JP2016003961A - 原子力発電プラントの冷却システムおよび冷却方法 - Google Patents

原子力発電プラントの冷却システムおよび冷却方法 Download PDF

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賢也 滝脇
武内 豊
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豊 武内
山本 泰
Yasushi Yamamoto
泰 山本
俊吾 櫻井
Shungo Sakurai
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Abstract

【課題】崩壊熱の高い原子炉停止初期から長期に亘って、外部からの電力の供給や冷却水の補給無しに、崩壊熱を除熱できるようにする原子力発電プラントの冷却システムおよび冷却方法を提供する。【解決手段】炉心で発生した熱によって蒸気を発生させる蒸気発生器12と、この蒸気発生器12よりも上方に設置され、蒸気発生器12からの蒸気と大気との間で熱交換を行う熱交換器14と、熱交換器14の出口よりも下方で当該熱交換器14の出口側に接続される入口部と蒸気発生器12の注水口よりも上方で当該注水口側に接続される出口部と予め設定された圧力以上の圧力で内部の蒸気を大気中に放出する逃がし弁20を有する冷却水タンク16と、から構成される。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、原子力発電プラントの冷却システムおよび冷却方法に関する。
原子力発電プラントでは、重大事故発生に備えるための安全システムとして、緊急炉心停止システムや緊急炉心冷却システムが導入されている。巨大地震などの災害発生時には、緊急炉心停止システムが動作して、制御棒を炉心に挿入し、燃料の核分裂を停止させる。そして、緊急炉心冷却システムが動作し、炉心に冷却材を注入する。
緊急炉心冷却システムは、外部からの電力供給や冷却水の補給がなくとも、72時間程度の炉心冷却を行うことが可能なようになっている。それを超えると、通常は、外部電源やディーゼル非常電源等を用いて、燃料の崩壊熱を除熱し冷温停止状態になるまで冷却を継続する必要がある。
ところが、外部電源を喪失したり、海水に崩壊熱を放熱する機能が失われるヒートシンク喪失の状態が長期に及ぶ場合には、緊急炉心冷却システムでは対応することができず、炉心の冷却が止まってしまうことから、こういった場合の燃料崩壊熱の除熱について検討されている。
これまでにも、外部電源を喪失する場合に備えて、動力を用いないで燃料崩壊熱を除熱する原子力発電プラント冷却システムが提案されている。
例えば、特許文献1には、原子炉の上方に冷却熱交換器を配置し、原子炉内の余熱交換器と接続される余熱排出循環系を構成し、原子炉で発生した熱を自然循環により冷却熱交換器の保有する冷却水に放熱するようにした冷却システムが記載されている。
また、特許文献2には、原子炉で発生した熱により蒸気を発生させて蒸気インジェクタを起動し、外部からの動力を必要とすることなく、空冷塔へ高温水を循環させて原子炉格納容器内の熱を大気中に放熱するシステムが提案されている。
特開昭61−86682号公報 特開平2−253196号公報
しかしながら、従来の冷却システムでは、動力不要で放熱を続けられるものの、放熱に伴い保有する冷却水が減少を続けることになる。原子炉停止後の崩壊熱の高い時期から長期に亘って放熱していくと、冷却水が不足して外部からの冷却水の補給が必要となり、また補給のための電力も必要となる。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、崩壊熱の高い原子炉停止初期から長期に亘って、外部からの電力の供給や冷却水の補給無しに、崩壊熱を除熱することを可能にする原子力発電プラントの冷却システムおよび冷却方法を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、原子炉の炉心に装荷された燃料の崩壊熱を除熱するための原子力発電プラントの冷却システムであって、前記炉心で発生した熱によって蒸気を発生させる蒸気発生器と、前記蒸気発生器よりも上方に設置され、前記蒸気発生器からの蒸気と大気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器の出口よりも下方で当該熱交換器の出口側に接続される入口部と前記蒸気発生器の注水口よりも上方で当該注水口側に接続される出口部と予め設定された圧力以上の圧力で内部の蒸気を大気中に放出する逃がし弁を有する冷却水タンクと、から構成される。
