JP2014116694A - 画像処理装置及び画像処理方法、画像処理方法を実行するためのプログラム。 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法、画像処理方法を実行するためのプログラム。 Download PDF

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Abstract

【課題】 インラインの測定装置を用いるとき、用紙の特性や取得する色情報等によっては、チャートの定着後から測定までの時間切り替えないと、サーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制できないだけでなく、測定に必要のない時間をかけてしまう課題がある。
【解決手段】 上記課題を解決すべく、本発明の画像処理装置は、本発明の画像処理装置は、画像を形成する画像形成手段と、用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置され、前記画像形成手段により用紙に形成されたチャート画像を測定する測定手段と、前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類に対応して、前記画像形成手段により形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は画像処理装置の用紙搬送路に配置された測定装置を用いて測色を行う画像処理装置及び画像処理方法、画像処理方法を実行するためのプログラムに関するものである。
近年、電子写真方式やインクジェット方式等を採用している画像処理装置は、画像処理装置の性能の向上によって高画質な画像を出力することができるようになり、より高画質な出力画像が求められている。その中でも色の安定性や再現性の向上するためのキャリブレーション技術やカラーマッチングシステムは、高画質な画像を提供するために必要となる技術である。電子写真方式は、出力デバイスの耐久や経時変化等によりデバイスの転写効率や定着効率が変化してしまう。特に、電子写真方式やインクジェット方式等を採用している画像処理装置は、色の変動量が印刷機に比べて大きいことが課題である。
そこで、従来の電子写真装置ではシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、C、M、Y、K)各トナーに対応した1次元の階調特性の補正を行うためのLUT(Look Up Table)を作成する「単色」のキャリブレーション技術が搭載されている。LUTとは、特定の間隔で区切られた入力データに対応した出力データを示すテーブルであり、演算式では表せない非線形な特性を表現することが可能である。
濃度補正用の1次元のLUTは、C、M、Y、Kの各入力信号値に対応した出力信号値を示すテーブルであり、この出力信号値に対応した量のトナーを使って紙上に画像を形成する。1次元のLUTを作成するには、まず、C、M、Y、Kの各トナーに対応した濃度の異なるデータで構成されたチャート画像をプリンタから出力する。そして、このチャートをスキャナや測色機等で測定し、測定された値を予め設定されたターゲットデータと比較することでCMYKそれぞれ独立して濃度補正用の1次元のLUTを作成する。この処理を単色キャリブレーションと呼ぶ。
しかし、1次元のLUTで単色の階調特性をあわせてもレッド、グリーン、ブルー(以下、R、G、Bで示す)、CMYを使ったグレー等の複数のトナーを使用した「混色」の色を保証することは難しい。そこで、プリンタが出力可能な範囲の混色で作成されたパッチ画像を含むチャート画像をプリンタから出力する。このパッチ画像は、単一の濃度で所定の面積を有する測定用の画像である。このパッチ画像を、色を変えて複数個生成し、生成されたパッチ画像を記録媒体上に印刷したものをチャート画像と呼ぶ。この出力されたチャート画像をスキャナや測色機で測定して予め設定された目標値と比較し、補正値を作成するキャリブレーション技術が提案されている(特許文献1参照)。これには、ICCプロファイルが持つデスティネーションプロファイルを修正することで混色の色差を補正する技術が開示されている。ICCプロファイルとは、ICC(International Color Consortium)が定めた色変換時に使用するデータのことである。まず、混色で作成されたチャート画像をプリンタで出力し、スキャナや測色機で測定する。その測色結果と予め定められた目標値を用いて差分を作成する。これを用いてICCプロファイルが持つデバイス非依存色空間(L*a*b*)をデバイス依存色空間(CMYK)に変換する3次元のLUT(デスティネーションプロファイル)を更新して混色を補正する。この処理を、混色キャリブレーションと呼ぶ。L*a*b*とはデバイスに依存しない色空間の1つであり、L*は輝度、a*b*は色相及び彩度を表す。また、キャリブレーションやプロファイル作成をする時に出力したチャート画像の色を測定するための測定装置として以下のものがある。例えば、画像処理装置に備え付けられているスキャナ、パソコンを用いた外部接続されている測定器、画像処理装置に内蔵された測定部などがある。画像処理装置に内蔵された測定部は、例えば、画像処理装置内の用紙搬送路の定着器と排紙部の間に設置され、画像形成後に定着器を通過し排紙される前の搬送中の用紙を測定する。
画像処理装置内に内蔵されている測定部を用いると、画像処理装置から出力される用紙を読み取る際のユーザの作業負担が他の測定装置と比べて軽くなり、キャリブレーションやプロファイル作成のためのチャート画像の測定を自動的に行うことが可能となる。
また、画像処理装置の用紙搬送路にて画像を測色するには、画像形成のための色材が用紙上に付加された後であり、色材が用紙上に定着もしくは乾燥した状態となる必要がある。色材にインクを用いる画像処理装置では、乾燥装置によって加熱乾燥した後で出力物を測色する必要がある。また、色材にトナーを用いる画像処理装置では定着装置によってトナーを加熱溶融して混色した後で測色する必要がある。そのため、用紙搬送路に設置される測定装置は乾燥装置や定着装置よりも用紙搬送路の下流側(排紙部側)に配置される必要がある。しかし、画像処理装置をコンパクトに構成するために、乾燥装置や定着装置から測定部までの搬送パスの長さは必要最小限にとどめられることが多いため、乾燥装置や定着装置によって加熱された用紙や色材は、短い用紙搬送路を介し冷却される。よって、常温状態まで冷却が不十分な状態で色検出センサへと搬送される。
また、画像処理装置の用紙搬送路中に配置された測色部によって文応反射る値を測定する場合、測色部によって測定される測定対象物の分光反射率が温度によって変化するという「サーモクロミズム」という現象が問題になる。
これは、色材を形成する分子構造が、熱によって変化することによって引き起こされる現象である。「サーモクロミズム」によって起こる分光反射率の変化は、用いられる色材の量や種類によって様々である。例えば、ある画像処理装置を用いて形成した画像を測色した場合は、図9に示すような分光反射率の変化を示す。
図9は、マゼンタ単色の画像を15℃で測定した場合と60℃で測定された場合でのそれぞれの分光反射率変化を示している。測定した温度に応じて、分光反射率に差が生じることがわかる。
図9に示すような分光反射率変化が測定される場合に発生する色差を、分光反射率から取得されるL*a*b*値で表したものを図10に示す。
分光反射率からL*a*b*値を求めるためには、まず分光反射率を等色関数で積分した値を用いて、XYZ値を取得する。そしてこのXYZ値から式(1)を用いてL*a*b*値を取得する。
Figure 2014116694
ここで式(1)のXn,Yn,Znとは、基準となる白色点のXYZ値となる。
そして、色差(ΔE)とは、式(2)で示すようにL*a*b*色空間における2つの色の違いを数値化したものであり、それぞれの色を(L,a,b)と(L,a,b)と表したとき、式(2)で算出することができる。
Figure 2014116694
なお、図10に示す分光反射率の変化は、15℃で画像を測定した各色の分光反射率を基準に、各温度で画像を測色した時の色差であるΔEを示したものである。この測色は、市販測定装置X−Rite社製i1 Pro(R)による計測された結果である。
これにより、各色、測色時の画像の温度が上がると、15℃で画像を測色した場合の色値との差分ΔEが大きくなることがわかる。
よって、用紙搬送路中に設置された色検出センサを用いて画像の分光反射率を測色する測定装置を備えた画像処理装置では、定着後の冷却が不十分な用紙や色材が、サーモクロミズムの影響を受けて測色される可能性がある。その結果、カラーマッチング精度や色の安定性について、適切な値を取得できなくなる可能性がある。
このような課題に対し、サーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制する技術として、特許文献2は以下の開示がなされている。
