JP2014117782A - ウェーハの面取り加工方法およびウェーハの面取り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転テーブル2上で回転させられるウェーハ1の周端部1aに砥石を接触させてウェーハを面取り加工する方法において、複数枚のウェーハからなるロットの加工に際し、ロット内の1枚のウェーハをサンプルウェーハとして採用する第1のステップと、サンプルウェーハを目標とする直径よりも所定の寸法だけ大きいサンプル用直径かつ目標とする周端部形状E1に試し加工する第2のステップと、試し加工されたサンプルウェーハの直径または周端部形状を測定する第3のステップと、サンプルウェーハの測定結果に基づいて砥石の回転テーブルに対する相対位置を補正する第4のステップと、位置補正された砥石によって、サンプルウェーハを含むロット内のウェーハを目標とする直径かつ目標とする周端部形状E2にロット加工する第5のステップとを有する。
【選択図】図19
Description
このような面取り加工がなされるウェーハ1には、周方向の基準位置を示すためのV字形又はU字形のノッチ1nが刻設されたものや、オリエンテーションフラットが形成されたものがあり、これも面取り加工される。
この場合、上斜面1auの水平長さを「面取り幅X1」と呼び、下斜面1adの水平長さを「面取り幅X2」と呼ぶ。
この場合も、上斜面1auの水平長さを「面取り幅X1」、下斜面1adの水平長さを「面取り幅X2」、周端1bの面幅の長さを「面取り幅X3」とそれぞれ呼ぶ。
そこで、ウェーハの面取り加工においては、まず、加工前にウェーハの厚さや回転テーブル上のウェーハの高さを測定し、加工されるべきウェーハと砥石との相対的位置を調整する。その後、ロットの始端のウェーハを加工位置が調整された砥石によって所定の目標直径、目標周端部形状になるように面取り加工する。複数の回転テーブルを有する面取り加工装置においては、それぞれの回転テーブルで分担させてウェーハを目標寸法・形状に面取り加工する。
次いで、加工したウェーハの寸法や形状などを測定装置で測定し、測定結果と目標寸法との差から、2枚目以降のウェーハを精密な目標寸法・形状に加工することができるように砥石の加工位置を補正して、2枚目以降のウェーハの加工を開始していた。
そのため、ウェーハの厚さや回転テーブル上のウェーハの高さを測定しても、非接触型の測定装置ではワイヤーマークMの山を正確に測定することができず、その付近の平均厚さを測定することになっていた。さらに、これらの測定は加工前に行われるため、加工中にウェーハの上下位置が加工前からわずかにずれることもあった。
また、加工後にウェーハの断面形状を測定するには図15のような投影画像による方法が一般的だが、この方法では投影する位置から見て最も厚い部分が投影されて測定されていた。
このように、加工前の測定結果から加工後の測定結果を予想することが難しく、砥石の加工位置を効果的に補正することができず、ウェーハの加工精度が課題となっていた。
さらに、所定のロットのウェーハの加工を終えて次のロットのウェーハの加工を開始するときの最初のウェーハは、直前に加工していたロットのウェーハと傾向やくせが異なる。このため、ロット始端、ロット終端のウェーハ以外に同じロットの他のウェーハも数枚は目標とする直径や周端部形状に加工できないことが多く、廃棄することになるため無駄が生じていた。
第1の発明は、回転テーブル上に芯だしして載置されて回転させられるウェーハの周端部に、砥石を接触させて上記ウェーハを目標とする直径かつ目標とする周端部形状に面取り加工するウェーハの面取り加工方法において、複数枚のウェーハからなる1つのロットの面取り加工開始に際し、このロット内の1枚のウェーハをサンプルウェーハとして採用する第1のステップと、このサンプルウェーハを目標とする直径よりも所定の寸法だけ大きいサンプル用直径かつ目標とする周端部形状に加工するように上記砥石の位置を設定して、上記サンプルウェーハを試し加工する第2のステップと、試し加工された上記サンプルウェーハの直径または周端部形状を測定する第3のステップと、上記サンプルウェーハの測定結果に基づいて上記砥石の回転テーブルに対する相対位置を補正する第4のステップと、補正された位置にある上記砥石によって、試し加工後の上記サンプルウェーハを含む上記ロット内のウェーハを目標とする直径かつ目標とする周端部形状に順次ロット加工する第5のステップと、を有することを特徴とする。
