JP2014116921A - アンテナモジュール、アンテナモジュール前駆体及び該アンテナモジュールの製造方法 - Google Patents

アンテナモジュール、アンテナモジュール前駆体及び該アンテナモジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンテナパターンの相当直径を相対的に小さくすることによる電磁的変化及び形状的変化がもたらす影響を反映させた小型、薄型かつ高性能アンテナモジュールを高い生産性をもって製造する。
【解決手段】アンテナ基材に対して断面が方形をなす導電線からなるアンテナコイルが渦巻状に配置されたアンテナパターンを有するアンテナアセンブリを、両面接着材層を介して、格子状に分割された多数個の小片が面状に集合している磁性シートと接合するとき、アンテナコイルを磁性シート側に向けてアンテナアセンブリと磁性シート積層体とを合体させる。次いで、合体したアンテナモジュール前駆体を、緩衝材を介して、その厚さ方向にプレスして目的物のアンテナモジュールにする。
【選択図】図8

Description

本発明は、アンテナモジュール、アンテナモジュール前駆体及び当該アンテナモジュールの製造方法に関する。
従来、アンテナモジュールは、高機能携帯情報端末、非接触ICカード、近距離無線通信装置(NFC)等(以下、「携帯情報端末」と総称する。)の電子式固体識別システム(RFID)に使用されている。従来のアンテナモジュールは、例えば、特許文献1(特開2011−211337号公報)に開示されている。
このアンテナモジュールは、基本的にはアンテナコイル(第一要素)、ランダム形状に分割された多数の小片を面状に集合させた焼結フェライトシート(第二要素)及び金属箔(第三要素)の三つの要素が積み重ねられた積層構造を有している。当該アンテナモジュールが、携帯情報端末に実装されたとき、所定の周波数領域において相応の透磁性を発揮するとされている。
特開2011−211337号公報
近年、携帯情報端末が掌サイズに小型化されるとともに、より高機能化するにつれて、前記種類のアンテナモジュールは、さらに小型化、薄型化かつ高性能化が余儀なくされている。
そこで、本発明者等は、公知技術に係る小型携帯情報端末に最短幅が5〜25mm程度のアンテナモジュールを組み込むことを実用化するため、従来のアンテナモジュールよりも小型のアンテナモジュールの製作を試みようとしたところ、次の性能及び製造工程における課題に遭遇した。
小型アンテナモジュールの性能に係る課題は、アンテナモジュールの小型化に伴って、アンテナコイルにおける渦巻状コイルパターンの相当直径が小さくなることに起因する。例えば、所定長さのアンテナ導電線を平面上で渦巻状に巻回したコイルパターンの場合、最も外側のループ直径が相対的に小さくなる。そして、アンテナコイルの相当直径が相対的小さくなることに伴い、電磁的変化が起こり、アンテナ特性を示すパラメータ、L値(インダクタンス値)及びQ値(Quality factor)が低下するという問題がある。また、アンテナが存在する近傍に、バッテリーパックのような電子部品の金属材料が使用される環境下において、当該金属材料とアンテナコイルとの間の距離が近づくほど電磁波特性への影響が大きくなり、特にQ値が著しく低下するという問題がある。
製造プロセスにおける課題は、前述したようにアンテナモジュールは、三つの要素、すなわちアンテナコイル、焼結フェライトシート及び金属箔からなるが、この三つの要素をどのように準備して、どのような手順で一体化するかについて、効率的なプロセスが確立されていない。また、製造プロセスの如何により、アンテナモジュールの生産性が顕著に相異するのみならず、そのプロセスの相異によりアンテナモジュールの電磁波特性が顕著な相異となって携帯情報端末に現れる。
そこで本発明者等は、アンテナコイルの相当直径が相対的に小さくなることによる電磁的変化及び形状的変化がもたらす影響に対して、小型、薄型かつ高性能アンテナモジュールを高い生産性をもって製造することを目的として、鋭意、研究した。その結果、特定の構造を有する焼結フェライトシートを準備して、その焼結フェライトシート(磁性シート)に対して、アンテナコイルが配置されるアンテナ基材を特定の形態で接合すればよいという事実を見出し、本発明を完成した。
本発明の目的は、小型、薄型かつ高性能のアンテナモジュールを提供すると共に、高い生産性をもつ製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、
磁束を集束するための磁性シートと、
当該磁性シートの上面に接着された両面接着材層と、
前記両面接着材層上に積層された、所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイルと、
前記アンテナコイル上に積層されたアンテナ基材と、を備え、
前記アンテナコイルと前記磁性シートとの間で前記両面接着材層が圧潰されて変形し、少なくとも前記アンテナコイルの前記隙間部で前記両面接着材層の一部が膨出していることを特徴とする。
本発明は、両面接着材層を、アンテナコイルにより下方に押圧して、その一部分を該アンテナコイルと磁性シートとの間から外方に押し出すことにより、アンテナ基材と磁性シートとの間の空間に存在していた両面接着材層を上方に膨らませるという手段を採用する。この手段を採用することにより、アンテナコイルと磁性シートとの間に存在していた両面接着材層が外方に押し出されて両者の間隔が限りなく小さくなり、その結果、磁性シート上面に対してアンテナコイルは限りなく直付け構造に近づき、L値及びQ値の低下が抑制される。つまり、アンテナコイルの相当直径が小さくなることによるアンテナ特性の低下を補完する。
アンテナモジュールの構造では、アンテナコイル及び磁性シートは、それらの間にアンテナ基材を介在させることなく、直接相対峙することになり、磁性シートに対してアンテナコイルを直付けすることが理想的である。本発明では、この理想的な構造と近似する構造を達成している。その結果、磁性シートがアンテナの周囲に発生した磁束をより効果的に集束させる。そして、アンテナが金属材料の存在する環境下で使用される、いわゆる金属環境下においてもアンテナのL値及びQ値を相対的に向上させる。したがって、本発明に係るアンテナモジュールは、公知技術のアンテナモジュールより高いノイズ耐性を発揮する。
そして、アンテナコイルと磁性シートとの距離t2を約0.1〜約30μm、好ましくは約0.1〜約5μmとするように、磁性シート表面に対してアンテナコイルを近接させることにより、L値及びQ値を効果的に向上させることができる。すなわち、距離t2を約0.1μm以上とすることにより、両面接着材層が安定的な接着力を有するように、アンテナコイルと磁性シートとの間に介在する両面接着材の厚みを十分に確保できる。また、距離t2を約30μm以下にすることにより、アンテナコイル周囲に発生した磁束を顕著に集束させることができる。特に、距離t2を5μm以下とすると、大幅にノイズの削減を見込むことができる。しかしながら、本発明は、上記数値範囲に限定されることはない。
また、本発明では、アンテナコイルと磁性シートとの間で延展された(外方に押し出された)両面接着材層が、アンテナコイルと磁性シートとの間に位置する両面接着材層を上方に膨らませて、アンテナコイルと両面接着材層との接触面積を増大させる。つまり、アンテナコイルの導線部の下面だけでなく側面にも両面接着材層が接着されるため、両者の接着性が向上する。
本発明の別実施形態のアンテナモジュールでは、前記アンテナコイルの最内周ループの内方の非アンテナパターン領域(A)に所定厚のスペーサ材が配置されており、前記非アンテナパターン領域(A)で前記両面接着材層の一部とスペーサ材とが結合している。または、前記アンテナコイルの最外周ループの外方のマージン領域(C)に所定厚のスペーサ材が配置されており、前記マージン領域(C)で前記両面接着材層の一部とスペーサ材とが結合している。また、前記アンテナコイルの最内周ループの内方の非アンテナパターン領域(A)に所定厚の第1のスペーサ材が配置されていると共に、前記アンテナコイルの最外周ループの外方のマージン領域(C)に所定厚の第2のスペーサ材が配置されており、前記非アンテナパターン領域(A)及び前記マージン領域(C)の両方で前記両面接着材層の一部と前記第1及び第2のスペーサ材とが結合していることを特徴とする。