すなわち、サーモクロミズムの影響を受けにくい色で形成されたパッチ画像を先に測定するように配置し、サーモクロミズムの影響を受けやすい色で形成されたパッチ画像は後に配置して測定時間の差を利用した技術を開示している。
特開2011−254350号公報 特開2011−186087号公報
しかしながら、一般的に紙の表面性の違い、すなわち紙種の違いに応じて加熱された用紙が常温状態になるまでの冷却時間が異なる。例えば、コート紙は普通紙と比べて表面性が異なり、普通紙に比べて加熱された場合に常温状態になるまでの冷却時間が多く必要となる。
つまり、サーモクロミズムの影響を抑制するために必要となる常温状態になるための冷却時間は用紙の種類等によって異なることになる。
そのため、特許文献2に開示されるパッチ画像の配置方法を用いても、コート紙を使用した場合は加熱された用紙が常温状態になるまでの冷却時間が不足する。よって、コート紙を使用した場合のサーモクロミズムの影響による測定誤差が抑制できない。
また、コート紙のサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制するために、色材の定着または乾燥から、色材を測定するまでの時間を紙種に関係なく一定時間延長すると、画像を測定するのに必要な時間が増加してしまう。
一方、測定された分光反射率を濃度に変換すると、サーモクロミズムによる影響を受ける可能性が低くなる。
これは、例えば、測定部によりマゼンタ単色の画像の分光反射率が測定されると、図18に示すような波長400nm〜700nmの分光反射率が測定される。この分光反射率から濃度を取得する場合は、測定された分光反射率のうち500nm〜590nmの分光反射率から取得した値を用いる。これにより、ISO5−3記載のStatus Aのマゼンタの濃度を取得することができる。
この場合、濃度を取得するための分光反射率は、図18に示されているように、測定温度による測定誤差が発生しない領域の分光反射率である。つまり、サーモクロミズムによる影響を受けにくい領域から濃度が取得される。
よって、測定された分光反射率からマゼンタ画像の濃度を取得する場合は、画像の測定温度に関係なく誤差の少ない値が取得できるので、低温状態になるまで待つ必要がない。
マゼンタに限らず他の色も、図11に示すように、測定温度の変化と濃度の変化に関して相関がないことが分かっており、測定された分光反射率から濃度を取得する際は、サーモクロミズムによる影響を受けにくい。
これに対して、測定された分光反射率をXYZやL*a*b*に変換した値を用いる場合は、サーモクロミズムによる影響を受けやすい。これは、上記したように、XYZ、L*a*b*が取得されるためである。つまり、測定温度により測定値の差が発生する分光反射率の領域を含む分光反射率を用いて取得されるためである。
つまり、用紙の特性や測定器により測定された分光反射率から取得される信号値の種類(濃度値またはL*a*b*,XYZ)に応じて、用紙上に画像を定着または乾燥してから測定するまでの時間を制御することが必要となる。この制御が実行されないと、サーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制できないだけでなく、測定に必要以上の時間をかけてしまう課題がある。
本発明の目的は、サーモクロミズムの影響によるチャート画像の測定誤差を抑制する際に、チャート画像の測定をするまでの時間を、チャート画像を出力した紙の種類や測定された分光反射率から取得される信号値の種類に応じて適切に設定することのできる画像処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、画像を形成する画像形成手段と、用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置され、前記画像形成手段により用紙に形成されたチャート画像を測定する測定手段と、前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類に対応して、前記画像形成手段により形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、チャート画像を取得した紙の種類や測定された分光反射率から取得される信号値の種類に応じて、チャート画像を定着してから測定するまでの用紙の搬送時間を決定することが可能になる。これにより、サーモクロミズムによる測定誤差を抑制でき、適切な時間でチャート画像を測定することが可能となる。
画像形成システムの構成図である。 画像処理の流れを示した図である。 単色キャリブレーションの流れを示した図である。 混色キャリブレーションの流れを示した図である。 単色キャリブレーション及び混色のキャリブレーションに使用するチャートを示した図である。 画像処理装置の構成図である。 実施例1における用紙搬送制御を設定する処理の流れを示した図である。 実施例1における用紙の搬送時間の対応を示した図である。 マゼンタ画像の分光反射率の温度変化を示した図である。 各温度において画像を測定した場合と画像を15℃で測定した場合とで得られるL*a*b*の差(ΔE)を示した図である。 各温度において画像を測定した場合と画像を15℃で測定した場合とで得られる濃度の差を示した図である。 実施例2におけるチャートのパッチの再配置処理の流れを示した図である。 実施例2における用紙搬送制御を設定する処理の流れを示した図である。 実施例2における用紙の搬送時間の対応を示した図である。 実施例3における画像処理装置の構成図である。 実施例3における用紙搬送制御を設定する処理の流れを示した図である。 実施例3における用紙の搬送時間の対応を示した図である。 マゼンタ単色の画像の分光反射率を示した図である。 実施例2における用紙搬送制御を設定する処理の流れを示した図である。
[実施例1]
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
本実施例では、用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置される測定装置に含まれる色検出センサ(以下、インラインセンサ)で定着済の画像を測色する画像処理装置と、その測定結果を利用した色補正システムについて説明する。
(画像処理装置)
本実施形態では電子写真方式のレーザビームプリンタを用いる。なお、本実施例では電子写真方式のプリンタを用いるが、インクジェットプリンタや昇華型プリンタを用いても構わない。
本実施例おける画像処理装置の構造及び動作について説明する。図6は、本実施形態における図1のMFP(Multi Function Printer)101の構造を示す断面図である。
図示するように、MFP101は、筐体601を備え、筐体601にはエンジン部を構成するための各機構と、各機構による各印字プロセス処理(例えば、給紙処理など)に関する制御を行なう図1のプリンタ115、及びコントローラがある。さらに、プリンタ115、及びコントローラを収納する図示しない制御ボード収納部が内蔵されている。
エンジン部を構成するための各機構としては、以下4つの機構を含む。レーザ光の走査により感光ドラム605上へ静電潜像を形成し、その静電潜像を顕像し、その顕像を中間転写体606に多重転写して多重転写されたカラー画像を用紙610へ更に転写するための光学処理機構。用紙610に転写されたトナー像を定着させるための定着処理機構。用紙610の給紙処理機構。用紙610の搬送処理機構。これらが設けられている。
光学処理機構は、レーザスキャナ部607において、プリンタコントローラ603から供給されたイメージデータに応じて図示しない半導体レーザから発射されるレーザ光をオン、オフに駆動するレーザドライバを有する。この半導体レーザから発射されたレーザ光は回転多面鏡により走査方向に振られる。ここで主走査方向に振られたレーザ光は反射ミラー609を介して感光ドラム605に導かれ、感光ドラム605上を主走査方向に露光する。
一方、一次帯電器611により帯電され、レーザ光による走査露光によって感光ドラム605上に形成された静電潜像は後述する現像器612により供給されるトナーによってトナー像に顕像化される。そして、感光ドラム605上の顕像されたトナー像は、トナー像とは逆特性の電圧を印加された中間転写体606上に転写(1次転写)される。カラー画像形成時には、Yステーション620、Mステーション621、Cステーション622、Kステーション623からそれぞれの色を中間転写体606上に順次形成し、その結果フルカラー可視像を中間転写体606上に形成する。
次に、中間転写体606上に形成された可視像は、用紙の収納庫613から給送した用紙610を搬送し、転写ローラ614にて用紙610を中間転写体606に圧接する。そして同時に、転写ローラ614にトナーと逆特性のバイアスを印加することで、給紙処理機構によって副走査方向に同期して給紙される用紙610に転写される(2次転写)。尚、感光ドラム605及び現像器612は着脱可能である。
また、中間転写体606の周りには、センサが設置されている。