図1に示すように、この面取り装置は、ウェーハ1を載置する複数の回転テーブル2を有し、また、複数の面取り工程にそれぞれ対応した異なる加工特性(粗さやウェーハの加工箇所など)を有する複数の砥石3、4、5を有するものであって、各砥石3、4、5が各回転テーブル2A、2B、2C、2Dの間で移動可能である。
また同様に、面取り加工の前後にウェーハ1の測定、洗浄および乾燥を行うセンサー7、8、9、照明器50、CCDカメラ51、洗浄機構10、乾燥機構11が、各回転テーブル2A、2B、2C、2Dの間で移動可能である。
更に、ウェーハ1の面取り加工のために、この面取り装置は、ウェーハ1のエッジ1aの粗研用の総形砥石からなるエッジ粗研砥石3と、ウェーハ1のエッジ1aのコンタリング加工(精研)用の一対の円盤溝なし砥石4a、4aからなるエッジ精研砥石4と、ノッチ1nの加工用の総形砥石からなるノッチ用砥石5とを有している。
なお、オリエンテーションフラット1fを有するウェーハの場合には、オリエンテーションフラット1fはエッジ粗研砥石3およびエッジ精研砥石4で加工される。また、本実施形態ではノッチ用砥石5によってノッチ1nの粗研のみが行われ、ノッチ1nの精研は、本実施形態の面取り装置による加工を終了した後で、別の装置にて行われる。
図2に示すように、回転テーブル2(各回転テーブル2A、2B、2C、2Dをまとめて「回転テーブル2」という)の上部には、ウェーハ1が芯だしして載置されるステージ17が設けられている。このステージ17はウェーハ1よりも小径に形成され、載置されたウェーハ1を負圧によって固定する吸着チャックを有している。
また、図2、図7に示すように、回転テーブル2には、モータを用いてステージ17を回転させる回転テーブル回転機構18が設けられ、ウェーハ1の面取り加工の際にステージ17を回転させて、ステージ17上に載置されたウェーハ1のエッジ1aを全周に亘って面取り加工できるようになっている。さらに、回転テーブル2は、レールまたはボールねじ等で構成される回転テーブル接近離間機構19によって、Y軸方向に移動が可能であり、ステージ17上に載置されたウェーハ1を上記各砥石3、4、5と接近離間させて面取り加工することができる。
4つのカセット12、13及び仮置きカセット40からなる列と4つの回転テーブル2A、2B、2C、2Dからなる列との間には、カセットアーム14が設けられている。このカセットアーム14は、ウェーハ1を乗せて搬送する略Y字状のアーム部14aを有している。さらに、カセットアーム14には、図2に示すように、支柱37にガイドされてX軸方向に移動するためのカセットアームX軸移動機構20が設けられるとともに、アーム部14aをY軸方向に移動するためのカセットアームY軸移動機構21、アーム部14aを昇降させるカセットアーム昇降機構22および水平に旋回させるカセットアーム旋回機構23が設けられている。
搬入アーム15には、X軸方向に移動するための搬入アーム移動機構24(図2)およびアーム部15aを昇降させる搬入アーム昇降機構(図示せず)が設けられており、カセットアーム14から各回転テーブル2へのウェーハ1の受け渡しを行うことができる。
図3(a)に示すように、アライメントセンサー7は搬入アーム15に対し旋回可能に取り付けられるため、吸着チャック15bによってウェーハ1を吸着する際及び吸着チャック15bからウェーハ1を受け渡す際にはアライメントセンサー7がウェーハ1に接触しないように逃がすことができ、かつ、搬入アーム15がウェーハ1を保持した状態でアライメントセンサー7をウェーハ1の上下に旋回させてウェーハ1を測定できる。また、搬入アーム15に対してアライメントセンサー7を昇降させるアライメントセンサー昇降機構(図示せず)が設けられ、ウェーハ1の測定に際してアライメントセンサー7の高さを調整することができる。