すなわち、両面接着材層に、スペーサ材をアンテナパターン領域以外の領域に重ねて形成することによって、アンテナコイルを直付けに近い状態を保ったまま、アンテナパターン領域とアンテナパターン領域以外の厚みがより均一となる。換言すると、スペーサ材は、アンテナ導体の厚み段差を補正するためにアンテナパターン領域の内方側及び/又は外方側に設置される。そして、当該スペーサ材は好ましくは両面接着材からなる。したがって、当該スペーサ材によって、アンテナ基材をより平面状態に保つことができる。そのため、アンテナを貼り付ける筐体などの平面に対してより確実に接着することができる。さらに、当該スペーサ材によって、アンテナコイルの隙間部内の両面接着材層等が存在しない空隙を減少させるため、あるいは、空隙を実質的に排除することができるため、アンテナモジュール全体としての強度が向上する。
本発明の別実施形態のアンテナモジュールでは、磁性シートは、フェライト保護フィルムと、当該フェライト保護フィルム上に配置された接着材層と、当該接着材層の上面に接着された複数の焼結フェライト小片が集合した焼結磁性体層と、を備えることを特徴とする。好ましくは、フェライト保護フィルムは、剥離用保護フィルムである。
剥離用保護フィルムとは、アンテナモジュールを製造過程から携帯情報端末に組み込むまでの流通過程でアンテナモジュールを保護するために使用される保護材料を意味する。従って、携帯情報端末にアンテナモジュールを組み込む際に保護フィルムを剥離して接着材層を露出させるので、保護フィルムは、いわゆる一種の「セパレータフィルム」の機能を発揮する。つまり、前述した保護フィルムをセパレータフィルムと称することもできる。したがって、本発明に係るアンテナモジュールが一旦携帯情報端末に組み込まれると、保護フィルムが存在しない。同様に、アンテナモジュールを製造する過程と携帯情報端末を組み立てる過程において、流通過程を必要としない直結した製造プロセスにおけるアンテナモジュールでは、保護フィルムが存在しない。
本発明の別実施形態のアンテナモジュールでは、前記磁性シートは、可撓性導電金属箔と、当該可撓性導電金属箔上に配置された接着材層と、当該接着材層の上面に接着された複数の小片が集合した焼結磁性体層と、を備えることを特徴とする。
すなわち、可撓性導電金属箔は、公知技術と同様に、アンテナモジュールが携帯情報端末においてバッテリーパックその他の金属材料を使用する電子部品等とともに同梱される金属が近接した環境下において、その金属によって発生する渦電流の影響を所定の範囲に抑制する。本発明においてはその導電金属箔として少なくとも一方の面に接着材が付与されている可撓性導電金属箔を準備し、それを焼結フェライトの製造過程でフェライト保護フィルムの代わりに磁性シートに貼着させるという技術的思想を採用する。これにより、最終的に可撓性導電金属箔を有するアンテナモジュールを製造する際に、磁性シートに別途保護フィルムを貼り付ける工程及び貼り付けた保護フィルムを剥離する工程等を省略できる。
本発明の別実施形態のアンテナモジュールでは、前記アンテナ基材は、前記アンテナコイルが下面に形成される基材層と、当該基材層の上面に形成された接着材層とからなり、前記接着材層の上面に剥離シートが貼着されていることを特徴とする。
すなわち、アンテナ基材の上面に剥離シートが貼り付けられていることにより、剥離シートを剥離して接着材層を露出させて、アンテナ基材面を対象面に貼り付けて、携帯情報端末等にアンテナモジュールを簡単に組み込むことができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールを製造する方法は、
磁束を集束するための磁性シートを準備するステップと、
前記磁性シート上に両面接着材層を堆積するステップと、
所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイル、及び、当該アンテナコイルに結合されたアンテナ基材を含むアンテナアセンブリを前記両面接着材層上に積層し、アンテナモジュール前駆体を形成するステップと、
前記アンテナモジュール前駆体を積層方向に緩衝材を介して押圧するステップと、を含むことを特徴とする。
この製造方法を採用することにより、両面接着材層が平らな平面を有する磁性シート側に貼り付けられるので、両者は、実質的に完全に面接触して接合する。また、得られたアンテナモジュール前駆体を、緩衝材を介して表裏面からアンテナモジュールの内方にプレス(又は押圧)することで、両面接着材層がアンテナコイル下面と磁性シート上面との間で押し潰される。そして、アンテナコイルの導線部とそれ以外の部分(隙間部及び非アンテナパターン領域)の平面高さレベルの相違を利用して両面接着材層が流動的に変形する。すなわち、アンテナコイルの導線部に接する両面接着材層の一部が圧延されて、当該圧延された体積分がアンテナコイルの隙間部で上方に膨出する。その結果、アンテナコイル(導線部)と磁性シートとの間の両面接着材層の実質的な厚みが薄くなり、アンテナコイル及び磁性シートの2つの要素は互いに限りなく近接する。
また、実施形態によっては、該アンテナコイルの渦巻状コイルパターンのアンテナパターン領域の相当幅(d1)と、磁性シートの上に配置されているアンテナコイルに包囲される非アンテナパターン領域の相当幅(d2)との比(d1/d2=β)が0.2〜1.5の範囲にあることが好ましい。アンテナパターン領域の相当幅(d1)とは、前記コイルパターンにおける最外周ループの外縁と最内周ループの内縁との距離を意味する。つまり、本発明のような小型化を目的としてアンテナモジュールでは、アンテナパターン領域の相当幅(d1)が比較的に狭い。比β(d1/d2)を0.2〜1.5とすることにより、アンテナモジュールの性能及びサイズを最適化することができる。
なお、本明細書では、図面の記載どおり、「上方」とは、アンテナ基材側として定められ、且つ、「下方」とは磁性シート側として定められる。これら「上方」「下方」の表記は、本発明の説明のために、本構造の相対的な位置関係を示すだけであり、本発明を限定するものではない。例えば、アンテナコイルがアンテナ基材の下面に形成されているということは、アンテナコイルと磁性シートとの間にアンテナ基材が存在しないという意味である。そして、磁性シートをアンテナ基材の上方に位置するように、携帯情報端末にアンテナモジュールを実装した場合、アンテナコイルは、当然、アンテナ基材の上面に形成されることになる。
本発明は、公知技術のアンテナモジュールよりアンテナコイルの相当直径を相対的に小さくすることによる電磁的変化及び形状的変化がもたらす影響に対応すべく、小型、薄型かつ高性能アンテナモジュールを提供し、且つ、高い生産性をもって当該アンテナモジュールを製造する方法を提供できるという効果を発揮する。
