JP2014116872A - マルチキャリヤ変調信号受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝搬路特性を推定することなく、誤り訂正復号による訂正機能を効果的に利用することができ、ビット誤り耐性を有するマルチキャリヤ変調信号受信装置を提供する。
【解決手段】マルチキャリヤ変調信号受信装置1−1は、実質的に最大間引き率の2倍のレートで動作する分析バンク5、線形等化器6、等化係数算出部7、対数尤度比算出部8および誤り訂正復号部9を備える。対数尤度比算出部8は、等化係数から伝送路信頼度を算出する伝送路信頼度算出部55および減算器56を備え、等化後のキャリヤシンボルの誤差と伝送路信頼度とを用いて対数尤度比を算出する。伝送路信頼度算出部55は、等化係数算出部7からの4系統の等化係数の振幅をタップごとに算出して4系統間で加算し、加算結果について全サブキャリヤの平均が1となるように正規化する。減算器56は、定数2から、正規化された等化係数の振幅和を減算して伝送路信頼度を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、マルチキャリヤ変調信号の受信装置に関し、特に、デジタル放送や無線LANなどにおいて電波を受信する際に問題となるマルチパス環境においても、送信データを正しく受信することのできる受信装置に関する。
デジタル放送や無線LANなどに用いるマルチキャリヤ変調方式にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)がある。OFDMでは、マルチパスに対する耐性を得るために、ガードインターバル(GI:Guard Interval)またはサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)と呼ばれる期間を設けている。
一方、非特許文献1において、OFDMがトランスマルチプレクサの一種であることが指摘されている。図13は、一般的なトランスマルチプレクサの構成を示すブロック図である。このトランスマルチプレクサ100は、M個のインタポレータおよびM個の送信フィルタを備えた合成バンクと、M個の受信フィルタおよびM個のデシメータを備えた分析バンクとにより構成されている。合成バンクおよび分析バンクは、チャネル(伝送路)を介して接続される。
図14は、OFDMをトランスマルチプレクサとして表現したときの構成を示すブロック図である。図14からわかるように、OFDMは、フィルタ係数が全て1であり、かつフィルタ長がサブチャネル数と一致するプロトタイプフィルタのDFT変調トランスマルチプレクサである。このことは、OFDMのパルス形成フィルタが矩形窓関数を用いていることからも明らかである。
しかし、このOFDMにおけるプロトタイプフィルタは、第1サイドローブレベルが約−13dBであり、周波数特性が劣悪である。これに対応するため、GIを用い、チャネル等化が必要となる。非特許文献1では、より理想的な直交周波数分割多重を行うことにより、チャネルの影響を軽減できることが指摘されている。
また、DFT変調フィルタバンク(DFT変調トランスマルチプレクサの分析バンクと合成バンクが双対になって構成されたシステム)は、分析および合成のために、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)対を用いることができることから、実用面で有用であることが知られている。
非特許文献2には、DFT変調フィルタバンクにおいて、デシメーションを2段階にして修正を行うことにより、擬似的に完全再構成条件を満足することが記載されている。すなわち、出力信号が入力信号の時間遅れの定数倍とほぼ等しくなることが記載されている。
図15は、修正DFT変調合成バンクの構成を示すブロック図であり、図16は、修正DFT変調分析バンクの構成を示すブロック図である。図15において、修正DFT変調合成バンク101は、M個のサブチャネル信号を入力し、サブチャネル信号の実部成分および虚部成分を抽出してそれぞれ第1段階目のインタポレーションを行い、遅延させた実部成分と虚部成分とを合成する。そして、その合成信号に対して第2段階目のインタポレーションを行ってフィルタ処理を施し、全てのサブチャネル信号を合成して等価ベースバンド信号を出力する。図16において、修正DFT変調分析バンク102は、等価ベースバンド信号を入力し、M個の等価ベースバンド信号に分岐させ、それぞれフィルタ処理を施して第1段階目のデシメーションを行い、実部成分および遅延させた虚部成分に対して第2段階目のデシメーションを行い、実部成分と虚部成分とを合成してそれぞれM個のサブチャネル信号を出力する。
図15に示した修正DFT変調合成バンク101および図16に示した修正DFT変調分析バンク102をマルチキャリヤ変調方式の観点で見ると、修正DFT変調合成バンク101が変調器となり、修正DFT変調分析バンク102が復調器となる。すなわち、送受信端でそれぞれ修正DFT変調合成バンク101および修正DFT変調分析バンク102を用いることにより、マルチキャリヤ変調方式による信号伝送を実現することができる。この場合、サブチャネル数よりも長いフィルタ長のプロトタイプフィルタを用いることができるため、より良好な周波数特性を実現することができる。しかし、送受信間のチャネルにマルチパスなどによる歪みがある場合には、チャネル等化器が必要となる。
DFT変調トランスマルチプレクサに適用可能なチャネル等化器としては、例えば特許文献1に記載のものがある。このチャネル等化器は、等化係数を、パイロット信号を参照信号として最適化を行うことにより求めるものであるため、伝搬路特性を直接求めることができないという問題がある。
特開2010−98471号公報
Ali N. Akansu, Pierre Dubamel, Xueming Lin, and Marc de Courville. "Orthogonal transmultiplexers in communications: A review.", IEEE Trans. Signal Process., 46(4):979-995, April 1998. Tanja Karp and N. J. Fliege. "Modified DFT filter banks with perfect reconstruction.", IEEE Trans. Circuits Syst. II, 46(11):1404-1414, November 1999.
