JP2014116178A - 電力貯蔵システムの温度調節装置および電力貯蔵システムの温度調節方法 - Google Patents

電力貯蔵システムの温度調節装置および電力貯蔵システムの温度調節方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 蓄電池の電力や外部電力を使用せずに効率よく使用中の蓄電池の温度を調整する。
【解決手段】 パワーコンディショニングシステム3の温度TPCSと外気温度Tとの間の温度差ΔTを利用して蓄電池2の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子A1を、パワーコンディショニングシステム用断熱層6が備える貫通孔6aの内部に此の貫通穴6aを塞ぐようにして設置してパワーコンディショニングシステム3を外気から遮断し、パワーコンディショニングシステム3の温度と外気温度との間の温度差ΔTを確保することで発電用熱電変換素子A1が供給する電力を保証し、この電力を使用して蓄電池2の温度調整を的確に行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力貯蔵システムの温度を調整するための温度調節装置および温度調節方法に関する。
充放電を繰り返して使用できる蓄電池(二次電池)は、電気自動車(EV)や携帯電子機器など様々な分野で利用されている。その中でも、蓄電池を使用した電力貯蔵システムは、太陽光発電による余剰電力や割安な夜間電力を貯蔵してエネルギー利用効率の向上に役立つ。
蓄電池の充放電は直流電力であるが、電力会社の電力網からの外部電力は交流電力であり、負荷となる電気機械器具は交流電力で作動するため、蓄電池を使用した電力貯蔵システムは、直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムを必要とする。
パワーコンディショニングシステムは、蓄電池の充放電時に電力変換機能が作動し、変換損失分が熱エネルギーとなってパワーコンディショニングシステムそのものの温度上昇につながる。
電力貯蔵システムの蓄電池は、鉛蓄電池,ニッケル水素蓄電池,リチウムイオン二次電池などのように常温領域で作動するものが通常使われている。これらの蓄電池は、充放電時に化学反応熱などにより自己発熱するという問題がある。そして、これらの蓄電池は、常温より高温になると、電池性能や電池寿命が低下するだけでなく、発火の可能性もあって危険である。また、これらの蓄電池は、常温より低温になるとエネルギー出力が低下して実用に供さなくなる。従って、これらの蓄電池は、その性能や寿命および安全性を最大限に維持するのに最適な温度範囲で使用されることが必要である。
このような蓄電池の温度を適正レベルに維持する技術が、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている。
特許文献1では、温度調節のために、熱電変換デバイスの第1の面を1つまたは複数の蓄電池と熱結合し、熱電変換デバイスが蓄電池などにより通電されるときの極性に対応して、熱結合対象に対して強制加温および強制冷却を行う構造が示されている。
しかしながら、特許文献1で開示された構造では、熱電変換デバイスが蓄電池の電力や外部電力を使用するため、電力貯蔵システムのエネルギー利用効率が悪くなるという不都合がある。
また、特許文献2では、二次電池と熱交換しうるように少なくとも1つの熱電変換素子と、熱電変換素子の周囲を取り囲む断熱層を有する外装部材とを具備する構造が示されている。
しかし、特許文献2で開示された構造では、断熱層が熱電変換素子の周囲を取り囲むため、熱電変換素子の熱が断熱層内に籠もってしまい、蓄電池の温度調節が困難になると考えられる。
蓄電池の温度を適正レベルに維持する技術としては、これらの他にも、同じ定格を有する複数の二次電池を用意し、二次電池の温度を検知しながら二次電池の温度が閾値温度を超えないように複数の二次電池を交互に或いは循環的に使用するようにした二次電池制御装置が特許文献3として開示されている。
特許文献3に開示される技術は温度が上昇した側の二次電池を負荷から切り離して二次電池の自然な温度低下を待つものに過ぎず、積極的に使用中の二次電池の温度を制御するための手段は備えていない。
更に、充電と放電をトレードオフの関係で交互に実施する第1および第2の蓄電部に接触する熱電変換素子を設け、この熱電変換素子で発電された電力を第1および第2の蓄電部や補助蓄電部の充電あるいは切替機構や昇温装置の駆動に利用することにより第1および第2の蓄電部の充放電作用に伴って発生する熱エネルギーを回収し、電力の使用効率を改善した電源システムが特許文献4として提案されている。
この技術は蓄電池などの発熱作用と熱電変換素子の発電作用を利用して回収した電力を有効利用するとした点で本願の発明と類似するが、その用途は蓄電池の温度制御とは関連がなく、また、熱電変換素子で発電される電力を切替機構や昇温装置の駆動に利用する場合にあっては熱電変換素子で発電された電力を補助蓄電部に一旦蓄えてから改めて切替機構や昇温装置の駆動のために放出する構成であるから、補助蓄電部への充電の過程においても回収した電力の一部が失われることになり、回収した電力の有効利用に限界がある。
特開2003−7356号公報 特開2008−47371号公報 特開2012−23947号公報(段落0018〜0019) 特開2011−188613号公報(段落0046,0048〜0055,0064〜0065,0105,0107,0113〜0118,0134,0137,0179)
本発明の目的は、蓄電池の電力や外部電力を使用せず効率よく使用中の蓄電池の温度を調整することのできる電力貯蔵システムの温度調節装置および温度調節方法を提供することにある。
本発明による電力貯蔵システムの温度調節装置は、直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムと蓄電池を備えた電力貯蔵システムにおいて、前記目的を達成するため、
前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続され、前記パワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を利用して少なくとも前記蓄電池の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子と、前記パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層とを有し、
