パターンはますます微細化、高密度化しており、金属膜付耐熱性樹脂フィルム自体が皺等のない平滑なものであることがより一層重要になってきている。
この種の金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法としては、接着剤により金属箔を耐熱性樹脂フィルムに貼り付けて製造する方法(3層基板の製造方法と称される)、金属箔に耐熱性樹脂溶液をコーティングした後、乾燥させて製造する方法(キャスティング法と称される)、乾式めっき法(真空成膜法)若しくは乾式めっき法(真空成膜法)と湿式めっき法との組み合わせにより耐熱性樹脂フィルムに金属膜を成膜して製造する方法(メタライジング法と称される)等が従来から知られている。また、メタライジング法における上記乾式めっき法(真空成膜法)には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等がある。
上記メタライジング法については、特許文献1に、ポリイミド絶縁層上にクロムをスパッタリングした後、銅をスパッタリングしてポリイミド絶縁層上に導体層を形成する方法が開示されている。また、特許文献2に、銅ニッケル合金をターゲットとするスパッタリングで形成した第一の金属薄膜と、銅をターゲットとするスパッタリングで形成した第二の金属薄膜とが、この順でポリイミドフィルム上に積層されたフレキシブル回路基板用材料(すなわち、銅張積層樹脂フィルム基板)が開示されている。尚、ポリイミドフィルムのような耐熱性樹脂フィルムに真空成膜を行って金属膜付耐熱性樹脂フィルムを製造する場合、以下に述べるスパッタリングウェブコーターを用いることが一般的である。
そして、上述したスパッタリング法は、一般に、成膜された金属薄膜等の密着力に優れる利点を有する反面、真空蒸着法に較べて耐熱性樹脂フィルムに与える熱負荷が大きいといわれている。そして、成膜の際に耐熱性樹脂フィルムに大きな熱負荷がかかると、フィルムに皺が発生し易くなることも知られている。
この皺の発生を防ぐため、スパッタリングウェブコーターでは、ロール・ツー・ロール等により搬送される耐熱性長尺樹脂フィルムを、回転ロールと冷却手段から成る冷却機能を備えた冷却キャンロールに密着させながら巻き付けることで、成膜中の耐熱性樹脂フィルムを裏面側から冷却する方式が採用されている。
また、冷却キャンロール方式以外の冷却方法として、特許文献3では、成膜される耐熱性樹脂フィルムの裏面に近接する冷却面を有しかつ水等の冷媒で冷却する冷却体と、冷却体の冷却面と耐熱性樹脂フィルムとの間に冷却ガスを導入する方法が提案されている。
以下、上記回転ロールと冷却手段とで構成される冷却キャンロールや冷却ロール等が真空チャンバー内に組み込まれた真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター)の一例について図1に示す。
この真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)は、成膜前の耐熱性長尺樹脂フィルム113を巻き出すための巻出ロール114を有する巻き出し室110と、イオンビーム照射装置138と冷却水等の冷媒(冷却手段)により冷却される冷却ロール136を有し、巻き出し室110から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム113表面にイオンビームを照射して成膜する金属膜等の密着性を向上させるイオンビーム室134と、マグネトロンスパッタリングカソード130、131、132、133と冷却水等の冷媒(冷却手段)により冷却される冷却キャンロール123を有し、イオンビーム室134から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム113に金属膜等の成膜を行なう成膜室111と、成膜室111から搬入された成膜後の耐熱性長尺樹脂フィルム113を巻き取るための巻取ロール129を有する巻き取り室112とを備えている。
上記巻き出し室110において、成膜前の耐熱性長尺樹脂フィルム113は巻出ロール114から巻き出され、張力センサーロール115を通過し、かつ、耐熱性長尺樹脂フィルム113を乾燥させるためのヒーター117、118が入ったヒーターボックス116を通過した後、フリーロール119を通過してイオンビーム室134へ搬出される。
上記イオンビーム室134において、巻き出し室110から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム113は搬入側案内ロール(フリーロール)135を介して冷却ロール136外周面の巻き付け領域に巻き付けられ、かつ、イオンビーム照射装置138から耐熱性長尺樹脂フィルム113表面へ向けイオンビームが照射された後、搬出側案内ロール(フリーロール)137を介して上記冷却ロール136外周面の巻き付け領域から成膜室111へ搬出される。尚、回転ロールで構成される冷却ロール136の内部には、ロールの回転軸内部を経由して供給される冷却水等の冷媒(冷却手段)が循環している。そして、冷却ロール136の回転軸は、冷媒(冷却手段)の漏れを防止するシーリングのロータリージョイントを備えたモーター駆動による回転軸となる。また、モーター駆動による回転軸は、例えば、磁気シールされたシャフトを介しイオンビーム室134の外部に設置されたモーター駆動により回転することになるため、磁気シールされた上記シャフトを貫通させるための穴をイオンビーム室134に開けなれればならない。このため、冷却ロール136を具備しない既存の真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター)に後から冷却ロール136を追加改造することは極めて難しい。
次に、成膜室111において、イオンビーム室134から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム113は、フリーロール120、張力センサーロール121を通過し、搬入側案内ロール(前フィードロール)122を介して冷却キャンロール123外周面の巻き付け領域に巻き付けられ、かつ、耐熱性長尺樹脂フィルム113の裏面側を冷却キャンロール123により冷却されながら、耐熱性長尺樹脂フィルム113の表面にスパッタリングカソード130、131、132、133により薄膜が形成された後、搬出側案内ロール(後フィードロール)124を介し冷却キャンロール123外周面の巻き付け領域から張力センサーロール125、フリーロール126を経由して巻き取り室112へ搬出される。
尚、冷却キャンロール123の回転軸も、イオンビーム室134の冷却ロール136と同様、シーリングのロータリージョイントを備えたモーター駆動による回転軸となる。
更に、上記巻き取り室112において、成膜室111から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム113は、フリーロール127、張力センサーロール128を経由して、巻取ロール129に巻き取られる。
この真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)においては、各張力センサーロール115、121、125、128の張力値により、巻出ロール114、冷却ロール136、搬入側案内ロール(前フィードロール)122、冷却キャンロール123、搬出側案内ロール(後フィードロール)124を回動させるモーターの回転数、モータートルク等が制御されて、耐熱性長尺樹脂フィルム113に対する所定の張力範囲を維持して搬送するようになっている。
尚、図1は、耐熱性長尺樹脂フィルム113の搬送方向を変えるためのフリーロールの一部と真空排気設備の図示を省略している。
ところで、回転ロールと冷却手段(冷媒)で構成される上記冷却ロール136や冷却キャンロール123は、内部に冷却水等の冷媒(冷却手段)を循環させる必要があるため、上述したように回転軸の内部は、冷媒用配管や冷媒の漏れを防ぐシーリングのロータリージョイント並びに回転軸と真空チャンバーの減圧雰囲気を保つ磁気シールジョイントを備えた複雑な軸構造となる。
図2は、上記冷却ロールや冷却キャンロール等回転ロール10の回転軸構造と冷却手段の概略構成を示す構成説明図である。
回転ロール(冷却ロール136や冷却キャンロール123)10の回転軸11は、その内部に、冷媒用配管を構成する冷媒導入2重配管12を有している。この冷媒導入2重配管12は、回転軸11や回転ロール(冷却ロール136や冷却キャンロール123)10と共に回転する。ロータリージョイント13は、回転する冷媒導入2重配管12と固定された給水ホース14と排水ホース15に接続され、特に、冷媒用配管のシーリングのジョイントを備えた回転軸11は、シーリング部分も磁気シール16された回転軸であり、回転抵抗が大きいことはもちろん、シーリング部分の構造も複雑になる。回転ロール(冷却ロール136や冷却キャンロール123)10に接触する長尺樹脂フィルムの摩擦力だけでは回転ロールを回転させることができない。
そこで、回転ロール(冷却ロール136や冷却キャンロール123)10を回転駆動させるため、回転軸11が真空チャンバー壁20の外側へ突き出たモーター21等の駆動力を具備する駆動ロールとなる。軸構造(回転軸内に冷媒用配管や冷媒シール機構が設けられている)が複雑なこともあり、スパッタリングウェブコーターの設計段階から考慮していないと実現できない構造となる。
このため、例えば、イオンビーム室134を具備しない既存のスパッタリングウェブコーターに、後から上記イオンビーム室134を設置する等の理由から冷却ロール136を追加改造することは上述したように極めて難しい。また、空間的に余裕のないスパッタリングウェブコーターの周辺に冷媒用配管やシール機構を設けることは、スパッタリングウェブコーターの構造を更に複雑にする問題も懸念させる。