搬入アーム15は、アライメントセンサー7の測定結果から設定したウェーハ1の円周方向の角度に基づいて、ウェーハ1を回転させて所望の載置角度で回転テーブル2に載置する。このとき、ウェーハ1の中心と回転テーブル2のステージ17の中心が一致するように芯だしする。
なお、厚さセンサー8は、搬入アーム15がウェーハ1を保持した状態でウェーハ1の厚さを測定するように構成してもよい。
ノッチ用砥石5は、図5に示すように、エッジ粗研砥石3と同様にウェーハ1に要求されるノッチ形状と一致する形状の溝を周端面に刻設してある総形砥石であって、エッジ粗研砥石3と同じ向きに回転させたまま、回転テーブル接近離間機構19による回転テーブル2のY軸方向移動と、後述の粗研砥石移動機構27によるノッチ用砥石5のX軸方向移動とを用いて、ノッチ1nの要求される形状に沿わせて研削を行う。
図2、図5に示すように、エッジ粗研砥石3およびノッチ用砥石5は、一つの砥石支持装置26に取り付けられて、ウェーハ1を面取り加工する。また、図1に示すように、砥石支持装置26は面取り装置の側壁29の上部に取り付けられ、X軸方向に移動するための粗研砥石移動機構27および昇降するための粗研砥石昇降機構28を有している。一例として、粗研砥石移動機構27は、側壁29に取り付けられるX軸方向のねじ軸と砥石支持装置26に取り付けられるナットとからなるボールねじを用いて、サーボモータを駆動力として構成することができる。同様に、粗研砥石昇降機構28も、ボールねじを用いて構成することができる。
このため、図2、図7、図8に示すように、エッジ精研砥石4は砥石支持装置30に支持され、各砥石4a、4aは砥石を回転させるスピンドルモータを介して砥石支持装置30に取り付けられている。また、砥石支持装置30全体を昇降させる支持装置昇降機構31を設けるとともに、各砥石4a、4aを各別に昇降させる一対のエッジ精研砥石昇降機構32、32を設けており、各砥石4a、4aを同じ高さに維持してウェーハ1のエッジ1aを面取り加工する(図6)こともできるが、各砥石4a、4aの高さを異ならせて、ウェーハ1を上下から挟むようにして上斜面1auおよび下斜面1adの面取り加工をすることもできる(図9)。
また、図2に示すように、エッジ精研砥石4を取り付ける砥石支持装置30は面取り装置の側壁29下部に組み付けられ、X軸方向に移動するためのエッジ精研砥石移動機構33を有している。一例として、エッジ精研砥石移動機構33は、側壁29に取り付けられるX軸方向のねじ軸と砥石支持装置30に取り付けられるナットとからなるボールねじを用いて、サーボモータを駆動力として構成することができる。
搬出アーム16には、X軸方向に移動するための搬出アーム移動機構38、アーム部16aを昇降させる搬出アーム昇降機構(図示せず)およびアーム部16aを旋回させる搬出アーム旋回機構(図示せず)が設けられており、各回転テーブル2からカセットアーム14への加工済みあるいは後述する試し加工後のウェーハ1の受け渡しを行うことができる。
本実施例では、ウェーハ1を回転テーブル2の上方に保持して、ウェーハ1の洗浄および乾燥を行いながら、回転テーブル2のステージ17の洗浄および乾燥を行えるように洗浄機構10と乾燥機構11とを構成したが、ウェーハ1を回転テーブル2に載置した状態でウェーハ1の洗浄および乾燥を行うように構成してもよい。
加工後センサー9は搬出アーム16に対し旋回可能に取り付けられるため、ウェーハ1の形状を測定するには、まず、搬出アーム16がウェーハ1を保持した状態で加工後センサー9をウェーハ1の真上から逃がす。次いで、アーム部16aの高さを加工後センサー9の高さに上昇させ、加工後センサー9を旋回させてウェーハ1の上下に配置し、ウェーハ1の形状を測定できる。また、加工後センサー9は、洗浄機構10または乾燥機構11の上方に設けてあり、ウェーハ1の洗浄または乾燥の際に汚れないようになっている。このほかに、ウェーハ1を回転テーブル2に載置した状態で、加工後センサー9がウェーハ1の形状を測定するように構成してもよい。
