JP2014113515A - シリコン破砕片の分級装置および分級されたシリコン破砕片の製造方法 - Google Patents

シリコン破砕片の分級装置および分級されたシリコン破砕片の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細片の発生を防ぎつつ、シリコン破砕片の分級を円滑に行う。
【解決手段】内周面が中心軸を中心として回転される回転ドラムと、前記回転ドラムの内周面から内方に向かって突出するように設けられ、前記回転ドラムと一体に回転する掬い上げ部材と、前記回転ドラムの内部に固定配置され、前記中心軸に沿って延び、上方が開放された移送手段とを備え、前記回転ドラムが回転されることにより、前記掬い上げ部材が前記移送手段の周囲を回転し、前記回転ドラムの前記内周面上に供給されたシリコン破砕片を掬い上げ、前記移送手段上に移動させるシリコン破砕片の分級装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体用シリコンの原料として用いられる塊状の多結晶シリコンの破砕片を分級するための分級装置および分級されたシリコン破砕片の製造方法に関する。
半導体用単結晶シリコンを製造する際の原料として用いられる多結晶シリコンは、例えば、シーメンス法などの析出方法により概略円柱状のインゴットに形成された後、切断や破砕等の加工によって塊状のチャンクと呼ばれる破砕片に形成される。その後、この破砕片は、表面に付着した粉塵などの汚染物質を洗浄によって取り除いた後、その大きさごとに分級される。
多結晶シリコンの破砕片を分級する場合、例えば、特許文献1に記載されている篩別装置が用いられる。同文献1における篩別装置は、モーターを介して振動により篩分けする振動篩別機である。
一方、特許文献2には回転シリンダーを有する分級機が開示されている。この分級機は、回転シリンダーの外周面に設けられた凹部に入らないサイズのシリコン片を排除することにより、シリコン片を複数のサイズに篩分けするようになっている。
特表2009−532319号公報 特開2004−91321号公報
しかしながら、多結晶シリコンは脆性材料であるため、この多結晶シリコンの破砕片を分級する際に、特許文献1のような振動で分級する篩別装置にかけると、その振動によって破砕片がより細かく砕かれて微細片が発生し易くなる。微細片が発生すると、この微細片が篩別装置の篩の目に入り込んで目詰まりが生じ、分級が適切に行われなくなったり、粉塵が発生するなど、選別動作に悪影響を与えたりすることがある。
特許文献2の分級器では、回転シリンダーを回転動作させる際に振動が生じて微細片が発生し、しかも、この回転シリンダーの回転時には破砕片どうしが擦れ合うため微細片がさらに発生しやすくなる。また、シリコン片が回転シリンダーの外周面から落下する際に、より細かく砕かれてしまうおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、微細片の発生を防ぎつつ破砕片の分級を円滑に行うことができるシリコン破砕片の分級装置および分級されたシリコン破砕片の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、内周面が中心軸を中心として回転される回転ドラムと、前記回転ドラムの前記内周面から内方に向かって突出するように設けられ、前記回転ドラムと一体に回転する掬い上げ部材と、前記回転ドラムの内部に固定配置され、前記中心軸に沿って延び、上方が開放された移送手段とを備え、前記回転ドラムが回転されることにより、前記掬い上げ部材が前記移送手段の周囲を回転し、前記回転ドラムの前記内周面上に供給されたシリコン破砕片を掬い上げて前記移送手段上に移動させるシリコン破砕片の分級装置である。
この分級装置によれば、回転ドラムの内周面上に供給されたシリコン破砕片は、中心軸まわりに回転する掬い上げ部材によって掬い上げられる。この掬い上げ部材が移送手段の上方まで回動すると、シリコン破砕片は掬い上げ部材から移送手段上に転がり落ち、移送手段によって回収される。
一方、掬い上げ部材によって掬い上げられないシリコン破砕片は、回転ドラムの内周面上を転がり続ける。したがって、掬い上げ部材の形状や大きさを適宜設定することにより、任意の大きさのシリコン破砕片を移送手段で回収し、それ以外の大きさのシリコン破砕片を回転ドラムから回収することができ、シリコン破砕片を分級することができる。また、この分級装置では、シリコン破砕片は回転ドラムの中で分級されるので、回転ドラムの内径よりも大きな落差で落下することがなく、分級によるさらなる破砕や微細片の発生を防止することができる。
