JP2014114981A - 静的冷却システム - Google Patents

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直行 石田
Kazuaki Kito
和明 木藤
Yoshiyuki Kataoka
良之 片岡
Koji Fujimura
幸治 藤村
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Abstract

【課題】100℃以下に冷却して維持管理する必要のある冷却対象にも適用可能な静的冷却システムを提供する。
【解決手段】一端側を被除熱対象物の液体内に浸漬し、他端側を冷却プールの冷却水内に浸漬したヒートパイプと、前記ヒートパイプの内部に封入され、加熱により100℃以下で沸騰する冷媒と、気体の供給により前記冷却プールの内部を真空にする真空発生器と、前記真空発生器に供給する気体を封入したボンベと、前記ボンベと前記真空発生器とを連結する供給配管と、前記供給配管に設けられ、手動又は非常用電源で駆動する供給開閉バルブとを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静的冷却システムに関する。
一般に、原子力発電プラントにおいては、地震や台風といった自然災害や、電力系統の故障等により外部電源が失われると、プラント内に設置されているディーゼル発電機が自動起動して、原子力発電プラントの冷却系統に電力を供給し、冷却機能を維持する設計となっている。さらに安全性を高めるためには、万一、ディーゼル発電機が起動しない場合でも、冷却が可能なシステムの導入が望ましい。
冷却材喪失事故時または過酷事故時に原子炉格納容器を冷却する静的な冷却設備として、原子炉格納容器内に充満した蒸気を冷却プールに水没させた熱交換器に引き込み、凝縮させた水を原子炉格納容器内に戻すことにより、原子炉格納容器の過圧を抑制したものがある。熱交換器内で蒸気が凝縮して圧力が低下することにより、継続的に蒸気を熱交換器内に引き込むことができるため、電源なしで静的に原子炉格納容器内を継続的に冷却することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−248166号公報
ところで、例えば、原子力発電プラントで使用した使用済み燃料は、長期にわたって崩壊熱を発生する。このため、国内の原子力発電プラントにおいては、使用済み燃料を、使用後の数年間、原子炉建屋にある燃料貯蔵プールに保管してプール水により継続的に冷却している。崩壊熱により加熱されたプール水は、熱交換器において、ポンプにより強制循環している冷媒と熱交換することで除熱される。この冷媒により輸送された熱は、最終的には、系統外の海水へ放熱されている。
上述した特許文献1の静的な冷却設備においては、原子炉圧力容器および原子炉格納容器で発生する蒸気を冷却プールへ導入し、冷却プールを沸騰させることにより沸騰凝縮熱伝達を利用して静的にかつ効率的に除熱している。ただし、水は大気圧下では100℃で沸騰するため、冷却対象である被除熱物の温度を100℃以下までに降下させて維持したい場合には、適用できない。このため、プール水の温度を100℃以下の適当な温度で維持管理する必要のある燃料貯蔵プールには、このような静的な冷却設備は適用できない。
本発明は、上述した事柄に基づいてなされたものであって、その目的は、100℃以下に冷却して維持管理する必要のある冷却対象にも適用可能な静的冷却システムを提供するものである。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、一端側を被除熱対象物の液体内に浸漬し、他端側を冷却プールの冷却水内に浸漬したヒートパイプと、前記ヒートパイプの内部に封入され、加熱により100℃以下で沸騰する冷媒と、気体の供給により前記冷却プールの内部を真空にする真空発生器と、前記真空発生器に供給する気体を封入したボンベと、前記ボンベと前記真空発生器とを連結する供給配管と、前記供給配管に設けられ、手動又は非常用電源で駆動する供給開閉バルブとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ヒートパイプと真空発生器と気体を充填したボンベとを用いて冷却プールの冷却水を減圧沸騰させるので、冷却対象を100℃以下の適当な温度に維持管理でき、電源が不要な静的冷却システムを構築することができる。
