JP2017098469A - 複合コイルモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】多機能で小型化を実現することができる複合コイルモジュールを提供する。
【解決手段】非接触電力伝送用の第1平面コイル41と、近距離無線通信用の第2平面コイル42とを有する基板5と、第1平面コイル41の磁路を形成する第1磁性体61と、第2平面コイル42の磁路を形成する第2磁性体22とを備える。第1平面コイル41及び第2平面コイル42のうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられている。第1磁性体61が第1フェライト601で形成され、第2磁性体62が第2フェライト602で形成されている。第1フェライト601及び第2フェライト602が異なる材質である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合コイルモジュールに関する。
従来、非接触電力伝送装置として、第1コイルを含む送電装置と、第2コイルおよび2次電池を含む受電装置とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の非接触電力伝送装置では、非接触電力伝送に使用される送電コイルと受電コイルの平面化を図る際に、そのコイルからの不要輻射の抑制、および電力伝送の効率化を図っている。
特開2006−42519号公報
近年においては、非接触電力伝送用だけではなく、その他の用途も兼ね備えた複合コイルモジュールが求められている。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、多機能で小型化を実現することができる複合コイルモジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の複合コイルモジュールは、
非接触電力伝送用の第1平面コイルと、近距離無線通信用の第2平面コイルとを有する基板と、
前記第1平面コイルの磁路を形成する第1磁性体と、
前記第2平面コイルの磁路を形成する第2磁性体と
を備え、
前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルのうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、
前記第1磁性体が第1フェライトで形成され、
前記第2磁性体が第2フェライトで形成され、
前記第1フェライト及び前記第2フェライトが異なる材質であることを特徴とする。
本発明に係る第2の複合コイルモジュールは、
非接触電力伝送用の第1平面コイルと、近距離無線通信用の第2平面コイルとを有する基板を備え、
前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルのうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、前記第1平面コイルが前記基板の両面に設けられ、前記第2平面コイルが前記基板の片面に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る第3の複合コイルモジュールは、
非接触電力伝送用の第1平面コイルと、近距離無線通信用の第2平面コイルとを有する基板と、
前記第1平面コイルの磁路を形成する第1磁性体と、
前記第2平面コイルの磁路を形成する第2磁性体と
を備え、
前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルのうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、かつ前記第1平面コイルの最も内側及び最も外側に磁性部材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、多機能で小型化を実現することができる。
図1Aは複合コイルモジュールの一例を示す概略断面図(図1BのX−X線概略断面図)であり、図1Bは複合コイルモジュールの一例を示す概略平面図である。 図2は複合コイルモジュールの他の一例を示す概略断面図である。 図3は複合コイルモジュールの更に他の一例を示す概略断面図である。 図4A〜図4Fは複合コイルモジュールの製造方法の各工程を示す概略断面図である。 通信装置の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1A及び図1Bに本実施形態の複合コイルモジュール10の一例を示す。この複合コイルモジュール10は、以下に説明する第1の複合コイルモジュール1、第2の複合コイルモジュール2及び第3の複合コイルモジュール3の特徴を全て有している。