また、図10、図15に示すように搬出アームに16には、照明器50からの平行光をウェーハ1のエッジ1a付近に照射してCCDカメラ51で受光するセンサーも取り付けられており、ウェーハを所定位置に回転させてからこのセンサーを用いて測定することにより、ウェーハ1の全周上の任意位置におけるエッジ1aの断面形状を測定することができる。
このウェーハ1の面取り加工装置は、新しいロット内のウェーハの加工を開始する際に、1枚のウェーハ1をサンプルウェーハとして試し加工を行い、この試し加工の結果に基づいて砥石の加工位置を補正して、サンプルウェーハおよびロット内の残りのウェーハ1のロット加工を順次行うことを特徴とする。
サンプルウェーハを選出する基準は面取り装置の加工制御部に予め記録しておき、使用者がロット内のウェーハ1の枚数等の情報を入力することによって、入力された情報と上記基準とから、ロットの始端から何枚目のウェーハ1をサンプルウェーハとするかを算出するようにしてもよい。
サンプルウェーハは、砥石の加工位置を補正するための基準となるものであるから、ロット内のウェーハ1の平均的な形状に近いことが好ましい。そこで、ロットの始端から所定枚数後ろのウェーハ1をサンプルウェーハとして採用するように加工制御部で設定しておくことが好ましく、たとえば、ロットの中央に位置するウェーハ1を用いることができる。
また、使用者による情報の入力を必要とせず、ロットの始端からn枚目のウェーハ1をサンプルウェーハとすることを加工制御部に予め記録しておいてもよい。
サンプルウェーハを受け取った搬入アーム15では、図3に示すように、アライメントセンサー7の測定に基づいた正しい載置位置で回転テーブル2A、2B、2C、2Dのいずれかのステージ17に載置し、厚さセンサー8でサンプルウェーハ(ウェーハ1)の厚さを測定する。
第2のステップでは、サンプルウェーハを、目標とする直径より所定の寸法だけ大きいサンプル用直径で、かつ、α1、α2、R1、R2、X1、X2、X3からなるウェーハ1の周端部(エッジ1a)断面形状や、ノッチ1nの深さや形成角度、断面形状を含むノッチ形状またはオリエンテーションフラット1fの形状(これらを総称して周端部形状という)を最終的に目標とする周端部形状に加工する(図19、図20のE1)。
サンプル用設定直径は、仮に試し加工において研削過剰が発生しても、ロット加工において目標とする直径かつ目標とする周端部形状に加工できるような寸法に設定する。
この試し加工では、サンプルウェーハをエッジ粗研砥石3、エッジ精研砥石4、ノッチ用砥石5で加工する。
測定項目の第一の例では、試し加工されたサンプルウェーハの直径D(図12)、周端部(エッジ1a)のα1、α2、R1、R2、X1、X2、X3(図13、図14)を測定する。
また、第二の例として、オリエンテーションフラット1fを有するサンプルウェーハの場合、図18、図13、図14に示すように、試し加工されたサンプルウェーハの直径D、オリエンテーションフラット1fの長さW2、オリエンテーションフラット1fと他の周端部(エッジ1a)とを接続する円弧形状の半径LR、RR、オリエンテーションフラット1fの断面形状のX1,X2,X3を測定するようにしてもよい。図18において、Wはオリエンテーションフラット1fの直線部延長線と他の周端部(エッジ1a)から求められる仮想円との交点間距離を示し、測定した値から計算によって求めることができる。
また、第三の例として、ノッチ1nを有するサンプルウェーハの場合、図17に示すように、試し加工されたサンプルウェーハの直径D(図12)、ノッチ1nの深さNd、ノッチ1nの形成角度Nθ、ノッチ1nの最深部の円弧形状の半径BR、ノッチ1nと他の周端部1aとを接続する円弧形状の半径LR、RR、ノッチ1nの断面形状のX1,X2,X3(図13、図14参照)を測定するようにしてもよい。なお、図17において、Wはノッチ1nの直線部延長線と他の周端部1aから求められる仮想円との交点間距離を示し、測定した値から計算によって求めることができる。さらに、P1は他の周縁部1aから求められる仮想円とそのノッチ1nの所定半径を有する内接円との距離を示し、P2はノッチ1nの最深部からその内接円までの最大距離を示し、いずれも測定した値から計算によって求めることができる。