本発明の一実施形態に係るアンテナモジュールの分解斜視図。 図1のアンテナモジュールの磁性シートの斜視図であり、(a)は剥離用保護フィルムを貼り付けた状態、(b)は剥離用保護フィルムを剥離した状態を示す。 図1のアンテナモジュールのアンテナアセンブリの斜視図。 図3のアンテナアセンブリの平面図。 図3の変形例のアンテナアセンブリの平面図。 図1のアンテナモジュールの前駆体の斜視図。 図7のアンテナモジュール前駆体の断面図。 図1のアンテナモジュールの断面図。 図8のアンテナモジュールの断面SEM画像。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールを製造する一工程のグリーンフェライトシートを示す斜視図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールを製造する一工程において、焼結フェライトシートの表裏面にフィルムを接合する工程を示す斜視図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールを製造する一工程において、アンテナモジュール前駆体を形成すべく、磁性シート積層体とアンテナアセンブリとを接合する工程を示す斜視図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールを製造する一工程において、アンテナアセンブリ前駆体をプレスする工程を示す断面図。 比較例のアンテナモジュールのSEM画像。 本実施形態に係る実施例及び比較例におけるアンテナと金属材料間の距離とQ値との関係を示すグラフ。 本発明に係る実施例及び比較例におけるアンテナと金属材料間の距離とインダクタンス(L値)との関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態のアンテナモジュールの分解斜視図。 図17のアンテナモジュールの断面図。 本発明の第2実施形態の変形例に係るアンテナモジュールの分解斜視図。 図19のアンテナモジュールの断面図。
以下、本発明のアンテナモジュール(アンテナ装置)の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、当該アンテナモジュール(アンテナ装置)10の分解斜視図である。本発明の一実施形態のアンテナモジュール10の構造について詳細に説明する。
図1に示すとおり、アンテナモジュール10は、磁束を集束するための平面状の磁性シート110と、当該磁性シート110上に堆積される両面接着材層120と、当該両面接着材層120上に堆積された、渦巻き状のコイルパターンを有する平面状のアンテナコイル130と、当該アンテナ導体130上に堆積され、アンテナ導体130を保護するための平面状のアンテナ基材(保護層)140と、を備える。換言すると、アンテナモジュール10は、磁性シート110及び両面接着材層120が積層された磁性シート積層体11と、アンテナコイル130及びアンテナ基材140が一体形成されたアンテナアセンブリ12とを組み立てたものである。以下、本実施形態のアンテナモジュール10を構成する各構成要素について詳細に説明する。
(磁性シート積層体)
図2に示すとおり、磁性シート積層体11は、磁性シート110上に両面接着材層120を形成した積層体である。両面接着材層120の上面には、剥離用保護フィルム125が選択的に貼り付けられる(図2(a)参照)。
(磁性シート)
本実施形態に係るアンテナモジュール10の磁性シート110について説明する。磁性シート110は、焼結磁性体層111と、当該焼結磁性体層111の下面に形成された接着材層112と、当該接着材層112に貼着された(選択的に剥離可能な)剥離用フェライト保護フィルム113とからなる。焼結磁性体層111は、グリーンフェライトシートを焼成して得た所定形状の焼結フェライトシート、好ましくは、縦横に並列した複数のフェライト焼結体の小片111aの面状集合体からなる。これら隣接する小片111a同士は、密接に突き合わされており、その結果、実質的に隙間が存在していない。そして、焼結磁性体層111(又は磁性シート110)は、その上面及び下面において、実質的に段差がない平坦面を有している。これら小片111aの縦横幅は、好ましくは、約0.3〜3.0mm(本実施形態では2.0mm)で形成され、これにより、磁性シート110を変形させたとき、小片111a間で屈曲して全体として曲面状になる。また、好ましくは、当該焼結磁性体層111はNi−Zn−Cu系材料から選択され、焼結磁性体層111の透磁率の実数部μr’が70以上であり、且つ、透磁率の虚数部μr”が15以下である。上記材質を選択することで、アンテナモジュール10における磁束を効果的に集束し、通信特性を改善することができる。
なお、本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートからなる剥離用保護フィルム113を使用したが、当該保護フィルムに代えて、アルミニウム等からなる導電性金属箔(シールド層)を使用することができる。
実施形態によっては、焼結磁性体層を複数の小片に分割する代わりに、焼結磁性体層の一面又は両面に、後述する図10及び11で示すような厚さ方向にハーフカットした分割溝を設けてもよい。この場合、分割溝間の距離が小片の幅に対応している。また、実施形態によっては、焼結磁性体層は、(後述する分割溝を形成せずに形成された)不規則な形状で並んだ小片からなってもよい。
(両面接着材層)
本実施形態に係るアンテナモジュール10の両面接着材層120について説明する(図1参照)。両面接着材層120は、磁性シート110とアンテナコイル130とを接合して、後述するアンテナモジュール前駆体13を形成する。当該両面接着材層120は、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニール等の合成樹脂や合成ゴム等に軟化剤、接着材や粘着性付与剤等が添加されている半ばゲル状の感圧接着剤からなる。好ましくは、この両面接着材層120の厚みは5μm〜30μmである。当該両面接着材層120の厚みは、後述する押圧手段で圧潰されたときに、十分な接着力を有しつつ、且つ、なるべくアンテナコイル130及び磁性シート110間の距離t2を減少させることができるように、最適化されることが好ましい。なお、本実施例では、ポリアクリル酸エステルを主成分とし、軟化剤、粘着剤、粘性剤等を副成分とする10μm厚の感圧性の両面接着材層120を準備した。
そして、磁性シート110とアンテナコイル130とを接合する前の製造工程段階では、両面接着材層120は、少なくとも片面、好ましくは両面にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製の剥離用保護フィルム125が貼り付けられて、ロール状又はシート状で構成されている(図2(a)参照)。この両面接着材層120をロール状にする場合、その片面だけに剥離用保護フィルム125を貼り付ければよい。
(アンテナアセンブリ)
図3に示すとおり、アンテナアセンブリ(又はアンテナ積層体)12は、アンテナ基材140の一面にアンテナコイル130を形成したアンテナ積層体である。アンテナアセンブリ12の上面には、剥離シート143が選択的に貼り付けられる。
(アンテナコイル)
本実施形態に係るアンテナモジュール10のアンテナコイル130について説明する。図4に示すとおり、アンテナコイル130は、渦巻き状のコイルパターンの導線部131と、当該導線部131の隣接する線間に形成された隙間部132と、該導線部131の両端に設けられた一対のアンテナ接続パッド133a、133bと、を備える。アンテナアセンブリ12において、アンテナコイル130の最内周ループc1の内方の導線部131が存在しない領域を非アンテナパターン領域Aと定める。また、アンテナコイル130の導線部131及び隙間部132が配置された領域をアンテナパターン領域Bと定める。そして、アンテナコイル130の最外周ループc2の外方の導線部131が存在しない領域をマージン領域Cと定める。つまり、アンテナコイル130の内方から外方に向かって非アンテナパターン領域A、アンテナパターン領域B及びマージン領域Cが隣接して配置されている。
アンテナコイル130の導線部131は、後述するアンテナモジュール10として実装された携帯情報端末において、アンテナモジュール10の駆動電力を誘起するのに必要な長さを備えている。本実施形態に係るアンテナ基材140は、前述したように公知技術に係るそれより小型に形成されている。そのため、アンテナコイル130の横断面の大きさにも幾分影響されるが、総じて、本実施形態に係るアンテナコイル130における渦巻状コイルパターンのパターン数は、公知技術の係るアンテナコイルのそれよりも多くなる。結果として、アンテナ基材140上の全面積に対してコイルパターンによって占有される領域(アンテナパターン領域B)は公知の一般的なアンテナモジュールに比較して相対的に大きい。
