JP2014115098A - 差圧センサ - Google Patents

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達夫 田中
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義之 石倉
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Abstract

【課題】センサチップの接合部の剥離を防止する。
【解決手段】センサ室12aの内壁面12−1bとセンサチップ11の一方の面(台座11−4の外面)との間にOリング13−1を挾圧保持させた状態で介在させる。センサ室12aの内壁面12−2bとセンサチップ11の他方の面(台座11−5の外面)との間にOリング13−2を挾圧保持させた状態で介在させる。センサチップ11の台座11−4の導圧孔(連通孔)11−4aに導圧管14−1の一端を挿入固定し、他端を上側ハウジング12−1の導圧路12−1cに遊挿する。センサチップ11の台座11−5の導圧孔(連通孔)11−5aに導圧管14−1の一端を挿入固定し、他端を下側ハウジング12−2の導圧路12−2cに遊挿する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムを用いた差圧センサに関するものである。
従来より、工業用の差圧センサとして、圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムを用いた差圧センサが用いられている。この差圧センサは、高圧側および低圧側の受圧ダイアフラムに加えられる各測定圧を、圧力伝達媒体としての封入液によってセンサダイアフラムの一方の面および他方の面に導き、そのセンサダイアフラムの歪みを例えば歪抵抗ゲージの抵抗値変化として検出し、この抵抗値変化を電気信号に変換して取り出すように構成されている。
このような差圧センサは、例えば石油精製プラントにおける高温反応塔等の被測定流体を貯蔵する密閉タンク内の上下2位置の差圧を検出することにより、液面高さを測定するときなどに用いられる。
図3に従来の差圧センサの概略構成を示す。この差圧センサ100は、センサダイアフラム(図示せず)を有するセンサチップ1をメータボディ2に組み込んで構成される。センサチップ1におけるセンサダイアフラムは、シリコンやガラス等からなり、薄板状に形成されたダイアフラムの表面に歪抵抗ゲージが形成されている。メータボディ2は、金属製の本体部3とセンサ部4とからなり、本体部3の側面に一対の受圧部をなすバリアダイアフラム(受圧ダイアフラム)5a,5bが設けられ、センサ部4のセンサ室4a内にセンサチップ1が設けられている。
メータボディ2において、センサ室4a内に設けられたセンサチップ1と本体部3に設けられたバリアダイアフラム5a,5bとの間は、大径のセンタダイアフラム6により隔離された圧力緩衝室7a,7bを介してそれぞれ連通され、センサチップ1とバリアダイアフラム5a,5bとを結ぶ連通路8a,8bにシリコーンオイル等の圧力伝達媒体9a,9bが封入されている。
なお、シリコーンオイル等の圧力媒体が必要となるのは、センサダイアフラムに対する計測媒体中の異物付着を防ぐこと、センサダイアフラムを腐食させないため、耐食性を持つ受圧ダイアフラムと応力(圧力)感度を持つセンサダイアフラムとを分離する必要があるためである。
この差圧センサ100では、図4(a)に定常状態時の動作態様を模式的に示すように、プロセスからの測定圧P1がバリアダイアフラム5aに印加され、プロセスからの測定圧P2がバリアダイアフラム5bに印加される。これにより、バリアダイアフラム5a,5bが変位し、その加えられた圧力P1,P2がセンタダイアフラム6により隔離された圧力緩衝室7a,7bを介し、圧力伝達媒体9a,9bを通して、センサチップ1のセンサダイアフラムの一方の面および他方の面にそれぞれ導かれる。この結果、センサチップ1のセンサダイアフラムは、その導かれた圧力P1,P2の差圧ΔPに相当する変位を呈することになる。
