JP2014115152A - 最大変位記録計 - Google Patents

最大変位記録計 Download PDF

Info

Publication number
JP2014115152A
JP2014115152A JP2012268535A JP2012268535A JP2014115152A JP 2014115152 A JP2014115152 A JP 2014115152A JP 2012268535 A JP2012268535 A JP 2012268535A JP 2012268535 A JP2012268535 A JP 2012268535A JP 2014115152 A JP2014115152 A JP 2014115152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
point
maximum
displacement
recording
arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012268535A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6147496B2 (ja
Inventor
Yukio Shiba
由紀夫 志波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2012268535A priority Critical patent/JP6147496B2/ja
Publication of JP2014115152A publication Critical patent/JP2014115152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6147496B2 publication Critical patent/JP6147496B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Length-Measuring Instruments Using Mechanical Means (AREA)
  • A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構成で2点間が離隔する方向又は接近する方向の少なくとも一方の最大の相対変位が正確に記録できるうえに、繰り返し使用することが可能な最大変位記録計を提供する。
【解決手段】2点間が離隔する方向と接近する方向の少なくとも一方の最大の相対変位を記録させるための最大変位記録計2である。
そして、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部21と、第2の点に固定されるとともにアーム部の軸方向の移動を阻害しない状態で設置される受け部22と、受け部に対するアーム部の相対変位に伴って移動する一対の記録体23A,23Bと、記録体の移動量を計測するための目盛部24A,24Bとを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震や風や衝撃などによって地面や構造物が変形した際に生じる2点間の最大の相対変位を記録させるための最大変位記録計に関するものである。
従来、地震によって建物が被害を受けたときに、地震時に建物に発生した変形の大きさからその建物の損傷度を判定するために、変位の最大値を記録することが行われている(特許文献1−4など参照)。
例えば特許文献1には、2つのブロック間を細長い糸などで連結するに際して、一方のブロックに対しては静摩擦抵抗力以上の引張力が作用したときには糸が滑るようにしておき、糸の突出長さの変化を2点間の最大変形量として記録させる最大値測定方法が開示されている。
また、特許文献2には、最大歪記憶センサで計測可能な伸び長さによる制限を超えて、より大きな最大変位を記録させるために、最大歪記憶センサとコイルバネなどの弾性変形体とを組み合わせた最大変位記憶装置が開示されている。
さらに、特許文献3,4には、変形の大きさに応じて段階的に導電性要素の線材を張り、変形が発生した際には刃部によって線材を順次切断していくことで、発生した最大変形量を検出させるセンサが開示されている。
特許第3230205号公報 特開2009−186308号公報 特許第3403840号公報 特許第3527558号公報
特許文献1に開示された最大値測定方法のブロック間を連結する長尺物は、引張力に対しては剛性があって伸びず、圧縮力に対しては剛性がなく直ちに座屈する材料と説明されているが、長尺物として例示された材料は、糸、ひもなどであり、引張力に対してまったく伸びないとは言えない。しかしながら長尺物が伸びてしまうと、ブロック間の変位を正確に測定することができなくなる。
また、特許文献2−4に開示された最大変位記録計は、電気的に変位量を検出させるセンサを必須の構成要素としているために装置自体が大掛かりで高価になる傾向がある。さらに、電気的なセンサを使って行われるモニタリングは電源を必要とする構成であるため、地震のようにいつ発生するか予測できない事象に備えるためには、常時稼働させておかなければならず、高いランニングコストと頻度の多い維持管理を要する。
そして、特許文献3,4に開示された最大変形量検出センサでは、変位の大きさに応じて順次線材が切断されていくため、繰り返し使用することができない。
そこで、本発明は、簡単な構成で2点間が離隔する方向又は接近する方向の少なくとも一方の最大の相対変位が正確に記録できるうえに、繰り返し使用することが可能な最大変位記録計を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の最大変位記録計は、2点間が離隔する方向と接近する方向の少なくとも一方の最大の相対変位を記録させるための最大変位記録計であって、第1の点に固定されるとともに第2の点に向けて張り出されるアーム部と、前記第2の点に固定されるとともに前記アーム部の軸方向の移動を阻害しない状態で設置される受け部と、前記受け部に対する前記アーム部の相対変位に伴って移動する一対の記録体と、前記記録体の移動量を計測するための計測部とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記記録体は一対であって、第1の記録体が前記離隔する方向の相対変位の最大値を記録するものであり、第2の記録体が前記接近する方向の相対変位の最大値を記録するものであるという構成にすることができる。
また、前記計測部は、前記記録体の移動量の読み取りを可能とする目盛部とすることができる。また、前記計測部は、前記記録体の移動量を電気的に計測する変位計であってもよい。
また、前記アーム部は前記軸方向に交差する方向に突出する突起部を有するとともに、前記受け部には前記突起部の少なくとも一方側に前記記録体が配置され、前記記録体は前記突起部に押されて移動する構成とすることができる。
さらに、前記受け部に前記軸方向に延伸される溝を設け、その溝に前記アーム部を挿し込ませる構成にすることができる。また、前記受け部は前記軸方向に延伸される筒状に形成され、その筒の内空に前記アーム部の突起部及び前記記録体を配置する構成であってもよい。
一方、前記受け部に対して前記アーム部を挿通させるとともに、前記アーム部には前記受け部の少なくとも一方側に前記記録体が配置され、前記記録体は前記受け部に押されて移動する構成とすることもできる。ここで、前記記録体を前記受け部の外面に接触させる構成とすることができる。また、前記記録体を前記受け部の内面に接触させる構成であってもよい。