前記パワーコンディショニングシステム用断熱層が少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記発電用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする構成を有する。
本発明による電力貯蔵システムの温度調節方法は、直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムと蓄電池を備えた電力貯蔵システムにおいて、前記目的を達成するため、
前記パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層が持つ貫通穴を、前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続されて他方の電極を外側に向けた発電用熱電変換素子を用いて塞ぐことにより前記パワーコンディショニングシステムを外気から遮断し、前記パワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を確保して前記蓄電池の温度制御に供する電力を前記発電用熱電変換素子によって効率よく生成させると共に、
前記発電用熱電変換素子が生成する電力を前記蓄電池の温度制御に直ちに利用することによって、前記発電用熱電変換素子が生成した電力を損失することなく前記蓄電池の温度制御に消費することを特徴とした構成を有する。
本発明による電力貯蔵システムの温度調節装置および電力貯蔵システムの温度調節方法は、パワーコンディショニングシステムに熱的に接続されてパワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を利用して蓄電池の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子を、パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層が備える貫通孔の内部に此の貫通穴を塞ぐようにして設置しているので、パワーコンディショニングシステムを外気から遮断してパワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を確保することができる。
従って、パワーコンディショニングシステムの温度の影響を受ける一方の電極と外気温度の影響を受ける他方の電極とを有する発電用熱電変換素子を大きな温度差で作動させて蓄電池の温度制御に供する電力を効率よく生成させることができる。
また、蓄電池の温度制御のために外部電力を必要とせず、しかも、発電用熱電変換素子で生成された電力は蓄電池に充電されることなく直ちに蓄電池の温度制御に利用されるので、発電用熱電変換素子で生成された電力が充電の過程で熱として失われるといったこともなく、発電用熱電変換素子が生成した電力を効率よく利用して使用中の蓄電池の温度を制御することができる。
本発明を適用した一実施形態の電力貯蔵システムと其の温度調節装置の構成の概略について示した模式図である。 同実施形態の温度調節装置の一部を構成する断熱層に設けられた貫通穴に対する熱電変換素子の取り付け構造について簡略化して示した模式図である。 パワーコンディショニングシステムおよび蓄電池の温度状態と制御回路の動作状態の対応関係を表した説明図である。
次に、図面を参照して本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
図1は本発明を適用した一実施形態の電力貯蔵システムの構成の概略について示した模式図である。
この電力貯蔵システム1は、電力会社の電力網から供給される交流の外部電力を蓄電池2の充電に適した直流電力に変換したり、蓄電池2から出力される直流電力を負荷となる電気機械器具などに適した交流電力に変換したりするための相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステム3を備える。
パワーコンディショニングシステム3は、蓄電池2の充放電時に電力変換機能が作動するため、変換損失分が熱エネルギーとなって其の温度が上昇する。
また、電力貯蔵システム1は、パワーコンディショニングシステム3で交流から直流に変換された外部電力の充電や電気機械器具などの駆動に際して行われるパワーコンディショニングシステム3への直流電力の出力によって充放電を繰り返す蓄電池2を備える。
蓄電池2としては、常温領域で適正に作動する鉛蓄電池,ニッケル水素蓄電池,リチウムイオン二次電池などが一般的であり、何れのものも、充放電時の化学反応熱などによって自己発熱し、常温よりも高温になると電池性能や電池寿命が低下する。一方、蓄電池2の温度が常温よりも低温になると、エネルギー出力が低下して実用に供さなくなるため、蓄電池2の性能や寿命および安全性を維持するためには適正な温度範囲で使用されることが求められる。
蓄電池2やパワーコンディショニングシステム3の構成それ自体に関しては既に公知である。
この実施形態における電力貯蔵システムの温度調節装置4は、パワーコンディショニングシステム3に熱伝導率の高い熱伝導体5を介して一方の電極を熱的に接続され、パワーコンディショニングシステム3の温度と外気温度との間の温度差を利用して蓄電池2やパワーコンディショニングシステム3の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子A1と、パワーコンディショニングシステム3の周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層6を備える。
そして、熱伝導率の低い断熱材から成るパワーコンディショニングシステム用断熱層6には、発電用熱電変換素子A1を設置するための貫通穴6aが設けられ、貫通穴6aの内部に、前述の発電用熱電変換素子A1が、他方の電極を外側に向けた状態で貫通穴6aを気密に塞ぐようにして設置されている。
また、発電用熱電変換素子A1の他方の電極には、空気に対する熱伝達係数の高いヒートシンク7が、パワーコンディショニングシステム用断熱層6よりも外側に突出するようにして設置され、発電用熱電変換素子A1の他方の電極に熱的に接続されている。