これに対して、例えば、バリアダイアフラム5bに過大圧Poverが加わると、図4(b)に示すようにバリアダイアフラム5bが大きく変位し、これに伴ってセンタダイアフラム6が過大圧Poverを吸収するように変位する。そして、バリアダイアフラム5bがメータボディ2の凹部10bの底面(過大圧保護面)に着底し、その変位が規制されると、バリアダイアフラム5bを介するセンサダイアフラムへのそれ以上の差圧ΔPの伝達が阻止される。バリアダイアフラム5aに過大圧Poverが加わった場合も、バリアダイアフラム5bに過大圧Poverが加わった場合と同様にして、バリアダイアフラム5aがメータボディ2の凹部10aの底面(過大圧保護面)に着底し、その変位が規制されると、バリアダイアフラム5aを介するセンサダイアフラムへのそれ以上の差圧ΔPの伝達が阻止される。この結果、過大圧Poverの印加によるセンサチップ1の破損、すなわちセンサチップ1におけるセンサダイアフラムの破損が未然に防止される。
この差圧センサ100では、メータボディ2にセンサチップ1を内包させているので、プロセス流体など外部腐食環境からセンサチップ1を保護することができる。しかしながら、センタダイアフラム6やバリアダイアフラム5a,5bの変位を規制するための凹部10a,10bを備え、これらによってセンサチップ1を過大圧Poverから保護する構造をとっているので、その形状が大型化することが避けられない。
そこで、センサチップに第1のストッパ部材および第2のストッパ部材を設け、この第1のストッパ部材および第2のストッパ部材の凹部をセンサダイアフラムの一方の面および他方の面に対峙させることによって、過大圧が印加された時のセンサダイアフラムの過度な変位を阻止し、これによってセンサダイアフラムの破損・破壊を防止する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5に特許文献1に示された構造を採用したセンサチップの概略を示す。同図において、11−1はセンサダイアフラム、11−2および11−3はセンサダイアフラム11−1を挟んで接合された第1および第2のストッパ部材、11−4および11−5はストッパ部材11−2および11−3に接合された台座である。ストッパ部材11−2,11−3や台座11−4,11−5はシリコンやガラスなどにより構成されている。
このセンサチップ11において、ストッパ部材11−2,11−3には凹部11−2a,11−3aが形成されており、ストッパ部材11−2の凹部11−2aをセンサダイアフラム11−1の一方の面に対峙させ、ストッパ部材11−3の凹部11−3aをセンサダイアフラム11−1の他方の面に対峙させている。凹部11−2a,11−3aは、センサダイアフラム11−1の変位に沿った曲面(非球面)とされており、その頂部に圧力導入孔(導圧孔)11−2b,11−3bが形成されている。また、台座11−4,11−5にも、ストッパ部材11−2,11−3の導圧孔11−2b,11−3bに対応する位置に、圧力導入孔(導圧孔)11−4a,11−5aが形成されている。
このようなセンサチップ11を用いると、センサダイアフラム11−1の一方の面に過大圧が印加されてセンサダイアフラム11−1が変位したとき、その変位面の全体がストッパ部材11−3の凹部11−3aの曲面によって受け止められる。また、センサダイアフラム11−1の他方の面に過大圧が印加されてセンサダイアフラム11−1が変位したとき、その変位面の全体がストッパ部材11−2の凹部11−2aの曲面によって受け止められる。
これにより、センサダイアフラム11−1に過大圧が印加された時の過度な変位が阻止され、過大圧の印加によるセンサダイアフラム11−1の不本意な破壊を効果的に防ぎ、その過大圧保護動作圧力(耐圧)を高めることが可能となる。また、図3に示された構造において、センタダイアフラム6や圧力緩衝室7a,7bをなくし、バリアダイアフラム5a,5bからセンサダイアフラム11−1に対して直接的に測定圧P1,P2を導くようにして、メータボディ2の小型化を図ることが可能となる。
このメータボディ2の小型化を図った構造において、センサチップ11は、図6に示すように、センサ室4aに収容され、そのセンサ室4aの底面(壁面)4bに台座11−5を接合することによって固定される。この場合、測定圧P1,P2を受けて、その測定圧P1,P2の差圧ΔPに応じてセンサダイアフラム11−1が低圧側に撓む。この撓みは、センサチップ11のセンサ室4aの壁面4bとの接合部に向かうことが望ましい。逆の方向に撓みが生じる場合には、センサ室4aの壁面4bとの接合部からセンサチップ11を剥離する場合が生じる。センサ室4aの壁面4bとの接合部外周から形成される面積Sと測定圧P1との積(S・P1)に応じた力F1で接合部は押し付けられる。一方、センサ室4aの壁面4bとの接合部に内包され、かつ、測定圧P2に連結された未接合面積Xと測定圧P2との積(X・P2)に応じた力F2で接合部は引き離される。接合部が単独で接合を維持する力F3とF1の合計が、F2により常に大きくなければ、接合は剥離される。面積Sは面積Xよりその定義上大きく、P1がP2より大きければ、接合部は剥離されることが無い。またセンサチップ11内のセンサダイアフラム11−1とストッパ部材11−3との接合部等でも同様な関係となる。このため、通常、圧力P1を受ける側を高圧側、圧力P2を受ける側を低圧側として定めて使用される。