第3のステップでは、試し加工されたサンプルウェーハの周上の所定回転角度ごとの複数箇所においてウェーハ周端部形状を測定することが好ましい。たとえば、図16(a)に示すように、本実施形態ではノッチを基準にAからHまで周上45度ごとの8箇所でウェーハ周端部形状を測定する。
第4のステップでは、試し加工されたサンプルウェーハの直径とサンプル用設定直径との差、及び試し加工されたサンプルウェーハの周端部形状と目標とする周端部形状との差から、砥石3、4、5の砥石形状寸法またはX軸、Y軸、Z軸、θ軸の座標位置を補正する。砥石3、4、5で加工するときの座標は、下記関数で表わされる。
X=FnX(Xn,Rn,D,・・・)
Y=FnY(Yn,Rn,D,・・・)
Z=FnZ(Zn,Rn,Hn,t,h,D,・・・)
θ=Fnθ(θn,Rn,D,・・・)
ただし、ここで、
Xn、Yn、Zn、θnは砥石nの各座標毎のティーチング座標、
Rnは砥石nの半径、
Hnは砥石nの溝位置(総形砥石の場合)、
tは加工前ウェーハ厚さ測定値、
hは加工前ウェーハ高さ測定値、
D,・・・はサンプル用の目標直径や周端部形状の各種目標寸法
である。
ここで、試し加工されたサンプルウェーハの各種測定値をD',・・・とすれば、各補正値ΔXn、ΔYn、ΔZn、Δθn、ΔRn、ΔHnは、
ΔXn=FnXD(D'−D)
ΔYn=FnYD(D'−D)
ΔZn=FnZD(D'−D,t,h)
Δθn=FnθD(D'−D)
ΔRn=FnRD(D'−D)
ΔHn=FnHD(D'−D,t,h)
によって求めることができ、このように補正値ごとに求める式が異なる。また補正値の種類によっては必ず0になる関数もある。
砥石3、4、5の補正に際しては、第3のステップで周上45度ごとに測定した8箇所ごとで、測定結果に基づいて砥石3、4、5の位置を補正して、加工制御部の記録部にこの補正位置情報を記録しておく。このように構成することによって、ウェーハ全周にわたって測定し補正位置情報を記録する場合に比べて、ウェーハの面取り加工精度を悪化させることなく、測定結果や記録される補正位置情報のデータ量を削減することができる。
他の実施例として、エッジ粗研砥石3の位置を補正せず、エッジ精研砥石4の位置だけを補正するようにしてもよい。このようにウェーハの精密研削時にのみ位置補正を行うことによって、加工制御部による制御工数を減少させつつウェーハの面取り加工精度を維持することができる。
このため、エッジ粗研砥石3、エッジ精研砥石4及びノッチ用砥石5は回転テーブル2A〜2Dの間を移動することになるが、特定の回転テーブル2において第4のステップで補正した砥石3、4、5の位置情報は、加工制御部に設けられた回転テーブル2A〜2Dごとの記録部に記録され、当該回転テーブル2A〜2Dで後述するロット加工(第5のステップ)を行う際にその都度上記の位置情報が読み出され、砥石3、4、5が位置情報通りにセットされる。
第4のステップにおいて砥石の位置を「補正する」とは、現実に砥石3、4、5を補正した位置まで移動させることのほかに、第3のステップの測定結果に基づいて砥石3、4、5の補正位置を算出し、その位置情報を加工制御部に記録することも含む。
最初に試し加工された第1のサンプルウェーハは、新たに採用された第2のサンプルウェーハを回転テーブル2に載置する前に、搬出アーム16およびカセットアーム14によって仮置きカセット40に一時的に収納される。
再度の第3のステップにおいて、試し加工後に測定されたサンプルウェーハの直径とサンプル用設定直径との差、または試し加工後に測定されたサンプルウェーハの周端部形状と目標とする周端部形状との差が所定の値以上になる場合には、さらに同一のロット内の更に別のウェーハ1を新たにサンプルウェーハとして、第1のステップから第4のステップまでを繰り返す。