本発明の静的冷却システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。 本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。 本発明の静的冷却システムの第3の実施の形態を示すシステム構成図である。 本発明の静的冷却システムの第4の実施の形態を示すシステム構成図である。
以下、本発明の静的冷却システムの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の静的冷却システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。本実施の形態における静的冷却システムは原子力発電プラントの燃料貯蔵プール50に適用されている。
図1において、原子力発電プラントの燃料貯蔵プール50には、その内部に複数の使用済み燃料51が配置されている。また、燃料貯蔵プール50内には、複数の使用済み燃料51を冷却するプール水50aが、複数の使用済み燃料51を十分に覆うように貯留されている。
本実施の形態における静的冷却システム10は、100℃以下で沸騰する冷媒が充填されたヒートパイプ1と、内部を冷却水で満たした冷却プール11と、冷却プール11に連結した真空発生器7と、真空発生器7に連結した空気ボンベ8とを備えている。
ヒートパイプ1は、燃料貯蔵プール50と冷却プール11との間に配置されている。ヒートパイプ1は、燃料貯蔵プール50のプール水50aの中に浸漬された除熱用の第1熱交換器2と、冷却プール11の冷却水11aの中に浸漬されて、第1熱交換器2よりも高い位置に配置された放熱用の第2熱交換器3と、第1熱交換器2と第2熱交換器3とを連結し内部を冷媒となる凝縮水が通る凝縮水戻り配管4と、第1熱交換器2と第2熱交換器3とを連結し内部を冷媒となる蒸気が通る蒸気配管5と、凝縮水戻り配管4に設けられ、内部の凝縮水の連通/遮断を切り換える開閉バルブ6とを備えている。開閉バルブ6は、手動でまたは、バッテリ等の非常用電源で操作する。
ヒートパイプ1の内部は15kPa程度に減圧している。このことにより、本実施の形態においては冷媒として水を用いているが、約54℃で沸騰する。冷媒は、水に限るものではなく、46〜100℃以下で沸騰する液体を用いても良い。
冷却プール11は、上部の気相部と真空発生器7の吸引口とを連結する吸引配管7aと、図示しない外部水源から冷却プール11へ冷却水を補充する注水配管12とをその上部に備えている。注水配管12には、連通/遮断を切り換える注水バルブ13が設けられている。注水バルブ13は、手動でまたは、バッテリ等の非常用電源で操作する。
真空発生器7は、その供給口に空気ボンベ8からの空気が供給される供給配管である空気配管8aを連結している。空気配管8aには、供給開閉バルブであって空気流量を調整できる流量調整バルブ9が設けられている。真空発生器7を動作させた場合、本実施の形態においては、冷却プール11の内部を10kPa程度に減圧することができる。このことにより、冷却水11aは、約46℃で沸騰する。流量調整バルブ9は、手動でまたは、バッテリ等の非常用電源で操作する。
冷却プール11の冷却水11aは、減圧沸騰に伴い減少する。このため、注水バルブ13を開操作し、注水配管12から冷却水を補充することが望ましい。なお、真空発生器7に供給する気体は、空気に限るものではない。例えば、窒素ガスやアルゴン等の不活性ガス等を用いてもよい。
次に、本発明の静的冷却システムの実施の形態における動作を説明する。上述したように、静的冷却システムは、電源なしで被除熱物の冷却を可能とするものであり、本実施の形態における原子力発電プラントの燃料貯蔵プール50においては、図示しない一般的な動的冷却システムを備えており、通常の運転時には、この動的冷却システムによりプール水50aは冷却されている。
まず、動的冷却システムが稼動している通常時は、本発明の静的冷却システム10は不作動の状態にする。
燃料貯蔵プール50内は、放射線環境下であるため、第1熱交換器2の内部に冷媒である水を溜めておくと、水が放射線分解して非凝縮性のガスが発生することが想定される。非凝縮性のガスが発生すると第2熱交換器3での凝縮熱伝達率が低下するため、除熱性能が低下する可能性がある。
このため、静的冷却システムの不作動時には、開閉バルブ6を閉止して、開閉バルブ6と第2熱交換器3の間の凝縮水戻り配管4の中に、ヒートパイプ1の冷媒である水を溜めておき、第1熱交換器2側には、冷媒である水がない状態にしておくことが望ましい。
