JP2014112840A - 無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端末装置または基地局装置において処理の軽減、消費電力の削減を図るようにした無線通信方法を提供する。
【解決手段】1または複数のセルまたはセクタを夫々有する第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、第1及び第2の基地局装置は、セルまたはセクタ毎に夫々異なる第1及び第2の送信データを端末装置に夫々送信するとき、所定位相差の第1及び第2のスクランブリングコードを用いて夫々第1及び第2の送信データをスクランブリング処理する処理部と、スクランブリング処理された第1及び第2の送信データを端末装置に夫々送信する送信部とを夫々備え、端末装置は、第1及び第2の送信データを受信し、第1及び第2のスクランブリングコードを用いて夫々第1及び第2の送信データをデスクランブリング処理する受信部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける無線通信方法に関する。
LTE‐A(LTE-Advanced)システムでは、CoMP(Coordinate Multi Point access)による無線通信が検討されている(例えば、以下の非特許文献1、2)。
CoMPは、例えば、端末が複数の基地局(またはセクタ)と通信可能な領域に位置するとき、各基地局がMIMO(Multiple Input Multiple Output)を用いて異なるデータを端末に送信することにより実行される。
一方、LTEなどの無線通信システムにおいて、基地局は送信データに対してスクランブリング処理を行う(例えば、以下の非特許文献3、4)。例えば、基地局は、送信データb(0),...,b(Mbit−1)とスクランブリングコードc(i)とを加算し、「2」の剰余(Modulo)を演算することで、スクランブリングを実施する。すなわち、
Figure 2014112840
となる。ここで、スクランブリングコードc(i)は例えば長さ「31」のゴールド符号であり、その場合以下の生成多項式で求められる。
Figure 2014112840
Figure 2014112840
Figure 2014112840
ここで、
Figure 2014112840
であり、更に、スクランブリングコードc(i)の初期値は以下で与えられる。
Figure 2014112840
すなわち、スクランブリングコードc(i)の初期値は、端末番号
Figure 2014112840
、(物理)セル(またはセクタ)番号
Figure 2014112840
、及びスロット番号
Figure 2014112840
で決まる値である。
なお、この種の従来技術として、例えば、移動局から通知された受信品質に基づいて、移動局に対して送信する送信セクタを少なくとも2つ選択し、移動局に対して送信割り当てを行う送信割り当て手段と、送信セクタからセクタ識別のための同じスクランブリングコードを使用して移動局に送信する送信手段を備える制御装置等が開示される(例えば、以下の特許文献1)。
また、例えば、基地局固有スクランブリングコードを生成する基地局固有スクランブル生成部と、セクタ固有の直交系列を生成するセクタ固有直交系列生成部と、物理チャネル毎のソフト合成の要否に基づいて、前記基地局固有スクランブリングコードと前記セクタ固有直交系列の乗算の要否を制御する乗算制御部とを備える基地局装置等が開示される(例えば、以下の特許文献2)。
特開2006‐311475号公報 特開2008‐92379号公報
3GPP TSG-RAN-WG1 R1-084203 3GPP TS 36.210 V8.6.0 3GPP TS 36.211 V8.2.0 3GPP TSG-RAN-WG1 R1-081229
上述したようにスクランブリングコードの初期値は、端末番号、セル番号、及びスロット番号から決定されるが、端末番号はセル毎に基地局により設定され、セル番号もセル毎に異なる。また、スロット番号もセル間で異なる番号となる場合もある。従って、異なるセルから端末に対してCoMP送信を行う場合、スクランブリングコードの初期値はセルごとに異なる値となる。よって、各基地局と端末は、異なるスクランブリングコードを作成し、これを用いてスクランブリング及びデスクランブリングの処理を行うことになる。従って、各基地局及び端末は処理が複雑になり、さらに消費電力も大きくなる。
また、特許文献1及び2に記載されたものは、2つのセクタから異なるデータが送信される場合については開示されていない。特許文献1に記載されているように、同じスクランブリングコードを使用して、2つのセクタから異なるデータが送信された場合、移動局は2つの信号を受信するが、これらの2つの信号は混信し、2つのセクタから送信されたデータを識別できないからである。
そこで、本発明の一目的は、端末装置または基地局装置において処理の軽減を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける無線通信方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、端末装置または基地局装置において消費電力の削減を図るようにした無線通信システム等を提供することにある。
一態様によれば、1または複数のセルまたはセクタを夫々有する第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、前記第1及び第2の基地局装置は、前記セルまたは前記セクタ毎に夫々異なる第1及び第2の送信データを前記端末装置に夫々送信するとき、所定位相差の第1及び第2のスクランブリングコードを用いて夫々前記第1及び第2の送信データをスクランブリング処理する処理部と、前記スクランブリング処理された前記第1及び第2の送信データを前記端末装置に夫々送信する送信部とを夫々備え、前記端末装置は、前記第1及び第2の送信データを受信し、前記第1及び第2のスクランブリングコードを用いて夫々前記第1及び第2の送信データをデスクランブリング処理する受信部とを備える。
また、他の態様によれば、1または複数のセルまたはセクタを夫々有する第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、前記端末装置は、前記セルまたは前記セクタ毎に夫々異なる第1及び第2の送信データに対して、第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理する処理部と、前記スクラブリング処理された第1及び第2の送信データを夫々前記第1及び第2の基地局装置に送信する送信部とを備え、前記第1及び第2の基地局装置は、前記第1のスクランブリングコードを用いて夫々前記第1及び第2の送信データに対してデスクランブリング処理を行う受信部を夫々備える。
端末装置または基地局装置において処理の軽減を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける無線通信方法を提供することができる。また、端末装置または基地局装置において消費電力の削減を図るようにした無線通信システム等を提供することができる。
図1は無線通信システムの構成例を示す図である。 図2は下り方向における無線通信システムの構成例を示す図である。 図3はマスタ基地局装置の構成例を示す図である。 図4はスレーブ基地局装置の構成例を示す図である。 図5は端末装置の構成例を示す図である。 図6はゴールド符号生成器の構成例を示す図である。 図7はゴールド符号生成器の構成例を示す図である。 図8はゴールド符号生成器の構成例を示す図である。 図9はスクランブリングコード作成部の構成例を示す図である。 図10は動作例を示すフローチャートである。 図11は動作例を示すフローチャートである。 図12は下り方向における無線通信システムの構成例を示す図である。 図13はマスタ基地局装置の構成例を示す図である。 図14はスレーブ基地局装置の構成例を示す図である。 図15は動作例を示すフローチャートである。 図16は上り方向における無線通信システムの構成例を示す図である。 図17はマスタ基地局装置の構成例を示す図である。 図18はスレーブ基地局装置の構成例を示す図である。 図19は端末装置の構成例を示す図である。 図20は動作例を示すフローチャートである。 図21は動作例を示すフローチャートである。 図22は端末の構成例を示す図である。 図23は端末の構成例を示す図である。 図24は基地局装置の構成例を示す図である。
本発明を実施するための形態について以下説明する。図1は無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、2つの基地局装置(eNB:evolved Node_B、以下「基地局」)100‐1,100‐2と、端末装置(UE:User Equipment、以下「端末」)200とを備える。基地局100‐1,100‐2は異なるデータを送信し、端末200はこれを受信する(下り方向)。また、端末200は異なるデータを基地局100‐1,100‐2に送信することもできる(上り方向)。基地局100‐1,100‐2と端末200はともに所謂CoMP通信を行うことができる。以下では、下り方向(第1及び第2の実施例)と上り方向(第3の実施例)に分けて説明する。なお、3GPPにおいて「セル」は、所謂「セクタ」と同内容で定義されており、以下の実施例でも特に断らない限り、「セル」=「セクタ」として説明する。
