JP2014118596A - 金属成分の回収方法および回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板に付着した酸化物半導体中の金属成分を効率良く、かつ、簡便に回収するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】酸化物半導体中の金属を回収する方法は、導電体で形成した負電極12と、中性塩を含んだ電解液17を含浸した物質15で覆われた正電極13とで電極対を形成し、前記電極対をITOが付着したガラス基板2に接触させる工程と、負電極と正電極の間に電圧を印加しながら、酸化物半導体4が付着したガラス基板を、電極対に同時に接触させながら負電極から正電極の方向に移動させる工程とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】酸化物半導体中の金属を回収する方法は、導電体で形成した負電極12と、中性塩を含んだ電解液17を含浸した物質15で覆われた正電極13とで電極対を形成し、前記電極対をITOが付着したガラス基板2に接触させる工程と、負電極と正電極の間に電圧を印加しながら、酸化物半導体4が付着したガラス基板を、電極対に同時に接触させながら負電極から正電極の方向に移動させる工程とを備える。
【選択図】図3
Description
この発明は、液晶表示器等の製品に使用されている透明導電膜に含まれる金属成分、主としてインジウムを回収する方法及びその装置に関するものである。
インジウム(In)は主に酸化物半導体である酸化インジウム・酸化スズ(ITO。以下ITOと記載する場合もある。)の形態で、透明導電膜の材料として液晶表示器等の製品に使用されているが、希少金属の1つであるために製品からInを回収し、再資源化することが課題となっている。ITOは主としてガラス基板に付着させていることから、ガラス基板からITOを分離・回収する手段に関して研究されている。
例えば、正電極、負電極、ITOを電解液に浸漬させた後、正電極と負電極の対電極を用いてITO表面を移動させながらITOを電解還元させる発明がある(特許文献1参照)。
上記説明したように、特許文献1では、強酸や強アルカリの薬剤を使用せずにガラス基板上のITOを金属In及び金属Snに還元できる。しかし、導電性金属酸化物(以下、酸化物半導体と記載する場合もある。)が付着したガラス基板、正電極、及び、負電極を全て電解液中に浸した状態で還元するため、負電極近傍の導電性金属酸化物が還元されにくくなり、未還元領域が生成されることが実験によって確認されている。これはSnリッチの高抵抗層が生成することが主な原因であると考えられる。従って、この方法では、未還元領域の金属成分を回収できないという問題がある。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ガラス基板に付着した酸化物半導体中の金属成分を効率良く、かつ、簡便に回収するための方法及び装置を提供するものである。
本発明に係る金属成分の回収方法は、導電体から形成された負電極と、負電極と電極対をなし、導電体から形成された正電極と、正電極の少なくとも一部に接触し、電解液を含浸した吸水体とを備え、負電極の一部及び吸水体の一部が、酸化物半導体が付着したガラス基板の面と接触しながら移動することを特徴とするものである。
この発明に係る金属成分の回収方法によれば、正電極直下では中性塩を含んだ電解液を介してITOが還元され金属Inが生成する。一方、負電極は電解液とは接触しないため、電解液で覆われた正電極直下では酸化物半導体の電解還元が起こるが、負電極直下では電気化学反応は起こらず、Snリッチの高抵抗層が生成しない。これによって、金属成分を効率良く還元することができる。また、電解還元によって生成した金属Inはガラス基板上に残留するため、乾式の剥離と吸引による回収が可能となる。金属Inの一部は電解液を吸水した物質表面に剥離物として吸着する。電解液を吸水した物質表面から金属Inを分離するためなど金属Inの回収時に用いる水は少量でよく、大量の電解液から金属Inをろ過回収するために要する時間を短縮できる。
実施の形態1.