アンテナアセンブリ12の小型化の程度を表すパラメータとしてアンテナパターン領域比が考えられる。これを具体的に説明すると、本実施形態のアンテナアセンブリ12の表面(以降の図面においては、アンテナ基材140の下側に表現される。)は、4つの台形状の区分アンテナパターン領域b1、b2、b3、b4を合計したアンテナパターン領域Bと、そのアンテナパターン領域Bに包囲される非アンテナパターン領域Aと、アンテナパターン領域Bが包囲されるマージン領域Cからなる。
そこで、本実施形態では、アンテナパターン領域B/非アンテナパターン領域Aをアンテナパターン領域比αと定義すると、本実施形態に係るアンテナにおいては、このアンテナパターン領域比αが公知技術のアンテナより大きい。これは本実施形態が掌サイズの小型携帯情報端末に組み込まれるアンテナモジュールにおいては、アンテナコイル130の導線の長さは非小型携帯端末のそれと大差はないから、必然的にコイルパターンのターン数が増えるのである。
また、アンテナアセンブリ12には、ほぼ正方形をなすものと、図5に示すように、短辺の幅(短幅)Dとそれより長い長辺の幅Lを有する長方形をなすものとがある。それ故、2つのアンテナに対して一律にアンテナパターン領域比αを適用して小型化の程度を表現しても、それは直感的にアンテナパターン領域比αを把握し難い。そこで、4つの区分アンテナパターン領域b1、b2、b3、b4の相当幅(台形の高さに相当する長さ)をベースとするパラメータを使用して、アンテナの小型化の程度を表現する。なお、「相当幅」とは、コイルパターンにおける最外周ループc1の外縁と最内周ループc2の内縁とのなす距離d1を意味する。
すなわち、区分アンテナパターン領域b1、b2、b3、b4の相当幅d1に対する非アンテナパターン領域Aの短幅d2に対する比(短幅比d1/d2の比β)を以ってアンテナの小型の程度を表現する。そのように表現することにより、焼結セラミックシートに対してアンテナを接合する接着材層の接合作用も理解し易い。
短幅Dが5〜25mmの範囲にある本発明に係るアンテナ基材140において、区分アンテナパターン領域の相当幅d1に対する非アンテナパターン領域Aの短幅d2の比である短幅比βが0.2〜1.5であることが好ましい。より好ましくは短幅比βは0.3〜0.7である。そして、当該短幅比βで渦巻状にパターン化されたコイルパターンとして、アンテナコイル130が携帯情報端末に組み込まれる。
このような形状及び構造を有するアンテナアセンブリ(アンテナコイル130及びアンテナ基材140の一体構造体)は、公知の方法として、アンテナ基材140(基材層141)の表面(下面)に、フォトリソグラフィ法、パターン印刷法又はエッチング法等を使用して、アンテナコイル130を形成することによって作製される。当該アンテナコイル130は、導線部131が好ましくは4回以上巻回したコイルパターンを有する。そして、アンテナコイル130の一端131aはマージン領域Cに設けられたアンテナ接続パッド133aに導通し、同じく他端131bはコイルパターンを跨いで又は下を潜って他のアンテナ接続パッド133bに導通する。つまり、アンテナ接続パッド133a、133bを介して、導線部131の両端131a、bがそれぞれ携帯情報端末の電子回路と通電可能になっている。なお、本実施形態のアンテナモジュール10は、小型化されるものの、大型のアンテナモジュールと同様に所定の駆動電力を誘起するのに必要な所定の長さのアンテナコイル130を備えている。そのためコイルパターンのターン数は、公知技術のそれより相対的に多くなり、4〜10、好ましくは5〜7となる。
本アンテナコイル130の導線部131は、銅、アルミニウム、銀、金などの導電金属線を渦巻状に配置したものであり、且つ、その横断面が方形、好ましくは台形である。特に、その横幅d4が100〜800μmであり、厚みd3(後述する図7を参照)が10〜50μm(本実施形態では35μm)であり、横幅d4に対する厚みd3の比(d3/d4)が、0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.3の範囲にある。なお、長方形又は台形断面のコーナーが製造過程上避けることができない理由により又は設計上の理由から幾分円弧状に面取りされていてもよい。
(アンテナ基材)
アンテナ基材140は、図3に示すようにアンテナコイル130が下面に形成されると共に接着材層142が上面に形成される基材層141を備える。当該基材層141(又はアンテナ基材140)は、平面形状がほぼ正方形又は長方形をなす耐熱性を有する合成樹脂、例えば、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等からなる5〜50μm厚、好ましくは5〜15μm厚のシート又はフィルムである。また、アンテナアセンブリ12のアンテナ基材140の上面に、接着材層142を介して剥離シート(又はフィルム)143が選択的に貼り付けられている。この剥離シート143を剥離させることにより、アンテナモジュール10の上面を、当該接着材層142を介して所望の対象に貼り付け可能である。
(アンテナモジュール前駆体)
図6及び図7は、アンテナモジュール前駆体13の斜視図及び断面図である。アンテナモジュール前駆体13は、上述した磁性シート110、両面接着材層120、アンテナコイル130及びアンテナ基材140を順に積み重ねたものである。このアンテナ前駆体13では、両面接着材層120とアンテナ基材140との間において、アンテナコイル130の隙間部132、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cに空洞Sが形成されている。そして、アンテナコイル130の導線部131の下面のみが両面接着材層120の上面に接着している。つまり、このような状態では、アンテナアセンブリ12と磁性シート積層体11とは、アンテナコイル130と焼結磁性体層111との間に介在する両面接着材層120の一部分によってのみ、接合している。したがって、磁性シート積層体11とアンテナアセンブリ12との接合力は十分とは言えない。また、アンテナコイル130の導線部131下面と焼結磁性体層111上面とは、距離t1で離隔している。当該距離t1は、両面接着材層120の幅とほぼ同じである。つまり、本実施形態では、t1は約10μmである。
(アンテナモジュール)
アンテナモジュール10はアンテナモジュール前駆体13を所定の荷重でプレスすることにより形成される。図8に示すとおり、アンテナモジュール10は、磁束を集束するための磁性シート110と、当該磁性シート110の上面に接着された両面接着材層120と、当該両面接着材層120上に積層されたアンテナコイル130と、当該アンテナコイル130上に積層されたアンテナ基材140と、を備える。そして、アンテナコイル130と磁性シート110との間で両面接着材層120が圧潰されて変形し、少なくともアンテナコイル130の隙間部132で両面接着材層120の一部が膨出している。つまり、両面接着材層120には、導線部131に圧延された圧潰部121、及び、隙間部132内に隆起した膨出部122が形成されている。そして、当該両面接着材層120の膨出部122の上面とアンテナ基材140(基材層141)の下面とが結合している。また、アンテナコイル130の導線部131の側部と、両面接着材層120の膨出部122の側部とが部分的に結合している。
アンテナコイル130の導線部131下面と焼結磁性体層111上面との距離t2は、圧潰部121の厚みとほぼ同じである。そして、当該距離t2は、約5μmである。つまり、本実施形態のアンテナモジュール10では、アンテナモジュール前駆体13と比較すると、アンテナコイル130下面と磁性シート110上面との距離が約1/2(t2/t1)に縮まっている。この圧縮比率(t2/t1)の値が小さいほど、アンテナコイル130と磁性シート110が接近し、アンテナ性能を向上させることができる。また、アンテナコイル130の導線部131が存在しない領域である非アンテナパターン領域A及び外側マージン領域Cでは、アンテナ基材140自体が磁性シート110側に凹んで湾曲している。