温度調節装置4は、更に、パワーコンディショニングシステム3に熱伝導率の高い熱伝導体8を介して一方の電極を熱的に接続され、発電用熱電変換素子A1によって供給される電力を用いてパワーコンディショニングシステム3の温度制御を行うパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2を備える。
そして、パワーコンディショニングシステム用断熱層6には、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2を設置するための2つ目の貫通穴6bが設けられ、貫通穴6bの内部に、前述のパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2が、他方の電極を外側に向けた状態で貫通穴6bを気密に塞ぐようにして設置されている。
また、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2の他方の電極には、空気に対する熱伝達係数の高いヒートシンク9が、パワーコンディショニングシステム用断熱層6よりも外側に突出するようにして設置され、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2の他方の電極に熱的に接続されている。
更に、パワーコンディショニングシステム用断熱層6の内側には、パワーコンディショニングシステム3に熱的に接続された熱電対などによって構成されるパワーコンディショニングシステム用温度検出器10が設けられ、パワーコンディショニングシステム3の現在温度が検出されるようになっている。
温度調節装置4は、更に、蓄電池2に熱伝導率の高い熱伝導体11を介して一方の電極を熱的に接続され、発電用熱電変換素子A1によって供給される電力を用いて蓄電池2の温度制御を行う蓄電池調温用熱電変換素子A3と、蓄電池2の周囲を取り囲む蓄電池用断熱層12を備える。
そして、熱伝導率の低い断熱材から成る蓄電池用断熱層12には、蓄電池調温用熱電変換素子A3を設置するための貫通穴12aが設けられ、貫通穴12aの内部に、前述の蓄電池調温用熱電変換素子A3が他方の電極を外側に向けた状態で貫通穴12aを気密に塞ぐようにして設置されている。
また、蓄電池調温用熱電変換素子A3の他方の電極には、空気に対する熱伝達係数の高いヒートシンク13が、蓄電池用断熱層12よりも外側に突出するようにして設置され、蓄電池調温用熱電変換素子A3の他方の電極に熱的に接続されている。
更に、蓄電池用断熱層12の内側には、蓄電池2に熱的に接続された熱電対などによって構成される蓄電池用温度検出器14が設けられ、蓄電池2の現在温度が検出されるようになっている。
この実施形態にあっては、蓄電池用断熱層12の内側に蓄電池2を加熱するヒーター15を設置しているが、蓄電池調温用熱電変換素子A3に供給する電力の極性を反転することによって蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極を加熱手段として利用することが可能であるので、ヒーター15の設置は必須の要件とはならない。
発電用熱電変換素子A1,パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2,蓄電池調温用熱電変換素子A3には、電圧を印加した際のペルチエ効果によって発熱する部分と吸熱する部分があり、印加する電圧の極性を変えると、吸熱する部分と発熱する部分が入れ替わるが、ここではパワーコンディショニングシステム3や蓄電池2に熱的に接続された側の部分を単純に一方の電極と称し、ヒートシンク7,9,13を介して外気と熱的に接続された側の部分を単純に他方の電極と称している。
なお、通常は一方の電極つまりパワーコンディショニングシステム3や蓄電池2に熱的に接続された側の電極が吸熱側の電極として機能し、他方の電極すなわち外気と熱的に接続された側の電極が発熱側の電極として機能することになる。
また、一方の電極と他方の電極の間に温度差が生じると、ゼーベック効果によって両電極間に電圧が発生する。
蓄電池用断熱層12に設けられた貫通穴12aに対する蓄電池調温用熱電変換素子A3の取り付け状態を図2に示す。
蓄電池用断熱層12に設けられた貫通穴12aは、蓄電池用断熱層12の断熱性や外気に対する機密性を損なわないように、蓄電池調温用熱電変換素子A3の外形に合わせた形状および大きさで形成されている。
また、貫通穴12aの深さHは蓄電池用断熱層12の厚みと同等にすることが望ましい。つまり、蓄電池調温用熱電変換素子A3の外形が図2に示されるような矩形状のものであれば、貫通穴12aの形状も此れに合わせて矩形状のストレート穴とすることが望ましいということになる。
既に述べた通り、蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極は熱伝導率の高い熱伝導体11を介して蓄電池2に熱的に接続され、また、蓄電池調温用熱電変換素子A3の他方の電極には空気に対する熱伝達係数の高いヒートシンク13が蓄電池用断熱層12よりも外側に突出するようにして熱的に接続されているので、蓄電池用断熱層12内の蓄電池2や蓄電池調温用熱電変換素子A3で発生する熱を蓄電池用断熱層12の外部に効率よく放出することができ、また、貫通穴12aが蓄電池調温用熱電変換素子A3で塞がれているのでヒートシンク13から放出された熱が蓄電池用断熱層12内に流入することも防止される。
蓄電池用断熱層12に貫通穴12aを設けることによって蓄電池用断熱層12の壁面の一部に穴が開くことにはなるが、一般に熱電変換素子の熱伝導率それ自体が低いため、この貫通穴12aを熱電変換素子たとえば蓄電池調温用熱電変換素子A3によって気密に塞ぐことにより、蓄電池用断熱層12の断熱効果の低下は最小限度に抑制される。
ここでは一例として蓄電池用断熱層12に設けられた貫通穴12aと蓄電池調温用熱電変換素子A3および熱伝導体11とヒートシンク13の取り付け構造について説明したが、パワーコンディショニングシステム用断熱層6に設けられた貫通穴6aと発電用熱電変換素子A1および熱伝導体5とヒートシンク7の取り付け構造も、パワーコンディショニングシステム用断熱層6に設けられた貫通穴6bとパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2および熱伝導体8とヒートシンク9の取り付け構造も、此れと全く同様である。