次に、図面を用いて、この発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
次に、図面を用いて、この発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1は、この発明の実施の形態1に係わる金属成分の回収方法における工程を示すフローチャートである。この回収方法は5つのステップから構成される。図において、S1は、2枚のガラス基板が張り合わされた液晶パネルをこれらのガラス基板に分離し解体する液晶パネルの解体工程である。S2は、分離されたガラス基板に付着した液晶を除去する液晶除去工程である。S3は、液晶が除去されたガラス基板表面に成膜されたITOを金属In及び金属Snに還元する電解還元工程である。S4は、還元された金属In及び金属Snをガラス基板より剥離させる剥離工程である。S5は、剥離された金属In及び金属Snを回収する回収工程である。
以下、S1からS5までの各工程について、詳しく説明する。
(S1)液晶パネルの解体工程
図2は、酸化物半導体としてITOが透明電極に用いられている液晶パネルの断面を示す模式図である。この工程では、図で示された液晶パネル1を第一基板2であるCF基板と第二基板3であるTFT基板とに分離する。第一基板2及び第二基板3には、それぞれ透明電極として第一ITO膜4と第二ITO膜5が成膜されている。第一ITO膜4及び第二ITO膜5の上には、第一配向膜6及び第二配向膜7がそれぞれ成膜されている。第一配向膜6と第二配向膜7に挟まれる形で液晶8が存在し、シール剤9により第一基板2及び第二基板3間に密封されている。第一基板2及び第二基板3の液晶8の層と対向する側の面には、それぞれ第一偏光板10と第二偏光板11とが貼り付けられている。
(S1)液晶パネルの解体工程
図2は、酸化物半導体としてITOが透明電極に用いられている液晶パネルの断面を示す模式図である。この工程では、図で示された液晶パネル1を第一基板2であるCF基板と第二基板3であるTFT基板とに分離する。第一基板2及び第二基板3には、それぞれ透明電極として第一ITO膜4と第二ITO膜5が成膜されている。第一ITO膜4及び第二ITO膜5の上には、第一配向膜6及び第二配向膜7がそれぞれ成膜されている。第一配向膜6と第二配向膜7に挟まれる形で液晶8が存在し、シール剤9により第一基板2及び第二基板3間に密封されている。第一基板2及び第二基板3の液晶8の層と対向する側の面には、それぞれ第一偏光板10と第二偏光板11とが貼り付けられている。
第一基板2及び第二基板3の分離方法は特に規定しないが、例えば、切断機を用いて、液晶パネル1のシール剤9が充填された部分の内側、図中破線のA−Bで示す箇所を切断し、第一基板2又は/及び第二基板3を吸引機で吸着し、上下方向に引っ張り、又は、左右方向にスライドさせることで分離することができる。また、シール剤9の研磨による除去などを実施して、上記同様に第一基板2又は/及び第二基板3を吸引機で吸着し、上下方向に引っ張り、又は、左右方向にスライドさせることで分離することも可能である。
(2)液晶除去工程
この工程は、ガラス基板に付着した液晶を除去する工程である。回収の対象である金属成分は、液晶パネルを構成するガラス基板の片面の液晶が挟まれている側に付着している。以降のステップの電解還元工程においてITOを電解還元させるためには、ITOを電極又は電解液と接触させる必要がある。そのためには、ITOの表面に付着している液晶を前もって除去する必要がある。例えば、ガラス基板の表面に付着している液晶をエアブローにより吹き飛ばすことが可能である。また、ウェスなどを用いてふき取っても良いし、溶剤等で洗い流しても構わない。真空吸引によって除去しても構わない。液晶自体は回収しないので、液晶を除去するための方法は特に問わない。なお、配向膜がついていてもITOは還元されるため、配向膜を除去しなくとも特に支障はない。
この工程は、ガラス基板に付着した液晶を除去する工程である。回収の対象である金属成分は、液晶パネルを構成するガラス基板の片面の液晶が挟まれている側に付着している。以降のステップの電解還元工程においてITOを電解還元させるためには、ITOを電極又は電解液と接触させる必要がある。そのためには、ITOの表面に付着している液晶を前もって除去する必要がある。例えば、ガラス基板の表面に付着している液晶をエアブローにより吹き飛ばすことが可能である。また、ウェスなどを用いてふき取っても良いし、溶剤等で洗い流しても構わない。真空吸引によって除去しても構わない。液晶自体は回収しないので、液晶を除去するための方法は特に問わない。なお、配向膜がついていてもITOは還元されるため、配向膜を除去しなくとも特に支障はない。
(3)電解還元工程