当該アンテナコイル130と磁性シート110との距離t2は、好ましくは約0.1〜約5μmである。磁性シート110表面に対してアンテナコイル130をより近接させるほど、L値及びQ値を効果的に向上させることができる。そして、距離t2を約0.1μm以上とすることにより、両面接着材120が安定的な接着力を発揮するために十分な厚みの両面接着材120をアンテナコイル130と磁性シート110との間に介在させることができる。また、距離t2を約5μm以下とすると、大幅にノイズの削減を見込むことができる。なお、距離t2及び/又は圧縮比率(t2/t1)は、両面接着材層120の厚みや容積を調整すること、及び/又は、後述するアンテナモジュール前駆体13の押圧荷重を調整することによって、所望の値に最適化可能である。
図9は、当該アンテナモジュール10の断面を表したSEM画像である。当該SEM画像は、倍率150倍で撮影された。このSEM画像のアンテナモジュール10では、フェライト保護フィルム113の代わりに可撓性導電金属箔114を採用したものである。なお、本発明の一実施形態のアンテナモジュール10において、各構成要素の寸法等の好ましい数値範囲を示したが、これらは本発明を実施するための例示にすぎない。つまり、当業者にとって明らかであるとおり、これら数値範囲は本発明の技術範囲又は技術思想を限定することを意図していない。
(アンテナモジュールの製造方法)
本実施形態のアンテナモジュール10の製造方法は、磁束を集束するための磁性シート110を準備するステップS1と、磁性シート110上に両面接着材層120を堆積して、磁性シート積層体11を形成するステップS2と、所定のコイルパターンの導線部131及び隙間部132を有するアンテナコイル130をアンテナ基材140上に形成してアンテナアセンブリ12を形成するステップS3と、アンテナアセンブリ12を磁性体シート積層体11の両面接着材層120上に積層(接着)し、アンテナモジュール前駆体13を形成するステップS4と、アンテナモジュール前駆体13を積層方向に緩衝材Tを介して押圧するステップS5と、を含む。以下各工程について、詳細に説明する。
当該磁性シート110を作製するには、図10に示すように、まず、表面(下側面)に、断面視V字形又はU字形の分割溝111bが格子状に配置されたグリーンフェライトシート111’を用意する。
次いで、そのグリーンフェライトシート111’を焼成して、焼結フェライトシート111”を得る。焼結フェライトシート111”は、好ましくは透磁率の実数部μr’が70以上且つ透磁率の虚数部μr”が15以下のNi−Zn−Cu系である。続いて、図11に示すように、得られた焼結フェライトシート111”の一方の面(下面)に接着材層112を形成する。そして、当該接着材層112を介してフェライト保護フィルム113(又は任意に可撓性導電金属箔114)を付着する。また、焼結フェライトシート111”の他方の面(上面)に感圧性の両面接着材層120を積層する。そして、当該両面接着材層120の上面に剥離用保護フィルム125を選択的に付着させて、それらを一体化する。次に、それらを連続的に3次元曲面又は方向が相異した2次元曲面に2回屈曲させて、分割溝111bに沿って焼結フェライトシート111”を分割することにより、多数の焼結フェライト体の小片111aが面状(又は鱗状)に集合した焼結磁性体層111を有する磁性シート110を形成する。結果として、剥離用保護フィルム125が貼着された磁性シート積層体11を得る。
このように、接着材層112を介してフェライト保護フィルム113が貼着され、且つ、感圧性の両面接着材層120を介して剥離用保護フィルム14が貼り付けられた磁性シート積層体11を準備した後、両面接着材層120の上面に付着する剥離用保護フィルム125(セパレータ)を剥離する。すなわち、両面接着材層120を露出させることで、磁性シート110及び両面接着材層120が順次積層された磁性シート積層体11を準備する。
次に、図12に示すように、アンテナ基材140の表面にフォトリソグラフィ法、パターン印刷法又はエッチング法等によりアンテナコイル130の導線部131及び接続パッド133を形成することにより、アンテナコイル130及びアンテナ基材140が一体化したアンテナアセンブリ12を準備する。
そして、磁性シート積層体11とアンテナアセンブリ12とを、アンテナコイル130が該磁性シート110側を向くように、上下に重ねて合体させる。その結果、図6及び図7で示したように、両面接着材層120を介して、アンテナアセンブリ12と磁性シート積層体11とからなるアンテナモジュール前駆体13が得られる。
続いて、図13に示すとおり、当該アンテナモジュール前駆体13を、その表裏面に緩衝材Tを介して、アンテナモジュール前駆体13の内方に所定の荷重でプレス(押圧)する。より詳細には、図13(a)に示すとおり、緩衝材Tとして厚みが1mmのシリコーンゴムシートを被覆させた基台P1の上にアンテナモジュール前駆体13を置いて、緩衝材Tを被覆させた押圧部材P2を下方にゆっくりと移動させる。そして、緩衝材Tを介して、所定の荷重(本実施形態では約10Kg/平方cm)で、アンテナモジュール前駆体13をその積層方向に向かってプレスする。つまり、アンテナモジュール前駆体13の上下両面に緩衝材Tを当接させた状態で、基台P1と押圧部材P2とでアンテナモジュール前駆体13を所定の圧力で挟圧する。その結果、図13(b)に示すアンテナモジュール10を得る。
なお、緩衝材Tを介してアンテナモジュール前駆体13を基台P1及び押圧部材P2でプレスすることにより、基台P1及び押圧部材P2からのアンテナモジュール前駆体13にかかる衝撃を和らげて、アンテナモジュール10の損傷を抑制している。また、緩衝材Tは、アンテナモジュール前駆体13の上面の硬い部分に当接して変形するので、アンテナ基材140(剥離シート143)上面に緩衝材Tが密着した状態で、アンテナモジュール前駆体13が所定の荷重で押圧される。そのため、磁性シート110及びアンテナ基材140間の空洞Sを減少させるように、両面接着材層120を介してアンテナ基材140を撓み変形させて磁性シート110に結合させることができる。
なお、上記製造条件は、当業者であれば任意に設定可能である。例えば、緩衝材の材質は、軟質合成樹脂、ウレタンゴム、ブチルゴム等であってもよい。また、押圧手段として、円柱状の金属表面に緩衝剤を形成したゴムローラー、ヒーターを内蔵した加熱圧着ローラー(いわゆるラミネーター)等の当業者にとって公知な手段又は装置を任意に選択することができる。また緩衝材の厚みは、本実施形態に限定されず、プレスの荷重に応じて任意に選択できる。さらに、プレス荷重は、アンテナモジュール前駆体を損傷しない限りにおいて、プレス荷重を任意に選択可能である。
(実験)
次に、本発明の一実施例のアンテナモジュールの電磁気的性能の実験結果を示す。実施例のサンプルを以下のように製造し、比較例のサンプルと比較検証した。
(1)実施例
まず、片面格子状の断面がV字形の分割溝が40μmの深さで刻設された厚みが100μmの焼結フェライトシート111”を準備した。該焼結フェライトシート111”の一面(図11に示す焼結フェライトシートの下面)に厚みが10μmの接着材層112を形成した。該接着材層112を介して、厚みが10μmのポリエチレンテレフタレートからなるフェライト保護フィルム113を積層させて感圧接着した。
剥離用保護フィルム125として、ポリエチレンテレフタレートフィルムが表裏面に付着しているポリアクリル酸エステルを主成分として軟化剤、粘着剤、粘性剤等を副成分とする厚みが10μmの感圧性の両面接着材層120を準備した。
焼結フェライトシート111”の他面(図11の上面)に厚みが10μmの感圧性の両面接着材層120を形成して、当該両面接着材層120を介して剥離用保護フィルム125を積層させて感圧接着した。次いで、その積層体を方向の相異した円柱ローラに2回接触させて、複数の焼結フェライト体の小片111aが集合した焼結磁性体層111を有する磁性シート積層体11を得た。
