JP2014116254A - 多芯電源光複合ケーブル - Google Patents

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嘉一 滑川
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【課題】ケーブルを大径化すること無く、光ユニットの本数と同数の電源系統を確保することが可能な多芯電源光複合ケーブルを提供する。
【解決手段】ケーブル中心介在110と、ケーブル中心介在110の周囲に配置された複数本の光ユニット120と、複数本の光ユニット120の間に配置された複数本のユニット介在130と、を備え、光ユニット120は、ファイバ介在121と、ファイバ介在121の周囲に配置された複数本の光ファイバ122と、を有し、複数本のユニット介在130の少なくとも一部が電源線140を有する多芯電源光複合ケーブル100において、複数本のユニット介在130と複数本のファイバ介在121の全てが電源線140を有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、1つのケーブルで電源供給と光通信とを行える多芯電源光複合ケーブルに関する。
近年、通信システムの高密度化に伴い、光通信機器間の接続には、1つのケーブルで電源供給と光通信とを行える多芯電源光複合ケーブルが用いられている。
多芯電源光複合ケーブルとしては、例えば、1本の光ファイバ心線と2本の被覆銅線とを有する複数本の複合コードを備えたもの(特許文献1参照)、2本の絶縁導体を有する対撚線と1本の光ファイバとを撚り合わせたもの(特許文献2参照)、又は光ファイバ心線の周囲に複数本の電線が配置されたもの(特許文献3参照)が知られている。
ところが、これらの多芯電源光複合ケーブルは、通信容量を増大させるために多芯化をしていくと、空間の利用効率が低下していくことから、ケーブルの無駄な大径化を余儀なくされる。
これに対して、図2に示すように、ケーブル中心介在210と、ケーブル中心介在210の周囲に配置された複数本(図では7本)の光ユニット220と、複数本の光ユニット220の間に配置された複数本(図では7本)のユニット介在230と、を備え、光ユニット220は、ファイバ介在221と、ファイバ介在221の周囲に配置された複数本(図では12本)の光ファイバ222と、を有し、複数本のユニット介在230の少なくとも一部が電源線240を有する多芯電源光複合ケーブル200が知られている。
この多芯電源光複合ケーブル200では、複数本の光ユニット220の間の隙間空間に配置され、ケーブルの可撓性や耐屈曲性を向上させるためにケーブルの断面形状を円形状に維持するユニット介在230の一部が電源線240を有するため、空間の利用効率に優れ、多芯化によって必要以上にケーブルが大径化することは無い。
特開平11−213778号公報 特開2002−117732号公報 特開2012−43557号公報
しかしながら、通常は、2本の電源線240が信号線と接地線の役割を為して1つの電源系統が構成されることから、多芯電源光複合ケーブル200では、光ユニット220の本数よりも少ない数の電源系統しか確保することができなかった。
例えば、図2では、光ユニット220の本数は5本であるが、電源系統の数は2系統しか確保することができない。
そこで、本発明の目的は、ケーブルを大径化すること無く、光ユニットの本数と同数の電源系統を確保することが可能な多芯電源光複合ケーブルを提供することにある。
この目的を達成するために創案された本発明は、ケーブル中心介在と、前記ケーブル中心介在の周囲に配置された複数本の光ユニットと、複数本の前記光ユニットの間に配置された複数本のユニット介在と、を備え、前記光ユニットは、ファイバ介在と、前記ファイバ介在の周囲に配置された複数本の光ファイバと、を有し、複数本の前記ユニット介在の少なくとも一部が電源線を有する多芯電源光複合ケーブルにおいて、複数本の前記ユニット介在と複数本の前記ファイバ介在の全てが電源線を有する多芯電源光複合ケーブルである。
1つの前記ユニット介在の電源線と1つの前記ファイバ介在の電源線とで1つの電源系統が構成されると良い。
複数本の前記光ユニットと同数の電源系統を有すると良い。
複数本の前記光ユニットと複数本の前記ユニット介在は、ケーブル中心介在を中心として撚り合わされると良い。
複数本の前記光ユニットと複数本の前記ユニット介在との周囲に巻き付けられた押さえ巻きテープと、前記押さえ巻きテープの周囲に形成されたシースと、を更に備えると良い。
本発明によれば、ケーブルを大径化すること無く、光ユニットの本数と同数の電源系統を確保することが可能な多芯電源光複合ケーブルを提供することができる。