温度調節装置4に設けられた制御回路16は、発電用熱電変換素子A1で生成された電力を蓄電池調温用熱電変換素子A3とパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2あるいは蓄電池調温用熱電変換素子A3に代わるヒーター15とパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2に分配するための回路である。
パワーコンディショニングシステム用温度検出器10で検出されるパワーコンディショニングシステム3の現在温度TPCSと蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の現在温度Tが制御回路16に入力される。
また、パワーコンディショニングシステム3の温度TPCSと外気温度Tとの間に温度差が生じれば、ゼーベック効果により、その温度差ΔT=TPCS−Tに見合った電圧V1の直流電力が発電用熱電変換素子A1から出力され、この直流電力が蓄電池2やパワーコンディショニングシステム3の温度制御のための電力として制御回路16に供給されることになる。
制御回路16は、蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された蓄電池用冷却開始閾値TSET+を越えると、蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極を冷却するように発電用熱電変換素子A1で生成された電力を蓄電池調温用熱電変換素子A3に分配する機能と、パワーコンディショニングシステム用温度検出器10で検出されるパワーコンディショニングシステム3の温度TPCSが予め設定されたパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値TSETを越えると、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2の一方の電極を冷却するように発電用熱電変換素子A1で生成された電力をパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2に分配する機能とを備える。
なお、パワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値TSETはパワーコンディショニングシステム3が適切に作動する上限温度から或る程度のマージンを取って低めに設定した値である。
また、制御回路16は、蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された加熱開始閾値TSET−を下回ると、蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極を加熱するように発電用熱電変換素子A1で生成された電力の極性を反転して蓄電池調温用熱電変換素子A3に分配する機能を備える。この機能に代えて、蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された加熱開始閾値TSET−を下回った時点で発電用熱電変換素子A1で生成された電力の極性を反転せずに蓄電池調温用熱電変換素子A3に代わるヒーター15に分配する機能を備えてもよい。
但し、蓄電池用冷却開始閾値TSET+と加熱開始閾値TSET−の大小関係は、TSET+>TSET−である。蓄電池用冷却開始閾値TSET+は蓄電池2が適正に作動する温度範囲の上限値に概ね一致し、また、加熱開始閾値TSET−は蓄電池2が適正に作動する温度範囲の下限値に概ね一致するが、蓄電池2の温度変化のオーバーシュートや温度制御の遅れ等を見越して、蓄電池用冷却開始閾値TSET+は蓄電池2が適正に作動する温度範囲の上限値よりも僅かに低めに、また、加熱開始閾値TSET−は蓄電池2が適正に作動する温度範囲の下限値よりも僅かに高めに設定されている。
また、発電用熱電変換素子A1から出力される電圧がV1であることから、蓄電池調温用熱電変換素子A3やヒーター15に供給される電圧V3にはV3<V1の制限かあり、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2に供給される電圧V2にもV2<V1の制限かある。
蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された蓄電池用冷却開始閾値TSET+を越え、且つ、パワーコンディショニングシステム用温度検出器10で検出されるパワーコンディショニングシステム3の温度TPCSが予め設定されたパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値TSETを越えた場合には、発電用熱電変換素子A1から供給される電力を制御回路16が振り分けて、蓄電池調温用熱電変換素子A3とパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2に同時に供給することになる。
制御回路16はコンパレータや論理回路おびスイッチングトランジスタ等のハードウェアによって構成してもよいし、あるいは、プログラム制御されるマイクロプロセッサでスイッチングトランジスタ等を作動させる構成であってもよい。
次に、パワーコンディショニングシステム3や蓄電池2の温度状態と制御回路16の動作状態の対応関係を表した図3の動作説明図を参照して温度調節装置4の全体的な機能について説明する。
まず、パワーコンディショニングシステム3を利用した蓄電池2の充放電が開始されてパワーコンディショニングシステム3の温度TPCSが上昇し、パワーコンディショニングシステム用温度検出器10で検出されるパワーコンディショニングシステム3の現在温度TPCSが外気温度Tを超えると(ステップS1)、ゼーベック効果により温度差ΔT=TPCS−Tに見合った電圧V1の直流電力が発電用熱電変換素子A1から出力され、この直流電力が制御回路16に入力され始める(ステップS2)。