特開2005−69736号公報
しかしながら、このようなセンサチップ11の構造において、圧力P1と圧力P2との高低関係が逆転しうるような場合や、圧力P1と圧力P2との高低関係は逆転しないが、差圧センサを現場に設置する際に作業者が誤って、圧力P1側を低圧側、圧力P2側を高圧側として選択してしまうこともあり、高圧側・低圧側を定めただけでは、センサチップ11の接合部(センサチップ11のセンサ室4aの壁面4bとの接合部、センサチップ11内の多層構造の接合部)の剥離を防止することができない。
また、このセンサチップ11の取り付け構造では、センサチップ11の底面をエポキシ系接着剤によりセンサ室4aの内壁面4bに接合しているので、逆圧が加えられていない場合であっても、周囲温度が変化したような場合、線膨張係数の違いによるセンサチップ11の接合部へのせん断方向や引っ張り方向の熱応力の発生により、センサチップ11の接合部の剥離を引き起こすことがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、センサチップの接合部の剥離を防止することが可能な差圧センサを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、一方の面および他方の面に受ける圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムと、センサダイアフラムの一方の面にその周縁部を対面させて接合され当該センサダイアフラムの一方の面へ第1の流体圧力を導く第1の導圧孔を有する第1の保持部材と、センサダイアフラムの他方の面にその周縁部を対面させて接合され当該センサダイアフラムの他方の面へ第2の流体圧力を導く第2の導圧孔を有する第2の保持部材とを少なくとも備えたセンサチップと、センサチップを収容するセンサ室と、センサ室の第1の内壁面まで第1の流体圧力を導く第1の導圧路と、センサ室の第1の内壁面と対向する第2の内壁面まで第2の流体圧力を導く第2の導圧路とを有するセンサハウジングとを備えた差圧センサにおいて、センサチップの一方の面とセンサ室の第1の内壁面との間に介在され挾圧保持された第1の弾性部材と、センサチップの他方の面とセンサ室の第2の内壁面との間に介在され挾圧保持された第2の弾性部材と、第1の弾性部材を貫通して設けられ、センサチップの第1の導圧孔もしくはこの第1の導圧孔に連通する孔にその一端が挿入固定され、センサハウジングの第1の導圧路にその他端が遊挿された第1の導圧管と、第2の弾性部材を貫通して設けられ、センサチップの第2の導圧孔もしくはこの第2の導圧孔に連通する孔にその一端が挿入固定され、センサハウジングの第2の導圧路にその他端が遊挿された第2の導圧管とを備えることを特徴とする。
本発明において、センサチップは、センサ室内の第1の内壁面と第2の内壁面との間に、第1および第2の弾性部材を挟んで支持されている。この場合、第1の弾性部材は第1の内壁面との間に挾圧保持され、第2の弾性部材は第2の内壁面との間に挾圧保持され、第1の導圧管および第2の導圧管の他端はセンサハウジングの第1および第2の導圧路に遊挿されているので、第1の流体圧力と第2の流体圧力との圧力の高低関係がどうであれ、大きな差圧が生じた場合でも、その差圧による押圧力により、センサチップは、第1の弾性部材を弾性変形させながら第1の内壁面側に、又は第2の弾性部材を圧縮変形させながら第2の内壁面側に押し付けられる。これにより、第1の流体圧力と第2の流体圧力との圧力の高低関係が逆転しても、センサチップがセンサ室の内壁面側に必ず押し付けられるものとなり、センサチップの接合部に加わる圧力が緩和され、センサチップの接合部の剥離が避けられる。