(第1の複合コイルモジュール)
図1Aに示すように、第1の複合コイルモジュール1は、基板5と、第1磁性体61と、第2磁性体62とを備えている。
基板5は、非接触電力伝送用の第1平面コイル41と、近距離無線通信用の第2平面コイル42とを有している。基板5は、可撓性を有する絶縁フィルムで形成することができる。絶縁フィルムの具体例として、ポリイミドフィルムが挙げられる。
第1平面コイル41は、WPC(Wireless Power Consortium)等の規格によって、100〜200kHz程度の周波数を用いて電磁誘導により、非接触充電などの非接触電力伝送を行う。
第2平面コイル42は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる、0.001〜13.56MHzの周波数を用いて電磁誘導により、近距離無線通信を行う。例えば、NFC(Near Field Communication)の場合は、13.56MHzの周波数を用いることができる。
第1平面コイル41及び第2平面コイル42の巻き方の具体例として、いわゆるα巻きが挙げられるが、この巻き方には限定されない。また図1Aでは、第1平面コイル41及び第2平面コイル42の巻き数はそれぞれ3巻きであるが、この巻き数には限定されない。第1平面コイル41及び第2平面コイル42のそれぞれを構成する導体の材質、高さ、幅、隣り合う導体間の隙間の間隔は特に限定されない。例えば、導体の高さ、すなわち、第1平面コイル41及び第2平面コイル42の厚みは70〜80μmである。
上記のように、単一の基板5が第1平面コイル41及び第2平面コイル42の両方を有しているので、多機能で小型化を実現することができる。
第1平面コイル41及び第2平面コイル42のうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられている。ここで、第2平面コイル42が第1平面コイル41の内側に設けられた形態でもよいが、通信の妨害がより少ないという観点では、図1A及び図1Bに示すように、非接触電力伝送を行う第1平面コイル41が内側に設けられ、近距離無線通信を行う第2平面コイル42が外側に設けられた形態が好ましい。よって、以下の第1の複合コイルモジュール1では、第1平面コイル41が第2平面コイル42の内側に設けられた形態について説明する。
基板5の表裏をそれぞれ第1面51及び第2面52とする。基板5には貫通孔50が設けられている。この貫通孔50の周囲を囲むように、基板5の第1面51及び第2面52に第1平面コイル41a,41bが設けられている。第1平面コイル41a,41bは、めっきスルーホール41cで電気的に接続されている。好ましくは、基板5の第1面51には第1平面コイル41aを保護するために保護層81が設けられている。保護層81の具体例として、液状のソルダーレジストの硬化物、ソルダーレジストフィルム又はカバーレイが挙げられる。保護層81は設けられていなくてもよい。第1平面コイル41は、基板5の第1面51及び第2面52の両方に設けられていてもよく、基板5の第1面51又は第2面52のいずれか片面に設けられていてもよい。この第1平面コイル41の周囲を囲むように、基板5の第2面52に第2平面コイル42が設けられている。なお、第2平面コイル42が基板5の両面に設けられていると電波障害が起こる可能性があるので第2平面コイル42は基板5の片面に設けられていることが好ましい。第1の複合コイルモジュール1では、第2平面コイル42は基板5の第2面52に設けられている。
第1磁性体61は、第1平面コイル41の磁路を形成し、第2磁性体62は、第2平面コイル42の磁路を形成する。磁路は磁束の通路である。図1Aに示す第1の複合コイルモジュール1では、2つの第1磁性体61a,61bが用いられている。第1磁性体61aは基板5の貫通孔50を突き抜けて配置されている。第1磁性体61aは、基板5の第1面51に設けられた保護層81の表面と面一であり、基板5の第2面52に設けられた第1平面コイル41b及び第2平面コイル42の表面と面一である。第1磁性体61bは、接着層9bで第1磁性体61aと接着されている。接着層9bは、後述の接着層9a,9cも含め、十分な接着力を保持できる状態で可能な限り薄く、かつ均一な厚みであることが好ましい。接着層9bは、両面テープ又は接着剤で形成することができる。後述のように、第1磁性体61bは、上記と同じ接着層9bで第1平面コイル41bとも接着されていることが好ましい。第1磁性体61bの周囲を囲むように、第2磁性体62が設けられている。後述のように、第2磁性体62は、上記と同じ接着層9bで第2平面コイル42と接着されていることが好ましい。上記のように、第1磁性体61及び第2磁性体62が磁路を形成することにより、第1平面コイル41及び第2平面コイル42のインダクタンスを増加させることができる。なお、図1Aでは、第1磁性体61を2つの第1磁性体61a,61bに分けてこの両者を接着層9bで接着しているが、図2に示すように、第1磁性体61を2つに分けるのではなく、第1磁性体61は、図1Aに示す第1磁性体61a,61bを結合させた形状と同形状の単一のものでもよい。