ここで、パワーコンディショニングシステム用温度検出器10で検出されるパワーコンディショニングシステム3の温度TPCSが予め設定されたパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値TSETを越えていれば(ステップS3)、制御回路16は、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2の一方の電極を冷却するように発電用熱電変換素子A1で生成された電力をパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2に分配して出力し、パワーコンディショニングシステム3の冷却を開始して、パワーコンディショニングシステム3の過剰な温度上昇を抑制する(ステップS4)。
既に述べた通り、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2に供給される電圧V2には、発電用熱電変換素子A1から出力される電圧V1との比較においてV2<V1の制限かある。
発電用熱電変換素子A1とパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2はパワーコンディショニングシステム3の両側を挟むようにしてパワーコンディショニングシステム3の対向面に設置されているので、パワーコンディショニングシステム3が加熱して其の温度を下げるためにパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2の一方の電極の冷却が開始された場合でも、パワーコンディショニングシステム3の温度が下がり始めて、更に、発電用熱電変換素子A1の一方の電極の温度が低下するまでには相当の時間的な遅れを伴うので、パワーコンディショニングシステム3の温度が適正な温度に下がるまでの間、発電用熱電変換素子A1は、パワーコンディショニングシステム3の温度と外気温度との間の温度差を利用して蓄電池2やパワーコンディショニングシステム3の温度制御に供する電力を生成することができる。
また、パワーコンディショニングシステム用温度検出器10で検出されるパワーコンディショニングシステム3の温度TPCSが予め設定されたパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値TSETを越えていなければ、パワーコンディショニングシステム3の温度上昇は許容範囲内にあることを意味するので、制御回路16は、パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子A2への電力の分配は行わない。
ここで、蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された蓄電池用冷却開始閾値TSET+を越えていれば(ステップS5)、制御回路16は、蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極を冷却するように発電用熱電変換素子A1で生成された電力を蓄電池調温用熱電変換素子A3に分配して出力し、蓄電池2の冷却を開始して、蓄電池2の温度Tが蓄電池2の適正に作動する温度範囲の上限値を超えるのを未然に防止する(ステップS6)。
既に述べた通り、蓄電池調温用熱電変換素子A3に供給される電圧V3には、発電用熱電変換素子A1から出力される電圧V1との比較においてV3<V1の制限かある。
一方、蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された加熱開始閾値TSET−を下回っていれば(ステップS7)、制御回路16は、蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極を加熱するように発電用熱電変換素子A1で生成された電力の極性を反転して蓄電池調温用熱電変換素子A3に分配するか、または、発電用熱電変換素子A1で生成された電力の極性を反転せずにヒーター15に分配して出力し、蓄電池2の加熱を開始して、蓄電池2の温度Tが蓄電池2の適正に作動する温度範囲の下限値を下回るのを未然に防止する(ステップS8)。
また、蓄電池用温度検出器14で検出される蓄電池2の温度Tが予め設定された加熱開始閾値TSET−と蓄電池用冷却開始閾値TSET+の間にあれば、蓄電池2が適正な温度範囲で使用されていることを意味するので、制御回路16は、蓄電池調温用熱電変換素子A3やヒーター15への電力の分配は行わない。
この実施形態にあっては、特に、蓄電池用冷却開始閾値TSET+を蓄電池2が適正に作動する温度範囲の上限値よりも僅かに低めに設定し、また、加熱開始閾値TSET−を蓄電池2が適正に作動する温度範囲の下限値よりも僅かに高めに設定しているので、蓄電池2の温度変化のオーバーシュートや温度制御の遅れ等があった場合でも、蓄電池2の温度Tを適正な温度範囲に保って使用することができ、蓄電池2の性能や寿命および安全性を維持することができる。
以上に述べた通り、この実施形態によれば、パワーコンディショニングシステム3に熱的に接続されてパワーコンディショニングシステム3の温度TPCSと外気温度Tとの間の温度差ΔT=TPCS−Tを利用して蓄電池2の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子A1を、パワーコンディショニングシステム3の周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層6が備える貫通孔6aの内部に此の貫通穴6aを塞ぐようにして設置しているので、パワーコンディショニングシステム3を外気から遮断した状態で、パワーコンディショニングシステム3の不必要な温度低下を防止し、パワーコンディショニングシステム3の温度TPCSと外気温度Tとの間の温度差ΔT=TPCS−Tをパワーコンディショニングシステム3それ自体に支障が生じない範囲、すなわち、パワーコンディショニングシステム3の温度TPCSがパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値TSETを超えない範囲で大きく確保することができる。
従って、パワーコンディショニングシステム3の温度の影響を受ける一方の電極と外気温度の影響を受ける他方の電極とを有する発電用熱電変換素子A1を大きな温度差で作動させて蓄電池2の温度制御に供する電力、つまり、蓄電池調温用熱電変換素子A3やヒーター15に供給する電力を効率よく生成することができる。