また、前記第1及び第2の点と前記計測部との間に、前記相対変位を拡大又は縮小させる変換機構を設けることができる。さらに、前記記録体を元の位置に戻すリセット機構を備えた構成とすることもできる。
このように構成された本発明の最大変位記録計は、2つの点にそれぞれ設置されるアーム部と受け部の相対変位に伴って移動する記録体を備えている。そして、記録体は、2点が離隔する方向又は接近する方向の少なくとも一方の相対変位の最大値を記録する。
このようにアーム部と受け部とそれらの相対変位に伴って移動する記録体という簡単な組み合わせで、2点間に発生する最大の相対変位を記録させることができる。また、記録体を元の位置に戻すことで、繰り返し使用することができる。
さらに、一対の記録体を配置することで、離隔する方向又は接近する方向のいずれか一方だけでなく、二方向の相対変位を記録できる構成に簡単にすることができる。
また、アーム部に軸方向に交差する方向に突出する突起部を設け、その突起部によって記録体を押させる構成としたり、受け部に対してアーム部を挿通させて受け部に記録体を押させる構成としたりすることで、相対変位の増加に伴って確実に記録体を移動させることができる。
さらに、相対変位を拡大させる変換機構を設けることで、小さな変位を正確に記録することができるようになる。また、相対変位を縮小させる変換機構を設けることで、大きな変位に対しても計測範囲を広げて確実に記録することができるようになる。
また、リセット機構を備えていれば、最大変位記録計が手の届きにくい場所などに設置されていても、容易に初期状態に戻すことができ、繰り返し計測を行うことができる。
本発明の実施の形態の最大変位記録計を説明する図であって、(a)は初期状態を示した図、(b)は2点間が離隔する方向の変位を記録している状態を示した図、(c)は2点間が離隔する方向の最大の相対変位が記録された状態を示した図、(d)は2点間が接近する方向の変位を記録している状態を示した図である。 実施例1の最大変位記録計を説明する図であって、(a)は最大変位記録計の構成を示した断面図、(b)は最大変位記録計の構成を示した平面図、(c)は(b)のA−A矢視方向で見た断面図である。 実施例2の最大変位記録計の構成を示した斜視図である。 実施例3の最大変位記録計を説明する図であって、(a)は初期状態を示した図、(b)は2点間が離隔する方向の変位を記録している状態を示した図、(c)は2点間が離隔する方向の最大の相対変位が記録された状態を示した図、(d)は2点間が接近する方向の変位を記録している状態を示した図である。 実施例4の最大変位記録計の構成を示した一部切断図である。 実施例5の変位を拡大する変換機構を説明する図であって、(a)は変換機構が設けられた最大変位記録計の構成を示した側面図、(b)は変換機構の構成を説明するための平面図である。 実施例5の変位を縮小する変換機構が設けられた最大変位記録計の構成を示した側面図である。 実施例6の最大変位記録計を説明する図であって、(a)は記録体が移動した後の状態を示した図、(b)は戻し針によって記録体を初期位置に戻した状態を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態で説明する最大変位記録計2の構成を、作動状態を交えて説明する図である。
この最大変位記録計2は、例えば、ビルや住宅などの建物、橋梁やダムやトンネルなどの土木構造物などの任意の場所に設置され、地震や風や衝撃などによってそれらの構造物に発生した最大の相対変位を記録するために利用される。
本実施の形態では、わかりやすく説明するために2つの計測対象物11,12間に隙間(スリット)があるかのように説明するが、これに限定されるものではなく、計測対象物11,12間は表面に至るまで連続していてもよい。
本実施の形態の最大変位記録計2では、図1(a)に示すように、計測対象物11にある第1の点11aと、計測対象物12にある第2の点12aとの間が、離隔する方向に相対変位する場合と、接近する方向に相対変位する場合の両方向の記録を行う。
ここで、記録対象を「最大の相対変位」とするのは、第1の点11aと第2の点12aが間隔を保ったまま同じ方向に変位(絶対変位)する場合には、構造物の2点間に損傷が発生するような応力や変形が生じないと考えられるためである。すなわち、2点11a,12a間が離隔したり、接近したりする場合には、2点11a,12a間に引張応力や圧縮応力や継目の開きが発生して計測対象物11,12が損傷する可能性がある。このため、2点間が離隔する方向と接近する方向の最大の相対変位を記録し、構造物(計測対象物11,12)が受けた引張力や圧縮力や開閉量を推定して損傷の評価などに利用することになる。
本実施の形態の最大変位記録計2は、図1(a)に示すように、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部21と、第2の点12aに固定される受け部22と、受け部22に対するアーム部21の相対変位に伴って移動する一対の記録体23A,23Bと、記録体23A,23Bの移動量を計測するための計測部としての目盛部24A,24Bとを主に備えている。
アーム部21は、第1の点11aに表面に対して垂直に建てられる支柱21aと、その支柱21aの延伸方向に対して略直交する方向に向けて延伸されるアーム21bと、アーム21bの先端から受け部22に向けて突出する突起部21cとを有している。
例えばアーム21bは、第2の点12aの直上に向けて張り出され、アーム21bの軸方向に略直交する下向きに突起部21cが突出される。この突起部21cは、受け部22の直上に配置される。
受け部22は、第2の点12aに表面に対して垂直に建てられる支柱22aと、その支柱22aの延伸方向に対して略直交する方向に向けて延伸される基台22bとを有している。支柱22aが基台22bの軸方向の中ほどの下面に接合されることによって、受け部22は側面視T字形に形成される。
この基台22bの上面と突起部21cの下面とは、アーム部21の軸方向の移動を阻害しないように離隔している。そして、突起部21cを挟んで、第1の記録体23Aと第2の記録体23Bとがそれぞれ配置される。
第1の記録体23Aによって、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値を記録する。一方、第2の記録体23Bによって、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値を記録する。
記録体23A,23Bと基台22bの表面との間の摩擦抵抗は、突起部21cに押されたとき以外には記録体23A,23Bが移動しない程度に設定される。
摩擦抵抗の上限は、突起部21cが記録体23A,23Bを押すことによってアーム部21が変形したり、計測対象物11,12の変形の支障となったりしない大きさとする。なお、建物や土木構造物を計測対象物11,12とする場合は、変形の起因となる力が大きいため、摩擦抵抗がある程度大きくなっても変形の支障となることはない。
目盛部24A,24Bは、基台22bの側面又は上面に沿って付けられる。第1の目盛部24Aは、第1の記録体23Aの移動量が計測できるように、記録体23Aの移動方向(第2の点12aから第1の点11aに向かう方向)に向けて延伸される。一方、第2の目盛部24Bは、第2の記録体23Bの移動量が計測できるように、記録体23Bの移動方向(第1の点11aから第2の点12aに向かう方向)に向けて延伸される。
次に、最大変位記録計2を使った最大の相対変位の記録方法について、図1を参照しながら説明する。
まず、最大の相対変位を記録したい計測対象物11,12の少し離れた2点を第1の点11aと第2の点12aに設定する。そして、受け部22の支柱22aを第2の点12aに固定し、アーム部21の支柱21aを第1の点11aに固定する。