図3は、この発明の実施の形態1に係わる金属成分の回収方法に係るITOの電解還元装置の一部を示す模式図である。ここでは、第一基板2又は第二基板3上に成膜されたITOの内、第一基板2上に成膜された第一ITO膜4を電解還元させる場合について説明する。なお、第二基板3上に成膜された第二ITO膜5を電解還元させる場合も同様であるため、ここでは説明を省略する。負電極12は、第一基板2の表面に付着した第一ITO膜4を電解還元させるために、その一部を第一ITO膜4と電気的に接触させる。
図3は、この発明の実施の形態1に係わる金属成分の回収方法に係るITOの電解還元装置の一部を示す模式図である。ここでは、第一基板2又は第二基板3上に成膜されたITOの内、第一基板2上に成膜された第一ITO膜4を電解還元させる場合について説明する。なお、第二基板3上に成膜された第二ITO膜5を電解還元させる場合も同様であるため、ここでは説明を省略する。負電極12は、第一基板2の表面に付着した第一ITO膜4を電解還元させるために、その一部を第一ITO膜4と電気的に接触させる。
負電極12の相手極であり、第一基板2の表面に付着した第一ITO膜4を電解還元させるために必要な正電極13は、第一基板2の第一ITO膜4が付着した面と少なくとも一部を接する電解液14を保持した吸水スポンジ15と少なくとも一部を接する形で配置されている。電解液14は、例えばスポイト等の電解液供給ノズル16から供給される。正電極13の形状は特に問わないが、板状や円筒状の形状のものを用いる方が便利である。正電極13の少なくとも一部は電解液14中に含侵させる必要がある。また正電極13は、金やステンレス鋼などの耐食性を有する導電材料を用いるほうが好ましい。
負電極12は、吸水スポンジ15及び吸水スポンジ15から染み出た電解液17に接触しないように設置する。負電極12と正電極13との距離は特に規定はしないが、5mm〜10cm程度が望ましい。あまり近くに配置しすぎると、電解液17に接触しないように設置することが困難となり、あまりに離れすぎると負電極12と正電極13との間に電解還元されない領域が生じるため適切ではない。
吸水スポンジ15に保持した電解液14には導電率が10μs/cm以上で、中性塩を含む液、例えば、水道水や、水道水や純水に中性塩を溶解したものを用いる。また、電解液14の保持に吸水スポンジを用いているが、電解液14を保持する機能を有し電解液14よりも導電率が低い物質であれば何でもよく、吸水ポリマーなどを用いても構わない。
電源18は、正電極13と負電極12、すなわち、第一基板2の第一ITO膜4との間に電圧を印加するためのものであり、負電極12は、例えば表面に設けられたカーボンブラシ等の接触子を用いて第一ITO膜4と導線19との導通をとる。負電極12を第一基板2の表面の第一ITO膜4に押し当てることによって、負電極12を介して第一ITO膜4に通電する。正電極13と負電極12とを通じて、正電極13と第一基板2の第一ITO膜4との間に存在する吸水スポンジ15に含まれる電解液14に直流電圧を印加する。正電極13と第一基板2の第一ITO膜4との間に存在する吸水スポンジ15に含まれる電解液14に直流電圧を印加すると電解液中で電位差が生じる。
ITOを還元させるためには、最低1.5Vの電位差が必要であることが分かっており、電解液の抵抗を考慮すると、電源18に印加する電圧は負電極12と正電極13の距離にもよるが、例えば、負電極12と正電極13との距離が1cm程度であれば、ITOを還元させるためには、少なくとも2V以上、好ましくは、10V〜50V程度の電位差となるよう印加すればよい。一方、電源18の印加電圧がある程度高くなると電解液5の電気分解が激しく生じるだけで、第一ITO膜4のITOの還元には寄与しない。従って、第一ITO膜4のITOの還元効率は向上しないので印加電圧は200V以下が好ましい。
上記のように電源18に電圧を印加し、負電極12及び電解液14を含む吸水スポンジ15が第一ITO膜4に接触するように移動させる。このとき、第一ITO膜4上を、まず負電極12が第一ITO膜4に接触し、続いて、吸水スポンジ15に接触するよう、第一基板2を矢印の方向に移動させる。なお、第一基板2の第一ITO膜4の端部Cを電解液14又は電解液17がカバーする形でスタートする場合等は、負電極12及び電解液14を含む吸水スポンジ15が同時に第一ITO膜4に接触しても構わない。
負電極12と正電極13に電圧を印加することで、吸水スポンジ15と第一ITO膜4との界面で電解還元反応がおこり、第一ITO膜4のITOが還元して、金属In・Sn20が生成する。このとき、電解液14の一部は電気化学反応によって酸素と水素に電気分解される。また、電解液14の一部は電解還元処理時に蒸発によって消失する。吸水スポンジ3に保持する電解液14の量をほぼ一定に保つため、電解液供給ノズル16から電解液14を所定量供給する構成とする。