アンテナ基材140として、厚みが12.5μm、幅Dが25mm、長さLが35mmのポリイミドからなる基材層141を準備した。当該アンテナ基材140(基材層141)の下面に対して、厚みが35μm、幅が400μmの断面が方形をなす銅箔アンテナパターンが400μmの間隔をおいて、ターン数5の四角形状に渦巻いたコイルパターンを有するアンテナコイル130をフォトリソグラフィ法で形成した。次いで、アンテナ基材140の上側に、接着材層142を介して、剥離シート(又はフィルム)143を貼り付けて、アンテナアセンブリ12を得た。得られたアンテナアセンブリ12におけるコイルパターンの相当幅d1及び非アンテナパターン領域Aの最短幅d2は、それぞれ4.8mm、10.4mmである。従って、本実施例のアンテナパターン領域比α及び短幅比(d1/d2)βは、0.46である。
続いて、磁性シート積層体11に感圧接着された両面接着材層120の剥離用保護フィルム125を剥離して両面接着材層120上面を露出させた。そしてその露出面に対して、アンテナアセンブリ12のパターン面を接合させて、アンテナモジュール前駆体13を得た。
最後に、アンテナモジュール前駆体13に緩衝材Tとして厚みが1mmのシリコーンゴムシートを被覆して基台P1の上に置いて、その上から10Kg/平方cmの圧力をかけて、アンテナモジュール前駆体13をその積層方向に向かってプレスして、本実施例のアンテナモジュール10を得た。このアンテナモジュール10では、アンテナコイル130及び磁性シート110間の距離t2の平均値は、約5μmである。つまり、両面接着材層120は、導線部131直下の領域において、初期厚みの約1/2に圧縮されている。
このアンテナモジュール10を5mm厚のアルミニウム(金属材料)板の上方に配置し、アンテナモジュール10のアンテナコイル130の表面と金属材料との距離を25〜10000μmの範囲で変化させて、アンテナのQ値とインダクタンス(L値)をインピーダンスアナライザーを用いて測定した。この電磁気的特性の変化の結果を図15の曲線21及び図16の曲線23にそれぞれ示した。
(2)比較例
他方、本発明に係るアンテナモジュールの相対的効果を把握するために、実施例と同様の製法で、従来式のアンテナモジュール10Rを作製して比較した。相違点として、アンテナモジュール10Rでは、上記実施例において使用したものと同じアンテナアセンブリ12Rのアンテナコイル130Rに30μmの絶縁性樹脂保護被膜135Rを形成した。そして、図14のSEM画像で示されたアンテナモジュール10Rを比較例として作製した。このアンテナモジュール10Rは、従来のごとく、10μm厚の両面接着材層120Rと、30μm厚の絶縁性樹脂保護被膜135Rと、12.5μmの基材層141Rの合計52.5μmの厚みを少なくとも介して、アンテナコイル130が磁性シート110に相対峙するように配置された構造を有している。つまり、アンテナモジュール10Rでは、下層から、フェライト保護フィルム113R、接着材層112R、焼結磁性体層111R、両面接着材層120R、絶縁性樹脂保護被膜135R、基材層141R、接着材層142R、アンテナコイル130R、接着材層144R、及び、剥離シート143Rが積層されている。
比較例のアンテナモジュール10Rにおける電磁気的特性の変化を、実施例と同様の方法で測定した。その結果を図15の曲線22及び図16の曲線24にそれぞれ示す。なお、本実施例及び比較例は導電性金属箔(シールド層)を使用することなく、ポリエチレンテレフタレートからなる保護フィルムを使用した。
本実施例のアンテナモジュール10と公知技術である比較例のアンテナモジュール10Rの電磁気的特性を示す曲線21、22から明らかであるとおり、本実施例のアンテナモジュール10のQ値は、同一アンテナパターンを有する公知技術(比較例)のアンテナモジュール10RのQ値より、相対的に20以上高い。他方、同じく曲線23、24から明らかであるとおり、本実施例のアンテナモジュール10のL値(インダクタンス)は、公知技術(比較例)のアンテナモジュール10RのL値よりも相対的に30nH以上高い。すなわち、実験結果より、本実施例に係るアンテナモジュールでは、同一のアンテナコイルを使用した条件で、従来構造のアンテナモジュールと比較して、アンテナモジュールの性能が向上することが分かった。したがって、本発明のアンテナモジュールが組込まれる携帯情報端末をより小型にすることが可能になる。
(作用効果)
すなわち、本実施形態のアンテナモジュール10では、図8に示したように、両面接着材層120はアンテナコイル130により磁性シート110側に相対的に押圧されたことで、両者は限りなく近づいている。特にアンテナコイル120の先端が有する合計面積は、アンテナ基材140全体の面積より狭いので、プレス時の荷重が、先端に集中して両面接着材層120に深く食い込んでいる。その結果、本実施形態におけるアンテナコイル130を磁性シート110に対して、いわゆる「直付け」する構造に限りなく近付いた。よって、本発明に係るアンテナモジュール10では、アンテナ特性の良否を決定するL値及びQ値がアンテナコイルの相当直径が比較的小さいにもかかわらず、周波数13.56MHz帯域において、相対的に大きなL値及び値が提供される。
同時に、本実施形態のアンテナモジュール10では、両面接着材層120の一部分がアンテナコイル130の外側に押し出されて、磁性シート110とアンテナ基材140との間のアンテナコイル130が存在しない領域に存在する両面接着材層120を上方に膨張させる。その結果、アンテナコイル130と両面接着材層120との接合面積が増大し、両者の接合力は向上する。特に本実施形態に係るアンテナモジュール10においては、前述した相当幅d1に対する非アンテナパターン領域Aの短幅d2に対する比βが小さい。言い換えれば、アンテナパターン領域Bが非アンテナパターン領域Aに比較して相対的に広いので、両面接着材層120に対するアンテナアセンブリ12の接合力はアンテナパターン領域Bで十分負担することができるのである。
(第2実施形態)
以上説明した第1の実施形態のアンテナモジュール前駆体13では、アンテナコイル130の導線部131が広域に亘って存在しない領域、すなわち、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cにおいて空洞Sが形成される(図7参照)。それ故、アンテナモジュール前駆体13をプレスしたときに、空洞領域においてアンテナ基材140と磁性シート110とが互いに近接するように陥没することが避けられない。つまり、アンテナモジュール10の上面(アンテナ基材140の上面)又は下面(磁性シート110下面)は湾曲部を含んでいる。なお、本実施形態では、磁性シート110の方がアンテナ基材140よりも硬質であるため、図8に示したとおり、アンテナ基材140が下方に撓み変形している。
そこで、本第2実施形態では、図17に示すように、アンテナモジュール10’が湾曲するのをできる限り小さくするために、アンテナコイル130のコイルパターンに応じて形成したスペーサ材150を準備し、両面接着材層120の上に当該スペーサ材150を重ねて配置した。スペーサ材150は、非アンテナパターン領域Aの形状に対応する第1スペーサ材151と、マージン領域Cの形状に対応する第2スペーサ材152とを含む。なお、第2実施形態のアンテナモジュール10’の各部材は、スペーサ材150を除いて、第1実施形態のアンテナモジュール10の各部材と共通しているため、その説明を省略する。
本実施形態では、スペーサ材150は、その両面に接着性を有しており、両面接着材層120と同様の材料で構成されている。つまり、スペーサ材150を両面接着スペーサと称することもできる。しかしながら、スペーサ材150の材質は、これに限定されず、空洞を埋めるスペーサ機能を発揮すれば、接着性を持たせないように構成してもよい。
また、本実施形態では、スペーサ材150は、約25μmの厚みを有している。好ましくは、スペーサ材150は、アンテナコイル130の厚み(35μm)から両面接着材層120の厚み(10μm)を差し引いた厚みに近づけるように設計される。すなわち、スペーサ材150は、実質的に前記アンテナコイル130の厚みと両面接着材層120の厚みとの和に相当する厚みに設計される。