第1磁性体61は第1フェライト601で形成されており、第2磁性体62は第2フェライト602で形成されている。第1フェライト601及び第2フェライト602の具体例として、Mn−Zn系のフェライトシート(焼結体)、Ni−Zn系のフェライトシート(焼結体)、Mg−Zn系のフェライトシート(焼結体)、Cu−Zn系のフェライトシート(Fe基アモルファス、Co基アモルファス、パーマロイ(Fe−Ni軟質磁性材料))等のソフトフェライトが挙げられる。
ここで、第1磁性体61がアモルファスシートで形成されていると、第1平面コイル41が磁気飽和して発熱しやすくなり、電力の伝送効率が低下するおそれがある。なお、アモルファスシートは、アモルファス金属を含むシートである。上記のように、第1の複合コイルモジュール1では、第1磁性体61及び第2磁性体62がいずれもフェライトシートで形成されているので、第1平面コイル41は発熱しにくくなり、電力の伝送効率の低下を抑制することができる。しかもフェライトシートはアモルファスシートに比べて安価であり、取り扱い作業性にも優れている。
第1フェライト601及び第2フェライト602は異なる材質である。すなわち、第1フェライト601及び第2フェライト602は、第1平面コイル41及び第2平面コイル42のそれぞれにおける周波数に応じて異ならせている。好ましくは、第1フェライト601はMn−Zn系のフェライトシートで形成されており、第2フェライト602はNi−Zn系のフェライトシートで形成されている。第1磁性体61がアモルファスシートで形成されている場合に比べて、Mn−Zn系のフェライトシートで形成されている場合の方が、100〜200kHz程度の周波数においてQ値を増加させることができ、電力の伝送効率を向上させることができる。
第1磁性体61は、基板5の厚み方向から見て一方の平面コイルに重なるように設けられていることが好ましい。すなわち、第1の複合コイルモジュール1では、第1磁性体61は、基板5の厚み方向から見て第1平面コイル41に重なるように設けられていることが好ましい。この具体例として、図1Aに示すように第1平面コイル41bに接着層9bで第1磁性体61bが接着された形態が挙げられる。これにより、第1平面コイル41のインダクタンスをさらに増加させることができる。
第2磁性体62は、基板5の厚み方向から見て他方の平面コイルに重なるように設けられていることが好ましい。すなわち、第1の複合コイルモジュール1では、第2磁性体62は、基板5の厚み方向から見て第2平面コイル42に重なるように設けられていることが好ましい。この具体例として、図1Aに示すように第2平面コイル42に接着層9bで第2磁性体62が接着された形態が挙げられる。これにより、第2平面コイル42のインダクタンスをさらに増加させることができる。
第1の複合コイルモジュール1は、放熱シート82をさらに備えていてもよい。放熱シート82の具体例として、グラファイトシート、グラフェンシートが挙げられる。放熱シート82は、第1磁性体61及び第2磁性体62に跨って接着層9cで接着されている。このように、第1の複合コイルモジュール1が放熱シート82をさらに備えることにより、第1平面コイル41及び第2平面コイル42から発生する熱を効果的に外部に逃がすことができ、電力及びデータの伝送効率の低下を抑制することができる。
図3は第1の複合コイルモジュール1の他の実施形態を示す。この第1の複合コイルモジュール1の基板5は、第1平面コイル41と、第2平面コイル42とを有し、さらに近距離無線通信用の第3平面コイル43を有している。第2平面コイル42も第3平面コイル43も近距離無線通信用という点では同じ用途であるが、この用途の枠組みの中で、異なった用途に用いられる。そのため、第2平面コイル42で用いる周波数帯と第3平面コイル43で用いる周波数帯とは異なっている。第3平面コイル43は、図3に示すように、第1平面コイル41と第2平面コイル42との間に設けられている。すなわち、第1平面コイル41の周囲を囲むように第3平面コイル43が設けられ、この第3平面コイル43の周囲を囲むように第2平面コイル42が設けられている。図3では、第3平面コイル43の巻き数は3巻きであるが、この巻き数には限定されない。また第2磁性体62が、第2平面コイル42及び第3平面コイル43の磁路を形成している。好ましくは、第2磁性体62は、基板5の厚み方向から見て第2平面コイル42及び第3平面コイル43に重なるように設けられている。