尚、図2中、符号17は軸受け、符号18はベアリング、符号22はプーリー、符号23はベルトをそれぞれ示している。
特開平2−98994号公報 特許第3447070号公報 特開平2010−255045号公報
50th Annual Technical Conference Proceedings (2007) ISSN 0737-5921, page 752 "DISCUSSION "
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、その課題とするところは、例えば、イオンビーム室を具備しない既存のスパッタリングウェブコーター(真空成膜装置:表面処理装置)に対しても、大規模な改造、改変を加えることなく、回転ロールと冷却手段から成る冷却ロールを付設することが可能な長尺樹脂フィルムの表面処理装置を提供し、合わせて、表面処理装置に組み込まれる長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法を提供することにある。
そこで、本発明者が上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、冷却水等の冷媒で冷却ロールや冷却キャンロール等の回転ロールを冷却する従来の冷却手法に代えて、130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネルと冷却ガス導入手段とで構成される冷却手段により冷却ロールや冷却キャンロール等の回転ロールを冷却する手法を採用することにより、例えば、イオンビーム室を具備しない既存のスパッタリングウェブコーター(真空成膜装置:表面処理装置)に対しても、大規模な改造、改変を加えることなく上記イオンビーム室を簡単に付設できることを見出すに至った。本発明はこのような技術的発見により完成されている。
すなわち、請求項1に係る発明は、
上流側からロール・ツー・ロール方式により搬送される長尺樹脂フィルムが搬入側案内ロールを介して外周面の巻き付け領域に巻き付けられると共に搬出側案内ロールを介して上記外周面の巻き付け領域から下流側へ搬出される回転ロールと、回転ロール外周面の巻き付け領域に巻き付けられた回転ロール上の長尺樹脂フィルムを冷却する冷却手段とを真空チャンバー内に備える長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
上記冷却手段が、回転ロール外周面と搬入側案内ロール並びに搬出側案内ロールの各外周面とで区画される空間領域内に設けられかつ長尺樹脂フィルムの上記巻き付け領域とは反対側に位置する回転ロール外周面の非巻き付け領域近傍に配置されると共に130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネルと、回転ロール外周面の上記非巻き付け領域と冷却パネルとの間に冷却ガスを導入する冷却ガス導入手段とで構成されることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
冷却パネルと回転ロール外周面の上記非巻き付け領域を囲む冷却ボックスが設けられていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
冷却パネルと回転ロール外周面の上記非巻き付け領域との間の間隔が20〜200μmに設定されていることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
上記冷却ガス導入手段が、回転ロール外周面の非巻き付け領域と冷却パネルとの間に向けてノズル先端が配置されかつ上記ノズル先端から冷却ガスを放出するガスノズルにより構成されていることを特徴とし、
請求項5に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される中空構造体と、中空構造体の上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に開設された複数の冷却ガス放出孔とで構成されていることを特徴とし、
請求項6に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される多孔質構造体で構成されていることを特徴とする。
次に、請求項7に係る発明は、
上流側からロール・ツー・ロール方式により搬送される長尺樹脂フィルムが搬入側案内ロールを介して回転ロール外周面の巻き付け領域に巻き付けられかつ搬出側案内ロールを介して回転ロール外周面の巻き付け領域から下流側へ搬出されると共に回転ロール外周面の巻き付け領域に巻き付けられた回転ロール上の長尺樹脂フィルムを真空チャンバー内に設けられた冷却手段により冷却する長尺樹脂フィルムの冷却方法において、
上記冷却手段が、回転ロール外周面と搬入側案内ロール並びに搬出側案内ロールの各外周面とで区画される空間領域内に設けられかつ長尺樹脂フィルムの上記巻き付け領域とは反対側に位置する回転ロール外周面の非巻き付け領域近傍に配置されると共に130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネルと、回転ロール外周面の上記非巻き付け領域と冷却パネルとの間に冷却ガスを導入する冷却ガス導入手段とで構成されることを特徴とし、
請求項8に係る発明は、
請求項7に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法において、
上記冷却パネルのパネル温度を、冷却ガス導入手段により導入される冷却ガスの圧力条件下において冷却ガスの平衡蒸気圧曲線に従い該冷却ガスが凝集する温度よりも高く設定することを特徴とし、
請求項9に係る発明は、
請求項7または8に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法において、
上記冷却ガス導入手段が、回転ロール外周面の非巻き付け領域と冷却パネルとの間に向けてノズル先端が配置されかつ上記ノズル先端から冷却ガスを放出するガスノズルにより構成されていることを特徴とし、
請求項10に係る発明は、
請求項7または8に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法において、
上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される中空構造体と、中空構造体の上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に開設された複数の冷却ガス放出孔とで構成されていることを特徴とし、
請求項11に係る発明は、
請求項7または8に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法において、
上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される多孔質構造体で構成されていることを特徴とする。
更に、請求項12に係る発明は、
ロール・ツー・ロール方式により搬送される長尺樹脂フィルムの表面側を処理する表面処理手段と、表面処理により加熱された長尺樹脂フィルムを冷却する冷却装置とを真空チャンバー内に備える長尺樹脂フィルムの表面処理装置において、
請求項1〜6のいずれかに記載の冷却装置により上記冷却装置が構成され、かつ、長尺樹脂フィルムが巻き付けられる回転ロール外周面の巻き付け領域側に上記表面処理手段が配置されていることを特徴とし、
請求項13に係る発明は、
請求項12に記載の長尺樹脂フィルムの表面処理装置において、
上記表面処理が、イオンビーム処理若しくはプラズマ処理であることを特徴とし、
請求項14に係る発明は、
請求項12に記載の長尺樹脂フィルムの表面処理装置において、
上記表面処理が、真空成膜法による成膜処理であることを特徴とし、
また、請求項15に係る発明は、
請求項14に記載の長尺樹脂フィルムの表面処理装置において、
上記真空成膜法が、マグネトロンスパッタリングであることを特徴とする。
本発明に係る長尺樹脂フィルムの冷却装置によれば、冷却水等の冷媒で冷却ロールや冷却キャンロール等の回転ロールを冷却する従来の冷却手段に代えて、130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネルと冷却ガス導入手段とで構成される冷却手段により冷却ロールや冷却キャンロール等の回転ロールを冷却する手法を採用しているため、冷却ロールや冷却キャンロール等における回転軸の構造を簡略化させることが可能となる。
このため、例えば、イオンビーム室を具備しない既存のスパッタリングウェブコーター(真空成膜装置:表面処理装置)に対しても、大規模な改造、改変を加えることなくイオンビーム室を簡単に付設できる効果を有する。
また、本発明に係る長尺樹脂フィルムの冷却装置は、冷却ロールや冷却キャンロール等回転ロールの回転軸内部に冷媒用配管等を具備させる必要が無く、駆動力を備えなくても上記回転ロールを回転させることが可能となる。このため、長尺樹脂フィルムの搬送経路や搬送制御を複雑にする必要も無いことから、本発明の冷却装置が組み込まれた表面処理装置の製造コストを低減できる効果を有している。
更に、本発明の冷却装置が組み込まれた表面処理装置によれば、表面処理により加熱された長尺樹脂フィルムが上記冷却装置により冷却されるため、長尺樹脂フィルムに皺が発生し難くなり、製品の品質や歩留まりを向上できる効果も有している。