本発明の実施形態によれば、崩壊熱の高い原子炉停止初期から長期に亘って、崩壊熱を除熱することができる。
本発明による原子力発電プラントの冷却システムの第1実施形態を示す模式図である。 本発明による原子力発電プラントの冷却システムの第2実施形態を示す模式図である。 本発明による原子力発電プラントの冷却システムの第3実施形態を示す模式図である。 本発明による原子力発電プラントの冷却システムの第4実施形態を示す模式図である。
以下、本発明による原子力発電プラントの冷却システムの一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による加圧水型の原子力発電プラントに適用される冷却システムを示す図である。この図1において、参照番号10は、炉心が収納されている原子炉圧力容器を示している。この原子炉圧力容器10は、一次冷却配管11によって蒸気発生器12と接続されている。炉心で発生した熱によって一次冷却材が加熱される。この高温の冷却材は一次冷却配管11を経由して蒸気発生器12内の二次冷却材と熱交換を行い、二次冷却材の蒸気が発生する。この二次冷却材の蒸気は、発電プラントの図示しないタービンに送られて、発電に利用される。二次冷却材と熱交換を行った後の一次冷却材は、一次冷却配管11を通って原子炉圧力容器10に戻される。すなわち、蒸気発生器12は、炉心で発生した熱によって蒸気を発生させる機器である。
原子力発電プラントでは、大地震などの非常事態発生に備えて、蒸気発生器12内に冷却水を注入する非常用炉心冷却系統が複数系統設けられており、安全に万全を期しているが、本実施形態では、さらに、外部電源の喪失により、海水等による外部との熱交換が不可能となった場合でも、大気への放熱を最終ヒートシンクとして確保し、原子炉の炉心に装荷された燃料の崩壊熱の原子炉停止後の除熱を行う冷却システムが次のように構成されている。
図1において、参照番号14は、蒸気発生器12で発生した二次側の蒸気の熱を大気中に放熱させる空冷塔である。この実施形態の場合、空冷塔14は、蒸気発生器12から軽くなった蒸気が効率良く送られてくるように、蒸気発生器12よりも高い、すなわち上位の位置(上方)で原子炉建屋に設置されている。ここで、空冷塔14が蒸気発生器12よりも上方に設置される、とは、空冷塔14に設置される後述の熱交換器の入口の位置が蒸気発生器12の蒸気出口よりも上方に位置していることを示している。蒸気発生器12と空冷塔14とは二次側蒸気配管15によって接続されている。空冷塔14よりも下位の位置(下方)には、冷却水タンク16が設置されている。なお、空冷塔14よりも下方、とは、空冷塔14に設置される後述の熱交換器の出口位置よりも下方を指し、冷却タンク16が空冷塔14よりも下方に設置される、とは、冷却タンク16の入口が空冷塔14よりも下方に位置することを指す。
空冷塔14内において、蒸気あるいは凝縮した冷却水の流れる熱交換器17は、伝熱管あるいは伝熱プレートの伝熱面で仕切られた冷却水通路を有し、蒸気と空気(大気)とは直接接触せずに、伝熱面を介して熱交換を行う熱交換器である。すなわち、空冷塔14内に設置された熱交換器17は、蒸気発生器12からの蒸気と大気との間で熱交換を行う。当該熱交換器17の熱交換能力を向上させるために、伝熱管または伝熱プレートの伝熱面にはフィンを設置するなどして、伝熱面積を増加させることが可能である。
この実施形態では、空冷塔14内の熱交換器17において伝熱管や伝熱プレートによって形成されている冷却水通路は、例えば下流側に向かって下り勾配の傾斜として形成するなど、熱交換器17の出口側が入口側よりも下位の位置(下方)に設けられるように構成されている。蒸気発生器12から送られてきた蒸気は、熱交換器17内で壁面の伝熱面を通して空気に放熱する。熱交換器17が十分な熱交換能力を発揮する場合には蒸気発生器12から送られてきた蒸気は熱交換器17内で凝縮する。凝縮した冷却水あるいは冷却された蒸気は、熱交換器17を流れて重力によって空冷塔14の熱交換器17の出口よりも下位(下方)に位置している冷却水タンク16の入口部から冷却水タンク16内に流入するようになっている。