また、外部の熱がセンサハウジングを介してセンサ室内に伝導してきたような場合、第1および第2の弾性部材がせん断方向や引っ張り方向の熱応力を緩和する役割を果たし、熱膨張係数の違いによって生じるセンサチップの接合部へのせん断方向や引っ張り方向の熱応力を緩和する。これにより、高圧時だけではなく、周囲温度が変化したような場合でも、センサチップの接合部の剥離が避けられる。
なお、本発明において、センサチップはセンサダイアフラムと第1の保持部材と第2の保持部材とを少なくとも備えていればよい。この場合、センサチップとして、第1の保持部材のセンサダイアフラムと接合された面とは反対側の面に第1の台座を接合し、第2の保持部材のセンサダイアフラムと接合された面とは反対側の面に第2の台座を接合したような構成が考えられるが、このような構成では、第1の台座に設けられる第1の連通孔に第1の導圧管の一端を挿入固定するようにし、第2の台座に設けられる第2の連通孔に第2の導圧管の一端を挿入固定するようにする。また、第1の保持部材の厚みを増して第1の台座を兼ねさせ、第2の保持部材の厚みを増して第2の台座を兼ねさせるような構成とする場合には、第1の保持部材の第1の導圧孔に第1の導圧管の一端を挿入固定するようにし、第2の保持部材の第2の導圧孔に第2の導圧管の一端を挿入固定するようにする。
本発明によれば、センサチップの一方の面とセンサ室の第1の内壁面との間に第1の弾性部材を挾圧保持させた状態で介在させ、センサチップの他方の面とセンサ室の第2の内壁面との間に第2の弾性部材を挾圧保持させた状態で介在させ、センサチップの第1の導圧孔もしくはこの第1の導圧孔に連通する孔にその一端が挿入固定された第1の導圧管の他端をセンサハウジングの第1の導圧路に遊挿し、センサチップの第2の導圧孔もしくはこの第2の導圧孔に連通する孔にその一端が挿入固定された第2の導圧管の他端をセンサハウジングの第2の導圧路に遊挿し、第1の導圧管を第1の弾性部材を貫通して設け、第2の導圧管を第2の弾性部材を貫通して設けるようにしたので、第1の流体圧力と第2の流体圧力との圧力の高低関係に拘わらず、センサチップがセンサ室の内壁面側に必ず押しつけられるようにして、センサチップの接合部に加わる圧力を緩和し、センサチップの接合部の剥離を防止することが可能となる。
また、本発明によれば、外部の熱がセンサハウジングをセンサ室内に伝導してきたような場合、第1および第2の弾性部材がせん断方向や引っ張り方向の熱応力を緩和する役割を果たし、熱膨張係数の違いによって生じるセンサチップの接合部へのせん断方向や引っ張り方向の熱応力を緩和する。これにより、高圧時だけではなく、周囲温度が変化したような場合でも、センサチップの接合部の剥離を避けることが可能となる。
本発明に係る差圧センサの一実施の形態の要部を示す縦断面図である。 この差圧センサの縦断面斜視図である。 従来の差圧センサの概略構成を示す図である。 この差圧センサの動作態様を模式的に示す図である。 特許文献1に示された構造を採用したセンサチップの概略を示す図である。 このセンサチップをメータボディのセンサ室の壁面に接合した状態を示す図である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明に係る差圧センサの一実施の形態の要部を示す縦断面図である。同図において、12はセンサハウジングであり、有底円筒状の上側ハウジング12−1と、有底円筒状の下側ハウジング12−2との2分割構造とされている。上側ハウジング12−1および下側ハウジング12−2は例えばステンレス製とされている。なお、参考として、図2にこの差圧センサ200の縦断面斜視図を示す。
この差圧センサ200において、上側ハウジング12−1の下端面12−1aと下側ハウジング12−2の上端面12−2aとは溶接接合され、上側ハウジング12−1と下側ハウジング12−2とによって囲まれた空間がセンサ室12aとされている。そして、上側ハウジング12−1の底面がセンサ室12aの第1の内壁面12−1bとされ、下側ハウジング12−2の底面がセンサ室12aの第2の内壁面12−2bとされている。
センサ室12aにはセンサチップ11が収容されている。センサ室12aにおいて、第1の内壁面12−1bとセンサチップ11の一方の面(台座11−4の外面)との間にはOリング13−1を挾圧保持させた状態で介在させており、第2の内壁面12−2bとセンサチップ11の他方の面(台座11−5の外面)との間にはOリング13−2を挾圧保持させた状態で介在させている。