また、蓄電池2の温度制御のために外部電力を必要とせず、しかも、発電用熱電変換素子A1で生成された電力は蓄電池2や他の蓄電池に充電されることなく直ちに蓄電池2の温度制御に利用されるので、発電用熱電変換素子A1で生成された電力が充電の過程で熱として失われるといったこともなく、発電用熱電変換素子A1が生成した電力を効率よく利用して使用中の蓄電池2の温度を制御することができる。
また、蓄電池2を冷却したり過熱したりするための蓄電池調温用熱電変換素子A3は蓄電池用断熱層12に設けられた貫通穴12aの内部に貫通穴12aを気密に塞ぐようにして設置されており、蓄電池用断熱層12の内部への外気の侵入やヒートシンク13から放出された熱の再流入が未然に防止されるので、僅かな電力で駆動される蓄電池調温用熱電変換素子A3やヒーター15によって蓄電池2の温度を適切に調温することができる。
そして、蓄電池調温用熱電変換素子A3の一方の電極は熱伝導率の高い熱伝導体11を介して蓄電池2に熱的に接続され、また、蓄電池調温用熱電変換素子A3の他方の電極には空気に対する熱伝達係数の高いヒートシンク13が蓄電池用断熱層12よりも外側に突出するように設置して蓄電池調温用熱電変換素子A3の他方の電極に熱的に接続しているので、蓄電池用断熱層12内の蓄電池2や蓄電池調温用熱電変換素子A3で発生する熱を蓄電池用断熱層12の外部に効率よく放出することができ、しかも、貫通穴12aが蓄電池調温用熱電変換素子A3で塞がれていることからヒートシンク13から放出された熱が蓄電池用断熱層12内に流入することも防止され、蓄電池2や蓄電池調温用熱電変換素子A3で発生する熱が蓄電池用断熱層12に籠もるといった心配もない。
また、蓄電池2の温度が外気温の影響を受けにくいことから、寒冷地における蓄電池2の温度調節も容易となる。
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
例えば、蓄電池2の始動時に蓄電池2の温度Tが蓄電池2の適正に作動する温度範囲の下限値よりも低い場合に、始動時のみ外部電力あるいは電力貯蔵システム1に内蔵したキャパシタ等で蓄電池調温用熱電変換素子A3やヒーター15を駆動して蓄電池2を加熱し、蓄電池2の充放電に伴って蓄電池2の温度Tが上昇してから、発電用熱電変換素子A1で発生した電力V1のみを使用して蓄電池2を加熱する切替方式を追加してもよい。
〔付記1〕
直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムと蓄電池を備えた電力貯蔵システムにおいて、
前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続され、前記パワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を利用して少なくとも前記蓄電池の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子と、前記パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層とを有し、
前記パワーコンディショニングシステム用断熱層が少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記発電用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記2〕
前記蓄電池に一方の電極を熱的に接続され、前記発電用熱電変換素子によって供給される電力を用いて前記蓄電池の温度制御を行う蓄電池調温用熱電変換素子と、前記蓄電池の周囲を取り囲む蓄電池用断熱層とを有し、
前記蓄電池用断熱層が少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記蓄電池調温用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする付記1記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記3〕
前記蓄電池に熱的に接続された蓄電池用温度検出器と、前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配する制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め設定された冷却開始閾値を越えると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を冷却するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする付記2記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記4〕
前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を加熱するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする付記3記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記5〕
前記蓄電池用断熱層の内側には前記蓄電池を加熱するヒーターが設けられ、前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子に代えて前記ヒーターに前記電力を分配するように構成されていることを特徴とする付記4記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記6〕
前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続され、前記発電用熱電変換素子によって供給される電力を用いて前記パワーコンディショニングシステムの温度制御を行うパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子を更に備え、
前記パワーコンディショニングシステム用断熱層が、前記発電用熱電変換素子を設置するための前記貫通穴の他に更に少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする付記2記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記7〕