続いて、図1(a)に示すように、記録体23A,23Bの一側面を突起部21cの側面にそれぞれ接触させた状態で基台22bの上に配置する。このとき記録体23A,23Bは、各目盛部24A,24Bの0の位置にある。
このような状態で地震などが発生し、図1(b)に示すように、第2の点12aに対して第1の点11aが離隔する方向の変位が発生すると、第1の点11aと一体になって移動するアーム部21も第2の点12aと一体になって移動する受け部22から離隔することになる。
このようにアーム部21が受け部22に対して軸方向に移動すると、突起部21cの第1の点11a側の側面に押されて記録体23Aが第1の点11a方向に移動する。この基台22b上面を擦るように移動する記録体23Aによって記録される相対変位Xは、この方向の移動が続く限り増加していく。
そして、図1(c)に示すように変位が反転すると、突起部21cは第1の記録体23Aから離れることになる。このとき記録体23Aが残された位置から目盛部24Aによって読み取れる値が、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値となる。
これに対して、図1(d)に示すように、第2の点12aに対して第1の点11aが接近する方向の変位が発生すると、第1の点11aと一体になって移動するアーム部21も第2の点12aと一体になって移動する受け部22に接近することになる。
このようにアーム部21が受け部22に対して軸方向に移動すると、突起部21cの第2の点12a側の側面に押されて記録体23Bが第2の点12aから離隔する方向に移動する。
この基台22b上面を擦るように移動する記録体23Bによって記録される相対変位Xは、この方向の移動が続く限り増加していく。そして、変位が反転すると、突起部21cは第2の記録体23Bから離れて記録体23Bがそのまま残される。この記録体23Bが残された位置から目盛部24Bによって読み取れる値が、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値となる。
次に、本実施の形態の最大変位記録計2の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の最大変位記録計2は、2つの点11a,12aにそれぞれ設置されるアーム部21と受け部22の相対変位に伴って移動する一対の記録体23A,23Bを備えている。そして、一対の記録体23A,23Bは、2点11a,12aが離隔する方向と接近する方向の相対変位の最大値をそれぞれ記録する。
このようにアーム部21と受け部22とそれらの相対変位に伴って移動する記録体23A,23Bという簡単な組み合わせで、2点11a,12a間に発生する二方向の最大の相対変位を記録させることができる。
例えば、大地震が起きた場合に、建物や橋梁などに設置されていた最大変位記録計2から最大の相対変位を読み取り、その値に基づいて分析を行うことによって、建物に立ち入っても良いかや橋梁が通行可能か否かなどの判断を、迅速に行うことができるようになる。さらに、地震後の復旧計画を立てるに際しても、記録された最大の相対変位のデータに基づいて的確な復旧計画を立案することができる。
そして、このような分析や損傷度の判定などをするにあたって、実際に構造物が変形した最大相対変位を定量的に知ることができれば、気象庁や公的機関が設置している最寄りの地点の地震計から得られたデータを利用するよりも、はるかに正確な分析が可能となる。
また、本実施の形態の最大変位記録計2は、電力供給のための配線が不要のため、設置場所の自由度が高いうえに、単純な機械式の構成であるため屋外や温度差が激しい厳しい環境においても安定して作動させることができる。
さらに、本実施の形態の最大変位記録計2は、単純な構成であるため製造コストを抑えることができる。また、記録体23A,23Bを元の位置に戻すことで、繰り返し使用することができる。
さらに、記録体23A,23Bの移動量の読み取りを可能とする目盛部24A,24Bを備えていれば、目視によって簡単に最大の相対変位を把握することができる。
また、アーム部21に受け部22に向けて突出する突起部21cを設け、その突起部21cによって記録体23A,23Bを押させる構成であれば、相対変位の増加に伴って確実に記録体23A,23Bを移動させることができる。
次に、前記実施の形態とは別の形態の最大変位記録計3について、図2を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、計測部として目視可能な目盛部24A,24Bを備えた最大変位記録計2について説明したが、実施例1では電気的に移動量を計測する変位計340を備えた最大変位記録計3について説明する。
実施例1の最大変位記録計3は、図2(a)−(c)に示すように、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部31と、第2の点12aに固定される受け部32と、受け部32に対するアーム部31の相対変位に伴って移動する一対の記録体33A,33Bと、記録体33A,33Bの移動量を計測するための計測部としての変位計340とを主に備えている。
アーム部31は、第1の点11aに表面に対して垂直に建てられる支柱31aと、その支柱31aにユニバーサルジョイントなどの自在に角度が変えられる自在継手31dを介して接続されるアーム31bと、アーム31bの先端から軸方向に略直交する上向きに突出する突起部31cとを有している。
アーム31bは、図2(c)に示すように、扁平した六角柱状に形成される。また、アーム31bは、端部が自在継手31dを介して支柱31aに接続されるため、受け部32がなければ張り出された第2の点12a側が下がることになる。
一方、受け部32は、第2の点12aに表面に対して垂直に建てられる支柱32aと、その支柱32aにアーム31bと同様に自在継手32dを介して端部が接続される基台32bと、基台32bの軸方向に延伸される溝32cと、基台32bの上面に溝32cを挟んで略平行に設けられる一対のガイド部32e,32eとを有している。
基台32bの溝32cは、図2(c)に示すように、アーム31b断面の外形よりも一回り大きな内形に形成されている。そして、溝32cの内空にアーム31bを挿し込ませる。溝32cが設けられる基台32bとアーム31bは、それぞれ自在継手31d,32dを介して支柱31a,32aに接続されているので、アーム31bの上側斜面が溝32cの上部内面に接触することで互いに支え合う状態になる。
このようにして溝32cにアーム31bが挿入されると、2点11a,12a間がアーム31bの軸方向に離隔したり接近したりする相対変位が発生したときだけ、溝32cの内空をアーム31bがスライドすることになる。そして、計測したい方向(軸方向)以外の変位が発生しても、自在継手31d,32dによって接続されていれば、アーム31bや基台32bに偏圧が作用して損傷するのを避けることができる。
また、溝32cの両側に設けられるガイド部32e,32eは、図2(c)に示すように逆L字形の断面に形成される。そして、記録体33A,33Bは、ガイド部32e,32eに沿って基台32bの上面を軸方向に移動する。ここで、第1の記録体33Aと第2の記録体33Bは、突起部31cを挟んで配置される。
この最大変位記録計3の変位計340は、ガイド部32e,32eの内面側に貼り付けられる抵抗体となる抵抗レール34A,34A(34B,34B)と、抵抗レール34A,34A(34B,34B)間に掛け渡されるスライド接触子341とによって主に構成される。