このように、従来のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、冗長な情報を伝送することなく、マルチパスに対する耐性を得ることができるものの、伝搬路特性を直接推定することができないという問題があった。また、この問題に付随して、誤り訂正復号を行う際に、伝搬路特性を用いてビットの信頼度を求めることができないという問題があった。したがって、従来のマルチキャリヤ変調信号受信装置では、特にビット誤りが有色である場合、誤り訂正復号の訂正機能を効果的に利用することができないという問題があった。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、修正DFT変調分析バンクを用いる場合に、等化係数を利用して伝搬路信頼度を求めることにより、ビット誤り耐性を有するマルチキャリヤ変調信号受信装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による請求項1のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、誤り訂正符号化された信号が修正DFT変調合成バンクによってマルチキャリヤ変調され、前記マルチキャリヤ変調された信号を受信するマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、前記受信した信号が直交復調された時間領域の等価ベースバンド信号を、最大間引き率の2倍のレートで周波数領域の等価ベースバンド信号に変換し、サブチャネル信号を出力する修正DFT変調分析バンクと、前記修正DFT変調分析バンクの出力するサブチャネル信号を等化するサブキャリヤ数分の線形等化器と、前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号から対数尤度比を算出する対数尤度比算出部と、前記対数尤度比算出部により算出された対数尤度比を用いて誤り訂正復号処理を行う誤り訂正復号部と、前記線形等化器にて用いる等化係数を算出する等化係数算出部と、前記等化係数算出部により算出された等化係数に基づいて伝送路信頼度を算出する伝送路信頼度算出部と、を備え、前記伝送路信頼度算出部が、前記等化係数算出部により算出された等化係数の振幅和を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部により算出された等化係数の振幅和を、全サブキャリヤについて平均が1となるように正規化する正規化部と、前記正規化部により正規化された等化係数の振幅和を、予め決められた値から減算し、前記伝送路信頼度を求める減算器と、を有し、前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号、前記等化後のサブチャネル信号の誤差、および前記伝送路信頼度算出部により算出された伝送路信頼度を用いて、前記誤り訂正復号部にて用いる対数尤度比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項2のマルチキャリヤ変調信号受信装置は請求項1に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、前記対数尤度比算出部が、既知のパイロットシンボルから、前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号を減算し、等化後のサブチャネル信号の誤差を出力する減算器と、前記減算器の出力する等化後のサブチャネル信号の誤差電力を算出する誤差電力算出部と、前記誤差電力算出部により算出された誤差電力に、前記伝送路信頼度算出部により算出された伝送路信頼度を乗算する第1の乗算器と、前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号と、前記第1の乗算器により乗算された等化後のサブチャネル信号の誤差電力とに基づいて、前記対数尤度比を算出する尤度比算出部と、を有することを特徴とする。
また、請求項3のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、請求項2に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、さらに、第2の乗算器を備え、前記対数尤度比算出部が、前記第1の乗算器および尤度比算出部の代わりに、前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号と前記誤差電力算出部により算出された誤差電力とに基づいて、前記対数尤度比を算出する尤度比算出部を有し、前記第2の乗算器が、前記対数尤度比算出部により算出された対数尤度比に、前記伝送路信頼度算出部により算出された伝送路信頼度を乗算し、前記誤り訂正復号部が、前記第2の乗算器により乗算された対数尤度比を用いて誤り訂正復号処理を行う、ことを特徴とする。
また、請求項4のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、請求項1から3までのいずれか一項に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、前記修正DFT変調分析バンクが、前記受信した信号が直交復調された時間領域の等価ベースバンド信号に対しデシメート処理およびフィルタ処理を施して第1の信号を生成し、遅延させた前記等価ベースバンド信号に対してデシメート処理およびフィルタ処理を施して第2の信号を生成し、前記第2の信号から実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記第1の信号から虚部成分および実部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる実部サブチャネル信号を生成するとともに、前記実部サブチャネル信号の第4および第3の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記実部サブチャネル信号の第2および第1の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる虚部サブチャネル信号を生成し、前記伝送路信頼度算出部の振幅算出部が、前記等化係数算出部により算出された等化係数のうち、前記修正DFT変調分析バンクにより生成された実部サブチャネル信号および虚部サブチャネル信号の第1および第4の信号に対応する等化係数の振幅和を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項5のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、請求項1から3までのいずれか一項に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、前記伝送路信頼度算出部が、前記等化係数算出部により算出された等化係数の振幅和を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部により算出された等化係数の振幅和を、全サブキャリヤについて平均が1となるように正規化する第1の正規化部と、前記第1の正規化部により正規化された等化係数の振幅和に、予め決められた値を乗算する第3の乗算器と、前記等化係数算出部により算出された等化係数の分散を算出する分散算出部と、前記分散算出部により算出された等化係数の分散を、全サブキャリヤについて平均が1となるように正規化する第2の正規化部と、前記第2の正規化部により正規化された等化係数の分散に、予め決められた値を乗算する第4の乗算器と、前記第3の乗算器により乗算された等化係数の振幅和と前記第4の乗算器により乗算された等化係数の分散とを加算する加算器と、前記加算器による加算結果を、予め決められた値から減算し、前記伝送路信頼度を求める減算器と、を有することを特徴とする。
また、請求項6のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、請求項5に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、前記修正DFT変調分析バンクが、前記受信した信号が直交復調された時間領域の等価ベースバンド信号に対しデシメート処理およびフィルタ処理を施して第1の信号を生成し、遅延させた前記等価ベースバンド信号に対してデシメート処理およびフィルタ処理を施して第2の信号を生成し、前記第2の信号から実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記第1の信号から虚部成分および実部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる実部サブチャネル信号を生成するとともに、前記実部サブチャネル信号の第4および第3の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記実部サブチャネル信号の第2および第1の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる虚部サブチャネル信号を生成し、前記伝送路信頼度算出部の振幅算出部が、前記等化係数算出部により算出された等化係数のうち、前記修正DFT変調分析バンクにより生成された実部サブチャネル信号および虚部サブチャネル信号の第1および第4の信号に対応する等化係数の振幅和を算出し、前記伝送路信頼度算出部の分散算出部が、前記等化係数算出部により算出された等化係数のうち、前記修正DFT変調分析バンクにより生成された実部サブチャネル信号および虚部サブチャネル信号の第1および第4の信号に対応する等化係数の分散を算出する、ことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、線形等化器が使用する等化係数を用いて伝送路信頼度を求め、伝送路信頼度に基づいた対数尤度比にて誤り訂正復号を行うようにした。これにより、伝搬路特性を用いて対数尤度比を算出するから、伝搬路特性を推定することなく、誤り訂正復号による訂正機能を効果的に利用することができ、ビット誤り耐性を有するマルチキャリヤ変調信号受信装置を提供することができる。