このような構成によれば、電源18に電圧を印加すると、電解電流が正電極13→電解液14(吸水スポンジ15に浸透)→第一ITO膜4→負電極12へと流れ、吸水スポンジ15の直下にある第一ITO膜4を構成するITOが電解還元され金属In・Sn20が生成する。図4は、電極付近の電気の流れを簡易的に示した模式図である。矢印の方向で第一ITO膜4の表面に電解電流が流れて電解還元反応が生じる。第一ITO膜4を構成する酸化インジウム(In2O3)と酸化スズ(SnO2)は次の反応によって金属Inと金属Snに還元される。
In2O3+6H++6e→2In+3H2O
SnO2+4H++6e→Sn+2H2O
還元時に、第一ITO膜4から酸素が抜けるため、第一ITO膜4は、低密度で疎な金属In・Sn20とからなる膜へと変化する。
In2O3+6H++6e→2In+3H2O
SnO2+4H++6e→Sn+2H2O
還元時に、第一ITO膜4から酸素が抜けるため、第一ITO膜4は、低密度で疎な金属In・Sn20とからなる膜へと変化する。
第一ITO膜4の端部Dを負電極12が通過するまで第一基板2を移動させることにより、第一ITO膜4の端から端までが金属In・Sn20に還元される。この方法によれば、負電極12が電解液14及び電解液17に触れることなく電解還元を実施することができるので、第一ITO膜4表面に高抵抗Snリッチ層が形成されることなくITOを還元できる。
(4)剥離工程
この工程は、金属In及び金属Snをガラス基板より剥離させる剥離工程である。電解還元工程で還元し生成した金属In・Sn20は第一基板2上に載っている状態であり、何らかの力を加えることで容易に剥離できる。剥離方法は特に規定しないが、ブラシ等により掻き取ったり、ウェス等により拭き取ったり、又は、ブローにより吹き飛ばすことで用意に剥離することができる。
この工程は、金属In及び金属Snをガラス基板より剥離させる剥離工程である。電解還元工程で還元し生成した金属In・Sn20は第一基板2上に載っている状態であり、何らかの力を加えることで容易に剥離できる。剥離方法は特に規定しないが、ブラシ等により掻き取ったり、ウェス等により拭き取ったり、又は、ブローにより吹き飛ばすことで用意に剥離することができる。
(5)回収工程
この工程は、剥離された金属In及び金属Snを回収する回収工程である。剥離工程によりガラス基板から剥離した金属In・Snは真空吸引やふき取りなどによって回収することができる。また、剥離工程と同時に真空吸引を行うことにより、金属In・Sn20を剥離すると同時に直接回収することが出来る。ふき取りにより回収した場合、ふき取りに用いたウェス等から吸引や超音波洗浄などによって金属In・Sn20を剥離させる必要がある。超音波洗浄を用いた場合には、超音波洗浄水のフィルターでのろ過、又は、遠心分離等を実施することで金属In・Sn20を回収することが可能である。
この工程は、剥離された金属In及び金属Snを回収する回収工程である。剥離工程によりガラス基板から剥離した金属In・Snは真空吸引やふき取りなどによって回収することができる。また、剥離工程と同時に真空吸引を行うことにより、金属In・Sn20を剥離すると同時に直接回収することが出来る。ふき取りにより回収した場合、ふき取りに用いたウェス等から吸引や超音波洗浄などによって金属In・Sn20を剥離させる必要がある。超音波洗浄を用いた場合には、超音波洗浄水のフィルターでのろ過、又は、遠心分離等を実施することで金属In・Sn20を回収することが可能である。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、負電極がガラス基板上を移動する構成としたが、この構成に加え、第一ITO膜4の端部Dに固定し、第一ITO膜4と導通する構成とすることで、負電極を確実に第一ITO膜4と接触させることができるため、電解還元を確実に実施することができる。図5は、この発明の実施の形態2に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。図において、固定式負電極21は、第一ITO膜4の端部Dに第一ITO膜4と導通した状態で固定されている。他の構成については、上記実施の形態1と同様な構成であるため、ここでは説明を省略する。
上記実施の形態1では、負電極がガラス基板上を移動する構成としたが、この構成に加え、第一ITO膜4の端部Dに固定し、第一ITO膜4と導通する構成とすることで、負電極を確実に第一ITO膜4と接触させることができるため、電解還元を確実に実施することができる。図5は、この発明の実施の形態2に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。図において、固定式負電極21は、第一ITO膜4の端部Dに第一ITO膜4と導通した状態で固定されている。他の構成については、上記実施の形態1と同様な構成であるため、ここでは説明を省略する。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。第一ITO膜4を構成するITOが電解還元され金属In・Sn20が生成するところまでは上記実施の形態1で示したとおりであるが、この実施の形態3では、生成された金属In・Sn20をブラシで掻き取り回収する構成について説明する。図において、電解還元によって生成した金属In・Sn20が付着したガラス基板である第一基板2に剥離ブラシ22を接触させて回転させる。これにより金属In・Sn20の層は、金属In・Sn粒子23として第一基板2から剥離し浮遊、又は、剥離ブラシ22に付着する。このように浮遊、又は、剥離ブラシ22に付着した金属In・Sn粒子23を吸引装置24で吸引し、回収容器25に回収する。