スライド接触子341は記録体33A(33B)の上面に固定されており、図2(c)に示すように、スライド接触子341の両端の上面を抵抗レール34A,34A(34B,34B)の下面に接触させる。
そして、記録体33A(33B)が移動すると、抵抗レール34A,34A(34B,34B)を跨いだスライド接触子341が移動し、図示しない端子間の距離が変化することによって電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化量が、記録体33A(33B)の移動量(相対変位)として計測される。
また、この変位計340は、図示していないが計測された移動量を記録させる記憶部を備えている。この記憶部には、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、光ディスクなどの記憶媒体が使用できる。
また、変位計340は、インターネットなどの通信ネットワーク(図示省略)に接続されており、記憶部に記録された移動量のデータを、逐次、遠隔地に設置された集計装置(図示省略)に送信させることができる。
このように、記録体33A,33Bの移動量を電気的に計測する変位計340を備えていれば、最大相対変位の更新記録をその都度、記録させることができるうえに、遠隔での記録の収集も可能になる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
次に、前記実施の形態及び実施例1とは別の形態の最大変位記録計4について、図3を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
実施例2の最大変位記録計4は、図3に示すように、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部41と、第2の点12aに固定される受け部42と、受け部42に対するアーム部41の相対変位に伴って移動する一対の記録体43A,43Bと、記録体43A,43Bの移動量を計測するための計測部としての目盛部44A,44Bとを主に備えている。
アーム部41は、第1の点11aに表面に対して垂直に建てられる支柱41aと、その支柱41aにユニバーサルジョイントなどの自在に角度が変えられる自在継手41dを介して接続されるアーム41bと、アーム41bの先端に取り付けられる円板状の突起部41cとを有している。
アーム41bは、円柱状の本体の端面に、その本体よりも直径の小さい棒状の先端アーム41eが接続された構成となっている。そして、円板状の突起部41cの中心に先端アーム41eの端部が固定される。突起部41cは、アーム41bの軸方向に略直交する全方向に突出しているが、後述する筒部42bの内面との間には隙間がある。
一方、受け部42は、第2の点12aに表面に対して垂直に建てられる支柱42aと、その支柱42aにアーム41bと同様に自在継手42dを介して端部が接続される筒部42bとを有している。
筒部42bは、アーム41bの本体よりも一回り大きな内径の円筒状に形成されている。そして、筒部42bの開口42cからアーム41bを挿し込ませる。また、筒部42bは、透明な材料によって形成されており、内空に収容される記録体43A,43Bの位置が、外部から視認できるようになっている。
それぞれ自在継手41d,42dを介して支柱41a,42aに接続されるアーム41bと筒部42bは、2点11a,12a間がアーム41bの軸方向に離隔したり接近したりする相対変位が発生したときだけ、筒部42bの内空を先端アーム41eや突起部41cがスライドすることになる。
そして、突起部41cを挟んで、第1の記録体43Aと第2の記録体43Bとがそれぞれ配置される。ここで、記録体43Aの中央は穿孔されており、その穴に先端アーム41eが挿入される。すなわち、記録体43Aは、隙間が確保された状態で先端アーム41eに装着されており、先端アーム41eの移動に伴って移動することはないが、突起部41cに押されたときだけ移動するように構成されている。
また、記録体43A,43Bは、筒部42bの内周と略同じ大きさの外周に形成されている。記録体43A,43Bと筒部42bの内周面との間の摩擦抵抗は、突起部41cに押されたとき以外には記録体43A,43Bが移動しない程度に設定される。
そして、第1の記録体43Aによって、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値を記録する。一方、第2の記録体43Bによって、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値を記録する。
このように記録体43A,43Bが筒部42bの内部に収容されていれば、2点11a,12a間の相対変位が発生したとき以外に記録体43A,43Bがずれたり移動したりするリスクを減らすことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
次に、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の最大変位記録計5について、図4を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
前記実施の形態及び実施例1,2では、受け部22,32,42側に記録体が配置される場合について説明したが、実施例3では、アーム部51側に記録体53A,53Bが配置される場合について説明する。
実施例3の最大変位記録計5は、図4(a)に示すように、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部51と、第2の点12aに固定される受け部52と、受け部52に対するアーム部51の相対変位に伴って移動する一対の記録体53A,53Bと、記録体53A,53Bの移動量を計測するための計測部としての目盛部54A,54Bとを主に備えている。
アーム部51は、第1の点11aに表面に対して垂直に建てられる支柱51aと、その支柱51aの延伸方向に対して略直交する方向に向けて延伸されるアーム51bとを有している。
受け部52は、第2の点12aに表面に対して垂直に建てられる支柱52aと、その支柱52aに固定される環状部52bとを有している。環状部52bは、中央にアーム51bの外形よりも一回り大きな内形の穴が形成されており、その穴にアーム51bを挿通させる。
そして、環状部52bを挟んで、第1の記録体53Aと第2の記録体53Bとがそれぞれ配置される。ここで、記録体53A,53Bの中央は穿孔されており、その穴にアーム51bが挿入される。
記録体53A,53Bの穴とアーム51bの表面との間の摩擦抵抗は、環状部52bに押されたとき以外には記録体53A,53Bが移動しない程度に設定される。
そして、第1の記録体53Aによって、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値を記録する。一方、第2の記録体53Bによって、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値を記録する。
目盛部54A,54Bは、アーム51bの側面又は上面に沿って付けられる。第1の目盛部54Aは、第1の記録体53Aの移動量が計測できるように、記録体53Aの移動方向(第1の点11aから第2の点12aに向かう方向)に向けて延伸される。一方、第2の目盛部54Bは、第2の記録体53Bの移動量が計測できるように、記録体53Bの移動方向(第2の点12aから第1の点11aに向かう方向)に向けて延伸される。
次に、最大変位記録計5を使った最大の相対変位の記録方法について、図4を参照しながら説明する。