画像形成を行なう際の印字開始位置を決めるための画像形成開始位置検出センサ615、用紙610の給紙のタイミングを図るための給紙タイミングセンサ616、及び濃度制御時にパッチの濃度を測定する濃度センサ617が配置されている。濃度制御が行なわれた際には、この濃度センサ617により、それぞれのパッチの濃度測定を行なう。
定着処理機構は、用紙610に転写されたトナー像を熱圧によって定着させるための第一定着器650および第二定着器660を有している。第一定着器650には、用紙610に熱を加えるための定着ローラ651、用紙610を定着ローラ651に圧接させるための加圧ベルト652、定着完了を検知する定着後センサ653を含む。これらの各ローラは中空ローラであり、内部にそれぞれヒータを有し、回転駆動されると同時に用紙610を搬送するように構成されている。第二定着器660は、第一定着器650よりも用紙610の搬送経路下流側に位置しており、第一定着器650より定着された用紙610上のトナー像に対してグロスを付加したり、定着性を確保したりする目的で配置されている。第二定着器660も、第一定着器650同様に定着ローラ661、加圧ローラ662、定着後センサ663を有した構成になっている。
用紙610の種類によっては第二定着器660を通す必要が無いものが存在する。例えばエネルギ消費量低減の目的で、第二定着器660を経由せず用紙610を排出するための搬送経路630を有している。搬送経路切り替えフラッパ631により用紙610をこの搬送経路630へと誘導させることが可能である。
用紙610は搬送経路切り替えフラッパ632により搬送経路635へと誘導され、反転センサ637によって用紙610の位置検出がなされた後、反転部636でスイッチバック動作することで、用紙610の先行端が入れ替えられる。
さらに第一定着器650又は第二定着器660の後には、用紙610上に出力されたパッチ画像を検知し、測定する色検出センサ127が配置されている。入力装置120を用いたユーザからの指示により色検出動作指示が出され、指示した検出結果をコントローラ102に送信し、後述する単色キャリブレーション、混色キャリブレーションが実行される。
(画像処理システム)
本実施例の画像処理システムの処理の流れについて説明する。
図1は本実施例におけるシステムの構成図である。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、C、M、Y、K)の各トナーを用いるカラー画像処理装置のMFP(Multi Function Printer)101はネットワーク123を介して他のネットワーク対応機器と接続されている。またPC124はネットワーク123を介してMFP101と接続されている。PC124内のプリンタドライバ125はMFP101へ印刷データを送信する。
MFP101について詳細に説明する。ネットワークI/F122は印刷データ等の受信を行う。コントローラ102はCPU103やレンダラ112、画像処理部114で構成される。CPU103のインタプリタ104は受信した印刷データのPDL(ページ記述言語)部分を解釈し、中間言語データ105を生成する。
そしてCMS106ではソースプロファイル107及びデスティネーションプロファイル108を用いて色変換を行い、中間言語データ(CMS後)111を生成する。ここでCMSとはColor Management Systemの略であり、後述するプロファイルの情報を用いて色変換を行う。また、ソースプロファイル107はRGBやCMYK等のデバイスに依存する色空間をCIE(国際照明委員会)が定めたL*a*b*(以下、L*a*b*)やXYZ等のデバイス非依存の色空間に変換するためのプロファイルである。XYZはL*a*b*と同様にデバイス非依存の色空間であり、3種類の刺激値で色を表現する。また、デスティネーションプロファイル108はデバイス非依存色空間をデバイス(プリンタ115)に依存したCMYK色空間に変換するためのプロファイルである。
一方、CMS109ではデバイスリンクプロファイル110を用いて色変換を行い、中間言語データ(CMS後)111を生成する。ここでデバイスリンクプロファイル110はRGBやCMYK等のデバイス依存色空間をデバイス(プリンタ115)に依存したCMYK色空間に直接変換するためのプロファイルである。CMS106、CMS109のうち、どちらのCMSが選ばれるかはプリンタドライバ125における設定に依存する。
本実施例ではプロファイル(107、108及び110)の種類によってCMS(106及び109)を分けているが、1つのCMSで複数種類のプロファイルを扱ってもよい。また、プロファイルの種類は本実施例で挙げた例に限らずプリンタ115のデバイス依存CMYK色空間を用いるのであればどのような種類のプロファイルでもよい。
レンダラ112は生成した中間言語データ(CMS後)111からラスター画像113を生成する。画像処理部114はラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して画像処理を行う。画像処理部114について詳細は後述する。
コントローラ102と接続されたプリンタ115はC、M、Y、K等の有色トナーを用いて紙上に出力データを用いてカラー画像を形成するプリンタである。プリンタ115は給紙を行う給紙部116と画像形成された紙を排紙する排紙部117、測定部126を持つ。
測定部126は分光反射率を取得できる測色部の色検出センサ127を持つ。プリンタ115を制御するCPU129によって制御される。測定部126はプリンタ115で用紙等の記録媒体上にプリント出力されたパッチ画像を測定する。このパッチ画像は、単一濃度で所定の面積を有する測定用の画像である。このパッチ画像を、色を変えて複数個生成し、生成されたパッチ画像を記録媒体上に印刷したものをパターン画像と呼ぶ。このパターン画像を測定部126が有する色検出センサ127で読み取る。
読み取った分光反射率から、L*a*b*やXYZ等、デバイスに依存しない色空間の値や、濃度を取得することができる。読み取った信号値である数値情報をコントローラ102へ送信する。コントローラ102はその数値情報(信号値)を用いて演算を行い、この演算の結果を単色キャリブレーションや混色キャリブレーションを実行する際に利用する。
表示装置118はユーザへの指示やMFP101の状態を表示するUI(ユーザーインターフェース)である。後述する単色キャリブレーションや混色キャリブレーションを実行する際に利用する。
スキャナ119はオートドキュメントフィーダーを含むスキャナである。スキャナ119は束状のあるいは一枚の原稿画像を図示しない光源で照射し、原稿反射像をレンズでCCD(Charge Coupled Device)センサ等の固体撮像素子上に結像する。そして、固体撮像素子からラスター状の画像読み取り信号を画像データとして得る。
入力装置120はユーザからの入力を受け付けるためのインタフェースである。一部の入力装置をタッチパネルとし、表示装置118と一体化してもよい。
記憶装置121はコントローラ102で処理されたデータやコントローラ102が受け取ったデータ等を保存する。
測定器128はネットワーク上またはPC124に接続された外部の測定用デバイスであり、測定部126と同様に分光反射率、L*a*b*やXYZ等のデバイスに依存しない色空間の値を取得できる。
次に画像処理部114の流れについて図2を用いて説明する。図2はラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して行う画像処理の流れを示している。図2の処理の流れは画像処理部114内にある不図示のASIC(Application Specific Integrated Circuit)が実行することにより実現される。
ステップS201にて画像データを受信する。そしてステップS202にて受け取ったデータがスキャナ119から受信したスキャンデータかプリンタドライバ125から送られたラスター画像113かを判別する。
スキャンデータではない場合はレンダラ112によってビットマップ展開されたラスター画像113であり、CMSによってプリンタデバイスに依存するCMYKに変換されたCMYK画像211となる。
スキャンデータの場合はRGB画像203であるため、ステップS204にて色変換処理を行い、共通RGB画像205を生成する。ここで共通RGB画像205とはデバイスに依存しないRGB色空間で定義されており、演算によってL*a*b*等のデバイス非依存色空間に変換することが可能である。
一方、ステップS206にて文字判定処理を行い、文字判定データ207を生成する。ここでは画像のエッジ等を検出して文字判定データ207を生成する。
次にステップS208にて共通RGB画像205に対して文字判定データ207を用いてフィルタ処理を行う。ここでは文字判定データ207を用いて文字部とそれ以外で異なるフィルタ処理を行う。
次にステップS209にて下地飛ばし処理、ステップS210で色変換処理を行って下地を除去したCMYK画像211を生成する。