(第2の複合コイルモジュール)
図1Aに示すように、第2の複合コイルモジュール2は、基板5を備えている。
基板5は、第1の複合コイルモジュール1と同様に、非接触電力伝送用の第1平面コイル41と、近距離無線通信用の第2平面コイル42とを有している。第1平面コイル41及び第2平面コイル42は、第1の複合コイルモジュール1と同様に基板5に設けることができる。第2の複合コイルモジュール2の場合も、単一の基板5が第1平面コイル41及び第2平面コイル42の両方を有しているので、多機能で小型化を実現することができる。
第1平面コイル41及び第2平面コイル42のうちの一方の平面コイルが、他方の平面コイルの内側に設けられ、第1平面コイル41が基板5の両面に設けられ、第2平面コイル42が基板5の片面に設けられている。ここで、第2平面コイル42が第1平面コイル41の内側に設けられ、かつ第2平面コイル42が基板5の両面に設けられた形態でもよいが、通信の妨害がより少ないという観点では、非接触電力伝送を行う第1平面コイル41が内側に設けられ、近距離無線通信を行う第2平面コイル42が外側に設けられた形態が好ましい。よって、以下の第2の複合コイルモジュール2では、第1平面コイル41が第2平面コイル42の内側に設けられ、かつ第1平面コイル41が基板5の両面に設けられた形態について説明する。図1Aでは、第1平面コイル41a,41b及び第2平面コイル42の巻き数はそれぞれ3巻きであるが、この巻き数には限定されない。基板5の両面に設けられた第1平面コイル41a,41bは巻き数が同じでも異なっていてもよい。
ここで、第1平面コイル41を基板5の片面に設ける場合と両面に設ける場合について考える。両方の場合において、第1平面コイル41の全体の断面積が同じであるとすると、第1平面コイル41を基板5の両面に設ける場合には、第1平面コイル41を構成する導体の幅が同じ条件下では、片面に設ける場合に比べて、第1平面コイル41の厚みを半分程度にすることができる。例えば、第1平面コイル41を基板5の片面に設ける場合、厚みが100μm程度を超える第1平面コイル41は加工しにくい。このような場合、第1平面コイル41を基板5の両面に設けるようにすれば、第1平面コイル41の厚みは100μm程度よりも薄くすることができ、加工しやすくなる。
第1平面コイル41a,41bの厚みが、基板5の両面のそれぞれにおいて同じであることが好ましい。すなわち、第2の複合コイルモジュール2では、第1平面コイル41a,41bの厚みが、基板5の両面のそれぞれにおいて同じであることが好ましい。つまり、第1平面コイル41aの厚みと第1平面コイル41bの厚みとが同じであることが好ましい。この場合、第2の複合コイルモジュール2を製造するにあたって、標準品として、両面の金属箔が同じ厚みのフレキシブル金属張積層板を利用することができるので低コスト化を実現することができる。
第2の複合コイルモジュール2は、第1磁性体61と、第2磁性体62とをさらに備えていることが好ましい。第1磁性体61は、第1平面コイル41の磁路を形成し、第2磁性体62は、第2平面コイル42の磁路を形成する。これにより、第1平面コイル41及び第2平面コイル42のインダクタンスを増加させることができる。
一方の平面コイルの中心を、一方の平面コイルの磁路を形成する第1磁性体61又は第2磁性体62が基板5を突き抜けて配置されていることが好ましい。すなわち、第2の複合コイルモジュール2では、第1平面コイル41の中心を、第1磁性体61が基板5を突き抜けて配置されていることが好ましい。この具体例として、図1Aに示すように第1磁性体61aが基板5の貫通孔50を突き抜けて配置された形態が挙げられる。これにより、第1平面コイル41のインダクタンスをさらに増加させることができる。
第1磁性体61は第1フェライト601で形成されていることが好ましく、第2磁性体62は第2フェライト602で形成されていることが好ましい。第1フェライト601及び第2フェライト602の具体例は、第1の複合コイルモジュール1の場合と同じである。
第1フェライト601及び第2フェライト602が異なる材質であることが好ましい。すなわち、第1フェライト601及び第2フェライト602は、第1平面コイル41及び第2平面コイル42のそれぞれにおける周波数に応じて異ならせることが好ましい。好ましくは、第1フェライト601はMn−Zn系のフェライトシートで形成されており、第2フェライト602はNi−Zn系のフェライトシートで形成されている。