本発明の実施形態による第1(実施例1)のマルチキャリヤ変調信号受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による第2(実施例2)のマルチキャリヤ変調信号受信装置の構成を示すブロック図である。 実施例1における対数尤度比算出部の構成を示すブロック図である。 実施例2における対数尤度比算出部の構成を示すブロック図である。 伝送路信頼度算出部の第1の構成を示すブロック図である。 伝送路信頼度算出部の第2の構成を示すブロック図である。 伝送路信頼度算出部の第3の構成を示すブロック図である。 分析バンクの構成を示すブロック図である。 ポリフェーズ分析バンクの構成を示すブロック図である。 サブチャネル処理部の構成を示すブロック図である。 線形等化器の構成を示すブロック図である。 等化器の構成を示すブロック図である。 一般的なトランスマルチプレクサの構成を示すブロック図である。 OFDMをトランスマルチプレクサとして表現したときの構成を示すブロック図である。 修正DFT変調合成バンクの構成を示すブロック図である。 修正DFT変調分析バンクの構成を示すブロック図である。 計算機シミュレーションにより求めたBER特性の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。修正DFT変調分析バンクを用いるマルチキャリヤ変調信号受信装置において、線形等化器は、受信信号に等化係数を乗算することにより、受信信号を等化する。この線形等化器の等化処理は、等化係数の乗算により、受信信号の振幅が小さい場合は振幅を大きくし、受信信号の振幅が大きい場合は振幅を小さくする。一方で、マルチキャリヤ変調信号受信装置の受信信号において、振幅が大きいキャリヤが伝送しているデータの信頼度は高く、振幅が小さいキャリヤが伝送しているデータの信頼度は低いのが通常である。したがって、線形等化器にて用いる等化係数の振幅が大きい場合は、振幅が小さい受信信号を処理するから、受信信号のデータの信頼度が低く、等化係数の振幅が小さい場合は、振幅が大きい受信信号を処理するから、受信信号のデータの信頼度が高いといえる。本発明は、このような等化係数とデータの信頼度との関係に着目したものであり、伝送路信頼度を求める際に、等化係数の振幅が大きい場合は、伝送路信頼度が低くなるように、等化係数の振幅が小さい場合は、伝送路信頼度が高くなるように、等化係数に基づいて算出し、伝送路信頼度を反映した対数尤度比を算出することを特徴とする。
実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、等化係数から伝送路信頼度を算出し、同期加算したパイロットシンボルの誤差の振幅に伝送路信頼度を乗算して対数尤度比を算出し、この対数尤度比を用いて誤り訂正復号を行う。実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置は、等化係数から伝送路信頼度を算出し、等化後のキャリヤシンボルから算出した対数尤度比に伝送路信頼度を乗算し、乗算結果の対数尤度比を用いて誤り訂正復号を行う。
〔実施例1〕
まず、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置について説明する。図1は、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置の構成を示すブロック図である。このマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1は、周波数変換部2、A/D(アナログ/デジタル)変換部3、直交復調部4、分析バンク(修正DFT変調分析バンク)5、線形等化器6、等化係数算出部7、対数尤度比算出部8および誤り訂正復号部9を備えている。
周波数変換部2は、受信信号をIF信号に周波数変換する。周波数変換部2の出力するIF信号はA/D変換部3へ入力される。A/D変換部3は、周波数変換部2から入力されるIF信号(アナログIF信号)をデジタルIF信号にA/D変換する。A/D変換部3の出力するデジタルIF信号は直交復調部4へ入力される。直交復調部4は、A/D変換部3から入力されるデジタルIF信号を等価ベースバンド信号に直交復調する。直交復調部4の出力する等価ベースバンド信号は分析バンク5へ入力される。
分析バンク5は、直交復調部4から入力される時間領域の等価ベースバンド信号を、実質的に最大間引き率の2倍のレートで周波数領域の信号に変換し、通常の分析バンクにおける出力信号の実部成分および虚部成分の他に、通常の出力信号と対になる虚部成分および実部成分も合わせて出力する。すなわち、分析バンク5は、2系統の実部成分および2系統の虚部成分により構成される、合わせて4系統の実数信号からなる実部サブチャネル信号ベクトル、および、2系統の実部成分および2系統の虚部成分により構成される、合わせて4系統の実数信号からなる虚部サブチャネル信号ベクトルをそれぞれ出力する。分析バンク5の出力する実部サブチャネル信号ベクトルおよび虚部サブチャネル信号ベクトル(以下、総称してサブチャネル信号ベクトルという。)はそれぞれ2分配され、一方が線形等化器6へ、他方が等化係数算出部7へ入力される。
線形等化器6は、等化係数算出部7から入力される等化係数を用いて、分析バンク5から入力されるサブチャネル信号ベクトルを等化し、等化後のサブチャネル信号(等化後のキャリヤシンボル)を出力する。線形等化器6の出力する等化後のサブチャネル信号は2分配され、一方が対数尤度比算出部8へ、他方が等化係数算出部7へ入力される。
等化係数算出部7は、分析バンク5から入力されるサブチャネル信号ベクトルおよび線形等化器6から入力される等化後のサブチャネル信号を用いて、等化係数を算出し出力する。等化係数算出部7の出力する等化係数は2分配され、一方が線形等化器6へ、他方が等化係数算出部7へ入力される。
対数尤度比算出部8は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルおよび等化係数算出部7から入力される等化係数を用いて、ビットごとの対数尤度比を算出し出力する。対数尤度比算出部8の出力するビットごとの対数尤度比は誤り訂正復号部9へ入力される。誤り訂正復号部9は、対数尤度比算出部8から入力されるビットごとの対数尤度比を用いて誤り訂正復号処理を行い、ビット列を外部へ出力する。
〔実施例2〕
次に、実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置について説明する。図2は、実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置の構成を示すブロック図である。このマルチキャリヤ変調信号受信装置1−2は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、分析バンク5、線形等化器6、等化係数算出部7、伝送路信頼度算出部10、対数尤度比算出部11、乗算器12および誤り訂正復号部9を備えている。図1に示した実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1とこのマルチキャリヤ変調信号受信装置1−2とを比較すると、マルチキャリヤ変調信号受信装置1−2は、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1に備えた対数尤度比算出部8の代わりに、伝送路信頼度算出部10、対数尤度比算出部11および乗算器12を備えている点で相違する。周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、分析バンク5、線形等化器6、等化係数算出部7および誤り訂正復号部9については実施例1にて説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
線形等化器6の出力する等化後のサブチャネル信号は2分配され、一方が対数尤度比算出部11へ、他方が等化係数算出部7へ入力される。また、等化係数算出部7の出力する等化係数は2分配され、一方が線形等化器6へ、他方が伝送路信頼度算出部10へ入力される。
対数尤度比算出部11は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルを用いて、ビットごとの対数尤度比を算出し出力する。対数尤度比算出部11の出力するビットごとの対数尤度比は乗算器12へ入力される。
伝送路信頼度算出部10は、等化係数算出部7から入力される等化係数を用いて、サブキャリヤごとの伝送路信頼度を算出し出力する。伝送路信頼度算出部10の出力するサブキャリヤごとの伝送路信頼度は乗算器12へ入力される。
乗算器12は、対数尤度比算出部11から入力されるビットごとの対数尤度比に対して、伝送路信頼度算出部10から入力される、当該ビットが伝送されたサブキャリヤについての伝送路信頼度を乗算し、乗算後のビットごとの対数尤度比を出力する。乗算器12の出力する乗算後のビットごとの対数尤度比は誤り訂正復号部9へ入力される。誤り訂正復号部9は、乗算器12から入力される乗算後のビットごとの対数尤度比を用いて誤り訂正復号処理を行い、ビット列を外部へ出力する。