第3のステップにおいて、第3のステップで測定されたサンプルウェーハの直径とサンプル用設定直径との差、およびサンプルウェーハの周端部形状と目標とする周端部形状との差が所定の値より小さくなった場合には、直後の第4のステップを終了した後、後述する第5のステップに移行する。
この場合には、ロット内からサンプルウェーハとして採用する優先順またはその決定方法をあらかじめ加工制御部に記録しておく。
ウェーハ1をロット加工する際には、ウェーハ1の周上45度ごとの8箇所A〜Hで、第4のステップにおいて記録した補正位置情報の位置に砥石を配置するようにし、8箇所A〜Hの中間の位置では徐々に砥石の位置が変化するようにする。
各回転テーブル2でのロット加工の順番は、サンプルウェーハとして採用されたか否かにかかわらず、ロットの始端側から終端側への順番にしたがう。ここで、多数のウェーハ1のうち、サンプルウェーハとして採用されて試し加工されたウェーハ1は仮置きカセット40に収納されており、サンプルウェーハとして採用されずに試し加工されていないウェーハは2つのカセット12のいずれかに収納されている。したがって、カセットアーム14は、ロットの始端側から終端側への順番にしたがって2つのカセット12及び仮置きカセット40のいずれかからウェーハ1を順次取り出して搬入アーム15に受け渡し、この順番でロット加工がおこなわれる。
ここで、ウェーハ1に対するエッジ粗研砥石3またはノッチ用砥石5の位置をX軸方向に移動させながら精密加工するときには、粗研砥石移動機構27によって精密に移動させることができる。
ここで、ウェーハ1に対するエッジ精研砥石4の位置をX軸方向に移動させながら精密加工するときには、エッジ精研砥石移動機構33によって精密に移動させることができる。
この面取り装置においては、第一面取り工程、第二面取り工程、第三面取り工程、第四面取り工程の施工時間がいずれも80〜120秒程となり、施工時間のばらつきが少なくなる。
以下では、4台の回転テーブル2を、回転テーブル2A、2B、2C、2Dとして区別する。
この面取り装置で、全ての回転テーブル2でウェーハ1が戴置されていない状態から面取り加工を開始すると、まず、回転テーブル2Aにおいて、カセット12またはカセット40に格納されている最もロット始端側のウェーハ11に対する第一面取り工程が行われる(t1)。
回転テーブル2A、2Bのこの動作がともに完了すると、次に、回転テーブル2Aでウェーハ11に対する第三面取り工程が行われると同時に、回転テーブル2Bでウェーハ12に対する第二面取り工程が行われ、さらに回転テーブル2Cでロット始端側から3枚目のウェーハ13に対する第一面取り工程が行われる(t3)。
全ての回転テーブル2A〜2Dでこの動作が完了すると、次に、回転テーブル2Aではロット始端側から5枚目のウェーハ15に対する第一面取り工程が行われて、新たなウェーハ15の面取り加工を開始する。同時に、回転テーブル2Bでウェーハ12に対する第四面取り工程が行われ、回転テーブル2Cでウェーハ13に対する第三面取り工程が行われ、回転テーブル2Dでウェーハ14に対する第二面取り工程が行われる(t5)。
各砥石3、4、5、搬入アーム15および搬出アーム16は、それぞれ一つの回転テーブル2に接近してウェーハ1を加工または処理し、次いで他の回転テーブル2に順次移動して加工または処理することを繰り返すことになる。その回転テーブル2間の移動においては、砥石支持装置26と砥石支持装置30、ならびに搬入アーム15と搬出アーム16とがすれ違うことがあるが、その際にはそれぞれの昇降機構によって高さを異ならせ、これらが接触することなくすれ違えるようにする(図2)。
なお、第6のステップから第7のステップを行わないウェーハのロット加工において、第四面取り工程の加工後測定を省略することによって、ロット内の全ウェーハの面取り加工の精度を損なうことなく測定時間を短縮することができる。これは、主に第四工程の処理時間が他の第一、第二、第三工程より長い場合、生産効率を上げるために有効である。