<第1の実施例>
まず、下り方向について説明する。図2は下り方向における無線通信システム10の構成例を示す図である。2つの基地局100‐1,100‐2のうち、基地局100‐1はマスタ基地局、基地局100‐2はスレーブ基地局である。マスタ基地局100‐1は、例えばCoMP送信を実施する前に端末200と接続中の基地局であり、スレーブ基地局100‐2は例えばCoMP送信を実施する基地局である。マスタ基地局100‐1は制御信号を端末200に送信する。端末200は、制御信号に基づいて、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2から送信された、異なる送信データ(DSCH)を受信する。
<マスタ基地局の構成例>
第1の実施例におけるマスタ基地局100‐1の構成例について説明する。図3はマスタ基地局100‐1を示す図である。
マスタ基地局100‐1は、アンテナ101と、受信無線部102と、復調・復号部103と、接続要求信号抽出部104と、無線回線制御部105と、セル情報信号作成部106と、CoMP通信要求信号抽出部107と、CoMP通信実施判定及び制御部(以下、「制御部」)108と、無線回線品質情報抽出部109と、スケジューラ110と、制御信号作成部111と、スクランブリングコード作成部112と、送信データバッファ113と、符号化・変調部114と、送信無線部115とを備える。
アンテナ101は、端末200との間で無線信号を送受信する。
受信無線部102は、アンテナ101で受信した無線信号を受信信号として出力する。
復調・復号部103は、受信無線部102から出力された受信信号を復調及び復号を行う。
接続要求信号抽出部104は、復調等された受信信号から接続要求信号を抽出する。接続要求信号は、例えば、端末200がマスタ基地局100‐1との間で回線接続の要求を行うときに使用される信号である。
無線回線制御部105は、接続要求信号抽出部104から接続要求信号を入力すると、例えば内部に保持(または記憶)された複数あるセル番号と端末番号のうちいずれかのセル番号と端末番号を選択して、セル情報信号作成部106及びスクランブリングコード作成部112に出力する。
セル情報信号作成部106は、無線回線制御部105から出力されたセル番号及び端末番号と、スケジューラ110から出力されたスロット番号とからセル情報を作成する。作成したセル情報は、セル情報信号としてCoMP送信を実施する基地局(例えば、スレーブ基地局100‐2)に送信される。また、セル情報信号作成部106は、セル情報信号を端末200に送信するために符号化・変調部114にも出力する。さらに、セル情報信号作成部106は、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2とがそれぞれ生成するスクランブリングコードの位相差を示す位相差情報をスレーブ基地局100‐2に送信する。位相差は、例えば、マスタ基地局100‐1が生成するスクランブリングコードに対する、スレーブ基地局100‐2が生成するスクランブリングコードの位相差である。セル情報信号作成部106は、位相差情報を端末200にも通知するため、当該位相差情報を符号化・変調部114に出力する。位相差情報の詳細は後述する。セル情報信号作成部106は、例えば位相差情報を予め保持(または記憶)する。
CoMP通信要求信号抽出部107は、復調・復号部103から出力された受信信号のうちCoMP通信要求信号を抽出する。CoMP通信要求信号は、例えば端末200がCoMP通信を行いたいときに端末200から送信された信号である。
制御部108は、CoMP送信を実施するか否かを判定し、CoMP送信を実施すると判定したとき、CoMP送信実施通知をスレーブ基地局100‐2に通知する。制御部108は、例えば、無線回線品質情報抽出部109から出力された無線回線品質と、スレーブ基地局100‐2から送信された無線回線品質とに基づいてCoMP送信を実施するか否かを判定する。CoMP送信実施通知は、スケジューラ110とセル情報信号作成部106にも出力される。
無線回線品質情報抽出部109は、復調・復号部103から出力された受信信号のうち無線回線品質情報を抽出する。無線回線品質情報は、例えば端末200から送信された情報である。
スケジューラ110は、無線回線品質情報抽出部109から出力された無線回線品質情報に基づいて、端末200との下り方向の通信で使用される符号化率、変調方式等を決定する(スケジューリングを行う)。スケジューラ110は決定した符号化率等に関するスケジューリング情報を制御信号作成部111に出力する。また、スケジューラ110は、スケジューリング情報のうち使用周波数とプリコーディング情報とをCoMP制御信号としてスレーブ基地局100‐2に送信し、スロット番号をセル情報信号作成部106とスクランブリングコード作成部112に出力する。なお、スケジューラ110は、決定したスケジューリング情報に従って送信データに対する符号化処理等が行われるように符号化・変調部114と送信無線部115とを制御する。
制御信号作成部111は、スケジューラ110から出力されたスケジューリング情報を含む制御信号を作成し、符号化・変調部114に出力する。
スクランブリングコード作成部112は、スケジューラ110から出力されたスロット番号と、無線回線制御部105から出力されたセル番号及び端末番号とに基づいて、スクランブリングコードの初期値を作成し、スクランブリングコードを作成する。スクランブリングコード作成部112の詳細は後述する。
送信データバッファ113は、マスタ基地局100‐1から端末200に送信される送信データを一時記憶する。
符号化・変調部114は、スクランブリングコード作成部112で作成されたスクランブリングコードを用いて、送信データバッファ113から出力された送信データに対しスクランブリング処理を行う。また、符号化・変調部114はスクランブリング後の送信データをスケジューリング情報に基づいて符号化及び変調する。なお、符号化・変調部114は、セル情報と制御信号とに対して符号化等の処理を行うが、これらに対してスクランブリング処理を行ってもよい。
送信無線部115は、例えば、符号化・変調部114から出力された送信データ等に対して、スケジューラ110で作成されたプリコーディング情報に従い、重み付けの処理(またはウェイト処理)等を行う。また、送信無線部115は、例えばパイロット信号(または既知信号)を生成する。送信無線部115からの出力は無線信号としてアンテナ101を介して端末200に送信される。
<スレーブ基地局の構成例>
次に第1の実施例におけるスレーブ基地局100‐2の構成例について説明する。図4はスレーブ基地局100‐2の構成例を示す図である。スレーブ基地局100‐2は、マスタ基地局100‐1と同様の構成である。
制御部108は、CoMP通信要求信号抽出部107からCoMP通信要求信号を入力し、さらにマスタ基地局100‐1からCoMP実施通知を受信すると、CoMP実施通知をスケジューラ110に出力する。
スケジューラ110は、無線回線品質情報抽出部109から出力された無線回線品質情報に基づいて下り方向のスケジューリングを行う。また、スケジューラ110は、制御部108からCoMP実施通知を受け取り、マスタ基地局100‐1からCoMP制御信号を受信すると、CoMP送信のためのスケジューリングを行う。スケジューラ110は、スケジューリングに従い符号化処理等が行われるように符号化・変調部114と送信無線部115を制御する。
スクランブリングコード作成部112は、マスタ基地局100‐1からのセル情報(セル番号、端末番号、スロット番号を含む情報)と位相差情報とを入力し、マスタ基地局100‐1が生成するスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)に対して位相差のあるスクランブリングコード(例えば、第2のスクランブリングコード)を作成する。その詳細は後述する。スクランブルコード作成部112は、作成したスクランブリングコードを符号化・変調部114に出力する。
符号化・変調部114は、スクランブリングコードを用いて送信データ等に対するスクランブリング処理等を行う。
<端末の構成例>
次に端末200の構成例について説明する。図5は端末200の構成例を示す図である。
端末200は、アンテナ201と、受信無線部202と、復調・復号部203と、無線回線品質測定及び算出部(以下、算出部)204と、無線回線品質情報作成部205と、セル情報及び位相差情報抽出部(以下、位相差情報抽出部)206と、スクランブリングコード作成部207と、受信制御信号抽出部208と、端末設定制御部209と、受信電力測定部210と、回線接続制御部211と、接続要求信号作成部212と、符号化・変調部213と、送信無線部214と、CoMP通信制御部220と、CoMP通信要求信号作成部221とを備える。
アンテナ201は、各基地局100‐1,100‐2との間で無線信号を送受信する。
受信無線部202は、アンテナ201で受信した無線信号を受信信号として出力する。
復調部・復号部203は、スクランブリングコード作成部207で作成されたスクランブリングコードを用いて受信信号をデスクランブリングし、端末設定制御部209により設定された復調方式等に従い、受信信号に対して復調及び復号を行う。