まず、最大の相対変位を記録したい計測対象物11,12の少し離れた2点を第1の点11aと第2の点12aに設定する。そして、アーム部51の支柱51aを第1の点11aに固定し、アーム51bに環状部52bを通して受け部52の支柱52aを第2の点12aに固定する。
続いて、図4(a)に示すように、記録体53A,53Bの一側面を環状部52bの側面にそれぞれ接触させた状態にする。このとき記録体53A,53Bは、各目盛部54A,54Bの0の位置にある。
このような状態で地震などが発生し、図4(b)に示すように、第1の点11aに対して第2の点12aが離隔する方向の変位が発生すると、第2の点12aと一体になって移動する受け部52も第1の点11aと一体になって移動するアーム部51から離隔することになる。
このようにアーム部51が受け部52に対して軸方向に移動すると、環状部52bの第1の点11a側と反対側の側面に押されて記録体53Aが第1の点11aから離隔する方向に移動する。このアーム51bを擦るように移動する記録体53Aによって記録される相対変位Xは、この方向の移動が続く限り増加していく。
そして、図4(c)に示すように変位が反転すると、環状部52bは第1の記録体53Aから離れることになる。このとき記録体53Aが残された位置から目盛部54Aによって読み取れる値が、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値となる。
これに対して、図4(d)に示すように、第1の点11aに対して第2の点12aが接近する方向の変位が発生すると、第2の点12aと一体になって移動する受け部52も第1の点11aと一体になって移動するアーム部51に接近することになる。
このようにアーム部51が受け部52に対して軸方向に移動すると、環状部52bの第1の点11a側の側面に押されて記録体53Bが第1の点11aに接近する方向に移動する。
このアーム51bを擦るように移動する記録体53Bによって記録される相対変位Xは、この方向の移動が続く限り増加していく。そして、変位が反転すると、環状部52bは第2の記録体53Bから離れて記録体53Bがそのまま残される。この記録体53Bが残された位置から目盛部54Bによって読み取れる値が、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値となる。
このように受け部52に対してアーム部51を挿通させて、受け部52に記録体53A,53Bを押させる構成であれば、相対変位の増加に伴って確実に記録体53A,53Bを移動させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
次に、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の最大変位記録計6について、図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
前記実施例3では、環状部52bの外面に記録体53A,53Bを接触させる場合について説明したが、実施例4では受け部62の内面に記録体63A,63Bを接触させる場合について説明する。
実施例4の最大変位記録計6は、図5に示すように、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部61と、第2の点12aに固定される受け部62と、受け部62に対するアーム部61の相対変位に伴って移動する一対の記録体63A,63Bと、記録体63A,63Bの移動量を計測するための計測部としての目盛部64A,64Bとを主に備えている。
アーム部61は、第1の点11aに表面に対して垂直に建てられる支柱61aと、その支柱61aの延伸方向に対して略直交する方向に向けて延伸されるアーム61bとを有している。
受け部62は、第2の点12aに表面に対して垂直に建てられる支柱62aと、その支柱62aに固定される筒部62bとを有している。筒部62bは、両端部が塞がれるとともに、側壁又は上面部は内部が視認可能となるように透明な材料で形成されている。
筒部62bの両端部には、中央にアーム61bの外形よりも一回り大きな内形の開口62c,62cが形成されており、その開口62c,62cにアーム61bを挿通させる。そして、筒部62bの両端部の内側面に接するように、第1の記録体63Aと第2の記録体63Bとがそれぞれ配置される。ここで、記録体63A,63Bの中央は穿孔されており、その穴にアーム61bが挿入される。
記録体63A,63Bの穴とアーム61bの表面との間の摩擦抵抗は、筒部62bの内面に押されたとき以外には記録体63A,63Bが移動しない程度に設定される。
そして、第1の記録体63Aによって、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値を記録する。一方、第2の記録体63Bによって、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値を記録する。
目盛部64A,64Bは、アーム61bの側面又は上面に沿って付けられる。そして、目盛部64A,64Bが設けられた面側の筒部62bの壁面が透明な材料によって形成される。
第1の目盛部64Aは、第1の記録体63Aの移動量が計測できるように、記録体63Aの移動方向(第1の点11aから第2の点12aに向かう方向)に向けて延伸される。一方、第2の目盛部64Bは、第2の記録体63Bの移動量が計測できるように、記録体63Bの移動方向(第2の点12aから第1の点11aに向かう方向)に向けて延伸される。
そして、地震などが発生し、第1の点11aに対して第2の点12aが離隔する方向の変位が発生すると、第2の点12aと一体になって移動する受け部62も第1の点11aと一体になって移動するアーム部61から離隔することになる。
このようにアーム部61が受け部62に対して軸方向に移動すると、筒部62bの第1の点11a側の端部の内面に押されて記録体63Aが第1の点11aから離隔する方向に移動する。
これに対して、第1の点11aに対して第2の点12aが接近する方向の変位が発生すると、第2の点12aと一体になって移動する受け部62も第1の点11aと一体になって移動するアーム部61に接近することになる。
このようにアーム部61が受け部62に対して軸方向に移動すると、筒部62bの第1の点11a側と反対側の端部の内面に押されて記録体63Bが第1の点11aに接近する方向に移動する。
このように記録体63A,63Bが筒部62bの内部に収容されていれば、2点11a,12a間の相対変位が発生したとき以外に記録体63A,63Bがずれたり移動したりするリスクを減らすことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
次に、2点11a,12a間に発生する相対変位を拡大又は縮小させる変換機構を設けた形態について、図6,7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
実施例5では、計測したい相対変位の大きさが例えば数mmと非常に小さくなる場合や、数mと非常に大きくなる場合でも、前記実施の形態及び実施例で説明した最大変位記録計2,3,4,5,6が使用できるようにするための変換機構について説明する。なお、以下では実施例4で説明した最大変位記録計6と類似する形態の最大変位記録計6Aを使って説明するが、上述したその他の最大変位記録計2,3,4,5についても同様に適用することができる。
まず、図6を参照しながら、2点11a,12a間に発生する相対変位を拡大させる変換機構としての拡大変換機構7について説明する。拡大変換機構7は、2つの点11a,12aにそれぞれ建てられる支柱71,71上の自在継手72,72に支持される。自在継手72,72には、長尺部材の斜材73,73がそれぞれ接続される。