巻き出し室とイオンビーム室と成膜室と巻き取り室を備えた従来の表面処理装置の概略構成を示す構成説明図。 従来の表面処理装置における回転ロールの回転軸構造と冷却手段の概略構成を示す構成説明図。 巻き出し室とイオンビーム室と成膜室と巻き取り室を備えた本発明に係る表面処理装置の概略構成を示す構成説明図。 本発明の表面処理装置における回転ロールの回転軸構造の概略構成を示す構成説明図。 本発明に係る表面処理装置のイオンビーム室に設けられる冷却装置の冷却ガス導入手段がガスノズルで構成された構造を示す構成説明図。 本発明に係る表面処理装置のイオンビーム室に設けられる冷却装置の冷却ガス導入手段が、冷却ガスが導入される中空構造体と中空構造体に開設された冷却ガス放出孔とで構成された構造を示す構成説明図。 本発明に係る表面処理装置のイオンビーム室に設けられる冷却装置の冷却ガス導入手段が、冷却ガスが導入される多孔質構造体で構成された構造を示す構成説明図。 平衡蒸気圧曲線のグラフ図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図3は、巻き出し室410とイオンビーム室434と成膜室411および巻き取り室412を備えた本発明に係る表面処理装置(真空成膜装置:スパッタリングウェブコーター)の概略構成を示している。また、図3において、巻き出し室410とイオンビーム室434と成膜室411および巻き取り室412の各室は、説明の都合上、仕切り(壁)で区画された構造になっているが、仕切り(壁)を設けない構造を採用してもよい。
また、本発明に係る冷却装置の冷却手段は、表面処理装置(真空成膜装置:スパッタリングウェブコーター)のイオンビーム室434内に設けられた冷却ロール(回転ロール)436に採用されており、成膜室411内の冷却キャンロール(回転ロール)423は、冷却水で冷却する従来の冷却手段が採用されている。また、成膜室411内の表面処理は、イオンビーム処理の効果が期待できるマグネトロンスパッタリングカソード430、431、432、433による成膜処理を例に挙げて説明する。尚、上記スパッタリングウェブコーターは、ロール・ツー・ロール方式で搬送される耐熱性長尺樹脂フィルム表面に連続的に効率よく成膜処理を施す場合に好適に用いられる装置である。
(1)真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター)
このスパッタリングウェブコーターは、図1に示した装置と同様、図3に示すように成膜前の耐熱性長尺樹脂フィルム413を巻き出すための巻出ロール414を有する巻き出し室410と、冷却ロール(回転ロール)436並びに従来の冷却手段(冷媒を用いた冷却手段)に代えて上記回転ロールを冷却する130K以下に冷却可能なクライオ冷凍機440を有する冷却パネル439と図示外の冷却ガス導入手段から成る冷却手段および冷却パネル439等を囲む冷却ボックス441を有し、巻き出し室410から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム413表面へ向けてイオンビーム照射装置437からイオンビームを照射するイオンビーム室434と、マグネトロンスパッタリングカソード430、431、432、433と冷媒(冷却水等)により冷却された冷却キャンロール(回転ロール)423を有し、イオンビーム室434から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム413に成膜を行なう成膜室411と、成膜室411から搬入された成膜後の耐熱性長尺樹脂フィルム413を巻き取るための巻取ロール429を有する巻き取り室412とでその主要部が構成されている。
上記巻き出し室410において、成膜前の耐熱性長尺樹脂フィルム413は巻出ロール414から巻き出され、張力センサーロール415を通過し、かつ、耐熱性長尺樹脂フィルム413を乾燥させるためのヒーター417、418が入ったヒーターボックス416を通過した後、フリーロール419を通過してイオンビーム室434へ搬出される。
上記イオンビーム室434において、巻き出し室410から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム413は搬入側案内ロール(フリーロール)435を介して冷却パネル439により冷却されている冷却ロール(回転ロール)436外周面の巻き付け領域に巻き付けられ、かつ、冷却ロール(回転ロール)436に密着した状態で耐熱性長尺樹脂フィルム413表面へ向けてイオンビーム照射装置437からイオンビームが照射された後、搬出側案内ロール(フリーロール)438を介して上記冷却ロール(回転ロール)436外周面の巻き付け領域から成膜室411へ搬出される。尚、上記冷却パネル439は、冷却ロール(回転ロール)436外周面と搬入側案内ロール(フリーロール)435並びに搬出側案内ロール(フリーロール)438の各外周面とで区画される空間領域に設けられており、かつ、効率よく上記冷却ロール(回転ロール)436の冷却が行えるようにするため、冷却パネル439は、冷却ロール436外周面に沿った湾曲形状に加工されている。そして、冷却ロール(回転ロール)436は、冷却パネル439と図示外の冷却ガス導入手段から成る冷却手段により冷却されるため、冷却ロール(回転ロール)436の内部に従来の冷却手段としての冷媒が循環していない。このため、図4に示すように、冷却ロール(回転ロール)436の回転軸11内部に冷媒用配管や冷媒シール機構は無く、回転軸11のみで構成されていることから回転抵抗を低くすることができ、冷却ロール(回転ロール)436を回転させるモーター駆動の必要もない。但し、モーター駆動で冷却ロール(回転ロール)436を回転させる構成を採用してもよいが、回転軸内に冷媒用配管等が無いことから回転軸を磁気シールジョイントとする簡単な構造にすることができる。尚、図4中、符号17は軸受け、符号18はベアリング、符号20は真空チャンバー壁である。
次に、上記成膜室411において、イオンビーム室434から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム413は、フリーロール420、張力センサーロール421を通過し、搬入側案内ロール(前フィードロール)422を介し冷却水で冷却される従来の冷却キャンロール423外周面の巻き付け領域に巻き付けられ、かつ、耐熱性長尺樹脂フィルム413の裏面側を冷却キャンロール423により冷却されながら、耐熱性長尺樹脂フィルム413の表面にスパッタリングカソード430、431、432、433により薄膜が形成された後、搬出側案内ロール(後フィードロール)424を介し冷却キャンロール423外周面の巻き付け領域から張力センサーロール425、フリーロール426を経由して巻き取り室412へ搬出される。
更に、上記巻き取り室412において、成膜室411から搬入された耐熱性長尺樹脂フィルム413は、フリーロール427、張力センサーロール428を経由して、巻取ロール429に巻き取られる。
この真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)においても、各張力センサーロール415、421、425、428の張力値により、巻出ロール414、搬入側案内ロール(前フィードロール)422、冷却水で冷却される冷却キャンロール423、搬出側案内ロール(後フィードロール)424、巻取ロール429を回動させるモーターの回転数、モータートルク等が制御されて、耐熱性長尺樹脂フィルム413に対する所定の張力範囲を維持して搬送するようになっている。
尚、図3は、耐熱性長尺樹脂フィルム413の搬送方向を変えるためのフリーロールの一部と真空排気設備の図示を省略している。
ところで、マグネトロンスパッタリングカソード430、431、432、433が設けられた成膜室411は、スパッタリング成膜を行なうために到達圧力10-4Pa程度までの減圧と、その後のスパッタリングガス導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整が行われる。スパッタリングガスにはアルゴン等公知のガスが使用され、目的に応じて更に酸素等のガスが添加される。成膜室411を構成する真空チャンバーの形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定されず、種々のものを使用することができる。そして、真空チャンバー内を減圧してその状態を維持するため、図示外のドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の種々の装置が具備されている。
尚、金属膜のスパッタリング成膜の場合には、板状のターゲット(図示せず)を使用することができるが、板状ターゲットを用いた場合、ターゲット上にノジュール(異物の成長)が発生することがある。これが問題となる場合には、ノジュールの発生がなく、ターゲットの使用効率が高い円筒形のロータリーターゲットを使用することが好ましい。また、図3に示す真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)は、熱負荷を伴う成膜手段としてスパッタリングを想定したものであることからマグネトロンスパッタリングカソード430、431、432、433が示されているが、熱負荷を伴う成膜手段が蒸着処理等他のものである場合は、板状ターゲットに代えて他の成膜手段が設けられる。熱負荷を伴う他の成膜手段としてCVD(化学的気相成長)や真空蒸着等がある。
(2)イオンビーム照射処理後における耐熱性長尺樹脂フィルムのフィルム温度