この分級装置において、前記回転ドラムは、前記中心軸および前記内周面を水平面に対して傾斜可能に設けられていてもよい。この場合、傾斜した回転ドラムの内周面上に供給されたシリコン破砕片のうち、掬い上げ部材によって掬い上げられて移送手段の上方に回動したシリコン破砕片は移送手段によって回収される。
一方、掬い上げ部材によって掬い上げられないシリコン破砕片は、中心軸が水平面に対して傾斜状態で回転することにより、回転ドラムの内周面上を転がったり滑ったりしながら下方へ移動し、回転ドラム内から回収される。
この分級装置において、前記掬い上げ部材の前記中心軸方向に沿う途中位置に、前記移送手段から前記回転ドラムの前記内周面近傍まで延びる移動阻止部材が設けられていることが好ましい。この場合、移動阻止部材の形状や配置を適宜設定することにより、大きすぎるシリコン破砕片が移送手段内に移動されるのを防止することができる。
すなわち、掬い上げ部材の形状や大きさの設定だけでは、中心軸に沿って細長いシリコン破砕片を掬い上げ部材が移送手段内へと移動させてしまう場合がある。これに対して、掬い上げ部材の中心軸方向に沿う途中位置に移動阻止部材が設けられていることにより、中心軸に沿って細長いシリコン破砕片が掬い上げ部材から押し出され、移送手段内へ移動されるのを防止できる。
また、前記掬い上げ部材は、表面を前記回転ドラム周方向に向けるように配置された板状部材であってもよい。この場合、内周面からの突出長さを適宜設定することにより、移送手段に移動させるシリコン破砕片の大きさを調整することができる。
また、前記移動阻止部材は、表面が前記回転ドラムの前記中心軸に交差するように配置された板状部材であってもよい。この場合、移動阻止部材の位置を適宜設定することにより、掬い上げ部材に移動されるシリコン破砕片の最大長さを限定することができる。
さらに、この分級装置において、前記回転ドラムは、メッシュ状材料で形成されていてもよい。この場合、小さすぎるシリコン破砕片を、メッシュを通過させることにより分級できる。
また、本発明は、前記シリコン破砕片の分級装置を用いて分級されたシリコン破砕片を得るシリコン破砕片の製造方法である。
本発明によれば、微細片の発生を防ぎつつ破砕片の分級を円滑に行うことができる。
本発明のシリコン破砕片の分級装置を示す模式図である。 本発明のシリコン破砕片の分級装置を示す横断面図である。 本発明のシリコン破砕片の分級装置を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るシリコン破砕片の分級装置10について説明する。図1に示すように、この分級装置10は、回転ドラム20内に投入したシリコン破砕片Bを、所望の大きさのシリコン破砕片B1と大きすぎるシリコン破砕片B2とに分けて取り出すことができる装置である。
図2は図3のII−II線に沿う断面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。分級装置10は、図2および図3に示すように、水平面に対して傾斜するように設けられた内周面21を有し、この内周面が中心軸Aを中心として回転される回転ドラム20と、回転ドラム20の内周面21から内方に向かって突出するように設けられ、回転ドラム20と一体に回転する掬い上げ部材30と、回転ドラム20の内部に固定配置され、中心軸Aに沿って延びるようにかつ水平面に対して傾斜するように設けられ、上方が開放された樋状の移送手段40とを備え、さらに、掬い上げ部材30の中心軸A方向に沿う途中位置に、移送手段40から回転ドラム20の内周面21近傍まで延びる移動阻止部材50が設けられている。
内周面21の傾斜上方側における回転ドラム20の内底部近傍には、図1に示すように、シリコン破砕片Bを供給するための供給手段12が接続されている。この供給手段12を通じて、回転ドラム20の内周面21上にシリコン破砕片Bが供給される。回転ドラム20の周壁は、図1に示すように多数の貫通孔22が形成されているメッシュ状材料で形成されていてもよい。この場合、微粉や小さすぎるシリコン破砕片B3を、回転ドラム20の貫通孔22を通じてふるい落とし、微粉やシリコン破砕片B3をシリコン破砕片B1から排除することができる。なお、回転ドラム20の周壁には貫通孔22が形成されていなくてもよいが、その場合、小さい破砕片や微粉末はシリコン破砕片B1とともに回収される。