第2の複合コイルモジュール2でも、第1磁性体61及び第2磁性体62がいずれもフェライトシートで形成されるようにすると、第1平面コイル41は発熱しにくくなり、電力の伝送効率の低下を抑制することができる。しかもフェライトシートはアモルファスシートに比べて安価であり、取り扱い作業性にも優れている。
第2の複合コイルモジュール2も、第1の複合コイルモジュール1と同様に、放熱シート82をさらに備えていてもよい。これにより、第1の複合コイルモジュール1と同様の効果を得ることができる。
(第3の複合コイルモジュール)
図1Aに示すように、第3の複合コイルモジュール3は、基板5と、第1磁性体61と、第2磁性体62とを備えている。
基板5は、第1の複合コイルモジュール1と同様に、非接触電力伝送用の第1平面コイル41と、近距離無線通信用の第2平面コイル42とを有している。第1平面コイル41及び第2平面コイル42は、第1の複合コイルモジュール1と同様に基板5に設けることができる。第3の複合コイルモジュール3の場合も、単一の基板5が第1平面コイル41及び第2平面コイル42の両方を有しているので、多機能で小型化を実現することができる。
第1磁性体61は、第1平面コイル41の磁路を形成し、第2磁性体62は、第2平面コイル42の磁路を形成する。これにより、第1平面コイル41及び第2平面コイル42のインダクタンスを増加させることができる。
第1平面コイル41及び第2平面コイル42のうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、かつ第1平面コイル41の最も内側及び最も外側に磁性部材7が設けられている。第1平面コイル41の最も内側及び最も外側とは、第1平面コイル41の内周及び外周を意味する。ここで、第2平面コイル42が第1平面コイル41の内側に設けられ、かつ第2平面コイル42の最も内側及び最も外側に磁性部材7が設けられた形態でもよいが、通信の妨害がより少ないという観点では、非接触電力伝送を行う第1平面コイル41が内側に設けられ、近距離無線通信を行う第2平面コイル42が外側に設けられた形態が好ましい。よって、以下の第3の複合コイルモジュール3では、第1平面コイル41が第2平面コイル42の内側に設けられ、かつ第1平面コイル41の最も内側及び最も外側に磁性部材7が設けられた形態について説明する。上記のように、第1平面コイル41の最も内側及び最も外側に磁性部材7が設けられていると、第1平面コイル41のインダクタンスをさらに増加させることができ、電力の伝送効率を上昇させることができる。第2の複合コイルモジュール2と同様に第1平面コイル41が基板5の両面に設けられている場合には、片側のみの第1平面コイル41a又は41bの最も内側及び最も外側に磁性部材7が設けられてもよく、両側の第1平面コイル41a,41bの最も内側及び最も外側に磁性部材7が設けられてもよい。
第1平面コイル41の最も内側と最も外側との間にも磁性部材7が設けられていることが好ましい。第1平面コイル41の最も内側と最も外側との間とは、第1平面コイル41の内周と外周との間において、第1平面コイル41を構成する隣り合う導体間の隙間を意味する。すなわち、第3の複合コイルモジュール3では、第1平面コイル41bを構成する隣り合う導体間の隙間にも磁性部材7が設けられていることが好ましい。これにより、第1平面コイル41のインダクタンスをさらに増加させることができる。
磁性部材7は、磁性材料を含有する接着剤で形成されていることが好ましい。これにより、磁性部材7を第1平面コイル41に接着させることができ、基板5にも接着させることができる。磁性材料の具体例として、Mn−Zn系のフェライト粉末、Ni−Zn系のフェライト粉末、Mg−Zn系のフェライト粉末、アモルファス金属の粉末が挙げられる。好ましくは、磁性材料はMn−Zn系のフェライト粉末である。接着剤は特に限定されない。
磁性材料の含有量は、磁性部材7(磁性材料及び接着剤)の全質量に対して50〜90質量%であることが好ましい。磁性材料の含有量が50質量%以上であることによって、インダクタンスの更なる増加など磁性機能を向上させることができる。磁性材料の含有量が90質量%以下であることによって、磁性部材7を第1平面コイル41に接着させるのに必要な量の接着剤を確保することができる。
磁性材料は平均粒径が0.1〜15μmの粉末であることが好ましい。平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。磁性材料の平均粒径が0.1μm以上であることによって、磁性部材7を製造する場合に接着剤との混練が容易となる。磁性材料の平均粒径が15μm以下であることによって、第1平面コイル41を構成する導体間の隙間に磁性材料を容易に入り込ませることができる。