金属膜の密着力を向上させるため、イオンビーム室434において耐熱性長尺樹脂フィルム413表面にイオンビーム照射処理を実施することが効果的である。しかし、耐熱性長尺樹脂フィルム413にイオンビームを照射すると、熱負荷により皺が発生する原因となる。このため、冷却水等の冷媒を内部に循環させた複雑な構造を有する冷却ロールにより耐熱性長尺樹脂フィルムを冷却しながらでないと、密着力が期待できる程度の強いエネルギーを有するイオンビーム照射処理を行うことができなかった。
しかし、冷却パネル等で構成される本発明の冷却装置を採用することにより、複雑な構造を有する上述の冷却ロールを用いることなく密着力が期待できる強いエネルギーを有するイオンビーム照射を行うことが可能となる。
因みに、耐熱性長尺樹脂フィルムにイオンビームを照射した際、耐熱性長尺樹脂フィルムのフィルム温度がどの程度になるかを観察した。まず、長尺樹脂フィルムに熱電対を張り付けて、図3に示す長尺樹脂フィルムの成膜装置であるスパッタリングウェブコーターを使用し、冷却パネル439を作用させずにイオンビーム照射中のフィルム温度を測定した。耐熱性長尺樹脂フィルムには厚さ25μmのポリイミドフィルムを用い、イオンビーム電力2kW(イオンビーム電圧2500V、酸素流量100sccm)で通過したとき、フィルム温度はイオンビーム照射前の57℃から最高100℃に達し、皺が発生することが確認された。尚、イオンビームに導入するガスは、耐熱性長尺樹脂フィルムの種類や金属膜に適したガスが適宜選択される。
(3)冷却パネルと冷却ガス導入手段とで構成される本発明に係る冷却手段
次に、イオンビーム室434に設けられる冷却ロール(回転ロール)436を冷却する「冷却パネル」と「冷却ガス導入手段」とで構成される冷却手段について説明する。
この冷却手段は、冷媒を用いて冷却ロール(回転ロール)を冷却する従来の冷却手段に代えて、図3示すように130K以下に冷却可能なクライオ冷凍機440を有しかつ冷却ロール(回転ロール)の非巻き付け領域近傍に配置された「冷却パネル439」と、冷却ロール(回転ロール)の非巻き付け領域と冷却パネル439との間に冷却ガスを導入する図5〜図7に示す「冷却ガス導入手段」とで構成されている。
以下、上記「冷却ガス導入手段」の詳細について説明する。真空(減圧)空間は熱伝導が低いため、熱伝導を高めるために冷却ガスを導入する。冷却ロール(回転ロール)外周面の非巻き付け領域と冷却パネルとの間に冷却ガスを導入する方法としては、例えば、ガスノズルを用いて冷却ガスを導入する図5に示す方法、冷却パネルに取付けられた中空構造体の冷却ガス放出孔から冷却ガスを導入する図6に示す方法、および、冷却パネルに取付けられた多孔質構造体から冷却ガスを導入する図7に示す方法がある。
図5では、クライオ冷凍機(図示せず)により冷却されかつ冷却ボックス212内に配置された冷却パネル211と冷却ロール(回転ロール)210外周面の非巻き付け領域との間に、ガスノズル213、214のノズル先端から冷却ガスを導入している。
図6では、クライオ冷凍機(図示せず)により冷却されかつ冷却ボックス232内に配置された冷却パネル231の冷却ロール(回転ロール)230外周面と対向する側に取付けられ、かつ、内部にガス導入路236が設けられると共に、ガス導入路236に接続されたガス導入管233、234から冷却ガスが導入される中空構造体(ガス導入板)235と、中空構造体(ガス導入板)235とガス導入路236の冷却ロール(回転ロール)230外周面と対向する側にそれぞれ開設された複数の冷却ガス放出孔237とで冷却ガス導入手段を構成し、冷却ロール(回転ロール)230外周面の非巻き付け領域と冷却パネル231との間に上記冷却ガス放出孔237から冷却ガスを導入している。上記冷却ガス放出孔237は、冷却ロール(回転ロール)230外周面の非巻き付け領域と冷却パネル231間を均一なガス分圧とするため、微細な孔が多数開いている方がよく、直径100〜500μm孔が数mm間隔で開設されていることが望ましい。尚、ガス導入路236の組み込みを省略した構造の中空構造体(ガス導入板)235としてもよい。
図7では、クライオ冷凍機(図示せず)により冷却されかつ冷却ボックス252内に配置された冷却パネル251の冷却ロール(回転ロール)250外周面と対向する側に取付けられ、かつ、内部にガス導入路256が設けられると共に、ガス導入路256に接続されたガス導入管253、254から冷却ガスが導入される多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255により冷却ガス導入手段を構成し、冷却ロール(回転ロール)250外周面の非巻き付け領域と冷却パネル251との間に上記多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255から冷却ガスを導入している。多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255は、冷却ロール(回転ロール)250外周面の非巻き付け領域と冷却パネル251間を均一なガス分圧とするため、微細な孔が多数開いている方がよく、数〜数10μmの孔が開いている多孔質板を使用することが望ましい。尚、ガス導入路256の組み込みを省略した構造の多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255としてもよい。
尚、上述した冷却パネル211、231、251は、効率よく冷却ロール(回転ロール)210、230、250の冷却が行えるようにするため、冷却ロール(回転ロール)210、230、250外周面に沿った湾曲形状に加工されていることが望ましい。
また、導入する冷却ガスは、熱伝導性のよい、水素、ヘリウム、アルゴン、酸素等があり、望ましくは、冷却ボックスから冷却ガスが漏れた際に、耐熱性長尺樹脂フィルムに対するイオンビーム処理に影響を与えないガスがよく、ヘリウム、アルゴンが好ましい。但し、イオンビームは、内部にガスが導入されて内部でプラズマを生成するため、周囲のガス雰囲気の影響を比較的受け難い。
そして、上記冷却パネルは、以下の3つの効果により長尺樹脂フィルムを間接的に冷却する。
(3−1)冷却パネルと冷却ロールの温度差による輻射冷却
(3−2)冷却パネルで冷やされた冷却ガスを冷却ロールに噴き付けることによるガス冷却
(3−3)冷却パネルと冷却ロールの狭い領域における分子流による冷却
上記輻射冷却を行うためには、冷却パネルと冷却ロールとの温度差が高い程、効率がよい。上述した巻き出し室のヒーター乾燥後においてイオンビーム室に長尺樹脂フィルムが搬入されるとき、長尺樹脂フィルムのフィルム温度は約330K(57℃)であるので、冷却パネルと冷却ロールで冷却される長尺樹脂フィルムの温度差を少なくとも200K以上得るには、冷却パネルを130K以下にする必要がある。
また、真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)内の空間を有効に利用するためには、長尺樹脂フィルムの搬送方向(冷却パネルの縦方向)における冷却パネルの長さ寸法は10cm〜50cmである。そして、長さ10cm〜50cmの冷却パネルにより冷却ロールを冷却して加熱された長尺樹脂フィルムを室温までに冷却するには、冷却パネルは、130K以下に冷却可能な冷凍機を備える必要がある。尚、冷却パネルの幅寸法(長尺樹脂フィルムの幅方向)は、長尺樹脂フィルムの幅より広いことを条件に適宜選択できる。
上記冷却パネルを130K以下に冷却するには、130K以下に冷却可能な冷媒が循環する冷凍機を冷却パネルに備える必要がある。真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)では、耐熱性樹脂フィルムの脱着のために真空成膜装置が大気開放され、大気開放の手順の一部には、大気開放前に冷却パネルは露点以上に加熱される。冷凍機の冷媒は、この加熱の際の温媒ともなり、冷却と加熱の熱サイクルに耐えられる必要がある。このような熱サイクルに耐えられる冷媒としてはHeやフロン等がある。また、冷凍機には、上述したクライオ冷凍機を用いることができる。
但し、冷却パネルを極端に冷却してしまうと、冷却パネルと冷却ロール間に導入する冷却ガスが冷却パネルに凝縮してしまうことがある。冷却パネルと冷却ロール間に導入された冷却ガスの圧力は、平衡蒸気圧曲線に従い冷却パネルのパネル温度における平衡蒸気圧よりも低くなればならない。別な言い方をすれば、冷却パネルのパネル温度は、導入された冷却ガスの圧力条件下において冷却ガスの平衡蒸気圧曲線に従い該冷却ガスが凝集する温度より高い温度でなければならない。
すなわち、冷却パネルのパネル温度は、冷却パネルと冷却ロール間に導入された冷却ガスの圧力により定まる。例えば、冷却パネルのパネル温度は、100PaのArガス圧力ならば55K以上とし、100kPaのArガス圧力ならば85K以上となる。同様に、冷却パネルのパネル温度は、100PaのOガス圧力ならば55K以上とし、100kPaのOガス圧力ならば90K以上となる。また、冷却パネルのパネル温度は、100PaのHeガス圧力ならば15K以上とし、100kPaのHeガス圧力ならば25K以上となる。
導入する冷却ガスの温度は室温より低ければよく、冷却パネルによりすぐにパネル温度近傍の温度に冷却される。また、冷却ガスの圧力は、冷却パネルと冷却ロールの熱伝導を効率よく行うため、冷却パネルと冷却ロール近傍の圧力は100Pa〜1000Paが望ましい。冷却ガスの圧力が1000Paを越えると、真空チャンバー内で使用するには適切ではない。特に、冷却ガスの圧力が100kPaを越えると、大気圧近傍若しくは大気圧以上の導入ガスの圧力となり、真空装置の排気能力が追従せず、冷却パネルと冷却ロール近傍の圧力以外も上昇してしまい、成膜処理等にも悪影響を与えてしまうため、真空成膜装置に導入するガス圧力として不適切である。