冷却水タンク16には、あらかじめ冷却水が満杯にされるなど十分な量が蓄えられている。冷却水タンク16と、蒸気発生器12とは、冷却水配管18によって接続されている。冷却水タンク16内の水は蒸気発生器12内で蒸発によって減少した冷却水を補うように冷却水配管18を通じて補給される。
この実施形態では、冷却水タンク16の設置位置は、冷却水タンク16の入口部が空冷塔14の熱交換器17より下位の位置にあるとともに、蒸気発生器12との関係では、冷却水配管18の入口となる冷却水タンク16の出口部が蒸気発生器12に接続されている冷却水取入口19よりも上位の位置(上方)に設置されている。したがって、蒸気発生器12への冷却水の補給は、ポンプなどを外部動力で駆動することなく、重力、すなわち冷却水タンク16内の冷却水の水頭圧による流れによって行われる。なお、冷却水タンク16の入口部は出口部よりも上方に位置している。
冷却水タンク16には、圧力が高くなった蒸気を外部に放出し機器の破損を防止する安全弁であるとともに、蒸気の放出により熱を大気中に放熱するための逃がし弁20がタンク上部に設置されている。この逃がし弁20は、空冷塔14内の冷却水配管18および冷却タンク16の耐圧強度よりも低い所定の圧力であって、原子炉停止初期の崩壊熱の高いときに開くように作動圧力が設定されている。
本実施形態による原子力発電プラントの冷却システムは、以上のように構成されるものであり、次に、その作用並びに効果について説明する。
本実施形態の冷却システムは、原子炉が非常停止した後に、外部電源の喪失などの不測事態が重なり、通常の炉心冷却システムが機能しなくなり、海水等のよる外部との熱交換が不可能となった場合に、燃料の崩壊熱の除熱を行う冷却システムである。
この冷却システムでは、以下のような蒸気および冷却水の自然循環によって、原子炉停止後の燃料崩壊熱を長期に亘って大気中に放熱することを基本としている。
燃料崩壊熱によって一次冷却材の温度が上昇し、蒸気発生器12内では冷却水が蒸発して蒸気となる。この冷却システムの場合、冷却水タンク16は、あらかじめ原子炉停止前から十分な量の冷却水で満たされており、蒸気発生器12で発生した蒸気は、冷却水タンク16には向かわずに、すべて空冷塔14に送られることになる。
空冷塔14では温度の低い空気が下側から空冷塔14内部に取り込まれ、熱交換器17における熱交換によって温度が高くなった空気が自然対流により上昇していく。空冷塔14の内部では、自然対流により下方から上方に流れる空気と、熱交換器17を流れる蒸気との間で壁面の伝熱面を通した熱交換が行われ、蒸気発生器12で発生した蒸気の熱が大気中に放熱される。熱交換器17内において、例えば傾斜した冷却水通路を流れることで、放熱により冷却され、あるいは凝縮した冷却水は、重力によって熱交換器17の出口部から空冷塔14より下位に位置している冷却水タンク16の入口部に流入する。
空冷塔14で熱が大気中に放出される間も、蒸気発生器12での蒸気の発生は続くので、蒸発により減少した蒸気発生器12内の冷却水の補給をする必要がある。本実施形態では、冷却タンク16は、蒸気発生器12の冷却水取入口19よりも上位の位置に設置されているので、冷却水タンク16内に貯留している冷却水の水頭圧を利用して、外部動力を使うことなく、冷却水配管18を通じて冷却水タンク16内の冷却水を蒸気発生器12に補給することができる。
このようにして、蒸気発生器12で発生した蒸気は、空冷塔14で大気中に熱を放出したあと、凝縮して冷却水タンク16に溜められ、さらに、冷却水が蒸気発生器12に補給されるというように、大気を最終ヒートシンクとして、外部動力や、外部からの冷却水の補給を必要としない冷却水循環システムを確立することができる。
ところで、原子炉停止初期にあっては、崩壊熱の熱量が非常に大きい。発生した崩壊熱をすべて空冷塔14から放熱可能にするには、空冷塔14を大型にして大気との伝熱面積を非常に大きなものにすることが考えられる。
これに対して、本実施形態の冷却システムでは、空冷塔14の放熱量が崩壊熱の熱量がよりも小さい場合でも、次のようにして、空冷塔14を大型化することなく原子炉停止初期段階の崩壊熱を放熱することが可能である。
原子炉停止初期において、崩壊熱の熱量よりも空冷塔14の放熱量が小さい場合には、蒸気発生器12で発生した蒸気は空冷塔14の熱交換器17において全てが凝縮するまでは冷却できず、少なくともその一部は蒸気のまま冷却水タンク16に流入する。この場合、蒸気発生器12、空冷塔14の熱交換器17、冷却水タンク16での蒸気温度が上昇していき、それにともない蒸気の圧力も上昇していく。蒸気圧力が耐圧強度を超える前に、蒸気を外部に放出する必要がある。