回転ドラム20は、中心軸Aを中心として、図示しない駆動機構によって回転される。この回転ドラム20の内周面21に一体に設けられた掬い上げ部材30は、図2に示すように、表面を回転ドラム20の周方向に向けるように配置された板状部材であり、シリコン破砕片Bを掬いやすいように回転方向前方にやや傾いている。また図3に示すように、掬い上げ部材30は、移動阻止部材50との接触を避けるために形成された切り込み31を除き、回転ドラム20の軸線方向のほぼ全長にわたって設けられている。
なお、回転ドラム20の内周面21の斜度は、供給されたシリコン破砕片Bがそのまま下方へ滑落しない程度に小さく、かつ回転ドラム20の回転により転動しながらシリコン破砕片Bが下方へ転動する程度に大きく設定しておく。本実施形態では、円筒状の回転ドラム20の中心軸Aを水平面に対して傾斜させることにより内周面を傾斜させたが、例えば円錐状の内周面を有する回転ドラムを用いて、中心軸が水平となるように配置するなどの構造を採用することも可能である。
また、掬い上げ部材30は所定の大きさよりも大きいシリコン破砕片Bを掬い上げられればよく、例えば適宜の間隔を空けて中心軸A方向に配列された複数の棒状部材が内周面21から突出するような形状であってもよい。この場合は、移動阻止部材50が接触しないように各棒状部材を配置すればよいので、切り込み31を設ける必要はない。
移動阻止部材50は、図2および図3に示すように、表面が回転ドラム20の中心軸A方向に交差するように配置された板状部材であり、回転ドラム20および掬い上げ部材30に対して接触しないように、複数の支持部41を介して移送手段40に取り付けられている。本実施形態の移動阻止部材50は、中心軸A方向に交差するように配置された板状部材であり、掬い上げ部材30の切り込み31に挿入状態で、回転ドラム20の内周面21近傍から掬い上げ部材30の内周端近傍まで、回転方向前方に向かって徐々に幅広となりながら、回転ドラム20の内底部から移送手段40の上方まで設けられている。
この移動阻止部材50により、大きなシリコン破砕片B2は回転ドラム20の回転に伴い内周面21から離され、移送手段40の上方に到達する前に掬い上げ部材30上から脱落し、内周面21上に転落する。このように掬い上げ部材30上から除外される大きなシリコン破砕片B2は、回転ドラム20の傾斜によって内周面21上を徐々に下方に移動し、回収手段13を通じて回収される。
移動阻止部材50は、シリコン破砕片Bのうち、大きなシリコン破砕片B2を掬い上げ部材30上から除外する一方で、掬い上げ部材30上から除外したシリコン破砕片B2が内周面21上を下方へ移動するのを妨げないように設けられる必要がある。また、掬い上げ部材30が回転方向前方に若干倒れているため、回転ドラム20の回転に伴ってこの掬い上げ部材30と移動阻止部材50との間にシリコン破砕片Bが挟まってしまわないように、掬い上げ部材30と移動阻止部材50との間の角度ができるだけ緩やかであることが好ましい。このため、本実施形態における板状の移動阻止部材50は、回転ドラム20の内底部では内周面21からの高さが小さく、回転方向前方に向かって徐々に大きくなるように形成されている。
回転ドラム20の内部に配置された移送手段40は、回転ドラム20とは接続されておらず、図2に示すように回転ドラム20の内側上部に、中心軸Aに沿って延びるように固定されている。移送手段40は、掬い上げ部材30が回転してシリコン破砕片Bを落下させる位置に対応して上方に向けて開口する断面略円弧状の部材であり、内周面21の傾斜上部側から略全長にわたって設けられ、傾斜下部側は回転ドラム20から突出して回収手段14に接続されている。
したがって、この移送手段40内に移動されたシリコン破砕片B1は、傾斜に従って徐々に下方に移動し、回収手段14を通じて回収される。このため、移送手段40の斜度は、移動されたシリコン破砕片B1が順次円滑に下方に滑動する程度に設定することが好ましく、回転ドラム20の内周面21の斜度と同じである必要はない。