また、非特許文献1によれば、冷却ガスがアルゴンガスでかつ冷却ガスの圧力が500Paの場合、冷却パネルと冷却ロールの間隔が約40μm以下の分子流領域のとき、ギャップ部の熱コンダクタンスは250(W/m・K)であるとされる。分子流領域は冷却ガス圧力時の分子の平均自由工程の3倍程度であり、大きくとも200μm以下の間隔でなければならない。熱交換効率が良い分子流領域を得るためには上記間隔を狭くする必要がある。しかし、図3に示す本発明に係る表面処理装置(真空成膜装置:スパッタリングウェブコーター)の場合、冷却パネル439と冷却ロール(回転ロール)436外周面との間隔を20μmに保つことは非常に難しく、冷却ロール(回転ロール)436外周面が冷却パネルと擦れてスリ傷を生ずることがある。
(4)長尺樹脂フィルムと銅張積層樹脂フィルム基板
(4-1)長尺樹脂フィルム
本発明の長尺樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような長尺樹脂フィルムや、ポリイミドフィルムのような耐熱性長尺樹脂フィルム等が例示される。
(4-2)銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)基板
図3に示す本発明の真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)を用いて、フィルム皺等の不具合の無い銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)基板を製造することができる。
上記銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)基板としては、耐熱性樹脂フィルム表面にNi、Ni系合金、Cr等からなる下地金属層と、下地金属層の表面に積層された銅薄膜層とで構成された構造体が例示される。このような構造を有する銅張積層樹脂フィルム基板は、サブトラクティブ法によりフレキシブル配線基板に加工される。ここで、サブトラクティブ法とは、レジストで覆われていない金属膜(例えば、上記銅薄膜層)をエッチングにより除去してフレキシブル配線基板を製造する方法である。
上記Ni合金等からなる層はシード層(下地金属層)と呼ばれ、銅張積層樹脂フィルム基板の電気絶縁性や耐マイグレーション性等の所望の特性によりその組成が選択される。そして、シード層には、Ni−Cr合金またはインコネル、コンズタンタンやモネル等の各種公知の合金を用いることができる。また、銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)基板の金属膜(銅薄膜層)を更に厚くしたい場合は、湿式めっき法を用いて金属膜を形成することがある。尚、電気めっき処理(すなわち、電解めっき処理)のみで金属膜を形成する場合と、一次めっきとして無電解めっき処理を行い、二次めっきとして電解めっき処理等の湿式めっき法を組み合わせて行う場合もある。湿式めっき処理は、常法による湿式めっき法の諸条件を採用すればよい。
また、上記銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)に用いる耐熱性長尺樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルムまたは液晶ポリマー系フィルムから選ばれる樹脂フィルムが挙げられ、銅張積層樹脂フィルムとしての柔軟性、実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性を有する点から好ましい。
尚、上記銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)として、耐熱性長尺樹脂フィルムにNi-Cr合金やCu等の金属膜を積層した構造体を例示したが、上記金属膜以外に、目的に応じて酸化物膜、窒化物膜、炭化物膜等を用いることも可能である。
以下、参考例と実施例について具体的に説明する。
[参考例]
図1に示す巻き出し室110とイオンビーム室134と成膜室111および巻き取り室112を備える従来の真空成膜装置(スパッタリングウェブコーター:表面処理装置)を用い、耐熱性長尺樹脂フィルム113には、幅500mm、長さ1000m、厚さ25μmの東レ・デュポン株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「カプトン(登録商標)」を使用した。
また、冷却キャンロール123は、直径800mm、幅800mmで、キャンロール本体表面にハードクロムめっきが施され、かつ、冷却水により冷却キャンロール(回転ロール)123を冷却する従来の冷却手段が採られている。
搬入側案内ロール(前フィードロール)122は、IH(誘導加熱)方式の加熱ロールで構成し、直径が150mm、有効幅500mmである。上記搬入側案内ロール(前フィードロール)122の周速度は、冷却キャンロール123外周面に耐熱性長尺樹脂フィルム113を強く密着させるため基準速度となる冷却キャンロール(回転ロール)123の周速度より0.1%遅い速度で回転させている。また、冷却キャンロール123のロール温度は60℃に設定され、かつ、巻き出し室110のヒーターボックス116内に配置されたヒーター117、118の温度は100℃に設定されている。
また、上記耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113に成膜される金属膜はシード層であるNi−Cr膜の上にCu膜を成膜するものとし、かつ、マグネトロンスパッタリングカソード(ターゲット)130にはNi−Crターゲットを用い、マグネトロンスパッタカソード(ターゲット)131、132、133にはCuターゲットを用い、更に、アルゴンガスを300sccm導入し、各カソードへの印加電力は電力制御で成膜を行った。
次に、イオンビーム室134において、上記耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113とシード層であるNi−Cr膜との密着力を向上させるイオンビーム照射装置138にはライン型直流イオンビーム照射装置を用いた。また、冷却ロール136は、直径300mm、幅800mmで、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されており、上記冷却キャンロール123と同様、その内部に冷却水が循環しており、駆動力を備えたロールである。また、冷却ロール136の温度は冷却水の温度で制御されており、冷却ロール136の回転軸の構造も上記冷却キャンロール123と同様である。
また、上記巻き出しロール114と巻き取りロール129の張力は100Nとした。巻き出しロール114に耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113をセットし、かつ、冷却ロール136と冷却キャンロール123を経由して耐熱性ポリイミドフィルム113の先端部を巻き取りロール129に取り付けた。
また、巻き出し室110、イオンビーム室134、成膜室111、巻き取り室112を複数台のドライポンプにより5Paまで排気した後、更に、複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10-3Paまで排気した。
また、上記イオンビーム室134のライン型直流イオンビーム照射装置138にはAr(アルゴン)ガスを50sccmの条件で導入したが、O2、N2ガス等も用いることができる。また、上記ライン型直流イオンビーム照射装置138には直流電源(図示せず)が接続されており、電圧制御によりイオンビームの強度をイオンビーム電圧500〜3000Vの範囲で調整することができ、この参考例ではイオンビーム電圧を1000Vとした。
そして、耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113の搬送速度を設定した後、各マグネトロンスパッタカソード130、131、132、133にアルゴンガスを導入して電力を印加し、シード層を構成するNi−Cr膜と、このNi−Cr膜上に形成するCu膜の成膜を開始した。
そして、耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113の長さ1000mの成膜を完了させた後、上記ライン型直流イオンビーム照射装置138への電圧印加を停止しかつArガスの導入を停止した。続いて、各マグネトロンスパッタカソード130、131、132、133への印加電力を停止し、Arガスの導入も停止し、かつ、耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113の搬送を停止した。この後、上記巻き出し室110、イオンビーム室134、成膜室111および巻き取り室112に対し、複数台のドライポンプ、複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを停止して、巻き出し室110、イオンビーム室134、成膜室111および巻き取り室112に大気を導入し、成膜後の耐熱性ポリイミドフィルム113を取り出した。
尚、以下に述べる実施例において、シード層であるNi−Cr膜の膜厚は10nm、図3のマグネトロンスパッタリングカソード(ターゲット)430には1枚のNi−Crターゲットを用い、また、上記Cu膜の膜厚は100nm、マグネトロンスパッタリングカソード(ターゲット)431、432、433には3枚のCuターゲットを用い、かつ、成膜速度が8m/分のとき、スパッタリングカソードへの印加総電力は70kWであった。