このため、ウェーハ1の板面に反りがない場合に加工の精度を向上させることができる(図19(a)E0〜E2)だけでなく、ウェーハ1の板面に反りがあることにより試し加工で目標とする周端部形状を形成できなかった場合(図19(b)中E1)にも、この誤差に基づいて砥石の位置を補正することにより、ウェーハ1を精度良く目標とする周端部形状に加工することができる(図19(b)中E2)。なお、図19において、E0は面取り加工前のウェーハ1の直径及びエッジ1aの周端部形状を示し、E1は試し加工されたウェーハの直径及びエッジ1aの周端部形状を示し、E2は目標とする直径および周端部形状を示す。
このため、試し加工に用いたサンプルウェーハも、廃棄されることなく砥石3、4、5の位置を補正した後でロット加工されて、目標とする直径設定かつ目標とする周端部形状設定に精度良く加工することができる。
1a エッジ
1b 周端面
1n ノッチ
1f オリエンテーションフラット
2A,2B,2C,2D 回転テーブル
3 (エッジ粗研)砥石
4 (エッジ精研)砥石
4a (円盤型溝なし)砥石
5 (ノッチ用)砥石
7 (アライメント)センサー
8 (厚さ)センサー
9 (加工後)センサー
10 洗浄機構
10a〜c 水ノズル
11 乾燥機構
11a〜c エアーノズル
12 カセット
13 カセット
14 カセットアーム
14a アーム部
15 搬入アーム
15a アーム部
15b 吸着チャック
15c ダイレクトドライブモータ
16 搬出アーム
16a アーム部
16b 吸着チャック
16c ダイレクトドライブモータ
17 ステージ
18 回転テーブル回転機構
19 回転テーブル接近離間機構
20 カセットアームX軸移動機構
21 カセットアームY軸移動機構
22 カセットアーム昇降機構
23 カセットアーム旋回機構
24 搬入アーム移動機構
26 砥石支持装置
27 粗研砥石移動機構
28 粗研砥石昇降機構
30 砥石支持装置
31 支持装置昇降機構
32 エッジ精研砥石昇降機構
33 エッジ精研砥石移動機構
34 砥石支持装置
37 支柱
38 搬出アーム移動機構
40 仮置きカセット
50 照明器
51 CCDカメラ
X、Y 水平方向
Z 高さ方向
Claims (12)
- 回転テーブル上に芯だしして載置されて回転させられるウェーハの周端部に、砥石を接触させて上記ウェーハを目標とする直径かつ目標とする周端部形状に面取り加工するウェーハの面取り加工方法において、
複数枚のウェーハからなる1つのロットの面取り加工開始に際し、このロット内の1枚のウェーハをサンプルウェーハとして採用する第1のステップと、
このサンプルウェーハを目標とする直径よりも所定の寸法だけ大きいサンプル用直径かつ目標とする周端部形状に加工するように上記砥石の位置を設定して、上記サンプルウェーハを試し加工する第2のステップと、
試し加工された上記サンプルウェーハの直径または周端部形状を測定する第3のステップと、
上記サンプルウェーハの測定結果に基づいて上記砥石の回転テーブルに対する相対位置を補正する第4のステップと、
補正された位置にある上記砥石によって、試し加工後の上記サンプルウェーハを含む上記ロット内のウェーハを目標とする直径かつ目標とする周端部形状に順次ロット加工する第5のステップと、
を有することを特徴とするウェーハの面取り加工方法。 - 上記第3のステップにおいて上記サンプルウェーハについて測定された直径または周端部形状と、上記第2のステップにおいて設定されたサンプル用直径または目標とする周端部形状とを比較して、上記サンプルウェーハについて測定された直径または周端部形状と上記サンプル用直径または上記目標とする周端部形状との差が所定の値より小さくなるまで、上記第4のステップ後かつ上記第5のステップの前に、同一ロット内の上記サンプルウェーハとは別のウェーハをサンプルウェーハとして第1のステップから第4までのステップを繰り返すことを特徴とする請求項1記載のウェーハの面取り加工方法。