次に、例えば、動的冷却システムが稼働できず、本発明の静的冷却システムの実施の形態を作動させる場合には、まず、手動またはバッテリ等の非常用電源によりヒートパイプ1の開閉バルブ6を開けて、凝縮水戻り配管4の中に溜めた水を第1熱交換器2へ供給する。次に、空気ボンベ8の流量調整バルブ9を手動またはバッテリ等の非常用電源により開けて、真空発生器7の供給口に空気を供給する。このことにより、冷却プール11の気相部の蒸気が吸引配管7aを介して真空発生器7へ吸引される。この結果、冷却プール11内の圧力は10kPa程度まで減圧される。
通常時に動作していた動的冷却システムが停止すると、燃料貯蔵プール50において、使用済み燃料からの崩壊熱により、プール水50aの温度が上昇開始する。プール水50aの温度が54℃を超えると、プール水50aの中に浸漬されたヒートパイプ1における第1熱交換器2の内部で冷媒である水が沸騰し始めて、蒸気が発生する。この蒸気は、蒸気配管5を通って、第2熱交換器3へ移動する。
ヒートパイプ1における第2熱交換器3に到達した54℃以上の蒸気は、冷却プール11の46℃以下の冷却水11aで冷却されて凝縮し水に戻る。第2熱交換器3は、燃料貯蔵プール50内の第1熱交換器2よりも高い位置に配置されているので、凝縮した水は、重力により凝縮水戻り配管4を通って、再び燃料貯蔵プール50内の第1熱交換器2に流れ込む。ヒートパイプ1内の冷媒が、このような熱交換サイクルを繰り返すので、継続的に燃料貯蔵プール50のプール水50aを冷却することができる。
一方、冷却プール11における冷却水11aは、第2熱交換器3で冷媒である蒸気が凝縮することにより、この蒸気から潜熱が与えられる。この結果、冷却水11aの温度が上昇する。上述したように冷却プール11の内部は減圧されているので、冷却プール11の水面部の冷却水11aの温度が46℃を超えると、冷却水は沸騰し、蒸気が発生する。
冷却プール11で発生した蒸気は、吸引配管7aを介して真空発生器7に吸込まれ、空気ボンベ8から供給された空気と一緒に混合されて冷却プール11の外へ放出される。冷却プール11からは、冷却水11aが沸騰することにより蒸発潜熱として冷却プール11の外に熱が放出される。
この際、冷却水11aは蒸気として冷却プール11から排出されるので、冷却プール11の冷却水11aの水位が低下する。このため、冷却水11aの水位の低下に応じて、注水配管12の注水バルブ13を手動または非常用電源により開操作して冷却水を供給する。本実施の形態においては、熱輸送に熱伝達率の大きい沸騰凝縮熱伝達を利用しているので、第2熱交換器3の容量を小さくすることができる。
次に、本発明の静的冷却システムの実施の形態を燃料貯蔵プール50に適用する場合の設計例について説明する。本実施の形態において、熱輸送量は、燃料貯蔵プール50に配置されたヒートパイプ1における第1熱交換器2の表面での自然対流熱伝達が支配的である。このため、第1熱交換器2の表面での熱伝達を評価する。
ここで、燃料貯蔵プール50は、出力80万kW級の原子力発電プラントに適用するものとして、その崩壊熱を3MW程度とする。そして、燃料貯蔵プール50のプール水50aの温度を70℃に維持するものとする。
ヒートパイプ1内の飽和温度を55℃、第1熱交換器2の複数の伝熱管を、外径10mm、長さ3mの複数の鉛直平板で構成した場合、参考文献である「伝熱工学資料 改訂 第5版」(社団法人日本機械学会、2009年6月)の53頁に記載されている自然対流伝熱式から、約2200本の伝熱管を設けることで、上述した目的を達成することができる。
具体的には、この伝熱管を5列にして各列を10mm間隔で並列させたとすると、この第1熱交換器2の幅は約9mになる。一般に、燃料貯蔵プール50の大きさは、縦横の各々の長さが約10m程度である。したがって、この第1熱交換器2を燃料貯蔵プール50の1辺部に設置することで、静的冷却システム10を実現できる。
本実施の形態においては、減圧沸騰を利用しているので、100℃以下に冷却して維持管理したい冷却対象にも適用することができる、また、開閉バルブ6と流量調整バルブ9とを開操作することのみで起動でき、起動後は電源を必要とせずに継続的に冷却することができる。
上述した本発明の静的冷却システムの第1の実施の形態によれば、ヒートパイプ1と真空発生器7と気体を充填したボンベ8とを用いて冷却プール11の冷却水11aを減圧沸騰させるので、冷却対象を100℃以下の適当な温度に維持管理でき、電源が不要な静的冷却システム10を構築することができる。