そして、参考例の耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性長尺樹脂フィルム)113に貼り付けた熱電対により、10℃〜70℃に温度制御された冷却ロール136を耐熱性ポリイミドフィルム113が出た直後におけるフィルム温度を測定した。また、耐熱性ポリイミドフィルム113がイオンビーム室134を出たときの皺の有無も観察した。
この結果を表1に示す。
Figure 2014118607
[実施例1]
実施例1においては、図3に示す冷却パネル439と冷却ロール436外周面との間に冷却ガスを導入する方法として、ガスノズルを用いた図5に示す方法が採られている。尚、耐熱性ポリイミドフィルム413へのイオンビーム処理、成膜処理等の実施手順は参考例の手順と同一である。
すなわち、実施例1では、図5に示すようにクライオ冷凍機(図示せず)により冷却されかつ冷却ボックス212内に配置された冷却パネル211と冷却ロール210外周面との間に、ガスノズル213、214のノズル先端から冷却ガスとしてAr、O2、Heガスをそれぞれ導入している。
また、上記冷却ロール210は、直径300mm、幅800mmで、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。更に、冷却ロール210の内部に冷却水等の冷媒は循環しておらず、このため、真空チャンバー壁の外部から冷媒が供給されずかつモーター駆動によらないフリーロールで構成されている。
そして、図示外のクライオ冷凍機にはアルバッククライオ社製「RS80T」を用い、冷却パネル211には冷却ロール210外周面に沿った湾曲形状に加工された銅製のパネル(幅600mm×縦200mm×厚1mm)を採用した。また、冷却ガスの導入量は、冷却ボックス212に取り付けられた圧力計(図示せず)で制御し、また、冷却パネル211の制御温度は、各冷却ガス(Ar、O2、Heガス)の平衡蒸気圧曲線(図8のグラフ図参照)から、上記圧力条件下における冷却ガスの凝縮温度以上となるように選定している。
また、冷却パネル211と冷却ロール210外周面の間隔(50μm、500μm)、冷却ガスの種類(Ar、O2、Heガス)、冷却ボックス212内の圧力(50、500、5000Pa)、冷却パネル211の温度(90、130、300K)条件毎に、温度制御された上記冷却ロール436を耐熱性ポリイミドフィルム413が出た直後におけるフィルム温度を測定し、かつ、耐熱性ポリイミドフィルム413がイオンビーム室434を出たときの皺の有無も観察した。
これ等の結果を、表2(Ar)、表3(O2)、表4(He)にそれぞれ示す。
そして、表2〜表4に示されたデータ群から、冷却ガスの種類(Ar、O2、He)の場合、冷却パネル211の温度が130K以下で、かつ、冷却ボックス212内のガス圧力(50Pa、500Pa)と冷却パネル211と冷却ロール210外周面の間隔(50μm)が分子流領域にあるときに、耐熱性ポリイミドフィルム413を効率よく冷却していることが確認され、また、イオンビーム照射中の耐熱性ポリイミドフィルム413のフィルム温度が30℃未満のときに、皺が発生しないことも確認された。
Figure 2014118607
Figure 2014118607
Figure 2014118607
[実施例2]
実施例2においては、図3に示す冷却パネル439と冷却ロール436外周面との間に冷却ガスを導入する方法として、冷却パネル231に取付けられた中空構造体(ガス導入板)235と冷却ガス放出孔237を用いた図6に示す方法が採られている。尚、耐熱性ポリイミドフィルム413へのイオンビーム処理、成膜処理等の実施手順は参考例の手順と同一である。
すなわち、図6に示す方法は、クライオ冷凍機(図示せず)により冷却されかつ冷却ボックス232内に配置された冷却パネル231の冷却ロール230外周面と対向する側に取付けられ、かつ、内部にガス導入路236が設けられると共に、ガス導入路236に接続されたガス導入管233、234から3種類の冷却ガス(Ar、O2、Heガス)が導入される中空構造体(ガス導入板)235と、中空構造体(ガス導入板)235とガス導入路236の冷却ロール230外周面と対向する側にそれぞれ開設された複数の冷却ガス放出孔237とで冷却ガス導入手段を構成し、冷却パネル231と冷却ロール230外周面との間に冷却ガス放出孔237から冷却ガスとしてAr、O2、Heガスをそれぞれ導入している。尚、ガス導入路236の直径は3mm、冷却ガス放出孔237における孔の直径は200μm、孔の間隔は10mmである。
また、上記冷却ロール230は、直径300mm、幅800mmで、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。更に、冷却ロール230の内部に冷却水等の冷媒は循環しておらず、このため、真空チャンバー壁の外部から冷媒が供給されずかつモーター駆動によらないフリーロールで構成されている。
そして、図示外のクライオ冷凍機にはアルバッククライオ社製「RS80T」を用い、冷却パネル231には冷却ロール230外周面に沿った湾曲形状に加工された銅製のパネル(幅600mm×縦200mm×厚1mm)を採用した。また、冷却ガスの導入量は、冷却ボックス232に取り付けられた圧力計(図示せず)で制御し、また、冷却パネル231の制御温度は、各冷却ガス(Ar、O2、Heガス)の平衡蒸気圧曲線(図8のグラフ図参照)から、上記圧力条件下における冷却ガスの凝縮温度以上となるように選定している。
また、冷却パネル231と冷却ロール230外周面の間隔(50μm、500μm)、冷却ガスの種類(Ar、O2、Heガス)、冷却ボックス232内の圧力(50、500、5000Pa)、冷却パネル231の温度(90、130、300K)条件毎に、温度制御された上記冷却ロール436を耐熱性ポリイミドフィルム413が出た直後におけるフィルム温度を測定し、かつ、耐熱性ポリイミドフィルム413がイオンビーム室434を出たときの皺の有無も観察した。
これ等の結果を、表5(Ar)、表6(O2)、表7(He)にそれぞれ示す。
そして、表5〜表7に示されたデータ群から、冷却ガスの種類(Ar、O2、He)の場合、冷却パネル231の温度が130K以下で、かつ、冷却ボックス232内のガス圧力(50Pa、500Pa)と冷却パネル231と冷却ロール230外周面の間隔(50μm)が分子流領域にあるときに、耐熱性ポリイミドフィルム413を効率よく冷却していることが確認され、また、イオンビーム照射中の耐熱性ポリイミドフィルム413のフィルム温度が30℃未満のときに、皺が発生しないことも確認された。
Figure 2014118607
Figure 2014118607
Figure 2014118607
次に、上記冷却パネル231と冷却ロール230外周面の間隔について、上述した2種類の間隔(50μm、500μm)に代えて、より細分化した間隔(20μm、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm)に設定し、かつ、冷却ガスの種類(Arガス)、冷却ボックス232内の圧力(500Pa)および冷却パネル231の温度(130K)条件を固定して、上記冷却ロール436を耐熱性ポリイミドフィルム413が出た直後におけるフィルム温度を測定し、更に、耐熱性ポリイミドフィルム413がイオンビーム室434を出たときの皺の有無も観察した。
この結果を表8に示す。
そして、表8に示されたデータから、冷却パネル231と冷却ロール230外周面の間隔が分子流領域の20μm〜200μmにあるとき、耐熱性ポリイミドフィルム413を効率よく冷却していることが確認され、また、冷却パネル231と冷却ロール230外周面の間隔を20μm未満に設定することは、図4に示すベアリング18の遊び、熱膨張による歪みに起因して、冷却パネル231と冷却ロール230の外周面が接触してしまうことがあるため現実的ではないことも確認された。
Figure 2014118607
[実施例3]
実施例3においては、図3に示す冷却パネル439と冷却ロール436外周面との間に冷却ガスを導入する方法として、冷却パネルに取付けられた多孔質構造体(ガス導入多孔質板)を用いた図7に示す方法が採られている。尚、耐熱性ポリイミドフィルム413へのイオンビーム処理、成膜処理等の実施手順は参考例の手順と同一である。
すなわち、図7に示す方法は、クライオ冷凍機(図示せず)により冷却されかつ冷却ボックス252内に配置された冷却パネル251の冷却ロール250外周面と対向する側に取付けられ、かつ、内部にガス導入路256が設けられると共に、ガス導入路256に接続されたガス導入管253、254から3種類の冷却ガス(Ar、O2、Heガス)が導入される多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255により冷却ガス導入手段を構成し、冷却パネル251と冷却ロール250外周面との間に、多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255から冷却ガスとしてAr、O2、Heガスをそれぞれ導入している。多孔質構造体(ガス導入多孔質板)255は、冷却パネル251と冷却ロール250外周面間を均一なガス分圧とするため微細な孔が多数開いている方がよく、直径10μmのアルミナ粒子の焼結体から成る多孔質板を使用した。
また、上記冷却ロール250は、直径300mm、幅800mmで、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。更に、冷却ロール250の内部に冷却水等の冷媒は循環しておらず、このため、真空チャンバー壁の外部から冷媒が供給されずかつモーター駆動によらないフリーロールで構成されている。