次にステップS212にて4D−LUT217を用いた混色の補正処理を行う。4D−LUTとはあるC、M、Y、K各トナーを出力する際の信号値の組み合わせを異なるC、M、Y、Kの信号値の組み合わせに変換する4次元のLUT(Look Up Table)である。この4D−LUT217は後述する「混色キャリブレーション」により生成される。4D−LUTを用いることで複数のトナーを使用した色である「混色」を補正することが可能になる。
そしてステップS212にて混色の補正をした後、画像処理部114はステップS213にて1D−LUT218を用いてC、M、Y、Kの各単色の階調特性を補正する。1D−LUT とはC、M、Y、Kのそれぞれの色(単色)を補正する1次元のLUT(Look Up Table)のことである。この、1D−LUTは、後述する「単色キャリブレーション」により生成される。
最後にステップS214にて画像処理部114はスクリーン処理や誤差拡散処理のようなハーフトーン処理を行ってCMYK画像(2値)215を作成し、ステップS216にて画像データをプリンタ115へ送信する。
(測色システム)
本実施例におけるチャート画像を用紙搬送路中に設置された測定部を構成する色検出センサ127(インラインセンサ)を用いて測色するための測色システムについて説明する。
インラインセンサとは、図6に示した画像処理装置内の用紙搬送経路に設置された測定部に含まれる。この測定部は、第一定着器650もしくは第二定着器660と排紙口の間に設置されており、用紙が最後に通過する定着器と排紙部の間に設置されていればよい。このインラインセンサは、搬送経路にて搬送されている用紙を測色することができる。
図7は本実施例における色検出センサ127(インラインセンサ)を用いて画像を測色するための処理の流れを示した図である。以下の処理の流れはプリンタ115内のCPU129が実行することにより実現される。
ステップS701にて用紙情報702で出力に用いられる用紙の情報を取得する。ここで用紙情報702に格納される情報は、用紙(紙種)の名称、坪量、表面性等があり、ユーザが入力装置120を用いて選択した用紙(紙種)に対応する情報を取得する。
次にステップS703にて、ユーザが色検出センサ127によって測色された分光反射率から取得される信号値の種類についての情報を読み出す。本実施例における信号値の種類には、L*a*b*や濃度が挙げられるが、XYZ値など他の色空間でもよい。
ステップS704にて、ステップS701とステップS703で取得したデータから、搬送時間制御表705を用いて、測定対象であるパッチ画像を有するチャート画像を定着してから測定するまで必要な時間の取得を行う。
そしてステップS706にて、ステップS703で取得した結果を用いて用紙の搬送制御の設定を行う。ここで搬送制御は、測定する用紙610の先端が第一定着器650もしくは第二定着器660を通過して色検出センサ127を用いて用紙610上のチャート画像の測定を行うまでの時間を制御することである。例えば、反転部636でスイッチバック動作を行うときに停止することで、測定までに必要な時間が経過するまで待機する。または、第一定着器650もしくは第二定着器660を通過してから色検出センサ127までチャート画像を搬送する速度を落とすことで、測定までに必要な時間の経過を待つ方法がある。
定着器を通過してからチャート画像が測定されるまでの時間を取得する方法について図8を用いて説明する。本実施例で搬送時間を取得するために必要とするものは、測定された分光反射率から取得される信号値の種類と用紙の種類(紙種)である。本実施例では信号値の種類としてL*a*b*と濃度、用紙の種類として上質紙とコート紙を挙げている。
同じ上質紙上の画像を測定する場合でも、測定された分光反射率をサーモクロミズムの影響を受けやすいL*a*b*で取得する場合と、サーモクロミズムの影響を受けにくい濃度で取得する場合とでは、チャート画像を定着して測定するまでに制御されるべき時間が異なる。測定された分光反射率をL*a*b*で取得する場合の方が測定された分光反射率を濃度で取得する場合よりも、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を長く設定するよう制御する必要がある。
つまり、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を制御する際、測定までに必要な時間が経過するまで待機する場合は、測定された分光反射率をL*a*b*で取得する場合の方が濃度で取得する場合よりも待機時間が長くなる。また、定着器から色検出センサ127までの搬送速度を制御する場合は、測定された分光反射率をL*a*b*で取得する場合の搬送速度を、濃度で取得する場合の搬送速度をよりも遅くする。
また、同じ濃度で信号値を取得する場合であっても、チャート画像の紙種が異なる場合は、チャート画像を定着してから測定するまでに制御されるべき時間が異なる。上質紙に出力されたチャート画像よりコート紙に出力されたチャート画像の方が、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を長く設定するよう制御する必要がある。
つまり、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を制御する際、測定までに必要な時間が経過するまで待機する場合は、コート紙を用いたチャート画像の方が上質紙を用いたチャート画像よりも待機時間が長くなる。また、定着器から色検出センサ127までの搬送速度を制御する場合は、コート紙を用いたチャート画像の搬送速度を上質紙を用いたチャート画像の搬送速度をよりも遅くする。
次に、キャリブレーションの実行について説明するが、チャート画像を測定する際には、上記したように、チャート画像が定着器を通過してから測定されるまでの時間を制御する。
(色補正処理)
プリンタ115から出力される単色の階調特性を補正する「単色キャリブレーション」について図3を用いて説明する。単色キャリブレーションを実行することで、最大濃度特性及び階調特性などの単色の色再現特性が補正される。プリンタ115で用いられるC,M,Y,Kトナー其々に対応する色の再現特性は、キャリブレーション実行時に一緒に補正される。すなわち、C,M,Y,Kの各色に応じて図3の処理が一度に実行される。
図3は単色の階調特性を補正する1D−LUT218を作成する処理の流れを示している。図3の処理の流れはCPU103が実行することによって実現され、作成された1D−LUT218は記憶装置121に保存される。また表示装置118によってユーザへの指示をUIに表示し、入力装置120からユーザの指示を受け付ける。
ステップS301にて記憶装置121に格納してあるチャートデータ(A)302を取得する。チャートデータ(A)302は単色各色の最大濃度を補正するためのものであり、C、M、Y、Kの「単色」の最大濃度データが得られる信号値(例えば255)で構成される。
次にステップS303にてチャートデータ(A)302に対して画像処理部114にて画像処理を実行してプリンタ115からパターン画像であるチャート画像(A)304をプリント出力する。例を図5に示す。図5(a)の501はチャートデータ(A)302をプリント出力した際の例を示しており、パッチ画像502、503、504、505はそれぞれC、M、Y、K各色の最大濃度でプリント出力される。このようにパターン画像であるチャート画像(A)304は、パッチ画像を複数含む。ここで画像処理部114はステップS214にてハーフトーン処理のみ行い、ステップS213の1D−LUT補正処理やステップS212の4D−LUT補正処理は行わない。
次にステップS305にて測定部126内の色検出センサ127を用いてチャート画像(A)304のプリント出力物の濃度測定を行い、測定値(A)306を得る。測定値(A)306はC、M、Y、K各色の濃度値となる。
なお、上記したように、チャート画像302(A)を定着してから測定するまでの時間は、紙種と測定情報により決定される用紙搬送時間により制御されている。
次にステップS307にて測定値(A)306と予め設定された最大濃度値の目標値(A)308を用いて各色の測定値(A)306の最大濃度の補正を実行する。ここでは最大濃度が目標値308(A)に近づくようにプリンタ115のデバイス設定値、例えば、レーザ出力や現像バイアス等を調整する。
次に、ステップS309にて記憶装置121に格納されたチャートデータ(B)310を取得する。チャートデータ(B)310はC、M、Y、Kの「単色」の階調データの信号値で構成される。このチャートデータ(B)310を用いて記録媒体にプリント出力されたパッチ画像を有するパターン画像であるチャート画像(B)312の例を図5に示す。図5(b)の506はチャートデータ(B)310を用いて記録媒体にプリント出力されたパッチ画像を有するチャート画像(B)312のプリント出力物の一例を示している。図5(b)に示されるパッチ画像507、508、509、510及び右に続く階調データは、C、M、Y、K各色の階調データで構成される。このようにパターン画像であるチャート画像(B)312は、パッチ画像を複数含む。