本発明に係る多芯電源光複合ケーブルを示す断面図である。 従来技術に係る多芯電源光複合ケーブルを示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る多芯電源光複合ケーブル100は、ケーブル中心介在110と、ケーブル中心介在110の周囲に配置された複数本(図では5本)の光ユニット120と、複数本の光ユニット120の間に配置された複数本(図では5本)のユニット介在130と、を備え、光ユニット120は、ファイバ介在121と、ファイバ介在121の周囲に配置された複数本(図では12本)の光ファイバ122と、を有し、複数本のユニット介在130の少なくとも一部が電源線140を有するものであり、複数本のユニット介在130と複数本(図では5本)のファイバ介在121の全てが電源線140を有することを特徴とする。
ここでは、一例として、ファイバ60芯型の多芯電源光複合ケーブル100について説明する。
ケーブル中心介在110は、複数本の光ユニット120と複数本のユニット介在130とを断面において同心円状に整列させた状態で撚り合わせることで、ケーブルの対称性を維持して外力を分散できるようにし、ケーブルの可撓性や耐屈曲性を向上させるためのものである。
ケーブル中心介在110としては、ケーブルの長手方向に加わる張力等に対する耐性を高めるために、例えば、アラミド等のポリアミド系繊維やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維からなる抗張力繊維が用いられる。
光ユニット120は、ファイバ介在121と複数本の光ファイバ122の他に、複数本の光ファイバ122の周囲に形成されたユニットシース123を更に有する。
ファイバ介在121は、電源線140と、電源線140の周囲に形成された絶縁層124と、を有する。
1つのユニット介在130の電源線140と1つのファイバ介在121の電源線140とで1つの電源系統が構成される。例えば、ファイバ介在121の電源線140が接地線(マイナス側)であり、ユニット介在130の電源線140が信号線(プラス側)である。
このとき、特定のファイバ介在121の電源線140とその特定のファイバ介在121に最も近接するユニット介在130の電源線140とで1つの電源系統が構成されることが好ましい。
これにより、ケーブルの端末からファイバ介在121やユニット介在130を露出させたときに、電源系統を構成するファイバ介在121の電源線140とユニット介在130の電源線140とを近接した状態で引き出すことができ、ケーブルの敷設性を向上させることができるからである。
また、多芯電源光複合ケーブル100は、複数本の光ユニット120と同数の電源系統を有する。例えば、図1では、光ユニット120の本数は5本であり、電源系統の数も5系統である。
そのため、1つの光ユニット120で特定の光通信機器間を接続した場合には、その光通信機器間に必ず電源系統を確保することができる。
光ファイバ122は、コアと、コアの周囲に形成されたクラッドと、を有する。
コアとクラッドは、例えば、シリカガラスを主原料とするものであり、そのシリカガラスに特定の添加物を添加することで、コアの屈折率がクラッドの屈折率よりも大きくされる。
例えば、コアは屈折率を上げるためにシリカガラスにゲルマニウムやリンを添加した材料からなり、クラッドは屈折率を下げるためにシリカガラスにホウ素やフッ素を添加した材料からなる。
複数本の光ファイバ122は、ファイバ介在121を中心として撚り合わされることが好ましい。
これにより、外力による光ファイバ122の断線を防止し、ケーブルの可撓性や耐屈曲性を向上させることができるからである。
ユニットシース123は、光ファイバ122を保護するために形成されるものであり、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、又はフッ素樹脂からなる。
絶縁層124は、電源線140を保護すると共に光ファイバ122が電源線140と接触して損傷を受けるのを防止するために形成されるものであり、例えば、耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂からなる。
電源線140としては、例えば、銅やアルミニウムからなる単芯導体、又は銅やアルミニウムからなる複数本の素導体を撚り合わせた撚導体が用いられるが、特に、電源線140として撚導体を用いることで、電源線140の可撓性や耐屈曲性を向上させることができる。
ユニット介在130は、複数本の光ユニット120の間の隙間空間に配置され、ケーブルの可撓性や耐屈曲性を向上させるためにケーブルの断面形状を円形状に維持するものである。