前記蓄電池に熱的に接続された蓄電池用温度検出器と、前記パワーコンディショニングシステムに熱的に接続されたパワーコンディショニングシステム用温度検出器と、前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子と前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子に分配する制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め設定された蓄電池用冷却開始閾値を越えると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を冷却するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配し、かつ、前記パワーコンディショニングシステム用温度検出器で検出される温度が予め設定されたパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値を越えると、前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子の一方の電極を冷却するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする付記6記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記8〕
前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記蓄電池用冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を加熱するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする付記7記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記9〕
前記蓄電池用断熱層の内側には前記蓄電池を加熱するヒーターが設けられ、前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子に代えて前記ヒーターに前記電力を分配するように構成されていることを特徴とする付記8記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
〔付記10〕
直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムと蓄電池を備えた電力貯蔵システムにおいて、
前記パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層が持つ貫通穴を、前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続されて他方の電極を外側に向けた発電用熱電変換素子を用いて塞ぐことにより前記パワーコンディショニングシステムを外気から遮断し、前記パワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を確保して前記蓄電池の温度制御に供する電力を前記発電用熱電変換素子によって効率よく生成させると共に、
前記発電用熱電変換素子が生成する電力を前記蓄電池の温度制御に直ちに利用することによって、前記発電用熱電変換素子が生成した電力を損失することなく前記蓄電池の温度制御に消費することを特徴とした電力貯蔵システムの温度調節方法。
〔付記11〕
前記蓄電池の周囲を取り囲む蓄電池用断熱層が持つ貫通穴を、前記蓄電池に一方の電極を熱的に接続されて他方の電極を外側に向けた蓄電池調温用熱電変換素子を用いて塞ぐことにより前記蓄電池を外気から遮断して外気温度が前記蓄電池の温度に与える影響を排除し、前記発電用熱電変換素子から供給される電力により前記蓄電池調温用熱電変換素子を作動させて前記蓄電池の温度を制御することにより、前記発電用熱電変換素子から供給される電力を外部に漏れる熱として損失することなく前記蓄電池の温度制御に消費することを特徴とした付記10記載の電力貯蔵システムの温度調節方法。
本発明は、パワーコンディショニングシステムを備えた各種の蓄電池の温度調整に利用できる。
1 電力貯蔵システム
2 蓄電池
3 パワーコンディショニングシステム
4 温度調節装置
5 熱伝導体
6 パワーコンディショニングシステム用断熱層
6a,6b 貫通穴
7 ヒートシンク
8 熱伝導体
9 ヒートシンク
10 パワーコンディショニングシステム用温度検出器
11 熱伝導体
12 蓄電池用断熱層
12a 貫通穴
13 ヒートシンク
14 蓄電池用温度検出器
15 ヒーター
16 制御回路
A1 発電用熱電変換素子
A2 パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子
A3 蓄電池調温用熱電変換素子
H 貫通穴の深さ
PCS パワーコンディショニングシステムの温度
外気温度
ΔT 温度差
V1 発電用熱電変換素子から出力される直流電力の電圧
SET パワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値
蓄電池の現在温度
SET+ 蓄電池用冷却開始閾値
SET− 加熱開始閾値

Claims (10)

  1. 直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムと蓄電池を備えた電力貯蔵システムにおいて、
    前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続され、前記パワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を利用して少なくとも前記蓄電池の温度制御に供する電力を生成する発電用熱電変換素子と、前記パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層とを有し、
    前記パワーコンディショニングシステム用断熱層が少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記発電用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする電力貯蔵システムの温度調節装置。