そして、斜材73,73は、図6(a)に示すように、中央より低い高さの位置で交差され、ヒンジ部74Aによって接合される。ヒンジ部74A,74Bは、斜材73,73を面内で回転自在にさせる接合部である。
斜材73,73の上端には、ヒンジ部74B,74Bを介して水平材75の一端と分岐材76の一端とがそれぞれ接続される。さらに、水平材75の他方の端部には、最大変位記録計6Aのアーム61bの端部が接続される。
一方、分岐材76は、図6(b)に示すように最大変位記録計6A側が平行な2本の枝材76a,76aになっており、それらの枝材76a,76aによって筒部62bを挟んで接続させる。
このような拡大変換機構7を介在させると、ヒンジ部74Aが斜材73の中央よりも計測対象物11,12側にあるため、上方のヒンジ部74B,74B間の変位は下方の自在継手72,72間の変位よりも大きくなる。
このように2つの点11a,12aと目盛部64A,64Bとの間に拡大変換機構7が介在されていると、下方の2点11a,12a間の離隔及び接近という相対変位が、増幅されて上方の最大変位記録計6Aに伝達される。このため、計測したい相対変位の大きさが例えば数mmと非常に小さい場合でも、読み取り精度が上がって正確に記録することができるようになる。
これに対して図7を参照しながら説明するのは、2点11a,12a間に発生する相対変位を縮小させる変換機構としての縮小変換機構8についてである。縮小変換機構8は、2つの点11a,12aにそれぞれ建てられる支柱81,81上の自在継手82,82に支持される。
自在継手82,82には、長尺部材の斜材83,83がそれぞれ接続される。そして、斜材83,83は、図7に示すように、中央より高い高さの位置で交差され、ヒンジ部84Aによって接合される。ヒンジ部84A,84Bは、斜材83,83を面内で回転自在にさせる接合部である。
斜材83,83の上端には、ヒンジ部84B,84Bを介して水平材85の一端と分岐材86の一端とがそれぞれ接続される。さらに、水平材85の他方の端部には、最大変位記録計6Aのアーム61bの端部が接続される。また、分岐材86の他方の端部は、最大変位記録計6Aの筒部62bの側面に接続される。
このような縮小変換機構8を介在させると、ヒンジ部84Aが斜材83の中央よりもアーム61b側にあるため、上方のヒンジ部84B,84B間の変位は下方の自在継手82,82間の変位よりも小さくなる。
このように2つの点11a,12aと目盛部64A,64Bとの間に、縮小変換機構8が介在されていると、下方の2点11a,12a間の離隔及び接近という相対変位が、低減されて上方の最大変位記録計6Aに伝達される。
このため、計測したい相対変位の大きさが例えば数mと非常に大きい場合でも、最大変位記録計6Aを大きくしなくても計測範囲を広げて確実に記録することができるようになる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
次に、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の最大変位記録計9について、図8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
この実施例6では、記録体93A,93Bを初期位置(目盛0の位置)に戻すためのリセット機構95を備えた最大変位記録計9について説明する。なお、以下では実施例4で説明した最大変位記録計6と類似する形態の最大変位記録計9を使って説明するが、上述したその他の最大変位記録計2,3,4,5に対しても同様に適用することができる。
実施例6の最大変位記録計9は、図8に示すように、第1の点11aに固定されるとともに第2の点12aに向けて張り出されるアーム部91と、第2の点12aに固定される受け部92と、受け部92に対するアーム部91の相対変位に伴って移動する一対の記録体93A,93Bと、記録体93A,93Bの移動量を計測するための計測部としての目盛部94A,94Bと、リセット機構95とを主に備えている。
アーム部91は、第1の点11aに表面に対して垂直に建てられる支柱91aと、その支柱91aの延伸方向に対して略直交する方向に向けて延伸されるアーム91bとを有している。
受け部92は、第2の点12aに表面に対して垂直に建てられる支柱92aと、その支柱92aに固定される筒部92bとを有している。筒部92bは、両端部が塞がれるとともに、上面にアーム部91の軸方向に延伸されるスリット92dが設けられている。
筒部92bの両端部には、中央にアーム91bの外形よりも一回り大きな内形の開口92c,92cが形成されており、その開口92c,92cにアーム91bを挿通させる。また、第1の記録体93A及び第2の記録体93Bの中央は穿孔されており、その穴にアーム91bが挿入される。
そして、第1の記録体93Aによって、2点11a,12a間が離隔する方向の相対変位の最大値を記録する。一方、第2の記録体93Bによって、2点11a,12a間が接近する方向の相対変位の最大値を記録する。
目盛部94A,94Bは、アーム91bの側面又は上面に沿って付けられる。そして、目盛部94A,94Bが設けられた面側の筒部92bの壁面が透明な材料によって形成される。
第1の目盛部94Aは、第1の記録体93Aの移動量が計測できるように、記録体93Aの移動方向(第1の点11aから第2の点12aに向かう方向)に向けて延伸される。一方、第2の目盛部94Bは、第2の記録体93Bの移動量が計測できるように、記録体93Bの移動方向(第2の点12aから第1の点11aに向かう方向)に向けて延伸される。
さらに実施例6の最大変位記録計9には、記録体93A,93Bを元の位置(初期位置)に戻すためのリセット機構95が設けられる。このリセット機構95は、記録体93A,93Bを目盛部94A,94Bの0の位置まで押し戻す戻し針953A,953Bを備えている。この戻し針953A,953Bは、電動モータ952,952によって作動させる直線往復運動機構と繋がっており、リセットボタン951を押すことで戻し針953A,953Bがそれぞれ所定の方向に移動する構成となっている。
詳細には、リセットボタン951を押すと、戻し針953Aは第1の点11a方向に移動し、戻し針953Bは戻し針953Aとは反対方向に移動する。この移動によって戻し針953A,953Bが記録体93A,93Bに当たった後は、記録体93A,93Bが筒部92bの両端部の内面にそれぞれ衝突するまで戻し針953A,953Bの移動が続く。そして、この位置が記録体93A,93Bの初期位置(目盛0の位置)となる。
なお、リセット機構95の構成はこれに限定されるものではなく、例えば電磁石を使った構成にして、リセットボタン951を押したときに所定の位置まで記録体93A,93Bが引き寄せられて戻る構成にすることもできる。
このようなリセット機構95を備えていれば、最大変位記録計9が手の届きにくい場所などに設置されていても、容易に初期状態に戻すことができ、繰り返し計測を行うことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態又は実施例では、2点間が離隔する方向と接近する方向の両方向の最大の相対変位を記録させる最大変位記録計2,3,4,5,6,6A,9について説明したが、これに限定されるものではなく、2点間が離隔する方向又は接近する方向のいずれか一方の最大の相対変位だけを記録させる最大変位記録計であってもよい。
また、前記実施の形態又は実施例では、計測部として目盛部24A,24B,44A,44B,54A,54B,64A,64B,94A,94Bと変位計340について説明したが、いずれの最大変位記録計2,3,4,5,6,9においても目盛部と変位計とを任意に選択することができる。