そして、図示外のクライオ冷凍機にはアルバッククライオ社製「RS80T」を用い、冷却パネル251には冷却ロール230外周面に沿った湾曲形状に加工された銅製のパネル(幅600mm×縦200mm×厚1mm)を採用した。また、冷却ガスの導入量は、冷却ボックス252に取り付けられた圧力計(図示せず)で制御し、また、冷却パネル251の制御温度は、各冷却ガス(Ar、O2、Heガス)の平衡蒸気圧曲線(図8のグラフ図参照)から、上記圧力条件下における冷却ガスの凝縮温度以上となるように選定している。
また、冷却パネル251と冷却ロール250外周面の間隔(50μm、500μm)、冷却ガスの種類(Ar、O2、Heガス)、冷却ボックス252内の圧力(50、500、5000Pa)、冷却パネル251の温度(90、130、300K)条件毎に、温度制御された上記冷却ロール436を耐熱性ポリイミドフィルム413が出た直後におけるフィルム温度を測定し、かつ、耐熱性ポリイミドフィルム413がイオンビーム室434を出たときの皺の有無も観察した。
これ等の結果を、表9(Ar)、表10(O2)、表11(He)にそれぞれ示す。
そして、表9〜表11に示されたデータ群から、冷却ガスの種類(Ar、O2、He)の場合、冷却パネル251の温度が130K以下で、かつ、冷却ボックス252内のガス圧力(50Pa、500Pa)と冷却パネル251と冷却ロール250外周面の間隔(50μm)が分子流領域にあるときに、耐熱性ポリイミドフィルム413を効率よく冷却していることが確認され、また、イオンビーム照射中の耐熱性ポリイミドフィルム413のフィルム温度が30℃未満のときに、皺が発生しないことも確認された。
Figure 2014118607
Figure 2014118607
Figure 2014118607
本発明に係る長尺樹脂フィルムの冷却装置によれば、冷却ロールや冷却キャンロール等における回転軸の構造を簡略化させることができ、例えば、イオンビーム室を具備しない既存のスパッタリングウェブコーターに対しても、大規模な改造、改変を加えることなくイオンビーム室を簡単に付設することが可能となるため、液晶テレビ、携帯電話等のフレキシブル配線基板に用いられる銅張積層樹脂フィルム(金属膜付耐熱性樹脂フィルム)の製造装置並びに製造方法として適用される産業上の利用可能性を有している。
10 回転ロール(冷却ロール、冷却キャンロール)
11 回転軸
12 冷媒導入2重配管
13 ロータリージョイント
14 給水ホース
15 排水ホース
16 磁気シール
17 軸受け
18 ベアリング
20 真空チャンバー壁
21 モーター
22 プーリー
23 ベルト
110 巻き出し室
111 成膜室
112 巻き取り室
113 耐熱性長尺樹脂フィルム
114 巻出ロール
115、121、125、128 張力センサーロール
116 ヒーターボックス
117、118 ヒーター
119、120、126、127 フリーロール
122 搬入側案内ロール(前フィードロール)
123 冷却キャンロール(回転ロール)
124 搬出側案内ロール(後フィードロール)
129 巻取ロール
130、131、132、133 マグネトロンスパッタリングカソード(ターゲット)
134 イオンビーム室
135 搬入側案内ロール(フリーロール)
136 冷却ロール
137 搬出側案内ロール(フリーロール)
138 イオンビーム照射装置
210 冷却ロール(回転ロール)
211 冷却パネル
212 冷却ボックス
213、214 ガスノズル
230 冷却ロール(回転ロール)
231 冷却パネル
232 冷却ボックス
233、234 ガス導入管
235 中空構造体(ガス導入板)
236 ガス導入路
237 冷却ガス放出孔
250 冷却ロール(回転ロール)
251 冷却パネル
252 冷却ボックス
253、254 ガス導入管
255 多孔質構造体(ガス導入多孔質板)
256 ガス導入路
410 巻き出し室
411 成膜室
412 巻き取り室
413 耐熱性長尺樹脂フィルム
414 巻出ロール
415、421、425、428 張力センサーロール
416 ヒーターボックス
417、418 ヒーター
419、420、426、427 フリーロール
422 搬入側案内ロール(前フィードロール)
423 冷却キャンロール(回転ロール)
424 搬出側案内ロール(後フィードロール)
429 巻取ロール
430、431、432、433 マグネトロンスパッタリングカソード(ターゲット)
434 イオンビーム室
435 搬入側案内ロール(フリーロール)
436 冷却ロール(回転ロール)
437 イオンビーム照射装置
438 搬出側案内ロール(フリーロール)
439 冷却パネル
440 クライオ冷凍機
441 冷却ボックス

Claims (15)

  1. 上流側からロール・ツー・ロール方式により搬送される長尺樹脂フィルムが搬入側案内ロールを介して外周面の巻き付け領域に巻き付けられると共に搬出側案内ロールを介して上記外周面の巻き付け領域から下流側へ搬出される回転ロールと、回転ロール外周面の巻き付け領域に巻き付けられた回転ロール上の長尺樹脂フィルムを冷却する冷却手段とを真空チャンバー内に備える長尺樹脂フィルムの冷却装置において、
    上記冷却手段が、回転ロール外周面と搬入側案内ロール並びに搬出側案内ロールの各外周面とで区画される空間領域内に設けられかつ長尺樹脂フィルムの上記巻き付け領域とは反対側に位置する回転ロール外周面の非巻き付け領域近傍に配置されると共に130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネルと、回転ロール外周面の上記非巻き付け領域と冷却パネルとの間に冷却ガスを導入する冷却ガス導入手段とで構成されることを特徴とする長尺樹脂フィルムの冷却装置。
  2. 冷却パネルと回転ロール外周面の上記非巻き付け領域を囲む冷却ボックスが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置。
  3. 冷却パネルと回転ロール外周面の上記非巻き付け領域との間の間隔が20〜200μmに設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置。
  4. 上記冷却ガス導入手段が、回転ロール外周面の非巻き付け領域と冷却パネルとの間に向けてノズル先端が配置されかつ上記ノズル先端から冷却ガスを放出するガスノズルにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置。
  5. 上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される中空構造体と、中空構造体の上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に開設された複数の冷却ガス放出孔とで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置。
  6. 上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される多孔質構造体で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の長尺樹脂フィルムの冷却装置。
  7. 上流側からロール・ツー・ロール方式により搬送される長尺樹脂フィルムが搬入側案内ロールを介して回転ロール外周面の巻き付け領域に巻き付けられかつ搬出側案内ロールを介して回転ロール外周面の巻き付け領域から下流側へ搬出されると共に回転ロール外周面の巻き付け領域に巻き付けられた回転ロール上の長尺樹脂フィルムを真空チャンバー内に設けられた冷却手段により冷却する長尺樹脂フィルムの冷却方法において、
    上記冷却手段が、回転ロール外周面と搬入側案内ロール並びに搬出側案内ロールの各外周面とで区画される空間領域内に設けられかつ長尺樹脂フィルムの上記巻き付け領域とは反対側に位置する回転ロール外周面の非巻き付け領域近傍に配置されると共に130K以下に冷却可能な冷凍機を有する冷却パネルと、回転ロール外周面の上記非巻き付け領域と冷却パネルとの間に冷却ガスを導入する冷却ガス導入手段とで構成されることを特徴とする長尺樹脂フィルムの冷却方法。
  8. 上記冷却パネルのパネル温度を、冷却ガス導入手段により導入される冷却ガスの圧力条件下において冷却ガスの平衡蒸気圧曲線に従い該冷却ガスが凝集する温度よりも高く設定することを特徴とする請求項7に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法。
  9. 上記冷却ガス導入手段が、回転ロール外周面の非巻き付け領域と冷却パネルとの間に向けてノズル先端が配置されかつ上記ノズル先端から冷却ガスを放出するガスノズルにより構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法。
  10. 上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される中空構造体と、中空構造体の上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に開設された複数の冷却ガス放出孔とで構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法。