次にステップS311にてチャートデータ(B)310に対して画像処理部114にて画像処理を実行してプリンタ115からチャート画像(B)312をプリント出力する。ここで画像処理部114、ステップS214にてハーフトーン処理のみ行い、ステップS213の1D−LUT補正処理やステップS212の4D−LUT補正処理は行わない。また、プリンタ115はステップS307により最大濃度補正を行っているため、最大濃度が目標値(A)308と同等の値を出せる状態となる。
次にステップS313にて色検出センサ127を用いて測定を行い、測定値(B)314を得る。
なお、上記したように、チャート画像(B)312を定着してから測定するまでの時間は、紙種と測定情報により決定される用紙搬送時間により制御されている。
測定値(B)314はC、M、Y、K各色の階調から得られる濃度値となる。次にステップS315にて測定値(B)314と予め設定された目標値(B)316を用いて単色の階調を補正する1D−LUT218を作成する。
次に、プリンタ115から出力される混色の特性を補正する「混色キャリブレーション」について図4を用いて説明する。混色キャリブレーションを実行することで、複数色のトナーの組み合わせ(重ね合わせなど)で表現される混色の再現特性が補正される。以下の処理の流れはコントローラ102内のCPU103が実行することにより実現される。この取得された4D−LUT217は記憶装置121に保存される。また表示装置118によってユーザへの指示をUIに表示し、入力装置120からユーザの指示を受け付ける。
混色キャリブレーションは、単色キャリブレーション実施後にプリンタ115から出力される混色を補正する。そのため、単色キャリブレーションを行った直後に混色キャリブレーションを行うことが望ましい。
ステップS401にて記憶装置121に格納してある「混色」で構成されたチャートデータ(C)402の情報を取得する。チャートデータ(C)402は混色を補正するためのデータであり、C、M、Y、Kの組み合わせである「混色」の信号値で構成される。このチャートデータ(C)402を用いて記録媒体にプリント出力された複数のパッチ画像を有するパターン画像であるチャート画像(C)404の一例を図5に示す。図5(c)の511はチャートデータ(C)402をプリント出力した際の例を示しており、パッチ画像512及び511上に印字された全てのパッチ画像はC、M、Y、Kを組み合わせた混色で構成されている。このようにパターン画像であるチャート画像(C)404は、パッチ画像を複数含む。
次にステップS403では画像処理部114にてチャートデータ(C)402に対して画像処理を実行してプリンタ115にてチャート画像(C)404をプリント出力する。混色キャリブレーションは単色キャリブレーション実施後のデバイスの混色特性を補正するため、画像処理部114での画像処理の実行には単色キャリブレーション実行時に作成された1D−LUT218を用いる。
次にステップS405にて測定部126内の色検出センサ127を用いてチャート画像(C)404のプリント出力物の混色の測定を行い、測定値(C)406を取得する。
なお、上記したように、チャート画像404(C)を定着してから測定するまでの時間は、紙種と測定情報により決定される用紙搬送時間により制御されている。
測定値(C)406は単色キャリブレーション実施後のプリンタ115の混色特性を示す。また、測定値(C)406はデバイスに依存しない色空間での値であり、本実施例ではL*a*b*とする。スキャナ119を用いた場合は図示しない3D−LUT等を用いてRGB値をL*a*b*値に変換する。
次にステップS407にて記憶装置121に格納してあるL*a*b*→CMYの3D−LUT409を取得し、測定値406(C)と予め設定された目標値(C)408との差分を反映させてL*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)410を作成する。ここでL*a*b*→CMYの3D−LUTとは、入力されたL*a*b*値に対応するCMY値を出力する3次元のLUTのことである。
具体的な作成方法を以下に示す。L*a*b*→CMYの3D−LUT409の入力側のL*a*b*値に対して測定値406(C)と予め設定された目標値(C)408との差分を加え、差分が反映されたL*a*b*値に対してL*a*b*→CMYの3D−LUT409を用いて補間演算を実行する。この結果、L*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)410を作成する。
次にステップS411にて記憶装置121に格納してあるCMY→ L*a*b*の3D−LUT412を取得して、L*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)410を用いて演算を行う。これにより、CMYK→CMYKの4D−LUT217を作成する。ここでCMY→L*a*b*の3D−LUTとは、入力されたCMY値に対応するL*a*b*値を出力する3次元のLUTのことである。
CMYK→CMYKの4D−LUT217の具体的な作成方法を以下に示す。CMY→ L*a*b*の3D−LUT412とL*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)410からCMY→CMYの3D−LUTを作成する。次にKの入力値と出力値が同一となるようにCMYK→CMYKの4D−LUT217を作成する。ここでCMY→CMYの3D−LUTとは、入力されたCMY値に対応する補正後のCMY値を出力する3次元のLUTのことである。
以上、本実施例におけるサーモクロミズムによる測定誤差を抑制する方法について述べた。
紙種や、色検出センサにより測定された分光反射率から取得される信号値の種類(濃度やL*a*b*、XYZ)に応じてチャート画像を構成するパッチ画像を用紙に定着してから測定するまでの時間を決定することで測定誤差を抑制する方法であれば、どのような方法でもよい。
本実施例により、キャリブレーションに用いるパッチ画像が形成されたチャート画像の測定時にサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制することが可能になる。
また、紙種や色検出センサにより測定された分光反射率から取得される信号値の種類に応じてチャート画像を定着してから測定するまでの時間を適切に決定することで、チャート画像の測定に要する時間の増加を抑制することが可能となる。
[実施例2]
実施例1では、紙種や色検出センサにより測定された分光反射率から取得される信号値の種類に応じてチャート画像を測定するまでの時間を適切に制御した。
これにより、パッチ画像が形成されたチャート画像の測定時にサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制することを可能にした。
本実施例は、サーモクロミズムの影響を受けにくい順に、チャート画像中のパッチの配置位置を決定する。さらに、測定するチャート画像が複数枚ある場合は、サーモクロミズムによる測定誤差の影響を受ける度合いに応じてチャート画像上に形成されるパッチ画像の配置を決定する。そして、配置されたパッチ画像を有するチャート画像毎に、定着から測定までの時間を決定する。以下、本実施例を実施するためのシステムについて説明する。
本実施例における画像処理装置と色補正処理は、実施例1と同様のため説明を省略する。
(1枚チャート画像の測定時間の設定方法)
キャリブレーション実行時に用いられる測定用チャート画像が1枚の場合に、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を決定するためのシステムについて、図19を用いて説明する。以下の処理の流れはプリンタ102内のCPU103や図示しない揮発性のあるメモリによって実行することにより実現される。まず、ステップS1901にて、保存されているチャートデータ(D)1202を読み出してパッチ画像再配置前の基準となるパッチ画像の信号値を取得する。ステップS1902にて、チャートデータ(D)1202にあるサーモクロミズムの影響度に関する情報についても取得する。ここで、チャートデータ(D)1202には、パッチ画像毎にサーモクロミズムの影響による測定誤差の発生を抑制するために必要な時間に関する情報が格納されている。また、色検出センサにより測定された分光反射率から取得される信号値の種類やチャート画像を出力する用紙の種類が複数ある場合は、それぞれの組合せに対応して最適な時間を格納している。
ステップS1903にて、チャートデータ(D)1202に格納されている1枚のチャート画像に形成されるパッチ画像を生成するためのパッチデータを全て読み込んでいるか否か判断する。ここで、全てのパッチデータを読み込んでいない場合は、ステップS1901にて新しいパッチデータの取得を行い、全てのパッチデータを読み込むまで繰り返す。全てのパッチデータを読み込んでいる場合は、ステップS1904の処理を行う。