算出部204は、マスタ基地局100‐1またはスレーブ基地局100‐2から送信されたパイロット信号等に対して、各無線回線の無線品質を測定する。算出部204は、例えばパイロット信号のSINR(Signal to Interference Noise Ratio:信号対干渉雑音比)等を測定すること無線回線品質を測定する。
無線回線品質情報作成部205は、算出部204から出力された無線回線品質に基づいて、無線回線品質情報を作成する。無線回線品質情報は、例えばCQI(Channel Quality Indicator)などである。作成した無線回線品質情報は符号化・変調部213に出力さ
れる。
位相差情報抽出部206は、復調・復号部203から出力された受信信号のうちセル情報と位相差情報とを抽出し、抽出したセル情報等をスクランブリングコード作成部207に出力する。
スクランブリングコード作成部207は、マスタ基地局100‐1から送信されたセル情報に基づいて、マスタ基地局100‐1で作成されるスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を作成する。また、スクランブリングコード作成部207は、マスタ基地局100‐1から送信されたセル情報と位相差情報とに基づいて、スレーブ基地局100‐2で作成されるスクランブリングコード(例えば、第2のスクランブリングコード)を作成する。スクランブリングコード作成部207は、作成した2つのスクランブリングコードを復調・復号部203に出力する。
受信制御信号抽出部208は、受信信号のうち制御信号を抽出し、端末設定制御部209に出力する。
端末設定制御部209は、制御信号に含まれるスケジューリング情報に従って、基地局1000‐1,100‐2からの受信データ等を復調、復号等できるように、受信無線部202と復調・復号部203を制御する。
受信電力測定部210は、受信信号のうち、例えば、パイロット信号の受信電力を測定し、測定結果を回線接続制御部211とCoMP通信制御部220に出力する。
回線接続制御部211は、受信電力に基づいて基地局100‐1,100‐2との回線を接続するか否かを決定する。回線接続制御部211は、例えば、受信電力が閾値以上のとき回線接続することを決定し、そうでないとき回線を接続しないことを決定する。回線接続制御部211は、回線接続することを決定したとき、指示信号を接続要求信号作成部212に出力する。
接続要求信号作成部212は、指示信号に基づいて、接続要求信号を作成し、符号化・変調部213に出力する。
CoMP通信制御部220は、受信電力が例えば閾値以上のとき、CoMP通信要求信号の作成指示をCoMP通信要求信号作成部221に出力する。
CoMP通信要求信号作成部221は、CoMP通信制御部220からの指示に基づいてCoMP通信要求信号を作成し、符号化・変調部213に出力する。
符号化・変調部213は、無線回線品質情報、接続要求信号、CoMP通信要求信号等に対して、符号化及び変調処理を施す。
送信無線部214は、符号化等された無線回線品質情報等に対して送信電力の制御等を行い、無線信号としてアンテナ201に出力する。無線回線品質情報等は無線信号として基地局100‐1,100‐2に送信される。
<スクランブリングコード作成部の構成例>
次に、スクランブリングコード作成部112,207の構成例について説明する。
図6は長さ「31」のゴールド符号(またはスクランブリングコード)を生成するゴールド符号生成器の構成例を示す図である。ゴールド符号生成器は、第1及び第2のシフトレジスタ112‐1,112‐3と、第1〜第3の排他的論理和回路112‐2,112‐4,112‐5とを備える。図6に示すゴールド符号生成器は、前述の数2〜数5で示される生成多項式に基づいた構成例である。
数2〜数5に示す生成多項式により生成されるスクランブリングコードに対して1ビットシフトしたスクランブリングコードを生成するための生成多項式は、以下の式で示すことができる。
Figure 2014112840
また、2ビットシフトしたスクランブリングコードを生成するための生成多項式は、
Figure 2014112840
となる。
図7は、図6に対して1ビットまたは2ビットシフトさせた(1ビットまたは2ビット位相差のある)スクランブリングコードを生成するためのゴールド符号生成器の構成例を示す図である。図7に示すゴールド符号生成器は、さらに第4及び第5の排他的論理和回路112‐6,112‐7を備える。
第4の排他的論理和回路112‐6は、点線で示すように、第1のシフトレジスタ112‐1のうちLSBに対応するレジスタから1ビットシフトしたレジスタからの出力と、第2のシフトレジスタ112‐3のうちLSBに対応するレジスタから1ビットシフトしたレジスタからの出力とに対して、排他的論理和を演算する。第4の排他的論理和回路112‐6は、第3の排他的論理和回路112‐5の出力に対して1ビットシフトした(1ビット位相差のある)スクランブリングコードを出力する。
第5の排他的論理和回路112‐7は、1点鎖線で示すように、第1のシフトレジスタ112‐1のLSBから2ビットシフトしたレジスタからの出力と、第2のシフトレジスタ112‐3のうちLSBから2ビットシフトしたレジスタからの出力とに対して、排他的論理和を演算する。第5の排他的論理和回路112‐7は、第3の排他的論理和回路112‐5の出力に対して2ビットシフトした(2ビット位相差のある)スクランブリングコードを出力する。
さらに、図6のスクランブリングコードに対して32ビットシフトさせたスクランブリングコードの生成多項式は、以下のようになる。
Figure 2014112840
Figure 2014112840
Figure 2014112840
さらに、33ビットシフトさせたスクランブリングコードの生成多項式は、
Figure 2014112840
Figure 2014112840
Figure 2014112840
となる。
図8は32ビット及び33ビットシフトしたスクランブリングコードを生成するゴールド符号生成器の構成例を示す図である。ゴールド符号生成器は、さらに、第6〜9の排他的論理和回路112‐8〜112‐11と、第10〜11の排他的論理和回路112‐12〜112‐13とを備える。
第6の排他的論理和回路112‐8は、点線で示すように、第1のシフトレジスタ112‐1のうちLSBから1ビットシフトしたレジスタと4ビットシフトしたレジスタの各出力に対して、排他的論理和を演算し、演算結果を第7の排他的論理和回路112‐9に出力する。
第10の排他的論理和回路112‐12は、点線で示すように、第2のシフトレジスタ112‐3のうちLSBから1ビット〜4ビットシフトした各レジスタからの出力に対して排他的論理和を演算し、その出力を第7の排他的論理和回路112‐9に出力する。
第7の排他的論理和回路112‐9は、第6及び第10の排他的論理和回路112‐8,112‐12の出力に対して排他的論理和を演算し、第3の排他的論理和回路112‐5の出力に対して32ビットシフトした(32ビット位相差のある)スクランブリングコードを出力する。
33ビットシフトしたスクランブリングコードは、第9の排他的論理和回路112‐11の出力段から出力されるが、第8及び第11の排他的論理和回路112‐10,112‐13はさらに1ビットシフトした各レジスタからの出力に対する排他的論理和を演算する。
一般に、m次の生成多項式から生成される系列において特定の位相の値をα(0)とすると、α(0)からnビット位相のずれた系列の値α(n)は、
Figure 2014112840
で表すことができる。ここで、αを(m−1)次以下の次数をもったαのベキの和に展開すると、
Figure 2014112840
となる。なお、c(i=0〜m−1)は位相差nより定まる「1」または「0」の値であり、タップ係数列である。
図9はスクランブリングコード作成部112,207の構成例を示す図である。さらに、初期値設定部112‐14と、第1及び第2のスイッチ群112‐15,112‐16と、第12及び第13の排他的論理和回路112‐17,112‐18と、第14の排他的論理和回路112‐19とを備える。
初期値設定部112‐14は、セル情報(セル番号、端末番号、スロット番号)と位相差情報とに基づいて、第1及び第2のスイッチ群112‐15,118‐16の各スイッチ(または各タップ)のオン、オフを制御する。初期値設定部112‐14の出力は、例えばタップ係数列cに対応する。初期値設定部112‐14に入力される初期値は、例えば、セル情報と位相差情報である。
第12の排他的論理和回路112‐17は、第1のスイッチ群112‐15の各出力に対して排他的論理和を演算し、演算結果を第13の排他的論理和回路112‐18に出力する。
第14の排他的論理和回路112‐19は、第2のスイッチ群112‐16の各出力に対して排他的論理和を演算し、演算結果を第13の排他的論理和回路112‐18に出力する。
第13の排他的論理和回路112‐18は、第12及び第14の排他的論理和回路112‐17,112‐19の各出力の排他的論理和を演算し、第3の排他的論理和回路112‐5の出力に対して、任意の位相差のスクランブリングコードを出力する。
このように、スクランブリングコード作成部112,207は、2つの線形シフトレジスタ112‐1,112‐3の各段から適切な成分を排他的論理和により合成することで、位相差のあるスクランブリングコード(または複数のスクランブリングコード)を出力できる。