本実施形態の冷却システムでは、冷却水タンク16には逃がし弁20が設けられており、蒸気圧力が予め設定した設定圧力を超えると開いて、蒸気を外部に放出する。これにより、放出された蒸気の熱(エンタルピー)を外部に放熱することができる。また、逃し弁20は蒸気発生器12、空冷塔14の熱交換器17、冷却水タンク16等の機器を蒸気発生器12で発生した蒸気の圧力から守る安全弁として機能する。これによって各機器の破損を未然に防止できる。
なお、高温の蒸気を逃がし弁20から外部に放出する間も、蒸気発生器12で発生した蒸気は、すべてが空冷塔14を経由する。つまり、空冷塔14での大気中への放熱と、冷却水タンク16の逃がし弁20からの大気中への放熱が同時に並行して行われる。
しかも、崩壊熱の高い原子炉停止初期段階では、空冷塔14を流れる蒸気流量も大きく増加する。この蒸気流量の増加を利用して、空冷塔14の熱交換器17への十分な蒸気供給を行うことができる。これにより、熱交換器17の伝熱面の温度が上昇して、大気との温度差が大きくなることから、放熱量を増加させることができる。
原子炉停止初期段階での空冷塔14での放熱量を一層増加させるためには、蒸気流量が増加するほどよいので、空冷塔14の熱交換器17を耐圧構造として、伝熱管などの耐圧強度を高めておくことが好ましい。
また、空冷塔14内の熱交換器17などの伝熱管内には、外部から流入した空気、窒素などの不凝縮ガスが滞留し、この不凝縮ガスは伝熱効率を低下させる原因となる。崩壊熱の高い原子炉停止初期段階では、蒸気流量が増加しているので、滞留した不凝縮ガスを除去して、伝熱効率の低下を防止できるので、増加する蒸気流量に見合った放熱量を確保することができる。なお、不凝縮ガスは、蒸気よりも体積密度が高いため、冷却水タンク16の気相部にも滞留し易いが、この不凝縮ガスは、逃がし弁20から排出される。
以上のようにして、本実施形態の冷却システムでは、空冷塔14の放熱量が崩壊熱の熱量よりも小さい場合でも、逃し弁20を備えた冷却水タンク16を備える構成によって、空冷塔14を大型化することなく放熱量の増大を図り、冷却水タンク16の逃がし弁20からの放熱を並行することによって、原子炉停止初期段階の崩壊熱を放熱することが可能である。
冷却を続けていくと、崩壊熱は次第に低下していく。蒸気発生器12から空冷塔14に送られる蒸気量も次第に減少していき、冷却系の圧力も低下していく。やがて冷却水タンク16の逃がし弁20も閉じて、蒸気の放出も停止するので、以後、冷却水は減少することがない。
以後、冷却を続けると、燃料の崩壊熱がなくなるまで数年以上かかるのが通常である。その間も、蒸気発生器12で発生した蒸気は、空冷塔14で大気中に熱を放出したあと、凝縮して冷却水タンク16に溜められ、さらに、冷却水が蒸気発生器12に補給されるというように、大気を最終ヒートシンクとして、外部動力や、外部からの冷却水の補給を必要としない冷却システムが稼働を続け、崩壊熱の除熱が可能となる。
すなわち、冷却水タンク16の容量と冷却水タンク16内の冷却水量については、崩壊熱が小さくなり冷却系の圧力が低下して逃し弁20が閉じるまでに逃し弁16から大気中に放出される蒸気量に基づき、これらの蒸気が系外に出ていったとしても本実施形態の冷却水循環システムを継続して動作させることができる量の冷却水が冷却水タンク16内に残る量に決定すればよい。なお、原子炉停止後の燃料崩壊熱による蒸気の発生量と熱交換器17における熱交換量については、シミュレーションにより計算することが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による原子力発電プラントの冷却システムについて、図2を参照して説明する。
第1実施形態は、炉心を収容する原子炉圧力容器10の外部に蒸気発生器12を設置した原子力発電プラントに適用した冷却システムであるが、この第2実施形態では、蒸気発生器を圧力容器の内部に設置した蒸気発生器一体型原子炉30を備えた原子力発電プラントに本発明の冷却システムを適用した実施の形態である。図2では、図1と同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