- ロット加工されるウェーハの1枚以上において、ロット加工後に、ロット加工されたウェーハの直径または周端部形状を測定する第6のステップと、その測定結果に基づいて上記砥石の回転テーブルに対する相対位置を補正する第7のステップと、
を行うことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のウェーハの面取り加工方法。 - 上記第6のステップから上記第7のステップまでを、ロット加工されるウェーハの所定枚数おきに一枚の間隔で行うことを特徴とする請求項3に記載のウェーハの面取り加工方法。
- 複数の回転テーブルを用いてウェーハの面取り加工を行う方法においては、上記回転テーブルごとに同一ロット内の異なるウェーハをサンプルウェーハとして採用して第2から第4までのステップを行うことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のウェーハの面取り加工方法。
- 上記第1のステップにおいて、上記ロットの始端から所定枚数後ろのウェーハを上記サンプルウェーハとして採用することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のウェーハの面取り加工方法。
- 上記第3のステップにおいては上記サンプルウェーハの周上の所定回転角度ごとの複数箇所においてウェーハ周縁部形状を測定するとともに、
上記第4のステップにおいてはその複数箇所ごとに上記砥石の回転テーブルに対する相対位置を補正することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載のウェーハの面取り加工方法。 - 芯だしして載置されたウェーハを回転させる回転テーブルと、
この回転テーブルに載置されて回転させられるウェーハの周縁部に接触してウェーハを面取り加工する砥石と、
を有するウェーハの面取り加工装置であって、
この砥石と回転テーブルに載置されたウェーハとの相対位置を調整する加工位置調整装置と、
上記ウェーハの直径および周端部形状を測定する測定装置と、
新しいロットのウェーハの加工開始に際し、このロット内の1枚のウェーハをサンプルウェーハとして採用して回転テーブル上に載置し、上記砥石によって目標とする直径よりも所定寸法だけ大きなサンプル用直径設定かつ目標とする周端部形状と同じ周端部形状設定に試し加工し、試し加工された上記サンプルウェーハの直径または周端部形状を上記測定装置によって測定し、この測定結果に基づいて上記加工位置調整装置により上記砥石の回転テーブルに対する相対位置を補正し、補正された位置にある上記砥石によって、試し加工後の上記サンプルウェーハを含む上記ロット内のウェーハを目標とする直径設定かつ目標とする周端部形状設定に順次ロット加工するように、上記回転テーブル、上記砥石、上記加工位置調整装置および上記測定装置を制御する加工制御部と、
を有することを特徴とするウェーハの面取り装置。 - 試し加工されたサンプルウェーハを、回転テーブルから取り出して、そのロット加工まで保管する仮保管装置を有することを特徴とする請求項8記載のウェーハの面取り装置。
- 上記砥石は、回転テーブルに載置されて回転させられるウェーハの周端部の同一箇所に近接した位置に同時に接触してウェーハを面取り加工する2個の溝なし砥石であることを特徴とする請求項8記載のウェーハの面取り装置。
- ウェーハを粗く面取り加工する粗研用砥石と、上記粗研用砥石により面取り加工されたウェーハを精密に面取り加工する精研用砥石とを有し、
上記加工制御部が、上記測定結果に基づいて精研用砥石の加工位置を補正することを特徴とする請求項8記載のウェーハの面取り装置。 - 上記加工制御部が、上記測定結果に基づいて粗研用砥石の加工位置をも補正することを特徴とする請求項11記載のウェーハの面取り装置。
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