例えば、初期値設定部112‐14がマスタ基地局100‐1のセル情報に基づいて、第1及び第2のスイッチ群112‐15,112‐16を制御することで、第3の排他的論理和回路112‐5はマスタ基地局100‐1が生成するスクランブルコード(第1のスクランブリングコード)を出力する。また、初期値設定部112‐14が、スレーブ基地局100‐2のセル情報と位相差情報とに基づいて第1及び第2のスイッチ群112‐15,112‐16を制御する。この場合、第13の排他的論理和回路112‐18は、スレーブ基地局100‐2が生成するスクランブルコード(例えば、第2のスクランブリングコード)を出力する。
<下り方向の動作例>
次に第1の実施例における動作例について説明する。図10及び図11は動作例を示すフローチャートである。なお、端末200は、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2の双方に通信接続可能な領域に位置しているものとする。
最初に、マスタ基地局100‐1はセル情報等を端末200に報知する(S10)。例えば、セル情報信号作成部106がセル情報を作成する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、パイロット信号を送信する(S11)。
次いで、端末200は受信したパイロット信号等に基づいて通信対象となるセルを選択し(S12)、選択したセルとの間で回線を設定する(S13)。例えば、端末200の受信電力測定部210がパイロット信号の受信電力を測定し、回線接続制御部211が回線の接続を判定することでセル(例えば、マスタ基地局100‐1)を選択する。
次いで、端末200はマスタ基地局100‐1との無線回線の品質(例えば、CQI)を測定し(S14)、無線回線品質情報をマスタ基地局100‐1に送信する(S15)。例えば、端末200の算出部204がパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、無線回線品質情報に基づいてスケジューリングを行う(S16)。例えば、マスタ基地局100‐1のスケジューラ110が無線回線品質情報抽出部109で抽出した無線回線品質情報に基づいてスケジューリングを行う。
次いで、マスタ基地局100‐1は送信信号処理を行う(S17)。例えば、符号化・変調部114は、送信データバッファ113に記憶された送信データを読み出し、スケジューリング情報に基づいて符号化等の処理を行う。
次いで、マスタ基地局100‐1は、制御信号と送信データとを端末200に送信する(S18,S19)。
端末200は、制御信号と送信データとを受信すると受信信号処理を行う(S20)。例えば、端末設定制御部209は、受信した制御信号に含まれるスケジューリング情報に従って復調、復号等が行われるように受信無線部202と復調・復号部203を制御する。
次いで、端末200は、スレーブ基地局100‐2から報知されたセル情報等とパイロット信号とを受信する(S21,S22)。そして、端末200は接続基地局としてスレーブ基地局100‐2を選択し(S23)、スレーブ基地局100‐2との間で回線を設定する(S24)。
次いで、端末200と基地局100‐1,100‐2との間でCoMP送信のための処理が行われる。まず、端末200はマスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2とからパイロット信号をそれぞれ受信し(S25,S26)、各無線回線の回線品質を測定する(S27)。なお、このときマスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2とからのパイロット信号の識別を容易にするためにマスタ基地局100‐1のセル番号及びスレーブ基地局100‐2の本来のセル番号を基に作成した、異なるパイロット信号としてもよい。
次いで、端末200は、測定した各無線回線品質をそれぞれスレーブ基地局100‐2とマスタ基地局100‐1に送信する(S28,S30)。
スレーブ基地局100‐2は、端末200から送信された無線回線品質情報をマスタ基地局100‐1に送信する(S29)。例えば、スレーブ基地局100‐2の無線回線品質情報抽出部109は、抽出した端末200との間の無線回線品質をマスタ基地局100‐1に送信する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、CoMP送信が可能か否かの判定を行う(S31)。例えば、マスタ基地局100‐1の制御部108は、スレーブ基地局100‐2からの無線回線品質と、CoMP通信要求信号抽出部107で抽出された無線回線品質とが、ともに閾値以上のときCoMP通信可能と判定する。マスタ基地局100‐1からの無線回線品質と比較する閾値と、スレーブ基地局100‐2からの無線回線品質と比較する閾値は、同じでも良いし、異なっていてもよい。なお、制御部108はCoMP送信可能でないと判定したとき、一連の処理を終了する。
次いで、端末200はCoMP送信実施要求をスレーブ基地局100‐2とマスタ基地局100‐1に送信する(S32,S33)。例えば、端末200のCoMP通信制御部220が実施要求の指示を出力し、CoMP通信要求信号作成部221が当該要求信号を送信する。
マスタ基地局100‐1は、CoMP送信可能と判定し(S31)、端末200からCoMP実施要求を受信すると(S33)、CoMP実施通知をスレーブ基地局100‐2と端末200に送信する(S34,S35)。例えば、マスタ基地局100‐1の制御部108は、スレーブ基地局100‐2にCoMP実施通知を送信する。また、例えば、制御部108はスケジューラ110にCoMP実施通知を出力し、スケジューラ110から制御信号としてCoMP実施通知が端末200に送信される。
次いで、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2は基地局間で同期をとるための処理を行う(S36)。例えば、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2との制御部108とが互いに信号の送受信を行い位相同期させることで同期処理が行われる。
次いで、マスタ基地局100‐1はCoMP送信のためのスケジューリングを行う(S37)。例えば、スケジューラ110は制御部108からCoMP実施通知を受け取ると、無線回線品質(S29,S30)等に基づいてスケジューリングを行う。作成されるスケジューリング情報にはCoMP送信に用いられる使用周波数とプリコーディング情報とが含まれる。
次いで、マスタ基地局100‐1は、セル情報と位相差情報とをスレーブ基地局100‐2に送信する(S38)。例えば、マスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106は、自局のセル情報と、予め保持等した位相差情報を送信する。位相差情報は、無線回線制御部105に保持されてもよい。
次いで、マスタ基地局100‐1は、位相差情報を端末200に送信する(S39)。例えば、マスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106は、作成した位相差情報を符号化・変調部114等を介して送信する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、送信データ(例えば送信データ2)をスレーブ基地局100‐2に転送する(S40)。例えば、マスタ基地局100‐1のスケジューラ110は、送信データバッファ113に記憶された送信データのうち一部(例えば、送信データ2)を読み出してスレーブ基地局100‐2に送信する。スレーブ基地局100‐2の送信データバッファ113はマスタ基地局100‐1から送信された送信データを記憶する。送信データ1と送信データ2は、例えばセル毎に異なる送信データである。
次いで、マスタ基地局100‐1は送信制御情報をスレーブ基地局100‐2に通知する(S41)。例えば、スケジューラ110は、プリコーディング情報等を含むスケジューリング情報(S37)を送信制御情報としてスレーブ基地局100‐2に送信する。
次いで、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2は送信信号処理を行う(S41,S42)。例えば、マスタ基地局100‐1のスクランブリングコード作成部112は、自局のセル情報に基づいてスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を作成する。マスタ基地局100‐1の符号化・変調部114は当該スクランブリングコードを用いて送信データ(例えば、送信データ1)に対してスクランブリング処理を行う。また、スレーブ基地局100‐2のスクランブリングコード作成部112は、マスタ基地局100‐1から送信されたセル情報と位相差情報とに基づいて、スクランブリングコード(例えば、第2のスクランブリングコード)を作成する。スレーブ基地局100‐2の符号化・変調部114は作成したスクランブリングコードを用いて送信データ2に対してスクランブリング処理を行う。
次いで、マスタ基地局100‐1は、制御信号と送信データ(例えば、送信データ1)とを端末200に送信する(S44,S45)。制御信号は、CoMP送信で使用する符号化率等以外にも、使用周波数とプリコーディング情報も含み、セル情報信号作成部106で作成されたセル情報を含んでもよい。