〔分析バンク(ポリフェーズ構成)〕
次に、図1および図2に示した分析バンク5のポリフェーズ構成について説明する。図8は、分析バンク5の構成を示すブロック図である。この分析バンク5は、遅延器21、ポリフェーズ分析バンク22−1,22−2およびサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)を備えている。分析バンク5は、直交復調部4から等価ベースバンド信号が入力され、サブチャネル信号ベクトル0〜M−1(実部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1および虚部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1)を生成し、サブチャネル信号ベクトル0〜M−1として出力する。
図1および図2に示した直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器21へ、他方がポリフェーズ分析バンク22−1へ入力される。遅延器21は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号をM/2サンプル遅延させて出力する。遅延器21の出力する等価ベースバンド信号はポリフェーズ分析バンク22−2へ入力される。
ポリフェーズ分析バンク22−1は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号をポリフェーズ分析し、第1のサブチャネル信号0〜M−1を生成する。ポリフェーズ分析バンク22−1の出力する第1のサブチャネル信号0〜M−1は、対応するサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)へ入力される。
ポリフェーズ分析バンク22−2は、遅延器21から入力される等価ベースバンド信号をポリフェーズ分析し、第2のサブチャネル信号0〜M−1を生成する。ポリフェーズ分析バンク22−2の出力する第2のサブチャネル信号0〜M−1は、対応するサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)へ入力される。
サブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)は、ポリフェーズ分析バンク22−1,22−2から入力されるそれぞれのサブチャネル信号0〜M−1に、サブチャネルごとの処理を行い、サブチャネル信号ベクトル0〜M−1(実部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1および虚部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1)、すなわち実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルk(サブチャネル信号ベクトルk)を生成して出力する。
〔ポリフェーズ分析バンク〕
次に、図8に示したポリフェーズ分析バンク22−1,22−2(以下、総称してポリフェーズ分析バンク22という。)について説明する。図9は、ポリフェーズ分析バンク22の構成を示すブロック図である。このポリフェーズ分析バンク22は、遅延器24−1〜24−(M−1)、デシメータ25−0〜25−(M−1)、ポリフェーズフィルタ26−0〜26−(M−1)、FFT部27および乗算器28−0〜28−(M−1)を備えている。ポリフェーズ分析バンク22は、等価ベースバンド信号を入力し、サブチャネル信号0〜M−1を生成して出力する。
ポリフェーズ分析バンク22に入力される等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器24−1へ、他方がデシメータ25−0へ入力される。遅延器24−1は、入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器24−1の出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器24−2へ、他方がデシメータ25−1へ入力される。
同様に、遅延器24−k(2≦k<M−1)は、前段の遅延器24−(k−1)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器24−kの出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が後段の遅延器24−(k+1)へ、他方がデシメータ25−kへ入力される。
遅延器24−(M−1)は、前段の遅延器24−(M−2)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器24−(M−1)の出力する等価ベースバンド信号はデシメータ25−(M−1)へ入力される。
デシメータ25−k(0≦k≦M−1)は、等価ベースバンド信号を入力し、等価ベースバンド信号に対し、比Mのデシメーション処理を行う。デシメータ25−kの出力するデシメーション後の等価ベースバンド信号はポリフェーズフィルタ26−kへ入力される。
ポリフェーズフィルタ26−k(0≦k≦M−1)は、デシメータ25−kから入力されるデシメーション後の等価ベースバンド信号にポリフェーズフィルタ処理を行う。ポリフェーズフィルタ26−kの出力するポリフェーズフィルタ処理後の等価ベースバンド信号はFFT部27へ入力される。
ポリフェーズフィルタE(z)は、プロトタイプフィルタp(n)のType1のポリフェーズ成分であり、以下の式で表される。
Figure 2014116872
ここで、Nはプロトタイプフィルタのフィルタ長を、Mはサブチャネル数を示す自然数を、kは任意のサブチャネルをそれぞれ示す。
FFT部27は、ポリフェーズフィルタ26−kから入力されるポリフェーズフィルタ処理後のそれぞれの等価ベースバンド信号をFFT処理する。FFT部27の出力するM個のサブチャネル信号はそれぞれ乗算器28−kへ入力される。
乗算器28−k(0≦k≦M−1)は、FFT部27から入力されるサブチャネル信号にjM−kを乗算する。ただしjは虚数単位である。乗算器28−kの出力するサブチャネル信号kは、図8に示したサブチャネル処理部23−kへ入力される。
このように、ポリフェーズ分析バンク22は、等価ベースバンド信号を入力し、サブチャネル信号0〜M−1を生成してサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)に出力する。以下、ポリフェーズ分析バンク22−1の出力するサブチャネル信号をk1とし、ポリフェーズ分析バンク22−2の出力するサブチャネル信号をk2とする。
〔分析バンク(ポリフェーズ構成)のサブチャネル処理部〕
次に、図8に示したサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)について説明する。図10は、サブチャネル処理部23−k(0≦k≦M−1)の構成を示すブロック図である。このサブチャネル処理部23−kは、実部抽出部29−1,29−2、虚部抽出部30−1,30−2、遅延器31−1,31−2および乗算器32−1,32−2を備えている。サブチャネル処理部23−kは、ポリフェーズ分析バンク22−1からサブチャネル信号k1を入力するとともに、ポリフェーズ分析バンク22−2からサブチャネル信号k2を入力し、8個の要素からなるサブチャネル信号ベクトルk(4個の要素からなる実部サブチャネル信号ベクトルkおよび4個の要素からなる虚部サブチャネル信号ベクトルk)を生成して出力する。
図8に示したポリフェーズ分析バンク22−2から入力されるサブチャネル信号k2は2分配され、一方が実部抽出部29−1へ、他方が虚部抽出部30−1へ入力される。図8に示したポリフェーズ分析バンク22−1から入力されるサブチャネル信号k1は2分配され、一方が実部抽出部29−2へ、他方が虚部抽出部30−2へ入力される。
実部抽出部29−1は、ポリフェーズ分析バンク22−2から入力されるサブチャネル信号k2から実部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。実部抽出部29−1の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力され、他方が遅延器31−2へ入力される。
虚部抽出部30−1は、ポリフェーズ分析バンク22−2から入力されるサブチャネル信号k2から虚部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。虚部抽出部30−1の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力され、他方が遅延器31−1へ入力される。
虚部抽出部30−2は、ポリフェーズ分析バンク22−1から入力されるサブチャネル信号k1から虚部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。虚部抽出部30−2の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素として、他方が虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力される。
実部抽出部29−2は、ポリフェーズ分析バンク22−1から入力されるサブチャネル信号k1から実部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。実部抽出部29−2の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力され、他方が乗算器32−1へ入力される。