蒸気発生器一体型原子炉30は、例えば小型の原子炉などで多く見られる形式の原子炉である。この第2実施形態においても、空冷塔14の熱交換器17の入口は、蒸気発生器一体型原子炉30の内部にある蒸気発生器32よりも高い位置に設置されている。また、冷却水タンク16の設置位置は、空冷塔14の熱交換器17の出口より下位の位置にあるとともに、蒸気発生器32との関係では、冷却水配管18の入口(冷却水タンク16の出口)が蒸気発生機10に接続されている冷却水取入口19よりも上位の位置に設置されている。したがって、蒸気発生器32の伝熱管への冷却水の注水は、ポンプなどを外部動力で駆動することなく、重力、すなわち水頭圧による流れによって行われる。そして、蒸気発生器32で発生した蒸気は、空冷塔14の熱交換器17で大気中に熱を放出したあと、凝縮して冷却水タンク16に溜められ、さらに、冷却水が蒸気発生器32に補給されるというように、大気を最終ヒートシンクとして、外部動力や、外部からの冷却水の補給を必要としない冷却システムになっている点は第1実施形態と同様である。
また、冷却水タンク16には逃がし弁20が設けられており、原子炉停止初期段階では、蒸気を外部に放出する安全弁として機能するとともに、空冷塔14での放熱量の増大と、冷却水タンク16の逃がし弁20からの放熱を並行させることによって、原子炉停止初期段階の崩壊熱を放熱可能になっている点も第1実施形態と同様である。
以上のような第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得られるほか、次のような効果が得られる。
蒸気発生器一体型原子炉30は、その圧力容器が小型でコンパクトな構成となる上に、崩壊熱の熱量も小さくなる。これに対応して、空冷塔14の放熱量も少なくても済むので、空冷塔14も小型にコンパクトに構成でき、原子炉建屋における設置場所の制約を緩和してシステム構成の自由度を向上させることができる。
さらに、蒸気発生器一体型原子炉30のような小型炉の場合、圧力容器を包含する格納容器の設置面積程度に、空冷塔14の設置面積を抑えることができる。このため、高い耐震性の要求される原子炉建屋にあっては、建築コストを抑えながら原子炉建屋上部への空冷塔14の設置が容易となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による原子力発電プラントの冷却システムについて、図3を参照して説明する。なお、図3において図1と同一の参照番号は、同一の構成要素を示しており、その詳細な説明は省略する。
この第3実施形態は、第1実施形態の図1の冷却システムに、蒸気駆動の送風機36を付加し、空冷塔14での空気流量を増加させるようにしている。原子炉停止初期段階では、冷却水タンク16の逃がし弁20から蒸気を放出するため、この蒸気によって送風機36を駆動する動力が得られる。
以上のような第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得られるほか、原子炉停止初期段階に冷却水タンク16から放出される蒸気を利用して送風機36を動作させ、空冷塔14で対流する空気量を一層増加させることができる。空冷塔14では、伝熱管などの伝熱面と空気との熱伝達率が本来的に小さいが、空気対流量の増加によって、熱伝達率を上昇させ、さらに空冷塔14内での空気温度の上昇を低減させることで、空冷塔14での除熱量を増加させることが可能になる。とりわけ、空冷塔14での除熱量が崩壊熱の熱量を下回る原子炉停止初期の段階では、空気循環量の増加による空冷塔14の除熱能力向上は効果的である。
なお、図3は、図1の冷却システムに蒸気駆動の送風機36を付加した例であるが、同様に、図2に示した第2実施形態の蒸気発生器一体型原子炉の冷却システムにも適用可能である。
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態による原子力発電プラントの冷却システムを示す図である。なお、図4において図1と同一の参照番号は、同一の構成要素を示しており、その詳細な説明は省略する。
この第4実施形態は、第3実施形態の図3に示した蒸気駆動の送風機36に替えて、蒸気タービン38によって発電機40で発電を行い、その電力で電動ファン42を回すことで、空冷塔14での空気流量を増加させるようにした実施の形態である。冷却水タンク16に設けられている逃がし弁43は、単に開閉するだけでなく蒸気タービン38に送る蒸気流量の調整弁としての機能を持たせることが好ましい。これにより、発電機40での発電量を調整することが可能である。