  11. 上記冷却ガス導入手段が、冷却パネルの上記回転ロール外周面の非巻き付け領域と対向する側に取付けられかつ接続されたガス導入管から冷却ガスが導入される多孔質構造体で構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の長尺樹脂フィルムの冷却方法。
  12. ロール・ツー・ロール方式により搬送される長尺樹脂フィルムの表面側を処理する表面処理手段と、表面処理により加熱された長尺樹脂フィルムを冷却する冷却装置とを真空チャンバー内に備える長尺樹脂フィルムの表面処理装置において、
    請求項1〜6のいずれかに記載の冷却装置により上記冷却装置が構成され、かつ、長尺樹脂フィルムが巻き付けられる回転ロール外周面の巻き付け領域側に上記表面処理手段が配置されていることを特徴とする長尺樹脂フィルムの表面処理装置。
  13. 上記表面処理が、イオンビーム処理若しくはプラズマ処理であることを特徴とする請求項12に記載の長尺樹脂フィルムの表面処理装置。
  14. 上記表面処理が、真空成膜法による成膜処理であることを特徴とする請求項12に記載の長尺樹脂フィルムの表面処理装置。
  15. 上記真空成膜法が、マグネトロンスパッタリングであることを特徴とする請求項14に記載の長尺樹脂フィルムの表面処理装置。
JP2012274664A 2012-12-17 2012-12-17 長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置 Active JP5892056B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012274664A JP5892056B2 (ja) 2012-12-17 2012-12-17 長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012274664A JP5892056B2 (ja) 2012-12-17 2012-12-17 長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014118607A true JP2014118607A (ja) 2014-06-30
JP5892056B2 JP5892056B2 (ja) 2016-03-23

Family

ID=51173703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012274664A Active JP5892056B2 (ja) 2012-12-17 2012-12-17 長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5892056B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104467311A (zh) * 2014-12-09 2015-03-25 遵义天义利威机电有限责任公司 一种气动间歇式铜丝输送装置
JP2016040396A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 住友金属鉱山株式会社 キャンロールと長尺基板処理装置および長尺基板処理方法
JP2016079494A (ja) * 2014-10-22 2016-05-16 住友金属鉱山株式会社 キャンロールと長尺基板処理装置および長尺基板処理方法
CN105887031A (zh) * 2016-05-04 2016-08-24 苏州瑞众新材料科技有限公司 一种抗电磁波天然面料的制备装置及其制造工艺
JP2017155286A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 住友金属鉱山株式会社 ロールツーロール処理装置及び処理方法
CN117107209A (zh) * 2023-10-18 2023-11-24 潍坊坤祥包装材料有限公司 一种用于薄膜镀银的自动化生产设备及加工工艺

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01263274A (ja) * 1988-04-13 1989-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄膜製造装置
JP2011058079A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Panasonic Corp 薄膜形成装置および薄膜形成方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01263274A (ja) * 1988-04-13 1989-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄膜製造装置
JP2011058079A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Panasonic Corp 薄膜形成装置および薄膜形成方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016040396A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 住友金属鉱山株式会社 キャンロールと長尺基板処理装置および長尺基板処理方法
JP2016079494A (ja) * 2014-10-22 2016-05-16 住友金属鉱山株式会社 キャンロールと長尺基板処理装置および長尺基板処理方法
CN104467311A (zh) * 2014-12-09 2015-03-25 遵义天义利威机电有限责任公司 一种气动间歇式铜丝输送装置
CN104467311B (zh) * 2014-12-09 2017-03-29 遵义天义利威机电有限责任公司 一种气动间歇式铜丝输送装置
JP2017155286A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 住友金属鉱山株式会社 ロールツーロール処理装置及び処理方法
CN105887031A (zh) * 2016-05-04 2016-08-24 苏州瑞众新材料科技有限公司 一种抗电磁波天然面料的制备装置及其制造工艺
CN117107209A (zh) * 2023-10-18 2023-11-24 潍坊坤祥包装材料有限公司 一种用于薄膜镀银的自动化生产设备及加工工艺
CN117107209B (zh) * 2023-10-18 2024-02-27 潍坊坤祥包装材料有限公司 一种用于薄膜镀银的自动化生产设备及加工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP5892056B2 (ja) 2016-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI739892B (zh) 卷對卷方式之表面處理裝置及包含其之成膜裝置、以及卷對卷方式之表面處理方法及包含其之成膜方法
JP5892056B2 (ja) 長尺樹脂フィルムの冷却装置と冷却方法および長尺樹脂フィルムの表面処理装置
JP5459188B2 (ja) ガス導入機構を備えたキャンロールおよびそれを用いた長尺基板の処理装置ならびに処理方法
JP5516388B2 (ja) ガス導入機構を備えたキャンロールおよびこれを用いた長尺基板の処理装置ならびに処理方法
JP5573637B2 (ja) ガス導入機構を備えた長尺基板の処理装置および処理方法、ならびに長尺基板の搬送方法
JP5488477B2 (ja) キャンロール、長尺樹脂フィルム基板の処理装置及び処理方法
JP6508080B2 (ja) キャンロールと長尺体の処理装置および処理方法
CN109898066B (zh) 长条基板的处理装置和处理方法
WO2019078015A1 (ja) キャンロールと長尺基板処理装置
JP5849934B2 (ja) 真空成膜装置と真空成膜方法
JP2018031040A (ja) ロールツーロール方式の表面処理装置並びにこれを用いた成膜方法及び成膜装置
JP6201162B2 (ja) キャンロールと長尺基板処理装置および長尺基板処理方法
JP5527186B2 (ja) ガス導入機構を備えた長尺基板処理装置および処理方法
JP6269385B2 (ja) キャンロールと長尺基板処理装置および長尺基板処理方法
JP5888154B2 (ja) ガス放出機構付きキャンロール及びそれを備えた長尺基板の処理装置及び処理方法
JP6217621B2 (ja) ガス放出機構を備えたキャンローラ並びにこれを用いた長尺基板の処理装置及び処理方法
JP6575399B2 (ja) ロールツーロール処理装置及び処理方法
EP3699318B1 (en) Can roll, long-substrate processing device, and method for managing long-substrate processing device
JP6319116B2 (ja) 長尺基板の表面処理装置と表面処理方法
JP2020045524A (ja) イオンビーム処理手段を備えた金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置及び製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5892056

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150