次に、ステップS1904にて、読み込んだパッチデータの中から、サーモクロミズムの影響度が最も高いデータを抽出する。すなわち、サーモクロミズムにより、測定誤差が最も発生しやすいパッチデータを抽出する。次にステップS1905にて、ステップS1904にて取得したパッチデータにより形成されるパッチ画像が一定着器650もしくは第二定着器660を通過してから色検出センサ127を用いて測定するまでの時間を取得する。
次に、ステップS1906にて、ステップS1905で取得した搬送時間対応表1210に、第一定着器650もしくは第二定着器660を通過してから色検出センサ127を用いて測定するまでの時間を書き込む。搬送時間対応表1210について、図14を用いて説明する。本実施例で搬送時間を取得するために必要とするものは、チャート画像の種類、色検出センサより測定された分光反射率から取得される信号値の種類、用紙の種類である。本実施例ではチャート画像の種類として、チャート画像Aとチャート画像B、信号値の種類としてL*a*b*と濃度、用紙の種類として上質紙とコート紙を挙げている。サーモクロミズムの影響度が低いパッチ画像で構成されるものをチャート画像A、とサーモクロミズムの影響度が高いパッチ画像で構成されるものをチャート画像Bとする。つまり、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を制御する際、測定までに必要な時間が経過するまで待機する場合は、測定された分光反射率をL*a*b*で取得する場合の方が濃度で取得する場合よりも待機時間が長くなる。また、定着器から色検出センサ127までの搬送速度を制御する場合は、測定された分光反射率をL*a*b*で取得する場合の搬送速度を、濃度で取得する場合の搬送速度をよりも遅くする。
また、同じ濃度で信号値を取得する場合であっても、チャート画像の紙種が異なる場合は、チャート画像を定着してから測定するまでに制御されるべき時間が異なる。上質紙に出力されたチャート画像よりコート紙に出力されたチャート画像の方が、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を長く設定するよう制御する必要がある。
つまり、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を制御する際、測定までに必要な時間が経過するまで待機する場合は、コート紙を用いたチャート画像の方が上質紙を用いたチャート画像よりも待機時間が長くなる。また、定着器から色検出センサ127までの搬送速度を制御する場合は、コート紙を用いたチャート画像の搬送速度を上質紙を用いたチャート画像の搬送速度をよりも遅くする。
さらに、チャート画像に形成されているパッチ画像の種類(上記チャート画像AであるかBであるか)によって、搬送時間を切り替えることができる。よって、パッチ画像を有するチャート画像の測定にかかる時間の最適化が可能となる。
(複数枚チャート画像の再配列及び測定時間の設定方法)
本実施例における複数枚の測定用チャート画像に含まれるパッチ画像をサーモクロミズムの影響度に応じて配列するシステムについて、図13を用いて説明する。以下の処理の流れはプリンタ102内のCPU103や図示しない揮発性のあるメモリによって実行することにより実現される。
まず、ステップS1201にて、チャートデータ(D)1202を読み出して、パッチ画像再配置前の基準となるパッチ画像の信号値を取得する。ステップS1202にて、チャートデータ(D)1202にあるサーモクロミズムの影響度に関する情報についても取得する。ここで、チャートデータ(D)1202には、パッチ毎にサーモクロミズムの影響による測定誤差が発生しなくなるまでに必要な時間に関する情報が格納されている。
また、色検出センサにより測定された分光反射率から取得される信号値の種類やチャート画像を出力する用紙の種類が複数ある場合は、それぞれの組合せに対応して最適な時間を格納している。
ここで、パッチ画像が再配置された後でパッチ画像の測定を行う場合、再配置されたチャートデータ(D)1202が使用される。
ステップS1204にて、チャート画像1枚分に対応するチャートデータ(D)1202に格納されているパッチデータを全て読み込んでいるか判断する。ここで、全てのパッチデータを読み込んでいない場合は、ステップS1201にて新しいパッチデータの取得を行い、チャート画像1枚分に含まれる全てのパッチデータを読み込むまで繰り返す。
チャート画像1枚分に対応するチャートデータに含まれる全てのパッチデータを読み込んでいる場合は、ステップS1205にて、全てのチャートデータを読み込んだか否か判断する。この全てのチャートデータは、複数枚のチャート画像に対応するチャートデータである。全てのチャートデータを読み込んでいない場合は、ステップS1201にて次のチャート画像に対応するチャートデータが有するパッチデータを取得して、全てのチャートデータを読み込むまで繰り返す。全てのチャート画像に対応するチャートデータを読み込んだ場合は、ステップS1206の処理を行う。
次に、ステップS1206にて、読み込んだ全てのチャート画像に対応するチャートデータに含まれる全てのパッチデータについて、サーモクロミズムの影響度が低い順にデータをソートする。ステップS1207にて、第一定着器650もしくは第二定着器660を通過してから色検出センサ127を用いて、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を取得する。チャート画像を定着してから測定するまでの時間は以下のように取得される。すなわち、全てのチャートデータが有する全てのパッチデータのうち、サーモクロミズムの影響度が最も高いパッチデータにより形成されるパッチ画像を測定する際に、サーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制するために必要な時間を取得する。この取得した時間を、チャートを定着してから測定するまでの時間として全てのチャート画像に設定してもよい。
パッチデータは、ステップS1206によってサーモクロミズムの影響度が低い順にソートされているためソートされたパッチデータのうち最後のパッチデータが最もサーモクロミズムの影響を受ける。従って、最後のパッチデータのサーモクロミズムの影響度の情報を用いて、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を取得してもよい。この取得された時間を、チャート画像を定着してから測定するまでの時間として設定するよう制御する。これにより、再配置されたチャート画像のパッチデータがサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制することが可能となる。
また、チャートデータは複数枚出力されるため、各チャート画像に含まれるパッチに応じて、チャート画像を定着してから測定するまでの時間は、各チャート対して制御されてもよい。この場合、ソートされているパッチデータを用いて、1枚のチャート画像に出力できるパッチ画像の数でチャートデータを区切る。区切られたチャートデータの最後のチャートデータに対応するサーモクロミズムの影響度の情報を用いて、チャート画像毎に定着してから測定するまでの時間を取得する。
ここで、チャート画像3枚にパッチ画像210個を出力する場合、1枚当たり70個のパッチ画像を出力する場合を用いて、具体的に説明をする。
パッチデータをサーモクロミズムの影響度が低い順にソートすると、1番影響度が低いパッチデータから70番目に影響度が低いパッチデータが1枚のチャート画像上に出力される。これをチャート画像Aとする。次に形成されるチャート画像Bには、71番目に影響度が低いパッチデータから140番目に影響度が低いパッチデータが出力される。最後に形成されるチャート画像Cには、141番目に影響度が低いパッチデータから210番目に影響度が低いパッチデータが出力される。
このように、サーモクロミズムの影響度が低い順に、チャート画像A,チャート画像B,チャート画像Cが形成される。
其々のチャート画像内に存在するサーモクロミズムの影響を最も受けるパッチ画像を測定する際、サーモクロミズムの影響による測定誤差の発生を抑制するために、必要な時間を取得する。
このそれぞれのチャート画像にて取得された時間を、チャート画像を定着してから測定するための時間として設定する。
上記の例の場合、チャート画像A、チャート画像B、チャート画像Cの順に設定時間が長くなる。
これらの、複数枚のチャートを測定する場合、そのチャート毎に適切な時間が設定される。そして、チャート画像A、チャート画像B、チャート画像Cの順に画像を定着して測定すると、チャートCを測定するまでの待機時間に、チャート画像A、チャート画像Bの測定ができるため、測定にかかる時間を削減することが可能となる。
次に、ステップS1208にて、ステップS1207までの処理で再配列されたパッチデータを用いて、チャートデータ(D)1202にチャートデータを書き込む。