乗算器32−1は、実部抽出部29−2から入力される実数サブチャネル信号に−1を乗算し、符号を反転させる。乗算器32−1の出力する、符号が反転した実数サブチャネル信号は、虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力される。
遅延器31−1は、虚部抽出部30−1から入力される実数サブチャネル信号を1サンプル遅延させる。遅延器31−1の出力する実数サブチャネル信号は、虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力される。
遅延器31−2は、実部抽出部29−1から入力される実数サブチャネル信号を1サンプル遅延させる。遅延器31−2の出力する実数サブチャネル信号は乗算器32−2に入力される。乗算器32−2は、遅延器31−2から入力される実数サブチャネル信号に−1を乗算し、符号を反転させる。乗算器32−2の出力する、符号が反転した実数サブチャネル信号は、虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部23−kから出力される。
このように、実部抽出部29−1の出力する実数サブチャネル信号、虚部抽出部30−1の出力する実数サブチャネル信号、虚部抽出部30−2の出力する実数サブチャネル信号および実部抽出部29−2の出力する実数サブチャネル信号は、それぞれを要素とする実部サブチャネル信号ベクトルkとしてサブチャネル処理部23−kから出力される。また、虚部抽出部30−2の出力する実数サブチャネル信号、乗算器32−1の出力する実数サブチャネル信号、遅延器31−1の出力する実数サブチャネル信号および乗算器32−2の出力する実数サブチャネル信号は、それぞれを要素とする虚部サブチャネル信号ベクトルkとしてサブチャネル処理部23−kから出力される。
なお、実部抽出部29−1により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 2014116872
とし、虚部抽出部30−1により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 2014116872
とし、虚部抽出部30−2により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 2014116872
とし、実部抽出部29−2により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 2014116872
とすると、実部サブチャネル信号ベクトルkは、以下のようになる。
Figure 2014116872
ここで、上付きのTは転置を、下付きのkはサブチャネルを、上付きのRおよびIはそれぞれ実部および虚部を、zは最大間引きレートであること、すなわちサンプル間隔がシンボル長の1/Mであることを示す。
一方、虚部サブチャネル信号ベクトルkは、以下のようになる。
Figure 2014116872
図8、図9および図10において、デシメータ25−0〜25−(M−1)の前段に設けられた遅延器21,24−1〜24−(M−1)は、最大間引きレート(サンプル間隔がシンボル長の1/Mとなるレート)のM倍で動作する。また、デシメータ25−0〜25−(M−1)の後段に設けられたポリフェーズフィルタ26−0〜26−(M−1)、FFT部27、乗算器28−0〜28−(M−1)、実部抽出部29−1,29−2、虚部抽出部30−1,30−2、遅延器31−1,31−2および乗算器32−1,32−2は、最大間引きレートで動作する。しかし、サブチャネル処理部23−kでは、ポリフェーズ分析バンク22−1,22−2それぞれから最大間引きレートのサブチャネル信号k1,k2が入力され、間引きが行われることなく2個の信号に分岐し、分岐した2個のサブチャネル信号に対して同じサンプリングレート(最大間引きレート)で処理が行われる。そして、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkが出力されるため、サブチャネル処理部23−k全体として、実質的に最大間引き率の2倍のレートで動作する。
このように、分析バンク5によれば、実部サブチャネル信号ベクトルkを生成するとともに、この実部サブチャネル信号ベクトルkに基づいて虚部サブチャネル信号ベクトルkを生成するようにした。また、前記式(3)に示したように、実部サブチャネル信号ベクトルkから虚部サブチャネル信号ベクトルkへの変換は、定数である変換行列により行われる。これにより、後段の線形等化器6において、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkに対して異なる等化係数を用いることなく、両ベクトルにそれぞれ共通の等化係数を用いて線形等化を行うことができ好適である。
〔線形等化器〕
次に、図1および図2に示した線形等化器6について説明する。図11は、線形等化器の構成を示すブロック図である。この線形等化器6’は、等化器41−1,41−2、乗算器42および加算器43を備えている。線形等化器6’は、図1および図2に示した分析バンク5から実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkが入力され、サブチャネルごとに、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkがそれぞれ等化器41−1,41−2により等化係数を用いて等化され、等化後の実部および虚部からなる複素キャリヤシンボルを出力する。すなわち、図1および図2に示した線形等化器6は、図11に示した線形等化器6’をサブキャリアの数M個備えて構成される。
図1および図2に示した分析バンク5の出力する実部サブチャネル信号ベクトルkは等化器41−1へ入力され、虚部サブチャネル信号ベクトルkは等化器41−2へ入力される。また、図示していないが、図1および図2に示した等化係数算出部7の出力する等化係数は等化器41−1,41−2へ入力される。等化器41−1は、分析バンク5から入力される実部サブチャネル信号ベクトルkを、等化係数算出部7から入力される等化係数で等化し、等化器41−2は、分析バンク5から入力される虚部サブチャネル信号ベクトルkを、等化係数算出部7から入力される等化係数で等化する。等化器41−1の出力する等化後の実部サブチャネル信号k(等化後の実部のキャリヤシンボル)は加算器43へ入力され、等化器41−2の出力する等化後の虚部サブチャネル信号k(等化後の虚部のキャリヤシンボル)は乗算器42へ入力される。
乗算器42は、等化器41−2から入力される虚部のキャリヤシンボルに1jを乗算する。乗算器42の出力する、1jが乗算された虚部のキャリヤシンボルは加算器43へ入力される。
加算器43は、等化器41−1から入力される実部のキャリヤシンボルと、乗算器42から入力される虚部のキャリヤシンボルとを加算し、複素キャリヤシンボルを生成する。加算器43の出力する複素キャリヤシンボルは、図1に示した実施例1の場合は対数尤度比算出部8および等化係数算出部7へ、図2に示した実施例2の場合は対数尤度比算出部11および等化係数算出部7へそれぞれ入力される。
〔等化器〕
次に、図11に示した等化器41−1,41−2(以下、総称して等化器41という。)について説明する。図12は、等化器41の構成を示すブロック図である。この等化器41は、適応フィルタ44−1〜44−4および加算器45を備えている。等化器41は、分析バンク5から入力される実部サブチャネル信号ベクトルkまたは虚部サブチャネル信号ベクトルkをサブチャネルごとに、等化係数算出部7から入力される等化係数で等化し、等化後の実部サブチャネル信号k(キャリヤシンボル)または虚部サブチャネル信号k(キャリヤシンボル)を出力する。
適応フィルタ44−1〜44−4は、分析バンク5から入力される実部サブチャネル信号ベクトルkである
Figure 2014116872
の要素、または虚部サブチャネル信号ベクトルkである
Figure 2014116872
の要素を、図1および図2に示した等化係数算出部7から入力される等化係数によりフィルタ処理する。適応フィルタ44−1〜44−4の出力するフィルタ処理後の実部サブチャネル信号ベクトルkの要素または虚部サブチャネル信号ベクトルkの要素は加算器45へ入力される。
加算器45は、適応フィルタ44−1〜44−4から入力されるフィルタ処理後の実部サブチャネル信号ベクトルkの要素または虚部サブチャネル信号ベクトルkの要素を加算する。加算器45の出力する等化後の実部サブチャネル信号(キャリヤシンボル)は、図11に示した加算器43へ入力される。また、加算器45の出力する等化後の虚部サブチャネル信号(キャリヤシンボル)は、図11に示した乗算器42へ入力される。
〔等化係数算出部〕
次に、図1および図2に示した等化係数算出部7について説明する。等化係数算出部7は、分析バンク5から入力されるサブチャネル信号ベクトルおよび線形等化器6から入力される等化後のサブチャネル信号を用いて、公知手法により等化係数を算出する。ここでは、公知手法として収束特性に優れたRLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムを例に説明する。
時刻nにおける等化係数をw(n)、入力信号の相関逆行列をP(n)とし、以下のように初期化する。
Figure 2014116872
Figure 2014116872
ここで、δは正の微小量(初期定数)を示し、Iは単位行列を示す。
