JP2014113623A - ロットマーク付与構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロットマークとして製造の月日を表示するため、表面10aに月番号18が刻印されるとともに窓孔14を有する第1マーク盤10を1〜12月に対応して12種準備する。第1マーク盤10に重ねたときに窓孔14に対応する径方向位置において複数の日番号25を表面20aの周方向に一定間隔で刻印された第2マーク盤20を8日分単位で4種準備する。該当日に基づき選択した第1マーク盤10の窓孔14に第2マーク盤20の日番号25を臨ませるとともに、互いの対向面に設けた凹溝19とビード23を嵌め合わせて両マーク盤10、20を重ねて、各中心孔11、21を貫通する止めビスで金型に固定する。これによりダイカスト製品の壁部と窓孔14に対応して突出する島の上面にそれぞれ浮き出し文字で月と日が表示される。
【選択図】図3
Description
このようなロットマークを形成するロットマーク付与構造として、従来、例えば図6の(a)に示すようなロットマークピンを用いている。
すなわち、ロットマークピン50は表面に製造日を刻印した円板状のヘッド51とその裏面中心から板面に対して垂直に延びるネジ部53とからなる。そして、ダイカスト用金型の例えば下型3’における上型2と対向する壁面4にネジ孔8を形成し、ヘッド51の裏面が壁面4に当接するまで上述のロットマークピン50のネジ部53をねじ込んで固定する。
なお、ヘッド51の表面にはネジ部53をネジ孔8にねじ込む際にマイナスドライバを係合させるための直線溝52が形成されている。
同様のロットマーク付与構造が例えば特開2004−74234号公報にも開示されている。
そこで、月番号を刻印したロットマークピンと日番号を刻印したロットマークピンの2つを用いて、ダイカスト製品の壁部の互いに近接する2箇所にそれぞれ表示させるようにすれば、月番号を刻印したロットマークピンは同月中繰り返し使用でき、日番号を刻印したロットマークピンは各月の該当日に繰り返し使用できるから、ロットマークピンの設定数を比較的に少なくすることができる。
したがって本発明は、準備すべき部品点数がさらに低減されたロットマーク付与構造を提供することを目的とする。
図1は実施の形態の構成を示す部分断面図である。
金型1は互いに対向してアルミウムあるいはマグネシウムの溶湯が注入される空間を形成する上型2と下型3からなる、
本実施の形態では、製造の月と日を表示するためにそれぞれ外形が円形の第1マーク盤10と第2マーク盤20を上下に重ねて、止めビス30により金型1の下型3に固定して用いる。
第1マーク盤10および第2マーク盤20はいずれも2〜3mm厚で、金型1と同様の熱間工具鋼製であり、止めビス30も熱間工具鋼が好ましい。
下型3には、重ねた第1マーク盤10と第2マーク盤20を収容する凹部5が上型2と対向する壁面4に開口して形成され、凹部5の底面7の中心には止めビス30をねじ込むネジ孔8が開口している。
凹部5の内壁6は開口部側が開口縁を拡径させた円錐面となっており、底面7側は円筒面となっている。
先ず(b)に示すように、第1マーク盤10は、止めビス30を貫通させる中心孔11と、中心孔11の外方に1個の窓孔14を有している。
中心孔11は第1マーク盤10の裏面10bにおける開口を最小径として、内壁12が上方に拡径する円錐面(皿もみ形状)をなしている。中心孔11の最小径は止めビス30のネジ径よりも所定量だけ大きい。
窓孔14の内壁15は上方に拡径する円錐面として、抜き勾配を付与してある。抜き勾配としては5°程度が好ましい。後述する他の箇所の抜き勾配も同様である。
第1マーク盤10の表面10aの外径は裏面10bの外径よりも大きく、外周面17は下型3における凹部5の開口部の内壁6と整合する円錐面をなしている。
第1マーク盤10の裏面10bには、破線で示すように、8本の凹溝19が等角度間隔で中心孔11の孔縁から放射状に外周縁近傍まで形成され、窓孔14は隣接する2つの凹溝19の間の周方向中央に位置している。
第1マーク盤10は月番号18が「1」〜「12」の12種が基本セットとして準備される。
第2マーク盤20の外周面22は下型3における凹部5の内壁6の底面7側と整合する円筒面をなしている。