次に、ステップS1209にて、搬送時間対応表1210に、第一定着器650もしくは第二定着器660を通過してから色検出センサ127を用いて測定するまでの時間をチャート毎に書き込む。
(測色システム)
次に、搬送路に設置されたインラインセンサを用いて行われる測色処理について図12を用いて説明する。以下の処理の流れはプリンタ115内のCPU129が実行することにより実現される。
まず、ステップS1301にて、チャート情報1302に格納されている出力するチャート画像の種類に関する情報を取得する。次に、ステップS1303にて用紙情報1304で出力する用紙の情報を取得する。ここで用紙情報1304に格納される情報は、用紙(紙種)の名称、坪量、表面性等があり、ユーザが入力装置120を用いて選択した用紙に対応する情報を取得する。
次にステップS1305にて、色検出センサが測定した分光反射率から取得される信号値の種類を読み出す。本実施例における信号値の種類は、L*a*b*や濃度が挙げられるが、他の色空間の情報でもよい。
ステップS1306にて、搬送時間対応表1210を用いてステップS1301、ステップS1303とステップS1305で取得したデータから、測定するチャート画像を定着してから測定するまでの時間の取得を行う。そしてステップS1307にて、ステップS1305で取得した結果から用紙の搬送制御の設定を行う。
本実施例では、測定するチャート画像が複数枚ある場合は、サーモクロミズムの影響度を低い順にソートしてチャートデータの再配置をしているので、再配置されたチャート画像を測定するまでの時間が短い順番にパッチ画像を読み取る。また、測定するまでの時間が長いチャート画像(上記チャート画像C)を先に定着し、両面印刷を行うための搬送経路638等で測定するまでの時間まで待機させている間に、次のチャート画像(上記チャートA,B)を定着、測定してもよい。この場合も全てのチャートを測定するのにかかる時間を削減したりしてもよい。
また、複数枚測定するチャート画像がある場合であっても再配置を行わずに、チャート画像に含まれるパッチ画像のうち、サーモクロミズムの影響を抑制するのに必要な時間が一番長いパッチ画像を抽出する。そして定着されたパッチ画像を定着してから測定するまでに必要となる時間を取得し、これをこのパッチ画像が出力されるチャート画像を定着してから測定するまでに必要となる時間として、搬送時間対応表1210に書き込んでもよい。
本実施例によって、チャート画像毎にサーモクロミズムの影響度によって、用紙上にチャート画像を定着してから測定までの時間を切り替えることで、測定までの時間をチャート毎に最適化することが可能になる。さらに、複数枚のチャート画像を順に測定する場合、チャート画像に形成されるパッチ画像を再配置してサーモクロミズムの影響を受けにくい順に並び替えることが可能になる。これにより、複数枚測定に必要となるチャートでもサーモクロミズムによる影響を抑制し、測定誤差の抑制をし、測定時間を削減することが可能になる。
[実施例3]
実施例1と2では、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を制御することでサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制した。
本実施例は、チャート画像を定着してから測定するまでの時間を制御し変更することなく、チャート画像を定着してから測定するまでの間、チャート画像を冷却する。これにより、チャート画像の温度を常温定常状態にしてサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制する。
本実施例における画像処理装置について、図15を用いて説明する。尚、1501から1562までの構成は、実施例1と同様となるため、説明を省略する。
本実施例では、色検出センサ127の位置を、画像処理装置1501の排紙前の搬送経路1571としている。そして、第一定着器1550または第二定着器1560によって定着された用紙を冷却するためのファン1570が搬送経路1571上にある。
次に、本実施例における測色システムについて、図16と図17を用いて説明する。以下の処理の流れはプリンタ115内のCPU129が実行することにより実現される。
ステップS1601にて用紙情報1602で出力する用紙の情報を取得する。ここで用紙情報1602に格納される情報は、用紙(紙種)の名称、坪量、表面性等があり、ユーザが入力装置120を用いて選択した用紙に対応する情報を取得する。
次にステップS1603にて、色検出センサ127によって測色された分光反射率から取得される信号値の種類に関する情報を読み出す。本実施例における信号値の種類は、L*a*b*や濃度が挙げられるが、他の色空間の情報でもよい。
ステップS1604にて、ステップS1601とステップS1603で取得したデータから搬送時間制御表1605を用いて、ファン1570を用いて定着されたチャート画像を冷却するための風量を取得する。ここで、本実施例の風量は3段階の大、中、小とした。そしてステップS1606にて、ステップS1603で取得した結果からファン1570の風量を制御するための設定を行う。
ファン1570の風量を取得する方法について、図17を用いて説明する。本実施例で風量を取得するために必要とするものは、色検出センサ127によって測色された分光反射率から取得される信号値の種類と用紙の種類である。本実施例における信号値の種類としてL*a*b*と濃度、用紙の表面性として上質紙とコート紙を挙げている。
同じ上質紙上の画像を測定する場合でも、測定された分光反射率をサーモクロミズムの影響を受けやすいL*a*b*で取得する場合と、サーモクロミズムの影響を受けにくい濃度で取得する場合とでは、チャート画像を定着して測定するまでに制御されるべき時間が異なる。L*a*b*で信号値を取得する場合の方が濃度で信号値を取得する場合よりも、ファン1570の風量を強く設定するよう制御する必要がある。
また、分光反射率を濃度で取得する場合であっても、チャート画像の紙種が異なる場合は、チャート画像を定着してから測定するまでのファン1570の風量の風量が異なる。上質紙に出力されたチャート画像よりコート紙に出力されたチャート画像の方が、ファン1570の風量を強く設定するよう制御する必要がある。
本実施例では、ファン1570の風を利用してチャート画像を常温状態にすることでサーモクロミズムの影響を抑制しているが、その他の装置を用いることでチャート画像を冷却するのと同様の効果を得られる方法であれば、どのような方法でもよい。
また、実施例2のように、サーモクロミズムによる影響度が異なるパッチ画像を有するチャート画像毎に風量の切り替えを行ってもよい。
本実施例により、チャート画像の測定前にチャート画像を冷却することでサーモクロミズムの影響による測定誤差を抑制し、測定までの時間の増加を抑制することが可能になる。また、紙種や測定条件に応じてチャート画像を冷却する強度を適切に切り替えることで冷却にかける電力を抑制することができ、節電が可能となる。
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (23)

  1. 画像を形成する画像形成手段と、
    用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置され、前記画像形成手段により用紙に形成されたチャート画像を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類に対応して、前記画像形成手段により形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記画像形成手段により形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間を、前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類と前記画像形成手段によるパッチ画像の形成に用いる紙の種類との組合せに対応して制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記測定手段による測定結果を用いて、前記画像形成手段により形成される画像の再現特性を補正するキャリブレーション手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類とは、
    濃度値、またはL*a*b*値、またはXYZ値であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類が濃度値である場合よりも、前記測定手段により測定した分光反射率から取得される信号値の種類がL*a*b*値である場合の方が、
    前記画像形成手段により形成されたパッチ画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間が長くなるように、前記制御手段により制御されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記制御手段により前記画像形成手段により形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間を制御するために、