図6は、この発明の実施の形態3に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。第一ITO膜4を構成するITOが電解還元され金属In・Sn20が生成するところまでは上記実施の形態1で示したとおりであるが、この実施の形態3では、生成された金属In・Sn20をブラシで掻き取り回収する構成について説明する。図において、電解還元によって生成した金属In・Sn20が付着したガラス基板である第一基板2に剥離ブラシ22を接触させて回転させる。これにより金属In・Sn20の層は、金属In・Sn粒子23として第一基板2から剥離し浮遊、又は、剥離ブラシ22に付着する。このように浮遊、又は、剥離ブラシ22に付着した金属In・Sn粒子23を吸引装置24で吸引し、回収容器25に回収する。
通常、電解還元は電解液で満たされた電解槽中で実施するので、金属Inまたは金属Snを電解還元により回収する場合は、ガラス基板から剥離した金属Inまたは金属Sn粒子が電解液中に遊離する。よって、電解液をろ過する等して金属Inまたは金属Sn粒子を回収し、乾燥しなければならない。しかしながら、この発明の実施の形態に係る回収方法によれば、多量の電解液を用いることはしないので、電解液をろ過等することなしに、ガラス基板上を掃引することによって、ガラス基板全面の金属Inまたは金属Sn粒子を回収することができる。
このような方法では、金属In・Sn粒子23は電解液中に剥離しないので、乾式吸引するだけで回収容器25に回収することが出来る。電解液からのろ過工程なしで回収でき、また、乾燥作業も大幅に簡略化できるため、回収に要する時間を短縮することができる。なお、ガラス基板から金属In・Snを剥離させるのに、ここではブラシを用いたが、ガラス基板を摩擦することによって金属In・Snを剥離するものであれば何でもよく、クロスでのふき取り、スクイジーによる掻き取りなどでも良い。電解液14を浸透させた吸水スポンジ15の表面には電解還元工程時に金属In・Sn4の一部が剥離して付着している場合があるが、吸水スポンジ15を少量の水などで洗浄して洗浄液をろ過することによって回収するか、吸水スポンジ15を乾燥した後、真空吸引などで回収しても構わない。なお、図6では電解還元作業と回収作業とを同時に行う構成を示したが、電解還元作業と回収作業とを、別々の工程で行っても良いことは言うまでもない。
実施の形態4.
上記実施の形態では、負電極及び正電極に棒状又は板状の電極を用いる場合を示したが、負電極及び正電極のどちらか一方、又は、両方にローラー型電極を用いても構わない。図7は、この発明の実施の形態4に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。図において、ローラー型負電極26と、ローラー型負電極26と対を成すローラー型正電極27と、ローラー型正電極27の周囲に電解液14を浸透させたローラー型吸水スポンジ28が配置された構成をとる。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記実施の形態では、負電極及び正電極に棒状又は板状の電極を用いる場合を示したが、負電極及び正電極のどちらか一方、又は、両方にローラー型電極を用いても構わない。図7は、この発明の実施の形態4に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。図において、ローラー型負電極26と、ローラー型負電極26と対を成すローラー型正電極27と、ローラー型正電極27の周囲に電解液14を浸透させたローラー型吸水スポンジ28が配置された構成をとる。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このような構成にすることにより、負電極と正電極の周囲の電解液を確実にITO膜と接触させることができるため、電解還元を確実に実施することができる。また、ローラー型を取るため、ITO膜との間で必要以上の摩擦が生じることもなく、電極の変形、ITO膜への引っかかりを生じることなくスムーズにガラス基板を移動させることが可能となる。
実施の形態5.