さらに、前記実施の形態又は実施例では、計測対象物11,12の上面に最大変位記録計2,3,4,5,6,6A,9を設置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録体23A,23B,33A,33B,43A,43B,53A,53B,63A,63B,93A,93Bが自重などで移動しないように摩擦抵抗の大きさを調整することで、例えば計測対象物11,12の鉛直面にも最大変位記録計2,3,4,5,6,6A,9を設置できるようになる。
11a 第1の点
12a 第2の点
2 最大変位記録計
21 アーム部
21c 突起部
22 受け部
23A,23B 記録体
24A,24B 目盛部(計測部)
3 最大変位記録計
31 アーム部
31c 突起部
32 受け部
32c 溝
33A,33B 記録体
340 変位計(計測部)
4 最大変位記録計
41 アーム部
41c 突起部
42 受け部
42b 筒部
43A,43B 記録体
44A,44B 目盛部(計測部)
5 最大変位記録計
51 アーム部
52 受け部
52b 環状部
53A,53B 記録体
54A,54B 目盛部(計測部)
6,6A 最大変位記録計
61 アーム部
62 受け部
62b 筒部
63A,63B 記録体
64A,64B 目盛部(計測部)
7 拡大変換機構(変換機構)
8 縮小変換機構(変換機構)
9 最大変位記録計
91 アーム部
92 受け部
92b 筒部
93A,93B 記録体
94A,94B 目盛部(計測部)
95 リセット機構
相対変位
相対変位

Claims (6)

  1. 2点間が離隔する方向と接近する方向の少なくとも一方の最大の相対変位を記録させるための最大変位記録計であって、
    第1の点に固定されるとともに第2の点に向けて張り出されるアーム部と、
    前記第2の点に固定されるとともに前記アーム部の軸方向の移動を阻害しない状態で設置される受け部と、
    前記受け部に対する前記アーム部の相対変位に伴って移動する記録体と、
    前記記録体の移動量を計測するための計測部とを備えたことを特徴とする最大変位記録計。
  2. 前記記録体は一対であって、第1の記録体が前記離隔する方向の相対変位の最大値を記録するものであり、第2の記録体が前記接近する方向の相対変位の最大値を記録するものであることを特徴とする請求項1に記載の最大変位記録計。
  3. 前記アーム部は前記軸方向に交差する方向に突出する突起部を有するとともに、前記受け部には前記突起部の少なくとも一方側に前記記録体が配置され、前記記録体は前記突起部に押されて移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の最大変位記録計。
  4. 前記受け部に対して前記アーム部を挿通させるとともに、前記アーム部には前記受け部の少なくとも一方側に前記記録体が配置され、前記記録体は前記受け部に押されて移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の最大変位記録計。
  5. 前記第1及び第2の点と前記計測部との間に、前記相対変位を拡大又は縮小させる変換機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の最大変位記録計。
  6. 前記記録体を元の位置に戻すリセット機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の最大変位記録計。
JP2012268535A 2012-12-07 2012-12-07 最大変位記録計 Expired - Fee Related JP6147496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012268535A JP6147496B2 (ja) 2012-12-07 2012-12-07 最大変位記録計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012268535A JP6147496B2 (ja) 2012-12-07 2012-12-07 最大変位記録計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014115152A true JP2014115152A (ja) 2014-06-26
JP6147496B2 JP6147496B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=51171312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012268535A Expired - Fee Related JP6147496B2 (ja) 2012-12-07 2012-12-07 最大変位記録計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6147496B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107764156A (zh) * 2017-09-21 2018-03-06 华侨大学 一种密闭高压环境下隧道模型水平位移量测装置及方法
JP2019203339A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 株式会社横河ブリッジ 制振用ダンパーの変位計測装置
KR20200134581A (ko) * 2019-05-22 2020-12-02 (주)양지 교좌 변위 계측 장치 및 교좌 변위 계측 방법

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4075889A (en) * 1976-10-26 1978-02-28 Jones Paul T Recorder for measuring movement of railroad track rails under load
JPS54173762U (ja) * 1978-05-29 1979-12-07
JPS5925405U (ja) * 1982-08-09 1984-02-17 日本発条株式会社 パイプサポ−トの伸縮動作表示装置
JP2000065508A (ja) * 1998-08-17 2000-03-03 Sanko:Kk 歪み・変位検出装置
JP2000510594A (ja) * 1998-02-25 2000-08-15 ストレイン モニター システムズ、インコーポレイテッド 受動的ピーク撓みセンサ
JP2001264001A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Kumagai Gumi Co Ltd 構造物部材間の変形記録装置
JP2004325103A (ja) * 2003-04-22 2004-11-18 Pasuko:Kk 地盤、岩盤等の監視方法
JP2006105925A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Sawa Techno:Kk 内径測定器
JP2007024821A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Chubu Electric Power Co Inc 導水路等の測定装置および測定方法