Oリング13−1および13−2としては、超高圧対応、超寿命のOリングを使用している。このOリング13−1および13−2が本発明でいう第1および第2の弾性部材に相当する。
また、センサ室12aにおいて、センサチップ11の台座11−4の導圧孔(連通孔)11−4aに導圧管14−1の一端が挿入固定され、この導圧管14−1の他端がOリング13−1を貫通して、上側ハウジング12−1に形成されている導圧路12−1cに遊挿されている。また、センサチップ11の台座11−5の導圧孔(連通孔)11−5aに導圧管14−2の一端が挿入固定され、この導圧管14−2の他端がOリング13−2を貫通して、下側ハウジング12−2に形成されている導圧路12−2cに遊挿されている。導圧管14−1,14−2はステンレス鋼とされている。
この差圧センサ200では、測定圧P1(第1の流体圧力)が圧力伝達媒体15−1を介して、上側ハウジング12−1の導圧路12−1c、導圧管14−1の管路14−1a、台座11−4の導圧孔11−4a、ストッパ部材11−2の導圧孔11−2bを通り、センサダイアフラム11−1の一方の面に印加される。また、測定圧P2(第2の流体圧力)が圧力伝達媒体15−2を介して、下側ハウジング12−2の導圧路12−2c、導圧管14−2の管路14−2a、台座11−4の導圧孔11−5a、ストッパ部材11−3の導圧孔11−3bを通り、センサダイアフラム11−1の他方の面に印加される。
この場合、センサダイアフラム11−1の一方の面に過大圧が印加されてセンサダイアフラム11−1が変位したとき、その変位面の全体がストッパ部材11−3の凹部11−3aの曲面によって受け止められる。また、センサダイアフラム11−1の他方の面に過大圧が印加されてセンサダイアフラム11−1が変位したとき、その変位面の全体がストッパ部材11−2の凹部11−2aの曲面によって受け止められる。
この差圧センサ200において、センサチップ11は、センサ室12a内の第1の内壁面12−1bと第2の内壁面12−2bとの間に、Oリング13−1および13−2を挟んで支持されている。この場合、Oリング13−1は第1の内壁面12−1bとの間に挾圧保持され、Oリング13−2は第2の内壁面12−2bとの間に挾圧保持され、導圧管14−1および導圧管14−2の他端は上側ハウジング12−1の導圧路12−1cおよび下側ハウジング12−2の導圧路12−2cに遊挿されている。
このため、この差圧センサ200では、第1の流体圧力P1と第2の流体圧力P2との圧力の高低関係がどうであれ、大きな差圧が生じた場合でも、その差圧による押圧力により、センサチップ11は、Oリング13−1を弾性変形させながら第1の内壁面12−1b側に、又はOリング13−2を圧縮変形させながら第2の内壁面12−2b側に押し付けられる。これにより、第1の流体圧力P1と第2の流体圧力P2との圧力の高低関係が逆転しても、センサチップ11がセンサ室12aの内壁面側に必ず押し付けられるものとなり、センサチップ11の接合部に加わる圧力が緩和され、センサチップ11の接合部の剥離が避けられる。
なお、この差圧センサ200において、導圧管14−1の他端が上側ハウジング12−1の導圧路12−1cに遊挿され、導圧管14−2の他端が下側ハウジング12−2の導圧路12−2cに遊挿されているので、この導圧管14−1,14−2の他端と導圧路12−1c,12−2cとの間の隙間から圧力伝達媒体15−1,15−2がセンサ室12a内に漏れ出ようとするが、この圧力伝達媒体15−1,15−2の漏出はOリング13−1,13−2によって阻止される。
また、この差圧センサ200では、外部の熱がセンサハウジング12を介してセンサ室12a内に伝導してきたような場合、Oリング13−1および13−2がせん断方向や引っ張り方向の熱応力を緩和する役割を果たし、熱膨張係数の違いによって生じるセンサチップ11の接合部へのせん断方向や引っ張り方向の熱応力を緩和する。これにより、高圧時だけではなく、周囲温度が変化したような場合でも、センサチップ11の接合部の剥離が避けられる。
また、この差圧センサ200では、センサハウジング12を上側ハウジング12−1と下側ハウジング12−2との2分割構造とし、かつ着脱可能としているので、センサハウジング12の分解・組立が可能であり、センサチップ11、Oリング13−1,13−2の部品単位での交換を簡単に行うことができる。