上記実施の形態1では、負電極に棒状又は板状の電極を用いる場合を示したが、負電極にブラシ型電極を用いても構わない。図8は、この発明の実施の形態5に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。図において、負電極には、ブラシ型負電極29を用いる。ブラシ型負電極29は、金属ワイヤなど導電性を持つ材料で形成する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記実施の形態1では、負電極に棒状又は板状の電極を用いる場合を示したが、負電極にブラシ型電極を用いても構わない。図8は、この発明の実施の形態5に係る金属成分の回収装置を示す模式図である。図において、負電極には、ブラシ型負電極29を用いる。ブラシ型負電極29は、金属ワイヤなど導電性を持つ材料で形成する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このような構成にすることにより、ITO膜との電気的導通が確実に図られる。また、ITO膜がパターン状に形成されていてもブラシ型負電極29のブラシ先端がITO膜を形成するパターンと確実に接触するため、電解還元を確実に実施することができる。
実施の形態6.
上記実施の形態では、ガラス基板(ここでは第一基板2)が水平な場合を示したが、図9で示すようにガラス基板である第一基板2に傾斜を持たせ設置しても構わない。設計上、又は、設置の状況から水平が取れない場合も想定されるが、そのような場合には、ブローにより、また、壁を設ける等して電解液が負電極と接触しないように工夫が必要である。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記実施の形態では、ガラス基板(ここでは第一基板2)が水平な場合を示したが、図9で示すようにガラス基板である第一基板2に傾斜を持たせ設置しても構わない。設計上、又は、設置の状況から水平が取れない場合も想定されるが、そのような場合には、ブローにより、また、壁を設ける等して電解液が負電極と接触しないように工夫が必要である。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記制約を受けない場合には、負電極が正電極よりも高い位置に来るようにガラス基板に傾斜をつける。これによって、吸水スポンジに浸透する電解液が広がって負電極に付着することを防止できる。よって、負電極が濡れることによって負電極直下でSnリッチ層が生成することを抑制できる。ガラス基板の傾斜は、設計的には3°〜90°の範囲が妥当な範囲内であるが、液状である電解液の垂れ、広がり等を考慮し、負電極が濡れるのを確実に防止するためには、5°〜60°程度が望ましい。
1 液晶パネル、2 第一基板、3 第二基板、4 第一ITO膜、5 第二ITO膜、6 第一配向膜、7 第二配向膜、8 液晶、9 シール剤、10 第一偏光板、11 第二偏光板、12 負電極、13 正電極、14 電解液、15 吸水スポンジ、16 電解液供給ノズル、17 電解液、18 電源、19 導線、20 金属In・Sn、21 22 剥離ブラシ、23 金属In・Sn粒子、24 吸引装置、25 回収容器、26 ローラー型負電極、27 ローラー型正電極、28 ローラー型吸水スポンジ、29 ブラシ型負電極
Claims (6)
- 導電体から形成された負電極と、
該負電極と電極対をなし、導電体から形成された正電極と、
該正電極の少なくとも一部に接触し、電解液を含浸した吸水体とを備え、
前記負電極の一部及び前記吸水体の一部が、酸化物半導体が付着したガラス基板の前記酸化物半導体が付着した面と接触しながら移動する金属成分の回収装置。 - 電解液の導電率が10μS/cm以上であり、かつ、中性塩を含む請求項1に記載の金属成分の回収装置。
- 負電極がローラー形状からなる請求項1または請求項2のいずれかに記載の金属成分の回収装置。
- 負電極がブラシ形状からなる請求項1または請求項2のいずれかに記載の金属成分の回収装置。
- 負電極と酸化物半導体が付着したガラス基板の前記酸化物半導体が付着した面との接触部分の少なくとも一部が、吸水体と前記面との接触部分より高い位置にある請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属成分の回収装置。
- 負電極、及び、該負電極と電極対をなす正電極に電圧を印加する工程と、
前記正電極の少なくとも一部に接触した吸水体に中性塩を含んだ電解液を含浸させる工程と、
前記負電極の一部及び前記吸水体の一部が、酸化物半導体が付着したガラス基板の前記酸化物半導体が付着した面と接触しながら移動する工程と、
を備えた金属成分の回収方法。
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