以下、本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態を図面を用いて説明する。図2は本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。図2において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態において、燃料貯蔵プール50及び冷却プール11の構成は、大略第1の実施の形態と同じであるが、ヒートパイプ1の内部が減圧されていない点とヒートパイプ1の内部を真空にする第2真空発生器25をさらに備えた点が異なる。
本実施の形態において、ヒートパイプ1は、第1の実施の形態の蒸気配管5と第2熱交換器3との連結部に分岐部を設け、この分岐部にその一端側を連結する分岐配管である排気配管24を備えている。排気配管24の他端側は、第2真空発生器25の吸引口と連結している。排気配管24には、内部の気体の連通/遮断を切り換える第2開閉バルブ23が設けられている。第2開閉バルブ23は、手動でまたはバッテリ等の非常用電源で操作する。
第2真空発生器25は、その供給口に空気ボンベ8からの空気が供給される第2供給配管22の一端側を連結している。第2供給配管22の他端側は、流量調整バルブ9の下流側の空気配管8aに連結されている。第2供給配管22には、第2供給開閉バルブであって空気流量を調整できる流量調整バルブ21が設けられている。流量調整バルブ21は、手動でまたはバッテリ等の非常用電源で操作する。
本実施の形態においては、静的冷却システム10が不作動の状態において、ヒートパイプ1の内部の気相部を窒素で置換している。これは、ヒートパイプ1の内部における蒸気の充満を防ぐためのものである。第1の実施の形態で述べたように、静的冷却システムの不作動時に、開閉バルブ6を閉止して、開閉バルブ6と第2熱交換器3の間の凝縮水戻り配管4の中に、ヒートパイプ1の冷媒である水を溜めておき、第1熱交換器2側に、水がない状態にしておき、ヒートパイプ1の内部の気相部を窒素で置換しておくと、ヒートパイプ1内で水の蒸発により発生する蒸気の分圧が低下し、ヒートパイプ1の表面からの放熱で凝縮して第1熱交換器2内に溜まる水を大幅に低減することができる。なお、置換する気体は、アルゴン等の不活性気体でもよい。
第1熱交換器2の内部に水を溜めておくと、上述したように、水が放射線分解して非凝縮性のガスが発生することが想定される。非凝縮性のガスは一般的に凝縮熱伝達を阻害する。本実施の形態においては、後述するようにシステム起動後にヒートパイプ1内を真空引きするので、非凝縮性ガスが起動前に存在した場合であっても、伝熱性能の劣化を防止できる。
次に、上述した本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態における動作を説明する。動的冷却システムが稼働できず、本実施の形態の静的冷却システムを作動させる場合には、まず、手動またはバッテリ等の非常用電源によりヒートパイプ1の開閉バルブ6、及び第2真空発生器25の吸気口に連結する排気配管24に設けた第2開閉バルブ23を開ける。次に、空気ボンベ8の流量調整バルブ9と第2供給配管22の流量調整バルブ21とを手動またはバッテリ等の非常用電源により開けて、真空発生器7及び第2真空発生器25のそれぞれの供給口に空気を供給する。このことにより、冷却プール11の気相部の蒸気が吸引配管7aを介して真空発生器7へ吸引されるとともに、ヒートパイプ1の内部に充填されていた窒素等の気体が排気配管24を介して第2真空発生器25へ吸引される。
ヒートパイプ1の内部が、例えば、15kPa程度の所定の真空度まで減圧された後に、手動またはバッテリ等の非常用電源により第2開閉バルブ23と流量調整バルブ21とを閉止し、第2真空発生器25によるヒートパイプ1内の減圧を終了させる。このことにより、静的冷却システム10が不作動時において、ヒートパイプ1の内部に非凝縮性ガスが存在していたとしても、ヒートパイプ1の内部から除去される。この結果、伝熱性能の劣化を防止できる。
一方、真空発生器7による冷却プール11の減圧等は第1の実施の形態と同様に継続するので、燃料貯蔵プール50からの崩壊熱を系統外へ放出することができる。
上述した本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、上述した本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態によれば、通常の動的冷却システムが稼働する静的冷却システムの不作動時に、ヒートパイプ1内の気相部を窒素で置換したので、非凝縮性ガスの発生を防止することができる。この結果、伝熱性能の劣化を防止できる。