以上のような第4実施形態によれば、原子炉停止初期段階に冷却水タンク16から放出される蒸気を利用して蒸気タービン38を回して発電した電力で電動ファン42を動作させ、空冷塔14での空気循環量を増加させることができる。空冷塔14では、伝熱管などの伝熱面と空気との熱伝達率が本来的に小さいが、空気循環量の増加によって、熱伝達率を上昇させ、さらに空冷塔14内での空気温度の上昇を低減させることで、空冷塔14での除熱量を増加させることが可能になる。
発電機40により発電した電力は、電動ファン42の駆動に利用するだけでなく、例えば、圧力容器10の状態監視用センサー等の原子炉の状況をモニターする機器の電源としても利用することが可能である。
なお、図4は、図1の冷却システムに発電機40で発電した電力で駆動する電動ファン42を付加した例であるが、同様に、図2に示した第2実施形態の蒸気発生器一体型原子炉の冷却システムにも適用可能である。
以上、本発明に係る原子力発電プラントの冷却システムについて、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
10…原子炉圧力容器、11…一次冷却配管、12…蒸気発生器、14…空冷塔、16…冷却水タンク、17…熱交換器、18…冷却水配管、20…逃がし弁、30…蒸気発生器一体型原子炉、36…送風機、38…蒸気タービン、40…発電機、42…電動ファン、43…逃がし弁

Claims (5)

  1. 原子炉の炉心に装荷された燃料の崩壊熱を除熱するための原子力発電プラントの冷却システムであって、
    前記炉心で発生した熱によって蒸気を発生させる蒸気発生器と、
    前記蒸気発生器よりも上方に設置され、前記蒸気発生器からの蒸気と大気との間で熱交換を行う熱交換器と、
    前記熱交換器の出口よりも下方で当該熱交換器の出口側に接続される入口部と前記蒸気発生器の注水口よりも上方で当該注水口側に接続される出口部と予め設定された圧力以上の圧力で内部の蒸気を大気中に放出する逃がし弁を有する冷却水タンクと、からなることを特徴とする原子力発電プラントの冷却システム。
  2. 前記蒸気発生器は、前記炉心を収納する圧力容器の内部に収容されることを特徴とする請求項1に記載の原子力発電プラントの冷却システム。
  3. 前記逃がし弁から放出される蒸気によって駆動され、前記熱交換器へ供給される前記大気の流量を増加させる送風機を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の原子力発電プラントの冷却システム。
  4. 原子炉の炉心に装荷された燃料の崩壊熱を除熱するための原子力発電プラントの冷却方法であって、
    前記炉心で発生した熱によって蒸気を発生させる蒸気発生器から送られる蒸気を、前記蒸気発生器より上方に設けた熱交換器にて大気との間で熱交換させ、
    前記熱交換器において熱交換して冷却された蒸気および凝縮水の少なくともいずれかを前記熱交換器よりも下方の冷却水タンクに導き、水頭圧により前記蒸気発生器に還流させ、
    前記冷却水タンク内の圧力が予め設定された圧力以上の圧力となった場合に前記冷却タンク内の蒸気を前記大気中に放出させることを特徴とする原子力発電プラントの冷却方法。
  5. 前記冷却水タンクから放出される蒸気を利用し、前記熱交換器に供給される前記大気の流量を増加させることを特徴とする請求項4に記載の原子力発電プラントの冷却方法。
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KR102349942B1 (ko) * 2020-09-24 2022-01-12 한국원자력연구원 선박의 피동냉각 설비
KR102369705B1 (ko) * 2020-09-24 2022-03-03 한국원자력연구원 선박의 피동냉각 설비 및 피동냉각 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102349942B1 (ko) * 2020-09-24 2022-01-12 한국원자력연구원 선박의 피동냉각 설비
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