分析バンク5から入力されるサブチャネル信号ベクトルである入力信号ベクトルをu(n)とし、以下のように等化係数を更新する。
Figure 2014116872
Figure 2014116872
Figure 2014116872
Figure 2014116872
Figure 2014116872
Figure 2014116872
ここで、前記式(9)の右辺の第1項は、既知のパイロット信号d(n)を示し、第2項は、線形等化器6により出力された等化後のサブチャネル信号から抽出したパイロット信号を示す。また、k(n)はゲインベクトルを示し、Tri{・}は対角要素を対称軸とする対称行列化演算子を示す。また、λは忘却係数(0<λ≦1)を示す。
〔対数尤度比算出部〕
次に、図1に示した実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1に備えた対数尤度比算出部8、および図2に示した実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−2に備えた対数尤度比算出部11について説明する。図3は、実施例1における対数尤度比算出部8の構成を示すブロック図である。この対数尤度比算出部8は、パイロットシンボル生成部51、減算器52、振幅算出部53、同期加算部54、伝送路信頼度算出部55、減算器56、乗算器57および尤度比算出部58を備えている。前述のとおり、対数尤度比算出部8は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルおよび等化係数算出部7から入力される等化係数を用いて、ビットごとの対数尤度比を算出する。
線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルは2分配され、一方が尤度比算出部58へ、他方が減算器52へ入力される。パイロットシンボル生成部51は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルのうちパイロットシンボルに割り当てられているキャリヤシンボルについての既知の値を生成して出力する。パイロットシンボル生成部51の出力する既知のパイロットシンボルは減算器52へ入力される。減算器52は、パイロットシンボル生成部51から入力される既知のパイロットシンボルから、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボル(パイロットシンボル)を減算して誤差を算出し出力する。減算器52の出力する誤差は振幅算出部53へ入力される。
振幅算出部53は、減算器52から入力されるサブキャリヤごとに誤差の振幅を求めて出力する。振幅算出部53の出力するサブキャリヤごとの誤差の振幅は同期加算部54へ入力される。同期加算部54は、振幅算出部53から入力されるサブキャリヤごとの誤差の振幅を同期加算して出力する。同期加算部54の出力する同期加算された誤差の振幅は乗算器57へ入力される。尚、振幅算出部53および同期加算部54により誤差電力算出部が構成される。誤差電力算出部は、減算器52から入力されるサブキャリヤごとの誤差電力を求めて出力する。誤差電力算出部の出力する誤差電力は、同期加算された誤差の振幅として乗算器57へ入力される。
等化係数算出部7から入力される等化係数は伝送路信頼度算出部55へ入力される。伝送路信頼度算出部55は、等化係数算出部7から入力される等化係数から、サブキャリヤごとの伝送路信頼度を求めて出力する。伝送路信頼度算出部55の出力するサブキャリヤごとの伝送路信頼度は減算器56へ入力される。減算器56は、定数2から、伝送路信頼度算出部55から入力されるサブキャリヤごとの伝送路信頼度を減算して出力する。減算器56の出力する、2から減算された伝送路信頼度は乗算器57へ入力される。
乗算器57は、同期加算部54から入力される同期加算された誤差の振幅に、減算器56から入力される伝送路信頼度をサブキャリヤごとに乗算して出力する。乗算器57の出力する、伝送路信頼度が乗算された誤差の振幅は尤度比算出部58へ入力される。
尤度比算出部58は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボル、および乗算器57から入力される伝送路信頼度が乗算された誤差の振幅を用いて、次式により対数尤度比を算出する。尤度比算出部58の出力する対数尤度比は誤り訂正復号部9へ入力される。
Figure 2014116872
ここで、L(k,n)は、サブキャリヤ番号kのn番目のビットに対する対数尤度比、Sn0およびSn1は、n番目のビットがそれぞれ0,1である信号点の集合、σk 2は、サブキャリヤ番号kの伝送路信頼度が乗算された誤差の振幅を示す。また、(x,y)は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルを示す。
図4は、実施例2における対数尤度比算出部11の構成を示すブロック図である。この対数尤度比算出部11は、パイロットシンボル生成部51、減算器52、振幅算出部53、同期加算部54および尤度比算出部58を備えている。前述のとおり、対数尤度比算出部11は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボルを用いて、ビットごとの対数尤度比を算出する。図3に示した実施例1の対数尤度比算出部8とこの対数尤度比算出部11とを比較すると、対数尤度比算出部11は、対数尤度比算出部8の伝送路信頼度算出部55、減算器56および乗算器57を備えていない点で相違する。対数尤度比算出部11に備えていない伝送路信頼度算出部55および減算器56は、図2に示した伝送路信頼度算出部10に相当し、乗算器57は、図2に示した乗算器12に相当し、これらは上位の構成に含まれている。
つまり、図1に示した実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1と図2に示した実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−2とを比較すると、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1は、図3に示した対数尤度比算出部8にて説明したとおり、同期加算されたパイロットシンボルの誤差の振幅に伝送路信頼度を乗算して対数尤度比を算出し、算出した対数尤度比により誤り訂正復号を行うのに対し、実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−2では、算出した対数尤度比に伝送路信頼度を乗算し、乗算結果の対数尤度比により誤り訂正復号を行う点で相違する。両者は対数尤度比の求め方が異なるが、本質的に同一の意味を与える。
対数尤度比算出部11の各構成部については対数尤度比算出部8にて説明済みであるから、ここでは説明を省略する。なお、対数尤度比算出部11の尤度比算出部58は、線形等化器6から入力される等化後のキャリヤシンボル、および同期加算部54から入力される誤差の振幅を用いて、前記式(12)により対数尤度比を算出する。この場合、前記式(12)のσk 2は、サブキャリヤ番号kにおける誤差の振幅を示す。
〔伝送路信頼度算出部〕
次に、図2に示した伝送路信頼度算出部10および図3に示した伝送路信頼度算出部55について説明する。図5は、伝送路信頼度算出部10の第1の構成を示すブロック図である。この伝送路信頼度算出部10は、振幅算出部61−1〜61−4、加算器62、正規化部63および減算器64を備えている。尚、図3に示した伝送路信頼度算出部55は、その後段に減算器56を備えているから、図5に示す構成のうち減算器64を含まない構成となる。減算器64が減算器56に対応するからである。つまり、伝送路信頼度算出部55は、振幅算出部61−1〜61−4および加算器62を備えている。後述する図6および図7についても同様である。
前述のとおり、伝送路信頼度算出部10は、等化係数算出部7から入力される4系統の等化係数を用いて、サブキャリヤごとの伝送路信頼度を算出する。等化係数算出部7から入力される4系統の等化係数は、図12に示した等化器41の適応フィルタ44−1〜44−4にて用いる適応フィルタの係数に相当する。
振幅算出部61−1〜61−4は、サブキャリヤごとに、等化係数算出部7から入力される4系統それぞれの等化係数の振幅を、そのタップごとに算出して出力する。振幅算出部61−1〜61−4の出力するそれぞれの等化係数の振幅は加算器62へ入力される。加算器62は、サブキャリヤごとに、振幅算出部61−1〜61−4から入力されるそれぞれの等化係数の振幅を加算して出力する。加算器62の出力する加算結果である等化係数の振幅和は正規化部63へ入力される。
正規化部63は、サブキャリヤごとに、加算器62から入力される等化係数の振幅和を、全サブキャリヤの平均が1となるように正規化して出力する。正規化部63の出力する正規化された等化係数の振幅和は減算器64へ入力される。減算器64は、定数2から、正規化部63から入力される正規化された等化係数の振幅和を減算し、減算結果を伝送路信頼度として出力する。減算器64の出力する伝送路信頼度は乗算器12へ入力される。
図6は、伝送路信頼度算出部10の第2の構成を示すブロック図である。この伝送路信頼度算出部10は、振幅算出部61−1,61−4、加算器62、正規化部63および減算器64を備えている。図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成とこの第2の構成とを比較すると、両伝送路信頼度算出部10は、振幅算出部61−1,61−4、加算器62、正規化部63および減算器64を備えている点で同一であるが、伝送路信頼度算出部10の第2の構成は、伝送路信頼度算出部10の第1の構成における振幅算出部61−2,61−3を備えていない点で相違する。振幅算出部61−1,61−4、加算器62、正規化部63および減算器64については図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成にて説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