図18に示すとおり、第1スペーサ材151を非アンテナパターン領域Aに配置し、且つ、第2スペーサ材152をマージン領域Cに配置すると、アンテナ基材140と両面接着材層120との間に形成される空洞がなくなり、アンテナモジュール表面の湾曲の発生を抑えることができる。すなわち、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cでスペーサ材150が両面接着材層120に結合し、スペーサ材150で空洞を埋めることにより、両面接着材層の上のスペーサ材は、アンテナコイル130とともにアンテナ基材140を下方から支えて平面上に維持する。スペーサ材150上面とアンテナコイル130上面とがほぼ平坦なアンテナ基材140上面を形成する。その結果、所定荷重でアンテナモジュール前駆体13をプレスした場合でも、アンテナ基材140を平面状態に維持する。
したがって、アンテナ基材140が湾曲しない状態で、アンテナモジュール10’を携帯情報端末に組み込むことができる。また、スペーサ材150を両面接着材層120とアンテナアンテナ基材140との間に配置することによって、磁性シート110とアンテナ基材120とをより強力に接着することができる。
ここで、スペーサ材150は、両面接着材層120と一体的に形成されていてもよい。その場合、両面接着材層120のアンテナパターン領域Bに対応する部分よりも、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cに対応する部分が厚くなるように、両面接着材層120及びスペーサ材150が一体的に結合される。また、スペーサ材150をアンテナモジュール12の非アンテナパターン領域B及びマージン領域Cに嵌め込むように、アンテナ基材140の下面に結合させてもよい。さらに、本実施形態では、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cの両方にスペーサ材150を配置しているが、いずれか一方にのみにスペーサ材150を配置することもできる。さらに、両面接着材層とスペーサ材とを重ねることなく、特定の厚み、平面形状を有する他の両面接着材と特定のスペーサを並置することにより、アンテナ基材を平面状態に維持してもよい。
図19は、第2実施形態の変形例であるアンテナモジュール10”の分解斜視図である。このアンテナモジュール10”のスペーサ材153は、第1及び第2スペーサ材151、152を一体形成したものであり、尚且つ、アンテナコイル130の隙間部132に嵌挿可能な形状を有している。つまり、当該スペーサ材153は、アンテナコイル130の導線部131の投影面に対して補集合の関係にある平面形状からなることを特徴とする。図20に示すとおり、スペーサ材153は、アンテナ導体(導線部131及び接続パッド132)が存在しない空間、すなわち、隙間部132、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cに配置される。この変形例では、非アンテナパターン領域A及びマージン領域Cでスペーサ材153が両面接着材層120に結合していると共に、隙間部132で上方に隆起した膨出部122がスペーサ材153に結合している。したがって、本アンテナモジュール10”によれば、スペーサ材153を導入することによって、隙間部132上のアンテナ基材140の湾曲をも効果的に抑えることができる。
本発明は、その根本的技術思想を踏襲し発明の効果を著しく損なわない限度において、実施形態の一部分を変更又は発展させて実施できる。例えば、実施例において磁性シートの表面に貼り付けた可撓性導電金属箔を本発明に係るアンテナモジュールのシールド材として使用展開することができる。
すなわち、アンテナモジュールを携帯情報端末に組み込むとき、携帯情報端末に対して、同梱された金属側、例えばバッテリーパック側に、所定の厚みの絶縁層、例えば有機接着材層を介して、可撓性導電金属箔を組み込むと、可撓性導電金属箔は、携帯情報端末が有する金属の種類、形状及び大きさに応じてアンテナの駆動時に発する種々の渦電流の影響を所定の一定範囲に収めるシールド効果を発揮させる用途に展開できる。
本発明は、電子式固体認識システムが組込まれる高機能携帯端末その他の非接触無線アンテナ分野に広く利用できる。
10 アンテナモジュール
11 磁性シート積層体
12 アンテナアセンブリ
13 アンテナモジュール前駆体
110 磁性シート
111 焼結磁性体層
111a 小片
111b 分割溝
111’ グリーンフェライトシート
111” 焼結フェライトシート
112 接着材層
113 フェライト保護フィルム
114 可撓性導電金属箔
120 両面接着材層
121 圧潰部
122 膨出部
125 剥離用保護フィルム
130 アンテナコイル
131 導線部
132 隙間部
133 接続パッド
140 アンテナ基材
141 基材層
142 接着材層
143 剥離シート
150 スペーサ材
A 非アンテナパターン領域
B アンテナパターン領域
C マージン領域
D 短幅
b1〜b4 区画パターン領域
c1 最内周ループ
c2 最外周ループ
d1 コイルパターンの相当幅
d2 非アンテナパターン領域の短幅
d3 厚み
d4 導線幅
P1 基台
P2 押圧部
T 緩衝材
(作用効果)
すなわち、本実施形態のアンテナモジュール10では、図8に示したように、両面接着材層120はアンテナコイル130により磁性シート110側に相対的に押圧されたことで、両者は限りなく近づいている。特にアンテナコイル10の先端が有する合計面積は、アンテナ基材140全体の面積より狭いので、プレス時の荷重が、先端に集中して両面接着材層120に深く食い込んでいる。その結果、本実施形態におけるアンテナコイル130を磁性シート110に対して、いわゆる「直付け」する構造に限りなく近付いた。よって、本発明に係るアンテナモジュール10は、アンテナ基材140のうちアンテナコイル130のない部位と磁性シート110との間の空間厚み(すなわち、膨出した両面接着剤層120の厚み)に比べて、アンテナコイル130と磁性シート110との間の空間厚み(すなわち、圧潰された両面接着剤層120の厚み)が著しく小さくなるように、アンテナコイル130及び磁性シート110が可及的に互いに接近した、いわゆる「可及的な直付け構造」を有している。すなわち、本実施形態では、アンテナ特性の良否を決定するL値及びQ値がアンテナコイルの相当直径が比較的小さいにもかかわらず、周波数13.56MHz帯域において、相対的に大きなL値及び値が提供される。

Claims (23)

  1. 磁束を集束するための磁性シートと、
    当該磁性シートの上面に接着された両面接着材層と、
    前記両面接着材層上に積層された、所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイルと、
    前記アンテナコイル上に積層されたアンテナ基材と、を備え、
    前記アンテナコイルと前記磁性シートとの間で前記両面接着材層が圧潰されて変形し、少なくとも前記アンテナコイルの前記隙間部で前記両面接着材層の一部が膨出していることを特徴とするアンテナモジュール。
  2. 下面に可撓性導電金属箔が接着された、磁束を集束するための磁性シートと、
    当該磁性シートの上面に接着された両面接着材層と、
    前記両面接着材層上に積層された、所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイルと、
    前記アンテナコイル上に積層されたアンテナ基材と、を備え、
    前記アンテナコイルと前記磁性シートとの間で前記両面接着材層が圧潰されて変形し、少なくとも前記アンテナコイルの前記隙間部で前記両面接着材層の一部が膨出していることを特徴とするアンテナモジュール。
  3. 磁束を集束するための磁性シートと、
    当該磁性シートの上面に接着された両面接着材層と、