次いで、スレーブ基地局100‐2は、マスタ基地局100‐1が送信した送信データとは異なる送信データ(例えば、送信データ2)を端末200に送信する(S46)。例えば、送信データ1と送信データ2は、プリコーディング情報に従い、重み付けられて送信される。
次いで、端末200は、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2とから送信された送信データに対して受信信号処理を行う(S47)。例えば、端末200の端末設定制御部209は、制御信号(S43)に含まれるスケジューリング情報に従って、受信無線部202と復調・復号部203を制御する。このとき、端末200のスクランブリングコード作成部207は、例えば、セル情報(S10またS43)に基づいてスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を作成し、復調・復号部203に出力する。また、スクランブリングコード作成部207はセル情報と位相差情報(S39)とに基づいてスクランブリングコード(例えば、第2のスクランブリングコード)を作成し、復調・復号部203に出力する。復調・復号部203は、例えば、第1のスクランブリングコードを用いてマスタ基地局100‐1から送信された送信データ(例えば、送信データ1)に対してデスクランブリング処理を行う。また、復調・復号部203は、例えば、第2のスクランブリングコードを用いてスレーブ基地局100‐2から送信された送信データ(例えば、送信データ2)に対してデスクランブリング処理を行う。
このように本第1の実施例は、CoMP送信を行うときに、マスタ基地局100‐1はマスタ基地局100‐1のセル情報を元にスクランブリングコードを作成すると共に、スレーブ基地局100‐2はマスタ基地局100‐1から受信したセル情報に基づくスクランブリングコードを基準に、位相差情報分シフトしたスクランブリングコードを作成する。端末200にもマスタ基地局100‐1のセル情報と位相差情報が通知され、セル情報を元に生成した第一のスクランブリングコードと、それを基準に位相差情報分シフトした第二のスクランブリングコードを作成し、デスクランブル処理を行う。これにより、端末200において基地局100‐1のセル情報と基地局100‐2のセル情報を元に独立に2系統のスクランブリングコードを作成してデスクランブリング処理を行う場合と比較して、端末200の処理が軽減される。さらに、端末200の消費電力も削減できる。
また、マスタ基地局100‐1はプリコーディング情報をスレーブ基地局100‐2に送信し(S44)、2つの基地局100‐1,100‐2はプリコーディング情報に基づいて異なるデータを端末200に送信している。従って、異なるデータが2つの基地局100‐1,100‐2から送信されても、端末200は制御信号に含まれるプリコーディング情報に基づいて受信処理(S47)を行うことができるため、2つの異なるデータの混信を防ぐこともできる。
<第2の実施例>
次に第2の実施例を説明する。第2の実施例は下り方向の他の例である。図12は第2の実施例における無線通信システム10の構成例を示す図である。スレーブ基地局100‐2はセル情報をマスタ基地局100‐1に送信する。マスタ基地局100‐1は、スレーブ基地局100‐2のセル情報と自局のセル情報とから、各基地局100‐1,100‐2で使用するスクランブリングコードの位相差を算出する。
<マスタ基地局の構成例>
図13は、第2の実施例におけるマスタ基地局100‐1の構成例を示す図である。
セル情報信号作成部106は、CoMP実施基地局(例えば、スレーブ基地局100‐2)からセル情報を受信する。また、セル情報信号作成部106は、無線回線制御部105から出力されたセル番号及び端末番号と、スケジューラ110から出力されたスロット番号とから、自局のセル情報を作成する。そして、セル情報信号作成部106は、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2の2つのセル情報に基づいて、各基地局100‐1,100‐2で作成されるスクランブリングコードの位相差を演算する。演算の詳細は後述する。セル情報信号作成部106は、位相差情報を、自局のセル情報とともに符号化・変調部114に出力する。
スクランブリングコード作成部112は、自局のセル情報に基づいてスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を作成する。
<スレーブ基地局の構成例>
図14は、第2の実施例におけるスレーブ基地局100‐2の構成例を示す図である。
無線回線制御部105は、例えば制御部108からCoMP実施通知を入力すると、予め保持等したセル番号、端末番号、及びスロット番号をセル情報として、マスタ基地局100‐1に送信する。また、無線回線制御部105は、セル情報をスクランブリングコード作成部112に出力する。
スクランブリングコード作成部112は、セル情報に基づいて、自局のスレーブ基地局100‐2のスクランブリングコードを作成し、符号化・変調部114に出力する。
なお、端末200の構成例は第1の実施例(図5)と同様である。
<位相差情報の算出>
次に、位相差情報の演算について説明する。例えば、マスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106が演算する。演算は、例えば以下のようにして行われる。
すなわち、マスタ基地局100‐1は、自局のセル情報から生成されるスクランブリングコードの初期値をn行1列の列ベクトル(x1(0) x2(0) … xn(0))として求める。マスタ基地局100‐1は、この初期値から1ビットシフトしたスクランブリングコードを列ベクトル(x(1) x(1) … x(1))、2ビットシフトしたスクランブリングコードを列ベクトル(x(2) x(2)… x(2))として夫々求める。さらに、マスタ基地局100‐1は、nビットシフトした場合のスクランブリングコードを列ベクトル(x(n) x(n) … x(n))として求める。マスタ基地局100‐1は、n組の列ベクトルからn行n列の行列Xを求める。行列Xは
Figure 2014112840
となる。
同様にして、マスタ基地局100‐1は、スレーブ基地局100‐2のセル情報から生成されるスクランブリングコードの初期値を列ベクトル(y1(0) y2(0) … yn(0))として求め、n組の列ベクトルからなるn行n列の行列Yを求める。行例Yは、
Figure 2014112840
となる。ここで、行列Yは行列Xを一定位相だけ進めたスクランブルコードとする。マスタ基地局100‐1はその位相関係を一意に定める行列Aを求めるために、以下の演算を行う。
Figure 2014112840
行列Aは2つのスクランブリングコードの位相差を定める行列であり、マスタ基地局100‐1は、数22の演算を行うことで位相差を演算する。セル情報信号作成部106は、例えば、スクランブリングコードのすべての組み合わせ、さらに演算結果等を予めテーブルとして保持(または記憶)する。そして、セル情報信号作成部106は、任意のセル情報に対して、2つのスクランブリングコードの位相差を与えるタップ係数(位相差情報)をテーブルから取り出して出力するようにしてもよい。セル情報信号作成部106は、例えば当該テーブルを保持する。
<下り方向の動作例>
次に第2の実施例における動作例について説明する。図10及び図15は動作例を示すフローチャートである。S10〜S37は第1の実施例と同様である。
次いで、スレーブ基地局100‐2は自局のセル情報をマスタ基地局100‐1に通知する(図15のS50)。例えば、スレーブ基地局100‐2の無線回線制御部105が通知する。
次いで、マスタ基地局100‐1は位相差情報を算出する(S51)。例えば、マスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106がテーブル等を用いて算出する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、算出した位相差情報を端末200に通知する(S52)。例えば、マスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106は、算出した位相差情報を符号化・変調部114等を介して端末200に通知する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、送信データ(例えば、送信データ2)と送信制御情報とをスレーブ基地局100‐2に送信し(S40,S41)、各基地局100‐1,100‐2は送信信号処理を行う(S42,S43)。例えば、各基地局100‐1,100‐2は各々自局のセル情報に基づいてスクランブリングコードを作成し、スクランブリング処理を行う。
次いで、マスタ基地局100‐1は制御信号と送信データ(例えば、送信データ1)とを端末200に送信する(S44,S45)。
次いで、スレーブ基地局100‐2は送信データ(例えば、送信データ2)を端末200に送信する(S46)。