ケーブルの断面形状を円形状に維持することで、ケーブルの可撓性や耐屈曲性を向上させることができる理由は、ケーブルの断面形状が円形状であれば、ケーブルに何らかの外力が加えられたときにその外力をケーブルの内部で均等に分散させ、外力が何れかの箇所に局所的に集中するのを防止することができるからである。
ユニット介在130は、電源線140と、電源線140の周囲に形成された絶縁層131と、を有する。
絶縁層131は、電源線140を保護するために形成されるものであり、例えば、耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂からなる。
複数本の光ユニット120と複数本のユニット介在130は、ケーブル中心介在110を中心として撚り合わされることが好ましい。
これにより、ケーブルの可撓性や耐屈曲性を向上させることができるからである。
光ユニット120とユニット介在130の撚り方向は、光ファイバ122の撚り方向とは反対の方向にされることが好ましい。
これにより、光ユニット120とユニット介在130の撚りによる応力が光ファイバ122の撚りによる応力で相殺され、ケーブルが特定の方向に捩れ曲がるのを防止し、ケーブルの取り扱い性を向上させることができるからである。
また、多芯電源光複合ケーブル100は、複数本の光ユニット120と複数本のユニット介在130との周囲に巻き付けられた押さえ巻きテープ150と、押さえ巻きテープ150の周囲に形成されたシース160と、を更に備える。
押さえ巻きテープ150は、ケーブル中心介在110、光ユニット120、及びユニット介在130の配置関係を固定するために巻き付けられるものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレートテープからなる。
シース160は、光ファイバ122や電源線140を保護するために形成されるものであり、例えば、耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂からなる。
これまで説明してきた多芯電源光複合ケーブル100によれば、ケーブルを構成する上で必ず存在する複数本のユニット介在130と複数本のファイバ介在121の全てが電源線140を有するので、ケーブルの多芯化を行っても、ケーブルを大径化すること無く、光ユニットの本数と同数の電源系統を確保することが可能となる。
また、多芯電源光複合ケーブル100によれば、光通信機器間を接続する際に、1つのケーブルで電源供給と光通信とを行えるため、通信システムの高密度化に対応することが可能となる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない程度に種々の変更を加えることが可能である。
例えば、不要輻射を要因とする電磁波障害(Electro-Magnetic Interference;EMI)対策のため、シールド層を設けるようにしても構わない。
100 多芯電源光複合ケーブル
110 ケーブル中心介在
120 光ユニット
121 ファイバ介在
122 光ファイバ
123 ユニットシース
124 絶縁層
130 ユニット介在
131 絶縁層
140 電源線
150 押さえ巻きテープ
160 シース

Claims (5)

  1. ケーブル中心介在と、
    前記ケーブル中心介在の周囲に配置された複数本の光ユニットと、
    複数本の前記光ユニットの間に配置された複数本のユニット介在と、
    を備え、
    前記光ユニットは、ファイバ介在と、前記ファイバ介在の周囲に配置された複数本の光ファイバと、を有し、
    複数本の前記ユニット介在の少なくとも一部が電源線を有する多芯電源光複合ケーブルにおいて、
    複数本の前記ユニット介在と複数本の前記ファイバ介在の全てが電源線を有することを特徴とする多芯電源光複合ケーブル。
  2. 1つの前記ユニット介在の電源線と1つの前記ファイバ介在の電源線とで1つの電源系統が構成される請求項1に記載の多芯電源光複合ケーブル。
  3. 複数本の前記光ユニットと同数の電源系統を有する請求項1又は2に記載の多芯電源光複合ケーブル。
  4. 複数本の前記光ユニットと複数本の前記ユニット介在は、ケーブル中心介在を中心として撚り合わされる請求項1から3の何れかに記載の多芯電源光複合ケーブル。
  5. 複数本の前記光ユニットと複数本の前記ユニット介在との周囲に形成された押さえ巻きテープと、
    前記押さえ巻きテープの周囲に形成されたシースと、
    を更に備える請求項1から4の何れかに記載の多芯電源光複合ケーブル。
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