伝送路信頼度算出部10の第2の構成は、等化係数算出部7から入力される4系統の等化係数のうち2系統の等化係数を用いて、サブキャリヤごとの伝送路信頼度を算出する。等化係数算出部7から入力される4系統の等化係数のうち伝送路信頼度算出部10にて用いる2系統の等化係数は、図12に示した等化器41の適応フィルタ44−1,44−4にて用いる適応フィルタの係数に相当する。
このように、図6に示した伝送路信頼度算出部10の第2の構成によれば、図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成に比べて振幅算出部61−2,61−3を備えていないから、回路規模を削減することができるという利点がある。また、図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成において、振幅算出部61−1,61−4へ入力される等化係数の振幅は、振幅算出部61−2,61−3へ入力される等化係数の振幅よりも大きい。したがって、伝送路信頼度算出部10の第2の構成により算出される伝送路信頼度の特性劣化は少なくて済む。これは、振幅算出部61−1,61−4へ入力される等化係数は、伝送路の主波成分を抽出するために用いるものであるのに対し、振幅算出部61−2,61−3へ入力される等化係数は、伝送路の歪みが存在する場合に、キャリヤ内およびシンボル間の干渉成分を抑圧するために用いるものであることによる。
(分散重み付け)
図7は、伝送路信頼度算出部10の第3の構成を示すブロック図である。この伝送路信頼度算出部10は、振幅算出部61−1〜61−4、分散算出部71−1〜71−4、加算器62−1,62−2、正規化部63−1,63−2、乗算器72−1,72−2、加算器73および減算器64を備えている。図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成とこの第3の構成とを比較すると、両伝送路信頼度算出部10は、振幅算出部61−1〜61−4、加算器62,62−1、正規化部63,63−1および減算器64を備えている点で同一であるが、伝送路信頼度算出部10の第3の構成は、伝送路信頼度算出部10の第1の構成に加え、分散算出部71−1〜71−4、加算器62−2、正規化部63−2、乗算器72−1,72−2および加算器73を備えている点で相違する。
伝送路信頼度算出部10の第3の構成は、等化係数算出部7から入力される4系統の等化係数を用いて、サブキャリヤごとの伝送路信頼度を算出する。等化係数算出部7から入力される4系統の等化係数は、図12に示した等化器41の適応フィルタ44−1〜44−4にて用いる適応フィルタの係数に相当する。
振幅算出部61−1〜61−4、加算器62−1および正規化部63−1については図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成にて説明済みであるから、ここでは説明を省略する。正規化部63−1の出力する正規化された等化係数の振幅和は乗算器72−1へ入力される。乗算器72−1は、正規化部63−1から入力される正規化された等化係数の振幅和に、予め決められた定数を乗算して出力する。乗算器72−1の出力する乗算結果は加算器73へ入力される。ここで、乗算器72−1における定数、および後述する乗算器72−2における定数は、これらの和が1となるように予め決められている。
分散算出部71−1〜71−4は、サブキャリヤごとに、等化係数算出部7から入力される4系統それぞれの等化係数の分散を、そのタップごとに算出して出力する。分散算出部71−1〜71−4の出力するそれぞれの等化係数の分散は加算器62−2へ入力される。加算器62−2は、サブキャリヤごとに、分散算出部71−1〜71−4から入力されるそれぞれの等化係数の分散を加算して出力する。加算器62−2の出力する加算結果である等化係数の分散和は正規化部63−2へ入力される。
正規化部63−2は、サブキャリヤごとに、加算器62−2から入力される等化係数の分散和を、全サブキャリヤの平均が1となるように正規化して出力する。正規化部63−2の出力する正規化された等化係数の分散和は乗算器72−2へ入力される。乗算器72−2は、正規化部63−2から入力される正規化された等化係数の分散和に、予め決められた定数を乗算して出力する。乗算器72−2の出力する乗算結果は加算器73へ入力される。前述のとおり、乗算器72−2における定数、および乗算器72−1における定数は、これらの和が1となるように予め決められている。
加算器73は、乗算器72−1から入力される正規化された等化係数の振幅和の乗算結果と乗算器72−2から入力される正規化された等化係数の分散和の乗算結果とを加算して出力する。加算器73の出力する加算結果は減算器64へ入力される。減算器64は、定数2から、加算器73から入力される、正規化された等化係数の振幅和の乗算結果と分散和の乗算結果との加算結果を減算し、減算結果を伝送路信頼度として出力する。減算器64の出力する伝送路信頼度は乗算器12へ入力される。
このように、図7に示した伝送路信頼度算出部10の第3の構成によれば、例えば、伝送路の歪み以外に周波数依存の高い干渉成分が受信信号に含まれている場合、その干渉成分が等化係数に与える影響は白色であるため、分散算出部71−1〜71−4、加算器62−2、正規化部63−2および乗算器72−2により算出される等化係数の分散和に反映され、結果として、伝送路信頼度は、干渉成分が存在しない場合よりも低くなる。これにより、図5に示した伝送路信頼度算出部10の第1の構成および図6に示した伝送路信頼度算出部10の第2の構成に比べ、精度の高い伝送路信頼度を算出することができる。
尚、図7に示した伝送路信頼度算出部10の第3の構成の変形例として、図6に示した構成に準じて、振幅算出部61−2,61−3および分散算出部71−2,71−3を備えていなくてもよい。これにより、伝送路信頼度算出部10の第3の構成よりも回路規模を削減することができる。
〔実験結果〕
図17は、計算機シミュレーションにより求めたBER特性の例を示す図であり、誤り訂正符号化したデジタルデータを、図1に示した実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1、および伝送路信頼度を用いない従来のマルチキャリヤ変調信号受信装置により、マルチパス伝搬路を介して伝送した場合のBER特性の例を示している。ただし、分割数Mは1024、シンボル長は126μsとし、伝搬路は、D/U3dB、遅延時間1μsのマルチパス環境とした。また、誤り訂正符号はLDPC符号(符号長64800)、符号化率3/4とした。
図17に示すBER特性から、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1のBER特性(2)と従来のマルチキャリヤ変調信号受信装置のBER特性(1)とを比較すると、例えば1×10−7のBERを得るために、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1では約2dB程度の改善が得られることがわかる。
以上のように、実施例1のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−1によれば、実質的に最大間引き率の2倍のレートで動作する分析バンク5、線形等化器6、等化係数算出部7、伝送路信頼度算出部55および減算器56を含む対数尤度比算出部8、および誤り訂正復号部9を備え、対数尤度比算出部8が、等化係数算出部7の出力する等化係数から伝送路信頼度を算出し、等化後のキャリヤシンボルと、伝送路信頼度が反映された等化後のキャリヤシンボルの誤差とを用いて対数尤度比を算出するようにした。これにより、伝搬路特性を用いることなく伝送路信頼度を用いて対数尤度比を算出するから、誤り訂正復号による訂正機能を効果的に利用することができ、ビット誤り耐性を有するマルチキャリヤ変調信号受信装置を実現することが可能となる。
また、実施例2のマルチキャリヤ変調信号受信装置1−2によれば、実質的に最大間引き率の2倍のレートで動作する分析バンク5、線形等化器6、等化係数算出部7、伝送路信頼度算出部10、対数尤度比算出部11、乗算器12および誤り訂正復号部9を備え、伝送路信頼度算出部10が、等化係数算出部7の出力する等化係数から伝送路信頼度を算出し、対数尤度比算出部11が、等化後のキャリヤシンボルの誤差を用いて対数尤度比を算出し、乗算器12が、対数尤度比に伝送路信頼度を乗算して、誤り訂正復号にて用いる新たな対数尤度比を求めるようにした。これにより、実施例1と同様に、伝搬路特性を用いることなく伝送路信頼度を用いて対数尤度比を算出するから、誤り訂正復号による訂正機能を効果的に利用することができ、ビット誤り耐性を有するマルチキャリヤ変調信号受信装置を実現することが可能となる。
1 マルチキャリヤ変調信号受信装置
2 周波数変換部
3 A/D変換部
4 直交復調部
5 分析バンク
6 線形等化器
7 等化係数算出部
8,11 対数尤度比算出部
9 誤り訂正復号部
10,55 伝送路信頼度算出部
12,28,32,42,57,72 乗算器
21,24,31 遅延器
22 ポリフェーズ分析バンク
23 サブチャネル処理部
25 デシメータ