次いで、端末200は、CoMP送信により送信された各々異なる送信データを各基地局100‐1,100‐2から受信し、受信信号処理を行う(S47)。例えば、端末200の位相差情報抽出部206は位相差情報を抽出しスクランブリングコード作成部207に出力する。スクランブリングコード作成部207は、マスタ基地局100‐1のセル情報(S10など)からスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を作成し、復調・復号部203に出力する。また、スクランブリングコード作成部207は、マスタ基地局100‐1のセル情報(S10など)と位相差情報(S52)とに基づいて、スクランブリングコード(例えば、第2のスクランブリングコード)を作成し、復調・復号部203に出力する。復調・復号部203は、第1のスクランブリングコードを用いて、マスタ基地局100‐1から送信された送信データ(例えば、送信データ1)に対してデスクランブリング処理を行う。また、復調・復号部203は、第2のスクランブリングコードを用いて、スレーブ基地局100‐2から送信された送信データ(例えば、送信データ2)に対してデスクランブリング処理を行う。
このように本第2の実施例においても、CoMP送信の際に、マスタ基地局100‐1はスレーブ基地局100‐2で作成されるスクランブリングコードの位相差を算出し、端末200に送信する。従って、端末200は予め位相差のあるスクランブリングコードを作成できる。よって、本無線通信システム10は、端末200において基地局100‐1のセル情報と基地局100‐2のセル情報を元に独立に2系統のスクランブリングコードを作成してデスクランブリング処理を行う場合と比較して、端末200の処理を軽減でき、消費電力を削減できる。
<第3の実施例>
次に第3の実施例について説明する。第3の実施例は、端末200から基地局100‐1,100‐2にデータが送信される上り方向の例である。
図16は第3の実施例における無線通信システム10の構成例を示す図である。マスタ基地局100‐1は制御信号を端末200に送信する。端末200は、受信した制御信号に基づいて、異なる送信データ(USCH)をマスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2に送信する。
<マスタ基地局の構成例>
次に第3の実施例におけるマスタ基地局100‐1の構成例を説明する。図17はマスタ基地局100‐1の構成例を示す図である。
マスタ基地局100‐1は、無線回線品質測定及び算出部(以下、算出部)121をさらに備える。算出部121は、端末200から送信されたパイロット信号等に基づいて、端末200との間の無線回線品質を測定し、無線回線品質(例えば、CQI)を測定する。
また、マスタ基地局100‐1のスケジューラ110は、上り方向のスケジューリングを行うため、作成したスケジューリング情報に従い復調・復号部103と受信無線部102とを制御する。
さらに、スクランブリングコード作成部112は、端末200から送信された送信データ等に対してデスクランブリング処理を行うため、作成したスクランブリングコードを復調・復号部103に出力する。
<スレーブ基地局の構成例>
次に第3の実施例におけるスレーブ基地局100‐2の構成例を説明する。図18はスレーブ基地局100‐2の構成例を示す図である。
スレーブ基地局100‐2もさらに算出部121を備える。
また、スレーブ基地局100‐2のスケジューラ110は、上り方向のスケジューリングを行うため、復調・復号部103と受信無線部102とをスケジューリング情報に従い制御する。
さらに、スクランブリングコード作成部112も、端末200から送信された送信データ等に対してデスクランブリング処理を行うため、作成したスクランブリングコードを復調・復号部103に出力する。
<端末の構成例>
次に第3の実施例における端末200の構成例を説明する。図19は端末200の構成例を示す図である。
端末200は、さらにセル情報抽出部225を備える。セル情報抽出部225は、例えば、基地局100‐1,100‐2から送信されたセル情報を抽出し、スクランブリングコード作成部207に出力する。
スクランブリングコード作成部207は、例えばマスタ基地局100‐1から送信されたセル情報(セル番号、端末番号、及びスロット番号を含む情報)に基づいてスクランブリングコードを作成する。スクランブリングコード作成部207は、作成したスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を符号化・変調部213に出力する。
端末設定制御部209は、基地局100‐1,100‐2に送信する送信データ等に対し、制御信号に従って符号化等の処理が行われるように、符号化・変調部213を制御する。また、端末設定制御部209は、例えば、異なる送信データが重み付けられて基地局100‐1,100‐2に送信されるよう、制御信号に含まれるプリコーディング情報に従い、送信無線部214を制御する。
<スクランブリングコード作成部の構成例>
各基地局100‐1,100‐2と端末200のスクランブリングコード作成部112,207は第1の実施例(例えば、図9)と同様である。
<上り方向の動作例>
次に第3の実施例における動作例について説明する。図20及び図21は動作例を示すフローチャートである。
マスタ基地局100‐1と端末200との間で回線設定後(S10〜S13)、端末200はパイロット信号をマスタ基地局100‐1に送信する(S60)。例えば、端末200の送信無線部214がパイロット信号を生成して送信する。マスタ基地局100‐1が送信するセル情報(S10)には、セル情報信号作成部106で作成されたセル情報が含まれてもよい。
次いで、マスタ基地局100‐1はパイロット信号に基づいて上り方向の無線回線品質(例えば、CQI)を測定する(S61)。例えば、マスタ基地局100‐1の算出部121で測定等が行われる。
次いで、マスタ基地局100‐1は、測定した無線回線品質に基づいて、上り方向のスケジューリングを行う(S16)。例えば、スケジューラ110は、算出部121から出力された無線回線品質に基づいてスケジューリングを行う。
次いで、マスタ基地局100‐1は上り方向のスケジューリング情報を含む制御信号を送信し(S18)、端末200は当該制御信号に基づいて送信信号処理を行う(S62)。例えば、マスタ基地局100‐1の制御信号作成部111はスケジューリング情報を含む制御信号を作成し、符号化・変調部114等を介して送信する。また、端末200の符号化・変調部213は、受信した制御信号に含まれるスケジューリング情報に従って、送信データを符号化及び変調処理を行う。
次いで、端末200は送信データをマスタ基地局100‐1に送信する(S63)。
次いで、端末200はスレーブ基地局100‐2との間で回線設定等の処理を行う(S21〜S24)。そして、端末200と基地局100‐1,100‐2との間でCoMP送信のための処理が行われる。
まず、端末200は、CoMP送信実施要求を各基地局100‐1,100‐2に送信する(S32〜S33)。
次いで、端末200はパイロット信号を各基地局100‐1,100‐2に送信する(S64,S65)。
次いで、各基地局100‐1,100‐2は各々無線回線品質を測定する(S66,S67)。例えば、各基地局100‐1,100‐2の算出部121が無線回線品質を測定する。
次いで、スレーブ基地局100‐2は、測定した無線回線品質をマスタ基地局100‐1に送信する(S68)。例えば、スレーブ基地局100‐2の算出部121は、測定した無線回線品質をマスタ基地局100‐1に送信する。
次いで、マスタ基地局100‐1は、2つの無線回線品質に基づいてCoMP送信の判定を行う(S31)。例えば、制御部108が2つの無線回線品質がともに閾値以上のときCoMP送信を行うと判定する。なお、マスタ基地局100‐1で測定算出された無線回線品質と比較する閾値と、スレーブ基地局100‐2で測定算出された無線回線品質と比較する閾値は、同じでも良いし、異なっていてもよい。
マスタ基地局100‐1は、CoMP送信を実施する場合、CoMP送信実施通知をスレーブ基地局100‐2と端末200に送信する(S34〜S35)。
次いで、マスタ基地局100‐1は、スレーブ基地局100‐2との間で同期処理を行う(S36)。
次いで、スレーブ基地局100‐2は、第2の実施例と同様に、自局のセル情報をマスタ基地局100‐1に通知する(S50)。
次いで、マスタ基地局100‐1は、CoMP送信のためのスケジューリングを行い、第2の実施例と同様に位相差情報の算出を行う(S70)。位相差情報の算出は、例えば、第2の実施例と同様にマスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106において行われる。
次いで、マスタ基地局100‐1は、第2の実施例と同様に、算出した位相差情報をスレーブ基地局100‐2に送信する(S71)。
次いで、マスタ基地局100‐1は、上り方向のスケジューリング情報(S37)を含む送信制御情報をスレーブ基地局100‐2に送信し(S72)、制御信号を端末200に送信する(S73)。送信制御情報と制御信号には、使用周波数とプリコーディング情報も含まれる。