また、この差圧センサ200では、センサハウジング12のセンサ室12aがセンサチップ11を天地方向を逆としても収納可能な構造とされている。すなわち、センサチップ11をその装着方向を逆としても収納可能な構造とされている。このため、センサチップ11をセンサハウジング12に装着する際に、装着する向きを気にしなくてもよい。また、上側ハウジング12−1と下側ハウジング12−2を同一部品にでき、Oリング13−1とOリング13−2も同一部品とすることができるので、部品の種類を削減することができる。
なお、上述した実施の形態では、センサチップ11を台座11−4,11−5を有する構成としたが、ストッパ部材11−2,11−3の厚みを増して台座を兼ねさせるような構成としてもよい。この場合、ストッパ部材11−2,11−3の導圧孔11−2b,11−3bに導圧管14−1,14−2の他端を挿入固定するようにする。
また、上述した実施の形態では、センサダイアフラム11−1を圧力変化に応じて抵抗値が変化する歪抵抗ゲージを形成したタイプとしているが、静電容量式のセンサチップとしてもよい。静電容量式のセンサチップは、所定の空間(容量室)を備えた基板と、その基板の空間上に配置されたダイアフラムと、基板に形成された固定電極と、ダイアフラムに形成された可動電極とを備えている。ダイアフラムが圧力を受けて変形することで、可動電極と固定電極との間隔が変化してその間の静電容量が変化する。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
11…センサチップ、11−1…センサダイアフラム、11−2,11−3…ストッパ部材、11−2a,11−3a…凹部、11−2b,1−3b…圧力導入孔(導圧孔)、11−4,11−5…台座、11−4a,11−5a…圧力導入孔(導圧孔)、12…センサハウジング、12a…センサ室、12−1…上側ハウジング、12−2…下側ハウジング、12−1a,12−2a…下端面、12−1b,12−2b…内壁面、12−1c,12−2c…導圧路、13−1,13−2…Oリング、14−1,14−2…導圧管、14−1a,14−2a…管路、15−1,15−2…圧力伝達媒体、200…差圧センサ。

Claims (3)

  1. 一方の面および他方の面に受ける圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムと、前記センサダイアフラムの一方の面にその周縁部を対面させて接合され当該センサダイアフラムの一方の面へ第1の流体圧力を導く第1の導圧孔を有する第1の保持部材と、前記センサダイアフラムの他方の面にその周縁部を対面させて接合され当該センサダイアフラムの他方の面へ第2の流体圧力を導く第2の導圧孔を有する第2の保持部材とを少なくとも備えたセンサチップと、
    前記センサチップを収容するセンサ室と、前記センサ室の第1の内壁面まで前記第1の流体圧力を導く第1の導圧路と、前記センサ室の前記第1の内壁面と対向する第2の内壁面まで前記第2の流体圧力を導く第2の導圧路とを有するセンサハウジングとを備えた差圧センサにおいて、
    前記センサチップの一方の面と前記センサ室の第1の内壁面との間に介在され挾圧保持された第1の弾性部材と、
    前記センサチップの他方の面と前記センサ室の第2の内壁面との間に介在され挾圧保持された第2の弾性部材と、
    前記第1の弾性部材を貫通して設けられ、前記センサチップの第1の導圧孔もしくはこの第1の導圧孔に連通する孔にその一端が挿入固定され、前記センサハウジングの第1の導圧路にその他端が遊挿された第1の導圧管と、
    前記第2の弾性部材を貫通して設けられ、前記センサチップの第2の導圧孔もしくはこの第2の導圧孔に連通する孔にその一端が挿入固定され、前記センサハウジングの第2の導圧路にその他端が遊挿された第2の導圧管と
    を備えることを特徴とする差圧センサ。
  2. 請求項1に記載された差圧センサにおいて、
    前記センサハウジングは、
    2分割構造とされ、かつ着脱可能とされている
    ことを特徴とする差圧センサ。
  3. 請求項1又は2に記載された差圧センサにおいて、
    前記センサハウジングのセンサ室は、
    前記センサチップをその装着方向を逆としても収納可能な構造とされている
    ことを特徴とする差圧センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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