26 ポリフェーズフィルタ
27 FFT部
29 実部抽出部
30 虚部抽出部
41 等化器
43,45,62,73 加算器
44 適応フィルタ
51 パイロットシンボル生成部
52,56,64 減算器
53,61 振幅算出部
54 同期加算部
58 尤度比算出部
63 正規化部
71 分散算出部
100 トランスマルチプレクサ
101 修正DFT変調合成バンク
102 修正DFT変調分析バンク

Claims (6)

  1. 誤り訂正符号化された信号が修正DFT変調合成バンクによってマルチキャリヤ変調され、前記マルチキャリヤ変調された信号を受信するマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、
    前記受信した信号が直交復調された時間領域の等価ベースバンド信号を、最大間引き率の2倍のレートで周波数領域の等価ベースバンド信号に変換し、サブチャネル信号を出力する修正DFT変調分析バンクと、
    前記修正DFT変調分析バンクの出力するサブチャネル信号を等化するサブキャリヤ数分の線形等化器と、
    前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号から対数尤度比を算出する対数尤度比算出部と、
    前記対数尤度比算出部により算出された対数尤度比を用いて誤り訂正復号処理を行う誤り訂正復号部と、
    前記線形等化器にて用いる等化係数を算出する等化係数算出部と、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数に基づいて伝送路信頼度を算出する伝送路信頼度算出部と、を備え、
    前記伝送路信頼度算出部が、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数の振幅和を算出する振幅算出部と、
    前記振幅算出部により算出された等化係数の振幅和を、全サブキャリヤについて平均が1となるように正規化する正規化部と、
    前記正規化部により正規化された等化係数の振幅和を、予め決められた値から減算し、前記伝送路信頼度を求める減算器と、を有し、
    前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号、前記等化後のサブチャネル信号の誤差、および前記伝送路信頼度算出部により算出された伝送路信頼度を用いて、前記誤り訂正復号部にて用いる対数尤度比を求める、ことを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  2. 請求項1に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、
    前記対数尤度比算出部が、
    既知のパイロットシンボルから、前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号を減算し、等化後のサブチャネル信号の誤差を出力する減算器と、
    前記減算器の出力する等化後のサブチャネル信号の誤差電力を算出する誤差電力算出部と、
    前記誤差電力算出部により算出された誤差電力に、前記伝送路信頼度算出部により算出された伝送路信頼度を乗算する第1の乗算器と、
    前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号と、前記第1の乗算器により乗算された等化後のサブチャネル信号の誤差電力とに基づいて、前記対数尤度比を算出する尤度比算出部と、を有することを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  3. 請求項2に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、
    さらに、第2の乗算器を備え、
    前記対数尤度比算出部が、前記第1の乗算器および尤度比算出部の代わりに、
    前記線形等化器により等化された等化後のサブチャネル信号と前記誤差電力算出部により算出された誤差電力とに基づいて、前記対数尤度比を算出する尤度比算出部を有し、
    前記第2の乗算器が、
    前記対数尤度比算出部により算出された対数尤度比に、前記伝送路信頼度算出部により算出された伝送路信頼度を乗算し、
    前記誤り訂正復号部が、
    前記第2の乗算器により乗算された対数尤度比を用いて誤り訂正復号処理を行う、ことを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、
    前記修正DFT変調分析バンクが、
    前記受信した信号が直交復調された時間領域の等価ベースバンド信号に対しデシメート処理およびフィルタ処理を施して第1の信号を生成し、遅延させた前記等価ベースバンド信号に対してデシメート処理およびフィルタ処理を施して第2の信号を生成し、前記第2の信号から実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記第1の信号から虚部成分および実部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる実部サブチャネル信号を生成するとともに、前記実部サブチャネル信号の第4および第3の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記実部サブチャネル信号の第2および第1の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる虚部サブチャネル信号を生成し、
    前記伝送路信頼度算出部の振幅算出部が、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数のうち、前記修正DFT変調分析バンクにより生成された実部サブチャネル信号および虚部サブチャネル信号の第1および第4の信号に対応する等化係数の振幅和を算出する、ことを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  5. 請求項1から3までのいずれか一項に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、
    前記伝送路信頼度算出部が、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数の振幅和を算出する振幅算出部と、
    前記振幅算出部により算出された等化係数の振幅和を、全サブキャリヤについて平均が1となるように正規化する第1の正規化部と、
    前記第1の正規化部により正規化された等化係数の振幅和に、予め決められた値を乗算する第3の乗算器と、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数の分散を算出する分散算出部と、
    前記分散算出部により算出された等化係数の分散を、全サブキャリヤについて平均が1となるように正規化する第2の正規化部と、
    前記第2の正規化部により正規化された等化係数の分散に、予め決められた値を乗算する第4の乗算器と、
    前記第3の乗算器により乗算された等化係数の振幅和と前記第4の乗算器により乗算された等化係数の分散とを加算する加算器と、
    前記加算器による加算結果を、予め決められた値から減算し、前記伝送路信頼度を求める減算器と、を有することを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  6. 請求項5に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置において、
    前記修正DFT変調分析バンクが、
    前記受信した信号が直交復調された時間領域の等価ベースバンド信号に対しデシメート処理およびフィルタ処理を施して第1の信号を生成し、遅延させた前記等価ベースバンド信号に対してデシメート処理およびフィルタ処理を施して第2の信号を生成し、前記第2の信号から実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記第1の信号から虚部成分および実部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる実部サブチャネル信号を生成するとともに、前記実部サブチャネル信号の第4および第3の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第1および第2の成分とし、前記実部サブチャネル信号の第2および第1の成分と対になる実部成分および虚部成分を抽出して第3および第4の成分とし、前記第1から第4までの成分からなる虚部サブチャネル信号を生成し、
    前記伝送路信頼度算出部の振幅算出部が、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数のうち、前記修正DFT変調分析バンクにより生成された実部サブチャネル信号および虚部サブチャネル信号の第1および第4の信号に対応する等化係数の振幅和を算出し、
    前記伝送路信頼度算出部の分散算出部が、
    前記等化係数算出部により算出された等化係数のうち、前記修正DFT変調分析バンクにより生成された実部サブチャネル信号および虚部サブチャネル信号の第1および第4の信号に対応する等化係数の分散を算出する、ことを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
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