更に、上述した本発明の静的冷却システムの第2の実施の形態によれば、静的冷却システムの不作動時に、非凝縮性ガスがヒートパイプ1の内部に存在していた場合であっても、起動時にヒートパイプ1の内部を真空引きするので、系外へ排出することができる。この結果、伝熱性能の劣化を防止できる。
以下、本発明の静的冷却システムの第3の実施の形態を図面を用いて説明する。図3は本発明の静的冷却システムの第3の実施の形態を示すシステム構成図である。図3において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の静的冷却システムの第3の実施の形態においては、上述した第2の実施の形態における冷却プール10に代えて、冷却塔30を設けて、第2熱交換器3を空気による自然対流で冷却する点が異なる。
本実施の形態において、第2熱交換器3は、燃料貯蔵プール50のプール水50aに浸漬された第1熱交換器2よりも高い位置であって、かつ冷却塔30の内側の下部に配置されている。冷却塔30は、内部が空洞の煙突であって、内部に配置された第2熱交換器3を下部から導入された空気の温度上昇による上昇気流(自然対流)で冷却する。
冷却プール10の削除に伴い、第2の実施の形態で設けた真空発生器7、吸引配管7a、注水配管12、及び注水バルブ13は削除している。第2真空発生器25は、その供給口に空気ボンベ8からの空気が供給される第2供給配管22の一端側を連結している。第2供給配管22の他端側は、内部の空気流量を調整する流量調整バルブ9を介して空気ボンベ8に連結されている。
第2の実施の形態においては、冷却プール10における減圧を維持するために、真空発生器7へ空気を供給し続ける必要がある。このため、空気ボンベ8を多数用意する必要があった。これに対して、本実施の形態によれば、冷却塔30は空気の自然対流で第2熱交換器3を冷却するので、空気ボンベ8の供給は不要となる。起動時にヒートポンプ1の内部を真空引きするときのみ、第2真空発生器25へ空気ボンベ8から空気を供給すれば良いので、空気ボンベ8を多数用意する必要がなくなる。
次に、本実施の形態における動作を説明する。本実施の形態の静的冷却システムを作動させる必要が生じた場合には、まず、手動またはバッテリ等の非常用電源によりヒートパイプ1の開閉バルブ6、及び第2真空発生器25の吸気口に連結する排気配管24に設けた第2開閉バルブ23を開ける。次に、空気ボンベ8の流量調整バルブ9を手動またはバッテリ等の非常用電源により開けて、第2真空発生器25の供給口に空気を供給し、ヒートパイプ1の内部を減圧する。
ヒートパイプ1の内部が、例えば、15kPa程度の所定の真空度まで減圧された後に、手動またはバッテリ等の非常用電源により第2開閉バルブ23と流量調整バルブ9とを閉止し、第2真空発生器25によるヒートパイプ1内の減圧を終了させる。
一方、冷却塔30により第2熱交換器3は冷却されるので、上述した第1及び第2の実施の形態と同じ原理で、燃料貯蔵プール50からヒートパイプ1を通して冷却塔30に熱を輸送し、冷却塔30から大気へ崩壊熱を放出することができる。
上述した本発明の静的冷却システムの第3の実施の形態によれば、上述した第2の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、上述した本発明の静的冷却システムの第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態と比較して、備えるべき空気ボンベ8の数量を大幅に低減することができる。
以下、本発明の静的冷却システムの第4の実施の形態を図面を用いて説明する。図4は本発明の静的冷却システムの第4の実施の形態を示すシステム構成図である。図4において、図1乃至図3に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の静的冷却システムの第4の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態におけるヒートパイプ1として円管40を用いるとともに、燃料貯蔵プール50及び冷却プール10に設けていた第1熱交換器2と第2熱交換器3とを省略した点が異なる。円管40内には、46℃〜100℃で沸騰する冷媒41が封入されている。