第3の複合コイルモジュール3も、第1の複合コイルモジュール1と同様に、放熱シート82をさらに備えていてもよい。これにより、第1の複合コイルモジュール1と同様の効果を得ることができる。
(複合コイルモジュールの製造方法)
図4A〜図4Fに本実施形態の複合コイルモジュール10の製造方法の一例を示す。
まずフレキシブル金属張積層板を用意する。フレキシブル金属張積層板は、基板5と、この基板5の両面に接合された金属箔とを備えている。基板5は、可撓性を有する絶縁フィルムで形成されている。絶縁フィルムの具体例として、ポリイミドフィルムが挙げられる。金属箔として、銅箔が挙げられる。フレキシブル金属張積層板は、低コスト化の実現という観点から、両面の金属箔の厚みが同じ標準品であることが好ましい。
そして、フレキシブル金属張積層板に貫通孔50を形成し、この貫通孔50の周囲を囲むように、基板5の第1面51及び第2面52に第1平面コイル41a,41bを形成し、この第1平面コイル41bの周囲を囲むように、基板5の第2面52に第2平面コイル42を形成する。さらにめっきスルーホール41cを形成して、第1平面コイル41a,41bを電気的に接続する。第1平面コイル41a,41b及び第2平面コイル42の形成は、フレキシブル金属張積層板の両面の金属箔の不要部分をエッチングで除去することによって行うことができる。さらに第1平面コイル41a,41b及び第2平面コイル42に銅めっきなどのめっきを施してもよい。そして、第1平面コイル41aを保護するために保護層81を基板5の第1面51に貼り付けると図4Aに示す状態となる。
一方で、図4Bに示すように、第1磁性体61aの一面に接着層9aを形成する。第1磁性体61aは、基板5の貫通孔50に挿入して配置できる程度の大きさである。第1磁性体61aは、アモルファスシートで形成してもよいが、アモルファスシートは柔らか過ぎて取り扱いが難しく、組み立て加工性が良くない。同じ大きさの第1磁性体61aをアモルファスシート及びフェライトシートのそれぞれで形成する場合、アモルファスシートで形成する場合に比べて、フェライトシートで形成する場合の方が使用するシートの枚数が少なくて済み、作業性を向上させることができる。このことから、好ましくは、第1磁性体61aは第1フェライト601で形成されている。好ましくは、第1フェライト601はMn−Zn系のフェライトシートで形成されている。接着層9aは、両面テープ又は接着剤で形成することができる。
他方で、図4Cに示すように、接着層9bの一面に第1磁性体61b及び第2磁性体62を貼り付けておく。接着層9bは、上述のように両面テープ又は接着剤で形成することができる。基板5の厚み方向から見て、第1磁性体61bは、第1平面コイル41を覆い隠す程度の大きさであり、第2磁性体62は、第2平面コイル42を覆い隠す程度の大きさである。第1磁性体61bの周囲を囲むように、第2磁性体62は配置されている。第1磁性体61aの場合と同様に、第1磁性体61b及び第2磁性体62も、アモルファスシートで形成する場合に比べて、フェライトシートで形成する場合の方が、使用するシートの枚数が少なくて済み、作業性を向上させることができる。このことから、第1磁性体61bは、第1磁性体61aと同様に第1フェライト601で形成され、第2磁性体62は、第2フェライト602で形成されている。第1磁性体61b及び第2磁性体62は、アモルファスシートで形成してもよいが、上述のようにアモルファスシートは柔らか過ぎて取り扱いが難しく、組み立て加工性が良くない。好ましくは、第1フェライト601はMn−Zn系のフェライトシートで形成されており、第2フェライト602はNi−Zn系のフェライトシートで形成されている。
次に図4Dに示すように、図4Aに示す基板5の貫通孔50に図4Bに示す第1磁性体61aを挿入して配置する。好ましくは、第1磁性体61a及び保護層81の表面を面一とする。
次に図4Eに示すように、第1平面コイル41bの最も内側及び最も外側に、磁性材料を含有する接着剤を塗布することによって磁性部材7を設ける。好ましくは、第1平面コイル41bの最も内側と最も外側との間にも上記と同様にして磁性部材7を設ける。
次に図4Fに示すように、図4E及び図4Cに示すものを接着層9a,9bで貼り合わせて一体化する。その後、第1磁性体61b及び第2磁性体62に跨るように接着層9cで放熱シート82を接着すると、図1Aに示すような複合コイルモジュール10を製造することができる。接着層9cは、両面テープ又は接着剤で形成することができる。
(通信装置)