    前記画像形成手段により用紙に形成されたチャート画像を前記定着部により定着してから前記測定手段により測定するまでに、前記チャート画像が形成された用紙を前記搬送路にて待機させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記チャート画像が形成された用紙を前記搬送路にて待機する際、両面印刷をするための反転機構を用いることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記制御手段により前記画像形成手段により形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定手段により測定されるまでの時間を制御するために、
    前記チャートが形成された用紙の搬送路における搬送速度を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. チャート画像に含まれる複数のパッチ画像のそれぞれが測定時に受けるサーモクロミズムの影響度により、複数枚の用紙に形成されるチャート画像での各パッチ画像の配置位置を決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された位置に配置された複数のパッチ画像を有する複数枚のチャート画像を形成する画像形成手段と、
    用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置され、前記画像形成手段により用紙に形成された前記パッチ画像を有するチャート画像を測定する測定手段とを有し、
    前記測定手段により、前記画像形成手段により形成した複数枚のチャート画像のうち測定時にうけるサーモクロミズムによる影響度が低いパッチ画像が形成されたチャート画像を、サーモクロミズムによる影響度が高いパッチ画像が形成されたチャート画像より先に前記測色手段により測定するよう制御する制御手段を有する画像処理装置。
  10. 前記決定手段は、複数のチャート画像に形成される複数のパッチ画像を形成するパッチデータをサーモクロミズムによる影響度の順にソートし、前記サーモクロミズムによる影響度の低いパッチ画像から順に、前記画像形成手段によりチャート画像に形成され、前測定手段により測定されるように前記パッチ画像の配置位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記制御手段はさらに、前記複数のチャート画像のそれぞれに形成されたパッチ画像のうち、サーモクロミズムによる影響度が最も高いパッチ画像を前記測定手段により測定する際にサーモクロミズムによる影響を抑制するために必要な時間を取得し、該取得した時間を用いて、前記チャート画像を前記定着部により定着してから測定するまでの時間を制御することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  12. 画像を形成する画像形成ステップと、
    用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置され、前記画像形成ステップにより用紙に形成されたチャート画像を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップにて測定した分光反射率から取得される信号値の種類に対応して、前記画像形成ステップにて形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定ステップにて測定されるまでの時間を制御する制御ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
  13. 前記制御ステップは、前記画像形成ステップにより形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定ステップにて測定されるまでの時間を、前記測定ステップにより測定した分光反射率から取得される信号値の種類と前記画像形成ステップにてパッチ画像の形成に用いる紙の種類との組合せに対応して制御することを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  14. 前記測定ステップでの測定結果を用いて、前記画像形成ステップにて形成される画像の再現特性を補正するキャリブレーションステップを有することを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  15. 前記測定ステップにて測定した分光反射率から取得される信号値の種類とは、
    濃度値、またはL*a*b*値、またはXYZ値であることを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  16. 前記測定ステップにて測定した分光反射率から取得される信号値の種類が濃度値である場合よりも、前記測定ステップにて測定した分光反射率から取得される信号値の種類がL*a*b*値である場合の方が、
    前記画像形成ステップにて形成されたパッチ画像を前記定着部で定着してから前記測定ステップにて測定されるまでの時間が長くなるように、前記制御ステップにより制御されていることを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  17. 前記制御ステップにて前記画像形成ステップにより形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定ステップにより測定されるまでの時間を制御するために、
    前記画像形成ステップによって紙に形成されたチャート画像を前記定着部により定着してから前記測定ステップにより測定するまでに、前記チャート画像が形成された用紙を前記搬送路にて待機させることを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  18. 前記チャート画像が形成された用紙を前記搬送路にて待機する際、両面印刷をするための反転機構を用いることを特徴とする請求項17に記載の画像処理方法。
  19. 前記制御ステップにて前記画像形成ステップにより形成されたチャート画像を前記定着部で定着してから前記測定ステップにて測定されるまでの時間を制御するために、
    前記チャートが形成された用紙の搬送路における搬送速度を変更することを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  20. チャート画像に含まれる複数のパッチ画像のそれぞれが測定時に受けるサーモクロミズムの影響度により、複数枚の用紙に形成されるチャート画像での各パッチ画像の配置位置を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにて決定された位置に配置された複数のパッチ画像を有する複数枚のチャート画像を形成する画像形成ステップと、
    用紙搬送路の定着部と排紙部の間に設置され、前記画像形成ステップにより用紙に形成された前記パッチ画像を有するチャート画像を測定する測定ステップとを有し、
    前記測定ステップにて、前記画像形成ステップにより形成した複数枚のチャート画像のうち測定時にうけるサーモクロミズムによる影響度が低いパッチ画像が形成されたチャート画像を、サーモクロミズムによる影響度が高いパッチ画像が形成されたチャート画像より先に前記測色ステップにより測定するよう制御する制御ステップを有する画像処理方法。
  21. 前記決定ステップは、複数のチャート画像に形成される複数のパッチ画像を形成するパッチデータをサーモクロミズムによる影響度の順にソートし、前記サーモクロミズムによる影響度の低いパッチ画像から順に、前記画像形成ステップによりチャート画像に形成され、前測定ステップにより測定されるように前記パッチ画像の配置位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  22. 前記制御ステップはさらに、前記複数のチャート画像のそれぞれに形成されたパッチ画像のうち、サーモクロミズムによる影響度が最も高いパッチ画像を前記測定ステップにより測定する際にサーモクロミズムによる影響を抑制するために必要な時間を取得し、該取得した時間を用いて、前記チャート画像を前記定着部により定着してから測定するまでの時間を制御することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  23. コンピュータに請求項12乃至22に記載の画像処理方法を実行させるためのプログラム。
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