燃料貯蔵プール50でプール水50aからの熱で沸騰した冷媒41は、蒸気となり円管40内を伝って冷却プール10の方向に流れる。冷却プール10内に到達した冷媒41は、冷却水11aにより冷却され、凝縮して水に戻り、重力により円管40内を流下して、再び燃料貯蔵プール50内へ戻る。
本実施の形態においては、このようなサイクルが繰り返されることで、燃料貯蔵プール50に放出された崩壊熱が、冷却プール10へ輸送される。
上述した本発明の静的冷却システムの第4の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、上述した本発明の静的冷却システムの第4の実施の形態によれば、崩壊熱量が少なく、円管40の設置本数が少なくてよい場合には、構造が簡単であり、システムの製作コストを低減することができる。
なお、本発明の各実施の形態においては、静的冷却システムを燃料貯蔵プール50の冷却に適用した場合を例に説明したが、これに限るものではない。対象物を100℃以下に冷却維持することが必要なものであれば、本発明は、適用することができる。
また、本発明は上述した第1乃至第4の実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
1 ヒートパイプ
2 第1熱交換器
3 第2熱交換器
4 凝縮水戻り配管
5 蒸気配管
6 開閉バルブ
7 真空発生器
8 空気ボンベ
8a 空気配管(供給配管)
9 流量調整バルブ(供給開閉バルブ)
10 静的冷却システム
11 冷却プール
11a 冷却水
12 注水配管
13 注水バルブ
21 流量調整バルブ(第2供給開閉バルブ)
22 第2供給配管
23 第2開閉バルブ
24 排気配管(分岐配管)
25 第2真空発生器
30 冷却塔
40 円管
41 冷媒
50 燃料貯蔵プール
50a プール水
51 使用済み燃料

Claims (7)

  1. 一端側を被除熱対象物の液体内に浸漬し、他端側を冷却プールの冷却水内に浸漬したヒートパイプと、
    前記ヒートパイプの内部に封入され、加熱により100℃以下で沸騰する冷媒と、
    気体の供給により前記冷却プールの内部を真空にする真空発生器と、
    前記真空発生器に供給する気体を封入したボンベと、
    前記ボンベと前記真空発生器とを連結する供給配管と、
    前記供給配管に設けられ、手動又は非常用電源で駆動する供給開閉バルブとを備えた
    ことを特徴とする静的冷却システム。
  2. 請求項1に記載の静的冷却システムにおいて、
    前記ヒートパイプは、除熱用熱交換器と放熱用熱交換器とこれらの熱交換器を連結する配管とを備え、前記放熱用熱交換器を前記除熱用熱交換器より高い位置に配置した
    ことを特徴とする静的冷却システム。
  3. 請求項2に記載の静的冷却システムにおいて、
    前記冷媒が前記除熱用熱交換器から前記放熱用熱交換器へ移動する蒸気配管と、前記冷媒が前記放熱用熱交換器から前記除熱用熱交換器へ移動する凝縮戻り配管と、
    前記凝縮戻り配管に設けられ、前記静的冷却システムの作動時に手動又は非常用電源で開駆動され、前記静的冷却システムの不作動時に閉止される開閉バルブとを備えた、
    ことを特徴とする静的冷却システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静的冷却システムにおいて、
    前記冷媒が水であり、前記ヒートパイプの内部が減圧されている
    ことを特徴とする静的冷却システム。
  5. 請求項3に記載の静的冷却システムにおいて、
    前記蒸気配管と前記放熱側熱交換器との連結部に設けられた分岐配管と、
    気体の供給により前記分岐配管の内部を真空にする第2真空発生器と、
    前記第2真空発生器に供給する気体を封入したボンベと、
    前記ボンベと前記第2真空発生器とを連結する第2供給配管と、
    前記第2供給配管に設けられ、手動又は非常用電源で駆動する第2供給開閉バルブと
    前記分岐配管に設けられ、手動又は非常用電源で駆動する第2開閉バルブとを備えた
    ことを特徴とする静的冷却システム。
  6. 請求項5に記載の静的冷却システムにおいて、
    前記ヒートパイプの内部の気体を不活性ガスで置換した
    ことを特徴とする静的冷却システム。
  7. 請求項5又は6に記載の静的冷却システムにおいて、
    前記冷却プールに代えて、空気により前記放熱側熱交換器を冷却する冷却塔を設けた
    ことを特徴とする静的冷却システム。
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