下型3の壁面4から凹部5の底面7までの深さH(図2参照)は第1マーク盤10と第2マーク盤20の板厚の合計に等しくなるように設定してある。
とくに図示しないが、各ビード23の間に「9」〜「16」、「17」〜「24」、「25」〜「31」の日番号25が同様に刻印されたものが設定され、第2マーク盤20は合計4種が基本セットとして準備される。
なお、前述の第1マーク盤10に刻印される月番号18の文字の向きは、図3の(a)に示すように、窓孔14の中心を通る第1マーク盤10の直径線Lと平行で、中心孔11より窓孔14側が上となるように設定するのが、日番号15の向きと同じになる点で好ましい。
また、第1マーク盤10と第2マーク盤20の合計枚数は基本セットで16枚となるが、予備の作製は任意である。
止めビス30はいわゆる皿小ネジで、(b)に示すように、ヘッド31の外周面33が第1マーク盤10の中心孔11の内壁12と整合する円錐面をなしており、本実施の形態では、さらにヘッド31に続いて第2マーク盤20の中心孔21に対応する太軸部34を有しており、太軸部34より下方がわずかに細いネジ部35となっている。
止めビス30のヘッド31の上面32から太軸部34の下端までの長さSは第1マーク盤10と第2マーク盤20の板厚合計よりもわずかに小さいか同一になるように設定してある。また、ヘッド31の外周面33が第1マーク盤10の中心孔11の内壁12に着座したとき、ヘッド31の上面32は第1マーク盤10の表面10aと面一となる。
(a)にも示すように、ヘッド31の上面32中央にはレンチ係合用の六角穴36を設けてある。六角穴36の内壁37は抜き勾配を付与して上方に拡開するようにわずかに傾斜している。
第1マーク盤10の表面10aには刻印された月番号18が存し、窓孔14には同じく刻印された日番号25が表われている。
これにより、上型2と下型3の間にアルミウムあるいはマグネシウムの溶湯を充填して製造されたダイカスト製品40の壁部には、図5に示すように、浮き出し文字で製造月Mmが表示され、その近傍には窓孔14に対応する島43が突出するとともに、その島43の上面に浮き出し文字で製造の日Mdが表示されたロットマーク表示部42が現出するので、製造月日の確認が容易である。なお、図における符号44は止めビス30の六角穴36に対応して形成された突起である。
同様に、第1マーク盤10の外周面17と凹部5の内壁6も密接しているので、その間におけるバリの発生も防止される。なお、第1マーク盤10の表面10a側の外周縁に面取りを施せば、図5に仮想線で示すような当該面取り部分に対応した円形ビード45が形成されて月Mm、日Mdの浮き出し文字を囲むので、ロットマーク表示部42の認識が容易となる。
また、第1マーク盤10と第2マーク盤20を重ねて止めビス30で一箇所に固定するので、月番号を刻印したロットマークピンと日番号を刻印したロットマークピンを2箇所に固定するものと比較して、レイアウト性が良く、ロットマーク表示部の位置設定が容易である。
(請求項1、請求項8に対応する効果)
第1マーク盤10の裏面10bに凹溝19を設け、第2マーク盤20の表面20aにビード23を設けて、これらを嵌め合わせることにより、第1マーク盤10と第2マーク盤20の位置ズレを防止するようにしたが、ビードを第1マーク盤10に設け、凹溝を第2マーク盤20に設けてもよい。
日番号は連番でグループ分けしたが、連番でなくてもよい。
また、第1マーク盤10および第2マーク盤20の外形は前述のように円形とするのが外周面を円錐形にして凹部5の内壁に容易に密接可能である点で有利であるが、これに限定されず、必要に応じて例えば日番号のグループ分けの単位日数に対応する多角形など任意に設定することができ、この場合、金型に形成する凹部の開口形状も同形状に対応させればよい。
例えば、第1マーク盤10および凹部5の公称径が20−30mmとして、第1マーク盤10の外周面17の径の公差0−+0.018mm、凹部5の内壁6の径の公差を0――0.017mm、ネジ孔8の芯ズレ0.05+−0.01mmとすることにより、1の径方向において最小でも0.005mm分が圧縮される。ここでの公称径は第1マーク盤10の表面10aおよび壁面4から各同一所定距離の値である。
ネジ孔8の芯ズレにより第1マーク盤10の外周と凹部5間の周方向一部に隙間が生じて溶湯が流れ込むが、当該隙間は円錐面に沿って傾斜したものであるので、ダイカスト製品を離型する際に抜けず、結果としてダイカスト製品にはバリは生じない。