図5に複合コイルモジュール10の使用例として通信装置100を示す。この通信装置100は、上述の複合コイルモジュール10と、受電回路101と、通信回路102とを備えている。複合コイルモジュール10において、第1平面コイル41の両端と電気的に接続された端子t11,t12が設けられ、第2平面コイル42の両端と電気的に接続された端子t21,t22が設けられている。受電回路101は、端子t11,t12を介して、第1平面コイル41と電気的に接続されている。通信回路102は、端子t21,t22を介して、第2平面コイル42と電気的に接続されている。この通信装置100では、単一の基板5が第1平面コイル41及び第2平面コイル42の両方を有しているので、多機能で小型化を実現することができる。例えば、上記の通信装置100は、携帯端末として、非接触充電及び近距離無線通信を行うことができる。
1 第1の複合コイルモジュール
2 第2の複合コイルモジュール
3 第3の複合コイルモジュール
5 基板
7 磁性部材
10 複合コイルモジュール
41 第1平面コイル
42 第2平面コイル
61 第1磁性体
62 第2磁性体
601 第1フェライト
602 第2フェライト

Claims (10)

  1. 非接触電力伝送用の第1平面コイルと、近距離無線通信用の第2平面コイルとを有する基板と、
    前記第1平面コイルの磁路を形成する第1磁性体と、
    前記第2平面コイルの磁路を形成する第2磁性体と
    を備え、
    前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルのうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、
    前記第1磁性体が第1フェライトで形成され、
    前記第2磁性体が第2フェライトで形成され、
    前記第1フェライト及び前記第2フェライトが異なる材質であることを特徴とする
    複合コイルモジュール。
  2. 前記基板の厚み方向から見て前記一方の平面コイルに重なるように、前記第1磁性体が設けられ、
    前記基板の厚み方向から見て前記他方の平面コイルに重なるように、前記第2磁性体が設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載の複合コイルモジュール。
  3. 非接触電力伝送用の第1平面コイルと、近距離無線通信用の第2平面コイルとを有する基板を備え、
    前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルのうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、前記第1平面コイルが前記基板の両面に設けられ、前記第2平面コイルが前記基板の片面に設けられていることを特徴とする
    複合コイルモジュール。
  4. 前記第1平面コイルの厚みが、前記基板の両面のそれぞれにおいて同じであることを特徴とする
    請求項3に記載の複合コイルモジュール。
  5. 前記第1平面コイルの磁路を形成する第1磁性体と、
    前記第2平面コイルの磁路を形成する第2磁性体と
    をさらに備え、
    前記一方の平面コイルの中心を、前記一方の平面コイルの磁路を形成する第1磁性体又は第2磁性体が前記基板を突き抜けて配置されていることを特徴とする
    請求項3又は4に記載の複合コイルモジュール。
  6. 前記第1磁性体が第1フェライトで形成され、
    前記第2磁性体が第2フェライトで形成され、
    前記第1フェライト及び前記第2フェライトが異なる材質であることを特徴とする
    請求項3乃至5のいずれか一項に記載の複合コイルモジュール。
  7. 非接触電力伝送用の第1平面コイルと、近距離無線通信用の第2平面コイルとを有する基板と、
    前記第1平面コイルの磁路を形成する第1磁性体と、
    前記第2平面コイルの磁路を形成する第2磁性体と
    を備え、
    前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルのうちの一方の平面コイルが他方の平面コイルの内側に設けられ、かつ前記第1平面コイルの最も内側及び最も外側に磁性部材が設けられていることを特徴とする
    複合コイルモジュール。
  8. 前記第1平面コイルを構成する隣り合う導体間の隙間にも前記磁性部材が設けられていることを特徴とする
    請求項7に記載の複合コイルモジュール。
  9. 前記磁性部材が、磁性材料を含有する接着剤で形成されていることを特徴とする
    請求項7又は8に記載の複合コイルモジュール。
  10. 前記磁性材料の含有量が磁性部材の全質量に対して50〜90質量%であることを特徴とする
    請求項9に記載の複合コイルモジュール。
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