  2. 前記蓄電池に一方の電極を熱的に接続され、前記発電用熱電変換素子によって供給される電力を用いて前記蓄電池の温度制御を行う蓄電池調温用熱電変換素子と、前記蓄電池の周囲を取り囲む蓄電池用断熱層とを有し、
    前記蓄電池用断熱層が少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記蓄電池調温用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする請求項1記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  3. 前記蓄電池に熱的に接続された蓄電池用温度検出器と、前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配する制御回路とを有し、
    前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め設定された冷却開始閾値を越えると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を冷却するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  4. 前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を加熱するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  5. 前記蓄電池用断熱層の内側には前記蓄電池を加熱するヒーターが設けられ、前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子に代えて前記ヒーターに前記電力を分配するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  6. 前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続され、前記発電用熱電変換素子によって供給される電力を用いて前記パワーコンディショニングシステムの温度制御を行うパワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子を更に備え、
    前記パワーコンディショニングシステム用断熱層が、前記発電用熱電変換素子を設置するための前記貫通穴の他に更に少なくとも1つの貫通穴を持ち、此の貫通穴の内部に、前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子が、他方の電極を外側に向けた状態で此の貫通穴を塞ぐようにして設置されていることを特徴とする請求項2記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  7. 前記蓄電池に熱的に接続された蓄電池用温度検出器と、前記パワーコンディショニングシステムに熱的に接続されたパワーコンディショニングシステム用温度検出器と、前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子と前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子に分配する制御回路とを有し、
    前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め設定された蓄電池用冷却開始閾値を越えると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を冷却するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配し、かつ、前記パワーコンディショニングシステム用温度検出器で検出される温度が予め設定されたパワーコンディショニングシステム用冷却開始閾値を越えると、前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子の一方の電極を冷却するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記パワーコンディショニングシステム調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  8. 前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記蓄電池用冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子の一方の電極を加熱するように前記発電用熱電変換素子で生成された電力を前記蓄電池調温用熱電変換素子に分配するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  9. 前記蓄電池用断熱層の内側には前記蓄電池を加熱するヒーターが設けられ、前記制御回路は、前記蓄電池用温度検出器で検出される温度が予め前記冷却開始閾値よりも低い温度に設定された加熱開始閾値を下回ると、前記蓄電池調温用熱電変換素子に代えて前記ヒーターに前記電力を分配するように構成されていることを特徴とする請求項8記載の電力貯蔵システムの温度調節装置。
  10. 直流電力と交流電力の相互変換機能を持つパワーコンディショニングシステムと蓄電池を備えた電力貯蔵システムにおいて、
    前記パワーコンディショニングシステムの周囲を取り囲むパワーコンディショニングシステム用断熱層が持つ貫通穴を、前記パワーコンディショニングシステムに一方の電極を熱的に接続されて他方の電極を外側に向けた発電用熱電変換素子を用いて塞ぐことにより前記パワーコンディショニングシステムを外気から遮断し、前記パワーコンディショニングシステムの温度と外気温度との間の温度差を確保して前記蓄電池の温度制御に供する電力を前記発電用熱電変換素子によって効率よく生成させると共に、
    前記発電用熱電変換素子が生成する電力を前記蓄電池の温度制御に直ちに利用することによって、前記発電用熱電変換素子が生成した電力を損失することなく前記蓄電池の温度制御に消費することを特徴とした電力貯蔵システムの温度調節方法。
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