同じくダイカスト製品の壁厚が十分に大きい場合には、第1マーク盤10および第2マーク盤20を金型に固定する止めビス30のヘッド31も、外周面33の円錐面を排して第1マーク盤10の表面10aから突出させてよい。
なお、第1マーク盤10、第2マーク盤20あるいは止めビス30のヘッド31などを下型3など金型の壁面から突出させる場合には、それぞれの外周面に抜き勾配を付与する。
また、ロットマークとして月Mmおよび日Mdを数字(月番号・日番号)で表示する例を示したが、これに限定されず、工場、型式、材料その他の種々の情報を組み合わせで表示することができる。ロットマークは数字のほかアルファベットその他の文字で表わしてもよく、また絵でもよい。
また、止めビス30のねじ込み作業のため、ヘッド31には六角穴36を設けたが、従来と同様にドライバを係合させる直線溝あるいは十字溝としてもよい。直線溝の場合には抜き勾配を付与するのが好ましい。
2 上型
3 下型
4 壁面
5 凹部
6 内壁
7 底面
8 ネジ孔
10 第1マーク盤
10a 表面
10b 裏面
11 中心孔
12 内壁
14 窓孔
15 内壁
17 外周面
18 月番号
19 凹溝
20 第2マーク盤
20a 表面
20b 裏面
21 中心孔
22 外周面
23 ビード
25 日番号
30 止めビス
31 ヘッド
32 上面
33 外周面
34 太軸部
35 ネジ部
36 六角穴
37 内壁
40 ダイカスト製品
42 ロットマーク表示部
43 島
44 突起
45 円形ビード
Md 日
Mm 月
Claims (8)
- 鋳造品の所定部位にロットマークを表示するためのロットマーク付与構造であって、
互いに重ねられた第1マーク盤と第2マーク盤がそれぞれの中心孔を貫通する止めビスで金型に固定され、
前記第1マーク盤は、第1マーク形を表面に備えるとともに窓孔を有し、
前記第2マーク盤は、前記窓孔に対応する径方向位置において複数の第2マーク形を表面の周方向に所定間隔で備えて、前記第1マーク盤の裏面に重ねられ、
前記窓孔に前記複数の第2マーク形のなかから選択された第2マーク形を臨ませていることを特徴とするロットマーク付与構造。 - 少なくとも前記第2マーク形が刻印で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロットマーク付与構造。
- 前記第1マーク盤と前記第2マーク盤の対向面の一方には周方向に前記所定間隔で径方向に延びるビードが設けられるとともに、前記対向面の他方には前記ビードを受容する凹溝が設けられ、
前記窓孔および前記第2マーク形はそれぞれ隣接する前記ビードまたは前記凹溝の間に配置してあることを特徴とする請求項2に記載のロットマーク付与構造。 - 前記金型には重ねられた前記第1マーク盤および前記第2マーク盤を収容する凹部が形成され、その底面に前記止めビスをねじ込むネジ孔が開口し、
前記凹部の深さは前記第1マーク盤の表面が前記凹部が開口する壁面と面一になるように設定してあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のロットマーク付与構造。 - 前記第1マーク盤の外周面が前記凹部の開口部の内壁と整合する円錐面であることを特徴とする請求項4に記載のロットマーク付与構造。
- 前記ネジ孔が前記凹部の中心から所定量ずれて開口し、
当該ネジ孔にねじ込まれた前記止めビスと前記第1マーク盤の間に径方向の圧縮力を生じさせていることを特徴とする請求項4または5に記載のロットマーク付与構造。 - 前記第1マーク盤の中心孔を皿もみ形状とし、
前記止めビスは、ヘッドの外周面が第1マーク盤の前記中心孔の内壁と整合する円錐面をなし、ヘッドの上面が第1マーク盤の表面と面一となることを特徴とする請求項1から6のいずれか1に記載のロットマーク付与構造。 - 前記ロットマークが月日を示すものであり、
前記第1マーク形が月番号および前記第2マーク形が日番号であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1に記載のロットマーク付与構造。
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