次いで、端末200は送信信号処理を行う(S74)。例えば、スクランブリングコード作成部207は、マスタ基地局100‐1からのセル情報(S10、S43など)に基づいてスクランブリングコード(例えば、第1のスクランブリングコード)を作成し、符号化・変調部213に出力する。符号化・変調部213は、異なる送信データ(例えば、送信データ1と送信データ2)に対して、例えば第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理を行う。同じスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された、異なる2つのデータは各基地局100‐1,100‐2に送信される(S75,S76)。また、端末200の端末設定制御部209は、スケジューリング情報に従い符号化等の処理が行われるように符号化・変調部213を制御する。さらに、端末設定制御部209は、制御信号に含まれるプリコーディング情報に従って重み付けされた送信データが出力されるよう、送信無線部214を制御してもよい。
次いで、マスタ基地局100‐1は受信信号処理を行う(S77)。例えば、マスタ基地局100‐1のスクランブリングコード作成部112は自局のセル情報に基づいてスクランブリングコードを作成し復調・復号部103に出力する。復調・復号部103は、当該スクランブリングコードを用いて送信データ(例えば、送信データ2)に対してデスクランブリング処理等を行う。
また、スレーブ基地局100‐2も受信信号処理を行う(S78)。例えば、スレーブ基地局100‐2のスクランブリングコード作成部112は、自局のセル情報と位相差情報とに基づいて、スクランブリングコードの位相がシフトされ、マスタ基地局100‐1と同一位相のスクランブリングコードを出力する。復調・復号部103は、当該スクランブリングコードを用いて送信データ(例えば、送信データ1)に対してデスクランブリング処理等を行う。
次いで、スレーブ基地局100‐2は復調等された送信データ(例えば、送信データ1)をマスタ基地局100‐1に転送する(S79)。例えば、スレーブ基地局100‐2の復調・復号部103はスケジューラ110の制御等により送信データ1をマスタ基地局100‐1に送信する。
このように本第3の実施例では、端末200はマスタ基地局100‐1側のスクランブリングコードを用いて異なる送信データをスクランブリング処理して送信する。また、2つの基地局100‐1,100‐2は位相差情報を共有し、同一位相のスクランブリングコードを作成してデスクランブリング処理を行う。従って、端末200が異なる送信データに対して異なるスクランブリングコードを作成することがないため、端末200の処理は軽減され、消費電力も削減される。
<その他の実施例>
次にその他の実施例について説明する。上述した各実施例は、CoMP送信の判定をマスタ基地局100‐1が行うものとして説明した(図11のS31等)。例えば、かかる判定を端末200が行うようにしてもよい。例えば、端末200のCoMP通信制御部220は、測定した無線通信品質に基づいて(図10のS27)、ともに閾値以上か否かにより判定できる。この場合、測定した無線通信品質は基地局100‐1,100‐2に送信されないため、さらにマスタ基地局100‐1の処理軽減を図ることができる。
また、上述した各実施例は、CoMP送信の実施要求を端末200が行うものとして説明した。例えば、マスタ基地局100‐1が実施要求を行うようにしてもよい。下り方向の場合、例えばマスタ基地局100‐1がCoMP送信を行うと判定したとき(S31)、CoMP実施要求を端末200とスレーブ基地局100‐2に送信することもできる。その後、マスタ基地局100‐1は実施通知(S34、S35)を通知することで実施できる。また、上り方向についても、マスタ基地局100‐1は、CoMP送信判定後(S31)、CoMP送信要求を端末200等に送信し、CoMP実施通知を通知(S34〜S35)することで実施できる。かかる場合の端末200の構成例を図22(下り方向の場合)、図23(上り方向の場合)に示す。端末200は、上述した実施例と比較してCoMP通信制御部220とCoMP通信要求信号作成部221がないため、さらに消費電力の削減を図ることができる。
さらに、上述した各実施例は、マスタ基地局100‐1とスレーブ基地局100‐2の2つの基地局100から送信データを送信する例について説明した。例えば、複数のセル(またはセクタ)を有する1つの基地局100が送信データを送信するようにしてもよい。図24は基地局100の構成例を示す図である。基地局100は、マスタ通信部150‐1と、スレーブ通信部150‐2と、各通信部150‐1,150‐2接続されたアンテナ101‐1,101‐2とを備える。マスタ通信部150‐1は、マスタ基地局100‐1内の各部102等を備え、スレーブ通信部150‐2はスレーブ基地局100‐2内の各部102等を備える。例えば、マスタ通信部150‐1は保持した位相差情報をスレーブ通信部150‐2に出力し、スレーブ通信部150‐2は位相差情報に基づいてスクランブルコードを作成する。また、スレーブ通信部150‐2はセル情報をマスタ通信部150‐1に送信し、マスタ通信部150‐1は自局のセル情報とともに位相差情報を算出してスレーブ通信部150‐2に出力する。これにより、第1〜第3の実施例と同様に実施できる。
さらに、上述した各実施例において、CoMP送信で使用されるセル番号、端末番号、及びスロット番号をCoMP専用のセル番号、端末番号、及びスロット番号とすることもできる。例えば、セル情報信号作成部106は、セル番号、端末番号、及びスロット番号をCoMP専用の各番号に書き換えることもできる。
さらに、上述した各実施例はスクランブリングコードの位相差について説明した。例えば、端末番号の差、セル番号の差、またはスロット番号の差の少なくとも一つを用いても同様に実施できる。スクランブリングコードの初期値は端末番号等のセル情報から作成されるため、端末番号の差等は、スクランブリングコードの位相差と同様に取り扱うことができる。例えば、マスタ基地局100‐1のセル情報信号作成部106(図3)は、セル番号の差等を位相差情報としてスレーブ基地局100‐2に送信することで第1の実施例等と同様に実施することができる。
さらに、上述した各実施例は、2つの基地局100‐1,100‐2と端末200との間でCoMP送信を行う例について説明した。例えば、3つ以上の基地局100と端末200との間でCoMP送信を実施することもできる。この場合、3つ以上の基地局のうちいずれか一つがマスタ基地局、それ以外の基地局がスレーブ基地局とし、上述した各実施例と同様にセル情報をマスタ基地局から複数のスレーブ基地局に送信することで実施できる。
10:無線通信システム 100:基地局装置(基地局)
100‐1:マスタ基地局 100‐2:スレーブ基地局
103:復調・復号部 105:無線回線制御部
106:セル情報信号作成部 107:CoMP通信要求信号抽出部
108:CoMP通信実施判定及び制御部(制御部)
109:無線回線品質情報抽出部 110:スケジューラ
111:制御信号作成部 112:スクランブリングコード作成部
112‐1:第1のシフトレジスタ 112‐2:第1の排他的論理和回路
112‐3:第2のシフトレジスタ 112‐4:第2の排他的論理和回路
112‐5〜112‐13:第3〜11の排他的論理和回路
112‐14:初期値設定部
112‐15,112‐16:第1及び第2のスイッチ群
112‐17〜112‐19:第12〜14の排他的論理和回路
114:符号化・変調部 150‐1:マスタ通信部
150‐2:スレーブ通信部 200:端末装置(端末)
203:復調・復号部 204:無線回線品質測定及び算出部(算出部)
205:無線回線品質情報作成部
206:セル情報及び位相差情報抽出部(位相差情報抽出部)
207:スクランブリングコード作成部 208:受信制御信号抽出部
209:端末設定制御部 210:受信電力測定部
213:符号化・変調部 220:CoMP通信制御部
221:CoMP通信要求信号作成部 225:セル情報抽出部

Claims (11)

  1. 1または複数のセルまたはセクタを夫々有する第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記第1の基地局装置は、
    送信データを前記端末装置に送信するとき、第1のスクランブリングコードを用いて前記送信データをスクランブリング処理する処理部と、
    前記第1のスクランブリングコードを用いて前記スクランブリング処理された前記送信データを前記端末装置に送信する送信部とを備え、
    前記第2の基地局装置は、
    前記第1の基地局装置から送信される送信データを前記端末装置に送信する際に、前記第1の基地局装置で用いられる前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて、スクランブリング処理する処理部と、
    前記第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された送信データを前記端末装置に送信する送信部とを備え、
    前記端末装置は、前記第1及び第2の基地局装置から送信された前記送信データを受信し、前記第1のスクランブリングコード及び前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて夫々前記送信データをデスクランブリング処理する受信部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記第1の基地局装置の送信部は、前記位相差を示す位相差情報を前記端末装置に送信し、
    前記端末装置の受信部は、前記位相差情報に基づいて前記第2のスクランブリングコードを作成することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記第1の基地局装置は、プリコーディング情報を作成するスケジューラを備え、