    前記両面接着材層上に積層された、所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイルと、
    前記アンテナコイル上に積層されたアンテナ基材と、を備えることを特徴とするアンテナモジュール。
  4. 前記アンテナコイルの最内周ループの内方の非アンテナパターン領域(A)に所定厚のスペーサ材が配置されており、前記非アンテナパターン領域(A)で前記両面接着材層の一部と前記スペーサ材とが結合していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  5. 前記アンテナコイルの最外周ループの外方のマージン領域(C)に所定厚のスペーサ材が配置されており、前記マージン領域(C)で前記両面接着材層の一部と前記スペーサ材とが結合していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  6. 前記アンテナコイルの最内周ループの内方の非アンテナパターン領域(A)に所定厚の第1のスペーサ材が配置されていると共に、前記アンテナコイルの最外周ループの外方のマージン領域(C)に所定厚の第2のスペーサ材が配置されており、前記非アンテナパターン領域(A)及び前記マージン領域(C)の両方で前記両面接着材層の一部と前記第1及び第2のスペーサ材とが結合していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  7. 前記コイルパターンは最外周ループ及び最内周ループを有しており、前記最外周ループ外縁と前記最内周ループ内縁との距離(d1)と、前記最内周ループの短幅(d2)との比率(d1/d2)が0.2〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  8. 前記スペーサ材は、前記アンテナコイルの厚みと前記両面接着材層との和に相当する厚みを有していることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  9. 前記磁性シートは、フェライト保護フィルムと、当該フェライト保護フィルム上に配置された接着材層と、当該接着材層の上面に接着された複数の小片が集合した焼結磁性体層と、を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  10. 前記フェライト保護フィルムは、剥離用保護フィルムであることを特徴とする請求項9に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記磁性シートは、可撓性導電金属箔と、当該可撓性導電金属箔上に配置された接着材層と、当該接着材層の上面に接着された複数の小片が集合した焼結磁性体層と、を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  12. 前記アンテナ基材は、前記アンテナコイルが下面に形成される基材層と、当該基材層の上面に形成された接着材層とからなり、前記接着材層の上面に剥離シートが貼着されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項にアンテナモジュール。
  13. 前記アンテナ基材が、実質的に平面状態に保持されていることを特徴とする請求項1、2、3、12のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  14. 前記磁性シートは、透磁率の実数部μr’が70以上且つ透磁率の虚数部μr”が15以下のNi−Zn−Cu系である請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  15. 磁束を集束するための磁性シートを準備するステップと、
    前記磁性シート上に両面接着材層を堆積するステップと、
    所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイル、及び、当該アンテナコイルに結合されたアンテナ基材を含むアンテナアセンブリを前記両面接着材層上に積層し、アンテナモジュール前駆体を形成するステップと、
    前記アンテナモジュール前駆体を積層方向に緩衝材を介して押圧するステップと、を含むことを特徴とするアンテナモジュールの製造方法。
  16. 前記アンテナコイルの最内周ループの内方の非アンテナパターン領域に所定厚のスペーサ材を配置するステップをさらに含み、前記アンテナモジュール前駆体を押圧すると、前記両面接着材層の一部が前記非アンテナパターン領域で膨出して前記スペーサ材に結合することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記アンテナコイルの最外周ループの外方のマージン領域に所定厚のスペーサ材を配置するステップをさらに含み、前記アンテナモジュール前駆体を押圧すると、前記両面接着材層の一部が前記マージン領域で膨出して前記スペーサ材に結合することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  18. 前記アンテナコイルの最内周ループの内方の非アンテナパターン領域及び前記アンテナコイルの最外周ループの外方のマージン領域に第1及び第2のスペーサ材を配置するステップをさらに含み、前記アンテナモジュール前駆体を押圧すると、前記両面接着材層の一部が前記非アンテナパターン領域及び前記マージン領域で膨出して前記第1及び第2のスペーサ材に結合することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  19. 前記両面接着材層は、少なくとも片面に剥離用保護フィルムが貼り付けられており、前記アンテナコイルを前記両面接着材層上に積層する前、及び/又は、前記磁性シート上に両面接着材層を堆積する前に、前記当該剥離用保護フィルムを剥離するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  20. 前記磁性シートは、フェライト保護フィルムと、当該フェライト保護フィルム上に配置された接着材層と、当該接着材層の上面に接着された複数の小片が集合した焼結磁性体層と、を備えることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  21. 前記磁性シートは、可撓性導電金属箔と、当該可撓性導電金属箔上に配置された接着材層と、当該接着材層の上面に接着された複数の小片が集合した焼結磁性体層と、を備えることを特徴とする請求項15乃至20のいずれか一項に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  22. 前記コイルパターンは最外周ループ及び最内周ループを有しており、前記最外周ループ外縁と前記最内周ループ内縁との距離(d1)と、前記最内周ループの短幅(d2)との比率(d1/d2)が0.2〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか一項に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  23. 磁束を集束するための磁性シートと、
    当該磁性シートの上面に接着された両面接着材層と、
    前記両面接着材層上に積層された、所定のコイルパターンの導線部及び隙間部を有するアンテナコイルと、
    前記アンテナコイル上に積層されたアンテナ基材と、を備えるアンテナモジュール前駆体であって、
    緩衝材を介して積層方向に所定荷重で押圧されて、前記アンテナコイルと前記磁性シートとの間で前記両面接着材層が圧潰されて変形し、少なくとも前記アンテナコイルの前記隙間部で前記両面接着材層の一部が膨出することで、当該アンテナモジュール前駆体からアンテナモジュールを作製可能であることを特徴とするアンテナモジュール前駆体。
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