このように構成された分級装置10において、供給手段12を通じて回転ドラム20の内周面21上に供給されたシリコン破砕片Bは、回転ドラム20の回転に伴い掬い上げ部材30に掬い上げられ、移動される。掬い上げ部材30の内周面21からの突出量に応じて、搬送されるシリコン破砕片Bの大きさは限定されるが、中心軸A方向に細長い形状の破砕片は掬い上げ部材30上に乗って回転移動されてしまう場合がある。
しかしながら、この分級装置10では、掬い上げ部材30と回転ドラム20の内周面21とによって形成されるスペース11に、回転に伴い徐々に移動阻止部材50が内周面21から回転ドラム20の中心に向けて突出する。このため、中心軸A方向に長いシリコン破砕片B2がこのスペース11に保持されている場合には、移動阻止部材50によって掬い上げ部材30上から押し出されて、移送手段40近傍に到達する前に内周面21上に落下する。
このように、回転ドラム20内に供給されたシリコン破砕片Bは、回転ドラム20の回転に伴い、大きさに応じて移送手段40内に移動されるものと内周面21に留まるものとに分けられ、各傾斜に従い下方へ移動し、回収手段13,14によって分級回収される。
以上説明したように、この分級装置10によれば、シリコン破砕片Bを回転ドラム20の内部で転動させるので、落下時の衝撃が小さく、微細片の発生を防ぎつつ破砕片の分級を円滑に行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。前記実施形態では水平面に対して傾斜した樋状の部材を移送手段として用いたが、たとえば、移送手段は略水平に延びるベルトコンベア等であってもよい。
また、回転ドラムには、傾斜角度の変更が可能な構造が備えられていてもよい。たとえば、回転ドラムを水平状態で一定時間回転させた後、回転ドラムを傾斜させてさらに回転させ、前記実施形態と同様にシリコン破砕片を分級し、回収することができる。このような分級装置を用いた場合、シリコン破砕片の分級および回収はバッチ処理となる。
10 分級装置
11 スペース
12 供給手段
13,14 回収手段
20 回転ドラム
21 内周面
22 貫通孔
30 掬い上げ部材
31 切り込み
40 移送手段
41 支持部
50 移動阻止部材
A 中心軸
B,B1,B2,B3 シリコン破砕片

Claims (7)

  1. 内周面が中心軸を中心として回転される回転ドラムと、
    前記回転ドラムの前記内周面から内方に向かって突出するように設けられ、前記回転ドラムと一体に回転する掬い上げ部材と、
    前記回転ドラムの内部に固定配置され、前記中心軸方向に沿って延び、上方が開放された移送手段と
    を備え、前記回転ドラムが回転されることにより、前記掬い上げ部材が前記移送手段の周囲を回転し、前記回転ドラムの前記内周面上に供給されたシリコン破砕片を掬い上げて前記移送手段上に移動させることを特徴とするシリコン破砕片の分級装置。
  2. 前記回転ドラムは、前記中心軸および前記内周面を水平面に対して傾斜可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシリコン破砕片の分級装置。
  3. 前記掬い上げ部材の前記中心軸方向に沿う途中位置に、前記移送手段から前記回転ドラムの前記内周面近傍まで延びる移動阻止部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシリコン破砕片の分級装置。
  4. 前記掬い上げ部材は、表面を前記回転ドラムの周方向に向けるように配置された板状部材であることを特徴とする請求項2または3に記載のシリコン破砕片の分級装置。
  5. 前記移動阻止部材は、表面が前記回転ドラムの前記中心軸方向に交差するように配置された板状部材であることを特徴とする請求項3に記載のシリコン破砕片の分級装置。
  6. 前記回転ドラムは、メッシュ状材料で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシリコン破砕片の分級装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のシリコン破砕片の分級装置を用いて分級されたシリコン破砕片を得ることを特徴とするシリコン破砕片の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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