    前記スケジューラは前記プリコーディング情報を前記第2の基地局装置に送信し、前記第1及び第2の基地局装置の各送信部は、前記プリコーディング情報に基づいて前記送信データに重み付けをして前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  4. 1または複数のセルまたはセクタを夫々有する第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記第1の基地局装置は、
    送信データを前記端末装置に送信するとき、第1のスクランブリングコードを用いて前記送信データをスクランブリング処理し、
    前記第1のスクランブリングコードを用いて前記スクランブリング処理された前記送信データを前記端末装置に送信し、
    前記第2の基地局装置は、
    前記第1の基地局装置から送信される送信データを前記端末装置に送信する際に、前記第1の基地局装置で用いられる前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて、スクランブリング処理し、
    前記第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された送信データを前記端末装置に送信し、
    前記端末装置は、前記第1及び第2の基地局装置から送信された前記送信データを受信し、前記第1のスクランブリングコード及び前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて夫々前記送信データをデスクランブリング処理する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  5. 他の基地局装置とともに端末装置との間で無線通信を行う基地局装置において、
    前記他の基地局装置から前記端末装置に送信される送信データを前記端末装置に送信する際に、前記他の基地局装置で用いられるスクランブリングコードとは所定の位相差を有するスクランブリングコードを用いて、自基地局装置から前記端末装置に送信される送信データをスクランブリング処理する処理部と、
    前記他の基地局装置で用いられるスクランブリングコードとは所定の位相差を有する前記スクランブリングコードを用いて前記スクランブリング処理された前記送信データを前記端末装置に送信する送信部と
    を備えることを特徴とする基地局装置。
  6. 第1及び第2の基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
    前記第1の基地局装置からの送信データ及び前記第2の基地局装置からの送信データを受信し、前記受信した送信データを第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理し、前記受信した受信データを前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いてデスクランブリング処理する受信部
    を備えることを特徴とする端末装置。
  7. 第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記端末装置は、
    前記第1の基地局装置に対して送信する送信データを第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理し、前記第2の基地局装置に対して送信する送信データを前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理する処理部と、
    前記第1及び第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された送信データを送信する送信部とを備え、
    前記第1の基地局装置は、前記第1のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してデスクランブリング処理を行う受信部を備え、
    前記第2の基地局装置は、前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してデスクランブリング処理を行う受信部を備える
    ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 第1及び第2の基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記端末装置は、
    前記第1の基地局装置に対して送信する送信データを第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理し、
    前記第2の基地局装置に対して送信する送信データを前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理し、
    前記第1の基地局装置は、前記第1のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してデスクランブリング処理を行い、
    前記第2の基地局装置は、前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してデスクランブリング処理を行う
    ことを特徴とする無線通信方法。
  9. 第1及び第2の基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
    前記第1の基地局装置に対して送信する送信データを第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理し、前記第2の基地局装置に対して送信する送信データを前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理する処理部と、
    前記第1及び第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された送信データを送信する送信部と
    を備えることを特徴とする端末装置。
  10. 第1の無線エリアを提供する第1の通信部と第2の無線エリアを提供する第2の通信部とを有する基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記第1の通信部は、
    送信データを前記端末装置に送信するとき、第1のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してスクランブリング処理する第1の処理部と、
    前記第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された前記送信データを前記端末装置に送信する第1の送信部とを備え、
    前記第2の通信部は、
    前記第1の通信部から送信される送信データを前記端末装置に送信する際に、前記第1の通信部で用いられる前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて、スクランブリング処理する第2の処理部と、
    前記第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された送信データを前記端末装置に送信する第2の送信部とを備え、
    前記端末装置は、前記第1及び第2の送信部から送信された前記送信データを受信し、前記第1のスクランブリングコード及び前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて前記送信データをデスクランブリング処理する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
  11. 第1の無線エリアを提供する第1の通信部と第2の無線エリアを提供する第2の通信部とを有する基地局装置と、端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記端末装置は、
    前記第1の基地局装置に対して送信する送信データを第1のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理し、前記第2の基地局装置に対して送信する送信データを前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理する処理部と、
    前記第1及び第2のスクランブリングコードを用いてスクランブリング処理された送信データを送信する送信部とを備え、
    前記基地局装置の第1の通信部は、前記第1のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してデスクランブリング処理を行う第1の受信部を備え、
    前記基地局装置の第2の通信部は、前記第1のスクランブリングコードとは所定の位相差を有する第2のスクランブリングコードを用いて前記送信データに対してデスクランブリング処理を行う第2の受信部を備える
    ことを特徴とする無線通信システム。
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