JP2010101702A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Ckd Corp 差圧インジケータ
JP2010249711A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Hazama Corp 層間変位計測装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4075889A (en) * 1976-10-26 1978-02-28 Jones Paul T Recorder for measuring movement of railroad track rails under load
JPS54173762U (ja) * 1978-05-29 1979-12-07
JPS5925405U (ja) * 1982-08-09 1984-02-17 日本発条株式会社 パイプサポ−トの伸縮動作表示装置
JP2000510594A (ja) * 1998-02-25 2000-08-15 ストレイン モニター システムズ、インコーポレイテッド 受動的ピーク撓みセンサ
JP2000065508A (ja) * 1998-08-17 2000-03-03 Sanko:Kk 歪み・変位検出装置
JP2001264001A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Kumagai Gumi Co Ltd 構造物部材間の変形記録装置
JP2004325103A (ja) * 2003-04-22 2004-11-18 Pasuko:Kk 地盤、岩盤等の監視方法
JP2006105925A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Sawa Techno:Kk 内径測定器
JP2007024821A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Chubu Electric Power Co Inc 導水路等の測定装置および測定方法
JP2010101702A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Ckd Corp 差圧インジケータ
JP2010249711A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Hazama Corp 層間変位計測装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107764156A (zh) * 2017-09-21 2018-03-06 华侨大学 一种密闭高压环境下隧道模型水平位移量测装置及方法
CN107764156B (zh) * 2017-09-21 2024-04-12 华侨大学 一种密闭高压环境下隧道模型水平位移量测装置及方法
JP2019203339A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 株式会社横河ブリッジ 制振用ダンパーの変位計測装置
JP7032761B2 (ja) 2018-05-25 2022-03-09 株式会社横河ブリッジ 制振用ダンパーの変位計測装置
KR20200134581A (ko) * 2019-05-22 2020-12-02 (주)양지 교좌 변위 계측 장치 및 교좌 변위 계측 방법
KR102200995B1 (ko) * 2019-05-22 2021-01-11 (주)양지 교좌 변위 계측 장치 및 교좌 변위 계측 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6147496B2 (ja) 2017-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6147496B2 (ja) 最大変位記録計
Yin et al. Entropy‐based optimal sensor placement for model identification of periodic structures endowed with bolted joints
JP6769764B2 (ja) 測定プローブ及び測定装置
Ahmadian et al. Novel graphene‐based optical MEMS accelerometer dependent on intensity modulation
CN202170792U (zh) 井眼径向变形的测量装置
CN203908504U (zh) 一种带测温功能的光纤光栅位移装置
CN205246041U (zh) 一种位移传感器平行放置的三向测缝装置
De Pauw et al. Benchmarking of deformation and vibration measurement techniques for nuclear fuel pins
Wittwer et al. Simulation, measurement, and asymmetric buckling of thermal microactuators
CN204461363U (zh) 一种材料表面应变光纤光栅反向差动检测传感器件
Li et al. A flexible hinge accelerometer based on dual short fiber Bragg grating
CN105890533A (zh) 一种材料表面应变光纤光栅反向差动检测传感器件
JP4818010B2 (ja) 地震時の建造物変形量に基づく地震マグニチュードの早期予測方法及び地震マグニチュードの早期予測プログラム
CN102607402A (zh) 评估多层结构中层的装置和方法
CN201372793Y (zh) X-y井径测井仪
Abu-Mahfouz Instrumentation: Theory and Practice, Part 2: Sensors and Transducers
CN104748664B (zh) 一种岩土体内部位移量测量系统
CN207231356U (zh) 一种相似模拟实验巷道表面位移测量装置
Hellegouarch et al. Linear encoder based low frequency inertial sensor
JP4206868B2 (ja) 変位記録センサ
Zhang et al. Design and characterization of a silicon piezoresistive three-axial force sensor for micro-flapping wing MAV applications
Ghoshal CUSTOMIZATION OF MEMS BASED HYDRAULIC PRESSURE SENSOR
US10768197B2 (en) Accelerometer
CN211904106U (zh) 一种建筑物用具有定期记录的沉降观测装置
US10810474B2 (en) Radio frequency identification of nano/micro-electro-mechanical measurements

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161201

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6147496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees